JP5159815B2 - 波長変換レーザ装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ光の波長を変換して出射する波長変換レーザ装置に関する。
紫外や可視のレーザ光を発生させる方法の1つに波長変換技術を利用した方法がある。この方法は、波長変換素子の非線形性を利用して赤外波長等のレーザ光を短波長に変換する方法であり、短波長レーザ光源に広く用いられている。
波長変換技術を利用したレーザ光発生方法では、短波長レーザを効率良く発生させるために、波長変換素子の入射面と出射面のそれぞれに、入射するレーザ光および波長変換された短波長レーザ光に対する反射防止コートを形成している。ところが、反射防止コートの品質によっては、短波長レーザ光に対する反射防止コートの寿命が短い場合がある。このため、特許文献1の第3高調波発生器では、短波長レーザの取り出し面をブリュースタカットにすることで、取り出し面の反射防止コートをなくしている。
米国特許第5850407号明細書
しかしながら、上記従来の技術では、短波長レーザの取り出し面をブリュースタカットにしているので、入射するレーザ光が真円に近い場合、波長変換されて出射される短波長レーザは楕円になってしまう。このため、波長変換される短波長レーザを真円に補正するための光学系が必要になるという問題があった。そして、これらの光学系にも短波長レーザに対する反射防止コートが必要であるので、レーザ装置全体としての寿命が短くなる場合があるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、真円度の高い短波長レーザ光を少ないロスで出射するとともに、装置寿命を長く保つことができる簡易な構成の波長変換レーザ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、レーザ光を発振させることによって前記レーザ光の基本波を出射する共振器と、前記共振器の外側に配置されるとともに前記基本波を用いて前記基本波を3分の1の波長に変換する波長変換素子と、を備え、前記波長変換素子は、前記基本波を2分の1の波長に変換して第2高調波を生成するとともに前記基本波および前記第2高調波を出射するSHG結晶と、前記基本波および前記第2高調波を用いて前記基本波の3分の1の波長である第3高調波を生成して出射するTHG結晶と、を有し、前記SHG結晶は、前記基本波の入射面が前記基本波に対する略ブリュースタ角であり、且つ前記THG結晶は、前記第3高調波の出射面が前記第3高調波に対する略ブリュースタ角であることを特徴とする。
本発明によれば、SHG結晶は、基本波の入射面が基本波に対する略ブリュースタ角であり、且つTHG結晶は、第3高調波の出射面が第3高調波に対する略ブリュースタ角であるので、簡易な構成で真円度の高いレーザ光を少ないロスで出射するとともに、装置寿命を長く保つことが可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態に係る波長変換素子を備えた波長変換レーザ装置の構成を示す図である。 図2は、波長変換素子の構成を示す図である。 図3は、偏光方向のビーム寸法算出方法を説明するための図である。 図4は、THG結晶からの出射角が小さくなる方向にTHG結晶を傾けた場合の波長変換素子の構成を示す図である。 図5は、THG結晶からの出射角が大きくなる方向にTHG結晶を傾けた場合の波長変換素子の構成を示す図である。 図6は、3倍波に対するTHG結晶の出射角と反射率の関係を示す図である。 図7は、図6に示した関係の一部拡大図である。 図8は、THG結晶の傾斜角と3倍波出射角の関係を示す図である。 図9は、THG結晶の傾斜角とTHG結晶から出射される3倍波の縦横比の関係を示す図である。 図10は、従来用いられていた波長変換素子の構成を示す図である。 図11は、共振器の内部に波長変換素子を配置した場合の波長変換レーザ装置の構成を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る波長変換レーザ装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態に係る波長変換素子を備えた波長変換レーザ装置の構成を示す図である。図1では、波長変換レーザ装置100の断面構成を示している。波長変換レーザ装置100は、励起光源30と、共振器(レーザ発振器)20と、波長変換素子10と、を含んで構成されている。
共振器20は、全反射ミラー21と、部分反射ミラー23と、YAGなどのレーザ媒質22と、偏光素子24と、を有している。励起光源30は、励起光を出射してレーザ媒質22を励起する。全反射ミラー21は、レーザ媒質22で励起された発振光に対し高反射率でレーザ媒質22側に反射する。また、偏光素子24は、発振光の偏光方向を規定し、出射される基本波の偏光方向を決める。また、部分反射ミラー23は、発振光の一部をレーザ媒質22側に反射するとともに、残りの発振光を透過させて基本波として波長変換素子10に出射する。
波長変換素子10は、共振器20から出射されてきた基本波(レーザ光L)の波長を変換する素子であり、波長変換結晶としてSHG(Second Harmonic Generation)結晶2とTHG(Third Harmonic Generation)結晶3とを備えている。第2高調波発生結晶であるSHG結晶2や第3高調波発生結晶であるTHG結晶3は、例えば非線形光学結晶のLBO(LiB35)結晶を用いて形成されている。
SHG結晶2は、共振器20から出射されてきた基本波を、基本波の1/2倍の波長である2倍波(第2高調波である2倍波レーザ)に変換する。SHG結晶2は、共振器20からの基本波と波長変換した2倍波とをTHG結晶3に出射する。
THG結晶3は、SHG結晶2から出射されてくる基本波と2倍波を、基本波の1/3倍の波長である3倍波(第3高調波である3倍波レーザ)に変換する。THG結晶3は、波長変換した3倍波を、所定の方向(共振器20から出射されてきた光の光軸と略平行な方向)に出射する。本実施の形態では、SHG結晶2の入射面を基本波に対する略ブリュースタ角とし、かつTHG結晶3の出射面を3倍波に対する略ブリュースタ角としておく。
つぎに、波長変換素子10の構成と光波(基本波、2倍波、3倍波)の真円度について説明する。図2は、波長変換素子の構成を示す図である。ここでは、SHG結晶2とTHG結晶3の形状が、柱状部材を柱軸に非垂直かつ非平行な面で切断した形状である場合について説明する。
SHG結晶2は、基本波に対するブリュースタ角θ1で基本波を入射させた場合に、SHG結晶2の長手方向(柱軸方向)に基本波が伝播するよう、入射面(柱状の上面側)が所定の角度で削ぎ落とされて形成(入射する基本波に対するブリュースタカット)されている。また、SHG結晶2の出射面は、SHG結晶2から出射される基本波および2倍波の光軸方向と垂直となるよう柱軸と垂直な底面を有している。
また、THG結晶3は、3倍波に対するブリュースタ角θ4で3倍波を出射させる場合に、THG結晶3内の柱軸方向に3倍波が伝播し且つ出射した3倍波が、共振器20から出射されてきた光の光軸と平行な方向となるよう、出射面(柱状の上面側)が所定の角度で削ぎ落とされて形成(入射する3倍波に対するブリュースタカット)されている。また、THG結晶3の入射面は、THG結晶3に入射する基本波および2倍波の光軸方向と垂直となるよう柱軸と垂直な底面を有している。
そして、SHG結晶2の出射面(底面)とTHG結晶3の入射面(底面)とが略平行になり、且つSHG結晶2内での光軸とTHG結晶3内での光軸が同軸となるようSHG結晶2とTHG結晶3とが近接配置されている。
図2では、基本波の偏光方向(入射面に垂直な偏光方向)を方向D1で示し、3倍波の偏光方向(出射面に垂直な偏光方向)をD3で示している。共振器20から出射される基本波の波長は、1064nmであり、SHG結晶2およびTHG結晶3で波長変換されてTHG結晶3から出射される3倍波の波長は355nmである。
また、SHG結晶2は、基本波の波長および偏光方向に対する屈折率が例えばn=1.6055である。また、THG結晶3は、基本波の波長および偏光方向に対する屈折率が例えばn=1.5656であり、3倍波の波長および偏光方向に対する屈折率が例えばnT3ω=1.5973である。
ブリュースタ角θ1は、SHG結晶2の基本波の波長および偏光方向に対する屈折率によって決まるものである。したがって、SHG結晶2の屈折率に基づいて、ブリュースタ角θ1を設定しておく。
同様に、ブリュースタ角θ4は、THG結晶3の3倍波の波長および偏光方向に対する
屈折率によって決まるものである。したがって、THG結晶3の屈折率に基づいて、ブリュースタ角θ4を設定しておく。
本実施の形態では、SHG結晶2の入射面に対してブリュースタ角θ1(θ1=58.083°)で基本波が入射される。このときの基本波は、S偏光の偏光方向である方向D1の寸法が寸法y1であり、偏光方向に垂直な方向の寸法が寸法x1である。基本波の寸法y1と寸法x1との寸法比(縦横比)は、1:1であり、基本波は真円である。
SHG結晶2に入射した基本波は、ブリュースタ角θ1に対して所定の角度θ2(sinθ1=nsinθ2)の角度をなしながらSHG結晶2内を伝播する。そして、SHG結晶2内では、基本波の一部が2倍波に波長変換される。
SHG結晶2から出射する基本波および2倍波は、THG結晶3に入射する。THG結晶3内では、基本波および2倍波を用いて3倍波が生成される。そして、生成された3倍波は、ブリュースタ角θ4に対して所定の角度θ3(nT3ωsinθ3=sinθ4)の角度をなしながらTHG結晶3内を伝播する。
本実施の形態では、THG結晶3の出射面に対してブリュースタ角θ4(θ4=57.951°)で3倍波が出射される。SHG結晶2内での基本波や2倍波は、基本波の偏光方向の寸法が寸法y2であり、基本波の偏光方向に垂直な方向の寸法が寸法x1である。基本波や2倍波の寸法y2と寸法x1との寸法比(縦横比)は、1.61:1であり、基本波は楕円である。そして、このビーム形状のままTHG結晶3内に基本波や2倍波が入射される。
そして、THG結晶3内で発生する3倍波のビーム形状は基本波ビーム形状と相似形であるとみなしてよいので、THG結晶3内での3倍波の縦横比は1.61:1である。この3倍波がブリュースタ角θ4でTHG結晶3から出射すると、このときの3倍波は、偏光方向D3の寸法が寸法y3であり、偏光方向に垂直な方向の寸法が寸法x1である。そして、THG結晶3から出射された3倍波の寸法y3と寸法x1との寸法比(縦横比)は、1.01:1であり、3倍波は略真円である。換言すると、波長変換後の3倍波は、波長変換前の基本波と略同じ縦横比として出射されることとなる。したがって、波長変換素子10は、レーザ出力のロスを抑えつつ真円度の高い3倍波をTHG結晶3から出射することが可能となる。真円度の高い3倍波とは、所定の許容範囲内の真円度を有した3倍波であり、例えば、THG結晶3から出射された後に真円に補正するための光学系が不要な3倍波である。
ここで、偏光方向のビーム寸法と屈折率および入射角の関係について説明する。図3は、偏光方向のビーム寸法算出方法を説明するための図である。例えば、光が屈折率n1の物質から屈折率n2の物質へ、入射角θ11で入射し、屈折角θ12で伝播する場合、n1×sinθ11=n2×sinθ12の関係が成立する。また、偏光方向のビーム寸法が寸法R1であった光が、入射角θ11で入射し、屈折角θ12で伝播する場合、屈折後の偏光方向はビーム寸法を寸法R2とすると、R1/cosθ11=R2/cosθ12の関係が成立する。したがって、これらの関係を用いて、SHG結晶2内およびTHG結晶3内での基本波や2倍波の真円度を算出でき、THG結晶3から出射される3倍波の真円度を算出できる。
ところで、何らかの原因で、3倍波の縦横比が悪化していた場合、THG結晶3の柱軸方向をSHG結晶2内の基本波または2倍波の光軸から所定の角度だけ傾けることによって、レーザ出力のロスを抑えつつTHG結晶3から出射される3倍波を略真円とすることができる。
図4は、THG結晶からの出射角が小さくなる方向にTHG結晶を傾けた場合の波長変換素子の構成を示す図であり、図5は、THG結晶からの出射角が大きくなる方向にTHG結晶を傾けた場合の波長変換素子の構成を示す図である。
図4に示すように、THG結晶3の柱軸方向をSHG結晶2の光軸(柱軸方向)から−α°だけ傾けることによって、THG結晶3からの出射角が−α°に応じた角度だけ大きくなる。これにより、THG結晶3からは、偏光方向D3の3倍波が出射角θ21で出射される。
また、図5に示すように、THG結晶3の柱軸方向をSHG結晶2の光軸(柱軸方向)から+α°だけ傾けることによって、THG結晶3からの出射角が+α°に応じた角度だけ小さくなる。これにより、THG結晶3からは、偏光方向D3の3倍波が出射角θ22で出射される。
図6は、3倍波に対するTHG結晶の出射角と反射率の関係を示す図であり、図7は、図6に示した関係の一部拡大図である。図7では、3倍波に対するTHG結晶3の出射角51°〜63°と反射率の関係を示している。図6,7では、横軸が3倍波に対するTHG結晶3の出射角であり、縦軸が3倍波に対するTHG結晶の反射率である。
図6および図7に示すように、3倍波に対するTHG結晶3の反射率は、THG結晶3からの3倍波の出射角が約51°〜63°であれば、THG結晶3での反射率が0.5%以下となり、反射率を充分小さく抑えることができる。
図8は、THG結晶の傾斜角と3倍波出射角の関係を示す図である。図8では、横軸がSHG結晶2の柱軸に対するTHG結晶3の柱軸の傾斜角であり、縦軸が3倍波に対するTHG結晶の出射角である。
図8に示すように、THG結晶3からの3倍波の出射角を約51°〜63°の範囲にするには、THG結晶3の柱軸方向を光軸方向に対して−3°〜+4°の範囲で調整すればよい。
図9は、THG結晶の傾斜角とTHG結晶から出射される3倍波の縦横比の関係を示す図である。図9では、横軸がSHG結晶2の柱軸に対するTHG結晶3の柱軸の傾斜角であり、縦軸が3倍波(出射レーザ)のビームの横幅寸法に対する縦寸法の比(3倍波の縦横比)(ビーム系横軸に対する縦軸の比)である。
図9に示すように、THG結晶3の柱軸の傾斜角が−3°〜+4°の範囲であれば、THG結晶3から出射される3倍波の縦横比は、0.85〜1.15となる。また、THG結晶3の柱軸の傾斜角が−2°〜+2°の範囲であれば、THG結晶3から出射される3倍波の縦横比は、0.9〜1.1となる。
したがって、THG結晶3の柱軸の傾斜角を−3°〜+4°の範囲内で調整した場合には、THG結晶3から出射される3倍波の縦横比を基本波(縦横比=1:1)に対して±15%程度のずれを補正し、1:1にすることが可能となる。また、THG結晶3の柱軸の傾斜角を−2°〜+2°の範囲内で調整した場合には、THG結晶3から出射される3倍波の縦横比を基本波に対して±10%程度のずれを補正し、1:1にすることが可能となる。THG結晶3の柱軸の傾斜角は、例えば3倍波の縦横比の許容範囲や3倍波の反射率の許容範囲に基づいて決定される。
このように、THG結晶3の柱軸の傾斜角を適切な角度に調整することによって、3倍波の反射率を抑えつつ縦横比が1:1に近い3倍波をTHG結晶3から出射することが可能となる。換言すると、レーザ出力のロスを抑えつつ真円度の高い3倍波をTHG結晶3から出射することが可能となる。これにより、何らかの原因で3倍波の縦横比が悪化していた場合であっても、THG結晶3の柱軸の傾斜角を調整することによって、真円度の高い基本波から真円度の高い3倍波を小さなロスで得ることが可能となる。
なお、図4や図5では、THG結晶3の柱軸をSHG結晶2の柱軸方向から傾斜させる場合について説明したが、SHG結晶2の柱軸をTHG結晶3の柱軸方向から傾斜させてもよい。この場合も、THG結晶3を傾斜させた場合と同様の効果を得ることができる。また、3倍波の真円度や反射率が許容範囲内に入るのであれば、SHG結晶2の入射面は基本波に対するブリュースタ角からずれてもよい。
ここで、本実施の形態における波長変換素子10と従来用いられていた波長変換素子の差異を明確にするため、従来用いられていた波長変換素子の構成についての問題点を説明する。
図10は、従来用いられていた波長変換素子の構成を示す図である。ここでは、従来の波長変換素子は、THG結晶43とSHG結晶42とを有している。そして、THG結晶43は、柱状部材が3倍波に対してブリュースタカットされた形状を有している。また、SHG結晶42は、柱状をなしている。
SHG結晶42は、SHG結晶2と形状が異なる結晶であり、SHG結晶2とは同様の部材を用いて形成されている。SHG結晶42は、その柱軸が基本波の光軸と同じになるよう配置されている。そして、SHG結晶42の入射面に対して励起光源からの基本波が垂直に入射され、SHG結晶42の出射面に対して基本波および2倍波が垂直に出射される。
また、THG結晶43は、THG結晶3と同様の部材を用いて形成されており、THG結晶3と同様の形状を有している。そして、SHG結晶42の出射面とTHG結晶43の入射面とが略平行になり、且つSHG結晶42内での光軸とTHG結晶43内での光軸が同軸となるようSHG結晶42とTHG結晶43とが近接配置されている。
従来の波長変換素子では、SHG結晶42の入射面に入射される基本波は、S偏光の偏光方向である方向D1の寸法が寸法y1であり、偏光方向に垂直な方向の寸法が寸法x1である。基本波の寸法y1と寸法x1との寸法比(縦横比)は、1:1であり、基本波は真円である。
SHG結晶42に入射した基本波は、入射前の基本波と同じ光軸方向でSHG結晶42内を伝播する。SHG結晶42から出射する基本波および2倍波は、THG結晶43に入射し、入射前の基本波および2倍波と同じ光軸方向でTHG結晶43内を伝播する。THG結晶43では、基本波および2倍波を用いて3倍波が生成される。そして、生成された3倍波は、ブリュースタ角θ4でTHG結晶43から出射する。
THG結晶43から出射される3倍波は、偏光方向D3の寸法が寸法y10であり、偏光方向に垂直な方向の寸法が寸法x1である。具体的には、3倍波の寸法y10と寸法x1との寸法比(縦横比)は、0.63:1であり、3倍波は楕円となっている。換言すると、従来の波長変換素子では、波長変換後の3倍波が、楕円状に出射される。このため、波長変換される3倍波を真円に補正するための光学系が別途必要になる。
なお、本実施の形態では、レーザ光Lを発振する共振器20の外側にSHG結晶2とTHG結晶3を配置して波長変換を行う場合について説明したが、共振器20の内部にSHG結晶2とTHG結晶3を配置して波長変換を行なってもよい。
図11は、共振器の内部に波長変換素子を配置した場合の波長変換レーザ装置の構成を示す図である。図11では、波長変換レーザ装置101の断面構成を示している。波長変換レーザ装置101は、励起光源30と、共振器50とを含んで構成されており、共振器50内に波長変換素子10が配置されている。
共振器50は、全反射ミラー51,53と、YAGなどのレーザ媒質52と、波長変換素子10と、を有している。全反射ミラー51,53は、全反射ミラー21と同様の機能を有している。また、レーザ媒質52は、レーザ媒質22と同様の機能を有している。
共振器50内に波長変換素子10を配置しておくことにより、共振器20外に波長変換素子10を配置した場合と同様に、真円度の高い基本波から真円度の高い3倍波を小さなロスで得ることが可能となる。
また、本実施の形態では、波長変換素子10で3倍波を生成して出射する場合について説明したが、波長変換素子10で4倍波を生成して出射してもよい。この場合も、基本波の入射面をブリュースタ角で構成するとともに、4倍波の出射面をブリュースタ角で構成しておく。
また、本実施の形態では、波長変換素子10に2個の波長変換素子を配置し、3倍波を生成して出射する場合について説明したが、3個の波長変換素子を配置しN倍波(Nは5以上の整数)を生成して出射してもよい。この場合も、基本波の入射面をブリュースタ角で構成するとともに、N倍波の出射面をブリュースタ角で構成しておく。
このように実施の形態によれば、SHG結晶2の入射面を基本波に対するブリュースタ角とし、且つTHG結晶3の出射面を基本波または3倍波に対するブリュースタ角としているので、簡易な構成の波長変換素子10によって真円度の高い3倍波を少ないロスで出射するとともに、波長変換素子10(波長変換レーザ装置100)の装置寿命を長く保つことが可能となる。
以上のように、本発明に係る波長変換レーザ装置は、レーザ光の波長変換に適している。
2 SHG結晶
3 THG結晶
22 レーザ媒質
10 波長変換素子
20 共振器
30 励起光源
100 波長変換レーザ装置
L レーザ光
θ1,θ4 ブリュースタ角

Claims (3)

  1. レーザ光を発振させることによって前記レーザ光の基本波を出射する共振器と、
    前記共振器の外側に配置されるとともに前記基本波を用いて前記基本波を3分の1の波長に変換する波長変換素子と、
    を備え、
    前記波長変換素子は、
    前記基本波を2分の1の波長に変換して第2高調波を生成するとともに前記基本波および前記第2高調波を出射するSHG結晶と、
    前記基本波および前記第2高調波を用いて前記基本波の3分の1の波長である第3高調波を生成して出射するTHG結晶と、
    を有し、
    前記SHG結晶は、前記基本波の入射面が前記基本波に対する略ブリュースタ角であり、且つ前記THG結晶は、前記第3高調波の出射面が前記第3高調波に対する略ブリュースタ角であることを特徴とする波長変換レーザ装置。
  2. 前記SHG結晶および前記THG結晶は、
    前記SHG結晶内の前記第2高調波の光軸と前記THG結晶内の前記第3高調波の光軸とが略同軸となるよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の波長変換レーザ装置。
  3. 前記THG結晶から出射される前記第3高調波が略真円となるよう、前記SHG結晶内の前記第2高調波の光軸と前記THG結晶内の前記第3高調波の光軸とのなす角度が、前記SHG結晶および前記THG結晶の配置方向によって調整されていることを特徴とする請求項1に記載の波長変換レーザ装置。
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