JP5161737B2 - 煙感知器 - Google Patents

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Description

本発明は、火災時に発生する煙を感知し発報する煙感知器に関するものである。
従来から、この種の煙感知器Aとして、図12に示すようにハウジング20内に検知空間を有し、この検知空間に向けて間欠的に光を出力するLED(発光部)7と、LED7からの直接光が入射しない位置に配置され受光した光を電流に変換するフォトダイオード(受光部)PDとを備えたものが知られている(たとえば特許文献1参照)。この煙感知器Aでは、検知空間内に煙が流入すると、LED7からの光が検知空間内の煙で拡散反射されることによりフォトダイオードPDでのLED7からの光の受光量が増加し、フォトダイオードPDから出力される電流量が増加する。
LED7およびフォトダイオードPDは、LED7の前方に配置された投光レンズ21およびフォトダイオードPDの前方に配置された受光レンズ22と共に光学ブロック23を構成する。ハウジング20は、下面に開口部が形成され当該開口部に向けてLED7からの光が出射されるように光学ブロック23を収納したボディ24と、上面開口の有底円筒状であってボディ24の開口部を覆うようにボディ24に結合されるカバー25とを備えている。カバー25の周壁には煙を取り込むための開口窓が形成されており、カバー25内に前記検知空間が形成される。ここでカバー25内には、検知空間への虫の侵入を防止する防虫網26、および検知空間への外乱光の入射を防止するラビリンス27が検知空間を包囲するように配置される。ラビリンス27は、蛍光灯や白熱灯などからの様々な外乱光の入射を防止するために入り組んだ光路を持つ複雑な構造を採用している。
この種の煙感知器Aにおいては、図13に示すように、ハウジング20内に収納された検知回路1に、フォトダイオードPDからの入力電流を電圧に変換して出力する電流電圧変換回路(IV変換回路)4が設けられている。さらに、電流電圧変換回路4の出力電圧を増幅回路6’とフィルタ回路5’とを通して出力信号とし、当該出力信号を発報判定回路10’に入力して、当該出力信号の瞬時値が所定の火災判定レベルに達すると発報回路(ブザー等)28で発報するように構成されている。なお、検知回路1には、LED7を周期的にパルス発光させるLED駆動回路29と各回路に電源供給する電源回路30と、他の発報手段等を連動させる連動回路31とが設けられている。
しかして、図14(a)に示すように煙感知器Aを間欠駆動させ、図14(b)のようにLED7からパルス状の光が出力される場合において、検知空間に煙が流入してフォトダイオードPDがLED7からの光を受光すると、図14(c)に実線で示すように出力信号Voutの瞬時値が、基準となる動作点から大きく変動し図中の火災判定レベルに達することとなる。一方、検知空間に煙がなければ、図14(c)に破線で示すように出力信号Voutの瞬時値が火災判定レベルに達することはない。
ところで、蛍光灯や白熱灯などからの外乱光は、通常、LED7からのパルス状の光に比べて時間経過に伴う変動量が小さいため、この種の外乱光がフォトダイオードPDに入射すると、フォトダイオードPDからは時間的変動の小さい電流(以下、「外乱光成分」という)が出力され、出力信号Voutの動作点が変動することがある。そして、外乱光成分の影響で出力信号Voutの動作点自体が変動すると、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光しているにもかかわらず出力信号Voutが火災判定レベルに達することなく失報となったり、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光していないにもかかわらず出力信号Voutが火災判定レベルに達して非火災報となったりする可能性がある。
ただし、上記煙感知器Aでは、ラビリンス27によって検知空間に蛍光灯や白熱灯などからの様々な外乱光が入射することを防止しているので、外乱光の影響による出力信号Voutの動作点の変動が抑制されることとなり、上述したような失報や非火災報は生じにくい。
特許第2783945号公報(第1−2頁)
上述した煙感知器Aにおいては、検知空間への外乱光の入射を防止するためのラビリンス27の構造が複雑であり、ラビリンス27の製造にかかるコストが煙感知器A全体の低コスト化の妨げとなっているので、ラビリンス27の構造を極力簡素化、あるいはラビリンス27自体を省略することで、煙感知器Aの低コスト化を図ることが要望されている。しかしながら、ラビリンス27を簡素化あるいは省略すると、フォトダイオードPDでの外乱光の受光量が増大し、入力電流Iinに含まれる外乱光成分が大きくなって出力信号Voutの動作点が変動するため、失報や非火災報を生じやすくなるという問題がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、ラビリンスを簡素化あるいは省略しながらも、失報や非火災報が生じにくい煙感知器を提供することを目的とする。
請求項1の発明では、検知空間に向けてパルス状の光を間欠的に出力する発光部と、発光部からの直接光は入射せず検知空間内に流入した煙により拡散反射された発光部からの光が入射する位置に配置され、光を受光して電流に変換する受光部と、受光部から入力される入力電流を電圧信号からなる出力信号に変換するセンサ出力処理部と、前記出力信号に基づいて検知空間内の煙の有無を判定する演算処理部とを備え、センサ出力処理部は、入力電流が変動すると当該変動量に応じて出力信号の瞬時値を過渡的に変化させ、演算処理部は、入力電流に対する出力信号の過渡応答期間に設定されている第1および第2のサンプリングタイミングで、前記出力信号の瞬時値をそれぞれ計測値として検出する検出手段と、検出手段で検出された両計測値間の差分値を所定のしきい値と比較することにより検知空間内の煙の有無を判定する判定手段とを有し、第1および第2のサンプリングタイミングは両計測値間に差を生じるように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、演算処理部は、入力電流に対する出力信号の過渡応答期間に設定されている第1および第2のサンプリングタイミングで出力信号の瞬時値をそれぞれ計測値として検出し、両計測値間の差分値を所定のしきい値と比較することにより検知空間内の煙の有無を判定するので、たとえ入力電流に含まれる外乱光成分が大きくなって出力信号の動作点が変動することがあっても、当該外乱光成分が前記差分値に影響することは殆どなく、したがって、外乱光成分の影響を受けずに検知空間内の煙の有無を判定することができる。その結果、ラビリンスを簡素化あるいは省略しながらも、失報や非火災報を生じにくいという利点がある。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センサ出力処理部が、前記発光部からの光のパルス幅に応じて決定された周波数帯域に利得のピークを生じさせるバンドパス手段を有し、前記出力信号を前記受光部が発光部からの光を受光していない状態での瞬時値である動作点から正負両側に振れる信号として出力し、前記検出手段が、前記動作点の両側で前記計測値をそれぞれ検出することを特徴とする。
この構成によれば、検出手段は、出力信号の動作点の両側でそれぞれ計測値を検出するので、動作点の片側で両計測値を検出する場合に比べて両計測値間の差分値を大きくとることができ、SN比が向上するという利点がある。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記バンドパス手段が、前記入力電流を積分する積分回路と、当該積分回路の出力を微分する微分回路とを有することを特徴とする。
この構成によれば、積分回路と微分回路とを用いた比較的簡単な構成で、出力信号を動作点から正負両側に振れる信号とすることができる。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明において、前記発光部からの光のパルス幅と、前記第1および第2のサンプリングタイミングとが、同一のクロックに基づいて決定されることを特徴とする。
この構成によれば、発光部の駆動回路の温度特性などにより発光部からの光のパルス幅がばらつくことがあっても、当該パルス幅のばらつきに伴って第1および第2のサンプリングタイミングも変化することになるので、発光部からの光のパルス幅のばらつきに起因した計測値のばらつきを抑制することができる。
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明において、前記第1および第2のサンプリングタイミングが、前記出力信号の瞬時値のピークの手前にそれぞれ設定されることを特徴とする。
この構成によれば、センサ出力処理部の温度特性などによりセンサ出力処理部の利得がばらつくことがあっても、出力信号の瞬時値のピークでそれぞれ計測値を検出する場合に比べると、前記利得ばらつきに起因した計測値のばらつきを小さく抑えることができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明において、前記演算処理部が、前記発光部が光を出力する前の予備期間に前記出力信号の瞬時値を予備値として読み出し、当該予備値が予め決められている正常範囲内になければ前記判定手段による判定を行わないことを特徴とする。
この構成によれば、外乱光成分の影響で出力信号の動作点自体が変動して正常範囲を外れているような状態では判定手段による判定を行わないので、外乱光成分の影響で出力信号が飽和し発光部からの光を受光部が受光することに起因した出力信号の変動量を正確に検出できないことによる失報を防止できる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明において、前記センサ出力処理部が間欠的に駆動され、前記発光部がセンサ出力処理部の駆動中に光を出力することを特徴とする。
この構成によれば、センサ出力処理部を常時駆動する場合に比べて、平均消費電力を低く抑えることができる。なお、センサ出力処理部の起動時に出力信号の瞬時値が変動することがあっても、請求項1の構成により、センサ出力処理部の起動時における出力信号の変動の影響を受けずに検知空間内の煙の有無を判定することができる。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明において、前記検出手段が、前記瞬時値を量子化してデジタル値からなる前記計測値を得るAD変換器からなることを特徴とする。
この構成によれば、検出手段がAD変換器からなるので、演算処理部の回路構成を比較的簡単にすることができる。
本発明は、演算処理部が、入力電流に対する出力信号の過渡応答期間に設定されている第1および第2のサンプリングタイミングで出力信号の瞬時値をそれぞれ計測値として検出し、両計測値間の差分値を所定のしきい値と比較することにより検知空間内の煙の有無を判定するので、ラビリンスを簡素化あるいは省略しながらも、失報や非火災報が生じにくいという利点がある。
(実施形態1)
本実施形態の煙感知器Aは、図12に示した従来構成と同様にハウジング20内に検知空間を有し、この検知空間に向けて間欠的にパルス状の光を出力する発光部と、発光部からの直接光が入射しない位置に配置され受光した光を電流に変換する受光部と、受光部からの入力電流に基づいて検知空間内の煙を検知する検知回路1とを備えている。この煙感知器Aでは、検知空間内に煙が流入すると、発光部からの光が検知空間内の煙で拡散反射されることにより受光部での発光部からの光の受光量が増加し、受光部から出力される電流量が増加する。ここで例示する煙感知器Aは電池を電源としており、平均消費電力を抑えて電池の長寿命化を図るために間欠駆動する。
本実施形態の検知回路1は、図1に示すように、受光部から入力される入力電流Iinを当該入力電流Iinの変動に応じて電圧値が変動する出力信号Voutに変換して出力するセンサ出力処理部2と、センサ出力処理部2の後段に設けられ前記出力信号Voutに基づいて検知空間内の煙の有無を判定する演算処理部3とを備えている。
センサ出力処理部2は、図1に示すように、入力端子Tinから入力される入力電流Iinを当該入力電流Iinの変動に応じて電圧値が変動する出力電圧に変換して出力する電流電圧変換回路4と、電流電圧変換回路4の出力に接続されたハイパスフィルタ5と、ハイパスフィルタ5を通過した前記出力電圧を増幅する電圧増幅回路6とを有する。
電流電圧変換回路4は、入力端子Tinとなる演算増幅器OP1の反転入力端子と出力端子との間に変換抵抗R1が接続され、演算増幅器OP1の非反転入力端子に基準電圧Vs1が印加された構成を有する。電流電圧変換回路4の入力端子Tinには、受光部としてのフォトダイオードPD(図12参照)が接続されており、フォトダイオードPDから入力電流Iinが入力される。
ここに、本実施形態の電流電圧変換回路4は、変換抵抗R1に並列接続されたコンデンサC1を有しローパスフィルタとしても機能しており、所定のカットオフ周波数fc0以下の入力電流Iinを通すように変換抵抗R1とコンデンサC1との回路定数が設定される。このカットオフ周波数fc0は、変換抵抗R1の抵抗値r1とコンデンサC1の定数c1とを用いてfc0=1/(2π×r1×c1)で表され、少なくともフォトダイオードPDが発光部としてのLED7(図12参照)からの光を受光したときに生じるパルス状の入力電流Iinを通すように設定される。
また、電流電圧変換回路4は上記構成により積分回路としても機能するため、その出力電圧は、入力電流Iinが変動すると所定の時間遅れをもって変動するように入力電流Iinの変化時点から時間経過に伴って電圧値を変化させることとなる。
ハイパスフィルタ5は、演算増幅器OP1の出力端子に接続されたコンデンサC2と抵抗R2との直列回路からなり、当該直列回路における演算増幅器OP1との反対側の端部(抵抗R2の一端部)には基準電圧Vs2が印加されている。ハイパスフィルタ5の出力は、コンデンサC2と抵抗R2との接続点から出力される。ハイパスフィルタ5のカットオフ周波数fc1は、変換抵抗R2の抵抗値r2とコンデンサC2の定数c2とを用いてfc1=1/(2π×r2×c2)で表され、少なくともフォトダイオードPDがLED7からの光を受光したときに生じるパルス状の出力電圧を通すように設定される。
電圧増幅回路6は、ハイパスフィルタ5の出力端(コンデンサC2と抵抗R2との接続点)に演算増幅器OP2の非反転入力端子を接続し、この演算増幅器OP2の反転入力端子に抵抗R3を介して基準電圧Vs2を加えるとともに、反転入力端子と出力端子との間に抵抗R3およびコンデンサC3の並列回路を接続して構成される。電圧増幅回路6で増幅された電圧は、出力信号Voutとして後段の演算処理部3に出力される。
センサ出力処理部2は、上記構成により、フォトダイオードPDからの入力電流Iinがゼロの状態での出力信号Voutの瞬時値を動作点として、入力電流Iinの変動に応じて動作点を基準に出力信号Voutを変動させることとなる。このとき、出力信号Voutの瞬時値は、入力電流Iinの変動量に応じて過渡的に変動する。
演算処理部3は、センサ出力処理部2から入力される出力信号Voutの瞬時値を保持するサンプルホールド回路(S/H回路)8と、センサ出力処理部2から入力される出力信号Voutをデジタル値に変換する検出手段としてのAD変換器9と、AD変換器9の出力(デジタル値)に基づいて検知空間内の煙の有無を判定する判定手段としての判定回路10とを有する。
AD変換器9は、出力信号Voutをサンプリング(標本化)し、量子化することによって、サンプリングタイミングにおける出力信号Voutの瞬時値をデジタル値として検出する。ここで、サンプリングはLED7が1回発光するごとに2回ずつ行われ、これによりフォトダイオードPDがLED7からの光を受光することに起因した出力信号Voutの変動成分を取り出すことが可能になる。
すなわち、AD変換器9では、LED7が発光した直後に設定されている第1のサンプリングタイミングで1回目のサンプリングを行い、この時点での出力信号Voutの瞬時値を第1の計測値として量子化する。そして、第1のサンプリングタイミングから所定時間後に設定されている第2のサンプリングタイミングにおいて、サンプルホールド回路8で出力信号Voutの瞬時値を保持し、この状態で2回目のサンプリングを行い、第2のサンプリングタイミングの時点での出力信号Voutの瞬時値を第2の計測値として量子化する。
ここにおいて、LED7からのパルス状の光をフォトダイオードPDが受光すると出力信号Voutの瞬時値が所定の時間遅れをもって変化するので、第1および第2のサンプリングタイミングは、少なくとも当該瞬時値の変化が第1の計測値と第2の計測値との間に反映されるように、入力電流Iinに対する出力信号Voutの過渡応答期間に設定される。
しかして、図2(a)に示すようにLED7をパルス発光させた場合に、検知空間内に所定量を超える煙が流入していると、出力信号Voutは図2(b)に示すように第1のサンプリングタイミングから第2のサンプリングタイミングにかけて比較的大きく変動するため、AD変換部9で得られる第1の計測値AD1と第2の計測値AD2との間には比較的大きな差が生じることとなる。一方、検知空間内に所定量を超える煙が流入していなければ、出力信号Voutは図2(c)に示すように第1のサンプリングタイミングから第2のサンプリングタイミングにかけて大きく変動することはなく、AD変換部9で得られる第1の計測値AD1と第2の計測値AD2との間に図2(b)のときほど大きな差は生じない。
判定回路10は、AD変換器9で得られた第1および第2の計測値をそれぞれ記憶する記憶部(図示せず)と、記憶部に記憶された第1の計測値と第2の計測値との差分を求め、当該差分値を所定のしきい値(以下、火災判定レベルという)と比較することにより検知空間内の煙の有無を判定する演算部(図示せず)とを具備している。演算部では、上述した図2(b)のように第1および第2の計測値AD1,AD2間の差分が火災判定レベル以上の場合に煙有り(火災と判断できる煙濃度に達している)と判定し、図2(c)のように第1および第2の計測値AD1,AD2間の差分が火災判定レベルより小さい場合には煙なし(火災と判断できる煙濃度に達していない)と判定する。
判定回路10での判定結果は発報回路28(図13参照)に送られ、火災発生時(つまり、煙有りとの判定時)には適宜の方法で報知される。なお、煙感知器Aは上記判定結果を住宅情報盤などの外部装置に送るように構成されていてもよい。
以上説明した構成によれば、第1のサンプリングタイミングにおける出力信号Voutの瞬時値と第2のサンプリングタイミングにおける出力信号Voutの瞬時値との差分に基づいて煙の有無の判定がなされることとなり、たとえ検知空間に蛍光灯や白熱灯などからの様々な外乱光が入射し、外乱光の影響により出力信号Voutの動作点が変動することがあっても、失報や非火災報を生じにくいという利点がある。すなわち、本実施形態ではLED7がパルス発光した際の出力信号Voutの変化量に基づいて煙の有無の判定がなされるので、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光しているにもかかわらず火災発生と判断されずに失報となったり、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光していないにもかかわらず火災発生と判断されて非火災報となったりすることを回避できる。
たとえば、銅鉄形安定器を用いて商用電源(60Hzの交流電源とする)で点灯する蛍光灯からの光が検知空間に入射した場合、図3に示すように、出力信号Voutが前記蛍光灯の光の点滅の影響を受けて120Hzの周波数で正弦波状に変動する。このとき、出力信号Voutの変動周期は8.33msとなるので、出力信号Voutの振幅をピークトゥーピーク(peak to peak)で「2」と仮定すれば、120μsの間に前記蛍光灯の影響で生じ得る出力信号Voutの最大変動量は、360°×(120μs/8.3ms)=5.184°、sin(5.184°)=0.09035より、「0.09035」と求まる。この値(0.09035)は元々の振幅(2)の約4.5%である(0.09035/2=0.045175)から、120μsの間隔で第1および第2のサンプリングタイミングを設定すれば、前記蛍光灯の影響で生じる出力信号Voutの変動量を4.5%程度にまで減衰(−26.9dB)することができる。
そのため、ラビリンスの構造を極力簡素化、あるいはラビリンス自体を省略して、煙感知器Aの低コスト化を図った場合に、フォトダイオードPDでの外乱光の受光量が増大し、入力電流Iinに含まれる外乱光成分が大きくなって出力信号Voutの動作点が変動したとしても、失報や非火災報を生じにくくなる。
また、本実施形態では検知回路1を間欠駆動することを想定しているため、図4に示すように、センサ出力処理部2の起動直後において出力信号Voutが比較的大きく変動することがあるが、上述のようにLED7がパルス発光した際の出力信号Voutの変化量に基づいて煙の有無を判定することで、センサ出力処理部2の起動直後における出力信号Voutの変動の影響で失報や非火災報を生じることも回避可能となる。
ところで、図5に示すように、外乱光の影響で入力電流Iinに含まれる外乱光成分がある大きさ以上になると、出力信号Voutが飽和する可能性がある。特に、本実施形態のように電池を煙感知器の電源とする場合、演算増幅器の電源電圧が低く演算増幅器のダイナミックレンジが比較的狭いため、出力信号Voutが比較的飽和しやすくなる。入力電流Iinが増加した場合に出力信号Voutが途中で飽和してしまうと、入力電流Iinの変動を出力信号Voutが追従できなくなるため、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光してパルス状の入力電流Iinが生じても、出力信号Voutの変化量が火災判定レベルに達することなく失報となる可能性がある(図5(b)では飽和しなかった場合の出力信号Voutを2点鎖線で示す)。
そこで、本実施形態では、図5(b)に示すようにLED7が発光する前の予備期間に出力信号Voutの瞬時値を予備値AD0として読み出し、当該予備値AD0が予め定められている正常範囲内になければ判定回路10による判定を行わないようにする予備判定手段(図示せず)を演算処理部3に備えている。すなわち、予備判定手段は、LED7のパルス発光を受けて出力信号Voutが変動する前に、外乱光の影響による出力信号Voutの動作点からの変化量を予備値AD0として検出し、当該変化量が正常範囲を超えていれば、出力信号Voutが飽和する可能性があると判断して、判定回路10に煙の有無の判定を行わせないようにする。これにより、外乱光の影響で出力信号Voutが飽和しLED7のパルス発光に起因した出力信号Voutの変動量を正確に検出できないことによる失報をなくすことができる。
(実施形態2)
本実施形態の煙感知器Aは、図6に示すように、電流電圧変換回路4の出力する出力電圧のうち所定の第1カットオフ周波数fc1以下の低周波成分の大きさに応じた電圧を出力する第1の帰還回路11と、第1の帰還回路11の出力と電流電圧変換回路4の入力端子Tinとの間に挿入された分流用抵抗R5とをセンサ出力処理部2に備えている。さらに、本実施形態では、電流電圧変換回路4の出力電圧のうち所定の第2カットオフ周波数fc2以下の低周波成分の大きさに応じた電圧を出力する第2の帰還回路12と、第2の帰還回路12の出力の大きさに応じた電流を入力電流Iinから引き抜く分流用トランジスタQ1とがセンサ出力処理部2に設けられている。
第1の帰還回路11は、電流電圧変換回路4の出力電圧を反転増幅する反転増幅回路13と、反転増幅回路13で反転増幅された出力電圧を積分し出力電圧の積分値成分に相当する積分電圧を出力する第1の積分回路14とを有する。
第1の積分回路14は、反転増幅回路13の出力に抵抗R6を介して演算増幅器OP3の反転入力端子を接続し、この演算増幅器OP3の反転入力端子と出力端子との間にコンデンサC4を接続して構成され、抵抗R6とコンデンサC4とで決まる時定数を有するローパスフィルタとして機能する。この積分回路14は、少なくともフォトダイオードPDがLED7からの光を受光したときに生じる入力電流Iinに対応する出力電圧を遮る第1カットオフ周波数fc1を有するように時定数が設定される。
反転増幅回路13は、積分回路14の出力を電流電圧変換回路4の出力電圧に対して同相とするためのものであって、電流電圧変換回路4の出力端子に抵抗R7を介して演算増幅器OP4の反転入力端子を接続し、この演算増幅器OP4の反転入力端子と出力端子との間に抵抗R8を接続して構成される。なお、両演算増幅器OP3,OP4の非反転入力端子は回路グランドに対して基準電圧Vs1と同電位にされている。
しかして、フォトダイオードPDがLED7からのパルス光を受光したときに生じるパルス成分と外乱光成分とが入力電流Iinに含まれている場合に、第1の積分回路14から出力される積分電圧は前記外乱光成分に相当する電圧となる。このとき、入力電流Iinは電流電圧変換回路4にて一旦位相が反転され、さらに反転増幅回路13および積分回路14でもそれぞれ1回ずつ位相が反転されるため、積分回路14の出力には入力電流Iinと逆位相の積分電圧が現れる。ここで、電流電圧変換回路4の入力端子Tinは回路グランドに対して基準電圧Vs1と同電位になっているので、分流用抵抗R5の両端間には、基準電圧Vsから積分電圧を減算した電位差が生じることになる。すなわち、積分電圧の大きさに応じた電流を分流用抵抗R5に流すことにより入力電流Iinから引き抜くことができるので、入力電流Iinに外乱光成分が含まれている場合には、この外乱光成分が入力電流Iinから減算されることによって出力電圧から取り除かれる。
ところで、本実施形態の検知回路1においては、第2の帰還回路12は、電流電圧変換回路4の出力電圧を積分する第2の積分回路15と、第2の積分回路15の出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路16とを有している。
第2の積分回路15は、電流電圧変換回路4の出力端子Toutに抵抗R9を介して演算増幅器OP5の反転入力端子を接続し、この演算増幅器OP5の反転入力端子と出力端子との間にコンデンサC5を接続して構成され、抵抗R9とコンデンサC5とで決まる時定数を有するローパスフィルタとして機能する。第2の積分回路15は、上述した第1の積分回路14の第1カットオフ周波数fc1よりも高い第2カットオフ周波数fc2(つまりfc1<fc2)を有するように時定数が設定される。なお、演算増幅器OP5の非反転入力端子は回路グランドに対して基準電圧Vs1と同電位にされている。
分流用トランジスタQ1は、電流電圧変換回路4の入力端子Tinと回路グランドとの間に挿入され、第2の積分回路15の出力に応じた電流を入力端子Tinから回路グランドに流すものであって、ここではNチャネルのMOSFETで構成されている。この分流用トランジスタQ1は、ドレインを電流電圧変換回路4の入力端子Tinに接続するとともにソースを回路グランドに接続し、ゲートがサンプルホールド回路16を介して第2の積分回路15の出力(演算増幅器OP5の出力端子)に接続された形で設けられている。
サンプルホールド回路16は、第2の積分回路15の出力と分流用トランジスタQ1のゲートとの間に挿入された常閉形の第1のスイッチSW1と、分流用トランジスタQ1のゲートと回路グランドとの間に接続されたコンデンサC6とを有し、第1のスイッチSW1を所定のタイミングでオフすることにより、当該所定のタイミングでの積分回路15の出力をコンデンサC6の出力電圧として維持する。
上述の構成により、第2の積分回路15が電流電圧変換回路4の出力電圧を積分することで、当該出力電圧のうち第2カットオフ周波数fc2以下の低周波成分が第2の積分回路15の出力に現れることとなる。このとき、入力電流Iinは電流電圧変換回路4にて一旦位相が反転され、さらに第2の積分回路15でも位相が反転されるため、積分回路15の出力には入力電流Iinと同相の低周波成分が現れる。ここで、積分回路15の出力はサンプルホールド回路16を介して分流用トランジスタQ1のゲートに印加されるから、サンプルホールド回路16のスイッチSW1がオンの状態では、分流用トランジスタQ1のドレイン−ソース間には積分回路15の出力の大きさに応じた電流が流れることとなる。したがって、入力電流Iinに含まれる第2カットオフ周波数fc2以下の低周波成分を分流用トランジスタQ1に引き抜くことができ、センサ出力処理部2全体としては前記低周波成分の利得を下げることができる。
ここにおいて、サンプルホールド回路16のスイッチSW1をオフにすると、積分回路15の出力と分流用トランジスタQ1のゲートとの間は遮断されるものの、積分回路15の出力はコンデンサC6の両端電圧として維持されるから、分流用トランジスタQ1のドレイン−ソース間には、スイッチSW1がオフする直前の積分回路15の出力の大きさに応じた電流を流し続けることができる。言い換えれば、サンプルホールド回路16のスイッチSW1がオフすることによりサンプルホールド回路16が作動すると、分流用トランジスタQ1のドレイン−ソース間に流すことができる電流の周波数の上限値(第2カットオフ周波数fc2)は低下するが、直流成分については引き続き分流用トランジスタQ1に引き抜くことで出力電圧から取り除くことができる。
本実施形態においては、サンプルホールド回路16のスイッチSW1をオフするタイミングを、煙感知器のLED7がパルス状の光を出力し検知空間内に流入した煙の有無を検出する期間(以下、センシング期間という)に合わせて設定してある。すなわち、本実施形態のセンサ出力処理部2は、上記センシング期間中にフォトダイオードPDがLED7からの光を受光したときに生じるパルス状の入力電流Iinを電圧信号に変換し、出力信号Voutとして出力するためのものであるから、上記センシング期間における前記入力電流Iinが分流用トランジスタQ1に引き抜かれてしまうことがないように、センシング期間にはスイッチSW1をオフとする。
さらに詳しく説明すると、第2の積分回路15の第2カットオフ周波数fc2は、第1の積分回路14の第1カットオフ周波数fc1に比べると前記パルス状の入力電流Iinの周波数の近くに設定されているから、スイッチSW1がオンの状態では、前記入力電流Iinが分流用トランジスタQ1に引き抜かれ、センサ出力処理部2全体として前記入力電流Iinの利得が低減する可能性がある。そこで、本実施形態では上記センシング期間にスイッチSW1をオフしてサンプルホールド回路16を作動させることで、前記入力電流Iinが分流用トランジスタQ1に引き抜かれることを回避し、センサ出力処理部2全体として前記入力電流Iinの利得を高く確保する。
しかして、スイッチSW1がオフされるセンシング期間には、第2の帰還回路12の出力はスイッチSW1がオフする直前の値に固定されるので、入力電流Iinに含まれる揺らぎのない直流成分に関しては分流用トランジスタQ1に継続して引き抜くことができるが、入力電流Iinに含まれる揺らぎのある低周波成分に関しては、当該低周波成分が第2カットオフ周波数fc2以下の低周波成分であっても、分流用トランジスタQ1に引き抜くことはできない。ただし、センシング期間においても、第1カットオフ周波数fc1以下の低周波成分に関しては、第1の帰還回路11の出力として取り出すことにより分流用抵抗R5に引き抜くことを可能としている。
以上説明した構成の検知回路1によれば、入力電流Iinの低周波成分を引き抜く手段として分流用抵抗R5と分流用トランジスタQ1とを用いたことにより、分流用抵抗R5のみで低周波成分を引き抜く場合に比べて、より大きな電流成分の引き抜きに対応することができる。
また、図6の例では、電流電圧変換回路4の変換抵抗R1に並列接続された第2のスイッチSW2が設けられている。このスイッチSW2は、第1のスイッチSW1と同一のタイミングでオフする常閉形のスイッチであって、以下に説明する機能を有する。
すなわち、仮に第1のスイッチSW1のみが設けられていると、第1のスイッチSW1がオンしたときに、第2の帰還回路12のカットオフ周波数fc2が高周波側にシフトするので、センサ出力処理部2全体における利得の周波数特性に関しては、第1のスイッチSW1がオンしたときに低周波側の利得がつぶれ、電流電圧変換回路4のカットオフ周波数fc0と第2の帰還回路12の第2カットオフ周波数fc2との間に利得のピークが生じ、系が発振しやすい状態となる。つまり、出力信号Voutが発振しやすい状態にあるので、出力信号Voutが低いときに第1のスイッチSW1がオフされてしまうと、結果的に出力信号Voutの立ち上がりが遅れるという問題がある。
これに対して、変換抵抗R1と並列に接続される第2のスイッチSW2を設けた本実施形態では、第2のスイッチSW2を第1のスイッチSW1と共にオンすることで、第1のスイッチSW1がオンしている間には変換抵抗R1の両端が接続されてセンサ出力処理部2の利得がつぶされ、上述した利得のピークをなくすことができる。これにより、第1のスイッチSW1がオンすることによる系の発振を抑制することができる。
ところで、本実施形態では、センサ出力処理部2における利得の周波数特性について、図7(a)に示すように所定の周波数(ここでは2kHz)を基準周波数として、当該基準周波数よりも高周波側および低周波側の利得をつぶすことにより、基準周波数に利得のピークが生じるようにしてある。すなわち、実施形態1では、図7(b)に示すように、比較的広い周波数帯域(ここでは0.1Hz〜8kHz)に亘って平坦な利得を有するようにセンサ出力処理部2の利得の周波数特性が設定されていたのに対し、本実施形態では基準周波数を中心とする比較的狭い周波数帯域に利得を持たせてある。
具体的には、ハイパスフィルタ5の時定数を調節してハイパスフィルタ5を微分回路として機能させ、電流電圧変換回路4に設けられている積分回路(抵抗R1およびコンデンサC1)で積分された信号が後段のハイパスフィルタ5にて微分されるようにしてある。要するに、積分回路としての電流電圧変換回路4のローパスフィルタ機能と微分回路としてのハイパスフィルタ5とが、所定の周波数帯域(基準周波数を中心とする周波数帯域)に利得のピークを生じさせるバンドパス手段として機能する。
ここにおいて、上述の基準周波数は、入力電流Iinに対して出力信号Voutの振幅が最大となるように、LED7をパルス発光させる際のパルス幅に応じて決定される。たとえば、パルス発光のパルス幅を90μsとする場合には、基準数波数は2kHzとすることが望ましい。このように入力電流Iinのパルス幅に応じて決まる基準周波数を中心とした狭周波数帯域に利得を持たせることにより、入力電流Iinに対して出力信号Voutの振幅を大きくすることが可能になる。
しかして、実施形態1の構成では、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光して図8(a)のようにパルス状の入力電流Iinが流れると、出力信号Voutは図8(b)に示すように入力電流Iinの立ち上がりに合わせて動作点から低下し始め、入力電流Iinの立ち下がりに合わせて動作点に向けて上昇し始める。このように、出力信号は動作点の片側(ここでは電圧が小さくなる側)にのみ振れることとなる。
これに対して、本実施形態では、フォトダイオードPDがLED7からの光を受光して図9(a)のようにパルス状の入力電流Iinが流れると、出力信号Voutは図9(b)に示すように入力電流Iinの立ち上がりに合わせて動作点から低下し始め、入力電流Iinの立ち下がりに合わせて上昇し始め、その後、動作点を超えてピークに達してから、動作点に向けて下降し始める。つまり、電流電圧変換回路4の積分回路で積分されたパルス信号が、後段のハイパスフィルタ5にて微分されることにより、動作点の両側に振れる出力信号Voutとなる。このように、出力信号Voutは動作点の両側に振れることとなる。
したがって、本実施形態では、たとえば出力信号Voutにおける上下の各ピークでそれぞれサンプリングを行うことにより、実施形態1の構成に比べて第1および第2の両計測値間の差分(ΔV)を大きくとることができ、SN比が向上するという利点がある。要するに、実施形態1のように出力信号Voutが動作点の片側にのみ振れる場合には、第1および第2の両計測値間の差分は、出力信号Voutの動作点との差分としてしかとることはできないが、本実施形態のように出力信号Voutが動作点の両側に振れる場合には、動作点から一方のピークまでの約2倍の大きさとして第1および第2の両計測値間の差分をとることができる。その結果、出力信号Voutから取り出される信号成分が大きくなり、SN比が向上する。
なお、具体的な構成としては、変換抵抗R1=5MΩ、コンデンサC1=14pF、抵抗R2=2MΩ、コンデンサC2=50pF、抵抗R3=39kΩ、抵抗R4=740kΩ、コンデンサC3=30pF、分流用抵抗R5=400kΩ、抵抗R6=500kΩ、コンデンサC4=200pF、抵抗R7=500kΩ、抵抗R8=40kΩ、抵抗R9=250kΩ、コンデンサC5=30pF、コンデンサC6=60pFと設定すれば、図7(a)に示すように2kHzを基準周波数とする利得のピークが生じることとなる。
また、本実施形態の構成では、実施形態1のように第2の計測値を検出するためにサンプルホールドする必要がないため、演算処理部3におけるサンプルホールド回路8が不要になるという利点もある。
ところで、第1および第2の各サンプリングタイミングは、第1および第2の両計測値間の差分を大きくするという観点では、出力信号Voutのピーク(下限値および上限値)付近にそれぞれ設定されることが望ましい。ただし、出力信号Voutのピークの大きさは、センサ出力処理部2の利得の周波数特性に依存しているため、センサ出力処理部2の構成部品の温度特性などによってセンサ出力処理部2の利得の周波数特性が変化すると、これに伴い出力信号Voutのピークも変化することがある。出力信号Voutのピークが変化すれば当然ながら第1および第2の両計測値間の差分の大きさも変化することとなるので、本実施形態では、センサ出力処理部2の利得の周波数特性ばらつきによる第1および第2の両計測値間の差分のばらつきを極力小さく抑えるために、第1および第2の各サンプリングタイミングを、それぞれ時間軸方向における出力信号Voutのピークの手前に設定している。
すなわち、図10に示すように、センサ出力処理部2の利得の周波数特性が定常状態にあるときの出力信号Voutのピークの手前に第1および第2の各サンプリングタイミングを設定することで、定常状態での出力信号Voutのピークに第1および第2の各サンプリングタイミングを設定する場合に比べて、センサ出力処理部2の利得ばらつきによる計測値のばらつきを小さく抑えることができる。第1および第2の各サンプリングタイミングの定常状態での出力信号Voutのピークからのシフト量は、各計測値のばらつきが規定の目標精度内に収まるように決定される。図示例では、LED7をパルス発光させるパルス幅を90μsとして、発光開始時点から80μsの時点と200μsの時点とをそれぞれ第1および第2のサンプリングタイミングとしている。
また、入力電流Iinのパルス幅は、図11(a)に示すように(図中、定常状態を「typ」、最大値を「max」、最小値を「min」で示す)、LED駆動回路29(図13参照)の温度特性などによりある程度の範囲でばらつくことがある。入力電流Iinのパルス幅が変化すると、それに伴い図11(b)に2点鎖線で示すように、時間軸方向における出力信号Voutのピーク位置も変化するので、サンプリングタイミングを固定的に設定していては、第1および第2の計測値の値にばらつきを生じることとなる。そこで、本実施形態では、入力電流Iinのパルス幅を規定するLED駆動回路29内のクロックを、サンプリングタイミングを決定するためのクロックに共用する。
これにより、LED駆動回路29の温度特性などに起因して、入力電流Iinのパルス幅が変化したとしても、変化後のパルス幅に合わせてサンプリングタイミングが決定されるので、入力電流Iinのパルス幅のばらつきによる第1および第2の各計測値のばらつきを抑えることができる。
なお、本実施形態では、フォトダイオードPDが光を受光したときに電流電圧変換回路4の入力端子Tinに対して入力電流Iinが流れ込む構成を前提として説明したが、入力端子Tinに対する入力電流Iinの向きを逆向きとし、フォトダイオードPDが光を受光したときに入力端子Tinから入力電流Iinが流れ出す構成を前提としてもよい。この場合、分流用抵抗R5および分流用トランジスタQ1は入力端子Tinから入力電流Iinを引き抜くように機能するのではなく、入力端子Tinに対して入力電流Iinを加算するように機能する。具体的には、分流用トランジスタQ1は、入力端子Tinと基準電源との間に接続されたPチャネルのMOSFETからなり、第2の積分回路15の出力に応じた電流を基準電源から入力端子Tinに流すように構成される。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
本発明の実施形態1の検知回路を示す概略回路図である。 同上の動作を示すタイムチャートである。 同上の動作を示す波形図である。 同上の動作を示すタイムチャートである。 同上の動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態2の検知回路を示す概略回路図である。 (a)は同上のセンサ出力処理部の利得を示す特性図、(b)は実施形態1のセンサ出力処理部の利得を示す特性図である。 実施形態1の検知回路の動作を示すタイムチャートである。 実施形態2の検知回路の動作を示すタイムチャートである。 同上の動作を示すタイムチャートである。 同上の動作を示すタイムチャートである。 従来の煙感知器を示す概略構成図である。 同上の構成を示す概略ブロックである。 同上の動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
2 センサ出力処理部
3 演算処理部
7 LED(発光部)
9 AD変換器(検出手段)
10 判定回路(判定手段)
A 煙感知器
Iin 入力電流
PD フォトダイオード(受光部)
Vout 出力信号

Claims (8)

  1. 検知空間に向けてパルス状の光を間欠的に出力する発光部と、発光部からの直接光は入射せず検知空間内に流入した煙により拡散反射された発光部からの光が入射する位置に配置され、光を受光して電流に変換する受光部と、受光部から入力される入力電流を電圧信号からなる出力信号に変換するセンサ出力処理部と、前記出力信号に基づいて検知空間内の煙の有無を判定する演算処理部とを備え、センサ出力処理部は、入力電流が変動すると当該変動量に応じて出力信号の瞬時値を過渡的に変化させ、演算処理部は、入力電流に対する出力信号の過渡応答期間に設定されている第1および第2のサンプリングタイミングで、前記出力信号の瞬時値をそれぞれ計測値として検出する検出手段と、検出手段で検出された両計測値間の差分値を所定のしきい値と比較することにより検知空間内の煙の有無を判定する判定手段とを有し、第1および第2のサンプリングタイミングは両計測値間に差を生じるように設定されていることを特徴とする煙感知器。
  2. 前記センサ出力処理部は、前記発光部からの光のパルス幅に応じて決定された周波数帯域に利得のピークを生じさせるバンドパス手段を有し、前記出力信号を前記受光部が発光部からの光を受光していない状態での瞬時値である動作点から正負両側に振れる信号として出力し、前記検出手段は、前記動作点の両側で前記計測値をそれぞれ検出することを特徴とする請求項1記載の煙感知器。
  3. 前記バンドパス手段は、前記入力電流を積分する積分回路と、当該積分回路の出力を微分する微分回路とを有することを特徴とする請求項2記載の煙感知器。
  4. 前記発光部からの光のパルス幅と、前記第1および第2のサンプリングタイミングとは、同一のクロックに基づいて決定されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の煙感知器。
  5. 前記第1および第2のサンプリングタイミングは、前記出力信号の瞬時値のピークの手前にそれぞれ設定されることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の煙感知器。
  6. 前記演算処理部は、前記発光部が光を出力する前の予備期間に前記出力信号の瞬時値を予備値として読み出し、当該予備値が予め決められている正常範囲内になければ前記判定手段による判定を行わないことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の煙感知器。
  7. 前記センサ出力処理部は間欠的に駆動され、前記発光部はセンサ出力処理部の駆動中に光を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の煙感知器。
  8. 前記検出手段は、前記瞬時値を量子化してデジタル値からなる前記計測値を得るAD変換器からなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の煙感知器。
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