JP5165229B2 - 患者支持パネル、及び患者支持パネルを有する手術台 - Google Patents

Description

本発明は、患者を支持するための支持部と、キャリアユニットに患者支持パネルを接続するための接続部材とを有する患者支持パネルに関する。

本発明は又、このような患者支持パネルと、少なくとも１つの旋回軸を中心に旋回可能なコラムヘッドを含む手術台コラムとを有する手術台に関する。

冒頭で述べた患者支持パネルを用いると、治療上の処置や外科手術や診断上の処置のために、患者を患者支持パネルにより形成される支持面で確実に支持することができる。多くの場合、患者は手術中に次のような傾いた姿勢つまり傾斜した体位をとることが望ましい。即ち、患者支持パネルの長手方向と直交する旋回軸を中心にパネルが傾けられるような傾斜体位（いわゆるトレンデレンブルグ体位）、或いは、患者支持パネルの長手方向と平行を成す旋回軸を中心にパネルが傾けられるような傾斜体位（いわゆるティルティング）である。この目的のために、少なくとも１つの水平の旋回軸を中心に旋回可能なコラムヘッドを備えた手術台コラムが知られている。患者支持パネルは、コラムヘッド上に配置して、コラムヘッドにより所望のトレンデレンブルグ体位又はティルト体位に移行させることができる。しかしながら、ここで実現可能な旋回範囲は制限されている。
DE 197 51 320 A1 DE 297 13 904 U1 US 6,681,423 B2 US 5,655,238 A

本発明は、旋回又は傾斜をより広範囲に行うことができるよう、冒頭で述べたタイプの患者支持パネルを改良することを目的とする。

この目的は、本発明によれば、冒頭で述べたタイプの患者支持パネルにおいて、本発明に従い、次のようにすることで達成される。即ち、前記患者支持パネルが、自らをその長手方向に対して平行又は垂直に向けられた少なくとも１つの旋回軸を中心に旋回させるための旋回機構を備えること、である。

本発明に係る患者支持パネルは、この患者支持パネル全体を旋回させることが可能な旋回機構により特徴付けられる。従って、前記患者支持パネルは、トレンデレンブルグ体位及び／又はティルト体位を実現するために、キャリアユニットとは独立に、直交軸及び／又は長手軸を中心に調節することができる。本発明に係る患者支持パネルが、旋回可能なコラムヘッドを備えた手術台コラムと組み合わせて用いられると、患者支持面に加えて手術台コラムも調節可能となる。これには、一方で、手術台コラムの回転範囲を大きくする必要なしに、旋回範囲を全体として大きくすることができる、という利点がある。他方で、前記患者支持パネルを旋回可能コラムヘッドを備えた手術台コラムと組み合わせることで、トレンデレンブルグ体位とティルト体位を同時にかつ制限なしに実現することが可能となる。この場合、例えば、トレンデレンブルグ体位は上記旋回機構によって作ることができ、所望のティルト体位は上記旋回可能コラムヘッドによって作ることができる。

本発明に係る患者支持パネルは又、次のような利点も有する。即ち、上記患者支持パネルが、上記手術台コラムと独立に、旋回された位置（特に、トレンデレンブルグ体位）をとることができる、という利点である。この位置は、上記患者支持パネルを上記キャリアユニット上に移動する或いは上記キャリアユニットから受け取る際にも、維持することができる。これにより、患者が手術により十分に備えることが許容される。旋回位置を予め設定しておくと、患者に不快感を与えることなく移送することが許容されると共に、支えるのに必要な労力を減らされる。

トレンデレンブルグ機能とティルティング機能は空間的観点からは互いに別のものである以上、上記手術台コラムの上に患者支持パネルを着座させると、そうでない場合に通例である旋回範囲に対する相互の機械的制限はもはや当てはまらない。

上記旋回機構によって、上記患者支持パネルの上記支持部を上記接続部材に対して旋回させることができる。その結果、前記接続部材を手術台コラムのコラムヘッド上で水平な向きに配置しつつ、上記支持部は水平面に対して傾いた位置をとることができる。

本発明に係る患者支持パネルを手術台コラムの形態を成すキャリアユニットと組み合わせて使用することに加え、これとは対照的に、次のような搬送車の形態で前記キャリアユニットを提供することもできる。即ち、上記患者支持パネルを解放可能なように接続することができる搬送車の形態である。従って、上記患者支持パネル、上記手術台コラム、及び上記搬送車が患者支持システムを形成することができる。患者を不快感を与えることなく搬送し、上記搬送車から手術台コラムの手術を行うのに最適な位置へと患者を移すことができる。

好ましい実施形態の場合、上記支持部と上記患者支持パネルの上記接続部材との間に、上記旋回機構が配置される。或いは又、例えば、上記旋回機構をベース部に一体化してもよい。このベース部は、例えば、上記旋回機構を囲繞するフレームを形成してもよい。

上記旋回機構は、手で動かすことができると有利である。従って、例えば、上記患者支持パネルを旋回可能にする旋回レバーを設けることが可能である。

上記旋回機構は、所望の旋回位置に上記患者支持パネルを拘束するための拘束部材を有してもよい。

手動操作に代えて又はその補助として、上記旋回機構をモータで作動させてもよい。この目的のために、例えば、電動式又は油圧式駆動装置を用いることができる。

特に好ましい実施形態の場合、上記患者支持パネルは患者支持パネルを旋回させるための駆動モータを有する。駆動モータとして、電気サーボモータを用いるのが好ましい。

上記患者支持パネルは、上記支持部に加えて、更なるパネル部（例えば、背パネル部又は脚パネル部）を有してもよい。この場合、少なくとも１つの更なるパネル部をモータ調節可能なように上記支持部に取り付けると有利である。このような実施形態の場合、単に上記支持部を上記接続部材に対して旋回させることができるだけでなく、少なくとも１つの更なるパネル部をこの支持部に対して旋回させることもできる。これにより患者（例えば、これから外科手術手を受けようとする患者）を、できるだけこの患者にとって手術が受け易い位置で支持することができる。

上記患者支持パネルが、上記少なくとも１つの更なるパネル部を調節するための駆動モータを有すると有利である。これにより、この更なるパネル部を調節する目的で上記手術台コラムと上記患者支持パネルとの間に複雑な構造のギア機構エレメントを設けずに済むことができる。駆動モータとして、電気サーボモータを用いるのが好ましい。

本発明の有利な実施形態では、次のような上記旋回機構によって特に大きな旋回範囲が実現される。即ち、上記患者支持パネルの長手方向又は直交方向において互いにオフセットされて配される第１及び第２の旋回軸であって、これらを中心に上記患者支持パネルが部分的に旋回可能であるものを規定する旋回機構である。これら２つの旋回軸の少なくとも１つが、上記患者支持パネルの長手方向又は直交方向に関し、上記接続部材の端部領域と水平に配されると特に有利である。２つの旋回軸を用いることにより、上記患者支持パネルの長手軸又は直交軸に関し、上記支持部に対して偏心して配される旋回軸を中心に、上記患者支持パネルを旋回させることが許容される。これにより、次のような理由から特に大きな旋回範囲が許容される。即ち、上記端部領域の一方を低くするために、上記患者支持パネルを、上記端部領域のより近くに配される旋回軸を中心に旋回させることができる、という理由である。つまり、上記患者支持パネルをその頭部側が特に低い位置をとるように旋回させる場合には、この頭部側のより近くに配される旋回軸を中心に上記患者支持パネルを旋回させることができる。これに対し、前記頭部側を持ち上げる場合には、脚パネルのより近くに配される旋回軸を中心に旋回動作を実施することができる。

既に説明したように、本発明は、上述したタイプの患者支持パネルだけに関するものではない。正確に言えば、本発明は、この種の患者支持パネルと、少なくとも１つの旋回軸を中心に旋回可能でありかつ上記患者支持パネルが接続可能なコラムヘッドを有する手術台コラムとを備えた手術台にまで及ぶ。上記旋回可能コラムヘッドが上記患者支持パネルに対して第１の旋回範囲を保証し、上記旋回機構を使用することで上記患者支持パネルに更なる旋回範囲が設けられる。こうして、これら２つの旋回範囲は互いを加え合う。

更に詳細な説明のため、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。

図１〜４において、本発明に係る患者支持パネルの第１の実施形態を概略的に図示する。この第１実施形態については、参照符号１０で全体を表す。この患者支持パネルは、一方において背パネル部１３が、他方において脚パネル部１４が関節結合された中央支持部１２を有する。図示していないが、患者支持パネル１０に一体化された電動モータが、これらのパネル部を、患者支持パネル１０の長手方向に対して直交する方向に向けられた旋回軸を中心に、いずれも支持部１２に対して旋回させることができる。頭部１５は、背パネル１３の支持部１２がある方とは反対側に、調節可能なように取り付けられる。

患者支持パネル１０は又、次のような接続部材１７を有する。即ち、手術台コラム２０のコラムヘッド１９に自らを解放可能なように接続するために用いられる接続部材１７である。この目的のために、コラムヘッド１９は、その上側において、次のような支持平面２２を有する。即ち、そこから２つの楔形部分の形態を成す２つの結合要素が、上方にかつ互いにその側面が対向するように突出する支持平面２２である。なお、１つのウェッジ部２３だけを図示している。その下側においては、接続部材１７がベアリング平面２５を形成する。ベアリング平面２５からは、２つの下方を向いた支持側板部が、横方向にかつ互いに対向するように突出する。なお、１つの支持側板部２６だけを図示している。支持側板２６は各々取り付け具（図示しない）を有しており、患者支持パネル１０が手術台コラム２０上に配置されると、これらの取り付け具が楔形部分２３を収容し、この楔形部分を各取り付け具にロックすることが可能となる。

患者支持パネル１０は、更に、支持部１２と接続部材１７との間に配された旋回機構２８を有する。旋回機構２８は、接続部材１７上に着座されかつその上側に支持部１２が関節結合されたベアリングブロック２９を含む。ベアリングブロック２９は、次のような旋回軸３０を規定する。即ち、患者支持パネル１０の長手方向に対して直交方向に向けられていて、かつ、これを中心に、支持部１２を背パネル部１３、脚パネル部１４及び頭部１５と共に旋回させることができるような旋回軸３０である。患者支持パネル１０を旋回させるために、ベアリングブロック２９は、次のようなピストン／シリンダサブアセンブリ３２の形態を成す油圧式駆動部を収容する。即ち、その一方がベアリングブロック２９に関節結合され、その他方が支持部１２に関節結合されたピストン／シリンダサブアセンブリ３２である。

手術台コラム２０のコラムヘッド１９は、従来の方法で、旋回軸３４を中心に旋回させることができる。旋回軸３４は、旋回軸３０と平行に向けられる。この目的のために、コラムヘッド１９は、コラムベース３５上に調節可能なように取り付けられ、それ自体既知であり図示はしないが手術台コラム２０に一体化されている駆動要素によって旋回可能である。

しかしながら、図１から明らかなように、コラムヘッド１９の旋回動作とは独立に、トレンデレンブルグ体位を実現するべく、患者支持パネル１０を旋回軸３０を中心に旋回させることができる。旋回機構２８によって達成可能な患者支持パネル１０の旋回範囲は、コラムヘッド１９によって達成可能な旋回範囲で補うことができる。このことは図３から明らかであり、図３は次のような患者支持パネル１０を示す。即ち、一方では旋回軸３０を中心に旋回され、他方では更に旋回軸３４を中心に旋回された場合の位置における患者支持パネル１０を示す。この位置になるよう旋回されると、脚パネル部１４は顕著に上昇した位置をとり、頭部１５は顕著に下降した位置をとる。

患者支持パネル１０は、手術台コラム２０から取り外して、搬送車３８に配置することができる。搬送車３８は図４に示されている。患者支持パネル１０は、旋回機構２８により、水平に向けることが可能なベアリング面２５に対して、旋回軸３０を中心に旋回させることができる。このため、患者支持パネル１０全体が、移送中、傾いた位置をとることができる。従って、患者支持パネル１０は次のことを可能にする。即ち、特にトレンデレンブルグ体位（図４に示す）を設定し、患者支持パネル１０上に横たわる患者を、この体位のまま搬送車３８から手術台コラム２０に移送し、かつこの体位のまま手術台コラム２０から受け取ることを可能にする。これにより、患者がとりわけ自身にとって楽な方法で搬送され、手術により十分に備えることが保証される。

図５、６、及び７に示したのは、次のような患者支持パネルの第２の実施形態である。参照符号４０によって全体を表し、上で説明した患者支持パネル１０と概ね同じ構成を有する患者支持パネルの第２実施形態である。従って、同じ構成要素については、図１〜４と同じ参照符号を図５、６、及び７で使用している。繰り返しを避けるため、これらの構成要素に関しては、上述した説明を参照されたい。

患者支持パネル４０は、次のような旋回機構４２を使用している点で、患者支持パネル１０と異なる。即ち、患者支持パネル４０の長手方向において、互いにオフセットされて配置される２つの旋回軸４４、４５を規定する旋回機構４２である。患者支持パネル４０は、旋回機構４２によって、第１の旋回軸４４又は第２の旋回軸４５を中心に選択的に旋回させることができる。２つの旋回軸４４、４５は、それぞれ、患者支持パネル４０の長手方向に関し、接続部材１７の端部領域と水平を成すよう配される。図５に示したのは、第１の旋回軸４４を中心に旋回された場合の位置における患者支持パネル４０である。この場合、手術台コラム２０は垂直方向に向けられる。図６は、一方では第１の旋回軸４４を中心に旋回され、他方では手術台コラム２０の旋回軸３４を中心に旋回された患者支持パネル４０を示す。こうして旋回されると、頭部１５が全体的に極めて明確な程度にまで低くされる。

更に、患者支持パネル４０は、解放可能なように、手術台コラム２０又は搬送車３８と選択的に接続することができる。図６に示したのは、第２の旋回軸４５を中心に旋回された場合の位置における患者支持パネル４０である。この場合、前記患者支持パネルは、搬送車３８上に着座される。

患者支持パネル４０を旋回させるために、旋回機構４２は少なくとも１つの電気サーボモータ（図示しない）を含む。或いは又、少なくとも１つのピストン／シリンダサブアセンブリを備えた油圧式駆動部を使用することも同じく可能である。

垂直に向けられた手術台コラムの上に傾いた位置で着座された、本発明に係る患者支持パネルの第１の実施形態の概略側面図を示す。 図１の患者支持パネルの中央部分及び手術台コラムの分解概略側面図を示す。 垂直面から旋回された手術台コラムの上に着座された、図１の患者支持パネルの概略側面図を示す。 搬送車の上に着座された、図１の患者支持パネルの概略側面図を示す。 垂直に向けられた手術台コラムの上に傾いた位置で着座された、患者支持パネルの第２の実施形態の概略側面図を示す。 垂直面から旋回された手術台コラムの上に着座された、図５の患者支持パネルの概略側面図を示す。 搬送車の上に着座された、図５の患者支持パネルの概略側面図を示す。

Claims (8)

1. 患者支持パネル（１０；４０）と、手術台コラム（２０）とを備えた手術台であって、
   前記患者支持パネル（１０；４０）が、患者を支持するための支持部（１２）と、前記手術台コラム（２０）に該患者支持パネル（１０；４０）を接続するための接続部材（１７）とを有し、
   前記手術台コラム（２０）が、少なくとも１つの旋回軸（３４）を中心に旋回可能でありかつ前記患者支持パネル（１０；４０）が接続されるコラムヘッド（１９）を有し、
   前記患者支持パネル（１０；４０）が、該患者支持パネル（１０；４０）の長手方向に対して平行又は垂直に向けられた少なくとも１つの旋回軸（３０；４４、４５）を中心に該患者支持パネル（１０；４０）を旋回させるための旋回機構（２８；４２）を備える、
   手術台において、
   前記患者支持パネル（１０；４０）が、前記手術台コラム（２０）に解放可能に接続することができること、及び
   前記旋回機構（２８；４２）が前記支持部（１２）と前記接続部材（１７）との間に配置され、前記支持部（１２）が前記接続部材（１７）に対して旋回可能であり、前記接続部材（１７）を前記コラムヘッド（１９）上で水平な向きに配置しつつ、前記支持部（１２）が前記水平な向きに対して傾いた位置をとることができること、
   を特徴とする手術台。
2. 請求項１に記載の手術台において、上記旋回機構（２８；４２）が手で動かすことができることを特徴とする手術台。
3. 請求項１又は２に記載の手術台において、上記旋回機構（２８；４２）がモータで作動させることができることを特徴とする手術台。
4. 請求項３に記載の手術台において、上記患者支持パネル（１０；４０）が、該患者支持パネル（１０；４０）を旋回させるための駆動モータ（３２）を有することを特徴とする手術台。
5. 請求項１〜４のいずれかに記載の手術台において、少なくとも１つの更なるパネル部（１３、１４）が、モータ調節可能なように上記支持部（１２）に取り付けられることを特徴とする手術台。
6. 請求項５に記載の手術台において、上記患者支持パネル（１０；４０）が、上記更なるパネル部（１３、１４）を調節するための少なくとも１つの駆動モータを有することを特徴とする手術台。
7. 請求項１〜６のいずれかに記載の手術台において、上記旋回機構（４２）が、上記患者支持パネル（４０）の長手方向又は直交方向において互いにオフセットされて配される第１及び第２の旋回軸であって、自らを中心に上記患者支持パネルが選択的に旋回可能である旋回軸を規定することを特徴とする手術台。
8. 請求項７に記載の手術台において、上記２つの旋回軸（４４、４５）の少なくとも１つが、上記患者支持パネル（４０）の長手方向又は直交方向に関し、上記接続部材（１７）の端部領域と水平に配されることを特徴とする手術台。

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