JPH0717583B2 - 芳香族アミン類の製造方法 - Google Patents

芳香族アミン類の製造方法

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JPH0717583B2
JPH0717583B2 JP17251986A JP17251986A JPH0717583B2 JP H0717583 B2 JPH0717583 B2 JP H0717583B2 JP 17251986 A JP17251986 A JP 17251986A JP 17251986 A JP17251986 A JP 17251986A JP H0717583 B2 JPH0717583 B2 JP H0717583B2
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邦彦 伊木
徳幸 武田
英夫 中村
修一 古本
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、フェノール類とアンモニアとからの芳香族ア
ミン類の製造方法に関し、さらに詳しくは、フェノール
類とアンモニアとからの芳香族アミン類を製造するに際
して、反応後に得られる反応混合物から腐食性物質を除
去するための方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 フェノール類とアンモニアとからアニリン、トルイジン
などの芳香族アミン類を製造する方法は、従来広く知ら
れている。そしてこの方法では余剰のアンモニアは脱ア
ンモニア塔により、分離除去されていた。ところがこの
方法により芳香族アミン類を製造しようとすると、反応
後に得られる反応混合物中に腐食物質が存在し、この腐
食物質が脱アンモニア塔の特性個所に偏在するため、脱
アンモニア塔に腐食が発生するという問題点があった。
このような腐食物質は、完全には特定できないが、アン
モニア、炭酸ガス、水から生成されるカルバミン酸アン
モニウム、炭酸アンモニウムであろうと推測される。
このため脱アンモニア塔では、腐食物質が偏在しやすい
個所の付近から、腐食物質を多く含む反応混合物の一部
を抜出して焼却などの廃棄処理を行なっていた。ところ
が腐食物質を多く含む反応混合物であっても、この中に
は芳香族アミン類が多量に含まれているため、上記のよ
うな廃棄処理を行なうことは芳香族アミン類の歩留り低
下の大きな原因となっていた。
このような問題点を解決するためには、腐食物質を多く
含む反応混合物を抜出した後で、この反応混合物から腐
食物質のみを除去すればよいが、この反応混合物から腐
食物質のみを除去する方法は従来知られていなかった。
このような情況のもとで、本発明者は鋭意研究したとこ
ろ、反応混合物を脱アンモニア塔で処理する際に、反応
混合物の少なくとも一部を特定の条件下で脱アンモニア
処理をすれば、脱アンモニア処理された反応混合物が油
相と水相とに分離し、腐食物質は水相中に偏在している
ことを見出して本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、フェノール類とアンモニア
とから芳香族アミン類を製造するに際して、脱アンモニ
ア工程において、脱アンモニア塔からの反応混合物の少
なくとも一部から腐食物質を効率よく除去することによ
って、脱アンモニア塔に腐食が発生することを低減する
とともに、目的化合物である芳香族アミン類の歩留りを
高めることを目的としている。
発明の概要 本発明に係る芳香族アミン類の製造方法は、フェノール
類とアンモニアとから芳香族アミン類を製造するにあた
り、脱アンモニア工程において、脱アンモニア塔から反
応混合物の少なくとも一部、通常5〜95%を抜出して脱
圧器へ導入し、いったん反応混合物からアンモニアガス
を放出させた後、この反応混合物を再び2〜10Kgf/cm2G
に加圧するとともに20〜100℃の温度に少なくとも1回
以上保つことによって、この反応混合物を油相と水相と
に分離し、水相を系外に除去するとともに油相を反応混
合物流に戻すことを特徴としている。
脱アンモニア塔の運転は通常、塔頂温度0〜15℃、塔頂
圧力3〜7Kgf/cm2Gの範囲で行なわれる。好ましくは塔
頂温度3〜10℃、塔頂圧力4〜6Kgf/cm2Gで運転する。
脱アンモニア塔からの反応混合物抜出し個所は原則とし
て腐食性物質を多く含んだ個所が好ましい。塔底圧力5K
gf/cm2G、塔底温度160℃の運転条件下では、温度50℃〜
140℃の範囲にある個所の何れからでもよい。油水分離
後の油相を戻す位置も上記範囲の何処でもよい。
本発明により、塔から抜出された反応混合物は脱圧器に
導入した後、油相と水相とに分離でき、腐食物質は水相
に偏在しているため水相を反応系外に除去すれば、油相
は腐食物質をほとんど含まない状態となり、この油相は
反応混合物流に戻すことができる。したがって本発明に
よれば、脱アンモニア塔の腐食が低減でき、しかも芳香
族アミン類の歩留りを高めることができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る芳香族アミン類の製造方法について具
体的に説明する。
本発明では、たとえばフェノール類とアンモニアとを反
応させて芳香族アミン類を製造するに際して得られた反
応混合物が処理の対象となる。具体例としては、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノ
ールまたはこれらの2種以上の混合物とアンモニアか
ら、アニリン、トルイジン、キシリジン、クミジンおよ
びこれらの2種以上の混合物を製造する工程で得た反応
混合物を対象に挙げることができる。
本発明では、フェノール類とアンモニアとから芳香族ア
ミン類を製造するにあたり、脱アンモニア工程で反応混
合物流の少なくとも一部を、第1図のフローチヤートに
示すように、脱アンモニア塔(A)から抜出して、脱圧
器(B)に導く。この脱圧器(B)には、その外周に加
熱コイル(C)が設けられており、脱圧器内の温度が調
節されるようになっている。
脱圧器(B)に導かれた反応混合物は、脱圧されて余剰
のアンモニアガスが放出される。アンモニアガスは、反
応混合物を構成する水相および油相のいずれに対しても
かなりの溶解度を有しており、この水相および油相から
アンモニアガスが放出される。反応混合物からのアンモ
ニアガスの放出が充分になされないと、後述する工程で
の水相と油相との分離が悪くなるとともに、水相となる
遊離水の量が少なくなるため好ましくない。このように
反応混合物からのアンモニアガスの放出は重要である。
したがって脱圧器の容量、制御圧力および温度には充分
配慮すべきである。
このようにして反応混合物を脱圧器で処理して、アンモ
ニアガスを系外に放出すると、アンモニアガスとともに
腐食物質の一部が系外に除去される。
次に、本発明では、アンモニアガスが系外に放出された
反応混合物を、再び2〜10Kgf/cm2G好ましくは4.0〜6.0
Kgf/cm2Gに加圧するとともに、液温を20〜100℃好まし
くは30〜40℃に保持する。
ここで原理上では液温は低いほど、水相をなす遊離水が
多く得られ、腐食性物質の除去率が高くなると考えられ
るが、水相と油相との密度差が小さくなり分離に長時間
を要するようになるため、後で処理された反応混合物が
導かれる油水分離装置(D)を大型化しなければならな
くなる。このため、反応混合物の温度を、上記範囲に保
つことが好ましい。
また反応混合物を2.0〜10Kgf/cm2Gに加圧するのは、油
水分離装置内でアンモニアガスが気化し、泡立ち現象が
発生して油水分離界面が不安定になるのを防止するため
である。
脱アンモニアが行なわれた反応混合物に加えられる上記
のような特定温度での加圧処理は、少なくとも1回以上
行なわれる。すなわち上記のような特定温度での加圧処
理は、2回以上行なわれてよい。
このようにして処理された反応混合物は、ポンプ(E)
およびフィルター(F)を介して油水分離装置(D)に
導かれ、ここで油相と水相とに分離され、水層は系外に
除去されるとともに、油相は再び脱アンモニア塔(A)
に戻される。水相中には腐食性物質が多量に溶解されて
おり、この水相を系外に除去することによって、腐食性
物質は大量に系外に除去される。一方油相には、ほとん
ど腐食性物質は残存しておらず、大量の芳香族アミン類
を含有しているため、この油相を脱アンモニア塔(A)
に戻すことによって、芳香族アミン類を回収でき、歩留
りが向上する。
このように本発明では、脱アンモニア塔内での腐食が低
減でき、しかも芳香族アミン類を回収できるため、従来
の方法のように腐食低減のための脱アンモニア塔から抜
出し量が芳香族アミン歩留り低下を理由として制限され
ることがなく、この抜出し量を多くすることができると
いう効果も得られる。また腐食性物質の水相への偏在度
は抜出し量には影響されない。
発明の効果 本発明によれば、フェノール類とアンモニアとから芳香
族アミン類を製造するにあたり、脱アンモニア工程にお
いて、脱アンモニア塔から反応混合物の少なくとも一部
を抜出し、脱圧器に導入することにより、この反応混合
物を油相と水相とに分離し、腐食性物質は水相に偏在し
ているため水相を反応系外に除去すれば、油相は腐食性
物質をほとんど含まない状態となり、脱アンモニア塔に
戻すことができる。したがって本発明によれば、脱アン
モニア塔の腐食が低減できると同時に、しかも芳香族ア
ミン類の歩留りを高めることができる。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 フェノールとアンモニアとからアニリンを製造するに際
して、反応後に得られた反応混合物の一部を脱アンモニ
ア塔から第1図に示すように、40pbw/Hの量で脱圧器に
導入した。ここで反応混合物を脱圧してアンモニアガス
を放出させ、次いでこの反応混合物をポンプおよびフィ
ルターを介して油水分離器に導き、5.0Kgf/cm2G、40℃
に保持した後、ここで水相と油相とに分離した。水相は
系外に除去するとともに油相は脱アンモニア塔に戻し
た。
第1図の1〜5の各個所における流量[pbw/H]、アニ
リン量[pbw/H]、水量[pbw/H]、アンモニア量[pbw/
H]および腐食物質量[pbw/H]を表1に示す。また1,4
および5の各個所における炭素鋼(SS−41)に対する腐
食性(mdd)を測定し、表1に併せて示す。
なお腐食物質量[pbw/H]は、次のようにして測定し
た。
腐食物質量は次のようにして測定した。
試料は、高濃度のアンモニアを含むため通常のガラス瓶
で採取されると、内圧が上昇し吹出ることがあり、また
空気中の炭酸ガスを吸収し、高い分析値を与えやすいた
め、40ml容量の耐圧ボンベで密閉採取する。
この内容液を、空気に触れないようにし、アセトンおよ
び水で洗い出して、一定容量に希釈するが、この時の含
水率は、20〜30%にする。
一定容量(たとえば200ml)に希釈された溶液の一部
(たとえば20ml)を採取し、アセトンで100mlに希釈し
た後、N/20水酸化テトラメチルアンモニウムのイソプロ
ピルアルコール溶液で、非水電位差滴定を行う。
水酸化テトラメチルアンモニウムによって中和される酸
類を炭酸塩とみなし、炭酸ガスの重量%で表示した(カ
ルバミン酸アンモニウムは、水の存在により炭酸アンモ
ニウムに移行するため酸類を全て、炭酸塩とみなしてい
る)。
また炭素鋼(SS−41)に対する腐食性(mdd)は次のよ
うにして測定した。
幅10mm、長さ50mm、厚さ3mmのテストピースを粒度#150
研磨紙で研磨した後、重量を0.1mg単位で秤量する。
このテストピース3枚を容量1のガラス製オートクレ
ーブ中に、各々接触しないように吊し、封をする。
測定試料は、プロセス配管から、SUS製配管によって直
接約700ml採取する。
このオートクレーブを、最初の5日間は室温(24℃)と
し、その後、7日間は60℃にして攪拌を続ける。
その後、テストピースを取り出し、水洗、アセトン洗浄
しながら腐食生成物を落し、さらに水洗、アセトン洗浄
を行なって、風乾する。
風乾後のテストピース重量を0.1mg単位で秤量し、テス
ト前との重量減少を求める。
腐食性(mdd)は、テストピース3枚について、次の式
によって求めた値の平均とする。
実施例 2 実施例1において、脱アンモニア塔から脱圧器に抜出す
反応混合物の量を100pbw/Hとした以外は、実施例1と同
様にした。
各個所における流量などを測定し、結果を表2に示す。
実施例 3 実施例1において、脱アンモニア塔から脱圧器に抜出す
反応混合物の量を150pbw/Hとした以外は、実施例1と同
様にした。
各個所における流量などを測定し、結果を表3に示す。
実施例4〜6 実施例1において、フエノールをP−イソプロピルフェ
ノール、m,p−クレゾール、2,6−キシレノールおよびフ
ェノールとp−イソプロピルフェノールとの9:1混合物
に変えた以外は同様に行い、油水分離器から出てきた個
所すなわち5での油相の腐食物質濃度を調べた。
結果を表4に示す。
これらの実施例から、反応混合物を本発明に係るプロセ
スによって処理すると、処理された反応混合物のうち脱
アンモニア塔に戻される油相からは腐食物質が良く除去
されていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の工程を示すフローチャートである。 A……脱アンモニア塔、B……脱圧器 C……ジャケット、D……油水分離装置 E……ポンプ、F……フィルター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類とアンモニアとから芳香族ア
    ミン類を製造するにあたり、反応混合物から未反応アン
    モニアを除く工程で反応混合物の少なくとも一部を脱ア
    ンモニア塔から抜出して脱圧器へ導入し、いったん反応
    混合物からアンモニアガスを放出させた後、この反応混
    合物を再び2〜10Kgf/cm2Gに加圧するとともに20〜100
    ℃の温度に少なくとも1回以上保つことによって、この
    反応混合物を油相と水相とに分離し、水相を系外に除去
    するとともに油相を反応混合物流に戻すことを特徴とす
    る芳香族アミン類の製造方法。
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