JP5163073B2 - ガラス被覆発光装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスを用いて被覆されたガラス被覆発光装置の製造方法に関する。
近年、半導体発光素子(例えば、発光ダイオード)を被覆する部材として、ガラスが提案されている。特許文献1は、発光素子をガラスで封止する方法を開示している。
国際公開番号:WO2004/082036号公報
しかしながら、特許文献1は、基板上に設けられた複数の発光素子を一枚のガラス板で被覆してダイシングすることにより、個片化されたガラス被覆発光装置を得ること(以下、第1の方法)を開示している(明細書第10頁第50行目〜第11頁第2行目、図5など)。そのため、特許文献1の第1の方法によれば、ダイシング工程においてガラスに欠けやクラックが発生するという問題を生じる。このため、ガラスをダイシングする第1の方法は歩留まりが悪く、大量生産にあまり適していない。また、第1の方法によって得られたガラス被覆発光装置は、発光素子に比べ大きなガラスで被覆されている。そのため、発光素子から発せられた光が空気中に出射されるまでの間、ガラス内部を長い距離進行しなければならない。そのため、ガラス内部を進行中に、出射光が弱まり、ガラス被覆発光装置の輝度が低下するという問題が生じる可能性がある。
また、特許文献1は、予めプレフォーム加工によって光学形状面と溝薄部を有するプレフォームガラスを形成し、その後プレフォームガラスをホットプレス加工によって発光素子を封止すること(以下、第2の方法)を開示している(第14頁第49行目〜第15頁第1行目、図17)。そのため、特許文献1の第2の方法によれば、プレフォーム加工とホットプレス加工の2つのステップを必要とする。また、プレフォームガラスは、発光素子上に単に配置されていれば良い訳ではなく、被覆した後のガラス被覆発光装置が所望の輝度を得られることを考慮して配置されなくてはならない。具体的には、発光素子の表面の中心点を通る発光素子の表面の仮想垂線上に、プレフォームガラスの重心が位置するようにしなければならない。このため、発光素子の所定の位置にプレフォームガラスを配置する方法は、ガラス被覆発光装置の大量生産にはあまり適していない。
この発明の第1態様に係るガラス被覆発光装置の製造方法は、発光素子が設けられた主表面を有する基板であって、前記主表面は前記発光素子が設けられた領域と該領域を取り囲む中間領域と該中間領域を取り囲む周辺領域とを有する基板を準備する工程と、ガラス粉末と樹脂と溶剤とを混合して得られたフリットペーストを準備する工程と、前記発光素子の表面及び前記基板の主表面の中間領域に、前記フリットペーストを印刷する工程と、前記印刷された前記フリットペーストに熱を加えて、前記発光素子を前記基板の主表面上にガラスで封止する工程とを含むことを特徴とする。
この発明に係るガラス被覆発光装置の製造方法においては、上記基板が第1の発光素子と第2の発光素子とが設けられた主表面を有する基板である場合に、上記印刷の領域を第1の発光素子の表面から第1及び第2の発光素子間の基板の主表面を経て第2の発光素子の表面に亘る連続した領域を含むようにして、第1及び第2の発光素子を基板の主表面上に一つのガラスで封止する方法としてもよい。
本発明によれば、ガラス被覆発光装置の大量生産化を可能とする製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態を、添付した図面を参照して以下に詳細に説明する。図では、対応する部分は、対応する参照符号で示している。下記の実施形態は、一例として示されたもので、本発明の精神から逸脱しない範囲で種々の変形をして実施することが可能である。
以下に、図面を用いて、ガラス被覆発光装置の製造方法について説明する。図1は、本発明のガラス被覆発光装置の製造方法を示すフローチャートである。なお、図1中の「発光素子の準備」は、「発光素子が配設された基板の準備」を意味する。
初めに、例えば発光ダイオードのような半導体発光素子(以下、LED素子という)が搭載された、LED搭載基板を準備する(ステップ110)。ここで、基板は、例えば、純度98.0%〜99.5%、厚さ0.5mm〜1.2mmの矩形のアルミナ基板またはマグネシア(MgO)基板である。なお、基板の表面に形成される配線は、金ペーストにより製造された金配線である。LED素子は、基板と、LEDと、プラス電極と、マイナス電極とを有する。LEDは、波長が360〜480nmの紫外光または青色光を放出するLEDであり、GaNにInを添加したInGaNを発光層とする量子井戸構造のLED(InGaN系LED)である。基板の熱膨張係数(α)は、70×10−7〜90×10−7/℃である。通常、基板として熱膨張係数(α)が約80×10−7/℃であるサファイア基板が使用される。
次に、フリットペーストを準備する(ステップ120)。ここで、フリットペーストとは、ガラス粉末が樹脂、溶剤などに分散したものを示す。ガラス粉末は、例えば、TeO−ZnO系、B−Bi系、SiO−Bi系、SiO−ZnO系、B−ZnO系、P−ZnO系、P−SnO系から選択される一つ、またはそれらから選択される二つ以上の複合系ガラスを用いることができる。ここで、無機蛍光体粉末をガラス粉末に含有する場合、無機蛍光体粉末との反応を考慮すると、SiO−ZnO系、B−ZnO系が好ましい。無機蛍光体粉末は、例えば、YAG系蛍光体、酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、希土類酸硫化物、ハロゲン化物、アルミン酸塩化物、ハロリン酸塩化物などがある。特に、スクリーン印刷法を考慮すると、YAG系蛍光体が好ましい。樹脂は、スクリーン印刷後、塗膜中のガラス粉末、フィラーを支持する。具体例としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂、酢酸ビニル、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂などが用いられる。主剤として用いられるのは、エチルセルロースとニトロセルロースがある。なお、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂は塗膜強度向上のための添加として用いられる。焼成時の脱バインダー温度は、エチルセルロースで350℃から400℃、ニトロセルロースで200℃から300℃である。溶剤は、樹脂を溶解しかつ印刷に必要な粘度を調整する。また印刷中には乾燥せず、乾燥工程では、すばやく乾燥する。沸点200℃から230℃のものが望ましい。粘度、固形分比、乾燥速度調整のためブレンドして用いる。具体例としては、スクリーン印刷時のペーストの乾燥適合性からエーテル系溶剤(ブチルカルビトール(BC)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、酢酸ブチルセロソルブ)、アルコール系溶剤(α−テルピネオール、パインオイル、ダワノール)、エステル系溶剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)、フタル酸エステル系溶剤(DBP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレート)、DOP(ジオクチルフタレート))がある。主に用いられているのは、α−テルピネオールや2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)である。なお、DBP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレート)、DOP(ジオクチルフタレート)は、可塑剤としても機能する。その他、粘度調整、フリット分散促進のため、界面活性剤を使用しても良い。フリット表面改質のため、シランカップリング剤を使用しても良い。
ここで、フリットペーストの作製方法について説明する。初めに、ガラス粉末と無機蛍光体粉末とビヒクルとを準備する。ここで、ビヒクルとは、樹脂、溶剤、界面活性剤を混合したものをいう。具体的には、50℃〜80℃に加熱した溶剤中に樹脂、界面活性剤などを投入し、その後4時間から12時間程度静置したのち、ろ過し、得られる。次に、ガラス粉末と無機蛍光体粉末とビヒクルとを、プラネタリーミキサーで混合した後、3本ロールで均一分散させる。その後粘度調整のため、混練機で混練する。ガラス材料(無機蛍光体粉末を含む)70〜80wt%に対してビヒクル20〜30wt%とすることが好ましい。無機蛍光体の含有量は、焼成後(封止後)のガラスの体積全体に対して、50%未満となるのが好ましい。50%超の場合、焼成されないで焼け残ってしまう可能性がある。また、無機蛍光体の含有量は、量子収率60%を得るためには5%超が好ましい。LED素子上に印刷するために、フリットペーストの粘度は、10〜1000Pa・s(ポアズ・秒)であることが好ましい。10Pa・s未満では、印刷した後のフリットペースト膜が垂れてしまい、所望の位置にガラスが成形できないという問題がある。
次に、作製されたフリットペーストをスクリーン印刷機を用いて、LEDの表面に印刷する(ステップ130)。印刷されたフリットペースト(以下、フリットペースト膜)の膜厚さは、スクリーン版のメッッシュ荒さ、乳剤の厚み、印刷時の押し圧、スキージ押し込み量などで制御される。
ここで、図面を用いて、LED素子とフリットペースト膜との関係を説明する。
初めに、一つのLED素子とフリットペースト膜との関係について説明する。図2は、一つのLED素子220が搭載されたLED搭載基板210を示す斜視図である。図3は、図2のLED搭載基板をA−A線で切断した断面図である。ここで、LED搭載基板210は、図2及び図3に示すように、LED素子220が搭載される中央領域211と、中領域211を取り囲む中間領域212と、中間領域212を取り囲む周辺領域213とを有する表面を有する。フリットペースト膜300は、図3に示すように、LED搭載基板210の中央領域211と中間領域212の表面上に位置する。具体的に説明すると、フリットペースト膜300は、LED搭載基板210の中間領域212の表面、LED素子220の側面、及びLED素子220の上面に形成される。ここで、中間領域212の幅は、焼成後に膜が収縮した後も素子の端部及び素子の一部が露出することなく被覆するという観点から、100〜1000μmが好ましい。
次に、二つのLED素子とフリットペースト膜との関係について説明する。図4は、二つのLED素子420、430が搭載されたLED搭載基板410を示す斜視図である。図5は、図4のLED搭載基板をB−B線で切断した断面図である。ここで、LED搭載基板410は、図4及び図5に示すように、LED素子420、430が搭載される中央領域411と、中領域411を取り囲む中間領域412と、中間領域412を取り囲む周辺領域413とを有する表面を有する。フリットペースト膜500は、図5に示すように、LED搭載基板410の中央領域411と中間領域412の表面上に位置する。具体的に説明すると、フリットペースト膜500は、LED搭載基板410の中間領域412の表面、LED素子420、430の側面、及びLED素子420、430の上面に形成される。ここで、上述したように、中間領域412の幅は、焼成後に膜が収縮した後も素子の端部及び素子の一部が露出することなく被覆するという観点から、100〜1000μmが好ましい。
次に、上述の二つのLED素子とフリットペースト膜との関係において、二つのLED素子間に空間がある場合について説明する。図6は、LED搭載基板610の上面図である。LED搭載基板610は、第1のLED素子が搭載される第1中央領域611と、第2のLED素子が搭載される第2中央領域612と、第1及び第2中央領域611、612を取り囲む中間領域613と、中間領域613を取り囲む周辺領域614とを有する表面を有する。この場合、図示はしないが、フリットペースト膜は、LED搭載基板610の第1及び第2中央領域611、612と中間領域613の表面上に位置するように形成される。ここで、フリットペースト膜は、第1及び第2中央領域611、612の間に位置するLED搭載基板610の表面にも形成されている。このように形成することで、二つのLED素子は、ガラスによって封止される。なお、第1及び第2中央領域611、612の間の距離は、焼成後に膜が収縮した後も素子の端部及び素子の一部が露出することなく被覆するという観点から、100〜1000μmが好ましい。
次に、LED表面に印刷されたフリットペーストに熱を与え、LEDをガラスで封止する(ステップ140)。フリットペーストが印刷されたLED搭載基板を焼成炉に入れ、フリットペーストを焼成する。焼成は、樹脂を分解・消失させる脱バインダ処理とガラス粉末を焼結、軟化させる焼成処理からなる。脱バインダー温度は、エチルセルロースで350℃〜400℃、ニトロセルロースで200℃〜300℃であり、30分から1時間大気雰囲気で加熱する。その後温度を上げて、ガラスを焼結、軟化させる。焼成温度は軟化温度から軟化温度+200℃であり、処理温度により内部に残存する気泡の形状、大きさが異なる。その後、冷却して基板上にガラス膜が形成される。得られる膜の厚さは、5μm〜200μmである。なお、印刷時にLED表面に複数回印刷してフリットペースト層を積層することにより、さらに厚いガラス膜を形成することが可能である。
ここで、焼成された本発明のガラスについて説明する。本発明のガラスのガラス転移点(Tg)は、好ましくは500℃以下、より好ましくは490℃以下、特に好ましくは480℃以下である。なお、ガラス転移点(Tg)が500℃超では、LED素子の封止温度が高くなり、LED素子を劣化させるおそれがある。本発明のガラスのガラス軟化温度(Ts)は、好ましくは600℃以下、より好ましくは590℃以下、特に好ましくは580℃以下である。なお、ガラス軟化温度(Ts)が600℃超であると、封止温度が高くなりLED素子を劣化させるおそれがある。本発明のガラスの熱膨張係数(α)は、125×10−7/℃以下、より好ましくは95×10−7/℃以下、特に好ましくは90×10−7/℃以下である。なお、熱膨張係数(α)は、70×10−7/℃未満では、ガラス転移点を上昇させる。好ましくは、70×10−7/℃以上、より好ましくは75×10−7/℃以上、特に好ましくは80×10−7/℃以上である。また、熱膨張係数(α)は、125×10−7/℃超の場合、ガラスを軟化させて半導体発光素子を封止し、室温まで冷却する過程またはそれ以降に、ガラスのLED素子に接する部分を起点とした割れが発生し、光の取り出し効率を低下させるまたは半導体発光素子が大気の湿分に晒されるおそれがある。
この実施例では、ガラスを構成する組成の含有量が異なる2つのB−ZnO系ガラスを用いた。ここで、例えば例1のガラスは、下記表1の配合となるガラス粉末と無機蛍光体粉末とビヒクルとを混合・混練した。ビヒクルは、ブチル−ジ−グリコール−アセテート(ダイセル化学社製)とα−テルピネオール(ヤスハラケミカル社製)とエチルセルロース(ダウケミカル社製)とを質量%で、6:3:1の割合で配合することにより得た。無機蛍光体粉末は、YAG系蛍光体粉末(化成オプト社製)を用いた。ここで、無機蛍光体の含有量は、焼成後(封止後)のガラスの体積全体に対して、20%となるように調整した。なお、表1に示されるガラスは、言うまでもなく、表に示される組成物のみを含有して構成されるのではなく、他に、BaO、LiOなどを含んで構成されている。
次に、金の配線パターンを形成したマグネシア基板(厚み:1mm、大きさ:7mm×5mm)と豊田合成社製LED(商品名:E1C60−0B011−03)に接続バンプを形成したものとを用意し、マグネシア基板にこのLEDをフリップチップ実装した。そして、ガラスと基板との界面に発生する気泡を抑制するために、LEDを実装したアルミナ基板を電気炉(IR加熱装置)に入れ、600℃で加熱処理をした。昇温速度は300℃/分、600℃での保持時間は2分、降温速度は300℃/分に設定した。なお、ガラスと基板との界面に発生する気泡は、ガラスを軟化させる場合、ガラスが基板表面に付着している有機汚染物質に反応して発生する。そして、この発生した気泡は、半導体発光素子から発した光を屈折させるので、発光装置の輝度を低下させたり、発光装置の配光分布を変化させるおそれがある。そのため、ガラスでLEDを被覆する前に、LEDを搭載した基板を加熱し、基板表面に付着している有機汚染物質を減少させ、気泡の発生を抑制している。数々の実験によれば、加熱温度は、600℃前後が好ましい。また、加熱時間は、LEDに対する熱の影響を考慮すると、2分間前後が好ましい。
このフリップチップ実装したLEDの上に、へらで少量のペーストをたらし(印刷)、一度乾燥させ、再度、LEDの上に、へらで少量のペーストをたらし、形を整える。その後、電気炉に入れ、毎分10℃の速度で450℃まで昇温しその温度に20分間保持し、有機物であるバインダー成分(ビヒクルなど)を焼き飛ばした。なお、保持している間に真空状態にして減圧処理を施した。その後、再度、毎分10℃の速度で580℃まで昇温しその温度に30分間保持した。なお、ここでも保持している間に真空状態にして減圧処理を施した。そして、ガラスを軟化流動させてLEDを被覆した。その後、毎分10℃の速度で冷却を行った。ここで、行った実験では、スクリーン印刷機を用いずに、へらで少量のペーストをたらすことを行った。発明者の長い経験から、へらで少量のペーストをたらすことは、スクリーン印刷機の印刷と同等な効果を得られると確信している。
LEDを被覆しているガラスを目視観察したところその表面付近には泡は認められなかった。
得られたガラスについて、ガラス転移点Tg(単位:℃)、ガラス軟化温度Ts(単位:℃)、熱膨張係数α(単位:10−7/℃)、誘電率(単位:%)、比重を以下の測定法によって、測定した。
Tg:粉末状に加工したサンプル250mgを白金パンに充填し、リガク社製示差熱分析装置Thermo Plus TG8110(商品名)により、10℃/分の昇温速度で測定した。
Ts:粉末状に加工したサンプル250mgを白金パンに充填し、リガク社製示差熱分析装置Thermo Plus TG8110(商品名)により、10℃/分の昇温速度で測定した。
α:直径5mm、長さ20mmの円柱状に加工したサンプルを、熱膨張計(ブルカーエイエックスエス社製水平示差検出式熱膨張計TD5010)を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した。50〜300℃での膨張係数を25℃刻みで求め、その平均値をαとした。
結果を表1に示す。
Figure 0005163073
また、このようにして得られたガラス被覆発光素子に直流電圧を印加したところ、青色の発光が確認できた。また、表2に示すように、封止前後の電流−電圧測定の結果(10mAになるときの電圧値)も有意な差は無かった。このことからLED素子発光層に損傷がないことがわかる。
Figure 0005163073
以下、ガラス被覆発光素子の量子収率及び全光線透過率を説明する。なお、ここでは量子収率及び全光線透過率を簡易に得るために、図7のようなサンプルを作製して、光学特性を調べた。ここで、量子収率(f)とは、反応分子が吸収した光がどれだけ効率よく反応に使われたかを示す値であり、理論的にf=生成分子数/反応分子が吸収した光子数で求められる。また、全光線透過率とは、直線(直行)透過光と後方散乱光を合わせた光線の透過率をいう。ここで、量子収率が50%であるとは、減った100粒の青い光が、50粒の黄色い光になったことをいう。
図7に示すサンプルでは、矩形のガラス基板700(旭硝子株式会社製ガラス基板、商品名:PD200、大きさ:200×200×1mm)上に、上述の製法にて作製された例1及び例2のガラス膜710を設けた。そして、ガラス膜710が形成されていないガラス基板700の裏面方向から光Aを照射し、ガラス基板700及びガラス膜710を通り、ガラス膜710上に出射された全光線Bを積分球で集め、計測器730にて計測した。なお、ガラス基板700の4つの側面720を黒く塗りつぶした。このようにすることで、ガラス基板700の側面720から出射された光を積分球に入れないようにした。ここで、ガラス膜710が形成されて状態でのガラス基板700の全光線透過光強度を100%として、サンプルの全光線透過率を規格化している。
測定結果を図8に示す。ここで、全光線透過率Tt(単位:%)は、積分球式光線透過率測定装置(スガ試験機社製、商品名:直読ヘイズコンピューター)を用いて、可視光線について入射光量Tとサンプルを通った全光量Tとの比(T/T)を百分率で示した。量子収率(単位:%)は、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いて、可視光線について入射光量Tとサンプルを通った全光量Tとの比(T/T)を百分率で示した。また、ガラスの焼成温度を620℃で統一し、封止後のガラスの体積に対するYAG系蛍光体の含有量を5〜70%まで変化させた。図中、棒グラフは量子収率(%)を示し、折れ線グラフは全光線透過率(%)を示す。図8に示されるように、一般的に、封止後のガラスの体積に対するYAG系蛍光体の含有率が増加するにつれ、量子収率(%)が増加することが言える。一方、封止後のガラスの体積に対するYAG系蛍光体の含有率が増加するにつれ、全光線透過率(%)が減少することが言える。つまり、量子収率(%)と全光線透過率(%)とはトレードオフの関係にあることが言える。このことから、80%超の全光線透過率を得るためには、封止後のガラスの体積に対するYAG系蛍光体の含有量は、5〜20%であることが好ましいことがわかる。なお、封止後のガラスの体積に対するYAG系蛍光体の含有量が30%を超えると、含有量が20%のときの溶剤等の量と同じ量では封止ができず、溶剤等の量を変更する必要がある。
さらに、ガラス被覆発光素子の外部量子効率を説明する。なお、ここでは外部量子効率を簡易に得るために、図9のようなサンプルを作製して、光学特性を調べた。ここで、外部量子効率(η)とは、入射光子一つ当たりの出力電子数のことで、η=(Ip/e)/(P/hν)という関係を有する。ここで、Ip:光電流、e:電荷、P:入射光パワー、h:プランク定数、ν:周波数である。外部量子収率が20%であるとは、電子100個とホール100個が出会ったとき、封止膜の外部に20粒光が出てきたことをいう。
図9に示すサンプルでは、LED搭載基板900上に、接続バンプ910、920を介し、ガラス940で被覆されたLED素子930を搭載した。ここで、ガラス940は、封止後のガラスの体積に対してYAG系蛍光体を20%含有している。上記サンプルの外部量子効率(%)は、外部量子効率測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いて、可視光線について入射光量Tとサンプルを通った全光量Tとの比(T/T)を百分率で測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 0005163073
表3に示されるように、焼成温度に係らず、LEDをフリップチップ実装した場合には、ガラスの厚みが200μm以下であれば、10%超の外部量子効率が得られる。
本発明のガラス被覆発光装置の製造方法は、液晶パネル用バックライト光源、一般照明や自動車用ヘッドライドなどに用いられるLED素子の封止に利用できる。
本発明のガラス被覆発光装置の製造方法を示すフローチャートである。 本発明に係るLED搭載基板の構成を示す斜視図である。 図2のLED搭載基板をAA線で切断した断面図である。 本発明に係るLED搭載基板の構成を示す斜視図である。 図4のLED搭載基板をBB線で切断した断面図である。 本発明に係るLED搭載基板の上面図である。 本発明に係るガラス被覆発光装置の量子収率及び全光線透過率を測定するためのサンプルを示すブロック図である。 本発明に係るガラス被覆発光装置の量子収率及び全光線透過率の測定結果を示すグラフである。 本発明に係るガラス被覆発光装置の外部量子効率を測定するためのサンプルを示すブロック図である。
符号の説明
210、410、610、900:LED搭載基板
220、420、430、930:LED素子
300、500、940:ガラス

Claims (5)

  1. 発光素子が設けられた主表面を有する基板であって、前記主表面は前記発光素子が設けられた領域と該領域を取り囲む中間領域と該中間領域を取り囲む周辺領域とを有する基板を準備する工程と、
    ガラス粉末と樹脂と溶剤とを混合して得られたフリットペーストを準備する工程と、
    前記発光素子の表面及び前記基板の主表面の中間領域に、前記フリットペーストを印刷する工程と、
    前記印刷された前記フリットペーストに熱を加えて、前記発光素子を前記基板の主表面上にガラスで封止する工程と、を含むことを特徴とするガラス被覆発光装置の製造方法。
  2. 前記基板が第1の発光素子と第2の発光素子とが設けられた主表面を有する基板であり、前記印刷の領域が前記第1の発光素子の表面から前記第1及び第2の発光素子間の基板の主表面を経て前記第2の発光素子の表面に亘る連続した領域を含む、前記第1及び第2の発光素子を前記基板の主表面上に一つのガラスで封止することを特徴とする請求項1記載のガラス被覆発光装置の製造方法。
  3. 前記封止する工程を真空に減圧された状態で行う請求項1または2に記載のガラス被覆発光装置の製造方法。
  4. 前記フリットペーストは蛍光体粉末が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス被覆発光装置の製造方法。
  5. 前記ガラス粉末はSiO−ZnO系またはB−ZnO系のガラスからなる請求項4に記載のガラス被覆発光装置の製造方法。
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