JP5163516B2 - 光学素子包括体、バックライトおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学素子包括体、バックライトおよび液晶表示装置 Download PDF

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Description

この発明は、光学素子包括体、ならびにそれを備えるバックライトおよび液晶表示装置に関する。詳しくは、液晶表示装置の表示特性を改善する光学素子包括体に関する。
従来、液晶表示装置では、視野角や輝度などの改善を目的として多数の光学素子が用いられている。これらの光学素子としては、拡散フィルムやプリズムシートなどのフィルム状やシート状のものが用いられている。
図23は、従来の液晶表示装置の構成を示す。この液晶表示装置は、図23に示すように、光を出射する照明装置101と、照明装置101から出射された光を拡散する拡散板102と、拡散板102により拡散された光を集光や拡散などする複数の光学素子103と、液晶パネル104とを備える。
ところで、近年の画像表示装置の大型化に伴って、光学素子の自重やサイズが増大する傾向にある。このように光学素子の自重やサイズが増大すると、光学素子の剛性が不足するため、光学素子の変形が発生してしまう。このような光学素子の変形は、表示面への光学指向性に影響を与え、輝度ムラという重大な問題を招いてしまう。
そこで、光学素子の厚さを増すことで、光学素子の剛性不足を改善することが提案されている。しかしながら、液晶表示装置が厚くなってしまい、薄型かつ軽量という液晶表示装置の利点が損なわれてしまう。そこで、光学素子同士を透明粘着剤により貼り合わせることにより、シート状またはフィルム状の光学素子の剛性不足を改善することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−301147号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、光学素子同士を透明粘着剤により貼り合わせるため、光学素子の厚さを増す改善方法ほどではないが、液晶表示装置自体がやはり厚くなってしまうという問題がある。また、透明接着剤により、液晶表示装置の表示特性が劣化してしまう虞もある。加えて、貼り合わせ時のごみの混入などにより、良品を得る収率への影響が大きくなってしまう虞もある。
したがって、この発明の目的は、液晶表示装置の厚みの増加、または液晶表示装置の表示特性の劣化を抑えつつ、光学素子の剛性不足を改善することができる光学素子包括体、ならびにそれを備えるバックライトおよび液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、液晶表示装置の厚みの増加、または液晶表示装置の表示特性の劣化を抑えつつ、光学素子の剛性不足を改善すべく、鋭意検討を行った結果、光学素子および支持体を包括部材により包括してなる光学素子包括体を発明するに至った。
ところが、本発明者らの知見によれば、単純にこの光学素子包括体を作製した場合には、光学素子包括体自体に反りやうねりなどが発生し、その結果、表示上の外観不良を招いてしまう。例えば、LCD−TVなどの表示装置に対して既存の光学素子をセットして点灯試験した場合、光源、電源および回路系により発熱が生じる。その結果、一体化されてない状態にある各光学部材は、表示装置内にて熱的膨張や湿度変調(乾燥・加湿)により寸法変形を繰り返している。そのために、これらの部材の厚みをますことで反りを抑制しているのが現状である。
本発明者らの知見によれば、このような部材を単純に光学素子包括体とした場合には、包括部材とこの包括部材により包括される光学素子とが、それぞれ勝手に熱膨張・収縮、湿度変調(乾燥・加湿)により寸法変化し、その寸法変動挙動がそれぞれ異なる。このため、包括体であるが故の新たな問題として、反り、うねりなどの表示上の問題が発生してくる。
そこで、本発明者らは、光学素子包括体の反りやうねりなどに起因する表示特性の劣化を抑えるべく鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは、包括部材のビカット軟化温度を85℃を超え、かつ、支持体を包括する少なくとも一面の包括部材の熱膨張率を支持体の熱膨張率に対して85〜160%とすることにより、光学素子包括体の反りやうねりなどに起因する表示特性の劣化を抑えることができることを見出すに至った。
この発明は以上の検討に基づいて案出されたものである。
上述の課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
光学素子と、
光学素子を支持する支持体と、
を備えた積層体を有し、
光学素子および支持体を覆う包括部材を有し、
包括部材は、帯状の形状を有し、
包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
光学素子および支持体とは、一部接合されており、
包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、支持体の熱膨張率に対して85〜160%である光学素子包括体である。
この発明の第2の発明は、
光学素子と、
光学素子を支持する支持体と、
を備えた積層体を有し、
積層体の主面を、面積比率で50%以上覆う包括部材を有し、
包括部材は、帯状の形状を有し、
包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
光学素子および支持体とは、一部接合されており、
包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、支持体の熱膨張率に対して85〜160%である光学素子包括体である。
この発明の第3の発明は、
光学素子と、
光学素子を支持する支持体と
を備えた積層体を有し、
積層体は、光源からの光が入射する入射面と、入射面から入射した光を出射する出射面とを有し、
積層体の入射面は、括部材によって覆われ、
積層体の出射面は、括部材によって覆われ、
包括部材は、帯状の形状を有し、
包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
光学素子および支持体とは、一部接合されており、
包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、支持体の熱膨張率に対して85〜160%である光学素子包括体である。
この発明の第4の発明は、
光を出射する光源と、
光源から出射された光の特性を改善し、液晶パネルに対して出射する光学素子包括体と
を備え、
光学素子包括体は、
光学素子と、該光学素子を支持する支持体とを備えた積層体を有し、
光学素子および支持体を覆う包括部材を有し、
包括部材は、帯状の形状を有し、
包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
光学素子および支持体とは、一部接合されており、
包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、支持体の熱膨張率に対して85〜160%であるバックライトである。
この発明の第5の発明は、
光を出射する光源と、
光源から出射された光の特性を改善する光学素子包括体と、
光学素子包括体により特性が改善された光に基づき、画像を表示する液晶パネルと
を備え、
光学素子包括体は、
光学素子と、該光学素子を支持する支持体とを備えた積層体を有し、
光学素子および支持体を覆う包括部材を有し、
包括部材は、帯状の形状を有し、
包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
光学素子および支持体とは、一部接合されており、
包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、支持体の熱膨張率に対して85〜160%である液晶表示装置である。
この発明では、1または2以上の光学素子と支持体とを包括部材により覆っているので、1または2以上の光学素子と支持体とを一体化することができる。したがって、支持体により光学素子の剛性不足を補うことができる。
また、包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、かつ、支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、支持体の熱膨張率に対して85〜160%としているので、光学素子包括体における反りやうねりの発生を抑えることができる。
以上説明したように、この発明によれば、液晶表示装置の厚みの増加、または液晶表示装置の表示特性の劣化を抑えつつ、光学素子の剛性不足を改善することができる。また、優れた表示性能の安定性を実現できる。
この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の一構成例を示す断面図である。 この発明の第1の実施形態による光学素子包括体の第1の構成例を示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態における包括部材の接合部の第1の例を示す断面図である。 この発明の第1の実施形態における包括部材の接合部の第2の例を示す断面図である。 この発明の第1の実施形態による光学素子包装体の第2の構成例を示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態による光学素子包装体の第3の構成例を示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第1の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第1の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第2の実施形態によるバックライトの一構成例を示す斜視図である。 この発明の第3の実施形態によるバックライトの一構成例を示す斜視図である。 この発明の第4の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第4の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第4の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第5の実施形態による光学素子包括体の第1の構成例を示す斜視図である。 この発明の第5の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第5の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第6の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第6の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第7の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第7の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 この発明の第7の実施形態による光学素子包装体の製造方法の一例について説明するための斜視図である。 従来の液晶表示装置の構成を示す概略図である。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態
(1−1)液晶表示装置の構成
図1は、この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の一構成例を示す。この液晶表示装置は、図1に示すように、光を出射する照明装置1と、照明装置1から出射された光の特性を改善する光学素子包括体2と、光学素子包括体2により特性が改善された光に基づき、画像を表示する液晶パネル3とを備える。照明装置1と光学素子包括体2とによりバックライトが構成される。以下では、照明装置1からの光が入射する面を入射面、この入射面から入射した光を出射する面を出射面、および入射面と出射面との間に位置する面を端面と称する。また、入射面と出射面とを総称して主面と適宜称する。
照明装置1は、例えば直下式の照明装置であり、光を出射する光源11と、光源11から出射された光を反射して液晶パネル3の方向に向ける反射板12とを備える。光源11としては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)、熱陰極蛍光管(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)、有機エレクトロルミネッセンス(OEL:Organic ElectroLuminescence)または発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などを用いることができる。反射板12は、例えば1または2以上の光源11の下方および側方を覆うように設けられ、1または2以上の光源11から下方および側方などに出射された光を反射して、液晶パネル3の方向に向けるためのものである。
光学素子包括体2は、例えば、照明装置1から出射された光に対して拡散や集光などの処理を施して光の特性を変える1または2以上の光学素子24と、1または2以上の光学素子24を支持する支持体23と、1または2以上の光学素子24と支持体23とを包んで一体化する包括部材22を備える。以下では、支持体23と1または2以上の光学素子とを重ね合わされたものを光学素子積層体21と称する。
光学素子24の数や種類は、特に限定されるのもではなく、所望とする液晶表示装置の特性に応じて適宜選択することができる。光学素子24としては、例えば支持体と1または2以上の機能層からなるもの、もしくは、1または2以上の機能層のみからなるものを用いることができる。光学素子24としては、例えば光拡散素子、光集光素子、反射型偏光子、偏光子または光分割素子などを用いることができる。光学素子24としては、例えば、フィルム状、シート状または板状のものを用いることができる。光学素子24の厚さは、例えば5〜1000μmである。
支持体23は、例えば、照明装置1から出射された光を透過する透明板、または照明装置1から出射された光を拡散や集光などの処理を施して光の特性を変える光学板である。光学板としては、例えば拡散板、位相差板またはプリズム板などを用いることができる。支持体23の厚さは、例えば1000〜50000μmである。支持体23は、例えば高分子材料またはガラスからなり、その透過率は30%以上であることが好ましい。なお、光学素子24と支持体23との積層の順序は、例えば、光学素子24および支持体23の有する機能に応じて選ばれる。例えば、支持体23が拡散板である場合、支持体23は、照明装置1からの光が入射する側に設けられ、支持体23が反射型偏光板である場合、支持体23は、液晶パネル3に光を出射する側に設けられる。光学素子24および支持体23の入射面および出射面の形状は、液晶パネル3の形状に応じて選ばれ、例えば縦横比(アスペクト比)の異なる矩形状である。
光学素子24および支持体23の主面には、凹凸処理を施すこと、または微少粒子を含有させることが好ましい。こすれや摩擦を低減できるからである。また、光学素子24および支持体23には、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤および酸化防止剤などの添加剤を含有させることにより、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能および静電抑制機能などを光学素子24および支持体23に付与するようにしてもよい。また、光学素子24および支持体23には、アンチリフレクション処理(AR処理)やアンチグレア処理(AG処理)などの表面処理を施すことにより、反射光の拡散や反射光そのもの低減を図るようにしてもよい。また、光学素子24および支持体23の表面に、紫外線や赤外線を反射するための機能を持たせるようにしてもよい。
包括部材22は、例えば透明性を有する単層または複数層のフィルム状、シート状、プレート状もしくは袋状である。包括部材22は例えば帯状の形状を有し、その長手方向の端面同士が、好ましくは光学素子積層体21の端面上にて接合されている。なお、以下では、包括部材22の面のうち、光学素子積層体21の側となる面を内側面、それとは反対側の面を外側面と称する。
包括部材22のフィルムもしくはシートは、同一方向の長手方向で結合されていても、長手と交わる方向で結合されていてもよい。これらの包括部材22は、同一方向および/または異なる方向にて少なくとも一重以上にて覆われていてもよい。また、これらの包括部材22は連続したフィルムあるいはシートは連続しており、少なくとも2層以上にて覆われており、同一方向および/または異なる方向の両方に設けてもよい。
光学素子積層体21の主面が、例えば縦横比の異なる矩形状を有する場合、主面とその長辺側の両端面とが包括部材22により包まれ、短辺側の両端面が包括部材22から露出するか、あるいは、主面とその短辺側の両端面とが包括部材22により包まれ、主面と長辺側の両端面とが露出する。
包括部材22の厚さは、例えば5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μmである。なお、包括部材22の厚さが、入射面側と出射面側とで異なるようにしてもよく、この場合、入射面側の厚さが出射面側の厚さに比べて厚いことが好ましい。入射面側の厚さを厚くすることで、光源11から発生される熱による支持体23や光学素子24の形状変化を抑制できるからである。また、包括部材22は、光学素子積層体21の主面を、面積比率で50%以上覆っていることが好ましい。また、包括部材22が、骨材としての構造体を内包するようにしてもよい。包括部材22は、例えば1軸異方性または2軸異方性を有する。例えば、包括部材22が矩形状を有する場合、包括部材22の長手方向に正または負の屈折率特性にて1軸異方性を有し、もしくは包括部材22の長手方向に正または負の屈折率にて2軸異方性を有する。
包括部材の透過率は、好ましくは5〜95%である。耐傷性、密着によるにじみ防止や、光学散乱性の付与として包括体自体に表面形状を付与したり、TiO2、SiO2、Al23、CaCo3、BaSO4などの無機粒子、ポリメチルメタクリレート、あるいはポリスチレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂、ポリエステル類などの有機粒子、更にはこれらの材料による空孔を有する粒子、あるいは空孔を有する材料であってもよい。また、2種以上の樹脂の混合、合成であってもよく、透明、あるいは耐傷性、密着防止、光学散乱特性の付与ができればよい。
また、包括部材22が異方性を有する場合には、その光学異方性は小さいことが好ましく、具体的にはそのリタデーション(retardation)が、50nm以下であることが好ましい。包括部材22としては、1軸延伸もしくは2軸延伸のシートまたはフィルムを用いることが好ましい。このようなシートまたはフィルムを用いた場合、熱を加えることにより包括部材22を延伸方向とは反対の方向に収縮させることができるので、包括部材22と光学素子積層体21との密着性を高めることができる。
包括部材22としては、例えば透明性を有する高分子材料を用いることができる。高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、塩化ビニル系樹脂、天然ゴム系樹脂、人工ゴム系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂などのビニル系樹脂、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体などを用いることができ、特にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体が好ましい。また、高分子材料としては、結晶および非結晶いずれのものも用いることができる。これらは、2種以上の材料にて形成され、結束する際の接合の際に熱溶着などの手段に用いられてもよい。例えば、一方を基材として、反対面の一方に低分子量成分を増やした層を設けて溶着し易い層を形成したり、あるいは、1つの基材の一方の面に易接着層として熱可塑性樹脂層あるいはプライマーとして低分子成分を成形・塗布、あるいはラミネートなどによって形成することができる。
上述のように、包括部材22は、少なくともビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体を含んでいることが好ましい。なお、包括部材22が、複数層からなる場合には、この複数層の少なくとも一層に、少なくともビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体を含んでいる。
ブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、などを挙げることができるが、特に一般的にはスチレンが挙げられる。
ブロック共重合体における共役ジエンとしては、2,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプロピレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3ペンタジエンなどが挙げられるが、特に一般的なものとしては、1,3ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの質量比[(ビニル芳香族炭化水素):(共役ジエン)]は、好ましくは95:5〜5:95であり、より好ましくは90:10〜60:40である。ビニル芳香族炭化水素の質量比が5質量%未満であるとフィルムの剛性が低下し、95質量%を超えると表面特性が劣化するからである。
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック率は70〜90%であることが好ましい。ブロック率が70質量%未満であるとフィルムの剛性が低下し、90質量%を超えると表面性が劣化して実用に供せない虞があるからである。なお、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は、共重合体中のビニル芳香族炭化水素のブロック重合鎖の質量をW1、ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素の全質量W0としたときに、(W1/W0)×100の式である。W1は、例えば、ブロック共重合体をオゾン分解し、得られたビニル芳香族炭化水素重合体成分をゲルパーミエーションクロマトグラフで測定し、クロマトグラムに対応する分子量を標準ポリスチレンおよびスチレンオリゴマーを用いて作製した検量線から求め、数平均分子量3000を超えるものをピーク面積より定量して求められる。検出器としては、例えば波長254nmに設定した紫外分光検出器を使用することができる。
包括部材22の単層または複数層に用いられる熱収縮性フィルムは、ビニル芳香族炭化水素系重合体をさらに含むことが好ましい。光学素子24の材料特性や照明装置1の構成次第で、耐熱性、剛性、および光学素子24との密着性を改善することができるからである。この発明の第1の実施形態で使用されるビニル芳香族炭化水素系重合体は、(a)ビニル芳香族炭化水素重合体、(b)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸とからなる共重合体、(c)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルとからなる共重合体、(d)ゴム変性スチレン系重合体から選ばれた少なくとも1種の重合体である。
(a)ビニル芳香族炭化水素重合体としては、例えば上述したようなビニル芳香族炭化水素重合体の単独重合体または2種以上の共重合体が用いられる。特に一般的なものとしてはポリスチレンが挙げられる。
(b)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸とからなる共重合体は、例えば上述したようなビニル芳香族炭化水素重合体と(メタ)アクリル酸を重合することによって得られるが、重合には各単量体をそれぞれ1種または2種以上選んで用いることができる。(メタ)アクリル酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(c)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルとからなる共重合体は、例えば上述したようなビニル芳香族炭化水素重合体と(メタ)アクリル酸エステルを重合することによって得られるが、重合には各単量体をそれぞれ1種または2種以上選んで用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどが挙げられる。
(b)または(c)の共重合体は、ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸、またはビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルとの質量比が、好ましくは5:95〜95:1、より好ましくは70:30〜99:1である単量体混合物を重合して得られる。
(d)ゴム変性スチレン系重合体は、例えばビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合が可能な単量体と各種エラストマーとの混合物を重合することによって得られる。ビニル芳香族炭化水素重合体としては、前記のブロック共重合体で説明したようなビニル芳香族炭化水素重合体が用いられ、これと共重合が可能な単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリルなどが挙げられる。また、エラストマーとしては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが用いられる。特に好ましくは、耐衝撃性ゴム変性スチレン樹脂(HIPS)が挙げられる。
ブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素系重合体をブレンドして使用する場合の質量比は、ブロック共重合体:ビニル芳香族炭化水素系重合体が100:0〜50:50であることが好ましい。ブロック共重合体が50質量%未満では、フィルムの熱収縮性が不足するからである。
この発明の第1の実施形態に用いるフィルムが複数層(多層)フィルムの場合、少なくとも1層にブロック共重合体またはブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素系重合体とが成分として含まれるが、それが含まれない他の層はスチレン系重合体であれば特に制限はない。スチレン系重合体としては、例えば前記のビニル芳香族炭化水素で説明したようなスチレン−ブタジエンブロック共重合体、前記のビニル芳香族炭化水素系重合体、ABS樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体などが挙げられる。これらの樹脂もしくは重合体は、単独で使用しても良いし、併用しても良い。好ましくは、ブロック共重合体を成分として含む少なくとも一層において先に用いられるスチレン−ブタジエンブロック共重合体と異なるスチレン−ブタジエンブロック共重合体、または前記のビニル芳香族炭化水素系重合体である。
包括部材22のビカット軟化温度は85℃を超え、かつ、支持体23の熱膨張率Aに対する包括部材22の熱膨張率Bの割合((B/A)×100)は85〜160%である。
TV実装時におけるバックライト内の温度は、通常室温にて測定した場合に約65℃まで拡散板の表面温度は上昇し、使用環境が高温状態である45℃環境におけるTV実装時におけバックライト内の拡散板の表面の温度は、約80℃を超える環境に達することが経験的に確認されており、これらの環境温度に十分に耐えるためにはビカット軟化温度が85℃を超えることが好ましい。
支持体23の熱膨張率Aに対する、包括部材22の熱膨張率Bの割合((B/A)×100)を85%以下とした場合には、常温では平らな光学素子包括体2でも、TV内にて実装・加湿された状態では、包括部材22の熱膨張変化量に対する支持体23の熱膨張変化量が大きくなり過ぎて、支持体23が納まろうとして反り変形を生じ始めてしまう。反りが発生すると、液晶表示部および/または液晶表示部を収納するシャーシ部材を加圧することによって液晶表示能を損ねて、例えば黒表示の際に白っぽい表示をしてしまうなどの不具合を発生させてしまう。よって、そのため支持体23の熱膨張率Aに対する、包括部材22の熱膨張率Bの割合((B/A)×100)が85%を超えることが好ましい。
また、支持体23の熱膨張率Aに対する、包括部材22の熱膨張率Bの割合((B/A)×100)を160%以上とした場合には、包括部材22の熱膨張変化量が支持体23の熱膨張変化量に対して変化量が大きくなり過ぎて、包括部材22がたるみ易くなり、うねりによる輝度ムラを生じさせてしまう。よって、支持体23の熱膨張率Aに対する、包括部材22の熱膨張率Bの割合((B/A)×100)を160%以下とすることが望ましい。
包括部材22の熱変形温度は、90℃以上であることが好ましい。光源11から発生される熱により光学素子包括体2の光学特性が低下することを抑制できるからである。包括部材22の材料の乾燥減量は、2%以下であることが好ましい。包括部材22の熱膨張率は、包括部材22により包まれる支持体23および光学素子24の熱膨張率より小さいことが好ましい。包括部材22と光学素子積層体21との密着性を高めることができるからである。包括部材22の材料の屈折率(包括部材22の屈折率)は、好ましくは1.6以下、より好ましくは1.55以下である。
また、包括部材22には、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤および酸化防止剤などの添加剤をさらに含有させて、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能および静電抑制機能などを包括部材22に付与するようにしてもよい。また、包括部材22に、アンチグレア処理(AG処理)およびアンチリフレクション処理(AR処理)などの表面処理などを施すことにより、反射光の拡散や反射光そのもの低減などを図るようにしてもよい。さらには、UV−A光(315〜400nm程度)などの特定波長領域の光を透過する機能を付与してもよい。
液晶パネル3は、光源11から供給された光を時間的空間的に変調して情報を表示するためのものである。液晶パネル3の動作モードとしては、例えば、ツイストネマチック(TN:Twisted Nematic)モード、垂直配向(VA:Vertically Aligned)モード、水平配列(IPS:In-Plane Switching)モード、または曲がり配列(OCB:Optically Compensated Birefringence)モードが用いられる。
次に、図2〜4を参照して、光学素子包括体2の構成例について詳しく説明する。
図2は、この発明の第1の実施形態による光学素子包括体の第1の構成例を示す。光学素子包括体2は、図2に示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子である拡散フィルム24a、レンズフィルム24bおよび反射型偏光子24cと、これらを包んで一体化する包括部材22とを備える。ここでは、拡散板23aと、拡散フィルム24a、レンズフィルム24bおよび反射型偏光子24cとが光学素子積層体21を構成する。光学素子積層体21の主面は、例えば縦横比の異なる矩形状を有している。光学素子積層体21の主面とその長辺側の両端面とが帯状の包括部材22により包まれ、光学素子積層体21の短辺側の両端面が露出されている。帯状の包括部材22の長手方向の両端部同士が、例えば、光学素子積層体21の長辺側の端面にて接合される。
拡散板23aは、1または2以上の光源の上方に設けられ、1または2以上の光源11からの出射光および反射板12による反射光を拡散させて輝度を均一にするためのものである。拡散板23aとしては、例えば、光を拡散するための凹凸構造体を表面に備えるもの、拡散板23aの主構成材料とは屈折率の異なる微粒子などを含有するもの、空洞性微粒子を含有するもの、または上記凹凸構造体、微粒子および空洞性微粒子を2種以上組み合わせたものを用いることができる。微粒子としては、例えば有機フィラーおよび無機フィラーの少なくとも1種を用いることができる。また、上記凹凸構造体、微粒子および空洞性微粒子は、例えば拡散フィルム24aの出射面に設けられる。拡散板23aの光透過率は、例えば30%以上である。
拡散フィルム24aは、拡散板23a上に設けられ、拡散板23aにて拡散された光を拡散などするためのものである。拡散フィルム24aとしては、例えば、光を拡散するための凹凸構造体を表面に備えるもの、拡散フィルム24aの主構成材料とは屈折率の異なる微粒子などを含有するもの、空洞性微粒子を含有するもの、または上記凹凸構造体、微粒子および空洞性微粒子を2種以上組み合わせたものを用いることができる。微粒子としては、例えば有機フィラーおよび無機フィラーの少なくとも1種を用いることができる。また、上記凹凸構造体、微粒子および空洞性微粒子は、例えば拡散フィルム24aの出射面に設けられる。
レンズフィルム24bは、拡散フィルム24aの上方に設けられ、照射光の指向性等を向上させるためのものである。レンズフィルム24bの出射面には、例えば微細なプリズムレンズ列が設けられており、このプリズムレンズの列方向の断面は、例えば略三角形状を有し、その頂点に丸みを付すことが好ましい。カットオフを改善し、広視野角を改善できるからである。
拡散フィルム24aおよびレンズフィルム24bとしては、例えば高分子材料からなり、その屈折率は例えば1.5〜1.6である。光学素子24またはそれに設けられる光学機能層を構成する材料としては、例えば、光もしくは電子線で硬化する電離性感光型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂が好ましく、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂が最も好ましい。
反射型偏光子24cは、レンズフィルム上に設けられ、レンズシートにより指向性を高められた光のうち、直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を反射するものである。反射型偏光子24cは、例えば有機多層膜、無機多層膜または液晶多層膜などの積層体である。また、反射型偏光子24cに異屈折率体を含有させるようにしてもよい。また、反射型偏光子24cに拡散機能、レンズ機能を設けてもよい。
ここで、図3〜4を参照して、包括部材22の接合部の例について説明する。
図3は、包括部材の接合部の第1の例を示す。この第1の例では、図3に示すように、光学素子積層体21の端面上にて、包括部材端部の内側面と外側面とを重ね合わせるようにして接合されている。すなわち、包括部材22の端部が、光学素子積層体21の端面に倣うようにして接合されている。
図4は、包括部材の接合部の第2の例を示す。この第2の例では、図4に示すように、光学素子積層体21の端面にて、包括部材端部の内側面同士を重ね合わせるようにして接合されている。すなわち、包括部材22の端部が、光学素子積層体21の端面から立ち上がるようにして接合されている。
図5は、この発明の第1の実施形態による光学素子包括体の第2の構成例を示す。図5に示すように、光学素子積層体21の入射面および出射面とその短辺側の両端面とが、帯状の包括部材22により包まれ、光学素子積層体21の短辺側の両側面が露出されている。帯状の包括部材22の長手方向の端部同士が、光学素子積層体21の短辺側の端面にて接合される。
図6は、この発明の第1の実施形態による光学素子包括体の第3の構成例を示す。図6に示すように、光学素子積層体21の中央部およびその付近が帯状の包括部材22により覆われ、光学素子積層体21の短辺側の両端部が露出されている。帯状の包括部材22の長手方向の端部同士が、光学素子積層体21の長辺側の端面にて接合される。
(1−2)光学素子包括体の製造方法
次に、図7〜図9を参照して、上述の構成を有する光学素子包括体の製造方法の一例について説明する。
[包括部材の製造工程]
まず、この発明の第1の実施形態に用いられる包括部材の製造工程の一例を説明する。この第1の実施形態による包括部材の製造方法は、単層フィルムの場合、例えば押出し機1台から、それをダイ内またはフィードブロックなどで単層フィルムを製造する。多層フィルムの場合、例えば各層用に上述したような樹脂材料を各々押出し機で溶融し、それをダイ内またはフィードブロックなどで多層フィルムにする。フィルム化後に、一軸、二軸あるいは多軸で延伸することによって、あるいは無延伸でフィルムを得る。ダイは、Tダイ、環状ダイなど公知のものが使用できる。延伸方法としては、押出されたフィルムをテンターにて押し出し方向と直交する方向、および/または押し出し方向に延伸する方法が挙げられる。また、チューブラー法により押出されたチューブ状フィルムを円周方向や押出し方向に延伸する方法などが挙げられる。
延伸温度は60〜120℃が好ましい。60℃未満では延伸時にフィルムが破断してしまい、120℃を超える場合は良好な収縮性が得られないためである。
延伸倍率は特に制限はないが、1〜8倍が好ましい。1倍、つまり意図的な延伸を施さなくとも押出し機のせんだんにより所望の収縮が得られることもある。また、8倍を超える場合は、延伸が難しいため膜の厚みムラが生じやすくなる。
[光学素子積層体の包括工程]
まず、図7Aに示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子である拡散フィルム24aおよびレンズフィルム24bを準備する。次に、例えば、拡散板23a、拡散フィルム24a、レンズフィルム24bをこの順序で積層して光学素子積層体21を得る。
次に、図7Bに示すように、収縮性ポリエステルフィルムなどの包括部材22上に光学素子積層体21を載置する。次に、図8A中の矢印aに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を引き上げ、その端部同士を合わせるようにして、光学素子積層体21を包む。次に、図8Bに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を、例えば光学素子積層体21の端面にて接合する。接合の方法としては、例えば、接着剤や溶着による接着などが挙げられる。接着剤による接着方法としては、例えばホットメルト型接着方法、熱硬化型接着方法、感圧(粘着)型接着方法、エネルギー線硬化型接着方法、水和型接着方法または吸湿・再湿型接着方法などが挙げられる。溶着による接着方法としては、例えば熱溶着、超音波溶着またはレーザ溶着などが挙げられる。以上により、筒状を有する包括部材22により光学素子積層体21が包まれる。
次に、必要に応じて、余分な接合部を裁断し、除去する。次に、加熱炉を通すなどして包括部材22に対して過熱処理を施して、包括部材22を熱収縮させることが好ましい。これにより、光学素子積層体21と包括部材22との密着性を高めることができると共に、光学素子積層体21を構成する光学部材をより強固に束ねることができるからである。
以上により、図9Aに示すように、光学素子積層体21の4方位が閉鎖された、目的とする光学素子包括体2が得られる。なお、図9Bに示すように、光学素子包括体2の開放端部にも包括を施すようにしてもよい。
この第1の実施形態では、1または2以上の光学素子24と支持体23とを包括部材22により包括しているので、1または2以上の光学素子24と支持体23とを一体化することができる。したがって、液晶表示装置の厚みの増加、または液晶表示装置の表示特性の劣化を抑えつつ、光学素子24の剛性不足を改善することができる。
また、包括部材22のビカット軟化温度が85℃を超え、かつ、支持体23の熱膨張率Aに対する包括部材22の熱膨張率Bの割合((B/A)×100)を85〜160%にしているので、光学素子包括体2における反りやうねりの発生を抑えることができる。したがって、優れた表示特性の安定性を実現できる。
(2)第2の実施形態
この第2の実施形態は、第1の実施形態において、1または2以上の光学素子24のうちの一部または全部を光学素子包括体2の外側に設けたものである。光学素子包括体2の外側に設けられる光学素子24は、例えば、光学素子包括体2と液晶パネル3との間、および/または光学素子包括体2と照明装置1との間に配される。また、光学素子包括体2の外側に設けられた光学素子24を、例えば光学素子包括体の出射面または入射面に接着剤などにより接合するようにしてもよい。光学素子包括体2の外側に設けられる光学素子24としては、例えば光拡散素子、光集光素子、反射型偏光子、偏光子または光分割素子などを用いることができる。
図10は、この発明の第2の実施形態によるバックライトの一構成例を示す。図10に示すように、照明装置1から液晶パネル3に向かって、例えば、光学素子包括体2、光学素子である反射型偏光子24cがこの順序で設けられている。光学素子包括体2は、拡散板23a、拡散フィルム24aおよびレンズフィルム24bが包括部材22に包括されて一体化されている。
この第2の実施形態では、反射型偏光子などの光学素子24を光学素子包括体2の外側に設けているので、反射型偏光子などの光学素子24から出射された光の偏光を変えることなく、液晶パネル3に入射させることができる。
(3)第3の実施形態
この第3の実施形態は、第1の実施形態において、包括部材22の内側面および外側面の少なくとも一方に構造体および光学機能層を設けたものである。この光学機能層は、例えば光学素子包括体2の入射面側または出射面側の少なくとも一方に設けられる。構造体および光学機能層は、照明装置1から入射される光の特性を改善するためのものである。構造体としては、例えばシリンドリカルレンズ、プリズムレンズまたはフライアイレンズなどの各種レンズを用いることができる。また、シリンドリカルレンズやプリズムレンズなどの構造体に対してウォブルを付加してもよい。この構造体は、例えば溶融押出法または熱転写法により形成される。光学機能層としては、例えば紫外線カット機能層(UVカット機能層)または赤外線カット機能層(IRカット機能層)などを用いることができる。
図11は、この発明の第3の実施形態によるバックライトの一構成例を示す。図11に示すように、照明装置1から液晶パネル3に向かって、例えば、拡散板23a、拡散フィルム24a、レンズフィルム24b、反射型偏光子24cがこの順序で設けられている。また、拡散板23aは包括部材22により包まれ、その包括部材22の内側面のうち、入射側となる部分には、ムラ消し機能などを有する構造体25が設けられている。
この第3の実施形態では、包括部材22の内側面および外側面の少なくとも一方に構造体および光学機能層を設けているので、包括部材22により包括する光学素子の数を減らすことができる。したがって、光学素子包括体2および液晶表示装置を更に薄型化することができる。
(4)第4の実施形態
この第4の実施形態は、第1の実施形態において、光学素子積層体21の全方位を包括部材22により閉鎖したものである。
以下、図12〜14を参照しながら、この発明の第4の実施形態による光学素子包括体の製造方法の一例について説明する。
まず、図12Aに示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子である拡散フィルム24aおよびレンズフィルム24bを準備する。次に、例えば、拡散板23a、拡散フィルム24a、レンズフィルム24bをこの順序で積層して光学素子積層体21を得る。
次に、包括部材22として、例えば帯状の形状を有する収縮性2軸延伸フィルムまたは収縮性2軸延伸シートを準備する。次に、図12Bに示すように、この包括部材22上に光学素子積層体21を載置する。次に、図13A中の矢印aに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を引き上げ、その端部同士を合わせるようにして、光学素子積層体21を包む。次に、図13Bに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を、例えば光学素子積層体21の端面にて接合する。接合の方法としては、例えば、上述の第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
以上により、筒状を有する包括部材22により光学素子積層体21が包まれる。
次に、図13B中の矢印bに示すように、筒状形状を有する包括部材22の開放端部を押しつぶし、その周縁を重ね合わせる。次に、図14Aに示すようように、重ね合わされた周縁を接合する。接合の方法としては、例えば、上述の第1の実施形態と同様のものを用いることができる。次に、必要に応じて、余分な接合部を裁断し、除去する。次に、加熱炉を通すなどして包括部材22に対して過熱処理を施し、包括部材22を熱収縮させることが好ましい。これにより、光学素子積層体21と包括部材22との密着性を高めることができると共に、光学素子積層体21を構成する光学部材をより強固に束ねることができるからである。
以上により、図14Bに示すように、光学素子積層体21の全方位が閉鎖された、目的とする光学素子包括体2が得られる。
(5)第5の実施形態
この第5の実施形態は、第1の実施形態において、包括部材22に微粒子を含有させたものである。
図15は、この発明の第5の実施形態による光学素子包括体の構成の一例を示す。光学素子包括体2は、図15に示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子であるレンズフィルム24bと、これらを包んで一体化する包括部材22とを備える。ここでは、拡散板23aと、レンズフィルム24bとが光学素子積層体21を構成する。光学素子積層体21の主面は、例えば縦横比の異なる矩形状を有している。光学素子積層体21の主面とその長辺側の両端面とが帯状の包括部材22により包まれ、光学素子積層体21の短辺側の両端面が露出されている。帯状の包括部材22の長手方向の両端部同士が、例えば、光学素子積層体21の長辺側の端面にて接合される。
包括部材22は、1種または2種以上の微粒子を含有している。微粒子としては、例えば有機微粒子および無機微粒子の少なくとも1種を用いることができる。有機微粒子の材料としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂および空洞からなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、タルク、酸化チタンおよび硫酸バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。微粒子の形状は、例えば針状、球形状、楕円体状、板状、鱗片状などの種々の形状を用いることができる。微粒子の径としては、例えば1種または2種以上の径が選ばれる。
以下、図16〜17を参照して、上述の構成を有する光学素子包括体の製造方法の一例について説明する。
まず、図16Aに示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子であるレンズフィルム24bを準備する。次に、例えば、拡散板23a、レンズフィルム24bをこの順序で積層して光学素子積層体21を得る。
次に、図16Bに示すように、収縮性ポリエステルフィルムなどの包括部材22上に光学素子積層体21を載置する。次に、図16C中の矢印aに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を引き上げ、その端部同士を合わせるようにして、光学素子積層体21を包む。次に、包括部材22の長手方向の端部同士を、例えば光学素子積層体21の端面にて接合する。接合の方法としては、例えば、上述の第1の実施形態と同様のものを用いることができる。なお、接合は、図17Aに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を光学素子積層体21の端面内にて行ってもよく、あるいは、図17Bに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を光学素子積層体21の端面外にて行ってもよい。
以上により、筒状を有する包括部材22により光学素子積層体21が包まれる。
次に、必要に応じて、余分な接合部を裁断し、除去する。次に、加熱炉を通すなどして包括部材22に対して過熱処理を施し、包括部材22を熱収縮させることが好ましい。これにより、光学素子積層体21と包括部材22との密着性を高めることができると共に、光学素子積層体21を構成する光学部材をより強固に束ねることができるからである。
以上により、光学素子積層体21の4方位が閉鎖された、目的とする光学素子包括体2が得られる。
この第5の実施形態では、包括部材22が微粒子を含有しているので、包括部材22に光学散乱性を付与することができる。したがって、包括部材22に包括する光学素子24の数を減らすことができる。したがって、光学素子包括体2および液晶表示装置を更に薄型化することができる。
(6)第6の実施形態
この第6の実施形態は、第1の実施形態において、接合部のない筒状の包括部材22を用いるものである。
以下、図18〜19を参照しながら、この発明の第6の実施形態による光学素子包括体の製造方法の一例について説明する。
まず、図18Aに示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子である拡散フィルム24aおよびレンズフィルム24bを準備する。次に、例えば、拡散板23a、拡散フィルム24a、レンズフィルム24bをこの順序で積層して光学素子積層体21を得る。
次に、図18Bに示すように、筒状の包括部材22内に光学素子積層体21を挿入する。なお、筒状の包括部材22の作製方法としては、例えばインフレーション法を用いることができる。以上により、図19Aに示すように、筒状を有する包括部材22により光学素子積層体21が包まれる。
次に、加熱炉を通すなどして包括部材22に対して過熱処理を施し、包括部材22を熱収縮させることが好ましい。これにより、光学素子積層体21と包括部材22との密着性を高めることができると共に、光学素子積層体21を構成する光学部材をより強固に束ねることができるからである。
以上により、図19Bに示すように、光学素子積層体21の4方位が閉鎖された、目的とする光学素子包括体2が得られる。
この第6の実施形態では、接合部のない筒状の包括部材22を用いて、支持体23および1または2以上の光学素子24を包括するので、包括部材22の端部を接合する工程を省略することができる。したがって、光学素子包括体2の製造効率を向上することができる。
(7)第7の実施形態
この第7の実施形態は、第1の実施形態において、包装部材22の接合工程を第1次処理工程および第2次処理工程にて行うものである。ここで、第1次処理工程は、接着や溶着により包括部材22の端部を接合する工程であり、第2の処理工程は、第1次処理工程により接合された接合部を固定化・冷却する処理である。
以下、図20〜22を参照して、この発明の第7の実施形態による光学素子包括体の製造方法の一例について説明する。
まず、図20Aに示すように、例えば、支持体である拡散板23aと、光学素子である拡散フィルム24aおよびレンズフィルム24bを準備する。次に、例えば、拡散板23a、拡散フィルム24a、レンズフィルム24bをこの順序で積層して光学素子積層体21を得る。
次に、図20Bに示すように、収縮性ポリエステルフィルムなどの包括部材22上に光学素子積層体21を載置する。次に、図21A中の矢印aに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を引き上げ、その端部同士を光学素子積層体21の端面内または端面外にて合わせるようにして、光学素子積層体21を包む。
次に、図21Bに示すように、包括部材22の長手方向の端部同士を、例えば光学素子積層体21の端面内または端面外にて接合する。接合の方法としては、例えば、熱を利用した接合方法、UV(紫外線)などの外部エネルギーによる接合方法を用いることができる。次に、図22Aまたは図22Bに示すように、面内または面外にて接合された接合部を固定化・冷却処理する。以上により、筒状を有する包括部材22により光学素子積層体21が包まれる。
次に、必要に応じて、余分な接合部を裁断し、除去する。次に、加熱炉を通すなどして包括部材22に対して過熱処理を施し、包括部材22を熱収縮させることが好ましい。これにより、光学素子積層体21と包括部材22との密着性を高めることができると共に、光学素子積層体21を構成する光学部材をより強固に束ねることができるからである。
以上により、図9Aに示すように、光学素子積層体21の4方位が閉鎖された、目的とする光学素子包括体2が得られる。
以下に、上述した光学素子包括体の製造方法における、熱を利用した接合方法、およびUV(紫外線)などの外部エネルギーによる接合方法について説明する。
(熱を利用した接合方法)
包括・結束する際の手段として熱を利用して、包括材料自体を溶着・接合する手段と、包括材料に熱可塑性あるいは、熱硬化性による接着性材料を用いた方法を用いることができる。この熱を用いる際には、まず最初に加熱できる手段を加え、溶着せしめた時点で加熱を停止して、冷却させる手段を用いることができる。また、更には、包括・結束後に撓みなどの形状欠陥を防ぐために、包括した後に、加熱手段にて一旦溶着せしめて、暖かい状態から冷却固化させる際に、接合部を圧着・固定化しつつ経過させることによって接合部の皺・撓みを防止することが可能となる。
(UVなどの外部エネルギーによる接合方法)
包括・結束する際の手段としてUV・IR・電子線などを利用して、包括材料に前処理した反応・接着性の材料を用いた方法を用いることができる。このUV・IR・電子線などの外部エネルギーを用いる際には、まず最初に接合部に、反応・接着性の材料を塗布あるいは転写・貼合などにより準備し、接合部を重ね合わせた後に、先の外部エネルギーを照射させることによって接合させることができる。この際、外部エネルギーが加えられた際に、照射熱あるいは、反応熱を生じて包括・結束後に撓みなどの形状欠陥を生じさせることを防ぐために、照射中および、照射後に、暖かい状態から冷却させる際に、接合部を圧着・固定化しつつ経過させることによって接合部の皺・撓みを防止することが可能となる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
表1に、この実施例にて用いた包括部材を示す。
Figure 0005163516
表1に示したビカット軟化温度、熱膨張係数、屈折率の測定方法を以下に示す。
(ビカット軟化温度の測定方法)
JIS−K7206に準拠して測定した。但し、フィルム厚みが薄い場合には、積層により代替評価とした。
(熱膨張係数の測定方法)
セイコーインストメンタル社製EXSTAR6000 TMA/SSにて測定した。
(屈折率の測定方法)
アッペ式屈折率測定にて測定した。
(実施例1)
まず、以下に示す光学素子を準備した。なお、これらの光学素子は、32インチサイズのテレビ用のものである。
(a)反射型偏光子(住友スリーエム株式会社製、商品名:DBEFD)、サイズ400×710mm、厚さ440μm
(b)レンズシート(ソニー株式会社製、Lens:PC溶融押し出し成形の双曲面形状)、サイズ400×710mm、厚み400μm、ピッチ200μm
(c)拡散シート(恵和株式会社製、商品名:BS−912)、サイズ400×710mm、220μm
(d)拡散板(住友化学株式会社製、商品名:RM802)、サイズ400×710mm、厚み1500μm
(e)光制御フィルム(ムラ消しフィルム)(LCF:PC溶融押し出し成形の双曲面形状)、サイズ400×710mm、厚さ200μm、ピッチ200μm
次に、光制御フィルム上に、拡散板、拡散シート、レンズフィルム、反射型偏光子をこの順序で載置した。これにより光学素子積層体が得られた。次に、熱収縮性を有し、厚さ40μm、帯状の2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムと称する)を準備した。次に、OPPフィルムの端面を溶着して、サイズ420mm×720mmの袋状とした。次に、袋状のOPPフィルム内に上記光学素子積層体を挿入した後、この光学素子積層体を温度80〜100℃のオーブンに搬送し、OPPフィルムを収縮させた。
以上により、目的とする光学素子包括体が得られた。
(実施例2)
包括部材として、PPフィルム、PEフィルム、PPフィルムをこの順序で積層してなる、厚さ25μmの3層フィルムを用いる以外のことは実施例1と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例3)
包括部材として、厚さ25μmのPEフィルムを用いる以外のことは実施例1と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例4)
包括部材として、厚さ40μmのスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBC)フィルムを用いる以外のことは実施例1と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例5)
まず、実施例1と同様にして光学素子積層体を得た。次に、サイズ803mm×750mm、厚さ100μmのPSフィルムを準備した。次に、このPSフィルムの長手方向の端部を接合して筒状とした後、この筒状のPSフィルム内に上記光学素子積層体を挿入した。
以上により、目的とする光学素子包括体が得られた。
(実施例6)
フィルムとして、厚さ100μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例7)
フィルムとして、厚さ100μmのPCフィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例8)
フィルムとして、厚さ200μmのアモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)フィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例9)
フィルムとして、厚さ80μmのZEONOR1(登録商標)フィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(実施例10)
フィルムとして、厚さ80μmのZEONOR2(登録商標)フィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(比較例1)
フィルムとして、厚さ100μmのグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)フィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(比較例2)
フィルムとして、厚さ100μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(比較例3)
フィルムとして、厚さ200μmのA−PETフィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(比較例4)
フィルムとして、厚さ50μmのPETフィルムを用いる以外のことは実施例5と同様にして光学素子包括体を得た。
(比較例5)
実施例1と同様にして光学素子積層体を得た。
(実装試験評価)
実装評価機として、32インチ液晶テレビ(ソニー株式会社製、商品名:LCDTV−KDLS2500)を準備した。次に、この液晶テレビ内のバックライトユニットの光学素子である拡散板、拡散シート、プリズムシート、反射型偏光シートを取り出し、実施例1〜10、比較例1〜5の光学素子包括体または光学素子積層体を搭載し直し、輝度評価、外観評価、高温下の外観評価、保存試験を行った。以下に、これらの評価方法の詳細を示す。
(輝度評価法)
光学素子包装体または光学素子積層体を装填し、2時間点灯したままエージングした後に評価した。
測定機:コニカミノルタ製CS−1000にて3回測定し平均値を算出し、包括部材により包括する前の光学素子積層体を実装評価機に実装したときの輝度を100%と規格した数値で評価した。
(パネル表示の外観評価)
以下に外観評価の基準を示す。
5:正面、斜視60°でも輝度ムラ(輝点含む)なし
4:正面輝度ムラなし/斜視60°極めて僅かな輝度(輝点含む)ムラ
3:正面輝度ムラ極めて僅か/斜視60°輝度(輝点含む)ムラ軽微
2:正面輝度ムラ軽微/斜視60°輝度(輝点含む)ムラあり
1:正面、斜視60°でも輝度ムラ(輝点含む)確認
なお、「3」以上にて実用上問題なしのレベルである。
(実装高温(45℃)投入点灯試験)
以下に外観評価の基準を示す。
5:正面、斜視60°でも輝度ムラ(輝点含む)なし
4:正面輝度ムラなし/斜視60°極めて僅かな輝度(輝点含む)ムラ
3:正面輝度ムラ極めて僅か/斜視60°輝度(輝点含む)ムラ軽微
2:正面輝度ムラ軽微/斜視60°輝度ムラ(輝点含む)あり
1:斜視60°でも輝度ムラ(輝点含む)確認
なお、「3」以上にて実用上問題なしのレベルである。
(光学素子包括体保存試験)
85℃/ドライの環境にて平置き状態にて100時間保存し、外観および平置きでの反り状態を金尺にて計測して評価した。
上述した輝度評価、外観評価、高温下の外観評価、保存試験の結果を表2に示す。
Figure 0005163516
(結果)
表2から以下のことが分かる。
光学素子を包括部材により包括していない比較例5では、LCFが支持されておらず、拡散板とCCFL間中にてたわみ、うねりが発生する。
また、支持体の熱膨張に対する相対値が39%と低い比較例4では、包括部材内にて支持体の熱膨張率が大きいので、光学素子包括体にたわみが発生する。その結果、LCD−TVの表示装置での偏光ムラ(黒表示における白抜け)が発生する。この比較例4における光学素子包括体の環境保存にて、全体的にそりが発生している。この反りの発生により液晶表示パネルが加圧されたことが偏光ムラを発生させて、外観不良を生じさせている。
これに対して、熱膨張係数が支持体に対して85〜160%である実施例1〜10、比較例1〜3では、加熱高温保存における大きな反りの変化はみられない。但し、ビカット軟化温度が85℃未満である比較例1〜3では、TV高温実装試験において、拡散板を支持するピン部に変化が生じて輝度ムラが発生する。
以上により、光学素子包括体の反りや変形による外観不良を抑制するために、支持体に対する熱膨張係数を85〜160%とし、かつビカット軟化温度が85℃を超えることが好ましい。
また、正面輝度における影響では、包括部材の屈折率を1.6以下とすることにより、標準構成のDBEFD/Lens/拡散シート/拡散板/LCFに対して、正面輝度を95%に保つことが可能となる。ここで、光学素子包括体を用いることによって、正面輝度が低下するものの、標準光学素子の構成にて正面輝度の低下が抑えられるのは、光学素子包括体としない場合のうねりが発生する場合に光線方向、Lensのうねりにより出射光が散乱されるためと考えられる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の実施形態の各構成は、この発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態において、光学素子同士または光学素子と支持体とを、光学機能が損なわれないように一部を接合させてもよく、表示機能の劣化を抑える点から、端部に設けることが好ましい。
また、上述の実施形態では、包括部材としてフィルム状またはシート状のものを用いる場合を例として説明したが、包括部材としてある程度の剛性を有するケースなどを用いるようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、包装部材22と、この包装部材22により包まれる支持体23および1または複数の光学素子24の少なくとも1つとを接合するようにしてもよい。接合の方法としては、例えば、接着剤や溶着による接着などが挙げられる。接着剤による接着方法としては、例えばホットメルト型接着方法、熱硬化型接着方法、感圧(粘着)型接着方法、エネルギー線硬化型接着方法、水和型接着方法または吸湿・再湿型接着方法などが挙げられる。溶着による接着方法としては、例えば熱溶着、超音波溶着またはレーザ溶着などが挙げられる。
また、上述の実施形態において、光学素子包装体2の端面の一部または全部に、光学素子包装体2の端面から出射される光を反射する反射部を設けてもよい。反射部は、例えば、包装部材22の内側面および外側面、包装部材22と光学素子積層体21との間、ならびに光学素子積層体21の端面の少なくとも1つの位置に設けられている。反射部としては、例えば金属反射膜、酸化物金属膜および金属多層膜などの無機多層反射膜、高分子多層膜などの有機多層反射膜、フィラーを含有する高分子樹脂層、空孔を含有する高分子樹脂層ならびに構造反射体の少なくとも1種を用いることができ、具体的には例えば、酸化チタンなどのフィラーと気泡とを含む白色PETフィルムを用いることができる。構造反射体としては、例えば略プリズム形状の構造体を用いることができる。
1 照明装置
2 光学素子包装体
3 液晶パネル
11 光源
12 反射板
13 導光板
14 ランプリフレクタ
15 反射シート
21 光学素子積層体
22 包括部材
23 支持体
24 光学素子
23a 拡散板
23b 収容部
23c 枠部
23d 保持部
24a 拡散フィルム
24b レンズフィルム
24c 反射型偏光子

Claims (20)

  1. 光学素子と、
    上記光学素子を支持する支持体と、
    を備えた積層体を有し、
    上記光学素子および上記支持体を覆う包括部材を有し、
    上記包括部材は、帯状の形状を有し、
    上記包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
    上記光学素子および上記支持体とは、一部接合されており、
    上記包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
    上記支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、上記支持体の熱膨張率に対して85〜160%である光学素子包括体。
  2. 光学素子と、
    上記光学素子を支持する支持体と、
    を備えた積層体を有し、
    上記積層体の主面を、面積比率で50%以上覆う包括部材を有し、
    上記包括部材は、帯状の形状を有し、
    上記包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
    上記光学素子および上記支持体とは、一部接合されており、
    上記包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
    上記支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、上記支持体の熱膨張率に対して85〜160%である光学素子包括体。
  3. 光学素子と、
    上記光学素子を支持する支持体と
    を備えた積層体を有し、
    上記積層体は、光源からの光が入射する入射面と、上記入射面から入射した光を出射する出射面とを有し、
    上記積層体の上記入射面は、括部材によって覆われ、
    上記積層体の上記出射面は、括部材によって覆われ、
    上記包括部材は、帯状の形状を有し、
    上記包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
    上記光学素子および上記支持体とは、一部接合されており、
    上記包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
    上記支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、上記支持体の熱膨張率に対して85〜160%である光学素子包括体。
  4. 上記光学素子および上記支持体とは、各々の端部において一部接合されている請求項1〜3のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  5. 上記包括部材は熱収縮性の包括部材であり、
    上記積層体の長辺側の両端面が上記包括部材により包まれ、短辺側の両端面が上記包括部材から露出する、あるいは上記積層体の短辺側の両端面が上記包括部材により包まれ、長辺側の両端面が上記包括部材から露出する請求項1〜4のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  6. 上記包括部材は、少なくとも光の入射側、あるいは出射側の表面の屈折率が1.6以下である請求項1〜5のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  7. 上記包括部材は、
    光源から光が入射する第1の領域と、
    上記第1の領域から入射された光を液晶パネルに向けて出射する第2の領域と
    を備え、
    上記第1の領域および上記第2の領域の少なくとも一方には、構造体または光学機能層が設けられている請求項1〜6のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  8. 上記第1の領域および上記第2の領域の少なくとも一方には、光拡散機能層、光集光機能層、反射型偏光機能層、偏光子機能層および光分割機能層の少なくとも1種が設けられている請求項7記載の光学素子包括体。
  9. 上記支持体は、拡散板または透明板である請求項1〜8のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  10. 上記光学素子の端面または該端面近傍に反射部を備える請求項1〜9のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  11. 上記包括部材は、1軸異方性または2軸異方性を有する請求項1〜10のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  12. 異方性を有する上記包括部材のリタデーションが50nm以下である請求項11記載の光学素子包括体。
  13. 上記包括部材の乾燥減量が2%以下である請求項1〜12のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  14. 上記包括部材が、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体を含み、両者の質量比が、95:5〜5:95である、請求項1〜13のいずれか一に記載の光学素子包括体。
  15. 上記包括部材が、下記の(a)〜(d)から選ばれた少なくとも1種のビニル芳香族炭化水素系重合体をさらに含む、請求項14記載の光学素子包括体。
    (a)ビニル芳香族炭化水素重合体
    (b)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸とからなる共重合体
    (c)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルとからなる共重合体
    (d)ゴム変性スチレン系重合体
  16. 上記ブロック共重合体が、スチレン−ブタジエンブロック共重合体である請求項14または15に記載の光学素子包括体。
  17. 光を出射する光源と、
    上記光源から出射された光の特性を改善し、液晶パネルに対して出射する光学素子包括体と
    を備え、
    上記光学素子包括体は、
    光学素子と、該光学素子を支持する支持体とを備えた積層体を有し、
    上記光学素子および上記支持体を覆う包括部材を有し、
    上記包括部材は、帯状の形状を有し、
    上記包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
    上記光学素子および上記支持体とは、一部接合されており、
    上記包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
    上記支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、上記支持体の熱膨張率に対して85〜160%であるバックライト。
  18. 上記包括部材は、上記積層体の主面を面積比率で50%以上覆う請求項17に記載のバックライト。
  19. 光を出射する光源と、
    上記光源から出射された光の特性を改善する光学素子包括体と、
    上記光学素子包括体により特性が改善された光に基づき、画像を表示する液晶パネルと
    を備え、
    上記光学素子包括体は、
    光学素子と、該光学素子を支持する支持体とを備えた積層体を有し、
    上記光学素子および上記支持体を覆う包括部材を有し、
    上記包括部材は、帯状の形状を有し、
    上記包括部材の長手方向の端部同士が接合され、
    上記光学素子および上記支持体とは、一部接合されており、
    上記包括部材のビカット軟化温度が85℃を超え、
    上記支持体を覆う少なくとも一面の包括部材の熱膨張率が、上記支持体の熱膨張率に対して85〜160%である液晶表示装置。
  20. 上記包括部材は、上記積層体の主面を面積比率で50%以上覆う請求項19に記載の液晶表示装置。
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