JP2007031565A - 硬化性シリコーン樹脂組成物、それを用いた気密容器または電子部品の製造方法 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物、それを用いた気密容器または電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】封着材またはオーバーコート材として好適な硬化性シリコーン樹脂組成物であって、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に優れ、特にスクリーン印刷する際の印刷性に優れた硬化性シリコーン樹脂組成物の提供。
【解決手段】硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の有機溶媒を含有し、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の溶媒の合計に対する沸点100〜220℃の溶媒の量が5〜40質量%であることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、気密容器の封着材または電子部品等のオーバーコート材としての特性に優れた硬化性シリコーン樹脂組成物に関する。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に優れており、該組成物はスクリーン印刷する際の印刷性に特に優れている。
また、本発明は、該硬化性シリコーン樹脂組成物を用いて気密容器を製造する方法、および該硬化性シリコーン樹脂組成物を用いてオーバーコートを有する電子部品を製造する方法に関する。
ガラス製、セラミック製、または金属製の部材の接合面同士を気密に封着してなる気密容器を用いて作製される製品として、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出ディスプレイ(SED)、有機エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライトまたは照明として用いられる平面蛍光板(FFL)、圧電振動子、レーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、複層ガラス、マイクロマシン(MEMS)、光電子増倍管等が知られている。
これらの製品において、接合面を気密封着するために使用される封着材または接着剤としては、低融点ガラスフリット、低融点金属等の無機系封着材、エポキシ樹脂等の有機系封着材が用いられている。
低融点ガラスフリットとしては、ガラスの融点を下げるため、酸化鉛の形等で鉛が添加された鉛系ガラスフリットが最も一般的である。このような鉛系ガラスフリットで封着した製品が屋外に廃棄・放置され風雨に曝された場合、封着材中の鉛が溶け出し、環境を汚染する可能性がある。このため、人体に対して有害な鉛を用いない封着材の開発が要求されている。さらに、鉛系ガラスフリットの封着温度は350℃以下に下げることができないため、気密容器内の部材(たとえば、ディスプレイ、平面蛍光板、LEDに使用される蛍光体;有機EL素子;FEDやSEDに使用される電界放出素子)が熱劣化を受けるおそれがある。
他の低融点ガラスフリットとして知られている燐酸ガラス系ガラスフリットは吸水による特性劣化が大きく、実際に使用する上での課題が多い。
また、低融点ガラスフリットは脆性破壊しやすく、封着部にクラックが生じやすいという欠点があった。
また、気密容器が複層ガラスである場合、強度を高めるため強化ガラスが用いられることがある。強化ガラスは、加熱処理等によりガラス表面付近に残留応力層を形成させたガラスである。従来の低融点ガラスフリットを用いた封着では、強化ガラスが高温にさらされることにより、強化ガラスに加えられた残留応力が低下または喪失するおそれがあった。
一方、低融点金属は、有害物質を含まない点、低温で封着可能である点では低融点ガラスフリットに比べて優れるものの、被封着物に対する接着強度が充分でない、他の封着材に比べて価格が高い等の問題がある。
また、エポキシ樹脂などの有機系封着材は、有害物質を含まない点、低温で封着可能である点、接着強度、および価格の面では、低融点ガラスフリットおよび低融点金属と比較して同等レベルであるかまたは優れている。しかし、耐熱性、耐紫外線性、耐光性、耐水性、耐湿性はこれらに比べて劣っており長期の信頼性に問題がある。たとえば、青色光のような短波長領域の光を発生し、発熱量が高いLEDの気密容器の封着材として使用するには、耐熱性および耐光性に劣るため好ましくない。特に、POWER LEDのように使用時に150〜200℃前後の高温状態になる場合、耐熱性が不充分である。さらに、高気密性が要求される場合に、要求される気密性を充分に満足できない。
また、ガラスやセラミック基板上に形成された圧電体、抵抗、導体、誘電体電極等の電子部品を水や埃から保護するために、これら電子部品上にオーバーコートが形成されたチップ抵抗や弾性表面波デバイス(SAW)などが知られている。オーバーコートは、低融点ガラスフリット等の無機系オーバーコート材や、エポキシ樹脂などの有機系オーバーコート材を溶融させて、または溶媒に溶解させた溶液として、電子部品の所望の部位に塗布し、その後硬化することで形成される。このオーバーコート材は、気密性、電気絶縁性、防水性、防湿性、耐熱性等に優れることが要求される。
さらにまた、電子部品へのオーバーコートの形成は、該電子部品を基板上に取り付けた場合で実施される場合もあるが、該電子部品がディスプレイ、平面蛍光板、有機EL、FEDまたはSEDのように、熱に対して脆弱な構成要素を含んだデバイスに使用される場合、電子部品へのオーバーコートの形成は、300℃以下の低温で実施されることが好ましい。
これらの電子部品のオーバーコート材としては、低融点ガラスフリット等の無機系封着材や、エポキシ樹脂等の有機系封着材が用いられている。低融点ガラスフリット等の無機系封着材を用いた場合、気密性や透湿性などの信頼性は優れるがコストが高い問題がある。また、低融点ガラスフリットは鉛を含有するため環境に影響を与える可能性がある。エポキシ樹脂等の有機系封着材は、無機系封着材を使用した場合に比べてではあるが、気密性、透湿性や耐熱性などの信頼性は劣る。
これらの問題を解決すべく本発明者らは、鉛を含有せず、350℃より低温で封着が可能で、ガラス、セラミックおよび金属製の部材に対して充分な接着強度を有し、かつこれら部材の接合面同士を気密に封着して作成される上記製品に要求される耐熱性、気密性および耐候性を有するシリコーン系の封着材料を既に開発している(特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1または特許文献2に記載のシリコーン系の封着材料を用いて、気密容器を気密封止する際、または、電子部品上にオーバーコートを形成する際、被封着部位またはオーバーコートを形成する部位にこれらシリコーン系の封着材料の層を形成する。特許文献1および特許文献2には、シリコーン系の封着材料の層を形成する方法として、シリコーン系の封着材料をシート状、ワイヤー状、スティック状といった形状の成形体として、被封着部位等に配置することにより封着材料の層を形成する方法、シリコーン系の封着材料を溶剤を含めて、または溶剤を含めることなしにペースト状またはスラリー状として、刷毛、スプレー、ディスペンサーなどで被封着部位等に塗布することにより封着材料の層を形成する方法が記載されている。
これらの方法の中でも、ペースト状またはスラリー状の封着材料を刷毛、スプレー、ディスペンサーなどで塗布する方法は作業効率に優れており、封着材料の層を形成するのに要する時間を短縮することができる。
特開2001−207152号公報 特開2004−162039号公報
さらに作業効率に優れることから、本発明者らは、ペースト状またはスラリー状の封着材料を塗布する方法として、スクリーン印刷の適用を検討した。その結果、スクリーン印刷を用いる場合、シリコーン系の封着材料に溶媒を含めてペースト状またはスラリー状とすることが必要であることが明らかになった。しかも、シリコーン系の封着剤と混合する溶剤によっては、液ダレ、版の目詰まり等の現象がみられ、印刷性、特に、繰り返し印刷性に問題が生じる場合があることが明らかになった。
本発明は、上記した本発明者らによる知見に基づくものであり、封着材またはオーバーコート材として好適な硬化性シリコーン樹脂組成物であって、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に優れ、特にスクリーン印刷する際の印刷性に優れた硬化性シリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、該硬化性シリコーン樹脂組成物をスクリーン印刷する工程を含んだ気密容器の製造方法、若しくは該硬化性シリコーン樹脂組成物をスクリーン印刷する工程を含んだオーバーコート層を有する電子部品を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成するべくなされたものである。
すなわち、本発明は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の有機溶媒を含有し、
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の有機溶媒の合計に対する沸点100〜220℃の有機溶媒の量が5〜40質量%であることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂が、3官能以上の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂であることが好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、前記沸点100〜220℃の有機溶媒が、多価アルコールの誘導体であることが好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、さらに、ゲッター剤を、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、前記耐火物フィラーおよびゲッター剤の総量に対して45質量%以下含んでいてもよい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、さらに、紫外線吸収剤を、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、前記耐火物フィラーおよび紫外線吸収剤の総量に対して3質量%以下含んでいてもよい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、さらに、1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を含んでもよく、この場合、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、前記耐火物フィラー、および前記1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の総量に対する質量%で、
前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の量が10質量%以上であり、
前記耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
前記1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の量が0.1〜25質量%(ただし、前記3官能以上の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の量に対して等量以下)であることが好ましい。
また、本発明は、スクリーン印刷を用いて被封着部に上記本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する工程、
前記硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を除去する工程、および
有機溶媒が除去された前記硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる工程を含む、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物で封着された気密容器の製造方法を提供する。
また、本発明は、スクリーン印刷を用いてオーバーコートを形成する部位に上記本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する工程、
前記硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を除去する工程、および
有機溶媒が除去された前記硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる工程を含む、オーバーコート層を有する電子部品を製造する方法を提供する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の粘度変動が少なく、液ダレを起こし難い。そのため、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に優れている。特に、スクリーン印刷する際の版離れ性やレベリング性といった印刷性に優れており、気泡の巻き込みを抑制できる。また、版の目詰まりを防ぐこともできる。なお、ペースト状またはスラリー状の組成物をディスペンサーで塗布する際も、塗布開始終了時の液切れが良好である。
なお、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、基材等の表面に塗布した後、有機溶媒を揮発除去し(以下、「乾燥」ともいう)、有機溶媒が除去された硬化性シリコーン樹脂組成物はその後加熱硬化される。以下、本明細書において、有機溶媒が除去された硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物のことを「樹脂硬化物」という。
本発明の気密容器の製造方法、および本発明のオーバーコート層を有する電子部品を製造する方法は、スクリーン印刷を用いて本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成するため、作業効率に優れており、硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成するのに要する時間を短縮することができる。これにより、気密容器の歩留まり、およびオーバーコートが形成された電気部品の歩留まりを向上することができる。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を用いるため、スクリーン印刷する際の版離れ性やレベリング性といった印刷性に優れており、気泡の巻き込みおよび版の目詰まりを抑制することができる。
本発明の製造方法によって製造される気密容器は、封着部の接着強度および気密性に優れているため、信頼性に優れている。
また、本発明の製造方法によって製造される電子部品は、該電子部品に設けられたオーバーコートが電気絶縁性、防水性、防湿性、耐熱性等に優れるため、電子部品が長期にわたって所望の性能を発揮することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の有機溶媒を含有する。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の各成分について、以下詳細に説明する。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂のシラノール基は、硬化性シリコーン樹脂組成物の他の成分と親和性があるため、すなわち、耐火物フィラー表面、および、後述する任意成分(ゲッター剤、紫外線吸収剤、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂等)の表面、と親和性があるため、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび任意成分の混合を均一かつ自在に制御できる。その結果、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および任意成分の特性を十分発現できる硬化性シリコーン樹脂組成物が得られる。該組成物(後述する部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂を含有するものも含む)は、気密容器に広く使用されるガラス、セラミックスおよび金属製の基体間の封着材、またはセラミックスもしくはガラス製の基板上に形成される抵抗、導体、誘電体電極等の電子部品等に保護目的で形成されるオーバーコート材として好適である。なお、ここでいう基体間の封着とは、ガラス同士、またはセラミックス同士のような同種の基体間での封着と、ガラス−セラミックス間、セラミックス−金属間、ガラス−金属間のような異種基体間での封着の両方を指す。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、基材等の表面に塗布し、有機溶媒を揮発除去した後、基体間の封着、またはオーバーコートの形成を低温で行うことができ、接着強度が強く、接着加工性に優れている。しかも、その樹脂硬化物は長期にわたって機械的耐熱性が高く、耐ガスリーク性がよく、気密保持性が高く、耐熱寸法安定性がよいなど、多数の特性を合わせもつ。
一般に硬化性シリコーン樹脂の硬化物は、耐熱性、耐候性、耐湿性、電気特性等に優れるので、電気、電子、精密機器等の材料として多用されている。また、シリカのような補強用フィラーを配合し、強度向上を図ることも知られている。たとえば、エポキシ樹脂で変成した硬化性シリコーン樹脂が、強度、耐熱性、耐湿性、離型性に優れており、さらに、これにシリカ等のフィラーを配合し、流動性、成形品の機械的強度を向上させた組成物が知られている(特開平7−316398号公報参照)。硬化性シリコーン樹脂またはその変成樹脂は比較的弾性率が小さく、封着する部材に懸かる応力を小さくすることができ、熱膨張係数の違いによる歪を小さくできる。
本発明における硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、2官能ケイ素モノマー(R2Si−X2)と3官能ケイ素モノマー(RSi−X3)とを、部分的に加水分解共縮合することによって得られる。ここで、Rはメチル基またはフェニル基であり、ケイ素モノマー中にRが2個以上存在する場合、Rは同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。Xは、水酸基、またはアルコキシ基、塩素原子などの加水分解可能な基であり、水酸基であることが好ましい。
本発明における硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂とは、Rとしてメチル基とフェニル基の両者を含む硬化性のシリコーン樹脂である。
なお、共縮合時、1官能ケイ素モノマー(R3Si−X)や4官能ケイ素モノマー(Si−X4)を併用してもよい。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、2官能ケイ素モノマーと3官能ケイ素モノマーとを、部分的に加水分解共縮合することによって得られ、例えば、ジクロロジメチルシランとトリクロロフェニルシランとを加水分解共縮合させる方法、ジクロロジフェニルシランとトリクロロメチルシランとを加水分解共縮合させる方法などによって製造される。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、Xが加水分解されて生成したシラノール基を有する。硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、そのシラノール基によりさらに縮合が可能であり(硬化可能であり)、硬化させることにより最終的に実質的に不溶不融の硬化物となる。
硬化性シリコーン樹脂は、2官能ケイ素単位(R2SiO)と3官能ケイ素単位(RSiO3/2)からなり、全体として3官能以上であることが好ましい。そのため、本発明における硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、3官能以上の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂であることが好ましい。但し、硬化性シリコーン樹脂は、1官能ケイ素単位(R3SiO1/2)や4官能のケイ素単位(SiO2)を有していてもよい。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂における各ケイ素単位は、上記した1官能〜4官能のケイ素単位とともに、Xが加水分解されて生成し、シリコーン樹脂の硬化性に寄与するシラノール基を含んだ各ケイ素単位をも意味する。例えば、シラノール基を有する2官能ケイ素単位は(R2Si(OH)−)で表され、シラノール基を有する3官能ケイ素単位は(RSi(OH)2−)や(RSi(OH)=)で表される。また、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂における各ケイ素単位のモル比は原料である各ケイ素モノマーのモル比に等しいと考えられる。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、FT−IRから求めた、Si−O/Si−Rの値が11.0〜15.2であるのが好ましい。すなわち、Si−Oのピーク面積(1250〜950cm-1の範囲内に現れるピーク)(a)を、メチル基由来のピーク面積(1330〜1250cm-1の範囲内に現れるピーク)(b)と、該メチル基由来のピーク面積(b)およびH−NMRから求めたフェニル基のモル数/メチル基のモル数の値(c)の積と、の和で除した値である。
(a)/[(b)+(c)×(b)]=11.0〜15.2
一般的に硬化性シリコーン樹脂のSiに結合するアルキル基が長鎖となるに従って、硬化物の耐熱性が低下する。またフェニル基に代表される芳香族炭化水素基は、耐熱性は最も短いアルキル基であるメチル基と同等あるいはそれ以上であり、その質量比が増えるに従って硬化物の被膜が固くなる一方、熱可塑性を帯びてくる。したがって、樹脂中のRの全数に対するフェニル基の数の比により、硬化物の耐熱性、曲げ性等の機械的強度を調整することができる。
本発明における硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂としては、H−NMRから求めたフェニル基モル数/メチル基モル数の値が0.1〜1.2である、より好ましくは、0.3〜0.9である。別の言い方をすると、樹脂中のRの全数に対するフェニル基の数の比が0.1〜0.5である、より好ましくは0.2〜0.5であるメチルフェニルシリコーン樹脂が好適である。また、FT−IRから求めたフェニル基由来のピーク高さ(3074cm-1)/メチル基由来のピーク高さ(2996cm-1)が0.1〜1.2のメチルフェニルシリコーン樹脂も好ましい。
本発明における硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、Si−NMRから求めた(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計)に対する2官能ケイ素単位のモル比(単に、2官能ケイ素単位のモル比ともいう)が0.05〜0.55であり、0.2〜0.4であることがより好ましい。
また、この硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は実質的に2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位のみからなるものが好ましい。このような硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、250℃以上の高温に長時間保持しても、容易に分解、変色することがなく、耐熱性にも優れる。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などで変性して使用することもできる。しかし変性する樹脂の量は少ないものが好ましく、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂としては実質的に変性されていない硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂が好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含有される耐火物フィラーは、耐熱性の無機質粉末であり、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、ジルコン、コーディエライト、β−ユークリプタイト、β−スポジュメン、β−石英固溶体、フォルステライト、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等が使用できる。これらは単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。耐火物フィラーとしては、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウムが好ましく、球状シリカまたは球状アルミナが特に好ましい。
耐火物フィラーの平均粒径は0.1〜130μmが好ましく、0.1〜90μmがより好ましく、0.1〜20μmがさらに好ましく、0.1〜18μmがとりわけ好ましい。耐火物フィラーの平均粒径が0.1〜130μmであると、硬化性シリコーン樹脂中での分散性に優れるため、均一な組成物を得ることができて好ましい。さらに、耐火物フィラーの平均粒径が0.1〜20μmであると、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際、塗布性が良好で、特にスクリーン印刷する際の印刷性が良好な硬化性シリコーン樹脂組成物が得られる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、平均粒径が0.1〜130μm以外の耐火物フィラーを目的に応じて併用してもよい。例えば、硬化性シリコーン樹脂組成物の印刷特性をコントロールしたい場合、平均粒径が0.1μm未満の耐火物フィラーを併用してもよい。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を気密容器の封着材として使用する場合、平均粒径が0.1〜130μmの耐火物フィラー以外に、より粒径が大きく(130μm超)かつ粒径分布が狭い球状の耐火物フィラーをスペーサ材として少量配合することもできる。このような粒径が大きい耐火物フィラーを使用する場合、粒径が150〜600μmの球状シリカやチタン酸バリウムガラスなどの高屈折率ガラス、ソーダライムガラス、やジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、SiCなどのセラミックス、またはカーボンなどが好ましい。
また、このようなスペーサ材は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に配合するのではなく、スペーサ材の周囲に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を塗布し、硬化性シリコーン樹脂組成物から有機溶媒を揮発除去したものを、気密容器の封着面等、所望の部位に配置し、その後加熱硬化することで、スペーサ材を固定してもよい。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を塗布した後、スペーサを散布して所望の部位に配置し、硬化性シリコーン樹脂組成物から有機溶媒を揮発除去した後、樹脂組成物を加熱硬化することによってスペーサを固定してもよい。
上記したように、耐火物フィラーとしては、シリカ、アルミナ、または窒化アルミニウムが好ましく、球状シリカまたは球状アルミナが特に好ましい。ここで言うシリカやアルミナは、多孔質シリカや活性アルミナのように多孔質ではないことが好ましい。別の言い方をすると、耐火物フィラーは、比表面積が比較的小さいものであることが好ましい。具体的には、BET比表面積が50m2/g未満であることが好ましく、30m2/g未満がより好ましく、10m2/g未満がさらに好ましい。0.1〜8m2/gのBET比表面積を有する耐火物フィラーが特に好ましく、最も好ましい耐火物フィラーのBET比表面積は0.5〜5m2/gである。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における耐火物フィラーの配合量は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーの合計に対して10〜80質量%である。なお、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が、後述する任意成分であるゲッター剤および/または紫外線吸収剤を含む場合においても、耐火物フィラーの配合量は硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーの合計に対して10〜80質量%である。また、任意成分として直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を含有する場合は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の合計に対して10〜80質量%である。10質量%未満の場合には、十分な耐熱性が発現することができない。80質量%を超える場合は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂との分散性、親和性が悪くなり、結果として貼り合わせ作業性の低下、接着強度の低下が生じ、気密性などの信頼性が低下する。
耐火物フィラーの量は硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂との合計(硬化性シリコーン樹脂組成物が直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を含む場合は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および直鎖ジオルガノシリコーン樹脂との合計)に対して30〜75質量%が好ましく、特に55〜75質量%が好ましい。
スペーサ材として、平均粒径が130μm超の耐火物フィラーを併用する場合、その配合量は硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーの合計(または硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および直鎖ジオルガノシリコーン樹脂との合計)に対して0.1〜15質量%(ただし、耐火物フィラーに対して50質量%以下)が好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布するため有機溶媒を含有する。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含有される有機溶媒は沸点100〜220℃の有機溶媒である。沸点100℃未満の有機溶媒を含有する場合、組成物を塗布した後、有機溶媒の揮発除去を容易に行うことが出来るが、保管時または塗布時における組成物の粘度変動が大きく、塗布作業を安定に行うことが困難である。また、沸点100℃未満の有機溶媒を含有する場合、スクリーン印刷する際の印刷性に劣る。すなわち、スクリーン印刷した際に版の型離れ性が悪く、版と被印刷体が密着して離れない、もしくはゆっくりとはがれるため、スクリーン印刷した表面に凸凹が残るなどの問題が生じやすい。さらにまた、スクリーン印刷した際のレベリング性に劣り、スクリーン印刷した表面に気泡や凸凹が残留しやすい。一方、沸点220℃超の有機溶媒を含有する場合、保管時または塗布時における組成物の粘度変動は少なく、塗布時の作業性には優れるものの、塗布後、有機溶媒を揮発除去することが困難になる。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の使用にあたっては、有機溶媒を含有するので、組成物を塗布した後、加熱硬化する前に、有機溶媒を揮発除去する必要がある。詳しくは後述するが、有機溶媒を揮発除去する温度は100〜220℃であることが好ましい。そのため、有機溶媒の沸点は100〜220℃であることが好ましい。なお、有機溶媒としては、沸点130〜220℃の有機溶媒が特に好ましい。
有機溶媒を揮発除去する温度が100℃以上であれば、適正な速度で溶媒の揮発が進行するので、被封着部やオーバーコートが形成される部分から硬化性シリコーン樹脂組成物が流動したり、はみ出したりするおそれがない。また、有機溶媒を揮発除去する温度が220℃以下であれば、揮発除去に要する時間を短縮でき、さらに、下記の懸念される点を回避することができる。すなわち、本発明の硬化性組成物の硬化温度が通常130〜300℃であることから、有機溶媒を揮発除去する温度によっては、硬化性組成物の硬化も同時に進行することがある。しかし、有機溶媒を揮発除去する温度が220℃以下であれば、(a)硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化が一度に進行することによるクラック発生、(b)硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化が優先して進行することによる有機溶媒の残留、(c)封着部またはオーバーコート部の気泡が抜けてレベリングされる前に硬化性シリコーン樹脂組成物が硬化することによる気泡の残留、等の可能性を回避できる。
沸点100〜220℃の有機溶媒としては、具体的には、沸点100〜220℃の芳香族炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、多価アルコールおよびその誘導体等が挙げられる。
沸点100〜220℃の芳香族炭化水素としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジエチルベンゼン等が挙げられる。
沸点100〜220℃のアルコールとしては、イソブチルアルコール、エチルブタノール、エチルヘキサノール、オクタノール、グリシドール、シクロヘキサノール、ネオペンチルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ペンタノール、メチルシクロヘキサノール、メチルブタノール、メチルペンタノール等が挙げられる。
沸点100〜220℃のエーテルとしては、アニソール、エチルベンジルエーテル、ジオキサン、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、フェネトール等が挙げられる。
沸点100〜220℃のケトンとしては、エチルブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルヘプチルケトン等が挙げられる。
沸点100〜220℃のエステルとしては、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、ギ酸イソアミル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸 2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸n−ブチル、酢酸メチルシクロヘキシル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸メチル等が挙げられる。
沸点100〜220℃の多価アルコールとしてはグリコール類が好ましい。グリコール類のうちでも、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のオキシアルキレングリコール類が好ましい。
沸点100〜220℃の多価アルコールの誘導体としては、アルキレングリコールの誘導体およびオキシアルキレングリコールの誘導体が好ましく、中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールの誘導体が好ましい。
エチレングリコールの誘導体としては、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびエチレングリコールモノメトキシメチルエーテルが挙げられる。
ジエチレングリコールの誘導体としては、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
プロピレングリコールの誘導体としては、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ジプロピレングリコールの誘導体としては、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
沸点100〜220℃の有機溶媒としては、これらの中でも多価アルコールおよびその誘導体が、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および任意成分の1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の溶解性;耐火物フィラーの分散性;ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性および塗布後の乾燥性;から好ましい。中でもアルキレングリコールの誘導体およびオキシアルキレングリコールの誘導体が好ましく、特に、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテル好ましい。
これらの有機溶媒は、目的に応じて1種のみ使用してもよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、任意成分としてゲッター剤をさらに含有することができる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含有されるゲッター剤は、有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化する際に、副生物として発生する水を除去するものであり、吸湿剤または吸着剤として公知のものから広く選択できる。但し、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、有機溶媒を揮発除去した後、130〜300℃の温度で加熱硬化されるため、ゲッター剤として使用される吸湿剤または吸着剤は、耐熱性に優れ、かつ硬化性シリコーン樹脂組成物中に均一に分散可能な粉末状の無機系の吸湿剤または吸着剤が好ましい。
ゲッター剤の具体例としては、ハイドロタルサイト類化合物、ゼオライト類(モレキュラーシーブズ)、多孔質シリカ、活性アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、シリカゲル、アルミノシリカゲル等が挙げられる。
これらは目的に応じて1種のみ使用してもよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。ゲッター剤としては、ハイドロタルサイト類化合物、ゼオライト類、多孔質シリカ、活性アルミナ、酸化カルシウムが好ましく、ハイドロタルサイト類化合物、ゼオライト類、酸化カルシウムが特に好ましい。ハイドロタルサイト類化合物は、比較的安価であり、硬化性シリコーン樹脂組成物への分散性に優れており、さらに加熱硬化時に副生物として発生する水の除去特性に優れる。
加熱硬化時に副生物として発生する水の除去特性、および硬化性シリコーン樹脂組成物への分散性の点から、ゲッター剤の粒子径は0.05〜50μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜15μmであることがさらに好ましい。
また、ゲッター剤は、BET比表面積が10〜800m2/gであることが好ましい。比表面積が高すぎると、増粘性が高くなるので、硬化性シリコーン樹脂組成物への配合量が制限される。また、接着強度が低下する。一方、水の除去特性の点からは、ゲッター剤は、BET比表面積が10m2/g以上であることが好ましい。
ゲッター剤がハイドロタルサイト類化合物である場合、その粒子径は0.05〜20μmであることが好ましく、特に0.1〜10μmであることが好ましい。そのBET比表面積は10〜250m2/gであることが好ましく、特に12〜220m2/gであることが好ましい。
本発明で使用されるハイドロタルサイト類とは、下式(1)で表されるハイドロタルサイト、およびそれと同形の化合物群、ならびにそれらを加熱脱水処理することによって得られる脱水型化合物群を包含する。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O (1)
前記式(1)にて示されるように、ハイドロタルサイトは水酸化マグネシウムMg(OH)2において、2価のMgイオンの一部が3価のAlイオンにより置換されたものである。
前記ハイドロタルサイトおよびそれと同形の化合物群は、一般的には、下式(2)により表される。
[M2+ 1-X3+ X(OH)2][An- X/n・ZH2O] (2)
前記式(2)中、M2+は2価の金属イオンを表し、Mg2+、Mn2+、Co2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+等が挙げられる。M3+は3価の金属イオンを表し、Al3+、Cr3+、Mn3+、Fe3+、In3+、Co3+等が挙げられる。前記2価の金属および3価の金属は、いずれも1種類に限定されず、複数種類の混合物でもよい。Xは0.09≦X≦0.33の範囲の数である。An-は陰イオンを表し、CO3 2-、SO4 2-等の無機陰イオン、有機陰イオン、ヘテロポリアニオンなどが挙げられる。Zは0〜8程度の数であり、金属陽イオンの2価と3価の比率や乾燥状態で変わるものである。
また、上記の脱水型ハイドロタルサイト類化合物は、一般的には、下式(3)により表される。
2+ 1-X3+ X1+0.5X (3)
前記式(3)中、M2+は2価の金属イオンを表し、Mg2+、Mn2+、Co2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+等が挙げられる。M3+は3価の金属イオンを表し、Al3+、Cr3+、Mn3+、Fe3+、In3+、Co3+等が挙げられる。上記の2価の金属及び3価の金属は、いずれも1種類に限定されるものではなく、複数種類の混合物でもよい。Xは0.09≦X≦0.33の範囲の数である。
ハイドロタルサイト類化合物は、天然品または合成品のいずれであってもよく、市販品も使用可能である。市販品としては、協和化学工業株式会社製のキョーワード300、キョーワード1000、キョーワード2000、キョーワード2100、キョーワード2200、DHT−4A、DHT−4A−2、DHT−4C等が挙げられる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、ゲッター剤として含有させるハイドロタルサイト類化合物は、特に限定されず上述のいずれの種類を用いても構わない。但し、上記ハイドロタルサイト類化合物は、水分含有量の少ないものが好ましい。この点から、上記例示したものの中でも、脱結晶水グレードのDHT−4A−2およびDHT−4C、または脱結晶水グレードのものをさらに乾燥させたタイプのキョーワード2000、キョーワード2100およびキョーワード2200が好ましい。
また、上記ハイドロタルサイト類化合物は、アルカリ金属やアルカリ土類金属含有量の少ないものが好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有すると、硬化性シリコーン樹脂組成物の特性、特に硬化特性にばらつきを生じさせるおそれがあるので好ましくない。上記例示したものの中でも、DHT−4Cは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量が約20ppmである。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、ゲッター剤の配合量は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよびゲッター剤の総量に対して45質量%以下である。ただし、硬化性シリコーン樹脂組成物にゲッター剤が含まれると、有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化する際に、硬化が促進され作業性が低下する場合がある。このため、副生物として発生する水が封着部やオーバーコートの性能にほとんど影響を与えないのであれば、ゲッター剤は含まないほうが好ましい。
ゲッター剤を含む場合は、0.05〜45質量%が好ましく、0.1〜40質量%が特に好ましい。なお、硬化性シリコーン樹脂組成物が、さらに任意成分として後述する紫外線吸収剤や1〜2官能の直鎖ジオルガノメチルフェニルシリコーン樹脂を含有する場合であっても、ゲッター剤の配合量は硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよびゲッター剤の総量に対して0.05〜45質量%であることが好ましい。0.05質量%未満の場合には、有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化する際に、反応生成物として発生する水の除去特性を十分に発現することができない場合がある。45質量%を超える場合は、増粘性が高すぎて硬化性シリコーン樹脂組成物との分散性および親和性が悪化し、塗布性が低下する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、任意成分として紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の有機系の紫外線吸収剤等が挙げられる。ただし、硬化性シリコーン樹脂組成物は、有機溶媒を揮発除去した後、130〜300℃の温度で加熱硬化されるため、紫外線吸収剤は、耐熱性に優れ、かつ組成物中に均一に分散可能な粉末状の無機系の紫外線吸収剤であることが好ましい。このような無機系の紫外線吸収剤の具体例としては、スピネル型構造酸化物(XY24)[XY=Cu−Cr−Mn、Fe−Mn、Co−Fe−Cr、Co−Cr−Ni、Ni−Mn−Fe−Coなど]、酸化鉄(鉄黒)、カーボンブラック、チタンブラック、黒鉛などが挙げられる。これらは目的に応じて1種のみで使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これら粉末状の無機系の紫外線吸収剤は、平均粒径が0.01〜5μmであることが好ましく、特に0.01〜2μmであることが好ましい。
紫外線吸収剤は、安価であることから、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックが挙げられ、いずれの種類を用いても構わない。ただし、紫外線吸収特性と硬化性シリコーン樹脂組成物への分散性の点から、カーボンブラックの粒子径は15〜70[nm]であることが好ましく、15〜60[nm]であることがさらに好ましい。
また、本発明におけるカーボンブラックは、フタル酸ジブチル(DBP)吸収量(JIS K6217−4)が50〜300[cm3/100g]であることが好ましく、80〜250[cm3/100g]であることがさらに好ましい。DBP吸収量が高すぎると、増粘性が高くなるのでカーボンブラックの配合量が制限される。DBP含有量が低すぎると、硬化性シリコーン樹脂組成物中における分散性が悪化する。
また、カーボンブラックのDBP含有量を下げるためには、一般的にカリウム等のアルカリ金属がカーボンブラックに添加される。しかしながら、アルカリ金属の添加は、硬化性シリコーン樹脂組成物の特性、特に硬化特性にばらつきを生じさせるおそれがあるので好ましくない。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における紫外線吸収剤の配合量は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび紫外線吸収剤の総量に対して3質量%以下である。但し、硬化性シリコーン樹脂組成物に紫外線吸収剤が含まれると、有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化する際に、硬化が促進され作業性が低下する場合があるため、封着部やオーバーコートにおいて紫外線による影響がほとんどないのであれば、紫外線吸収剤は含まないほうが好ましい。
紫外線吸収剤を含む場合は、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましい。
紫外線吸収剤の量が0.2〜3質量%である場合、樹脂硬化物が耐真空紫外線性に優れており、真空紫外域の波長の紫外線にさらされても封着部またはオーバーコートの接着強度、気密性、および耐湿性などの特性が劣化することがない。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、任意成分として1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂(以下、「直鎖ジオルガノシリコーン樹脂」という。)をさらに含んでもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、樹脂硬化物の脆化抑制に効果がある。すなわち、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を気密容器の封着材または電子部品等のオーバーコート材として使用した場合に、有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物の加熱硬化時に該組成物の硬化収縮を抑制することによって、樹脂硬化物の脆化およびそれによって生じる封着部またはオーバーコートでのクラックの発生を抑制する。直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、樹脂硬化物の脆化を抑制する効果を有し、耐熱性に優れており、かつ硬化性シリコーン樹脂組成物中に均一に分散可能である。該樹脂は直鎖構造であることにより、硬化後の硬化物に柔軟性を付与でき、封着部またはオーバーコートに発生するクラックを防止できると考えられる。
直鎖ジオルガノシリコーン樹脂のシラノール基は、硬化性シリコーン樹脂組成物の他の成分、すなわち、耐火物フィラー表面、および任意成分であるゲッター剤表面、紫外線吸収剤表面と親和性があるため、これらの成分との混合を均一かつ自在に制御できる。
直鎖ジオルガノシリコーン樹脂としては、直鎖ジアルキルシリコーン樹脂、直鎖ジアリールシリコーン樹脂、直鎖アルキルアリールシリコーン樹脂等が挙げられ、直鎖アルキルアリールシリコーン樹脂が好ましい。直鎖アルキルアリールシリコーン樹脂としては、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂中への分散性に優れるため、直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂が好ましい。また、直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂は他の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂に比較して耐熱性等の物性も良好であり、その配合により樹脂硬化物の物性を低下させることが少ない。
直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂との反応性を有する官能基を1個または2個有する。この官能基はケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)やケイ素原子に結合したアルコキシ基、塩素原子などの加水分解性基(すなわち、加水分解してシラノール基となる基)が好ましい。これら官能基を有する直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂と共縮合反応して架橋部位を形成することができる。よって、封着部またはオーバーコートからの直鎖ジオルガノシリコーン樹脂のブリードアウトを防止でき、樹脂硬化物の脆化抑制効果が長期に渡って継続する。
上記官能基は直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の分子の両末端または片末端に存在することが好ましい。片末端に2個の官能基が存在していてもよいが、通常は末端あたり1個の官能基を有し、2個の官能基を有する直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は分子の両末端に1個ずつ官能基を有する。官能基を有しない末端はトリオルガノシリル基で封鎖されていることが好ましい。直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、2種以上の混合物であってもよく、1官能のものと2官能のものの混合物であってもよい。好ましい直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、両末端にそれぞれシラノール基を有する2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂である。
本発明における直鎖ジオルガノシリコーン樹脂としては両末端にシラノール基を有する直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂が最も好ましい。直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂は、前記2官能ケイ素モノマー(R2Si−X2)を、部分的に加水分解縮合することによって得られる(ただし、Rはメチル基またはフェニル基であり、2個のRは同一であっても異なっていてもよい)。例えば、2個のRがメチル基とフェニル基である2官能ケイ素モノマーの加水分解縮合、2個のRがメチル基である2官能ケイ素モノマーと2個のRがフェニル基である2官能ケイ素モノマーとの加水分解共縮合、などにより得られる。直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂におけるフェニル基モル数/メチル基モル数の値および樹脂中のRの全数に対するフェニル基の数の比は、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂のそれと同じ範囲にあることが、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂との分散性が高い、などの理由で好ましい。
直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、樹脂硬化物の脆化、すなわち、有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物の加熱硬化時における該組成物の硬化収縮を抑制するため、その分子量はできるだけ高いことが好ましい。直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の分子量が低い場合、硬化性シリコーン樹脂組成物中への均一分散性や被封着体との密着性は良いが(−OHが多いことによる)、樹脂硬化物の脆化およびそれによって生じる封着部またはオーバーコートでのクラックの発生を抑制する効果は低下する。一方、分子量が高くなりすぎた場合、有機溶媒を除いた硬化性シリコーン樹脂組成物の加熱硬化時に該組成物の硬化収縮が小さいため、樹脂硬化物の脆化およびそれによって生じる封着部またはオーバーコートでのクラックの発生を抑制する効果は発揮されるが、硬化性シリコーン樹脂組成物中への均一分散が困難になり、被封着体との接着強度も低くなる。樹脂硬化物の脆化およびそれによって生じる封着部またはオーバーコートでのクラックの発生を抑制する効果、および硬化性シリコーン樹脂組成物中への分散性や被封着体への密着性の点から、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は加熱処理により一定重合度範囲にしたものを使用することが好ましい。重合度の目安には、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の粘度を用いることができる。末端にシラノール基を有する直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂を例にとると、25℃における粘度(B型粘度計)は35〜800[cP]であることが好ましく、40〜750[cP]であることがより好ましく、45〜700[cP]であることがさらに好ましい。また、30℃における粘度(B型粘度計)は20〜750[cP]であることが好ましく、30〜750[cP]であることがより好ましく、30〜600[cP]であることがさらに好ましい。なお、この粘度は、B型粘度計を用いて後述する実施例に記載の条件に従って測定した粘度である。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の配合量は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂(好ましくは3官能以上)との相対量と組成物中の割合により調整される。直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の量は、まず硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂(好ましくは3官能以上)の量に対して等量以下(すなわち、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂と硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の合計に対して、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂が50質量%以下)である必要がある。直鎖ジオルガノシリコーン樹脂は、主に、樹脂硬化物の脆化を抑制する作用を有する配合剤として使用される。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の主たる硬化成分は硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂であり、従って、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の量が硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂よりも多くなると、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂によりもたらされる特性が低下するおそれが生じる。直鎖ジオルガノシリコーン樹脂と硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の合計に対する直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の量は0.5〜50質量%が適当であり、1〜40質量%が好ましく、特に3〜30質量%が好ましい。
上記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂との相対量の範囲内において、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の総量に対する直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の配合量は、0.1〜25質量%であり、1〜15質量%が好ましい。なお、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が任意成分としてゲッター剤や紫外線吸収剤を含有する場合であっても、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の配合量は硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の総量に対して0.1〜25質量%である。0.1質量%未満の場合には、樹脂硬化物の脆化抑制の効果が不充分となり、封着部またはオーバーコートでクラックが発生するおそれがあり、封着部またはオーバーコートの外観、気密性および接着強度が悪化する。一方、25質量%を超える場合、硬化に要する時間が長くなり、封着部またはオーバーコートの強度や耐熱性が低下する。また、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の配合量が25%超である硬化性シリコーン樹脂組成物を用いて封着された気密容器またはオーバーコートが形成された電子部品を長期間にわたって使用した場合、封着部やオーバーコートの分解が起きる懸念がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を含有する場合、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の総量に対する硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の配合量は10質量%以上である。硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の量がこれよりも少ないと、耐火物フィラーの分散性、親和性が悪くなり、結果として樹脂硬化物の接着強度の低下や気密性などの信頼性が低下する。より好ましい硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の量は上記3者の総量に対して15〜60質量%であり、さらに、20〜45質量%が好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物には、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、沸点100〜220℃の有機溶媒、ならびに上記した任意成分(ゲッター剤、紫外線吸収剤、直鎖ジオルガノシリコーン樹脂)以外の他の成分(以下、「他の成分」と略記する。)を含有させてもよい。他の成分としては、シリコーン樹脂硬化触媒や着色顔料等が挙げられる。
硬化性シリコーン組成物における他の成分の含有量は、本発明の硬化性シリコーン組成物の特性を阻害しない量であることが好ましい。たとえば、他の成分は、硬化性シリコーン樹脂組成物の構成成分のうち、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および任意成分である直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の総量に対して、以下の量で含有させることができる。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化促進のためのアミン系硬化剤などを5質量%以下、硬化性シリコーン樹脂組成物のポットライフ向上、組成物中の各構成成分の分散性の向上、ならびに気密容器の封着材として使用する場合には封着性向上などの目的で、松やに、ロジン、ロジン誘導体などの粘着性付与剤を5質量%以下、または着色顔料を5質量%以下配合できる。
着色顔料を配合する場合、粒子径は0.05〜50μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜15μmであることがさらに好ましい。着色顔料の粒子径が上記範囲であれば、硬化性シリコーン樹脂組成物への分散性が良好である。また、樹脂硬化物の劣化防止の点から、着色顔料はpHが6〜9のものを使用することが好ましく、より好ましくはpHが7〜8のものを使用する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、B型粘度計(ブルックフィールド社製 HB型粘度計、型式:HBT−DV−II、スピンドルSC414、チャンバー6R、回転数50RPM、測定温度25℃)にて測定したときの粘度が1〜150Pasであることが好ましく、2〜130Pasであることがさらに好ましい。粘度が150Pas超であると、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布することが困難になる。また、スクリーン印刷する際の印刷性に劣る、つまり版離れ性やレベリング性に劣るようになる。一方、粘度が1Pas未満であると、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に劣る。すなわち、液ダレを起こしやすい、印刷時に気泡を巻き込みやすい等の問題がある。また、印刷後、乾燥する前にパターンがダレやすくなるため、微細なパターンの印刷に不適当である。
さらに、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、前記B型粘度計を使用して求めたチクソ比(温度25℃における10RPMと50RPMの粘度の比、つまりチクソ比=10RPM/50RPM)が、0.5〜2.5であることが好ましく、0.7〜2.3であることが更に好ましい。チクソ比が0.5未満であると、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に劣る。すなわち、塗布時に組成物の液ダレを起こしやすい。一方、チクソ比が2.5超であると、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布することが困難になる。また、スクリーン印刷する際の印刷性に劣る。つまり、版離れ性が劣り、スクリーン印刷後に版と被塗布体が剥がれにくくなる。また、レベリング性が劣り、スクリーン印刷した表面に凸凹が生じ、表面を均一にすることができないおそれがある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、沸点100〜220℃の有機溶媒、ならびに、必要に応じて任意成分であるゲッター剤、紫外線吸収剤および直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を混合して均一な組成物とすることにより得られる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が、着色顔料のような上記した他の成分を含有する場合、これらの成分に加えて、該他の成分を混合して均一な組成物とする。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、通常溶剤に溶解した溶液(ワニス)で輸送、保管などの取り扱いがなされる。ワニスの溶媒と、本発明における沸点100〜220℃の有機溶媒とが異なる場合、以下に述べる方法1〜方法3により、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を製造することができる。
(方法1)ワニスから溶剤を揮発除去した後、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を所望の溶剤で溶解し、これに耐火性フィラー、および必要に応じて上記した任意成分を混合する方法。この場合、ワニスから溶剤を除去した後、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を溶解させる溶媒として沸点100〜220℃の有機溶媒を使用し、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび沸点100〜220℃の有機溶媒の合計に対する沸点100〜220℃の有機溶媒の含有量が5〜40質量%になるようにすることで本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が得られる。
(方法2)ワニスから溶剤を揮発除去した後、溶剤がない状態で硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂と、耐火物フィラー、および必要に応じて上記した任意成分を混合することにより固体状の組成物とする。その後、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび沸点100〜220℃の有機溶媒の合計に対する沸点100〜220℃の有機溶媒の含有量が5〜40質量%になるように、沸点100〜220℃の有機溶媒を混合する方法。
(方法3)ワニス、耐火物フィラー、および必要に応じて上記した任意成分を混合してペースト状の組成物とした後、ワニスに含まれていた溶剤を揮発除去して固体状の組成物とする。その後、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび沸点100〜220℃の有機溶媒の合計に対する沸点100〜220℃の有機溶媒の含有量が5〜40質量%になるように、沸点100〜220℃の有機溶媒を混合する方法。
方法1〜3において、ワニスに含まれている溶剤を揮発除去する温度は、使用する溶媒の種類にもよるが、70〜180℃であることが好ましく、70〜140℃であることがより好ましい。
方法3において、ワニスに含まれる溶媒の量は、ワニスに対して2〜50質量%であるのが好ましい。2質量%未満では硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の溶解作用が不充分で各構成成分を均質に混合することが困難となりやすい。50質量%を超えると各構成成分を混合した場合、溶剤が相分離を起こしやすく、また各構成成分を混合した後、溶剤を除去する場合に、多大なエネルギーを要する。
また、ワニスの溶媒と、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれる有機溶媒が同一であり、かつワニスの溶媒が沸点100〜220℃の溶媒である場合、以下の方法4により、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を製造することができる。
(方法4)ワニス、耐火物フィラー、および必要に応じて上記した任意成分を混合する方法。この場合、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラーおよび沸点100〜220℃の有機溶媒(すなわちワニスの溶媒)の合計に対する沸点100〜220℃の有機溶媒の含有量が5〜40質量%になるようにすることで、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が得られる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂は、部分的に縮合させたメチルフェニルシリコーン樹脂(単に、部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂ともいう)として存在させてもよい。部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂は、原料の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の脱水縮合反応がある程度進行しているので、原料の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂に比較して、被封着物を封着する時、または、オーバーコートを形成する時に、副生物として発生する水が少なく、したがって部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂を含む硬化性シリコーン樹脂組成物は、原料の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂に比較して気泡発生のおそれがより少なくなり、封着部またはオーバーコートの外観、気密信頼性および接着強度信頼性を向上させることができる。
また、部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂は、原料の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂に比較して硬化時の収縮が少ないため、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の原料として適した性質を有する。たとえば、有機溶剤が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物の加熱硬化時、該組成物の硬化収縮が少ないため、樹脂硬化物の脆化およびそれによって生じる封着部またはオーバーコートでのクラックの発生が抑制される。
なお、部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂は、その原料である硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化が部分的に進んだ状態にある硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂である。本発明における硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂とは、部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂の原料である硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を意味するとともに、この部分縮合メチルフェニルシリコーン樹脂をも意味する。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な縮合は、通常、原料の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の加熱による縮合反応が完全に終了しない程度で停止することにより行われる。たとえば、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を最終的に硬化させる際の、通常の加熱硬化の温度よりも低温で加熱する、通常の加熱硬化に必要な時間よりも短時間加熱する、などの方法で原料の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を部分的に縮合して得られる。硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な縮合を行うには、たとえば120〜180℃の温度で縮合を行い、架橋反応が進行しない、つまりゲル化がおこらないところで反応を停止する。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な縮合は、耐火物フィラー、沸点100〜220℃の有機溶媒、ならびに、任意成分であるゲッター剤、紫外線吸収剤および直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を混合する前の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂のみの段階で実施してもよく、または、耐火物フィラー、沸点100〜220℃の有機溶媒、ならびに、任意成分であるゲッター剤、紫外線吸収剤および直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を混合した後の組成物の段階で実施してもよく、あるいはその組成物製造の過程で実施してもよい。
また、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な縮合は、ワニスの状態、すなわち、溶剤が存在する状態で実施してもよく、溶剤を揮発除去した後で実施してもよい。通常は、ワニスから溶剤を揮発除去した後、引き続きその状態でさらに温度を上昇させて硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な縮合を行うことが好ましい。硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な縮合は、架橋反応が進行する前に反応を停止させるため、硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を含有する組成物の粘度や溶媒への溶解性を目安にしながら120〜180℃の温度で実施する。なお、硬化反応が比較的遅く、粘度を目安とした反応の停止が容易であることから、部分的な縮合は120〜140℃の温度で実施することが好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を気密容器の封着材または電子部品のオーバーコート材として使用する場合、被封着部位またはオーバーコートを形成する部位にペースト状またはスラリー状の組成物として塗布して、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成した後、硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を揮発除去し、次いで、有機溶媒が除去された硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる。
ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する手順は、刷毛、スプレー、バーコーター、ディスペンサーなどで実施してもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の粘度変動が少なく、液ダレを起こし難い。そのため、刷毛、スプレー、バーコーター、ディスペンサーなどを用いて塗布する際の塗布性に優れており、例えば、ディスペンサーで塗布する際に塗布開始終了時の液切れが良好である。
但し、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する手順は、スクリーン印刷により実施することが好ましい。スクリーン印刷は、刷毛、スプレー、バーコーター、ディスペンサーに比べて、組成物を塗布する際の作業効率に優れている。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、ペースト状またはスラリー状の組成物として塗布する際の塗布性に優れていることに加えて、スクリーン印刷する際の版離れ性やレベリング性といった印刷性に優れており、気泡の巻き込みや版の目詰まりを抑制できる。
硬化性シリコーン樹脂組成物から有機溶媒を揮発除去した後、該硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化することによって、該組成物中に含まれる硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を加熱硬化させる。硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化反応は、脱水縮合として進行し、通常は加熱のみで進行する。硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化反応では、該樹脂のシラノール基同士の脱水縮合反応、該樹脂のシラノール基と耐火物フィラー表面のシラノール基の脱水縮合反応、該樹脂のシラノール基と任意成分である直鎖ジオルガノシリコーン樹脂のシラノール基との脱水縮合反応等により不溶不融の硬化物が形成される。たとえば、被封着部位またはオーバーコートを形成する部位に形成された硬化性シリコーン樹脂組成物の層は、140℃以上、好ましくは180〜300℃の温度で1〜120分間加熱するのみで硬化し、不溶化して、封着材またはオーバーコートとなる。
硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれる沸点100〜220℃の有機溶媒は、通常、加熱硬化の初期に揮発除去(乾燥)される。ただし、安定した加熱硬化を行うためには、加熱硬化を行う前に有機溶媒を揮発除去することが好ましい。すなわち、硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる際の温度よりも低い温度に加熱することによって、該組成物から有機溶媒を揮発除去することが好ましい。有機溶媒を揮発除去するための加熱は、溶媒の種類にもよるが、たとえば100〜220℃の温度で1〜60分間実施する。
硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化温度を下げるためには硬化触媒を用いてもよい。触媒として亜鉛、コバルト、錫、鉄、ジルコニウムなどの有機金属塩や、第4級アンモニウム塩、アルミニウム、チタンなどのキレート類、各種のアミン類もしくはその塩類などが例示される。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、気密容器の封着材や電子部品のオーバーコート材として好ましく使用できる。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、気密容器を形成しない耐熱性シール剤としても使用することができる。このような用途として、たとえばアルミニウムなどの放熱基板と銅などの電極を貼り合わせて大電流用回路基板を作製する際に、耐熱性、耐電圧性および熱伝導性に優れた耐熱性シール剤として使用することができる。
以下、本発明の気密容器の製造方法について説明する。本発明の製造方法によって得られる気密容器は、その形状および構成は特に限定されず、ガラス製、セラミックス製、金属製の基体で構成され、該基体間の接合面を気密封着させて作製される気密容器として公知のものを広く含む。気密容器を有する製品としては、たとえばPDP、CRT、VFD、FED、SED、有機ELなどのディスプレイ製品や、液晶バックライトや照明に用いられる平面蛍光板などの光発光デバイス製品や、圧電振動子、LD、LED、複層ガラス、MEMS、光電子増倍管などが例示される。
気密容器を構成する基体がガラス製の場合、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、無アルカリガラス、パイレックス(登録商標)やテンパックス(登録商標)ガラス等のガラスを使用できる。気密容器を構成する基体がセラミックス製の場合、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体等のセラミックスを使用できる。
気密容器を構成する基体が金属製の場合、鉄−ニッケル−コバルト合金(コバール)、鉄−ニッケル合金、ステンレス鋼、銅、銀、アルミ等の金属材料を使用できる。また、金属とセラミックスとからなる複合体、例えばAl-SiC複合物にも使用可能である。
本発明の気密容器の製造方法では、スクリーン印刷を用いて、被封着部に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する。より具体的には、スクリーン印刷を用いて本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を被封着部に塗布して、該被封着部に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する。
本発明の気密容器の製造方法は、スクリーン印刷を用いて硬化性シリコーン樹脂組成物を塗布するため、組成物を塗布する際の作業効率に優れている。
スクリーン印刷を用いて、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する際、該組成物層の厚さは、メッシュ番丁、スキージ圧、乳剤厚、印刷回数等によって調節することができる。
被封着部に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成した後、該硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を揮発除去する。例えば、被封着部に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成した後、100〜220℃で1〜60分間加熱することにより、該層から有機溶媒を揮発除去することができる。
有機溶媒を除去した後の硬化性シリコーン樹脂組成物の層の厚さは、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは3〜400μmである。
上記手順で有機溶媒が除去された硬化性シリコーン樹脂組成物を所定の温度条件で加熱硬化させる。例えば、100〜220℃で1〜60分間加熱して有機溶媒を揮発除去した後、170〜220℃で数分間乾燥させ、硬化性シリコーン樹脂組成物を軟化させてから、170〜220℃に加熱した状態で、基体同士を接合させる。続いて、所定の温度条件、たとえば140℃以上、好ましくは180〜300℃の温度で1〜120分間加熱して、硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる。これにより、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物によって封着され、該封着部が気密に封止された気密容器が製造される。
なお、硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる際、必要に応じて気密容器を構成する基体同士を加圧する。
従来の低融点ガラスフリットを用いた封着では、ガラスフリットの軟化温度以上の温度である400〜550℃まで加熱する必要があったのに対して、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を用いることにより、封着温度が大幅に低温化されている。したがって、気密容器を封止する際に、該気密容器内の構成要素、例えば、ディスプレイ、平面蛍光板、またはLED等に使用される蛍光体、有機EL素子、FEDやSEDに使用される電界放出素子等が、封着時に熱劣化を受けるおそれが低減されている。
気密容器が複層ガラスである場合、強度を高めるために強化ガラスが用いられることがある。強化ガラスは、加熱処理等により、ガラス表面付近に残留応力層を形成させたものである。従来の低融点ガラスフリットを用いた封着では、強化ガラスが高温にさらされることにより、強化ガラスに加えられた残留応力が低下または喪失するおそれがあった。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を用いた場合、封着温度が大幅に低温化されているので、複層ガラスに強化ガラスを使用した場合であっても、強化ガラスの強度が損なわれるおそれが低減されている。
特定の用途、例えば、CRT、VFD、FED、SED、有機ELなどのディスプレイ製品や、液晶バックライトや照明に用いられる平面蛍光板、または圧電振動素子において使用される気密容器の場合、気密容器の内部を真空状態または所定の真空度の減圧状態にすることが必要となる。したがって、このような用途の気密容器を製造するには、上記手順に加えて、気密容器の内部を真空排気する手順が必要となる。
この手順では、気密容器に真空排気するための孔を設けておき、この孔に真空ポンプを接続して気密容器の内部を真空排気すればよい。そして、気密容器内部が所望の真空度(例えば、1.3×10-2Pa程度)となった時点で封着材を用いて孔を気密に封止すればよい。
ここで使用する封着材は特に限定されず、気密容器を構成する基体の材料に応じて適宜選択することができる。Au/Su、銀ロウ、Au/Geのような鉛を含まない金属材料を用いて溶融封止してもよいし、従来の鉛系ガラスフリットでもよい。但し、封止を低温で行うことができ、また鉛を含まず対環境性に優れていることから、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を使用することが好ましい。
また、気密容器を真空排気するための別の手段として、気密容器の壁面を貫通するように排気管を設けておき、この排気管に真空ポンプを接続して気密容器の内部を真空排気することも可能である。この場合、気密容器内部が所望の真空度(例えば、1.3×10-2Pa程度)となった時点で排気管を加熱溶解させて、排気管の開口部分を気密に封止すればよい。または、気密容器内部が所望の真空度となった時点で、排気管を切断して、排気管の開口部を封着材を用いて気密に封止したのでもよい。
次に、本発明の電子部品の製造方法について説明する。本発明の製造方法により得られる電子部品は、埃や水から保護するためにオーバーコートが必要な公知の電子部品を広く含む。具体的には、例えば、抵抗、誘電体、導体電極、圧電体等が挙げられる。これらの電子部品は、オーバーコートを備えることで、埃や水から適切に保護される。
本発明の電子部品の製造方法では、スクリーン印刷を用いてオーバーコートを形成する部位に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する。より具体的には、スクリーン印刷を用いて本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物をオーバーコートを形成する部位に塗布し、該部位に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する。この際、電子部品は、ガラスまたはセラミック基板上に取り付けられた状態であってもよく、または基板に取り付ける前の電子部品単体の状態であってもよい。
本発明の電子部品の製造方法は、スクリーン印刷を用いて硬化性シリコーン樹脂組成物を塗布するため、組成物を塗布する際の作業効率に優れている。
スクリーン印刷を用いて本発明の硬化性シリコーン樹脂の層を形成する際、組成物層の厚さは、メッシュ番丁、スキージ圧、乳剤厚、印刷回数等によって調節することができる。
オーバーコート形成する部位に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成した後、該硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を揮発除去する。例えば、被封着部に本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成した後、100〜220℃で1〜60分間加熱することにより、該層から有機溶媒を揮発除去することができる。
有機溶媒を揮発除去した後の硬化性シリコーン樹脂組成物の層の厚さは、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは3〜400μmである。
上記手順で有機溶媒が揮発除去された硬化性シリコーン樹脂組成物は所定の温度条件で加熱硬化させる。例えば、100〜220℃で1〜60分間加熱して有機溶媒を揮発除去した後、所定の温度条件、たとえば140℃以上、好ましくは180〜300℃の温度で1〜120分間加熱して、硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる。これにより、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなるオーバーコート層を有する電子部品が製造される。
(例1〜12)
表1〜2に示す特性[フェニル基のモル数/メチル基のモル数]を有する硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂を含むワニスを、撹拌しながら、減圧下120℃で1時間加熱することにより、ワニスの溶媒を揮発除去し、樹脂を部分的に縮合させた。
次に、得られた部分縮合硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂と、表1〜2に示す有機溶媒とを各表に記載の比率に従って混合し、つぎに表1〜2に記した配合量で耐火物フィラー、ゲッター剤、両末端にシラノール基を有する2官能の直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂を添加して混練し、ペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。
耐火物フィラーとしては、粒子径1μmの球状シリカを使用した。直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂としては、市販の2官能の直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂から低沸点化合物を除去し、重合度を高めるため、減圧下180℃で5時間加熱し攪拌することにより得たものを使用した。ゲッター剤としては、粒子径0.5μm(カタログ値)、BET比表面積150m2/g(カタログ値)のハイドロタルサイト(商品名キョーワード2200、協和化学工業株式会社製)を使用した。
なお、フェニル基のモル比は、H−NMRおよびFT−IRによって測定した。直鎖メチルフェニルシリコーン樹脂の粘度は、B型粘度計(ブルックフィールド社製、商品番号:LVDV−II)を用いて測定した。スピンドルはSC4−31を用い、回転数を100rpm、測定温度を30℃とした。
得られたペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物について以下に示す評価を実施した。結果を表1〜2に示す。なお、以下に示す評価では、各々同一組成物を用いてサンプルを複数個(2〜10個)作成した。表に示す評価結果が範囲で示されている場合、これら複数のサンプル間での測定結果のバラツキを示している。
粘度、チクソ比
得られたペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度を、B型粘度計を用いて測定し、50RPMの粘度と10RPMの粘度からチクソ比を求めた。
粘度測定:B型粘度計(ブルックフィールド社製HB型粘度計、型式:HBT−DV−II)を用い、スピンドルSC4 14、チャンバー6R、測定温度25℃、回転数50RPMと10RPM、サンプルは2.7〜3.0[g]にて測定。
チクソ比:上記方法にて測定した、50RPMの粘度と10RPMの粘度の比からチクソ比を求めた。チクソ比=10RPMでの粘度/50RPMでの粘度
印刷性(塗布性)
得られたペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物を、スクリーン印刷機を用いてガラス(ソーダライムガラス)製の基板上に塗布した際の印刷性(塗布性)を以下の評価基準に基づき評価した。なお、スクリーン印刷は以下の条件で実施した。
スクリーン板:メッシュ番丁#250
バイアス角度:25°
乳剤厚:10〜20μm
印刷回数:1回
組成物層厚:23〜25μm
版離れ性
○:印刷後の版と被印刷体の離れが良い。
×:版と被印刷体の離れが悪い。
レベリング性
○:スクリーン印刷によって形成された硬化性シリコーン樹脂組成物の層表面に凸凹がない。
×:スクリーン印刷によって形成された硬化性シリコーン樹脂組成物の層表面に凸凹が残存する。
気泡
○:スクリーン印刷によって形成された硬化性シリコーン樹脂組成物の層に気泡が巻き込まれない。
×:スクリーン印刷によって形成された硬化性シリコーン樹脂組成物の層に気泡が巻き込まれる。
クラックの有無
得られたペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物をスクリーン印刷した後、120〜250℃で30分間〜1時間加熱して有機溶媒を揮発乾燥した。その後、250℃または300℃で1時間加熱して、硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させた。得られた樹脂硬化物を目視又は光学顕微鏡によって観察し、クラックや剥離の有無を確認した。樹脂硬化物にクラックや剥離が認められなかった場合を○とし、クラックや剥離が認められた場合を×とした。
熱分解性評価
得られたペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物をアルミニウムカップに厚さ100〜200μmになるように塗布し、120℃で60分間加熱して有機溶媒を揮発除去した後、250℃で1時間または300℃で1時間加熱して試験サンプルを得た。該サンプルを300℃まで加熱した際の質量減少を熱天秤(TGA、TAインスツルメンツ社製)を用いて測定した。測定は、乾燥空気中で実施し、昇温速度10℃/minであった。熱分解性評価の評価基準は以下の通りである。
○ :300℃まで加熱した際の質量減少が1%以下。
× :300℃まで加熱した際の質量減少が1%超。
気密性評価
気密性評価は、以下の手順で実施した。
図1は、気密性評価に使用した試験サンプルの構成部品を示した図である。(a)は平板状の基体100であり(70×70×3mm)であり、中央に直径6mmの孔101を有する。(b)は平板状の基体200(80×80×3mm)である。試験サンプルの材料としては、ガラス材料(ソーダライムガラス)を使用した。図2は、組み立てられた状態の試験サンプルの側部断面図である。
テスト用ガラス基板の表面洗浄は、接着表面をアセトンもしくはアルコールで拭いたあと、UV洗浄機で3分間UV照射を行い、200℃で30〜60分間加熱処理することにより行った。
図1に示す基体100の周縁部に沿ってペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物1を、ディスペンサーを用いて塗布した。スペーサ用に約φ100μmのガラスビーズを塗布後の硬化性シリコーン樹脂組成物上に均一になるように散布した後、120℃で60分間加熱して有機溶媒を揮発除去し、さらに200℃で5〜20分乾燥させた。
次に、200℃に加熱した状態で、図2に示すように、基体200上に基体100を載置し、基体100を上方から加圧しながら、250℃または300℃で1時間加熱硬化して、気密性評価用の試験サンプルを作製した。その後、リークの有無を測定した。
なお、有機溶媒を揮発除去した後の硬化性シリコーン樹脂組成物1の厚さは約100μmである。
リークの有無の測定は、ULVACヘリウムリークディテクターHELIOTを用いたフード法により行った。最初に孔101に真空ポンプを接続して、バックグラウンド値が1〜9×10-11Pa・m3/sになるまで試験サンプル内を排気した後、テストピースの外周部にヘリウムガスを吹きかけてヘリウムガスのリーク速度を測定し、ヘリウムガスのリーク速度の最大値を記録してリークの有無を確認した。表において、リークが認められなかった場合を○とし、リークが認められた場合を×とした。
接着性評価
図3は、接着性評価に使用した試験サンプルを示した概念図である。図3に示すように、板状の試験サンプル300、301の端部(10mm×3mm)を、ペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物1を用いて張り合わせて、接着性評価用の試験サンプルを作成した。試験サンプルの材料には、塗布性評価、気密性評価、真空封着性評価と同じくガラス材料(ソーダライムガラス)を使用した。なお、試験サンプル300、301のサイズは10mm×100×6mmであった。
また、ペースト状の硬化性シリコーン樹脂組成物の塗布、乾燥および加熱硬化は、上記と同様の手順で実施した。接着性評価では、テンシロン(オリエンテック社製)を用いて、JIS K6850と同様の手順で引っ張り試験を行い封着部の接着強度を測定した。引っ張り速度は5mm/minで行った。
(例13〜17)耐火物フィラーとして、粒子径0.3μmの球状シリカを表3に示す量で配合したこと以外は例1と同様に実施した。結果を表3に示した。
(例18、19)紫外線吸収剤として粒子径48nm、DBP吸収量140cm3/100gのカーボンブラックをそれぞれ表4に示す量で配合したこと以外は例1と同様に
実施した。結果を表4に示した。
(例20〜25)顔料を表5に示す量で配合したこと以外は例1と同様に実施した。結果を表5に示した。
(例26〜31)有機溶媒として表6に示す混合溶媒を使用し、顔料を表6に示す量で配合したこと以外は例1と同様に実施した。結果を表6に示した。
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ガラス、セラミックまたは金属製の部材の接合面同士を気密に封着してなる気密容器を用いて作成される製品、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出ディスプレイ(SED)、有機エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイなどのディスプレイや、液晶ディスプレイのバックライトまたは照明として用いられる平面蛍光板(FFL)、圧電振動子、レーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、複層ガラス、マイクロマシン(MEMS)、光電子倍増管などの気密封着部材としての使用。
また、ガラスやセラミック、シリコン基板上に形成された抵抗、導体、誘電体電極等の電子部品を水や埃から保護する、オーバーコート材としての使用。
図1(a)、(b)は、リーク性評価に使用した試験サンプルの部品を示す図である。 図2は、組み立てられた状態のリーク性評価に使用した試験サンプルの部分断面図である。 図3は、接着性評価に使用した試験サンプルの概念図である。
符号の説明
1 :封着材組成物
100、200:基体
101 :孔
300、301:試験サンプル

Claims (8)

  1. 硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の有機溶媒を含有し、
    硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
    硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、耐火物フィラー、および沸点100〜220℃の有機溶媒の合計に対する沸点100〜220℃の有機溶媒の量が5〜40質量%であることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂が、3官能以上の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂である請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記沸点100〜220℃の有機溶媒が、多価アルコールの誘導体である請求項1または2に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. さらに、ゲッター剤を、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、前記耐火物フィラーおよびゲッター剤の総量に対して45質量%以下含む請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  5. さらに、紫外線吸収剤を、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、前記耐火物フィラーおよび紫外線吸収剤の総量に対して3質量%以下含む請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  6. さらに、1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂を含み、前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂、前記耐火物フィラー、および前記1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の総量に対する質量%で、
    前記硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の量が10質量%以上であり、
    前記耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
    前記1〜2官能の直鎖ジオルガノシリコーン樹脂の量が0.1〜25質量%(ただし、前記3官能以上の硬化性メチルフェニルシリコーン樹脂の量に対して等量以下)である請求項2〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  7. スクリーン印刷を用いて被封着部に請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する工程、
    前記硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を除去する工程、および
    有機溶媒が除去された前記硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる工程を含む、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物で封着された気密容器の製造方法。
  8. スクリーン印刷を用いてオーバーコートを形成する部位に請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成する工程、
    前記硬化性シリコーン樹脂組成物の層から有機溶媒を除去する工程、および
    有機溶媒が除去された前記硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱硬化させる工程を含む、オーバーコート層を有する電子部品を製造する方法。
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