JP5164741B2 - 離型用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、モールド成形やプリント配線板の製造時に使用される離型用フィルムに関するものである。
従来、樹脂モールド成形装置とモールド樹脂とにより成形品を成形加工する場合には、離型性を確保する観点から樹脂モールド成形装置のモールド金型とモールド樹脂との間に離型用フィルムを介在させ、この離型用フィルムにより、モールド金型と成形品とを離型する方法が採用されている(特許文献1参照)。係る離型用フィルムとしては、例えば熱可塑性フッ素樹脂のETFEやFEPからなる単層のフィルムが使用されている(特許文献2参照)。
しかしながら、係る離型用フィルムは、離型性には優れるものの、硬くて伸びにくく、モールド金型に対する追従性が不十分なので、モールド金型の形状がモールド樹脂に十分に転写されず、その結果、成形不良が生じてしまうという問題があった。
係る問題を解消するため、離型用フィルムとして、結晶成分にブチレンテレフタレートを含む結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムが使用されている(特許文献3参照)。
特開平08‐142105号公報 特開2001‐310336号公報 特開2007‐224311号公報
しかし、結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムを使用する場合には、モールド金型に対する追従性を満たすことはできるが、軟質で伸びやすいので、モールド金型やモールド樹脂との剥離性に欠けるという新たな問題が生じることとなる。さらに、水蒸気の透過率が高いので、モールド樹脂から発生する水蒸気がフィルムを透過してしまい、モールド金型の汚染を招くおそれがある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、モールド金型やモールド樹脂との剥離性を向上させ、しかも、モールド金型の汚染を招くおそれを排除することのできる離型用フィルムを提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、モールド金型にモールド樹脂を充填して成形品を成形する際、モールド金型とモールド樹脂との間に介在されるものであって、
エチレン系共重合体ゴム100重量部にポリエチレン系樹脂25〜400重量部を溶融混練して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を連続的に押し出してフィルムを押出成形し、このフィルムを冷却するとともに、フィルムに電離性放射線を照射して架橋するようにし、
エチレン系共重合体ゴムは、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が15〜75、エチレン含有量が40〜90重量%、非共役ジエン含有量が0.5〜8.0重量%であり、
ポリエチレン系樹脂は、密度が0.855〜0.925g/cm、MFR(190℃/2.16kgf)が0.5〜10.0g/10分であることを特徴としている。
なお、フィルムを押出成形し、このフィルムを冷却するとともに、このフィルムに電離性放射線を照射して架橋し、その後、架橋したフィルムを巻き取ることにより、離型用フィルムを製造することができる。
また、フィルムを押出成形し、このフィルムを冷却して巻き取った後、このフィルムに電離性放射線を照射して架橋することにより、離型用フィルムを製造することもできる。
本発明によれば、エチレン系共重合体ゴムにポリエチレン系樹脂を混合して調製した樹脂組成物を用い、安価に剥離性を向上させるので、モールド金型やモールド樹脂との剥離性を向上させ、しかも、モールド金型の汚染を招くおそれを抑制することができるという効果がある。また、エチレン系共重合体ゴムのムーニー粘度ML 1+4 (125℃)(ASTM D‐1646)が15〜75の範囲なので、離型用フィルムの弾性変形性と製造時の押出成形の加工性とをバランスさせることができる。
以下、本発明に係る離型用フィルムの好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における離型用フィルムは、モールド金型にモールド樹脂を充填して各種の成形品を成形する際、モールド金型とモールド樹脂との間に介在される薄い単層のフィルムであって、エチレン系共重合体ゴム100重量部にポリエチレン系樹脂25〜400重量部を混合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を用いて薄いフィルムを押出成形した後、この押出成形したフィルムに電離性放射線を照射して架橋するようにしている。
エチレン系共重合体ゴムとしては、エチレンとプロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン等のα‐オレフィンとが共重合したエラストマー、あるいはこれらと非共役ジエンとが共重合したエチレン系の共重合体ゴムがあげられる。具体的には、エチレン‐プロピレン共重合体ゴム、エチレン‐プロピレン‐非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン‐1‐ブテン共重合体ゴム、エチレン‐1‐ブテン‐非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン‐プロピレン‐1‐ブテン共重合体ゴム等があげられる。これらの中では、汎用性の観点からエチレン‐プロピレン‐非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)が好ましい。
エチレン系共重合体ゴムにおける非共役ジエンとしては、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、5‐メチレン‐2‐ノルボルネン(MNB)、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン等があげられる。
エチレン系共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4(125℃)(ASTM D‐1646)は、10〜100、好ましくは15〜75の範囲が良い。特に、15〜75の範囲であれば、離型用フィルムの弾性変形性と製造時の押出成形の加工性とをバランスさせることができる。また、エチレン系共重合体ゴムのエチレン含有量は、40〜90重量%、好ましくは45〜85重量%の範囲が良い。特に、45〜85重量%の範囲であれば、混合するポリエチレン系樹脂との相溶性と離型用フィルムの弾性変形性とをバランスさせることができる。
エチレン系共重合体ゴムの非共役ジエン含有量は、0.5〜8.0重量%、好ましくは4.0〜8.0重量%の範囲が適切である。特に、4.0〜8.0重量%の範囲であれば、架橋点密度が適当なので、電離性放射線の照射により架橋すると、離型用フィルムの180℃前後の高温での機械的強度、すなわち耐熱強度の向上が可能となる。
ポリエチレン系樹脂は、弾性変形性を有するエチレン系共重合体ゴムに靭性と塑性変形性とを付与する目的で混合される。このポリエチレン系樹脂は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対し、25〜400重量部、好ましくは30〜400重量部、より好ましくは50〜400重量部混合される。
これは、25重量部未満の場合には、ポリエチレン系樹脂の靭性が不足するので、製造時の離型用フィルムの巻取りが不安定になり、製膜安定性を得ることができず、押出成形の加工性が悪化するからである。また、共重合体ゴムの弾性変形性が強すぎ、離型用フィルムのモールド金型に対する追従性が悪化してモールド金型の形状がモールド樹脂に転写されず、成形不良を招くからである。これに対し、400重量部を超える場合には、ポリエチレン系樹脂の塑性変形性が強すぎて離型用フィルムが使用時に裂け、耐熱強度が得られないからである。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが用いられ、これらの中でも、エチレン系共重合体ゴムとの相溶性及び機械的強度の観点から直鎖状低密度ポリエチレンの使用が好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンとは、エチレンと炭素数が4〜12のα‐オレフィンとの共重合体で、チーグラーナッタ系触媒あるいはシングルサイト系触媒を使用して重合されたポリエチレンであるが、共重合体中でα‐オレフィンの分布が均一になる点でシングルサイト系触媒を使用して重合されたポリエチレンであるのが好ましい。エチレンと共重合されるα‐オレフィンの炭素数は、4〜12であり、好ましくは4〜10、より好ましくは4〜8である。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度(JIS K 7112)は、0.855〜0.925g/cm、好ましくは0.875〜0.925g/cm、より好ましくは0.895〜0.925g/cm、さらに好ましくは0.905〜0.925g/cmが良い。これは、密度が0.855g/cm未満の場合には、直鎖状低密度ポリエチレンの融点が低くなるので、離型用フィルムが使用時に溶融し、耐熱強度が得られないという理由に基づく。逆に、密度が0.925g/cmを超える場合には、直鎖状低密度ポリエチレンの融点が高くなるので、エチレン系共重合体ゴムとの相溶性が悪化するという理由に基づく。
直鎖状低密度ポリエチレンのMFR(190℃/2.16kgf)(JIS K 6922‐2)は、0.5〜10.0g/10分、好ましくは1.0〜8.0g/10分が良い。これは、0.5g/10分未満の場合には、押出成形時の加工性が悪化したり、エチレン系共重合体ゴムとの相溶性が悪化するという理由に基づく。逆に、10.0g/10分を超える場合には、離型用フィルムが使用時に裂けてしまい、耐熱強度が得られないという理由に基づく。
エチレン系共重合体ゴムにポリエチレン系樹脂を混合して調製される樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において各種の添加剤が必要に応じて混合される。具体的には、カルシウムステアレート等の滑剤、シリカ等のブロッキング防止剤、ラジカル捕捉剤として機能するフェノール系酸化防止剤、過酸化物分解剤として機能するリン系酸化防止剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、アルキルエーテル等の帯電防止剤等が選択的に混合される。
フィルムの押出成形は、特に限定されるものではないが、例えばインフレーション法あるいはTダイ法を採用することができる。連続して押出成形したフィルムは、引取機で引き取られながら冷却され、巻取機で巻取コアにロール型に巻き取られる。
樹脂組成物を用いて押出成形される薄いフィルムの厚さは、モールド金型や成形品に応じて選択されるので、特に限定されるものではないが、概ね20〜500μmの範囲が良い。これは、厚さが20μm未満の場合には、離型用フィルムが使用時に裂けてしまい、耐熱強度が得られないからである。逆に、厚さが500μmを超える場合には、熱伝導が阻害されて成形品の表面にヒケが生じ、歩留まりの発生を招くおそれがあるからである。
押出成形されたフィルムは、電離性放射線が照射されて架橋されることにより、離型用フィルムの180℃前後の高温での機械的強度、すなわち耐熱強度が向上し、さらには好適な粘弾性が付与される。電離性放射線としては、α線、β線、電子線、中性子線、X線、コバルト60線源のγ線等があげられるが、一般的には電子線とγ線が良い。電離性放射線は、公知の方法、例えば押出成形時のインラインで連続式に照射されたり、巻き取られたフィルムに対してオフラインでバッチ式に照射される。
放射線の線量は、50〜250kGy、好ましくは100〜200kGyが良い。これは、放射線の線量が50kGy未満の場合には、線量が不足して架橋が不十分となり、離型用フィルムに必要な耐熱強度を得ることができないからである。逆に、放射線の線量が250kGyを超える場合には、フィルム内でエチレン系共重合体ゴム及びポリエチレン系樹脂の分子鎖切断が架橋反応を上回るため、劣化が生じ、離型用フィルムが使用時に裂けてしまうからである。
離型用フィルムに最適な粘弾性は、離型用フィルムのフィルム縦方向の動的粘弾性測定における180℃での貯蔵弾性率E´と、貯蔵弾性率E´と損失弾性率E´´の比、E´´/E´で表される損失正接tanδで評価する。樹脂モールド成形が一般的に160〜180℃の範囲で行われることから、貯蔵弾性率E´と損失正接tanδとは、動的粘弾性測定における180℃の値で評価する。
具体的には、レオメトリックス社製SOLIDS ANALYZER RSAII(商品名)を使用し、周波数1Hz、昇温速度5℃/min、歪み0.1%の条件下で測定された離型用フィルムのフィルム縦方向の温度180℃における貯蔵弾性率E´と損失正接tanδである。貯蔵弾性率E´が5.0×10Pa以上で、損失正接tanδは0.05〜0.20が好ましい。貯蔵弾性率E´が5.0×10Pa以上なのは、5.0×10Pa未満の場合には、使用時にモールド樹脂の温度と圧力とにより、離型用フィルムが溶融したり、破断したりして耐熱強度が不足するからである。
損失正接tanδは、モールド金型に対する離型用フィルムの追従性の指標であり、0.05〜0.20、好ましくは0.05〜0.15が良い。これは、0.05未満の場合には、離型用フィルムの弾性変形性が強すぎ、モールド金型に対する追従性が不十分になり、成形不良を招くからである。逆に、0.20を超える場合には、塑性変形性が強すぎ、使用時に離型用フィルムに弛みや皺が発生するので、これら弛みや皺が成形品の表面に転写されて成形不良を招くからである。
本発明においては、離型用フィルムとして、単層のフィルムを例示したが、押出成形の際に他の樹脂組成物と共押し出しされて多層フィルムに成形されたり、押出成形されたフィルムに他の樹脂組成物からなるフィルムがラミネートされ、このラミネートされた積層体に電離性放射線が照射されることにより多層フィルムに製造されるものでも良い。この場合に用いられる樹脂組成物としては、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物が好適である。
芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物とは、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を必須成分とする組成物であり、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、低分子量脂肪族ジオール及び高分子量ジオールとを用いてエステル化反応させた後、重縮合反応により製造される。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、ナフタレン‐2,7‐ジカルボン酸等があげられ、これらのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、オルトフタル酸ジメチル等があげられる。これらは、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられるが、特にはテレフタル酸、及び又はそのエステル形成性誘導体が好ましい。
低分子量脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等があげられる。これらは、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられるが、特には1,4‐ブタンジオールが良い。
高分子量脂肪族ジオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等があげられる。これらは、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられるが、特にはポリテトラメチレングリコールが好ましい。
上記成分からなるポリエステル・ポリエーテル共重合体の具体例としては、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリプロピレングリコール重合体等があげられる。これらの樹脂組成物は、ポリエーテル骨格を主鎖中に含まない結晶性芳香族ポリエステルからなる結晶相と、ポリエーテル骨格を主鎖中に有するポリエステルからなる非晶相とを有することで、高融点でありながら柔軟性を有する特徴がある。
ポリエステル・ポリエーテル共重合体の融点は、離型用多層フィルムの耐熱性の観点から160℃以上、好ましくは165℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上が良い。これは、融点が160℃未満の場合には、使用時にフィルムの溶融を招くという理由に基づく。
芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物製のフィルムは、高温での柔軟性の他、引張弾性率が良く、モールド金型に対して優れた剥離性を有するので、モールド金型に接触する層として使用するのが好ましい。
以下、本発明に係る離型用フィルムの実施例を比較例と共に説明するが、本発明に係る離型用フィルムは以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜6
先ず、表1に示すように、エチレン系共重合体ゴム100重量部にポリエチレン系樹脂67〜233重量部を所定の配合組成で混合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物をTダイス付きのφ40mmの単軸押出機に投入して溶融混練した。
エチレン系共重合体ゴムとしては、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が70、エチレン含有量が70重量%、非共役ジエン含有量が4.9重量%のエチレン‐プロピレン‐非共役ジエン共重合体ゴムであるNordel IP 4770R〔デュポン ダウ エラストマー社製 商品名〕を使用した。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンと炭素数が6の1‐ヘキセンとの共重合体で、シングルサイト系触媒を使用して重合された直鎖状低密度ポリエチレンであるハーモレックス〔日本ポリエチレン社製 商品名〕を使用した。このポリエチレン系樹脂は、密度が0.9125g/cm、MFR(190℃/2.16kgf)が2.0g/10分の樹脂である。また、樹脂組成物は、シリンダ温度160〜220℃、スクリュー回転数50rpm、Tダイス温度220〜240℃の条件下で溶融混練した。
次いで、溶融混練した樹脂組成物を単軸押出機のTダイスから連続的に押し出して薄いフィルムを成形し、この押出成形したフィルムを引取機で引き取りながら冷却した。こうしてフィルムを冷却したら、フィルムに照射装置で所定の線量の電離性放射線を連続的に照射して架橋し、その後、架橋したフィルムを巻取機で巻取コアに巻き取ることにより、厚さ50μm、幅450mmの離型用フィルムを50m製造した。放射線は、加速電圧175kVで電子線を照射した。
離型用フィルムを製造したら、この離型用フィルムの離型性、耐熱強度、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実機適性(実使用性)を評価して表1にまとめた。
・離型用フィルムの離型性
離型用フィルムとモールド樹脂との剥離性により評価した。具体的には、離型用フィルムに、モールド樹脂としてエポキシ樹脂〔信越化学工業社製 商品名KMC−3580〕を置き、これらを2枚の平板金型に挟持させて熱プレス成形し、熱プレス成形した積層品の離型用フィルムとモールド樹脂との剥離性を評価した。
熱プレス成形は、温度180℃、圧力50kg/cm、5分間の条件で実施した。また、剥離性の評価は、固化したモールド樹脂が離型用フィルムに残存することなく剥離できた場合を「○」、固化したモールド樹脂が離型用フィルムに残存した場合を「×」とした。
・耐熱強度
離型用フィルムのフィルム縦方向の動的粘弾性測定における180℃での貯蔵弾性率E´により評価した。貯蔵弾性率E´が5.0×10Pa以上であれば、耐熱強度が優秀であると評価した。
・金型に対する追従性
離型用フィルムのフィルム縦方向の動的粘弾性測定における180℃での貯蔵弾性率E´と損失弾性率E´´の比、E´´/E´で表される損失正接tanδで評価した。損失正接tanδが0.05〜0.20、好ましくは0.05〜0.15の範囲内であれば、成形不良の生じない金型への追従性が得られるのを確認した。
・水蒸気バリア性
水蒸気バリア性については、水蒸気透過率で評価した。この水蒸気透過率は、JIS Z0208で測定した値であり、100g/m・24h以下、好ましくは60g/m・24h以下、より好ましくは40g/m・24h以下が良い。これは、水蒸気透過率が100g/m・24hを超える場合には、水蒸気バリア性が不十分になり、モールド樹脂から発生した水蒸気が離型用フィルムを透過して金型の汚染を招くからである。
・実機適性(実使用性)
実機適性については、モールディング装置で樹脂モールド成形することにより目視で確認・評価した。モールディング装置としては、G‐LINE manual press〔アピックヤマダ社製 商品名〕を使用し、モールド樹脂としては、エポキシ樹脂〔信越化学工業社製 商品名KMC‐3580〕を用いた。また、目視による確認・評価は、成形品に成形不良がなく、離型用フィルムに溶融、破れ、モールド樹脂の残存がなく、さらにはモールド金型に汚れがない場合には「○」、いずれかに不具合があった場合を「×」とした。
実施例7
基本的には実施例1〜6と同様であるが、冷却直後のフィルムに放射線を照射するのではなく、冷却したフィルムを巻取機で巻取コアに巻き取った後、この巻き取ったフィルムにコバルト60線源のγ線をバッチ式に照射して架橋した。
Figure 0005164741
比較例1〜4
表2に示すように、エチレン系共重合体ゴム100重量部にポリエチレン系樹脂15〜420重量部を所定の配合組成で混合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を実施例と同様にして離型用フィルムを製造し、この離型用フィルムの離型性、耐熱強度、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実機適性を評価して表2にまとめた。
Figure 0005164741
実施例の場合には、離型用フィルムの離型性、耐熱強度、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実機適性につき、良好な結果を得ることができた。これに対し、比較例の場合には、離型用フィルムの離型性、耐熱強度、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実機適性につき、不十分な結果しか得られなかった。

Claims (1)

  1. モールド金型にモールド樹脂を充填して成形品を成形する際、モールド金型とモールド樹脂との間に介在される離型用フィルムであって、
    エチレン系共重合体ゴム100重量部にポリエチレン系樹脂25〜400重量部を溶融混練して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を連続的に押し出してフィルムを押出成形し、このフィルムを冷却するとともに、フィルムに電離性放射線を照射して架橋するようにし、
    エチレン系共重合体ゴムは、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が15〜75、エチレン含有量が40〜90重量%、非共役ジエン含有量が0.5〜8.0重量%であり、
    ポリエチレン系樹脂は、密度が0.855〜0.925g/cm、MFR(190℃/2.16kgf)が0.5〜10.0g/10分であることを特徴とする離型用フィルム。
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