JP5161513B2 - 手振れ補正装置及び方法 - Google Patents

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本発明は手振れ補正装置及び方法に係り、特にカメラ、カメラ付き携帯電話、望遠鏡、双眼鏡等の光学機器の手振れによる像振れを補正する技術に関する。
従来、焦点距離が変更可能な光学系を備えたカメラ等の光学機器において、光学系の焦点距離に応じて、像ぶれ防止手段を第1の動作範囲で動作させる第1の状態と、第2の動作範囲で動作させる第2の状態とに切り替えるようにした像ぶれ防止装置が提案されている(特許文献1)。
この像ぶれ防止装置は、光学系の焦点距離が短い場合(広角端付近の場合)には、光学的補正系の動作範囲を狭く設定し、光学系の焦点距離が長い場合(望遠端付近の場合)には、光学的補正系の動作範囲を広く設定し、これにより、防振動作時に広角端付近における軸外光束を確保し(レンズの縁などによるケラレが生じないようにし)、一方、望遠端付近では、もともと画角が小さいため(ケラレの問題がないため)、光学的補正系の動作範囲を広く設定し、十分な補正効果が得られるようにしている。
また、広角端付近の場合には、光学的補正系の動作範囲が狭く設定されるため、光学的性能のよい光学的補正系の光学中心付近を使用することができるという利点もある。
特開平3−87716号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、広角端付近における軸外光束が確保できている光学系の場合、広角端付近での防振動作時における像ぶれ防止手段の動作範囲を狭く設定しているため、光学中心から大きく離れた動作位置での振れ補正を行うことができず、例えば、パンニング動作に近い振れに対しては、像ぶれ防止手段は直ちに動作範囲の限界値に到達し、像ぶれ補正が不能となり、使い勝手が悪くなるという問題がある。
一方、像ぶれ補正手段の動作範囲を、広角端から望遠端までのズーム全域で同じ量の動作範囲(最大動作範囲)に設定すると、広角端付近での防振動作時に、光学中心から大きく離れた動作位置(最大動作範囲の限界値付近)において、頻繁に振れ補正が行われることになり、光学的性能が低下するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、手振れ補正機構の動作範囲を拡大するとともに、より光学中心付近において手振れ補正を行うという二律背反する課題を同時に解決することができる手振れ補正装置及び方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、光学機器の振れを検出する手振れ検出手段と、前記光学機器の手振れを補正するための手振れ補正機構と、前記手振れ検出手段によって検出された振れに基づいて前記手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出する演算手段と、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲よりも狭い範囲であって、一時的な動作範囲の制限を行う制限範囲を初期設定する制限範囲設定手段と、前記手振れ補正機構による手振れ補正が前記制限範囲によって制限されないように、前記制限範囲を少なくとも前記動作範囲内で変更させる制限範囲変更手段と、前記演算手段によって算出された制御目標値に基づいて前記手振れ補正機構を駆動して手振れ補正を行う制御手段であって、前記演算手段によって算出された制御目標値が前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲又は前記制限範囲変更手段によって変更された制限範囲を越える場合に、前記制限範囲を越えないように前記制御目標値を制限する制御手段と、を備え、前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段の検出出力に基づいて一方向の振れが所定時間連続したことを判別する第1の検出手段と、前記第1の検出手段により一方向の振れが所定時間連続したことが検出された後、一方向の振れが終了したことを検出する第2の検出手段とを有し、前記演算手段によって算出された制御目標値が前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲又は前記制限範囲変更手段によって変更された制限範囲を越え、かつ前記第2の検出手段により一方向の振れが終了したことが検出されると、前記制限範囲を変更させることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、手振れ補正機構は、予め設定された動作範囲内で動作可能であるが、この動作範囲よりも狭い制限範囲によってその動作が一時的に制限を受けるようにしている。即ち、手振れ補正機構は、前記制限範囲を越えないように制限される。しかしながら、この制限範囲は固定ではなく、前記動作範囲内で変更できるようになっており、これにより手振れ補正機構の動作範囲(手振れ補正の範囲)を拡大することができる。また、手振れ補正機構は、一時的であっても前記制限範囲によってその動作が制限を受けるため、この制限範囲が設けられていない場合に比べて、光学中心から離れにくくなっており、これにより、より光学中心付近において手振れ補正を行うことができる。
即ち、パンニング動作、チルティング動作等に近い一方向の振れが検出され、その後、一方向の振れ検出が終了すると、前記制限範囲を変更し、手振れ補正を可能にしている。一方向の振れが所定時間連続すると、手振れ補正機構は制限範囲の端まで移動しており、直ちに適正な手振れ補正ができないという問題がある。請求項に係る発明によれば、一方向の振れ検出が終了すると、前記制限範囲を変更させるようにしたため、直ちに適正な手振れ補正(制限範囲によって制限を受けない手振れ補正)が可能になる。
請求項に示すように請求項1に記載の手振れ補正装置において、前記手振れ検出手段は、前記光学機器の角速度を検出する角速度センサと、前記角速度センサによって検出された角速度を積分して振れ角を算出する積分手段とを有することを特徴としている。角速度センサとしては、ジャイロセンサを適用することができる。
請求項に示すように請求項1又は2に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲設定手段は、前記手振れ検出手段によって検出される振れを制限するための所定の制限値を設定することにより前記制限範囲を設定し、前記制限範囲変更手段は、前記所定の制限値を変更することにより前記制限範囲を変更させることを特徴としている。
即ち、前記制御目標値は、前記手振れ検出手段によって検出された振れ(振れ角)に基づいて手振れ補正機構が移動すべき移動位置として算出(換算)されるため、手振れ補正機構の移動を制限するためには、前記制御目標値を直接制限する場合と、前記手振れ検出手段によって検出された振れ(振れ角)を制限する場合とが考えられる。請求項に係る発明は、後者によって前記制限範囲を設定、及び変更するようにしている。
請求項に示すように請求項に記載の手振れ補正装置において、前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記所定の制限値は、前記光学系が最大の焦点距離時に前記手振れ補正機構を前記動作範囲内で移動させたときに得られる、前記光学系の光軸が変化可能な最大角度であることを特徴としている。
即ち、振れ(振れ角)を制限することによって前記制限範囲を設定するが、この振れ角としては、光学系が最大の焦点距離時に手振れ補正可能な最大角度としている。従って、光学系が最大の焦点距離の場合には、設定される制限範囲と手振れ補正機構の動作範囲とが一致する。
請求項に示すように請求項1からのいずれかに記載の手振れ補正装置において、前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出する焦点距離検出手段を備え、前記演算手段は、前記手振れ検出手段によって検出された振れ及び前記焦点距離検出手段によって検出された焦点距離に基づいて前記手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出することを特徴としている。
請求項に示すように請求項に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲設定手段は、前記焦点距離検出手段によって検出された焦点距離に基づいて前記検出された焦点距離が短い程、前記制限範囲が狭くなるように設定することを特徴としている。
請求項に示すように請求項1からのいずれかに記載の手振れ補正装置において、前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出する焦点距離検出手段を備え、前記制限範囲設定手段は、前記光学系の最大の焦点距離と前記焦点距離検出手段によって検出された焦点距離との比と、前記手振れ補正機構の動作範囲の限界値とを乗算して得られる値が、前記制限範囲の制限値となるように該制限範囲を設定することを特徴としている。
これによれば、光学系の焦点距離にかかわらず、前記設定された制限範囲により光学機器の一定の角度範囲の振れ補正が可能になる。
請求項に示すように請求項に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、初期設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、前記検出された現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出する演算手段と、前記算出した差分に対応した値を前記現在の制限値に加算する加算手段とを有し、前記加算手段によって加算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。尚、現在の振れとしては、最新の一定期間内に検出された振れの平均値を使用してもよい。また、前記算出した差分に対応した値としては、例えば、前記差分に対して1よりも小さい値を乗算した値とすることができる。
請求項に示すように請求項に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、初期設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、一定の拡大値を前記現在の制限値に加算する加算手段を有し、前記加算手段によって加算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。尚、現在の振れとしては、最新の一定期間内に検出された振れの平均値を使用してもよい。また、前記加算する一定の拡大値を適宜設定することにより、制限の度合いを調整することができる。
請求項10に示すように請求項又はに記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記加算された次回の制限値が、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲を越えないように制限することを特徴としている。即ち、次回の制限値が徐々に大きくなるように変更する場合であっても、次回の制限値が予め設定された動作範囲を越えないように制限するようにしている。
請求項11に示すように請求項1から10のいずれかに記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記演算手段によって算出された制御目標値に基づいて前記変更した制限範囲を前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲に戻すことを特徴としている。
例えば、現在の制御目標値が、初期設定された制限範囲の端付近よりも十分に内側(適正な手振れ補正が可能な位置)に入ると、変更された制限範囲を初期設定された制限範囲に戻す。尚、現在の制限目標値としては、最新の一定期間内の制限目標値の平均値を使用してもよい。
請求項12に示すように請求項に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、前記現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出する演算手段と、前記算出した差分に対応した値を前記現在の制限値から減算する減算手段とを有し、前記減算手段によって減算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。
請求項13に示すように請求項に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、一定の縮小値を前記現在の制限値から減算する減算手段を有し、前記減算手段によって減算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。尚、請求項1213において、現在の振れとしては、最新の一定期間内に検出された振れの平均値を使用してもよい。
請求項14に示すように請求項12又は13に記載の手振れ補正装置において、前記制限範囲変更手段は、前記減算された次回の制限値が、前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲内に入らないように制限することを特徴としている。即ち、次回の制限値が徐々に小さくなるように変更する場合であっても、次回の制限値が初期設定された制限範囲内に入らないように制限するようにしている。
請求項15に係る手振れ補正方法は、光学機器の振れを検出するステップと、前記検出された振れに基づいて手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出するステップと、前記制御目標値が、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲よりも狭い範囲であって、初期設定された現在の制限範囲又は変更された現在の制限範囲を越えないように前記算出された制御目標値を制限するステップと、前記算出された制御目標値が現在の制限範囲を越えると、前記手振れ補正機構による手振れ補正が前記制限範囲によって制限されないように、少なくとも前記動作範囲内で前記制限範囲を変更させるステップであって、この変更した制限範囲を次回の制限範囲に設定するステップと、前記算出された制御目標値に基づいて前記手振れ補正機構を駆動して手振れ補正を行うステップと、を含み、前記制限範囲を変更させるステップは、前記算出された制御目標値が現在設定されている制限範囲を越え、かつ前記検出された光学機器の振れが一方向に所定時間連続し、その後、前記一方向の振れが終了すると、前記制限範囲を変更させることを特徴としている。
請求項16に示すように請求項15に記載の手振れ補正方法において、前記光学機器の振れを検出するステップは、前記光学機器の角速度を検出し、この検出した角速度を積分して振れ角を算出することを特徴としている。
請求項17に示すように請求項15又は16に記載の手振れ補正方法において、前記制御目標値を制限するステップは、前記検出される光学機器の振れが、所定の制限値を越えないように制限することにより前記制御目標値を制限し、前記制限範囲を変更させるステップは、前記所定の制限値を変更することにより前記制限範囲を変更させることを特徴としている。
請求項18に示すように請求項17に記載の手振れ補正方法において、前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記所定の制限値は、前記光学系が最大の焦点距離時に前記手振れ補正機構を前記動作範囲内で移動させたときに得られる、前記光学系の光軸が変化可能な最大角度であることを特徴としている。
請求項19に示すように請求項15から18のいずれかに記載の手振れ補正方法において、前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出するステップを含み、前記制御目標値を制限するステップは、前記検出された光学機器の振れ及び前記検出された焦点距離に基づいて前記手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出することを特徴としている。
請求項20に示すように請求項19に記載の手振れ補正方法において、前記初期設定する制限範囲は、前記検出された光学系の焦点距離に基づいて前記検出された焦点距離が短い程、前記制限範囲が狭くなるように設定することを特徴としている。
請求項21に示すように請求項15から20のいずれかに記載の手振れ補正方法において、前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出するステップを含み、前記初期設定する制限範囲は、前記光学系の最大の焦点距離と前記検出された光学系の焦点距離との比と、前記手振れ補正機構の動作範囲の限界値とを乗算して得られる値が、前記制限範囲の制限値となるように該制限範囲を設定することを特徴としている。
請求項22に示すように請求項17に記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、予め設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、前記検出された現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出し、この算出した差分に対応した値を前記現在の制限値に加算し、この加算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。
請求項23に示すように請求項17に記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、予め設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、一定の拡大値を前記現在の制限値に加算し、この加算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。
請求項24に示すように請求項22又は23に記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記加算された次回の制限値が、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲を越えないように制限することを特徴としている。
請求項25に示すように請求項15から24のいずれかに記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記算出された制御目標値に基づいて前記変更した制限範囲を前記初期設定された制限範囲に戻すことを特徴としている。
請求項26に示すように請求項22に記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、前記現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出し、この算出した差分に対応した値を前記現在の制限値から減算し、この減算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。
請求項27に示すように請求項23に記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、一定の縮小値を前記現在の制限値から減算し、この減算した値を次回の制限値にすることを特徴としている。
請求項28に示すように請求項26又は27に記載の手振れ補正方法において、前記制限範囲を変更させるステップは、前記加算された次回の制限値が、前記初期設定された制限範囲内に入らないように制限することを特徴としている。
本発明によれば、手振れ補正機構の動作範囲を最大限まで利用することができるとともに、光学的性能のよい光学中心付近において手振れ補正を行うことができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る手振れ補正装置及び方法の好ましい実施の形態について説明する。
[デジタルカメラの全体構成]
図1は本発明に係る手振れ補正装置を備えたデジタルカメラの内部構成の実施の形態を示すブロック図である。
同図に示すように、このデジタルカメラ1は、中央処理装置(CPU)111、操作部112、単焦点の撮影レンズ10、フォーカス用モータドライバ115、手振れ補正装置200、タイミングジェネレータ119、CCDドライバ120、CCD13、アナログ信号処理部122、A/D変換器123、画像入力コントローラ124、画像信号処理回路125、圧縮処理回路126、ビデオエンコーダ127、画像表示装置128、バス129、メディアコントローラ130、記録メディア131、メモリ(SDRAM)132、AF検出回路133、AE検出回路134等を備えて構成される。
各部はCPU111に制御されて動作し、CPU111は、操作部112からの入力に基づき所定の制御プログラムを実行することにより、デジタルカメラ1の各部を制御する。
CPU111はプログラムROMを内蔵しており、このプログラムROMにはCPU111が実行する制御プログラムのほか、制御に必要な各種データ等が記録されている。CPU111は、このプログラムROMに記録された制御プログラムをメモリ132に読み出し、逐次実行することにより、デジタルカメラ1の各部を制御する。
尚、このメモリ132は、プログラムの実行処理領域として利用されるほか、画像データ等の一時記憶領域、各種作業領域として利用される。
操作部112は、レリーズボタン113の他、電源スイッチや撮影モードダイヤル、手振れ補正スイッチ等のカメラの一般的な操作手段を含み、操作に応じた信号をCPU111に出力する。レリーズボタン113は、半押し時にONしてフォーカスロック、測光等の撮影準備を行わせるスイッチS1と、全押し時にONして画像の取り込みを行わせるスイッチS2とを有している。
撮影レンズ10は、フォーカス用モータドライバ115に駆動されて、撮影レンズ10の光軸上を前後移動する。CPU111は、フォーカス用モータドライバ115を介して撮影レンズ10の移動を制御し、フォーカシングを行う。
手振れ補正装置200は、防振レンズ12を含む手振れ補正機構116(図3参照)と、この手振れ補正機構116を制御する手振れ補正制御部117とから構成されており、デジタルカメラ1の手振れに伴い像振れを補正する。尚、手振れ補正機構116及び手振れ補正制御部117の詳細については後述する。
被写体像は、撮影レンズ10及び防振レンズ12を介してCCD13の受光面に結像される。CCD13は、周知のように多数の受光素子がマトリクス状に配列された受光面を備えており、受光面上に結像された被写体光を、各受光素子によって電気信号に変換する。
このCCD13は、タイミングジェネレータ119からCCDドライバ120を介して供給される垂直転送クロック及び水平転送クロックに同期して、各画素に蓄積された電荷を1ラインずつシリアルな画像信号として出力する。CPU111は、タイミングジェネレータ119を制御して、CCD13の駆動を制御する。
尚、各画素の電荷蓄積時間(露出時間)は、タイミングジェネレータ119から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決められる。CPU111は、タイミングジェネレータ119に対して電荷蓄積時間を指示する。
また、画像信号の出力は、デジタルカメラ1が撮影モードにセットされると開始される。即ち、デジタルカメラ1が撮影モードにセットされると、画像表示装置128にスルー画像を表示するため、画像信号の出力が開始される。このスルー画像用の画像信号の出力は、本撮影の指示が行われると、一旦停止され、本撮影が終了すると、再度開始される。
CCD13から出力される画像信号は、アナログ信号であり、このアナログの画像信号は、アナログ信号処理部122に取り込まれる。
アナログ信号処理部122は、相関二重サンプリング回路(CDS)、及び自動ゲインコントロール回路(AGC)を含んで構成される。CDSは、画像信号に含まれるノイズの除去を行い、AGCは、ノイズ除去された画像信号を所定のゲインで増幅する。このアナログ信号処理部122で所要の信号処理が施されたアナログの画像信号は、A/D変換器123に取り込まれる。
A/D変換器123は、取り込んだアナログの画像信号を所定ビットの階調幅を持ったデジタルの画像信号に変換する。この画像信号は、いわゆるRAWデータであり、画素ごとR、G、Bの濃度を示す階調値を有している。
画像入力コントローラ124は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、A/D変換器123から出力された1コマ分の画像信号を蓄積する。この画像入力コントローラ124に蓄積された1コマ分の画像信号は、バス129を介してメモリ132に格納される。
バス129には、上記CPU111、メモリ132、画像入力コントローラ124のほか、画像信号処理回路125、圧縮処理回路126、ビデオエンコーダ127、メディアコントローラ130、AF検出回路133、AE検出回路134等が接続されており、これらはバス129を介して互いに情報を送受信できるようにされている。
メモリ132に格納された1コマ分の画像信号は、点順次(画素の順番)に画像信号処理回路125に取り込まれる。
画像信号処理回路125は、点順次に取り込んだR、G、Bの各色の画像信号に対して所定の信号処理を施し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとからなる画像信号(Y/C信号)を生成する。
AF検出回路133は、CPU111の指令に従い、画像入力コントローラ124を介してメモリ132に格納されたR、G、Bの画像信号を取り込み、AF(Automatic Focus)制御に必要な焦点評価値を算出する。このAF検出回路133は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面に設定された所定のフォーカス領域内の信号を切り出すフォーカス領域抽出部、及び、フォーカス領域内の絶対値データを積算する積算部を含み、この積算部で積算されたフォーカス領域内の絶対値データを焦点評価値としてCPU111に出力する。CPU111は、AF制御時、このAF検出回路133から出力される焦点評価値が極大となる位置をサーチし、その位置に撮影レンズ10を移動させることにより、主要被写体への焦点合わせを行う。
AE検出回路134は、CPU111の指令に従い、画像入力コントローラ124を介してメモリ132に格納されたR、G、Bの画像信号を取り込み、AE制御に必要な積算値を算出する。CPU111は、積算値から輝度値を算出し、輝度値から露出値を求める。また露出値から所定のプログラム線図に従って、絞り値及びシャッタスピードを決定する。
圧縮処理回路126は、CPU111からの圧縮指令に従い、入力された輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとからなる画像信号(Y/C信号)に所定形式(たとえば、JPEG)の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU111からの伸張指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施して、非圧縮の画像データを生成する。
ビデオエンコーダ127は、CPU111からの指令に従い、画像表示装置128への表示を制御する。
メディアコントローラ130は、CPU111からの指令に従い、記録メディア131に対してデータの読み/書きを制御する。尚、記録メディア131は、メモリカードのようにカメラ本体に対して着脱自在なものでもよいし、また、カメラ本体に内蔵されたものでもよい。着脱自在とする場合は、カメラ本体にカードスロットを設け、このカードスロットに装填して使用する。
<手振れ補正機構>
次に、本発明に係る手振れ補正装置200の手振れ補正機構116について説明する。
デジタルカメラ1は、操作部112によって、手振れONモードと手振れOFFモードとをユーザが切り替えることが可能である。手振れONモードでは、手振れがキャンセルされるように、防振レンズ12を移動制御する。手振れOFFモードでは、防振レンズ12を停止するように制御する。
図2は、デジタルカメラ1の光学系を示した図である。デジタルカメラ1の光学系は、単焦点の撮影レンズ10、及び防振レンズ12から構成されている。尚、撮影レンズ10は、2枚のレンズ10A、10Bによって構成されている。
この光学系の光軸14上にCCD13が配置されており、このCCD13は、前述したように、被写体像を電気信号に変換する。
手振れが発生すると、1フレーム内で被写体像がCCD13上で動くために、CCD13からは、ぼけた画像の電気信号が発生する。この手振れの発生を検出するために、カメラボディ又はレンズアセンブリ内に、水平方向(X方向)の角速度センサ(ジャイロセンサ)50(図6参照)及び垂直方向(Y方向)の角速度センサ(図示せず)が設けられている。これらの角速度センサは、それぞれデジタルカメラ1のX方向及びY方向の角速度を表す信号を出力する。また、角加速度を表す信号を出力するジャイロセンサを用いてもよい。
手振れが発生していないときは、防振レンズ12の光軸が、光学系の光軸14に一致している。X方向の角速度センサ50及び/又はY方向の角速度センサにより手振れが検出されると、防振レンズ12は、手振れの大きさと方向に応じて、光軸14と直交するX方向及び/又はY方向に移動する。これにより、CCD13上に形成される画像がほぼ停止した状態となり、シャープな画像を表す信号がCCD13から出力される。
次に、手振れ補正機構116について説明する。
図3は手振れ補正機構116を示す分解斜視図であり、図4はカバーが取り外されている状態の手振れ補正機構116の正面図である。また、図5は手振れ補正機構116の要部断面図である。
図3及び図4において、レンズ鏡筒15には、撮影レンズ10が取り付けられている。このレンズ鏡筒15は、レンズアセンブリに固定されている。また、レンズ鏡筒15には、X方向に延びたメインガイド軸16と、Y方向に延びたメインガイド軸17とが設けられており、また、X方向に移動可能なXスライダ18と、Y方向に移動可能なYスライダ19とが収納されている。Xスライダ18及びYスライダ19は、平面から見た形がほぼL字形をしている。
Xスライダ18には、一対の軸孔18aが形成されており、これらの軸孔18aがメインガイド軸16にスライダブリに嵌まっている。同様に、Yスライダ19の一対の軸孔19aは、メインガイド軸17にスライダブリに嵌まっている。
また、Xスライダ18には、一対の軸孔18bが形成されている。この軸孔18bは、Y方向の延びたサブガイド軸20にスライダブリに嵌まっている。Yスライダ19の一対の軸孔19bは、X方向の延びたサブガイド軸21にスライダブリに嵌まっている。
Xスライダ18には、偏平なリング状のコイル22が取り付けられている。同様に、Yスライダ19にもコイル23が取り付けられている。コイル22との間にX方向の電磁力を発生するために、永久磁石26を内側に取り付けたヨーク25がレンズ鏡筒15に取り付けられている。尚、コイル23と間にY方向の電磁力を発生するためのヨーク及び永久磁石は、図では省略してある。
レンズホルダ30は、防振レンズ12を保持している。このレンズホルダ30には、一対の穴30aが形成されており、これらにX方向の延びたサブガイド軸21の両端が嵌合され、そしてサブガイド軸21が動かないように接着剤などで固定されている。同様に、一対の穴30bにサブガイド軸20がしっかりと保持されている。
スライダ18、19を隠すように、レンズホルダ30にカバー32が配置されている。このカバー32は、レンズ鏡筒15のステップ15aに載せられている。カバー32の内面には、2個の永久磁石33、34が取り付けられている。永久磁石33はヨーク25に対面し、永久磁石34は別のヨーク(図示せず)に対面する。
図5に示すように、コイル22の両側には、永久磁石26、33が位置しており、また、ヨーク25の折り曲片25aがコイル22内に入り込んでいる。コイル22を通電すると、コイル22に発生した磁界と、永久磁石26、33の磁界により電磁力が発生する。この電磁力は、コイル22の電流の向きに応じて、+X方向又は−X方向に作用し、Xスライダ18を+X方向又は−X方向に移動する。同様に、コイル23に通電すると、コイル23に発生した磁界と、図示しない永久磁石及び永久磁石34の磁界から発生した電磁力により、Yスライダ19を+Y方向又は−Y方向に移動する。
また、レンズ鏡筒15の穴15b、15cには、Xホール素子40、Yホール素子41が収納されている。Xホール素子40は、Xスライダ18の下面に埋め込まれた小さな磁石42の磁界に応答して電圧を発生する。この電圧は、Xスライダ18のX方向での位置に対応している。また、Yホール素子41も、Yスライダ19の下面に埋め込まれた磁石43の磁界に応答して電圧を発生し、この電圧はYスライダ19のY方向での位置に対応している。
各ホール素子40、41は、防振レンズ12の位置に応じて、例えば0〜5Vの電圧範囲の信号を発生する。各ホール素子40、41の出力信号が2.5V(基準電圧)のときには、Xスライダ18はX基準位置に位置し、Yスライダ19がY基準位置に位置している。この状態では、防振レンズ12の光軸が光学系の光軸14に一致している。
次に、手振れ補正機構116の作用について説明する。
撮影準備のためにデジタルカメラの電源をONにすると、手振れ補正制御部117(図6参照)は、基準電圧(2.5V)を制御目標値信号とする。そして、手振れ補正制御部117は、各ホール素子40、41の出力信号が制御目標値信号である基準電圧に到達するように、コイル22、23に供給する電流の向き及び大きさをフィードバック制御する。このフィードバック制御により、Xスライダ18はX基準位置に向けて移動され、Yスライダ19はY基準位置に向けて移動される。スライダ18、19が基準位置にセットされると、防振レンズ12の光軸が光学系の光軸14に一致する。手振れOFFモードでは、手振れがあっても、制御目標値信号は基準電圧に保たれる。これにより、レンズホルダ30は手振れがあっても、停止したままとなる。
手振れONモードでは、手振れに応じて防振レンズ12がレンズホルダ30とともに移動する。X方向の手振れはX方向の角速度センサ50で検知され、またY方向の手振れはY方向の角速度センサで検知される。手振れが発生すると、各角速度センサは角速度信号を発生する。各角速度センサの角速度信号は個別に積分され、X方向とY方向の角度信号にそれぞれ変換される。この角度信号は、この角度(振れ角)に相当する像ぶれを補正するための防振レンズ12の直線移動に相当したレンズ変位量信号に変換される。得られたレンズ変位量信号は、基準電圧(2.5V)に加算されて、制御目標値信号となる。
ここで、レンズ変位量信号は、手振れの方向に応じて正負の符号を有するため、制御目標値信号は、基準電圧(2.5V)を中心にして変化する。
例えば、+X方向に手振れが発生すると、それを補正するためのレンズ変位量信号が基準電圧に加算されて、制御目標値信号が算出される。次に、X方向のホール素子40の出力信号が制御目標値信号となるように、コイル22の電流の向き及び大きさが決められる。このコイル22の通電により発生した磁界と、永久磁石26、33の磁界とにより、−X方向の電磁力がコイル22に作用する。この電磁力により、Xスライダ18は、メインガイド軸16に沿って−X方向に移動する。また、Xスライダ18はサブガイド軸20を介してレンズホルダ30に連結されているため、Xスライダ18は、レンズホルダ30を−X方向に押す。
ここで、レンズホルダ30に固定されたサブガイド軸21は、Yスライダ19の軸孔19bにガイドされる。これにより、Xスライダ18とレンズホルダ30は、メインガイド軸16及びYスライダ19の一対の軸孔19aにガイドされながら一緒に移動する。
Xスライダ18が、制御目標値信号に対応したレンズ位置まで移動すると、X方向のホール素子40の出力信号が制御目標値信号に一致する。これにより、CCD13上に形成される画像は殆ど移動しない。したがって、CCD13からは、鮮明な画像の電気信号が発生する。
手振れが停止すると、レンズ変位量信号は徐々に0に戻るように制御され、その結果、制御目標値信号は基準電圧(2.5V)となり、X方向のホール素子40の出力信号が基準電圧に戻るように、コイル22の電流の向き及び大きさが決定される。これにより、Xスライダ18がX基準位置に向けて徐々に移動する。Xスライダ18がX基準位置に戻った後は、このX基準位置に維持されるように、コイル22の電流の向きと大きさが制御される。レンズホルダ30は、Xスライダ18と一緒に戻るから、防振レンズ12の光軸が光学系の光軸14に一致した状態となる。
−X方向の手振れが発生すると、手振れの大きさに応じた値を持ったプラスのレンズ変位量信号が基準電圧に加算され、制御目標値信号が算出される。X方向のホール素子40の出力信号が制御目標値信号になるように、コイル22の電流の向き及び大きさが決められる。このコイル22の通電により、Xスライダ18は、メインガイド軸16に沿って+X方向に移動する。−X方向の手振れがなくなると、Xスライダ18はX基準位置に徐々に戻し、そして、Xスライダ18をX基準位置に維持する。このときには、防振レンズ12の光軸は光学系の光軸14に一致している。
Y方向の手振れに対しても同様である。このY方向の手振れに対しては、コイル23によってYスライダ19をY方向に移動する。このときにサブガイド軸21を介してレンズホルダ30がY方向に押される。Yスライダ19は、メインガイド軸17にガイドされ、レンズホルダ30のサブガイド軸20は、Xスライダ18の軸孔18bにガイドされる。レンズホルダ30が、Yスライダ19と一緒にY方向に移動すると、Y方向の手振れによる画像の移動が防止され、CCD13上に形成される画像はほぼ停止する。Y方向の手振れがなくなると、Yスライダ19は、Y基準位置に徐々に戻される。
実際の手振れは、X方向とY方向の両方で発生するため、レンズホルダ30がX方向とY方向の両方へ同時に移動する。
<手振れ補正制御部>
図6は主として図1に示した手振れ補正制御部117の内部構成の実施の形態を示すブロック図である。尚、手振れ補正制御部117は、水平方向(X方向)の手振れ補正制御部と、垂直方向(Y方向)の手振れ補正制御部の2系統を有するが、図6上では、説明を簡単にするためにX方向の手振れ補正制御部のみを示している。
図6において、X方向の角速度センサ50は、デジタルカメラ1の水平方向(X方向)の角速度を検出し、検出した角速度に対応する角速度信号(電圧信号)をアナログのハイパスフィルタ(HPF)204に出力する。HPF204は、入力する角速度信号の直流成分を除去し、これをアナログアンプ206を介してAD変換器208に出力する。
AD変換器208は入力するアナログの角速度信号をデジタルの角速度信号に変換し、これをデジタルのHPF210に出力する。HPF210は、DC(基準値)を検出するローパスフィルタ(LPF)210Aと、減算器210Bとから構成されており、減算器210Bは、角速度信号からLPF210Aにて検出された基準値を減算する。これにより、手振れとは見なせない低い周波数の角速度信号を除去する。
デジタルのHPF210から出力された角速度信号は、積分回路212によって積分され、ここで角度(振れ角)信号に変換される。
即ち、積分回路212は、まず入力する角速度信号A1を積分して角度信号An+1に変換する。この積分には次式が使われる。
[数1]
n+1=(A1−A)×α+A
ここで、αは係数であり、Aはレジスタから読み出した前回の積分値である。
上記積分により、手振れによって発生した光学系の傾き角度が算出される。得られた角度信号An+1は、積分リミッタ214に送られる。この積分リミッタ214は、傾き角度がリミット角度を越えた場合には、越えた部分がカットされる。したがって、角度信号An+1の最大値は、リミット角度である。
尚、積分リミッタ214のリミット角度(振れ角の上限値及び下限値の各制限値)は、コントローラ240から与えられるが、この制限値の詳細については後述する。
積分リミッタ214から出力される角度信号は、位相補償回路216に加えられる。位相補償回路216は、上記演算等によって実際の角度よりも遅れた角度信号の遅れ補償を行う。
位相補償された角度信号は、制御目標値演算回路218に加えられ、ここで、デジタルカメラ1の手振れに伴う像振れを補正するための防振レンズ12の移動すべきX方向のレンズ位置を示す制御目標値に変換される。
制御目標値演算回路218によって演算された制御目標値は、制御目標値リミッタ220に加えられる。制御目標値リミッタ220には、コントローラ240によって手振れ補正機構(防振レンズ12)の動作範囲の上限値及び下限値を示す各限界値が設定されており、制御目標値リミッタ220は、入力する制御目標値が、予め設定された動作範囲を越えないように制御目標値を制限する。
尚、動作範囲の限界値は、手振れ補正機構が機械的に接触する限界値(メカ限界)よりも所定量だけ内側の位置である。
制御目標値リミッタ220から出力された制御目標値は、減算器222の正入力に加えられる。減算器222に負入力には、防振レンズ12の現在位置を示すレンズ位置信号が加えられており、減算器222は、制御目標値とレンズ位置信号(現在位置)との差分を求め、この差分を防振レンズ12の操作量として出力する。
防振レンズ12の現在位置は、ホール素子40によって検出されるようになっている。即ち、ホール素子40は、防振レンズ12のレンズ位置に対応する検出信号(電圧信号)を出力し、この検出信号をアンプ224を介してAD変換器226に出力する。AD変換器226は入力するレンズ位置を示すアナログ信号をデジタル信号に変換し、これを防振レンズ12の現在位置を示すレンズ位置信号として減算器222に負入力に出力する。
減算器222から出力された操作量は、位相補償回路228によって位相補償された後、モータドライバ230に加えられる。モータドライバ230は、入力する操作量に対応してパルス幅変調(PWM)した駆動信号を生成し、この駆動信号を、図3に示したコイル22(ボイスコイルモータ(VCM)232)に出力する。
これにより、防振レンズ12は、操作量に対応した移動量だけX方向に駆動され、撮影装置のX方向の手振れによる像振れが生じないように制御される。尚、X方向の手振れと同様に、Y方向の手振れも補正される。
コントローラ240は、積分回路212、積分リミッタ214及び制御目標値リミッタ220を制御するもので、積分回路212から積分結果(角度信号)を入力し、AD変換器226から防振レンズ12のレンズ位置信号を入力し、動作範囲設定部242からは動作範囲を示す上限値及び下限値を示す信号を入力し、CPU111(図1参照)からは撮影装置の動作状態に関する信号(撮影動作、手振れON/OFFモード等の信号)を入力する。
動作範囲設定部242は、手振れ補正機構(防振レンズ12)の動作範囲の上限値及び下限値を示す各限界値が設定され、コントローラ240は、ここで設定された動作範囲の限界値を制御目標値リミッタ220に設定する。尚、制御目標値リミッタ220に設定される動作範囲の限界値は、コントローラ240からの指令によらず、予め固定値として設定してもよい。
また、コントローラ240は、CPU111から手振れOFFモードを示す信号を入力すると、積分回路212の積分値(角度)を0にリセットするとともに、積分回路212での積分動作を停止(又は0を積分)させる。これにより、防振レンズ12の動作範囲の中心位置を0とした場合、制御目標値は0となり、防振レンズ12は、その動作範囲の中心位置で停止した状態となる。
一方、コントローラ240は、CPU111から手振れONモードを示す信号を入力すると、積分回路212での積分動作を可能にする。また、CPU111は、二段ストロークの半押し時にONするスイッチS1と、全押し時にONするスイッチS2の信号をコントローラ240に出力する。
コントローラ240は、手振れONモードにおいては、積分回路212での積分動作を可能にするが、スイッチS1のON、スイッチS2のON以外の期間では、積分結果(角度)をわずかに小さくする値に補正し、防振レンズ12を光学中心に徐々に戻すようにする。これにより、防振精度は低下するが、防振動作ができなくなることを回避することができる。一方、スイッチS1のON、又はスイッチS2のONの期間では、積分結果(角度)を補正する処理を行わないようにし、この期間での防振精度を上げる。
更に、コントローラ240は、積分回路212によって算出される現在の振れ角、及びホール素子40等によって検出される防振レンズ12の現在のレンズ位置に基づいて、積分リミッタ214の上限値及び下限値の各制限値を変更する。尚、積分リミッタ214の制限値を変更する制御の詳細については後述する。
[手振れ補正方法]
<第1の実施の形態>
図7は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第1の実施の形態を示す概念図である。
図7は時間とともに変化する防振レンズ12の移動位置の一例を示しており、防振レンズ12の動作範囲の中心(撮影レンズ、防振レンズ12の光学中心)から一方向側に移動している場合に関して示している。
図7において、+Aは、防振レンズ12のメカ限界の上限値を示し、+Bは、メカ限界の内側の動作範囲の上限値を示し、+Cは、防振レンズ12の動作を一時的に制限する制限範囲の上限値を示している。尚、図示していないが、これらの上限値とは対称の位置に、動作範囲及び制限範囲を規定する下限値(−B,−C)が設定されている。
いま、デジタルカメラ1の手振れとして、パンニング動作、又はチルティング動作等に近い一方向の振れが検出されると、この振れに伴う像振れを防止するために、防振レンズ12は時間経過とともに一方向(図7上で防振レンズ12の動作範囲の中心からプラス方向)に移動させられる。尚、パンニング動作は、動いている被写体を追いかけるカメラ操作であるため、パンニング判定には、焦点距離や被写体距離等のカメラの撮影条件を考慮するようにしてもよい。
そして、防振レンズ12の位置が制限範囲の上限値(+C)に到達すると、防振レンズ12の移動は上限値(+C)を越えないように制限させられる。防振レンズ12の移動が制限範囲によって制限された状態で、一定の条件が成立すると、その制限が解除される。
ここで、一定の条件としては、一方向の振れが所定時間連続した場合、防振レンズ12の移動すべき位置が所定時間連続して制限範囲を越えている場合、防振レンズ12の移動すべき位置が制限範囲を所定の閾値以上越えている場合、最新の一定期間の防振レンズ12の移動すべき位置の平均値が制限範囲を越えている場合等が考えられる。
いま、時刻t1において、一定の条件が成立したと判定されると、初期設定された制限範囲が拡大されるようにその上限値Cを変更する。この第1の実施の形態では、制限範囲の上限値Cを動作範囲の上限値(+B)と同じ上限値(+C’)に変更する。これにより、移動が制限されていた防振レンズ12は動作可能となり、パンニング動作等に近い一方向の振れが継続していると、その振れに伴う像振れを防止するために、防振レンズ12は再び一方向に移動する。
その後、時刻t2において、パンニング動作等に近い一方向の振れが終了し、手振れが検出されると、その手振れに伴う像振れを防止するために、防振レンズ12は振動させられる。
ここで、上記と同様な状況において、制限範囲を設けない場合には、防振レンズ12は、一点鎖線で示すように移動し、時刻t2には、動作範囲の上限値(+B)に到達する。従って、時刻t2において、パンニング動作等に近い一方向の振れが終了し、手振れが検出されても、防振レンズ12は、動作範囲に制限されて適正に振動させることができないという問題がある。
また、制限範囲を設けた場合には、制限範囲を設けない場合に比べて、図7上で、距離Lだけ防振レンズ12を、光学的性能の高い光学中心に近い位置で振動させることができる利点がある。
一方、制限範囲の上限値(+C)を上限値(+C’)に変更した後、制御目標値又は防振レンズ12の位置が初期設定された制限範囲(制限値±C)内に入り、一定の条件が成立すると、変更した制限範囲の上限値(+C’)を初期設定された制限範囲の上限値(+C)に戻す。例えば、現在の制御目標値が、初期設定された制限範囲の上限値(+C)よりも十分に内側(適正な手振れ補正が可能な位置)に入ると、変更された制限範囲の上限値(+C’)を初期設定された制限範囲の上限値(+C)に戻す。
尚、現在の制限目標値としては、最新の一定期間内の制限目標値の平均値を使用してもよい。
また、図7に示した例では、時刻t2において、パンニング動作等に近い一方向の振れが終了し、この時点t2から手振れに伴う像振れを防止する場合について説明したが、制限範囲の上限値(+C)を、動作範囲の上限値(+B)と同じ上限値(+C’)に変更した場合には、防振レンズ12をその上限値(+C’)まで移動させることができることは言うまでもない。更に、最終的に防振レンズ12が動作範囲の上限値(+B)と同じ上限値(+C’)に到達するまでの時間は、制限範囲を設けない場合に比べて長くなり、その長くなった分だけ、適正に手振れ補正をかけられる時間を延ばすことができる。
図8は本発明に係る手振れ補正方法の第1の実施の形態における手振れ補正処理を示すフローチャートである。
デジタルカメラ1が手振れONモードに切り替えられると、図6に示した角速度センサ50、積分回路212等によりデジタルカメラ1の手振れによる角度(振れ角)を検出する(ステップS10)。この検出されたデジタルカメラ1の振れに基づいて手振れ補正機構116(防振レンズ12)を駆動するための制御目標値を算出する(ステップS12)。
続いて、ステップS12で算出された制御目標値が、制限範囲内か否かを判別する(ステップS14)。尚、制限範囲は、図7に示したように制限値(±C)によって初期設定された制限範囲と、動作範囲の限界値(±B)に対応する制限値(±C’)に変更された制限範囲とがある。
制御目標値が、制限範囲内にある場合には、その制限範囲が初期設定された制限範囲から変更されているか否かを判別する(ステップS16)。制限範囲が変更されていない場合(初期設定された制限範囲の場合)には、制御目標値に基づいて手振れ補正機構(防振レンズ12)を駆動し、これにより像振れを補正する(ステップS18)。
一方、ステップS14において、制御目標値が制限範囲を越えたことが判別されると、ステップS20に遷移させる。ステップS20では、制御目標値が制限範囲に入るように制御目標値を制限する。
ここで、制限範囲の設定(制限範囲の上限値及び下限値の設定)は、図6に示した積分リミッタ214のリミット値を設定することによって行っている。即ち、制御目標値は、デジタルカメラ1の振れ角に対応しており、防振レンズ12の移動範囲を制限する制限範囲も角度範囲によって設定することができる。上記ステップS20の処理は、積分リミッタ214によって積分結果(振れ角)を制限することにより、その後、振れ角から変換される制御目標値を制限するようにしている。
続いて、制御目標値が制限されている状態で、一定の条件が検出されたか否かを判別する(ステップS22)。例えば、パンニング動作等に近い一方向の振れが所定時間連続した場合等を検出し、一定条件が検出された場合には、ステップS24に遷移し、一定条件が検出されない場合には、ステップS18に遷移する。
ステップS24では、図7に示した初期設定された制限範囲(制限値±C)を、動作範囲(限界値±B)と同じ制限範囲(制限値±C’)に変更する。この制限範囲の変更も図6に示した積分リミッタ214のリミット値を設定することによって行っている。また、これらの積分リミッタ214のリミット値の設定は、コントローラ240からの指令によって行われる。
一方、ステップS16において、制限範囲が初期設定された範囲から変更されていると判別されると、ステップS26に遷移する。ステップS26では、変更された制限範囲(制限値±C’)を変更前の制限範囲(制限値±C)に復帰させる条件が成立したか否かを判別する。例えば、現在の制御目標値が、初期設定された制限範囲の制限値よりも十分に内側(適正な手振れ補正が可能な位置)に入った場合、現在の制御目標値が、初期設定された制限範囲に入っている状態が一定時間継続している場合等を判別する。
ステップS26で制限範囲(制限値±C’)を初期設定された制限範囲(制限値±C)に復帰させる条件が成立したことが判別されると、ステップS28に遷移し、ここで、現在の制限範囲(制限値±C’)を、初期設定された制限範囲(制限値±C)に戻す。
尚、第1の実施の形態における制限範囲の変更(及び復帰)の条件は、この実施の形態に限定されない。
<第2の実施の形態>
図9は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第2の実施の形態を示す概念図である。
図9は、図7と同様に時間とともに変化する防振レンズ12の移動位置の一例を示しており、防振レンズ12の動作範囲の中心から一方向側に移動している場合に関して示している。
図9において、デジタルカメラ1の手振れとして、パンニング動作、又はチルティング動作等に近い一方向の振れが検出されると、この振れに伴う像振れを防止するために、防振レンズ12は時間経過とともに一方向(図9上で防振レンズ12の動作範囲の中心からプラス方向)に移動させられる。
そして、防振レンズ12の位置が制限範囲の上限値(+C)に到達すると、防振レンズ12の移動は上限値(+C)を越えないように制限させられる。防振レンズ12の移動が制限範囲によって制限された状態で、パンニング動作、チルティング動作等に近い一方向の振れが検出され(時刻t1)、その後、一方向の振れ検出が終了すると(時刻t2)、制限範囲(制限値±C)を拡大した制限範囲(制限値±C’)に変更し、これにより時刻t2から直ちに適正な手振れ補正ができるようにしている。
即ち、時刻t2において、初期設定された制限範囲を維持すると、この制限範囲(上限値+C)の制限により、マイナス方向の振れ補正しかできないという問題がある。また、制御目標値は徐々に光学系の光学中心に戻すように生成され、これにより防振レンズ12の振動中心は、光学中心に戻されるように制御されるが、防振レンズ12が制限端から光学中心にある程度戻るまでには時間がかかり、この間の手振れ補正は適正に行うことができない。特に、レリーズボタン113の押下時に適正な手振れ補正が行われないと、ぼけた画像が撮影されることになる。
そこで、第2の実施の形態では、初期設定された制限範囲(制限値±C)によって防振レンズ12の移動範囲を制限するが、上記のようにパンニング動作等の終了が検出されると、直ちに適正な手振れ補正ができるように、初期設定された制限範囲(制限値±C)を制限範囲(制限±C’)に広げるようにしている。尚、レリーズボタン113の押下時(スイッチS1のON、又はスイッチS2のON時)に、防振レンズ12が制限範囲(制限値±C)の端付近に位置している場合には、その制限範囲(制限値±C)を制限範囲(制限値±C’)に広げるようにしてもよい。
また、初期設定された制限範囲(制限値±C)によって防振レンズ12の移動範囲を制限することにより、防振レンズ12を、光学的性能の高い光学中心に近い位置で振動させることができる利点がある。
一方、上記と同様な状況において、制限範囲を設けない場合には、防振レンズ12は、一点鎖線で示すように移動し、時刻t2には、動作範囲の上限値(+B)に到達する。従って、時刻t2において、パンニング動作等に近い一方向の振れが終了し、手振れが検出されても、防振レンズ12は、動作範囲に制限されて適正に振動させることができないという問題がある。また、制限範囲を設けない場合には、防振レンズ12が、光学的性能の低い光学中心から離れた動作範囲の限界近傍で動作するという問題がある。
尚、この第2の実施の形態における手振れ補正処理は、第1の実施の形態と同様に行われる(図8のフローチャート参照)。ただし、第1の実施の形態と第2の実施の形態とは、制限範囲を変更する条件や、変更する制限範囲が異なっている。
<第3の実施の形態>
図10は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第3の実施の形態を示す概念図である。
図10は、図7と同様に時間とともに変化する防振レンズ12の移動位置の一例を示しており、防振レンズ12の動作範囲の中心から一方向側に移動している場合に関して示している。
図10において、デジタルカメラ1の手振れとして、パンニング動作、又はチルティング動作等に近い一方向の振れが検出されると、この振れに伴う像振れを防止するために、防振レンズ12は時間経過とともに一方向(図10上で防振レンズ12の動作範囲の中心からプラス方向)に移動させられる。
そして、防振レンズ12の位置が制限範囲の上限値(+C)に到達すると、防振レンズ12の移動は上限値(+C)を越えないように制限させられるとともに、初期設定された制限範囲の上限値(+C)に、一定の拡大値を加算し、この加算した上限値(+C’)を有する制限範囲を、次回の制限範囲にする。即ち、現在の制限目標値が現在の制御範囲を超えた場合には、次回の制御範囲を一定値だけ拡大する。尚、現在の制限目標値としては、最新の一定期間内の制限目標値の平均値を使用してもよい。
これにより、パンニング動作等に近い一方向の振れが連続して検出されると、制限範囲(上限値+C’)は、徐々に拡大される。
図10に示すように、制限範囲を設けない場合には、防振レンズ12は、一点鎖線で示すように移動し、時刻t2には、動作範囲の上限値(+B)に到達するが、第3の実施の形態のように徐々に拡大する制限範囲を設定することにより、時刻t2においても動作範囲の限界付近には到達せず、防振レンズ12を、より光学的性能の高い光学中心に近い位置で振動させることができる。
尚、図10上において、時刻t1から時刻t2の間で徐々に拡大される制限範囲の傾きは、加算する拡大値の大きさによって決定される。拡大値が大きすぎる場合には、防振レンズ12が動作範囲の限界付近に移動しやすくなり、一方、拡大値が小さすぎる場合には、時刻t1から時刻t2の間での手振れ補正の制限を大きく受けるため、手振れ補正の精度が低下する。したがって、拡大値の大きさは、これらの事情を鑑みて適正な値に設定する必要がある。
一方、現在の制限範囲の上限値(+C’)に対して、制御目標値又は防振レンズ12の現在位置が、上限値(+C’)よりも一定値(例えば、上記拡大値)以上小さい場合には、上限値(+C’)から一定の縮小値(拡大値と同じ大きさでもよいし、異なっていてもよい)を減算し、これを次回の制限範囲とする。これにより、変更した制限範囲を初期設定した制限範囲に徐々に戻すことができる。
尚、図10に示した例では、時刻t2において、パンニング動作等に近い一方向の振れが終了し、この時点t2から手振れに伴う像振れを防止する場合について説明したが、制限範囲の上限値(+C)を、最終的には動作範囲の上限値(+B)まで変更できるようにしたため、防振レンズ12を動作範囲の上限値(+B)まで移動させることができることは言うまでもない。更に、最終的に防振レンズ12が動作範囲の上限値(+B)に到達するまでの時間は、制限範囲を設けない場合に比べて長くなり、その長くなった分だけ、適正に手振れ補正をかけられる時間を延ばすことができる。
図11は本発明に係る手振れ補正方法の第3の実施の形態における手振れ補正処理を示すフローチャートである。尚、図8に示したフローチャートと共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11に示す第3の実施の形態の手振れ補正処理は、図8に示したステップS22、S24、及びステップS26、S28の処理の代わりに、それぞれステップS30、及びステップS32の処理を行う点で相違する。
即ち、第1の実施の形態では、制御目標値が初期設定された制限範囲を越え、かつ一定条件(パンニング動作に近い一方向の振れ等)が検出された場合に、初期設定された制限範囲を拡大するようにしているが、第3の実施の形態では、ステップS30に示すように、一定の条件の検出等は行わず、現在の制限範囲の制限値を所定量(一定の拡大値)だけ拡大し、これを次回の制限範囲に設定するようにしている。
同様に、制限範囲を戻す場合も、ステップS32に示すように、制限範囲を戻すための条件の検出を行わず、現在の制限範囲の制限値を所定量(一定の縮小値)だけ縮小し、これを次回の制限範囲に設定するようにしている。
<第3の実施の形態の変形例>
第3の実施の形態では、現在の制御目標値が現在の制限範囲を越えると、一定の拡大値ずつ拡大し、また、現在の制御目標値が現在の制限範囲よりも下回った場合には、一定の縮小値ずつ縮小して初期設定された制限範囲に戻すようにしたが、第3の実施の形態の変形例では、現在の制御目標値が現在の制限範囲の制限値を越える場合には、その超過量(現在の制御目標値と制限値との差分)を算出し、この差分に対応した値を現在の制限値に加算し、この加算した値を次回の制限値にするようにしている。
同様に、現在の制御目標値が現在の制限範囲の制限値を下回った場合には、その下回った量(現在の制御目標値と制限値との差分)を算出し、この差分に対応した値を現在の制限値から減算し、この減算した値を次回の制限値にするようにしている。
尚、現在の制御目標値(振れに相当)としては、最新の一定期間内に検出された振れの平均値を使用してもよい。また、前記算出した差分に対応した値としては、例えば、前記差分に対して1よりも小さい値を乗算した値とすることができる。
この第3の実施の形態の変形例における手振れ補正処理は、第3の実施の形態と同様に行われる(図11のフローチャート参照)。ただし、ステップS30、S32の所定量の代わりに、現在の制御目標値と制限値との差分に対応した値を使用する点で相違する。
<第4の実施の形態>
図12は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第4の実施の形態を示す概念図である。
図12に示す第4の実施の形態は、図9に示した第2の実施の形態と、図10に示した第3の実施の形態とを合体させたものである。
即ち、デジタルカメラ1の手振れとして、パンニング動作、又はチルティング動作等に近い一方向の振れが検出され、この振れに伴う像振れを防止するために、防振レンズ12を時間経過とともに一方向に移動させる。そして、防振レンズ12の位置が、時刻t1に制限範囲の上限値(+C)に到達すると、その後、制限範囲を徐々に拡大する。以上の制限範囲の制御は、第3の実施の形態と同様である。
一方、パンニング動作等の一方向の振れ検出の終了時、又はレリーズボタン113の押下時(時刻t2)に、現在の制限範囲を一定量ΔX(図12上では、プラス方向の手振れ補正も適正に行うことができる値)だけ拡大し、これにより時刻t2から直ちに適正な手振れ補正ができるようにしている。この制限範囲の制御は、第2の実施の形態と同様である。
尚、図12に示した例では、時刻t2において、パンニング動作等に近い一方向の振れが終了し、この時点t2から手振れに伴う像振れを防止する場合について説明したが、制限範囲の上限値(+C)を、最終的には動作範囲の上限値(+B)まで変更できるようにしたため、防振レンズ12を動作範囲の上限値(+B)まで移動させることができることは言うまでもない。更に、最終的に防振レンズ12が動作範囲の上限値(+B)に到達するまでの時間は、制限範囲を設けない場合に比べて長くなり、その長くなった分だけ、適正に手振れ補正をかけられる時間を延ばすことができる。
<第5の実施の形態>
第1の実施の形態から第4の実施の形態は、単焦点の撮影レンズ10を有するデジタルカメラ1に本発明に係る手振れ補正装置200を適用した場合の実施の形態であるが、第5の実施の形態は、焦点距離が変更可能な撮影レンズを有するデジタルカメラに本発明に係る手振れ補正装置を適用した場合の実施の形態である。
図13は本発明に係る手振れ補正装置を備えたデジタルカメラの内部構成の他の実施の形態(第5の実施の形態)を示すブロック図である。
尚、図1に示した実施の形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第5の実施の形態のデジタルカメラ1’では、図1に示した実施の形態のデジタルカメラ1と比較して、単焦点の撮影レンズ10の代わりに、ズームレンズ11A及びフォーカスレンズ11Bを有する焦点距離が変更可能な撮影レンズ11を備えている点で相違する。また、ズームレンズ11Aを移動させ、焦点距離を変更させるズーム用モータドライバ114を備えている。
更に、手振れ補正装置200’、及び手振れ補正制御部117’は、撮影レンズ11の焦点距離に応じて制限範囲を設定し、また、制御目標値等を算出する点で、図1に示した手振れ補正装置200、及び手振れ補正制御部117と相違する。
更に、CPU111は、操作部112でのズーム操作に応じて移動させられたズームレンズ11Aの焦点距離を検出し、この焦点距離を示す焦点距離信号を手振れ補正制御部117’に出力する。
図6において、制御目標値演算回路218は、位相補償回路216から入力する振れ角を示す角度信号と、CPU111から入力する現在の撮影レンズ11の焦点距離情報とに基づいて制御目標値を演算する。
即ち、制御目標値演算回路218は、入力する角度信号と、焦点距離情報に基づいて図示しないメモリから読み出されたメカ係数γとを乗算し、振れを補正するための防振レンズ12の変位量(制御目標値)を算出する。
メカ係数γは、撮影レンズ11の焦点距離に応じた値となっており、焦点距離が大きいほどメカ係数γの値が大きい。実際には、メカ係数γは、焦点距離の外に、コイル22、23の変換効率などを考慮して決められている。各焦点距離におけるメカ係数γとしては、例えば、図14に示す数値が用いられる。このメカ係数γにより、同じ手振れであっても、焦点距離が長いときは、焦点距離が短いときに比べて、防振レンズ12の移動量が大きくなるように制御目標値が算出される。
次に、コントローラ240によって初期設定される積分リミッタ214のリミット角度及び変更されるリミット角度について説明する。
いま、撮影レンズ11が望遠端(テレ端)に位置している状態で、防振レンズ12を、図7等に示した防振レンズ12の動作範囲の限界値(±B)に移動させた場合に、像ぶれの補正が可能な最大角度が、±βとすると、コントローラ240は、この最大角度(±β)を積分リミッタ214に初期設定する。この初期設定されるリミット角度は、撮影レンズ11の焦点距離に関係なく、一定の値である。
このようにして撮影レンズ11の焦点距離に関係なく、一定のリミット角度を設定することにより、リミット角度と、焦点距離に応じたメカ係数γとの乗算値に基づいて初期設定される制限範囲の制限値(±C)は、結果的に、最大の焦点距離(又はこれに対応するメカ係数γ)と現在の焦点距離(又はこれに対応するメカ係数γ)との比と、動作範囲の限界値(±B)とを乗算して得られる値となる。
ところで、図7等に示した制限範囲は、防振レンズ12の移動を一時的に制限する範囲であるが、積分リミッタ214に初期設定するリミット角度を、上記の角度(±β)に設定すると、撮影レンズ11がテレ端の場合の制限範囲の制限値(±C)は、防振レンズ12の移動可能な動作範囲の限界値(±B)と一致し、これ以上拡大することはできない。
従って、撮影レンズ11がテレ端以外の焦点距離の場合に、制限範囲を拡大することができる。
また、本発明では、初期設定された制限範囲を変更できるようにしたが、撮影レンズ11のズーム倍率が低い程、変更できる範囲を広くすることができる。
即ち、コントローラ240は、CPU111から現在の撮影レンズ11の焦点距離情報を入力しており、積分リミッタ214の初期設定されたリミット角度を変更する場合には、現在の撮影レンズ11の焦点距離に応じて変更する。
例えば、撮影レンズ11のズーム倍率が6倍(撮影レンズ11のテレ端の焦点距離とワイド端の焦点距離との比が6)の場合、撮影レンズ11がワイド端のときの制限範囲(±C)は、動作範囲の約6分の1となり、初期設定された制限範囲は、約6まで拡大することができる。
従って、積分リミッタ214に初期設定するリミット角度(±β)が、例えば、±0.5°の場合には、撮影レンズ11がワイド端のときには、リミット角度を6倍の角度(±3°)まで変更することができる。
尚、この実施の形態では、防振レンズ12を移動させて像振れを補正するようにしたが、これに限らず、例えば、CCD、CMOS等のイメージセンサを光軸と直交する方向に移動させて像ぶれを補正するようにしてよい。また、本発明に係る手振れ補正装置は、デジタルカメラに限らず、銀塩カメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話、望遠鏡、双眼鏡等の光学系を有する光学機器であれば、如何なるものにも適用できる。
更に、本発明は上述した実施の形態に限定されず、各実施の形態を適宜組み合わせてもよく、また、当業者には本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもなく、例えば、制限範囲の変更方法等は多様な変形が考えられる。
図1は本発明に係る手振れ補正装置を備えたデジタルカメラの内部構成の実施の形態を示すブロック図である。 図2はデジタルカメラの光学系を示した図である。 図3は手振れ補正機構の実施の形態を示す分解斜視図である。 図4はカバーが取り外されている状態の手振れ補正機構の正面図である。 図5は手振れ補正機構の要部断面図である。 図6は手振れ補正制御部の内部構成の実施の形態を示すブロック図である。 図7は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第1の実施の形態を示す概念図である。 図8は本発明に係る手振れ補正方法の第1の実施の形態における手振れ補正処理を示すフローチャートである。 図9は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第2の実施の形態を示す概念図である。 図10は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第3の実施の形態を示す概念図である。 図11は本発明に係る手振れ補正方法の第3の実施の形態における手振れ補正処理を示すフローチャートである。 図12は本発明に係る手振れ補正方法によって手振れ補正する場合の第4の実施の形態を示す概念図である。 図13は本発明に係る手振れ補正装置を備えたデジタルカメラの内部構成の他の実施の形態(第5の実施の形態)を示すブロック図である。 図14はレンズの変位量を算出するための各焦点距離におけるメカ係数γについて示した図表である。
符号の説明
1…デジタルカメラ、10、11…撮影レンズ、12…防振レンズ、13…CCD、15…レンズ鏡筒、18…Xスライダ、19…Yスライダ、22…コイル、25…ヨーク、26…永久磁石、33…永久磁石、40…Xホール素子、41…Yホール素子、50…角速度センサ、70…減算器、71…アンプ・定電流回路、72…Xドライバ、73…A/D変換器、74…ゲイン算出部、111…CPU、112…操作部、116…手振れ補正機構、117、117’…手振れ補正制御部、200、200’…手振れ補正装置、212…積分回路、214…積分リミッタ、218…制御目標値演算回路、220…制御目標値リミッタ、222…減算器、230…モータドライバ、232…ボイスコイルモータ、240…コントローラ、242…動作範囲設定部

Claims (28)

  1. 光学機器の振れを検出する手振れ検出手段と、
    前記光学機器の手振れを補正するための手振れ補正機構と、
    前記手振れ検出手段によって検出された振れに基づいて前記手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出する演算手段と、
    前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲よりも狭い範囲であって、一時的な動作範囲の制限を行う制限範囲を初期設定する制限範囲設定手段と、
    前記手振れ補正機構による手振れ補正が前記制限範囲によって制限されないように、前記制限範囲を少なくとも前記動作範囲内で変更させる制限範囲変更手段と、
    前記演算手段によって算出された制御目標値に基づいて前記手振れ補正機構を駆動して手振れ補正を行う制御手段であって、前記演算手段によって算出された制御目標値が前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲又は前記制限範囲変更手段によって変更された制限範囲を越える場合に、前記制限範囲を越えないように前記制御目標値を制限する制御手段と、
    を備え
    前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段の検出出力に基づいて一方向の振れが所定時間連続したことを判別する第1の検出手段と、前記第1の検出手段により一方向の振れが所定時間連続したことが検出された後、一方向の振れが終了したことを検出する第2の検出手段とを有し、前記演算手段によって算出された制御目標値が前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲又は前記制限範囲変更手段によって変更された制限範囲を越え、かつ前記第2の検出手段により一方向の振れが終了したことが検出されると、前記制限範囲を変更させることを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 前記手振れ検出手段は、前記光学機器の角速度を検出する角速度センサと、前記角速度センサによって検出された角速度を積分して振れ角を算出する積分手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正装置。
  3. 前記制限範囲設定手段は、前記手振れ検出手段によって検出される振れを制限するための所定の制限値を設定することにより前記制限範囲を設定し、
    前記制限範囲変更手段は、前記所定の制限値を変更することにより前記制限範囲を変更させることを特徴とする請求項1又は2に記載の手振れ補正装置。
  4. 前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、
    前記所定の制限値は、前記光学系が最大の焦点距離時に前記手振れ補正機構を前記動作範囲内で移動させたときに得られる、前記光学系の光軸が変化可能な最大角度であることを特徴とする請求項に記載の手振れ補正装置。
  5. 前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出する焦点距離検出手段を備え、
    前記演算手段は、前記手振れ検出手段によって検出された振れ及び前記焦点距離検出手段によって検出された焦点距離に基づいて前記手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の手振れ補正装置。
  6. 前記制限範囲設定手段は、前記焦点距離検出手段によって検出された焦点距離に基づいて前記検出された焦点距離が短い程、前記制限範囲が狭くなるように設定することを特徴とする請求項に記載の手振れ補正装置。
  7. 前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出する焦点距離検出手段を備え、
    前記制限範囲設定手段は、前記光学系の最大の焦点距離と前記焦点距離検出手段によって検出された焦点距離との比と、前記手振れ補正機構の動作範囲の限界値とを乗算して得られる値が、前記制限範囲の制限値となるように該制限範囲を設定することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の手振れ補正装置。
  8. 前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、初期設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、前記検出された現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出する演算手段と、前記算出した差分に対応した値を前記現在の制限値に加算する加算手段とを有し、前記加算手段によって加算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項に記載の手振れ補正装置。
  9. 前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、初期設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、一定の拡大値を前記現在の制限値に加算する加算手段を有し、前記加算手段によって加算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項に記載の手振れ補正装置。
  10. 前記制限範囲変更手段は、前記加算された次回の制限値が、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲を越えないように制限することを特徴とする請求項又はに記載の手振れ補正装置。
  11. 前記制限範囲変更手段は、前記演算手段によって算出された制御目標値に基づいて前記変更した制限範囲を前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲に戻すことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の手振れ補正装置。
  12. 前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、前記現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出する演算手段と、前記算出した差分に対応した値を前記現在の制限値から減算する減算手段とを有し、前記減算手段によって減算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項に記載の手振れ補正装置。
  13. 前記制限範囲変更手段は、前記手振れ検出手段によって検出された現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、一定の縮小値を前記現在の制限値から減算する減算手段を有し、前記減算手段によって減算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項に記載の手振れ補正装置。
  14. 前記制限範囲変更手段は、前記減算された次回の制限値が、前記制限範囲設定手段によって初期設定された制限範囲内に入らないように制限することを特徴とする請求項12又は13に記載の手振れ補正装置。
  15. 光学機器の振れを検出するステップと、
    前記検出された振れに基づいて手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出するステップと、
    前記制御目標値が、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲よりも狭い範囲であって、初期設定された現在の制限範囲又は変更された現在の制限範囲を越えないように前記算出された制御目標値を制限するステップと、
    前記算出された制御目標値が現在の制限範囲を越えると、前記手振れ補正機構による手振れ補正が前記制限範囲によって制限されないように、少なくとも前記動作範囲内で前記制限範囲を変更させるステップであって、この変更した制限範囲を次回の制限範囲に設定するステップと、
    前記算出された制御目標値に基づいて前記手振れ補正機構を駆動して手振れ補正を行うステップと、
    を含み、
    前記制限範囲を変更させるステップは、前記算出された制御目標値が現在設定されている制限範囲を越え、かつ前記検出された光学機器の振れが一方向に所定時間連続し、その後、前記一方向の振れが終了すると、前記制限範囲を変更させることを特徴とする手振れ補正方法。
  16. 前記光学機器の振れを検出するステップは、前記光学機器の角速度を検出し、この検出した角速度を積分して振れ角を算出することを特徴とする請求項15に記載の手振れ補正方法。
  17. 前記制御目標値を制限するステップは、前記検出される光学機器の振れが、所定の制限値を越えないように制限することにより前記制御目標値を制限し、
    前記制限範囲を変更させるステップは、前記所定の制限値を変更することにより前記制限範囲を変更させることを特徴とする請求項15又は16に記載の手振れ補正方法。
  18. 前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、
    前記所定の制限値は、前記光学系が最大の焦点距離時に前記手振れ補正機構を前記動作範囲内で移動させたときに得られる、前記光学系の光軸が変化可能な最大角度であることを特徴とする請求項17に記載の手振れ補正方法。
  19. 前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出するステップを含み、
    前記制御目標値を制限するステップは、前記検出された光学機器の振れ及び前記検出された焦点距離に基づいて前記手振れ補正機構を駆動するための制御目標値を算出することを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載の手振れ補正方法。
  20. 前記初期設定する制限範囲は、前記検出された光学系の焦点距離に基づいて前記検出された焦点距離が短い程、前記制限範囲が狭くなるように設定することを特徴とする請求項19に記載の手振れ補正方法。
  21. 前記光学機器は焦点距離が変更可能な光学系を有し、前記光学系の焦点距離を検出するステップを含み、
    前記初期設定する制限範囲は、前記光学系の最大の焦点距離と前記検出された光学系の焦点距離との比と、前記手振れ補正機構の動作範囲の限界値とを乗算して得られる値が、前記制限範囲の制限値となるように該制限範囲を設定することを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の手振れ補正方法。
  22. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、予め設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、前記検出された現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出し、この算出した差分に対応した値を前記現在の制限値に加算し、この加算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項17に記載の手振れ補正方法。
  23. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、予め設定された現在の制限値又は更新された現在の制限値を越えると、一定の拡大値を前記現在の制限値に加算し、この加算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項17に記載の手振れ補正方法。
  24. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記加算された次回の制限値が、前記手振れ補正機構に対して予め設定された動作範囲を越えないように制限することを特徴とする請求項22又は23に記載の手振れ補正方法。
  25. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記算出された制御目標値に基づいて前記変更した制限範囲を前記初期設定された制限範囲に戻すことを特徴とする請求項15から24のいずれかに記載の手振れ補正方法。
  26. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、前記現在の振れと前記現在の制限値との差分を算出し、この算出した差分に対応した値を前記現在の制限値から減算し、この減算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項22に記載の手振れ補正方法。
  27. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記検出された光学機器の現在の振れが、更新された現在の制限値を下回ると、一定の縮小値を前記現在の制限値から減算し、この減算した値を次回の制限値にすることを特徴とする請求項23に記載の手振れ補正方法。
  28. 前記制限範囲を変更させるステップは、前記加算された次回の制限値が、前記初期設定された制限範囲内に入らないように制限することを特徴とする請求項26又は27に記載の手振れ補正方法。
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