JP5158485B2 - 磁性合金及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロンガスを使用しない磁気冷凍に使用される磁性材料に関し、磁気熱量効果を利用した環境にやさしい冷蔵庫およびエアコン等を実現する効率的な冷凍システムに使用される磁性材料及びその製造方法に関する。
現在世界規模での社会的環境問題として、オゾン層破壊、地球温暖化が挙げられている。オゾン層破壊の原因がエアコン等の冷凍機に使用されるフロンガスであることが指摘され、1987年モントリオールでの国際会議において、特定フロンの1995年中の全廃が定められた。しかし、特定フロンの代替として使用が認められている、いわゆる代替フロンにおいても二酸化炭素の数千倍から、数万倍の温暖化作用があり、1997年の地球温暖化防止京都会議において削減対象となった。欧州では、将来自動車への代替フロンの搭載を全廃することが既に決定されている。このような状況により、省エネルギーでかつ低環境負荷の冷凍空調機器の開発が急務となっており、全くフロンを使用しない磁気冷凍が注目され始めている。磁気冷凍は従来極低温の実現には、広く利用されている。しかし常温域においては、作業物質の格子振動による熱容量が大きいこと、磁気系の熱ゆう乱によるエネルギーが大きくなるため、実用化が困難であった。常温磁気冷凍材料としては、安価で大きな磁気熱量効果を示す磁性材料が必要である。従来常温磁気冷凍材料としては、室温付近に磁気変態点(キュリー温度)を有するGd(ガドリニウム)が知られているが、Gdは希土類元素の中でも希少で高価な金属であり、工業的に実用性のある材料ではない。近年、Gdに替わる常温磁気冷凍材料として、メタ磁性転移を示す磁性材料が注目されている。メタ磁性転移を示す磁気冷凍磁性材料は、キュリー点近傍で磁場を印加することにより常磁性から強磁性へ磁気変態する材料で比較的弱い磁場により大きな磁化変化が得られるため大きな磁気熱量変化が得られるという特長を有する。このような磁性材料としては、GdSiGe2、Mn(As1−xSb)やMnFe(P1−xAs)、La(Fe−Si)13などが提案されている。これら常温磁気冷凍作業物質の中では、原料コスト、環境負荷、製造工程での安全性等を考慮すると、La(Fe−Si)13合金が最も実用材料として有望な候補物質であると考えられる。本材料に関しては、大学では主に物性研究を中心に検討がおこなわれている(非特許文献1,2)。また、特許文献1,2などにも同様の磁気冷凍物質が記載されている。
常温磁気冷凍材料である上記のLa(Fe−Si)13はNaZn13型結晶構造を有するLa(Fe−Si)13結晶格子中に水素を侵入型で固溶させることにより、結晶格子を膨張させキュリー温度を上昇させたものである。本材料の工業的な製造方法として、予め単相のLa(Fe−Si)13母合金を作製し、気固相反応により水素を格子間に固溶させることにより所望のLa(Fe−Si)13合金を得ることが検討されている(非特許文献3)。この常温磁気冷凍材料は、水素が格子間に固溶することにより、結晶格子が広がり磁気変態温度が上昇し常温磁気冷凍作業物質として機能する。そのためには、母合金であるLa(Fe−Si)13中に水素が均一に分散固溶する必要がある。水素を母合金中に固溶させる手段として、非特許文献4においては、高圧水素中で水素吸蔵を行い飽和量近くまで水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気中で熱処理し、脱水素化処理することにより水素固溶量を調整し磁気変態温度を制御することが開示されている。
特開2003−96547号((0035)〜(0037)) 特開2002−356748号((0050)〜(0057)) 固体物理vol 37.(2002)419. 金属vol 73.(2003)849. Appl.Phys.Lett.79(2003)653. 平成14年度NEDO研究成果報告(最終版)プロジェクトID 00A26019a
しかしながら、非特許文献4には、合金中の水素濃度に分布が生じ、水素濃度分布の不均一性を反映してキュリー温度にも分布が生じる問題があることが開示されている。この問題点を解決する手段として、同じく非特許文献4においては、0.02MPaの低圧水素雰囲気中で長時間水素吸蔵反応を行うことにより、水素濃度分布の均一な合金を合成するプロセスも提案されている。このプロセスにおいては、図12にX線回折図を示すように、水素濃度の均一化が図れるものの、水素を組成式La(Fe−Si)13でx=1.0まで吸収させるためには、543Kで20時間もの長時間の熱処理を要するという問題点がある。工業的に本合金を大量に製造するためには、比較的短時間で水素を所定量まで母合金La(Fe−Si)13中に、均一に固溶させるプロセスが必要である。よって本発明は、NaZn13型の磁性合金の新規な製造プロセスを開発し、かつ従来にない高特性の磁性合金を提供することを課題とする。
本発明者は、室温磁気冷凍材料として用いられる、NaZn13型結晶構造を有するLa(Fe−Si)13合金の工業的な製造方法を鋭意検討した結果、水素と窒素が共存する雰囲気ガス中で、適正な反応温度と反応時間、水素濃度を選択することにより、短時間で所定の水素量が固溶した均一な合金が得られることを見出した。
本発明により得られる磁性合金は、実質的に結晶構造がNaZn13単相からなる磁性合金であり、組成式が(La1−x(A1−yTM(ただし、RはYを含む希土類元素の少なくとも1種以上であり、AはSiまたはSiとAl、Ga、Ge、Snからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上であり、TMはFeまたはFeとSc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上であり、原子%で、0≦x≦0.2、0.75≦y≦0.92、5.5≦a≦7.5、73≦b≦85、1.7≦c≦14、0.07≦d<5.0であり、不可避不純物を含む)で表記される。この磁性合金は液体窒素温度においては強磁性を示し、常温では水素と窒素の固溶量により、強磁性あるいは常磁性を示す。ここで、実質的に結晶構造がNaZn13単相からなる、とは組織の95%以上がNaZn13相で構成されることを示す。粒径を500μm以下の不定形あるいは球形とすることで、磁気冷凍作業物質として好ましい形態となる。
立方晶のNaZn13型結晶構造を有する、本合金の具体的な製造方法は、所定の組成比に配合した希土類金属、AおよびTM金属を、高周波溶解やアーク溶解により溶解鋳造し、得られたインゴットを1273〜1423Kで溶体化処理した後500μm以下に粉砕する、あるいは高周波溶解した溶湯を高圧の不活性ガスあるいは水等により噴霧し、直接500μm以下の粉末を得たり、溶湯を回転するロール上に噴霧して直接粉末や薄帯を得ることも可能である。これら粉末または薄帯を1273〜1423Kで溶体化処理することによりNaZn13型結晶構造を有する(La1−x(A1−yTM母合金を得る。この得られた母合金を、水素および窒素を含む反応ガス中550〜700Kで、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間熱処理することにより、水素および窒素吸収分布が均一な磁性粉末を得ることが可能である。反応ガスとしては、水素と窒素の混合ガス、水素とアンモニアの混合ガス、アンモニアガスなどが好適である。さらに好ましい熱処理温度は573K以上673K未満であり、さらに好ましい熱処理温度は550K以上650K以下である。
本発明において、300K近傍を中心にした温度域で大きな磁気冷凍効果を発揮させるためには、本発明の材料組成が重要な意味を有する。希土類量aが5.5原子%未満あるいはbが85原子%超では、希土類元素が不足し反応生成物中に強磁性のFe−Si相が析出するため好ましくない。またaが7.5原子%超あるいはbが73原子%未満では、希土類元素が過剰となり合金中にRTMやRTMなどの希土類リッチな非磁性相あるいは希土類酸化物等が生成されるため水素吸蔵後の磁気熱量効果を低下させる。遷移金属量yが0.92原子%超では、NaZn13相が不安定となり、Fe−Si相が析出する、yが0.75原子%未満では、磁性粉末の飽和磁化が低下するために磁気熱量効果が低下するという問題がある。
水素量cは、cが増加すると結晶格子が膨張し磁気変態温度が上昇する。cの量を制御することによりキュリー温度を245〜330Kの温度域で制御することが可能である。窒素量dは合金中の水素濃度分布を均一にするために不可欠の元素であり、dが0.07原子%未満では水素分布が不均一となり、磁気冷凍性能が低下する、またdが5.0原子%超では格子定数の大きく異なるNaZn13相が合金中に共存し磁気冷凍性能を低下させるため好ましくない。好ましいdの範囲は0.08〜3.0原子%、さらに好ましくは0.09〜0.11原子%、さらに好ましくは0.09〜0.11原子%である。
水素と窒素の分圧と反応時間および温度を制御することにより、合金中に固溶する水素量を制御し均質な合金を比較的短時間に得ることが可能となる。反応温度が700K超では、熱力学的に水素化物が不安定となり、窒素の固溶量が急激に増加るため好ましくない。また反応温度が550K未満では、窒素が合金中にほとんど固溶しないため、均質な合金が得られない。550K〜700K、好ましくは573〜673Kの温度範囲で、水素と窒素の分圧を制御することにより水素と窒素の濃度分布が均一で、格子定数が均一なNaZn13型のLa(Fe・Si)13磁性合金が得られる。このようにして得られた磁性合金のキュリー温度は、245〜330K、さらには250K〜325Kにあり、常温近傍の磁気冷凍作業物質として活用可能となる。
磁性粉末の均一性は粉末X線回折の特定回折線の半価幅と、磁化曲線の温度変化を測定することにより判定することが可能である、すなわち水素、窒素の濃度分布が不均一な場合は格子定数の異なる相が連続的に存在するため半価幅が広くなる、また窒素が過剰に固溶した場合は、窒素が選択的に固溶した相と水素を選択的に固溶した相に分離するため、回折線が双山にスプリットする。このような場合の磁化の温度変化は、磁性相のキュリー温度が局所的に異なり、一定の分布を持つため相変化に伴う磁化曲線の温度変化の傾きが小さくなり、磁気冷凍性能は著しく低下する。本発明の磁性合金は、良好な、磁気冷凍性能を有し、NaZn13相のX線回折の(531)面に相当する回折線の半価幅が0.3度(ラジアン)以下とすることができる。また、本発明の磁性合金は、磁化曲線の温度変化の傾きが−1Amkg−1−1以下(すなわち、傾きの絶対値が1Amkg−1−1以上)である。また、磁性合金中のα−Feを5Vol%以下とすることができる。
本発明における、X線回折による半価幅は以下のように定義する。Cuをターゲットとして加速電圧50kV、加速電流200mAにて測定した粉末X線回折(図12)において、La(Fe・Si)13相のメインピークのひとつである、47度近傍に観察される(531)面の回折線の基線からの高さの1/2の位置における回折線の幅(2θの値)を半価幅として求めた。また磁化曲線の最大傾きは、印加磁界1kOeで測定した液体窒素温度(77K)〜323Kまでの磁化−温度曲線においてLa(Fe・Si)13相の磁気変態に伴い、磁化が急激に変化する領域での最大傾きD、すなわち

を図13のように求めた。磁性体内でキュリー温度の分布(揺らぎ)が存在すると、この傾きは小さくなる。また強磁性のFe−Si相が多量に存在するとこの傾きが小さくなり好ましくない。
合金中の希土類金属Laの一部をCe,Pr,Nd、Dy等のランタノイド元素と置換することが可能である。20%以上の置換ではNaZn13相以外の第2相が析出するため好ましくない。またFeの一部を、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上で置換することも可能である。これらの元素は、全合金組成中10原子%を超えると磁気特性を悪化させるので10原子%以下とする。
さらに、Siの一部をAl、Ga、Ge、Snからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上で置換することが可能である。置換量により、磁気変態温度の調整が可能となる。
本発明において、所望の温度域で磁気冷凍効果を発揮させるために磁気変態温度を制御する。上記Si、Al、Ge、Sn等の添加量により調整が可能であるが、水素と窒素量により広い温度範囲で系統的に磁気変態温度を制御することが可能である。
本発明により、水素、窒素濃度分布が均一で、キュリー温度が均一な磁気冷凍物質を大量に、短時間で合成することが可能となり、その工業的意味が大きい。
以下本発明を実施例により説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
高周波溶解でFe、SiおよびLaを溶解し、溶湯を1650Kから急冷し、La17.3mass%(7.2原子%)、Si6.7mass%(13.8原子%)、残部が実質的にFeからなるインゴット10kgを得た。このインゴットは、Fe−SiおよびLaリッチな2相からなる強磁性体で、組成式で、La(Fe0.85Si0.1512.9である。この合金を、1323K×250時間アルゴン雰囲気中で溶体化処理し、NaZn13単相とした後、デイスクミルで500μm以下に粉砕し、1kgの粉末を、623Kで水素分圧60%/アンモニア分圧40%の1気圧の混合反応ガス中で1時間熱処理した。図1に、反応後の粉末のX線回折図を示す。623Kで熱処理後の粉末は、ほぼ立方晶のNaZn13型結晶構造の単相組織である。主回折線である(531)面の、半価幅は0.25度で、キュリー温度は297K、液体窒素温度での飽和磁化は63Am/kgであった。また、図2に示す、この粉末の磁化−温度曲線の相変態近傍での最大傾きは、−2.6Amkg−1−1であった。表1に、これら磁性粉末の熱処理後の水素、窒素吸蔵量およびキュリー温度を示す。また表2に、X線回折より求めた半価幅と磁化−温度曲線の最大傾きを示す。
(比較例1)
デイスクミル粉砕後の同一の粉末を水素ガス25%/アルゴンガス75%の混合反応ガス中で、533Kで1時間熱処理した試料の粉末X線回折図を図14,図15に、533Kで0.5時間および1時間熱処理した試料の磁化−温度変化図を図16に示す。(531)面に対応する回折線の半価幅は、それぞれ0.46度と0.38度であり回折線のピークがスプリットし回折線がブロードになっており、格子定数の異なる相が共存していることがわかる。また磁化−温度線図の最大傾きは、それぞれ−0.31Amkg−1−1、−0.66Amkg−1−1であった。表1に、これら磁性粉末の熱処理後の水素、窒素吸蔵量およびキュリー温度を示す。また表2に、X線回折より求めた半価幅と磁化−温度曲線の最大傾きを示す。
(実施例2)
高周波溶解で、実施例1と同様の組成の合金インゴット10kgを溶製した。このインゴットを実施例1と同様に、アルゴン雰囲気中で1373K×200時間溶体化処理後、サンプルミルで500μm以下の粉末とした。この粉末各1kgを、623Kで1時間、1気圧の水素/アンモニア混合反応ガス中でアンモニア濃度を100〜20%と変えて熱処理した。得られた粉末の、磁化測定、X線回折を行った。結果を表3および表4に示す。いずれの条件でも、均一な合金粉末が得られることがわかる。図3に、アンモニア濃度、100%、60%、30%で熱処理した試料の磁化−温度曲線を示す。傾きの最大値は、それぞれ−2.38Amkg−1−1、−2.03Amkg−1−1、−2.05Amkg−1−1であった。また、熱処理温度と水素量、窒素量の関係を調べたところ、図4に示す結果が得られた。また、熱処理後の粉末の水素量と窒素量の関係を調べたところ、図5に示す結果が得られた。水素と窒素の総和(原子%)に対し、キュリー温度が260〜310Kで直線的に変化することがわかる。
(実施例3)
高周波溶解で実施例1と同様の組成の合金インゴット10kgを溶製した。このインゴットを実施例1と同様に、アルゴン雰囲気中で1373K×200時間溶体化処理後、サンプルミルで500μm以下の粉末とした。この粉末各1kgを、水素60%/アンモニア40%の混合反応ガス中で、熱処理温度573〜723Kで反応時間を変えて熱処理し、熱処理後粉末のX線回折(図6,7)、磁化測定を行った。結果を表5および表6に示す。
(実施例4)
高周波溶解でFe、SiおよびLaを溶解し、溶湯を1650Kから急冷し、La17.1mass%(7.2原子%)、Si5.3mass%(11.1原子%)、残部は実質的にFeからなるインゴット10kgを得た。このインゴットは、Fe−Si相およびLaリッチな相の、2相からなる強磁性体で、組成式でLa(Fe0.88Si0.1212.8であった。この合金を、1323K×250時間アルゴン雰囲気中で溶体化処理し、NaZn13単相とした後、デイスクミルで500μm以下に粉砕し、1kgの粉末を623Kで、水素とアンモニアの比率を変えた1気圧の混合反応ガス中で1時間熱処理した。熱処理後の粉末の水素量と窒素量の関係を調べたところ、図9に示す結果が得られた。水素と窒素の総和(原子%)に対し、キュリー温度が260〜310Kで直線的に変化することがわかる。またX線回折により測定した、(531)面の回折線の半価幅は、図8に示すように、いずれも0.30度以下であり、格子定数が一定の均質な合金が得られていることがわかる。図10および図11に熱処理時のアンモニア濃度の異なる合金の磁化−温度線図を示す。磁化曲線のキュリー温度近傍における磁化変化の最大傾きは、何れも−2Am/Kより大きく磁気的にも極めて均質な合金が合成されていることがわかる。表7,8に結果を整理し示す。
本発明による磁性粉末は、磁気冷凍材料としてフロンガスを使用しない冷凍空調機器に応用が出来、環境に優しい冷凍機、エアコン等を実現する高効率な冷凍システムに利用可能である。
本発明による磁性粉末のX線回折図。 本発明による磁性粉末(反応ガスは水素60%/アンモニア40%、熱処理条件は623K×1h)の磁化−温度図。 性粉末の磁化−温度図。(a)は、反応ガス:アンモニア100%、熱処理条件:623K×1h)、(b)は、反応ガス:水素70%/アンモニア30%、熱処理条件:533K×1h)、(c)は、反応ガス:水素40%/アンモニア60%、熱処理条件:533K×1h)である。 処理温度と固溶水素量、窒素量の関係。 本発明によるキュリー温度と水素と窒素の総和量の関係。 本発明による磁性粉末のX線回折図((a)は実施例3−1、(b)は実施例3−2、(c)は実施例3−4)。 実施例および比較例の磁性粉末のX線回折図((a)は実施例3−5、(b)は実施例3−6、(c)は比較例)。 本発明による磁性粉末のX線回折図((a)は参考例4−9、(b)は実施例4−8、(c)は実施例4−6)。 本発明によるキュリー温度と水素と窒素の総和量の関係。 本発明による磁性粉末の磁化−温度線図(反応ガス:水素10%/アンモニア90%、熱処理条件:623K×1h)。 本発明による磁性粉末の磁化−温度線図(反応ガス:水素20%/アンモニア80%、熱処理条件:623K×1h)。 X線回折図の半価幅の説明図。 磁化−温度線図の最大傾きの説明図。 比較例のX線回折図。Hは、水素吸蔵の多い相、Lは、水素吸蔵の少ない相である。 図14の一部拡大図。 比較例の磁化−温度変化図。(a)は、熱処理条件:533K×0.5h)、(b)は、熱処理条件:533K×1h)。

Claims (6)

  1. NaZn13型結晶構造を有する磁性合金であって、組成式が(La1−x(A1−yTM(ただし、RはYを含む希土類元素の少なくとも1種以上であり、AはSiまたはSiとAl、Ga、Ge、Snからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上であり、TMはFeまたはFeとSc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上であり、原子%で、0≦x≦0.2、0.75≦y≦0.92、5.5≦a≦7.5、73≦b≦85、2.08≦c≦14、0.08≦d≦3.0であり、不可避不純物を含む)で表記され
    キュリー温度が245〜330Kであり、印加磁界1kOeで測定した磁化−温度曲線の磁気変態に伴う最大勾配が−1Am kg −1 −1 以下である、磁性合金。
  2. 前記磁性合金は、NaZn13相のCuをターゲットとしたX線回折の(531)面に相当する回折線の半価幅が0.3度以下である請求項1に記載の磁性合金。
  3. 前記磁性合金は粒径が500μm以下の粉末状である請求項1または請求項に記載の磁性合金。
  4. (La・R)−(A・TM)13系合金を、窒素と水素を含む反応ガス中、550〜700Kで熱処理し、前記合金に水素および窒素を含有させて、
    NaZn13型結晶構造を有する磁性合金であって、組成式が(La1−x(A1−yTM(ただし、RはYを含む希土類元素の少なくとも1種以上であり、AはSiまたはSiとAl、Ga、Ge、Snからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上であり、TMはFeまたはFeとSc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選択される元素の少なくとも1種以上であり、原子%で、0≦x≦0.2、0.75≦y≦0.92、5.5≦a≦7.5、73≦b≦85、1.7≦c≦14、0.08≦d≦3.0であり、不可避不純物を含む)で表記される磁性合金を得ることを特徴とする磁性合金の製造方法。
  5. 熱処理時間が0.5〜5時間である請求項に記載の磁性合金の製造方法。
  6. 前記反応ガスが、水素と窒素の混合ガス、水素とアンモニアの混合ガスあるいはアンモニアガスである請求項または請求項に記載の磁性合金の製造方法。
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