JP5162419B2 - 排気マニホールドの製造方法 - Google Patents
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Description
排気マニホールドは、鋳造製、プレス・溶接製のものが知られている。
図8は従来の排気マニホールドの基本構成を説明する図であり、(a)に示すように、排気マニホールド100は、ヘッドフランジ101と、このヘッドフランジ101に基部が差込まれ途中に曲がり部102を有し各気筒から排ガスを導出する複数本の排気管103〜106と、これらの排気管103〜106の先端に設けられ排ガスを集合させる集合部107とからなる。
これらの直管部108〜115は、曲げ加工の際に機械のアームで保持するために、必須である(特許文献1、段落番号[0015]第8行)。
図9は管の曲げ加工を説明する図であり、管の曲げ加工にはパイプベンダーが好適である。パイプベンダー120は、(a)のb矢視図である(b)に示すように、素管125の外径に対応した半円柱溝が付いている溝付きロール121と、この溝付きロール121に一体的に取付けられているクランプ下半体122と、このクランプ下半体122に取外し可能に取付けられるクランプ上半体123とを主要素とする。そして、クランプ下半体122にクランプ上半体123を重ね合わせることで円柱溝124が形成できる。
結果、素管125は溝付きロール121に沿って曲げられる。
(a)に示すように、曲がり管130の先端には、クランプのための直線部131が残っている。切断線132で切断することで、直線部131の大部分を除去する。すなわち、直線部131の大部分はスクラップとなる。
次に(b)に示すように、ヘッドフランジ133に曲がり管130の先端を挿入し、溶接ビード134でヘッドフランジ133に曲がり管130を固定する。
図11は従来の排気マニホールドの平面図であり、この排気マニホールド140は、ヘッドフランジ141と、第1排気管142〜第4排気管145と、集合管146とからなる。
第3排気管144はヘッドフランジ141から直角に延びた後に、緩く左へ曲がった第1曲がり部147を有している。
図13は図12の13−13矢視図であり、第3排気管144だけが示される。そして、第3排気管144は、第2曲がり部148で水平から下向きに曲げられている。
すなわち、第3排気管144は、少なくとも第1曲がり部147と第2曲がり部148との2箇所で曲げられている。そのため、パイプベンダーによる曲げ加工の工数が嵩む。
そこで、材料の歩留まりを高めることができると共に曲げ加工の工数を低減することができれば、より好ましい。
前記曲がり部とは、中心軸が曲線を描く曲がり管状の部位をいい、
前記排気管は、前記基部とこの基部に最も近い曲がり部との間が直管部とされ、この直管部の中心線が、前記管差込み穴の中心線に対して傾斜しており、
前記基部は、楕円化される又は前記直管部より外周の周長が大きくなるように拡管されていると共に、楕円化された楕円管部中心線又は拡管された拡管部の中心線が、前記管差込み穴の中心線に合致するように、折り曲げられている排気マニホールドの製造方法であって、
パイプベンダーで素管を曲げ、前記直管部と前記曲がり部とからなる曲がり管を造る素管の曲げ工程と、
前記基部を形成するための楕円化凹部又は拡管凹部を有する下ダイ及び上ダイを準備し、前記楕円化凹部又は前記拡管凹部に前記直管部の先端を臨ませるようにして、前記下ダイと前記上ダイで前記曲がり管を挟み、前記直管部の先端にパンチを挿入することで前記直管部の先端を楕円化又は拡管することで前記基部を造形する拡管工程と、
前記ヘッドフランジの前記管差込み穴へ前記基部を挿入し、溶接することで前記ヘッドフランジに前記曲がり管を接合する溶接工程とからなり、
前記拡管工程に用いられる前記下ダイ及び上ダイは、共に、半円柱溝と、この半円柱溝に連続して設けられた前記楕円化凹部又は拡管凹部とを有し、
前記パンチの中心軸に対して、前記楕円化凹部又は拡管凹部の中心軸が合致していると共に、前記半円柱溝の中心軸が所定の角度だけ傾斜していることを特徴とする。
加えて、排気管に十分な長さの直管部を有し、この直管部がパイプベンダーのクランプ代となる。すなわち、スクラップ化する直管部を設ける必要がないので、材料の歩留まりを向上させることができる。
図1は本発明に係る素管の曲げ工程を説明する図であり、(a)に示すような素管11を準備する。この素管11に、図9で説明したパイプベンダー120を用いて曲げ加工を施す。得られた曲がり管12は、(b)に示すように、直管部14と曲がり部13と直管部15とからなる。一方の直管部14を、下ダイ16及び上ダイ17で挟む。
パンチ21の中心軸21Lと、拡管凹部23の中心軸23Lとは合致しているが、半円柱溝22の中心軸22Lは、拡管凹部23の中心軸23Lに対してθだけ傾斜していることに特徴がある。上ダイも同様である。
パンチ21により、直管部14の先端は、(b)に示すように楕円化される、又は広げられる。
図7は図6の7−7矢視図であり、第3排気管35は曲がり部13で水平から下向きに曲げられている。
図5に示すように、複数個の管差込み穴27が設けられ多気筒エンジンのシリンダヘッド31に取付けられるヘッドフランジ26と、管差込み穴27に基部(拡管部25)が差込まれ途中に曲がり部13を有し気筒から排ガスを導出する複数本の排気管33〜36とからなる排気マニホールド30において、排気管35は、基部(拡管部25)とこの基部(拡管部25)に最も近い曲がり部13との間が直管部14とされ、この直管部14の中心線14Lが、管差込み穴27の中心線27Lに対してθだけ傾斜しており、基部(拡管部25)は、楕円化される又は直管部14より外周の周長が大きくなるように拡管されていると共に、楕円化された楕円管部中心線又は拡管された基部(拡管部25)の中心線25Lが管差込み穴27の中心線27Lに合致するように、点Pで折り曲げられていることを特徴とする。
Claims (1)
- 複数個の管差込み穴(27)が設けられ多気筒エンジンのシリンダヘッド(31)に取付けられるヘッドフランジ(26)と、前記管差込み穴(27)に基部(25)が差込まれ途中に曲がり部(13)を有し各気筒から排ガスを導出する複数本の排気管(33〜36)とからなり、
前記曲がり部(13)とは、中心軸が曲線を描く曲がり管状の部位をいい、
前記排気管(33〜36)は、前記基部(25)とこの基部(25)に最も近い曲がり部(13)との間が直管部(14)とされ、この直管部(14)の中心線(14L)が、前記管差込み穴(27)の中心線(27L)に対して傾斜しており、
前記基部(25)は、楕円化される又は前記直管部(14)より外周の周長が大きくなるように拡管されていると共に、楕円化された楕円管部中心線又は拡管された拡管部の中心線が、前記管差込み穴(27)の中心線(27L)に合致するように、折り曲げられている排気マニホールド(30)の製造方法であって、
パイプベンダー(120)で素管(11)を曲げ、前記直管部(14)と前記曲がり部(13)とからなる曲がり管(12)を造る素管の曲げ工程と、
前記基部(25)を形成するための楕円化凹部又は拡管凹部(23)を有する下ダイ(16)及び上ダイ(17)を準備し、前記楕円化凹部又は前記拡管凹部(23)に前記直管部(14)の先端を臨ませるようにして、前記下ダイ(16)と前記上ダイ(17)で前記曲がり管(12)を挟み、前記直管部(14)の先端にパンチ(21)を挿入することで前記直管部(14)の先端を楕円化又は拡管することで前記基部(25)を造形する拡管工程と、
前記ヘッドフランジ(26)の前記管差込み穴(27)へ前記基部(25)を挿入し、溶接することで前記ヘッドフランジ(26)に前記曲がり管(12)を接合する溶接工程とからなり、
前記拡管工程に用いられる前記下ダイ(16)及び上ダイ(17)は、共に、半円柱溝(22)と、この半円柱溝(22)に連続して設けられた前記楕円化凹部又は拡管凹部(23)とを有し、
前記パンチ(21)の中心軸(21L)に対して、前記楕円化凹部又は拡管凹部(23)の中心軸(23L)が合致していると共に、前記半円柱溝(22)の中心軸(22L)が所定の角度だけ傾斜していることを特徴とする排気マニホールドの製造方法。
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