JP5160310B2 - 不飽和ポリエステルの製造方法、不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び不飽和ポリエステル樹脂硬化成型品 - Google Patents

不飽和ポリエステルの製造方法、不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び不飽和ポリエステル樹脂硬化成型品 Download PDF

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本発明は高い剛性と靱性を兼ね備えた硬化物を与えることが出来る不飽和ポリエステルの製造方法及び、該製造方法により得られる不飽和ポリエステルを含む不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物を硬化してなる不飽和ポリエステル樹脂成型品に関するものである。
不飽和ポリエステル樹脂は、例えば建設資材,輸送機器,工業機材などに用いられるFRP(繊維強化プラスチック)の基材として、あるいは注型,塗料,接着剤,化粧板用などとして幅広く用いられている。この不飽和ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールからなるアルコール成分と、α,β−不飽和多価カルボン酸類及び飽和多価カルボン酸類や芳香族多価カルボン酸類からなる酸成分とを重縮合させて得られた不飽和ポリエステルに、ラジカル重合性モノマー、一般的にはスチレンを配合することによって得られる液状樹脂である。そして、上記不飽和ポリエステルの製造において用いられる多価アルコール,α,β−不飽和多価カルボン酸類及び飽和多価カルボン酸類や芳香族多価カルボン酸類の種類と使用量の比率を変えることによって、各種の使用目的に適した物性を有する、あるいは使用目的に適した成形方法により成形可能な不飽和ポリエステル樹脂組成物を製造することができる。
例えば、柔軟性、靭性が要求される用途においてはアジピン酸、セバシン酸のような長い直鎖状の飽和二塩基酸、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの様な直鎖状のグリコールを使用する等の方法が一般に採用されている (特許文献1参照)。
しかしながら、これらの原料を使用すると硬化樹脂の耐熱性が低下するばかりでなく耐水性、耐薬品性も劣る傾向を有している。
一方、耐熱性や剛性などが要求される用途においては、不飽和酸、ジ及び/又はトリアルキレングリコール、ジシクロペンタジエンからなる不飽和ポリエステル樹脂とし、酸成分中の不飽和二塩基酸の比率を高める(特許文献2参照)、飽和二塩基酸としてテレフタル酸及び他のイソフタル酸等を用いる(特許文献3参照)、多価アルコール成分としてメチル基やエチル基を分岐構造に持つプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ネオペンチルグリコールなどを用いる(特許文献4参照)、希釈用モノマーとしてジビニルベンゼンやトリアリルイソシアヌレート等の多官能性モノマーを併用する(特許文献5参照)等の方法が一般に採用されている。しかし、それらいずれの樹脂を用いた場合においても、機械特性の伸び率や靱性が低下する傾向を示す。
また、更に高いレベルでの強度、弾性率のアップが要求される場合においては、多価アルコール成分として上述の二価のアルコールと併用して三価以上の多価アルコールが、二価アルコールに対する三価アルコール以上の多価アルコールのモル比が0.2以下となる条件下で用いられる(特許文献6参照)。
多価アルコール成分の一部に三価以上の多価アルコールを併用することにより、不飽和ポリエステルの主骨格中に部分的に分岐、架橋した構造を持たせることが可能となり、硬化物となる際、スチレン等のモノマーを介して架橋するよりも、剛性がアップし高弾性率となり得る。しかし、その一方で使用量が多くなりすぎると柔軟性に乏しくなる傾向にある。また、もう一つの懸念事項としては、不飽和ポリエステルの合成時に分子量が高くなりすぎたり、ゲル化し易くなるという傾向を有している。
また、三価の多価アルコールの1つであるグリセリンを用いた事例としては、グリセリンの水酸基の一個と炭素数6〜30の脂肪族一塩基酸がエステル結合したものを不飽和ポリエステルのグリコール成分として用いている事例がある(特許文献7参照)。
このような方法を用いることにより、三価の多価アルコール自体を不飽和ポリエステルの骨格中に大量に導入することは可能となるが、脂肪族一塩基酸の影響により、硬化物の物性としては従来の不飽和ポリエステルより剛性、靭性ともに大幅に低下してしまう傾向にある。
このような理由から、これまで不飽和ポリエステル製造時の原材料として三価以上の多価アルコールの使用量は少量に制限されており、グリセリンに代表される三価以上の多価アルコールの使用することによって得られる高い剛性と靱性を兼ね備えた硬化物を与える不飽和ポリエステル樹脂を製造することが出来ずにいた。
一方、グリセリンにはヤシの実などの植物油脂を原料とした天然グリセリンと、石油を原料とする合成グリセリンとがある。
天然グリセリンは、近年では環境問題の観点から特に欧米などで広く普及しつつあるバイオディーゼル燃料の製造時に副産物として産出される。バイオディーゼル燃料とは、原料である植物油脂にメタノールを添加し、アルカリ触媒により脂肪酸のメチルエステル変換反応を行うことにより得られる脂肪酸メチルエステル類のことであり、地球温暖化防止の観点からディーゼルエンジンを稼働させることができる軽油の代替えとなるカーボンニュートラルな燃料として注目されている。カーボンニュートラルとは植物等を燃やしても大気中の二酸化炭素量は増えないという原理であり、これは地球温暖化防止を考える際の最も基本となる考えである。
以上の観点からも、今後更なる普及が予想されるバイオディーゼル燃料の副産物である、グリセリンの有効利用技術の確立が極めて重要な課題になっている。
特開H9−25416号公報 特開2000−95928号公報 特開2003−26741号公報 特開平6−144956号公報 特開平9−227665号公報 特公昭62−5454号公報 特開平7−304930号公報
上記のグリセリンの有効利用に鑑み、本発明の目的とするところは、不飽和ポリエステル樹脂の原材料として三価以上の多価アルコールを樹脂骨格中に大量に導入し、剛性、耐熱性,耐水性,耐溶剤性及び機械特性、特に靱性などが高いレベルでバランスした硬化物を与えることができる不飽和ポリエステルの製造方法、及び該製造方法により得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及びそれを硬化してなる不飽和ポリエステル樹脂硬化成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究したところ、第1発明では、1段目の反応としてグリセリン(A)と、芳香族一塩基酸(B−1)、又は芳香族一塩基酸(B−1)と脂肪族一塩基酸(B−2)とからなる一塩基酸成分(B)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化し、第2発明では、1段目の反応としてグリセリン(A)と芳香族一塩基酸(B−1)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応としてこのグリセリンのエステル化反応物と植物油脂(E)とをエステル交換反応させ、得られた第1発明のエステル化合物及び第2発明のエステル交換反応物をそれぞれ二価アルコール成分及び二塩基酸成分と反応させる不飽和ポリエステルの製造方法とすることで解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)1段目の反応としてグリセリン(A)と、芳香族一塩基酸(B−1)、又は芳香族一塩基酸(B−1)と脂肪族一塩基酸(B−2)とからなる一塩基酸成分(B)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応として前記グリセリンのエステル化合物と二価アルコール成分(C)、α,β−不飽和多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種と飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種とからなる二塩基酸成分(D)とを反応させることを特徴とする不飽和ポリエステルの製造方法、
(2)1段目の反応としてグリセリン(A)と芳香族一塩基酸(B−1)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応としてこのグリセリンのエステル化反応物と植物油脂(E)とをエステル交換反応させ、更には3段目の反応としてこのエステル交換反応物と二価アルコール成分(C)、α,β−不飽和多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種と飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種とからなる二塩基酸成分(D)とを反応させることを特徴とする不飽和ポリエステルの製造方法、
(3)使用する芳香族一塩基酸(B−1)が、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フェニル酢酸、ターシャリーブチル安息香酸、及びナフトエ酸の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、脂肪族一塩基酸(B−2)がオクチル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレイン酸の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、これらの一塩基酸(B)の使用量がグリセリン1モルに対して芳香族一塩基酸(B−1)は0.8〜1.3モル、脂肪族一塩基酸(B−2)は0〜0.5モルであり、これら一塩基酸成分(B)の合計が1.0〜1.5モルである前記(1)に記載の不飽和ポリエステルの製造方法、
(4)芳香族一塩基酸(B−1)が安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フェニル酢酸、ターシャリーブチル安息香酸、及びナフトエ酸の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、植物油脂(E)が亜麻仁油、エノ油、キリ油、菜種油、パーム油、パーム核油、大豆油、胡麻油、コーン油、紅花油、ツバキ油、オリーブ油、及びヒマシ油の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、グリセリン(A)、芳香族一塩基酸(B−1)、植物油脂(E)の使用量がグリセリン(A)1モルに対して芳香族一塩基酸(B−1)が0.86〜1.39モルであり、植物油脂(I)が0.05〜0.2モルである前記(2)に記載の不飽和ポリエステルの製造方法、
(5)前記(1)〜(4)で得られた不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体とからなることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び
(6)前記(5)に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂硬化成型品、
を提供する。
本発明によれば、不飽和ポリエステル樹脂の原材料として三価の多価アルコールであるグリセリンを樹脂骨格中に大量に導入し、剛性、耐熱性,耐水性,耐溶剤性及び機械特性、特に靱性などが高いレベルでバランスした硬化物を与えることができる不飽和ポリエステル樹脂の製造方法、及び該製造方法により得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の不飽和ポリエステルの製造方法は、1段目の反応としてグリセリン(A)と、芳香族一塩基酸(B−1)、又は芳香族一塩基酸(B−1)と脂肪族一塩基酸(B−2)とからなる一塩基酸成分(B)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応として前記グリセリンのエステル化合物と二価アルコール成分(C)、α,β−不飽和多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種と飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種とからなる二塩基酸成分(D)とを反応させる方法である。
また、第2の本発明の不飽和ポリエステルの製造方法は、1段目の反応としてグリセリン(A)と芳香族一塩基酸(B−1)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応としてこのグリセリンのエステル化反応物と(グリセリンのトリエステルである)植物油脂(E)とをエステル交換反応させ、更には3段目の反応としてこのエステル交換反応物と二価アルコール成分(C)、α,β−不飽和多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種と飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種とからなる二塩基酸成分(D)とを反応させる方法である。
この2つの製造方法は、グリセリンの3個の水酸基の一部を、第1発明では芳香族一塩基酸、又は芳香族一塩基酸(B−1)と脂肪族一塩基酸とからなる一塩基酸成分で、また第2発明では芳香族一塩基酸、次いで植物油脂で、エステル化された化合物又はエステル交換反応物を製造する工程までは異なるが、二価アルコール成分、二塩基酸成分との縮合反応により不飽和ポリエステルを製造する工程は共通するものである。
本発明の第1発明の不飽和ポリエステルの製造方法においては、1段目の反応としてグリセリン(A)と、芳香族一塩基酸 (B−1)、又は芳香族一塩基酸(B−1)と脂肪族一塩基酸(B−2)とからなる一塩基酸成分(B)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化させる。この際、グリセリンと上記一塩基酸成分(B)との使用割合は、グリセリン1モルに対して芳香族一塩基酸は0.8〜1.3モル、脂肪族一塩基酸は0〜0.5モル、好ましくは0〜0.35モルが適当であり、一塩基酸成分の合計としてはグリセリン1モルに対して、1〜1.5モル、好ましくは1.0〜1.4モルが適当である。
上記の割合で、芳香族一塩基酸と脂肪族一塩基酸とを併用するのは、強度、弾性率、靱性等が高いレベルで兼ね備えた硬化物を得るためであり、芳香族一塩基酸の使用量が多くなりすぎると強度、弾性率は高くなるが靭性が低下する傾向にあり、一方、脂肪族一塩基酸の使用量が多くなりすぎると軟質の硬化物となってしまい、強度、弾性率、靭性が大幅に低下してしまう傾向にある。
グリセリン1モルに対して、芳香族一塩基酸及び脂肪族一塩基酸を上記の範囲とすれば、強度、弾性率、靱性等が高いレベルで兼ね備えた硬化物が得られる不飽和ポリエステルとすることができる。
また、この反応により得られた反応物は、グリセリン、用いた一塩基酸のモノグリセライド、ジグリセライド、及びトリグリセライドの混合物となるが、上記一塩基酸成分の合計使用量が1.0モル未満の場合には、フリーのグリセリンやモノグリセライドの割合が多くなる分、2段目の二価アルコール成分、多塩基酸成分との反応において分子量が高くなり過ぎたり、ゲル化しやすくなる。
上記一塩基酸成分の合計使用量が1.5モルを超える場合には、ジグリセライドやトリグリセライドの割合が多くなる分、2段目の二価アルコール成分、及び多塩基酸成分との反応において不飽和ポリエステルの主鎖骨格中に存在するグリセリン成分が少なくなる分、本発明の特長である高い剛性と靱性を兼ね備えた硬化物が得られなくなる。
この1段目の反応は、例えば窒素を流入しながら、両成分が反応水を共に溜出しない程度の温度から徐々に昇温することによりエステル化を進めていくものである。この際の反応条件としては、200〜220℃で1〜10時間が好ましく、特に3〜7時間が好ましい。この際得られた反応物の固形分酸価は4以下とすることが、グリコール類の分解防止のために好ましい。
また、第2発明の製造方法においては、1段目の反応としてグリセリン(A)と芳香族一塩基酸(B−1)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化させる。次に2段目の反応としてこのエステル化反応物とグリセリンのトリエステルである植物油脂(E)とをエステル交換反応させる。この際、1〜2段目の反応割合はグリセリン1モルに対して芳香族一塩基酸(B−1)が0.86〜1.39モルであり、植物油脂(E)が0.05〜0.2モルが適当である。この方法により得られた反応物は、グリセリン、用いた芳香族一塩基酸、植物油脂由来の脂肪酸のモノグリセライド、ジグリセライド、及びトリグリセライドの混合物となるが、上記グリセリン1モルに対する芳香族一塩基酸(B−1)の使用量が0.86モル以上であり且つ、植物油脂(E)の使用量0.05モル以上であれば、フリーのグリセリンやモノグリセライドの割合が多くなることがなく、2段目の多価アルコール成分、多塩基酸成分と反応において分子量が高くなり過ぎず、ゲル化も抑えられる。一方、グリセリン1モルに対する芳香族一塩基酸(B−1)の使用量が1.39モルを越え且つ植物油脂の使用量が0.07モルを超える場合、また、芳香族一塩基酸(B−1)の使用量が1.2モルを越え且つ植物油脂(E)の使用量が0.2モルを超える場合にはジグリセライドやトリグリセライドの割合が多くなる分、2段目の二価アルコール成分、多塩基酸成分と反応において不飽和ポリエステルの骨格中(主鎖)に存在するグリセリン成分が少なくなる分、本発明の特長である高い剛性と靱性を兼ね備えた硬化物が得られなくなる。
上記の割合で、芳香族一塩基酸(B−1)と植物油脂(E)を用いるのは、強度、弾性率、靱性等が高いレベルで兼ね備えた硬化物を得るためであり、芳香族一塩基酸(B−1)の使用量が多くなりすぎると強度、弾性率は高くなるが、靭性が低下する傾向にあり、一方、植物油脂(E)の使用量が多くなりすぎると軟質の硬化物となってしまい、強度、弾性率、靭性が大幅に低下してしまう傾向にある。
この2段目の反応は、例えば窒素を流しながら180〜250℃、好ましくは200〜240℃の温度に4〜25時間、好ましくは4〜20時間エステル交換することによって製造される。
第1発明及び第2発明において、グリセリンと反応させる芳香族一塩基酸(B−1)としては、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フェニル酢酸、ターシャリーブチル安息香酸、及びナフトエ酸等があげられ、これらの芳香族一塩基酸は単独あるいは2種以上併用することができる。
本発明において1段目の反応に用いる、芳香族一塩基酸(B−1)は、強度、弾性率を高くする以外に希釈モノマーとして一般的に用いられるスチレンモノマーとの相溶性に優れる効果を有し、その結果、物性だけではなく、樹脂としての安定性も向上させる効果を有する。
グリセリンと反応させる脂肪族一塩基酸(B−2)としては、オクチル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレイン酸等が挙げられ、これらの脂肪族一塩基酸は単独あるいは2種以上併用することができる。
エステル交換反応をする植物油脂(E)としては、亜麻仁油、エノ油、キリ油、菜種油、パーム油、パーム核油、大豆油、胡麻油、コーン油、紅花油、ツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油等が挙げられ、これらの植物油脂は単独あるいは2種以上併用することができる。なお、これらの植物油脂の分子量はこれらのけん化価から算出することが可能である。
もう1つの必須成分であるグリセリン(A)は、三価以上の多価アルコールの1つであるが、1級水酸基2つと2級水酸基1つを有しているため、これらの2種類の水酸基は一塩基酸成分との縮合反応の際、また植物油脂とのエステル交換反応の際、異なる反応性を示す。この点が他の三価以上の多価アルコールと異なる点であり、他の三価以上の多価アルコールより使用量を増やしてもゲル化することなく、安定的に合成が可能とな特長につながっている。
本発明においては、本発明の特徴を損なわない範囲で、グリセリン以外の三価以上の多価アルコールを併用しても良い。グリセリンの他にはトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。グリセリン以外の三価以上の多価アルコールを併用する場合は、樹脂の保存安定性の観点から、グリセリン1モルに対して0.05〜0.2モルの範囲であることが好ましい。
本発明の不飽和ポリエステルの製造方法においては、通常の不飽和ポリエステルの製造方法と同様に前記1段目の反応物と、又は1段目の反応物と植物油脂とのエステル交換物と、二価アルコール成分(C)及び二塩基酸成分(D)とを脱水縮合させる。この際の反応条件としては、200〜210℃であることが、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物類の副反応を防ぐことから好ましい。また、反応時間は、固形分酸価が35〜80となれば、特に限定されないが、通常1〜10時間が好ましく、特に3〜7時間が好ましい。
本発明の不飽和ポリエステルの製造方法においては、第1発明における2段目の反応、又は第2発明の3段目の反応において使用される二塩基酸成分(D)としては通常不飽和ポリエステル樹脂の酸成分として用いられている二塩基酸が使用可能であり、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物から選ばれた少なくとも一種と飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種との組み合わせが用いられる。上記α,β−不飽和多塩基酸の例としては、マレイン酸,フマール酸,イタコン酸,シトラコン酸,クロロマレイン酸などが挙げられる。また、これらの無水物の例としては、無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水クロロマレイン酸などの酸無水物などが挙げられる。これらのα,β−不飽和多塩基酸やその無水物は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよいが、一般的には無水マレイン酸やフマール酸が使用される。
一方、飽和多塩基酸の例としては、コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,ヘッド酸,テトラヒドロフタル酸,エンドメチレンテトラヒドロフタル酸などが挙げられ、芳香族多塩基酸の例としては、フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸,テトラブロモフタル酸のようなハロゲン化フタル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸などが挙げられる。また、これらの無水物の例としては、無水コハク酸,テトラヒドロ無水フタル酸,エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸,無水フタル酸,テトラブロモ無水フタル酸のようなハロゲン化無水フタル酸,無水トリメット酸,無水ピロメリット酸などの酸無水物などが挙げられる。これらの飽和多塩基酸や芳香族多塩基酸やそれらの無水物は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の不飽和ポリエステルの製造方法においては、第1発明の2段目又は第2発明の3段目の反応において使用される二価アルコール成分(C)としては、通常不飽和ポリエステル樹脂のアルコール成分として用いられる多価アルコールが使用可能であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール;3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、メチルオクタンジオール;ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物;水添ビスフェノールAなどのグリコールなどが挙げられる。これらは、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、前記不飽和ポリエステルに、このポリエステルと共重合可能な重合性不飽和単量体(以下、「ラジカル重合性モノマー」ということがある。)を配合することにより、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物が得られる。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物に用いられるラジカル重合性モノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリルなどのビニル化合物、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルサクシネート、トリアリルシアヌレートなどのアリル化合物及びそれらのオリゴマーなどが挙げられる。これらのラジカル重合性モノマーは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、一般的にはスチレンあるいはジアリルフタレートが好ましく用いられる。本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物における上記ラジカル重合性モノマーの含有量としては特に制限はなく、組成物の粘度や用途に応じて適宜選定されるが、一般的には不飽和ポリエステル100質量部当たり、10〜300質量部、好ましくは20〜200質量部の範囲である。また、該樹脂組成物の粘度は、通常、温度25℃で10〜100000mPa・s(ミリパスカル・秒)、好ましくは50〜50000mPa・sの範囲である。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物には、所望により、重合禁止剤を添加することができる。この重合禁止剤としては、従来不飽和ポリエステル樹脂組成物に慣用されているもの、例えばハイドロキノン;p−ベンゾキノン;メチルハイドロキノン;トリメチルハイドロキノン;t−ブチルハイドロキノン;カテコール;t−ブチルカテコール;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂を硬化させるには、従来不飽和ポリエステル樹脂組成物に慣用されている硬化剤及び硬化促進剤を添加すれば硬化できるが、さらに必要に応じて適当な温度に加熱してもよい。上記硬化剤の例としては、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物が挙げられる。
一方、硬化促進剤の例としては、ナフテン酸コバルト;オクトエ酸コバルト;N,N−ジメチルアニリン;N,N−ジエチルアニリン;N,N−ジメチル−p−トルイジン;アセチルアセトン;アセト酢酸エチルエステルなどが挙げられる。本発明の不飽和ポリエステル樹脂の使用に際しては、用途に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維などの無機又は有機繊維補強材、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの充填剤、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジエンなどの熱可塑性樹脂などを、適宜配合することができる。さらに、必要に応じ、本発明の目的が損なわれない範囲で、揺変性付与剤、顔料、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、含浸剤、消泡剤などの各種添加剤を配合することができる。
このような添加成分が配合された不飽和ポリエステル樹脂組成物の成形方法としては、例えばハンドレイアップ成形法、スプレーアップ成形法、フィラメントワインディング成形法、レジンインジェクション成形法、レジントランスファー成形法、引き抜き成形法、真空成形法、圧空成形法、圧縮成形法、インジェクション成形法、注型法などを適用することができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の用途としては、例えばゲルコート,塗料,化粧板,舟艇,船舶,住宅設備(浴槽,浄化槽,水回り品など),タンク容器,自動車車両部品,レジンコンクリート,電気電子部品,土木建築材料、さらにはBMC(Bulk Molding Compound),SMC(Sheet Molding Compound)などの成形材料などを挙げることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、得られた不飽和ポリエステル樹脂の物性は、以下の要領に従って求めた。
実施例1
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにグリセリン60モル、安息香酸50モル、ラウリン酸10モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価3まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール40モル、無水マレイン酸60モル、無水フタル酸40モルを仕込み210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−1を得た。
実施例2
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン70モル、安息香酸60モル、オレイン酸20モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価4まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール15モル、ジプロピレングリコール15モル、無水マレイン酸65モル、無水フタル酸35モルを仕込み210℃で脱水縮合反応して酸価が20以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−2を得た。
実施例3
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン65モル、フェニル酢酸65モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価5まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール20モル、エチレングリコール10モル、ジプロピレングリコール5モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−3を得た。
実施例4
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン65モル、安息香酸70モル、オクチル酸10モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価6まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール30モル、ジエチレングリコール10モル、無水マレイン酸60モル、無水フタル酸40モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−4を得た。
実施例5
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン60モル、安息香酸54モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価2まで反応させた。次に大豆油10モルを仕込み220℃に3時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール20モル、ジプロピレングリコール10モル、無水マレイン酸70モル、無水フタル酸30モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が25以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−5を得た。
実施例6
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン50モル、安息香酸48モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価4.5まで反応させた。次にやし油5モルを仕込み、220℃に3時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール25モル、ジプロピレングリコール10モル、エチレングリコール10モル、無水マレイン酸70モル、無水フタル酸30モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−6を得た。
実施例7
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン55モル、安息香酸64モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価6まで反応させた。次に、ひまし油5モルを仕込み、220℃に4時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール20モル、ネオペンチルグリコール10モル、エチレングリコール10モル、無水マレイン酸60モル、無水フタル酸40モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が25以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−7を得た。
比較例1
実施例1と同様の反応装置にグリセリン55モル、1,2−ブタンジオール45モル、無水マレイン酸60モルと、無水フタル酸40モルとを仕込み、210℃で脱水縮合反応をしたところ、反応の途中でゲル化した。
比較例2
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン50モル、フェニル酢酸40モル、ステアリン酸35モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価4まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール35モル、ジプロピレングリコール15モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み210℃で脱水縮合反応して酸価が20以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−9を得た。
比較例3
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン60モル、安息香酸30モル、オクチル酸10モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価2まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール30モル、エチレングリコール10モル、無水マレイン酸40モル、無水フタル酸60モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−10を得た。
比較例4
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン60モル、安息香酸60モル、オクチル酸40モル、オレイン酸20モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価6まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール30モル、エチレングリコール10モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が20以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−11を得た。
比較例5
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン60モル、ラウリン酸65モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価6まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール10モル、ジプロピレングリコール5モル、1,2−プロパンジオール25モル、無水マレイン酸40モル、無水フタル酸60モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−12を得た。
比較例6
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン60モル、安息香酸55モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価6まで反応させた。次に大豆油18モルを仕込み、220℃に5時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール17モル、エチレングリコール5モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−13を得た。
比較例7
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン70モル、安息香酸37モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価5まで反応させた。次にひまし油5モルを仕込み、220℃に4時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール25モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−14を得た。
比較例8
実施例1と同様の反応装置を用い、グリセリン55モル、安息香酸70モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価5まで反応させた。次にパーム油20モルを仕込み、220℃に5時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、1,2−ブタンジオール20モル、ジプロピレングリコール5モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−15を得た。
比較例9
実施例1と同様の反応装置を用い、キリ油40モル、グリセリン60モルを仕込み約230℃に6時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し無水マレイン酸60モル、無水フタル酸40モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が30以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−16を得た。
比較例10
実施例1と同様の反応装置を用い、トリメチロールプロパン60モル、安息香酸50モル、オクチル酸20モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価3まで反応させた。50℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール25モル、ネオペンチルグリコール15モル、無水マレイン酸50モル、無水フタル酸50モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−17を得た。
比較例11
実施例1と同様の反応装置を用い、トリメチロールプロパン60モル、安息香酸45モルを仕込み、200℃で脱水縮合反応をして酸価5まで反応させた。次にパーム油10モルを仕込み、220℃に3時間加熱してエステル交換反応をさせた。50℃まで冷却し、無水マレイン酸65モル、無水フタル酸35モルを仕込み、210℃で脱水縮合反応して酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時点で、仕込み全量に対して0.03質量部のハイドロキノン、スチレン含量40質量%になるようスチレンモノマーを仕込み、不飽和ポリエステル樹脂組成物G−18を得た。
以上の実施例1〜4の組成を表1に、実施例5〜7の組成を表2に、比較例1〜5の組成を表3に、比較例6〜11の組成を表4に示す。
実施例1〜7及び比較例1〜11で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物の各種特性を以下に記載の方法で評価した。
<合成の可否>
脱水縮合反応の可否を評価した。
○:重量平均分子量が5000〜25000(安定的に合成可能)
△:重量平均分子量が25000超(高分子量体が出来やすく、再現性、分子量の調整に難あり。)
ゲル化:合成中にゲル化
<試験片の作製>
合成例1〜6、8〜10で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物100質量部に、ナフテン酸コバルト1.0質量部及び55質量%メチルエチルケトンパーオキシド2.0質量部を均一に混合し、この混合物を厚さ4mmの板状硬化物、13mm角、15mm角の棒状硬化物が得られるように組んだ型にそれぞれ流し込み、25℃で16時間放置後、120℃にて2時間硬化させた。
<物性>
(1)保存安定性
不飽和ポリエステル樹脂組成物500gを蓋付きガラス瓶に採取し、25℃及び10℃の雰囲気中に3ヶ月間保存し、下記の判定基準に従って安定性を評価した。
判定基準
○:変化なし
△:少し変化あり(白濁、粘度上昇)
×:大きく変化あり(結晶化、流動性なし)
(2)引張り強度、引張り弾性率、伸び率
前記厚さ4mmの板状硬化物から試験片を切削加工し、JIS K 6911に準拠し、引張り試験を行い、引張り強度、引張り弾性率及び伸び率を測定した。
(3)曲げ強度,曲げ弾性率
前記厚さ4mmの板状硬化物から試験片を切削加工し、JIS K 6911に準拠し、曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
(4)熱変形温度
前記13mm角の棒状硬化物から試験片を切削加工し、JIS K 6911に準拠し、熱変形温度を測定した。
(5)耐衝撃性
前記15mm角の棒状硬化物から試験片を切削加工し、JIS K 6911に準拠し、シャルピー衝撃強度(ノッチあり)を評価した。
(6)耐熱水性
前記試験片について、100℃の連続煮沸試験を300時間行ったのち、質量変化率と外観変化〔膨れ(ブリスター)、クラックの発生の有無の確認〕の測定を行い、外観変化は下記の判定基準で評価した。
○:変化なし
△:少し変化あり(膨れ、クラックが5cm角の試験片中に20個未満発生)
×:大きく変化あり(膨れ、クラックが5cm角の試験片中に20個以上発生)
(7)耐溶剤性
前記試験片について、25℃のスチレン浸漬試験を800時間行ったのち、質量変化率と外観変化の測定を行い、外観変化は下記の判定基準で評価した。
○:変化なし
△:少し変化あり(膨れ、クラックが5cm角の試験片中に20個未満発生)
×:大きく変化あり(膨れ、クラックが5cm角の試験片中に20個以上発生)
以上の評価結果をまとめて表1〜表4に示す。
Figure 0005160310
Figure 0005160310
Figure 0005160310
Figure 0005160310
実施例1〜7においては剛性、耐熱性,及び機械特性、特に靱性などが高いレベルでバランスした硬化物を得ることが出来た。
比較例1はグリセリンを一塩基酸(B)でエステル化しなかったためゲル化した。比較例2は脂肪族一塩基酸(B−2)の使用量が、グリセリン1モルに対して0.7モルと多いため硬化物の物性は軟質となり、強度、耐熱性の点でやや不十分であった。比較例3は一塩基酸成分(B)の合計使用量がグリセリン1モルに対して0.67モルと少なかったため、合成自体は可能であったがやや高分子量の成分が出来てしまい、物性的には靭性の点でやや不十分であった。比較例4は一塩基酸成分(B)の合計使用量がグリセリン1モルに対して2モルと多過ぎたため、耐熱性、耐衝撃性が低い傾向にあった。比較例5は、芳香族一塩基酸(B−1)を用いることなく、脂肪族一塩基酸(B−2)のみでのエステル化したため、軟質になりすぎ、強度、耐熱性が不十分であった。比較例6は植物油脂の使用量が多いため硬化物の物性は軟質となり、強度、耐熱性の点でやや不十分であった。比較例7は芳香族一塩基酸(B−1)及び植物油脂(E)の使用量が少なすぎたため、合成自体は可能であったがやや高分子量の成分が出来てしまい、物性的には靭性の点でやや不十分であった。比較例8は芳香族一塩基酸(B−1)及び植物油脂(E)の使用量が多過ぎた為、耐熱性、耐衝撃性が低い傾向にあった。比較例9は芳香族一塩基酸(B−1)でのエステル化はせず、植物油脂(E)とのエステル交換反応のみであったため、軟質になりすぎ、強度、耐熱性がやや不十分であった。
比較例10、11はグリセリン以外の三価アルコールを使用したため、合成安定性が低くやや高分子量となってしまい、靭性、耐衝撃性は低かった。
本発明によれば、三価の多価アルコールであるグリセリンの使用量を増やしても安定的に合成可能であり、剛性、耐熱性,及び機械特性、特に靱性などが高いレベルでバランスした硬化物を与えることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供でき、例えばゲルコート,塗料,化粧板,舟艇,船舶,住宅設備(浴槽,浄化槽,水回り品など),タンク容器,自動車車両部品,レジンコンクリート,電気電子部品,土木建築材料、さらにはBMC(Bulk Molding Compound),SMC(Sheet Molding Compound)などの成形材料などに好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 1段目の反応としてグリセリン(A)と、芳香族一塩基酸(B−1)、又は芳香族一塩基酸(B−1)と脂肪族一塩基酸(B−2)とからなる一塩基酸成分(B)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応として前記グリセリンのエステル化合物と二価アルコール成分(C)、及びα,β−不飽和多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種と、飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種とからなる二塩基酸成分(D)とを反応させることを特徴とする不飽和ポリエステルの製造方法。
  2. 1段目の反応としてグリセリン(A)と芳香族一塩基酸(B−1)とを反応させ、グリセリンの3個の水酸基の一部をエステル化した後、2段目の反応としてこのグリセリンのエステル化反応物と植物油脂(E)とをエステル交換反応させ、更には3段目の反応としてこのエステル交換反応物と二価アルコール成分(C)、α,β−不飽和多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種と飽和多塩基酸、芳香族多塩基酸又はそれらの無水物から選ばれた少なくとも一種とからなる二塩基酸成分(D)とを反応させることを特徴とする不飽和ポリエステルの製造方法。
  3. 使用する芳香族一塩基酸(B−1)が、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フェニル酢酸、ターシャリーブチル安息香酸、及びナフトエ酸の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、脂肪族一塩基酸(B−2)がオクチル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレイン酸の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、これらの一塩基酸(B)の使用量がグリセリン1モルに対して芳香族一塩基酸(B−1)は0.8〜1.3モル、脂肪族一塩基酸(B−2)は0〜0.5モルであり、これら一塩基酸成分(B)の合計が1.0〜1.5モルである請求項1に記載の不飽和ポリエステルの製造方法。
  4. 芳香族一塩基酸(B−1)が安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フェニル酢酸、ターシャリーブチル安息香酸、及びナフトエ酸の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、植物油脂(E)が亜麻仁油、エノ油、キリ油、菜種油、パーム油、パーム核油、大豆油、胡麻油、コーン油、紅花油、ツバキ油、オリーブ油、及びヒマシ油の群から選ばれる1つ又はこれらの混合物であり、グリセリン(A)、芳香族一塩基酸(B−1)、植物油脂(E)の使用量がグリセリン(A)1モルに対して芳香族一塩基酸(B−1)が0.86〜1.39モルであり、植物油脂(E)が0.05〜0.2モルである請求項2に記載の不飽和ポリエステルの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得られた不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体とからなることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂硬化成型品。
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