JPH0748482A - 電子線架橋用ポリエチレン樹脂組成物 - Google Patents

電子線架橋用ポリエチレン樹脂組成物

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JPH0748482A
JPH0748482A JP21110793A JP21110793A JPH0748482A JP H0748482 A JPH0748482 A JP H0748482A JP 21110793 A JP21110793 A JP 21110793A JP 21110793 A JP21110793 A JP 21110793A JP H0748482 A JPH0748482 A JP H0748482A
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JP
Japan
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polyethylene
electron beam
density
unsaturated group
composition
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Pending
Application number
JP21110793A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Morinaga
博 森永
Shigeji Yamamoto
繁治 山本
Mitsunori Nakanishi
三徳 中西
Masao Kawahara
正雄 川原
Kazue Otohata
和重 乙幡
Shigetoshi Ikeda
重利 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
REITETSUKU KK
Maruzen Polymer Co Ltd
Original Assignee
REITETSUKU KK
Maruzen Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエチレンとの親和性が良く、ポリエチレ
ンに配合した時にブリード現象がなく、均一な組成物が
得られ、少ない照射線量の電子線照射によって容易に架
橋され、耐熱性と衝撃強度がバランス良く改良されるポ
リエチレン樹脂組成物の提供。 【構成】 ポリエチレンに対し、密度が0.910以
上である不飽和基含有エチレン共重合体、好ましくはエ
チレンまたは少量のα−オレフィンを含むエチレンと炭
素原子数8以上で末端ビニル基を有する非共役ジエンを
共重合して得られる共重合体を樹脂組成物全重量の0.
5重量%以上配合してなる電子線架橋用ポリエチレン樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子線架橋用のポリエチ
レン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンは、電気的特性、機械的特
性、化学的安定性等に優れていることから広範囲に使用
されている。しかるに、使用条件によっては、耐熱性、
機械的特性、耐薬品性等の向上がさらに要求されること
があり、この場合、しばしば架橋による改質が行われて
いる。
【0003】架橋方法としては、ポリエチレンへの有機
過酸化物等のラジカル発生剤の添加による化学架橋法、
電子線やガンマー線の照射による放射線架橋法等があ
る。
【0004】ところで、電子線照射等の放射線架橋法を
採る場合、照射コストが高価なため、照射線量をできる
だけ少なくすることが望ましい。しかし、ポリエチレン
に対し、照射線量を少なくすると、架橋度の低下をまね
き、十分な特性が得られないことが多い。従って、従
来、電子線照射に供される樹脂に対して架橋効率を上げ
るため、トリメチロールプロパントリメタクリレート
(以下、TMPTと略称する)等の架橋促進剤を配合す
る処方が提案されている。
【0005】しかし、TMPTは液状の低分子化合物で
あるため、ポリエチレンに配合する際、揮発しやすく又
ポリエチレンへの親和性が悪く、ブリード現象を生じや
すい。また照射後の架橋樹脂の物性についても、耐熱性
と機械特性のバランスの面で必ずしも満足できるもので
はなく、衝撃強度の低下を招く等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決し、新しい架橋促進剤を配合することによ
り、下記の特徴を有する電子線架橋用ポリエチレン樹脂
組成物を得ることを目的としたものである。 (1)架橋促進剤が、固体の高分子化合物で、ポリエチ
レンへの親和性が良いため、ブリード現象がなく、均一
な組成物が得られる。 (2)架橋樹脂の物性、特に耐熱性と衝撃強度のような
機械物性とが、バランス良く良好である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエチレン
に対し、密度が0.910以上である不飽和基含有エチ
レン共重合体を、全重量の0.5重量%以上配合してな
ることを特徴とする電子線架橋用ポリエチレン樹脂組成
物である。
【0008】本発明に用いるポリエチレンとしては、高
密度ポリエチレン、LDPE、LLDPEのような低密
度ポリエチレンが使用可能である。特に耐熱性や剛性が
要求される用途には高密度ポリエチレンを用いるのが好
ましい。
【0009】またポリエチレンに添加配合される不飽和
基含有エチレン共重合体としては、好ましくはエチレン
または少量のα−オレフィンを含むエチレンと炭素原子
数8以上で末端ビニル基を有する非共役ジエンを共重合
させて得られる密度0.910以上の共重合体が用いら
れる。
【0010】共重合体に不飽和基を付与せしめる成分で
ある末端ビニル基を有する炭素数8以上の非共役ジエン
としては、例えば1,7−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデ
カジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、
7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
【0011】共重合成分のうち、α−オレフィンは任意
成分であり、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテ
ン−1等が使用できる。
【0012】この共重合体は密度0.910以上であ
り、樹脂状である。エチレン・非共役ジエン共重合体の
中には、エチレン・α−オレフィン・ジエンの三元共重
合体で密度0.860〜0.870のEPDMゴムとし
て知られているものもあるが、このようなゴム状共重合
体を配合した場合は、樹脂組成物の硬度、剛性あるいは
耐熱性の面で好ましくない影響を与える。
【0013】また共重合体の組成は好ましくはエチレン
70〜99.8モル%、αオレフィン0〜10モル%、
非共役ジエン0.2〜20モル%で、密度は0.910
以上、好ましくは密度0.920〜0.960、メルト
フローレート(190℃,荷重2.16kg)0.01
〜2,000g/10分である。非共役ジエンの含量が
上記範囲より小さい場合は、架橋促進剤としての効果が
不十分であり、また非共役ジエン及びαオレフィンの含
量が大きいと密度低下及びそれに伴う前記の欠点があ
る。
【0014】このような不飽和基含有エチレン共重合体
は、通常チーグラー型触媒あるいはカミンスキー型触媒
等を用いる重合法により製造され、重合はスラリー重
合、溶液重合いずれでもよい。
【0015】ポリエチレンに対する不飽和基含有エチレ
ン共重合体の配合量は組成物全重量当り0.5重量%以
上、好ましくは2〜50重量%である。0.5重量%未
満の添加量では電子線架橋によるポリエチレン組成物の
物性の改良が充分でない。
【0016】このようにポリエチレンと不飽和基含有エ
チレン共重合体を配合した樹脂組成物には必要に応じて
更に安定剤、可塑剤、滑剤、補強材、帯電防止剤、顔料
等の各種添加物を配合することができる。
【0017】本発明で用いる電子線照射装置は、加速電
圧が100KeV以上、好ましくは500KeV以上の
装置が厚物成形品に対して好ましい。
【0018】電子線照射条件としては、照射温度は通常
−20℃〜120℃、好ましくは0℃から70℃の範囲
で行われる。また、照射雰囲気は通常空気存在下で充分
であるが、所望により窒素雰囲気下や真空中で行っても
なんら差し支えない。照射線量は100Mrad以下、
特に1〜50Mradの間で充分である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。な
お、本発明における評価の試験方法は次の通りである。
【0020】熱変形温度 加熱溶融プレスにより厚さ4mmのシートを作り、所定
条件で電子線照射後JIS K7207(B法)に従っ
て測定した。
【0021】IZOD衝撃強度 加熱溶融プレスにより厚さ2mmのシートを作り、所定
条件で電子線照射後JIS K7110に従って測定し
た。
【0022】引張衝撃強度 加熱溶融プレスにより厚さ2mmのシートを作り、所定
条件で電子線照射後ASTM D1822−61Tに従
って測定した。
【0023】ゲル分率 熱変形温度試験に用いた試験片の一部0.45gをフラスコ
中のパラキシレンに投入、125℃で24時間加熱し
た。加熱終了後試験片を取出し、乾燥後、残存重量を測
定した。この残存重量をwとすると、ゲル分率はw/0.
45×100(%)で表わされる。
【0024】[製造例1](不飽和基含有エチレン共重
合体の製造) マグネシウムおよびチタン含有の触媒成分に有機アルミ
ニウム化合物を組み合せたチーグラー型触媒を用い、エ
チレンと1,9−デカジエンを共重合してメルトフロー
レート(MFR)2.1g/10minで(末端)ビニ
ル基7.4個(炭素原子1000個当り)を含む不飽和
基含有エチレン共重合体(I)を得た。この不飽和基含
有エチレン共重合体の密度は0.933であった。
【0025】[製造例2]製造例1と同様の方法によ
り、エチレンと7−メチル−1,6−オクタジエンとを
共重合、MFR2.4g/10min、ビニル基含量
6.9個(炭素原子1000個当り)の不飽和基含有エ
チレン共重合体(II)を得た。
【0026】[実施例1〜2]MFR0.90g/10
min、密度0.960g/cm3 の高密度ポリエチレ
ンに製造例1で得られた不飽和基含有エチレン共重合体
(I)を、樹脂全体の5重量%配合、小型2軸押出機を
用いて均一に混練し、ペレットにした。このペレットを
用い、前記評価試験方法により、それぞれ試験片を作製
した。この試験片には表面のべたつき等見られなかっ
た。
【0027】次いで、この試験片に、加速電圧2.2M
eV、電流値10mAの条件で、5Mrad(実施例
1)及び10Mrad(実施例2)の線量を照射処理し
た後、物性を測定した。結果を表1に示す。
【0028】[比較例1]不飽和基含有エチレン共重合
体の配合も電子線照射も行なわず、実施例1で用いた高
密度ポリエチレンのみを用い、各評価試験用の試験片を
作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を
表1にあわせて示す。
【0029】[比較例2]不飽和基含有エチレン共重合
体無添加の高密度ポリエチレンを実施例2と同一条件で
電子線照射を行った後、物性測定を行った。結果を表1
に示す。
【0030】[比較例3〜4]不飽和基含有エチレン共
重合体(I)の代りにトリメチロールプロパントリメタ
クリレート(TMPT)を用いた以外は、実施例1〜2
と同様に混練し、ペレット製造し、続いて試験片を作製
した。この試験片は、表面のべたつきがかなり見られ
た。次いで、上記試験片に、実施例1〜2と同様に電子
線を照射し、物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0031】[実施例3〜4]不飽和基含有エチレン共
重合体(I)の配合量を10重量%にした以外は実施例
1〜2と同様にしてペレット製造、試験片作製を行い、
さらに電子線照射及び物性測定を行った。結果を表1に
示す。
【0032】[比較例5〜6]TMPTの配合量を10
重量%にした以外は比較例3〜4と同様にペレット製
造、試験片作製を行い、さらに電子線照射及び物性測定
を行った。結果を表1に示す。
【0033】[実施例5]不飽和基含有エチレン共重合
体として製造例2で得られた共重合体(II)を、樹脂全
体の10重量%配合した以外は実施例2と同様にしてペ
レット製造、試験片作製を行い、続いて電子線照射及び
物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0034】表1の結果から明らかなように、本発明の
電子線架橋用ポリエチレン樹脂組成物は少ない照射線量
の照射によって耐熱性と衝撃強度がともに改良され、T
MPT配合と比べてもIZOD衝撃強度及び引張衝撃強
度が良好であり、耐熱性、機械特性がバランス良く改良
されている。
【0035】
【表1】 架橋促進剤 (I) :エチレン/1,9-デカジエン共重合体(製造例1) (II):エチレン/7-メチル-1,6- オクタジエン共重合体
(製造例2) TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエチレン樹脂組成物は、ポ
リエチレンとの親和性が良い固体の高分子化合物である
密度0.910以上の不飽和基含有エチレン共重合体を
配合したことにより、ブリード現象がなく、均一な組成
物が得られる。この組成物は少ない照射線量の電子線照
射によって容易に架橋され、耐熱性と衝撃強度がバラン
ス良く改良される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 繁治 千葉県市原市五井南海岸11−2 丸善ポリ マー株式会社内 (72)発明者 中西 三徳 千葉県市原市五井南海岸11−2 丸善ポリ マー株式会社内 (72)発明者 川原 正雄 千葉県市原市五井南海岸11−2 丸善ポリ マー株式会社内 (72)発明者 乙幡 和重 東京都新宿区高田馬場4丁目40番13号 株 式会社レイテック内 (72)発明者 池田 重利 東京都新宿区高田馬場4丁目40番13号 株 式会社レイテック内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンに対し、密度が0.910
    以上である不飽和基含有エチレン共重合体を、全重量の
    0.5重量%以上配合してなることを特徴とする電子線
    架橋用ポリエチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和基含有エチレン共重合体がエチレ
    ンまたは少量のα−オレフィンを含むエチレンと炭素原
    子数8以上で末端ビニル基を有する非共役ジエンを共重
    合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項
    1記載の組成物。
JP21110793A 1993-08-04 1993-08-04 電子線架橋用ポリエチレン樹脂組成物 Pending JPH0748482A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004037918A1 (ja) 2002-10-22 2004-05-06 Kuraray Co., Ltd. ポリオレフィン系樹脂組成物およびその用途
JP2010052202A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Shin Etsu Polymer Co Ltd 離型用フィルム
JP2012528216A (ja) * 2009-05-26 2012-11-12 ボレアリス エージー 架橋された物品のためのポリマー組成物

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