JP5159859B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、フォトマスクの作製に関するものであり、特に、CCDやCMOS等の撮像装置の光電変換を行う受光部上方に存在するマイクロレンズを形成するためのフォトマスクの作製に関する。
従来、撮像装置には、受光部への集光効率を高めるために、画素毎に集光用のマイクロレンズが設けられている。
マイクロレンズは、フォトリソグラフィ法を用いて感光性樹脂を各画素に対応するように島状に形成し、この島状の樹脂パターンを加熱して軟化させ、その表面張力によって樹脂表面を球面化することによって形成されている。
画素の微細化に伴い、撮像装置の感度の低下が生じている。そこで、集光効率を高めるために、マイクロレンズの間隔に入射する光も集光するためにマイクロレンズ同士の間隔を狭めることが望まれている。しかしながら、樹脂パターンを加熱によって軟化させる方法を用いた場合、マイクロレンズ間隔を狭めることが難しい。これは、加熱処理で樹脂を軟化させることによって隣接するレンズ同士が接触することを防ぐために、レンズ間にある程度の隙間を設ける必要があるからである。
これに対し、微細なドットが複数個配置されたドットパターンによって露光光の透過光量を制御可能なフォトマスクを用いて感光性樹脂を露光し、現像処理を行って、マイクロレンズを形成する方法が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の技術では、ドットパターンの配置が画素中心に対して同心円状ではなく、画素中心に対する対称性も低い。このようなドットパターンの配置では、透過光量分布が球面分布にはならず、画素中心に対する透過光量分布が非対称性となる。その結果、マイクロレンズの形状が所望の形状とならず、光学的な特性(焦点距離やFnoの比例性等)の設計値からのずれが生ずる可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ドットパターンの対称性の劣化を抑えることを目的とする。
本発明の第1の側面は、マイクロレンズを形成するためのフォトマスクを製造する製造方法に係り、マスクパターンデータを生成する工程と、前記マスクパターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程とを含み、前記マスクパターンデータを生成する工程は、前記フォトマスクに形成すべきマスクパターンのパターン形成面を複数の格子に分割したときの各格子の座標値における前記マスクパターンの透過光量分布を取得する工程と、前記複数の格子の各々における前記透過光量分布の値に対して誤差分散法による二値化処理を行って、二値化された値が0であるか1であるかに応じて遮蔽部を配置するか否かを前記複数の格子の各々について決定する工程とを含み、前記二値化処理は、前記複数の格子を対象として、前記パターン形成面の中心からの距離が近い格子から順に行われる、ことを特徴とする。
本発明の第2の側面は、マイクロレンズを形成するためのフォトマスクを製造する製造方法に係り、マスクパターンデータを生成する工程と、前記マスクパターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程とを含み、前記マスクパターンデータを生成する工程は、前記フォトマスクに形成すべきマスクパターンのパターン形成面を複数の格子に分割したときの各格子の座標値における前記マスクパターンの透過光量分布を取得する工程と、前記複数の格子の各々における前記透過光量分布の値に対して誤差分散法による二値化処理を行って、二値化された値が0であるか1であるかに応じて遮蔽部を配置するか否かを前記複数の格子の各々について決定する工程とを含み、前記二値化処理は、前記複数の格子を対象として、前記パターン形成面の中心からの距離が遠い格子から順に行われる、ことを特徴とする。
本発明の第2の側面は、マイクロレンズを形成するためのフォトマスクを製造する製造方法に係り、マスクパターンデータを生成する工程と、前記マスクパターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程とを含み、前記マスクパターンデータを生成する工程は、前記フォトマスクに形成すべきマスクパターンのパターン形成面を複数の格子に分割したときの各格子の座標値における前記マスクパターンの透過光量分布を取得する工程と、前記複数の格子の各々における前記透過光量分布の値に対して誤差分散法による二値化処理を行って、二値化された値が0であるか1であるかに応じて遮蔽部を配置するか否かを前記複数の格子の各々について決定する工程とを含み、前記二値化処理は、前記複数の格子を対象として、前記パターン形成面の中心からの距離が遠い格子から順に行われる、ことを特徴とする。
本発明によれば、ドットパターンの対称性の劣化を抑えることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の好適な第1の実施形態に係るフォトマスク作製システムの構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の好適な第1の実施形態に係るフォトマスク作製システムの構成を示すブロック図である。
図1において、フォトマスク作製システム100は、情報処理装置101と、描画装置102と、検査装置103と、欠陥修正装置104と、を備える。情報処理装置101は、取得した後述する各種データに基づいてマスクパターンデータ105を生成する。さらに、情報処理装置101は、生成したマスクパターンデータ105を描画装置102に対応した描画データに変換する。描画装置102は、情報処理装置101で作成された描画データに基づいて、縮小転写方式又は直接描画方式によりフォトマスクを作製する。検査装置103は、フォトマスクの欠陥を検査し、ドットパターンが設計通りに形成されたかどうかを調べる。検査方法としては種々の方法があり、特定の検査方法に限定されないが、例えばマスクパターンデータ105とフォトマスクの光学像の電気信号とを比較して検査を行う方法を用いることができる。欠陥修正装置104は、検査装置103によって検出された欠陥を修正する。修正方法としては種々の方法があり、特定の限定に限定されないが、例えばレーザビーム法やイオンビーム法を用いることができる。なお、マスクパターンデータ105とは、描画装置102でマスクパターンを描画するための設計データをいう。また、描画データとは、マスクパターンを描画装置102に対応するデータ形式に変換したデータをいう。
図2は、フォトマスク作製システム100を用いたフォトマスク作製方法を示すフローチャートである。
ステップS10では、各種データを準備する。各種データには、微小なレンズ(以下「マイクロレンズ」という。)形成用の感光性樹脂の感度曲線及び所望のレンズ形状データが含まれる。マイクロレンズ形成用の感光性樹脂の感度曲線は、露光量に対する感光性樹脂の残膜厚の変化を示す曲線である。通常、ポジ型感光性樹脂の感度曲線は図3のようになる。なお、図3においては、露光量、残膜厚ともに正規化して図示してある。
ステップS11では、情報処理装置101は、ステップS10で準備した各種データに基づいて、フォトマスクに形成すべきマスクパターンの透過光量分布を表現する関数z=F(x、y)を決定する。ステップS10で準備した感度曲線を用いれば、所望のレンズ形状を形成するための透過光量(被照射体への露光量)を、フォトマスクのパターンが形成されるX−Y平面(パターン形成面)上の位置に対する関数として表現することができる。ここで、あるレンズ形状を図3の感度曲線を用いて作製する例を挙げる。X−Y平面上の位置を画素中心からの距離とすると、画素中心からの距離と透過光量(透過率ともいう)の関係は図4のようになり、この関係は図4に示したような2次関数で近似することができる。情報処理装置101は、フォトマスクのパターンを形成するx−y平面をピッチW1を持つ複数の格子に分割したときの各格子の座標値x、yに対し、z座標上の透過光量z値を算出する。すると、上記で求めた画素中心からの距離に対する透過光量の関係を表した2次関数はz=F(x、y)となる。
ステップS11で算出した2次関数を用いて座標値x、yに対するz値を算出し、所望のレンズ形状を得るための1画素の透過光量分布を表したものが図5(a)である。また、図5(b)は、図5(a)に示した透過光量分布の一部を抜粋し、座標値x、yに対する透過光量z値を示した一覧表である。透過光量z値を算出する際のピッチW1は、マイクロレンズ形成に用いる露光装置の解像限界長さ(解像度に対応)よりも小さなサイズとする。例えば、露光光の波長が365nmで4倍レチクル(フォトマスク)を用いた場合には、フォトマスク上でのドットの一辺の寸法が0.96μm(=960nm)以上であると、フォトマスク上のドットパターンが感光性樹脂に解像してしまう。その結果、滑らかな所望のレンズ形状を形成できないことが実験で確かめられている。また、下限はフォトマスクを形成する際の描画装置102の解像限界長さを基準に定まる。一方、フォトマスク上でのドットの一辺の寸法が0.24μm(=240nm)〜0.72μm(=720nm)μmである場合には、露光光の波長365nmで解像しないことが確かめられている。従って、描画装置102上の格子のピッチW1は、60nm〜180nm(フォトマスク上で240nm〜720nm)の範囲内にあることが好ましい。ここで、「ドット」とは、上記の格子と同一形状の遮蔽部を意味し、各格子の重心点一つに対し一つ配置される。また、ドット(遮蔽部)は、鋭角を持たない形状であることが好ましく、正方格子であることがより好ましい。
ステップS12では、X−Y平面を所定のピッチで区切った格子の座標(x,y)の画素中心(x0,y0)からの距離rを数式1に基づいて算出する。
r=((x−x0)2+(y−y0)2)1/2…(数式1)。
ステップS13では、情報処理装置101は、露光光の透過光量を制御するために、算出したz座標上の透過光量z値に対し、後述する順序で誤差分散法(誤差拡散法)による二値化処理を実施する。そして、情報処理装置101は、分割した各格子におけるクロム遮光(遮蔽部)の配置の有無を決定し、一辺がW1の長さを持つドットのパターンを生成する。
ステップS14では、情報処理装置101は、ステップS13で生成されたドットパターンをCAD等の描画装置でのX−Y平面上に配置した、マスクパターンデータを生成する(図9(b)に対応)。さらに、情報処理装置101は、生成したマスクパターンデータを描画装置102に対応した描画データに変換する。
ステップS15では、描画装置102は、ステップS14で生成した描画データを用いて、フォトマスクを作製する。
ステップS16では、検査装置103は、パターンが設計通りに形成されたかどうかを検査する。
ステップS17では、欠陥修正装置104は、検査装置103によって検出された欠陥を修正する。
次に、図2のステップS13における誤差分散法による二値化処理の手順について図6を用いて説明する。
図6では、横方向をX座標、縦方向をY座標とし、所定のピッチで分割された格子に座標(x,y)に対する透過光量zが配列されているものとする。図6では、5×5の格子に分割したものを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。ここで、二値化とは、閾値よりも透過光量の値が大きい場合には1を割り振り、閾値よりも透過光量の値が小さい場合には0を割り振ることを意味する。また、本実施形態では、透過光量の中間値である0.5を閾値として二値化を行うが、本発明はこれに限定されない。1が割り振られた格子は、開口部(クロム遮光膜無し)、0が割り振られた格子は遮光部(クロム遮光膜有り、すなわちドット)となる。二値化処理は、画素中心の格子から開始し、画素中心からの距離rの値が小さい格子から順に反時計回りに処理を行う。
まず、図6(a)に示すように、画素中心の格子では、中間値である0.5を閾値として二値化を行い、透過光量が0.1から0となる。
次いで、図6(b)に示すように、二値化によって生じた誤差(0.1−0=0.1)を、二値化された格子に隣接する8つの格子に重み付け加算(又は減算)する。図7は、重み付けの一例を示す図である。図7では、上下左右の格子に対しては1の重み付けを割り振り、左上、右上、左下、右下の格子に対し、0.5の重み付けを割り振っている。従って、上の格子の透過光量は(図6(b)では(1))、0.2+0.1/(1+1+1+1+0.5+0.5+0.5+0.5)=0.22となる。以下同様に、図7の重み付けに基づいて、隣接する格子の透過光量に対し、重み付けがなされる。
次いで、図6(c)に示すように、隣接する格子に移動し、上述の二値化を行う。図6(c)では、移動後の格子において、中間値である0.5を閾値として二値化を行い、透過光量が0.22から0となる。
次いで、図6(d)に示すように、二値化によって生じた誤差(0.22−0=0.22)を、図7の重み付けに基づいて二値化された格子に隣接する8つの格子に重み付け加算(又は減算)する。図6(d)では、上に位置する格子の透過光量は、0.21+0.22/(1+1+1+0.5+0.5+0.5+0.5)=0.22となる。以下同様に、図7の重み付けに基づいて、隣接する格子の透過光量に対し、重み付けがなされる。なお、二値化処理が終了した格子に対しては、誤差を重み付け加算(又は減算)しない。
図6(e)では、矢印で示した順序で同様の処理を行っている。すなわち、画素中心の格子から開始した後は、右、上、左、下、右上、左上、左下、右下の順序で各格子を処理し、更にその外側の格子のうち画素中心からの距離rが近い格子の順で処理する。このように、中心画素から等距離の画素毎に渦巻き状に二値化処理を行うため、画素中心に対して同心円状かつ対称性の高いドットのパターン配置を得ることができる。
図9は、図6に示す二値化処理よって得られたドットパターンを示す図である。図9(a)は、枠Aで囲まれた範囲で開口した格子の割合(開口率)を算出したものである。図9(b)は、0を遮光部(ドット)、1を開口部としたときのドットパターンを表している。図9(a)に示すように、右上の領域では開口率が26%、左上の領域では開口率が27%、左下の領域では開口率が25%、右下の領域では開口率が26%であった。
図10は、比較例として、特許文献2(図10(a)(ハ)を参照)に記載された、画素中心から四隅方向に誤差分散法による二値化処理を行ったときのドットパターンを示す図である。図10(a)は、枠Bで囲まれた範囲で開口した格子の割合(開口率)を算出したものである。図10(b)は、0を遮光部(ドット)、1を開口部としたときのドットパターンを表している。図10(a)に示すように、右上の領域では開口率が31%、左上の領域では開口率が33%、左下の領域では開口率が31%、右下の領域では開口率が28%であった。
このように、図9に示すドットパターンは、開口率のずれが2%しかなく、ほぼ対称な配置となった。一方、図10に示すドットパターンは、開口率のずれが5%あり、その配置の対称性も図9のドットパターンより低かった。
以上のように、本実施形態に係る二値化処理によって、ドットパターンの対称性の劣化を抑えることができた。これにより、レンズ形状の歪みが少ない品質のよいマイクロレンズを作製することができる。
なお、本実施形態の説明においては、フォトマスクに形成すべきマスクパターンの透過光量分布を示すデータを用いる場合について説明した。しかしながら、例えば、フォトマスクに形成すべきマスクパターンの透過光量分布を示すデータを予め取得し、これを用いる場合にも本発明は適用可能である。
また、本実施形態の説明においては、フォトマスクに形成すべきマスクパターンの透過光量分布を用いる場合について説明したが、フォトマスクに形成すべきマスクパターンの遮蔽量分布を用いる場合も本発明に含まれる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、図2のステップS13において、誤差分散法による二値化処理を図8(a)に示すように、渦巻き状の方向で実施したが、誤差分散法による二値化処理を他の方向で行ってもよい。このような二値化処理としては、図8(b)に示すように、中心画素から距離rが近い順に時計回りの方向で二値化処理を行ってもよい。また、図8(c)又は図8(d)に示すように、中心画素から距離rが遠い順に二値化処理を行ってもよい。ただし、対称性の劣化を抑えるために、画素中心からの距離rが近い格子の順に処理するか、画素中心からの距離rが遠い格子の順に処理するかのいずれかで処理を行わなければならない。
第1の実施形態では、図2のステップS13において、誤差分散法による二値化処理を図8(a)に示すように、渦巻き状の方向で実施したが、誤差分散法による二値化処理を他の方向で行ってもよい。このような二値化処理としては、図8(b)に示すように、中心画素から距離rが近い順に時計回りの方向で二値化処理を行ってもよい。また、図8(c)又は図8(d)に示すように、中心画素から距離rが遠い順に二値化処理を行ってもよい。ただし、対称性の劣化を抑えるために、画素中心からの距離rが近い格子の順に処理するか、画素中心からの距離rが遠い格子の順に処理するかのいずれかで処理を行わなければならない。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、図2のステップS13において1画素を所定のピッチW1で分割した格子を用いて二値化処理を行った。この手法は生成するドットパターンの対称性の劣化を抑えることができるものの、所望のレンズ形状を得るための透過光量分布を再現することができない場合がある。これは、画素の内部に存在する格子は図12(a)のように多方向(8方向)に誤差を重み付け加算(又は減算)できるのに対し、最外周の格子は図12(b)のように少数の方向(2方向)でしか誤差を重み付け加算(又は減算)できないからである。このため、誤差を重み付け加算(又は減算)できる格子数が減少し、他の格子と同等な重み付け加算(又は減算)ができなくなりうる。すなわち、最外周の格子を二値化処理する際に適切な二値化が行われていない可能性がある。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、図2のステップS13において1画素を所定のピッチW1で分割した格子を用いて二値化処理を行った。この手法は生成するドットパターンの対称性の劣化を抑えることができるものの、所望のレンズ形状を得るための透過光量分布を再現することができない場合がある。これは、画素の内部に存在する格子は図12(a)のように多方向(8方向)に誤差を重み付け加算(又は減算)できるのに対し、最外周の格子は図12(b)のように少数の方向(2方向)でしか誤差を重み付け加算(又は減算)できないからである。このため、誤差を重み付け加算(又は減算)できる格子数が減少し、他の格子と同等な重み付け加算(又は減算)ができなくなりうる。すなわち、最外周の格子を二値化処理する際に適切な二値化が行われていない可能性がある。
上記の課題を解決するため、画素の最外周に存在する格子に隣接するように図13(a)のように付加的な格子(ダミー格子)を最外周の格子の外側に追加する。そして、最外周の格子の誤差を重み付け加算(又は減算)できる格子数を増やした上で二値化処理を行うと良い。すなわち、最外周の格子の誤差を重み付け加算(又は減算)できる格子の数と、画素の内部に存在する格子の誤差を重み付け加算(又は減算)できる格子の数と一致させることが可能となる。ダミー格子は二値化処理を行う際に誤差を重み付け加算(又は減算)する時のみ用いる格子であり、ダミー格子の二値化処理結果を図2のステップS14では用いない。このように、ダミー格子を追加して二値化処理を行うことによって適切なクロム遮光の配置を行うことができ、結果として所望のレンズ形状を得るための透過光量分布を再現できるドットパターン配置を作製することができる。図12(c)はダミー格子を用いなかった場合における最外周格子の誤差分散処理の結果を示す図である。処理格子に隣接する格子の重み付け加算(又は減算)後の値は、ダミー格子を用いた場合の図13(b)とは異なる値となる。この値の差が、所望のレンズ形状を得るための透過光量分布からのずれに相当する。
上記のダミー格子を追加した二値化処理方法は、第1の実施形態及び第2の実施形態に示した二値化処理方向に限らず、画素の最外周に存在する格子の二値化処理時に適切な結果を出すことができる方法である。第1の実施形態及び第2の実施形態と併せて用いることにより、対称性の劣化が抑えられた、所望のレンズ形状を得るためのドットパターン配置を得ることができる。特に、レンズ(曲率)が画素の最外周まで及ぶ場合に、所望のレンズ形状を得るためのドットパターン配置を得ることが可能となる。
(応用例)
図11は、本発明の好適な実施形態に係るフォトマスク作製システム100を用いて作製したマイクロレンズを備える撮像素子の構成を示す図である。撮像素子には、複数の画素が2次元配列され、各画素にマイクロレンズが配置される。フォトマスク(レチクル)上には、図9(又は図13)のようにして得られたマスクパターンを複数配列することが好ましい。なお、図13に示すダミー格子を用いる場合には、1画素目のマスクパターンを形成した後に、ダミー格子を除いた部分のマスクパターンを複数配列し、複数画素に対応したマスクパターンを形成することができる。このようなフォトマスク(レチクル)を用いて、複数のマイクロレンズ(マイクロレンズアレイ)が、周知のリソグラフィー技術により基板1001上に形成される。撮像素子は、基板1001に形成された光電変換手段1002と、フォトマスク作製システム100を用いて2次元配列されたマイクロレンズ1003と、カラーフィルタ1004とを備える。光電変換手段1002は、光を信号電荷に変換して蓄積するフォトダイオードなどの光電変換手段である。マイクロレンズ1003は、光電変換手段1002に光を集光する。カラーフィルタ1004は、マイクロレンズ1003と光電変換手段1002との間に配置される。
図11は、本発明の好適な実施形態に係るフォトマスク作製システム100を用いて作製したマイクロレンズを備える撮像素子の構成を示す図である。撮像素子には、複数の画素が2次元配列され、各画素にマイクロレンズが配置される。フォトマスク(レチクル)上には、図9(又は図13)のようにして得られたマスクパターンを複数配列することが好ましい。なお、図13に示すダミー格子を用いる場合には、1画素目のマスクパターンを形成した後に、ダミー格子を除いた部分のマスクパターンを複数配列し、複数画素に対応したマスクパターンを形成することができる。このようなフォトマスク(レチクル)を用いて、複数のマイクロレンズ(マイクロレンズアレイ)が、周知のリソグラフィー技術により基板1001上に形成される。撮像素子は、基板1001に形成された光電変換手段1002と、フォトマスク作製システム100を用いて2次元配列されたマイクロレンズ1003と、カラーフィルタ1004とを備える。光電変換手段1002は、光を信号電荷に変換して蓄積するフォトダイオードなどの光電変換手段である。マイクロレンズ1003は、光電変換手段1002に光を集光する。カラーフィルタ1004は、マイクロレンズ1003と光電変換手段1002との間に配置される。
従来のマイクロレンズは、樹脂材料を加熱して、軟化させることによって形成されている。そのため、隣接するマイクロレンズが連結しないように、マイクロレンズ間に隙間を設ける必要があった。
これに対し、本発明の好適な実施形態では、フォトマスク作製システム100を用いて作製されたフォトマスクを用いてマイクロレンズ1003を作製することにより、レンズ形状の歪みが低減される。そのため、樹脂材料を加熱する工程が不要であり、マイクロレンズ間の隙間を大幅に低減することができる。
1001 基板
1002 光電変換手段
1003 マイクロレンズ
1004 カラーフィルタ
1002 光電変換手段
1003 マイクロレンズ
1004 カラーフィルタ
Claims (9)
- マイクロレンズを形成するためのフォトマスクを製造する製造方法であって、
マスクパターンデータを生成する工程と、
前記マスクパターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程とを含み、
前記マスクパターンデータを生成する工程は、
前記フォトマスクに形成すべきマスクパターンのパターン形成面を複数の格子に分割したときの各格子の座標値における前記マスクパターンの透過光量分布を取得する工程と、
前記複数の格子の各々における前記透過光量分布の値に対して誤差分散法による二値化処理を行って、二値化された値が0であるか1であるかに応じて遮蔽部を配置するか否かを前記複数の格子の各々について決定する工程とを含み、
前記二値化処理は、前記複数の格子を対象として、前記パターン形成面の中心からの距離が近い格子から順に行われる、
ことを特徴とするフォトマスクの製造方法。 - マイクロレンズを形成するためのフォトマスクを製造する製造方法であって、
マスクパターンデータを生成する工程と、
前記マスクパターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程とを含み、
前記マスクパターンデータを生成する工程は、
前記フォトマスクに形成すべきマスクパターンのパターン形成面を複数の格子に分割したときの各格子の座標値における前記マスクパターンの透過光量分布を取得する工程と、
前記複数の格子の各々における前記透過光量分布の値に対して誤差分散法による二値化処理を行って、二値化された値が0であるか1であるかに応じて遮蔽部を配置するか否かを前記複数の格子の各々について決定する工程とを含み、
前記二値化処理は、前記複数の格子を対象として、前記パターン形成面の中心からの距離が遠い格子から順に行われる、
ことを特徴とするフォトマスクの製造方法。 - 前記複数の格子の各々に対し時計回りで前記二値化処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記複数の格子の各々に対し反時計回りで前記二値化処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記複数の格子の各々の一辺の長さは、露光装置の解像限界長さ以下であることを請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記複数の格子は、正方格子であることを請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記決定する工程では、前記複数の格子の最外周を取り囲むように全周的に付加的な格子を追加し、前記付加的な格子にも前記二値化処理による誤差の分散を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記マスクパターンデータを生成する工程では、前記付加的な格子に対する前記二値化処理の結果を用いることなく前記マスクパターンデータを生成する、
ことを特徴とする請求項7に記載のフォトマスクの製造方法。 - 前記マスクパターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程では、複数の前記マスクパターンが配列されたフォトマスクを作製することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
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