JP5157572B2 - 音処理装置およびプログラム - Google Patents

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本発明は、複数のマイクロホンからの入力信号を処理する技術に関する。
複数のマイクロホンからの入力信号に基づいてステレオの複数の出力信号を生成する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、無指向性の4個のマイクロホンを利用して右チャネルおよび左チャネルの2系統の出力信号を生成する技術が開示されている。また、特許文献2には、単一指向性のMマイクロホンと双指向性のSマイクロホンとを利用したMS方式で2系統の出力信号を生成する技術が開示されている。
特開平7−75195号公報 特開平7−298387号公報
しかし、特許文献1の技術においては4個ものマイクロホンが必要であるから、装置の大型化やコストの増大が問題となる。また、特許文献2の技術においては指向性(単一指向性および双指向性)のマイクロホンが必須であるという制約がある。以上の事情を背景として、本発明は、少数の無指向性のマイクロホンを使用してステレオの出力信号を生成するという課題の解決をひとつの目的としている。
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの形態に係る音処理装置は、無指向性の第1マイクロホンが生成した第1入力信号(例えば図1の入力信号A0)と第1マイクロホンから離間した無指向性の第2マイクロホンが生成した第2入力信号(例えば図2の入力信号B0)とからステレオの第1出力信号(例えば図1の出力信号A2)と第2出力信号(例えば図1の出力信号B2)とを生成する音処理装置であって、第1入力信号と第2入力信号とを加算することで第1中間信号(例えば図1の中間信号A1)を生成する第1処理手段と、第1入力信号から第2入力信号を減算することで第2中間信号(例えば図1の中間信号B1)を生成する第2処理手段と、第1中間信号と第2中間信号とを加算することで第1出力信号を生成する加算手段と、第1中間信号から第2中間信号を減算することで第2出力信号を生成する減算手段とを具備する。
以上の構成によれば、第1入力信号と第2入力信号との加算に基づいて生成された第1中間信号と、第1入力信号と第2入力信号との差分に基づいて生成された第2中間信号とに基づいてステレオの第1出力信号および第2出力信号とが生成される。したがって、第1出力信号および第2出力信号の生成に原理的に必要なマイクロホンの個数が特許文献1と比較して削減されるとともに、特許文献2の技術で必要となる指向性のマイクロホンが原理的に不要であるという利点がある。
なお、本発明における「無指向性」とは、指向性が完全に排除された性質に限定されない。すなわち、音波が到来する方向に応じて受音の感度に若干の相違がある場合でも、実質的に無指向と同視できる性質は本発明における「無指向性」の概念に包含される。また、以上の構成においては第1マイクロホンおよび第2マイクロホンのみが明示的に規定されているが、第1マイクロホンおよび第2マイクロホン以外のマイクロホンからの入力信号を第1出力信号や第2出力信号の生成に利用する構成を本発明の範囲から除外する趣旨ではない。
本発明の好適な態様において、第1処理手段は、第1入力信号と第2入力信号とを加算した信号のレベルを低減する第1補正手段を含む。本態様によれば、第1入力信号と第2入力信号とを加算した信号のレベルが低減されるから、左右の方向感に富んだ音声を生成することが可能となる。もっとも、第1補正手段の有無は本発明において任意である。
本発明の好適な態様において、第2処理手段は、第1入力信号から第2入力信号を減算した信号のうち高周波側の成分のレベルを低周波側の成分のレベルに対して相対的に低減する(換言すると、低周波側の成分のレベルを高周波側の成分のレベルに対して相対的に増加する)第2補正手段を含む。本態様においては、第1入力信号と第2入力信号との差分の信号のうち高周波側の成分のレベルが低周波側の成分のレベルに対して相対的に低減されるから、広帯域にわたってレベルが均等な音声(特に低音域の音量が充分に確保された音声)を生成することができる。もっとも、第2補正手段の有無は本発明において任意である。
なお、第1出力信号および第2出力信号に応じた再生音の聴感上のバランスを確保するために、第1補正手段および第2補正手段の一方による補正を制限する構成も好適である。例えば、所定の補正値を信号に乗算する手段を第1補正手段や第2補正手段として使用した構成においては補正値が所定の範囲内に制限(修正)される。
また、第1中間信号と第2中間信号との位相差を補正する(例えば同相または逆相とする)ために、第1入力信号と第2入力信号とを加算した信号の位相を調整する第1位相調整手段(例えば図4の位相調整部18)を第1処理手段に設置した構成や、第1入力信号から第2入力信号を減算した信号の位相を調整する第2位相調整手段(例えば図4の位相調整部28)を第2処理手段に設置した構成、または第1位相調整手段および第2位相調整手段の双方を設置した構成も好適である。
本発明に係る音処理装置は、各処理に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明に係るプログラムは、無指向性の第1マイクロホンが生成した第1入力信号と第1マイクロホンから離間した無指向性の第2マイクロホンが生成した第2入力信号とからステレオの第1出力信号と第2出力信号とを生成するために、コンピュータに、第1入力信号と第2入力信号とを加算することで第1中間信号を生成する第1処理と、第1入力信号から第2入力信号を減算することで第2中間信号を生成する第2処理と、第1中間信号と第2中間信号とを加算することで第1出力信号を生成する加算処理と、第1中間信号から第2中間信号を減算することで第2出力信号を生成する減算処理とを実行させる。以上に例示したプログラムによっても、本発明の音処理装置と同様の作用および効果が奏される。なお、本発明のプログラムは、CD−ROMなど可搬型の記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
また、無指向性の第1マイクロホンが生成した第1入力信号と第1マイクロホンから離間した無指向性の第2マイクロホンが生成した第2入力信号とからステレオの第1出力信号と第2出力信号とを生成する方法としても本発明は特定される。本発明のひとつの態様に係る音処理方法は、第1入力信号と第2入力信号とを加算することで第1中間信号を生成する工程と、第1入力信号から第2入力信号を減算することで第2中間信号を生成する工程と、第1中間信号と第2中間信号とを加算することで第1出力信号を生成する工程と、第1中間信号から第2中間信号を減算することで第2出力信号を生成する工程とを含む。以上の方法によっても、本発明に係る音処理装置と同様の作用および効果が奏される。
<A:音処理装置>
図1は、本発明のひとつの形態に係る音処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、音処理装置100には2個のマイクロホン51および52が接続される。マイクロホン51と52とは、所定の方向(左右の方向)D1に沿って相互に間隔dをあけて配置される。
マイクロホン51および52の各々は、受音の感度が全方向にわたって略均等な無指向性のマイクロホンである。マイクロホン51は周囲の音響に応じた入力信号A0を生成し、マイクロホン52は周囲の音響に応じた入力信号B0を生成する。なお、入力信号A0およびB0は、実際にはデジタル信号に変換されたうえで音処理装置100に入力されるが、図1では便宜的にA/D変換器の図示が省略されている。
音処理装置100は、入力信号A0およびB0からステレオの出力信号A2(右チャネル)およびB2(左チャネル)を生成する装置である。図1に示すように、音処理装置100は、第1処理部10と第2処理部20と加算部32と減算部34とを具備する。音処理装置100の各要素は、例えばCPUなどの演算処理装置がプログラムを実行することで実現される。ただし、音声処理に専用されるDSPなどの電子回路によっても音処理装置100は実現される。また、以上の各要素が部分的に別個の電子回路に搭載された構成も採用される。
第1処理部10は、入力信号A0とB0との加算に基づいて中間信号A1を生成する手段である。図1に示すように、第1処理部10は、加算部12と補正部14と増幅部16とを含む。加算部12は、入力信号A0とB0とを加算した信号a1を生成および出力する。
方向D1に垂直な方向(正面の方向)D0に進行する音波は同位相でマイクロホン51および52に到達するから、方向D0から音波が到来したときに加算部12から出力される信号a1(a1=A0+B0)のレベルは、入力信号A0(またはB0)の約2倍のレベルとなる。一方、方向D1から到来する音波は間隔dに応じた位相差(時間差)をもってマイクロホン51および52に到達するから、方向D1から音波が到来した場合に加算部12から出力される信号a1のレベルは信号a1の方向D0におけるレベルと比較して低い。換言すると、人間の聴取する主要な音波が方向D1から到来したときに信号a1のレベルが低減されるように間隔dが選定される。
したがって、各方向から所定の強度の音波が到来したときの信号a1のレベルの分布は、図2に図示されたパターンとなる。図2における半径の方向が信号a1のレベルである。図2に示すように、信号a1のレベルの分布は、方向D0に並ぶ2個の円形を連結したパターンとなる。図2から理解されるように、マイクロホン51および52と加算部12とは、方向D0に指向する指向性のマイクロホン(MS方式におけるMマイクロホン)と同等に作用する。なお、図2においては、入力信号A0およびB0の各々のレベルと音波の到来の方向との関係が破線で図示されている。
図2に示すように、方向D0から音波が到来したときの信号a1のレベルは入力信号A0の約2倍となる。図1の補正部14は、信号a1のレベルを低減することで信号a2を生成する手段である。さらに詳述すると、補正部14は、方向D0から音波が到来したときの信号a1のレベルが入力信号A0(またはB0)と同等のレベルとなるように信号a1を補正することで信号a2を生成する。信号a1に係数「1/2」を乗算する乗算器(増幅器)が補正部14として好適に採用される。増幅部16は、補正部14が出力する信号a2を増幅することで中間信号A1を生成する。
図1の第2処理部20は、入力信号A0とB0との差分に基づいて中間信号B1を生成する手段である。第2処理部20は、減算部22と補正部24と増幅部26とを含む。減算部22は、入力信号A0から入力信号B0を減算した信号b1を生成および出力する。
方向D0から到来する音波は同位相でマイクロホン51および52に到達するから、方向D0から音波が到来したときに減算部22から出力される信号b1(b1=A0−B0)のレベルはゼロとなる。一方、方向D1から到来する音波は間隔dに応じた位相差をもってマイクロホン51および52に到達するから、方向D1から音波が到来した場合に減算部22から出力される信号b1のレベルは、音波の波長と間隔dとの関係に応じたレベルとなる。したがって、各方向から所定の強度の音波が到来したときの信号b1のレベルの分布は、図3に図示されたパターンとなる。図3から理解されるように、マイクロホン51および52と減算部22とは、方向D0を死角として方向D1に指向する双指向性のマイクロホン(MS方式におけるSマイクロホン)と同等に作用する。
ところで、マイクロホン51および52の間隔dの2倍に相当する波長λ0(λ0=2d)の音波が方向D1から到来した場合に入力信号A0とB0とは逆位相となる。したがって、入力信号A0とB0との差分である信号b1は、波長λ0に対応した周波数f0(f0=v/λ0(v:音速))の成分の強度が最大となり、周波数f0と比較して周波数が低い成分ほど低強度となる。
図1の補正部24は、以上のような信号b1の周波数特性(高周波側ほど高強度となる不均衡)を修正することで信号b2を生成する。さらに詳述すると、補正部24は、信号b1のうち高周波側の成分のレベルを低周波側の成分のレベルに対して相対的に低減する(低周波側のレベルを高周波側のレベルに対して増加させる)ことで信号b2を生成する。ローパスフィルタなど各種のフィルタが補正部24として好適に採用される。増幅部26は、補正部24が出力する信号b2を増幅することで中間信号B1を生成する。増幅部16および26のゲインは、例えば利用者が操作子に付与した操作の内容に応じて制御される。
以上に説明したように、中間信号A1は、方向D0を指向軸とする指向性のマイクロホンの出力信号と同視される。さらに詳述すると、中間信号A1は、MS方式におけるMマイクロホンとは指向性のパターンが相違するけれども、指向性の概略的な傾向は類似するからMマイクロホンの出力信号として代用できる。また、中間信号B1は、方向D1を指向軸とする双指向性のマイクロホンの出力信号と同視される。すなわち、中間信号B1は、MS方式におけるSマイクロホンの出力信号として代用できる。そこで、本形態の音処理装置100は、以下に説明するように、MS方式におけるMマイクロホンの出力に相当する信号として中間信号A1を利用するとともにSマイクロホンの出力に相当する信号として中間信号B1を利用することで、ステレオの2系統の出力信号A2およびB2を生成する。
加算部32は、第1処理部10が生成した中間信号A1と第2処理部20が生成した中間信号B1とを加算することで出力信号A2を生成する。出力信号A2は、方向D0の右斜め方向を指向軸とする指向性のマイクロホンの出力信号に相当する右チャネル(Rch)の音響信号である。また、減算部34は、中間信号A1から中間信号B1を減算することで出力信号B2を生成する。出力信号B2は、方向D0の左斜め方向を指向軸とする指向性のマイクロホンの出力信号に相当する左チャネル(Lch)の音響信号である。出力信号A2およびB2は、スピーカやヘッドホンなどの出力機器に供給されることでステレオの音波として再生される。なお、出力信号A2およびB2が各種の記録装置に格納される構成も採用される。
以上に説明したように、本形態においては、無指向性の2個のマイクロホン51および52を利用してステレオの出力信号A2およびB2を生成することができる。したがって、4個のマイクロホンが必要な特許文献1の技術と比較して装置の小型化やコストの削減が実現される。また、マイクロホン51および52は無指向性であるから、指向性のマイクロホンが必要な特許文献2の技術と比較して各マイクロホンの位置や方向の制約が少なくて利便性が高いという利点もある。
なお、信号a1においては方向D0から到来した音波が特に強調されるから、補正部14が省略された構成においては、正面からの音波の影響が過大となる結果として左右の方向感(ステレオ感)に乏しい音声が生成される可能性がある。本形態においては補正部14が信号a1のレベルを低減するから、補正部14を省略した構成と比較して、左右の方向感に富んだ自然な音声を生成することができる。もっとも、再生音における方向感の不足が特段の問題とならないのであれば、補正部14を省略した構成も採用される。
また、信号b1の周波数特性は低周波側のレベルが高周波側と比較して低減された特性となるから、補正部24が省略された構成においては、再生音の低音域の音量が不足する可能性がある。本形態においては、広帯域にわたってレベルが均等となるように補正部24が信号b1を補正するから、低音域の音量が充分な再生音を生成することが可能である。なお、低音域の音量の不足が特段の問題とならないのであれば、補正部24を省略した構成も採用される。
さらに、本形態においては増幅部16および26のゲインが可変に制御されるから、再生音の指向性や方向感を適宜に調整することが可能である。例えば、増幅部26のゲインを増加させる(または増幅部14のゲインを低下させる)ことで再生音における左右の方向感を増大させることができる。
<B:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下に例示する各態様を任意に組み合わせてもよい。
(1)変形例1
以上の形態においては、マイクロホン51からの入力信号A0とマイクロホン52からの入力信号B0とを加算することで中間信号A1が生成される構成を例示したが、マイクロホン51からの入力信号A0またはマイクロホン52からの入力信号B0を中間信号A1として利用してもよい。また、マイクロホン51および52以外の無指向性のマイクロホンから供給される信号を中間信号A1として利用した構成も採用される。もっとも、図1の構成によれば、図2に例示したように中間信号A1に指向性が付与されるから、本変形例のように無指向性の中間信号A1を利用する構成と比較して再生音の方向感を充分に確保できるという利点がある。
(2)変形例2
入力信号A0とB0とでレベルが顕著に相違する場合には音像の定位の精度が低下する場合がある。そこで、入力信号A0およびB0のレベルを合致させるキャリブレーション機構をマイクロホン51および52の出力側に設置した構成が好適に採用される。入力信号A0およびB0の一方のレベルを他方のレベルに合致させる場合には、マイクロホン51および52の一方の出力側のみにキャリブレーション機構が設置される。
(3)変形例3
補正部24での処理が補正部14での処理と比較して長時間を要する場合、中間信号B1(信号b2)が中間信号A1(信号a2)に対して遅延する。両者の時間差を抑制するために、補正部24での遅延に応じた時間だけ中間信号A1を遅延させる手段を第1処理部10に設置してもよい。例えば、信号a1を遅延させる機能を補正部14に持たせた構成が採用される。また、以上とは逆に補正部14での処理が補正部24での処理と比較して長時間である場合、中間信号B1を遅延させる手段が第2処理部20に設置される。
(4)変形例4
補正部14および24や増幅部16および26の位置や個数は適宜に変更される。例えば、増幅部16が加算部12と補正部14との間に設置された構成や、増幅部26が減算部22と補正部24との間に設置された構成も採用される。また、増幅部16および26を省略してもよい。さらに、マイクロホン51または52と第1処理部10または第2処理部20との間に増幅器を設置した構成や、第1処理部10または第2処理部20と加算部32または減算部34との間に増幅器を設置した構成も採用される。
(5)変形例5
以上の形態において、入力信号A0とB0との位相差(すなわちマイクロホン51および52の各々に音波が到達する時間差)に起因して、加算部12が生成する信号a1と減算部22が生成する信号b1との間には、音波の到来の方向に応じて±90度の位相差が発生する。そこで、第1処理部10および第2処理部20の少なくとも一方において信号の位相を調整することで、中間信号A1とB1との位相角を0度(同相)または180度(逆相)に展開する構成が好適に採用される。例えば、図4に示すように、補正部24による補正後の信号b2の位相を調整する位相調整部28が第2処理部20に設置される。
マイクロホン51および52に対して右方向から音波が到来する場合には信号a1が信号b1に対して90度だけ遅れる。ステレオの2系統の出力信号A2およびB2は中間信号A1およびB1の加算および減算で生成されるから、再生音のステレオ感を強調するためには中間信号A1とB1とが同相であることが望ましい。したがって、位相調整部28は、補正部24による補正後の信号b2を90度だけ遅延させる。一方、マイクロホン51および52に対して左方向から音波が到来する場合には信号a1が信号b1に対して90度だけ進む。再生音のステレオ感を強調するためには中間信号A1とB1とが逆相であることが望ましいから、位相調整部28は、信号b2を90度だけ遅延させる。
第2処理部20の位相調整部28に代えて、図4に破線で図示した位相調整部18を第1処理部10に設置した構成も好適である。位相調整部18が信号a2の位相を信号b2に対して90度だけ進ませることで、中間信号A1とB1との位相角は0度(同相)または180度(逆相)に補正される。また、位相調整部18および28の双方を配置した構成も採用される。
なお、信号の位相を調整する位置(位相調整部18および28の位置)は任意である。例えば、補正部14または24の前段に位相調整部18または28を配置した構成や増幅部16または26の後段に位相調整部18または28を配置した構成も採用される。本変形例の構成によれば、中間信号A1とB1との位相差が0度(同相)または180度(逆相)に補正されるから、聴感上においてステレオ感に富んだ出力信号A2およびB2を生成することが可能となる。なお、位相調整部18および28による調整量を可変に制御してもよい。例えば、ステレオ感が過度に強調される場合には位相調整部18および28における位相の調整量が低減される。また、例えば、利用者からの指示に応じて位相調整部18や28における調整量(信号の遅延量)を制御する構成によれば、再生音のステレオ感を利用者が任意に調整できるという利点がある。
本発明のひとつの形態に係る音処理装置の構成を示すブロック図である。 信号a1の特性を説明するための概念図である。 信号b1の特性を説明するための概念図である。 変形例に係る音処理装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100……音処理装置、10……第1処理部、20……第2処理部、12,32……加算部、14,24……補正部、16,26……増幅部、18,28……位相調整部、22,34……減算部、51,52……マイクロホン。

Claims (6)

  1. 無指向性の第1マイクロホンが生成した第1入力信号と前記第1マイクロホンから離間した無指向性の第2マイクロホンが生成した第2入力信号とからステレオの第1出力信号と第2出力信号とを生成する音処理装置であって、
    前記第1入力信号と前記第2入力信号とを加算することで第1中間信号を生成する第1処理手段と、
    前記第1入力信号から前記第2入力信号を減算することで第2中間信号を生成する第2処理手段と、
    前記第1中間信号と前記第2中間信号とを加算することで前記第1出力信号を生成する加算手段と、
    前記第1中間信号から前記第2中間信号を減算することで前記第2出力信号を生成する減算手段と
    を具備する音処理装置。
  2. 前記第1処理手段は、前記第1入力信号と前記第2入力信号とを加算した信号のレベルを低減する第1補正手段を含む
    請求項1の音処理装置。
  3. 前記第1処理手段は、前記第1入力信号と前記第2入力信号とを加算した信号の位相を調整する第1位相調整手段を含む
    請求項1または請求項2の音処理装置。
  4. 前記第2処理手段は、前記第1入力信号から前記第2入力信号を減算した信号のうち高周波側の成分のレベルを低周波側の成分のレベルに対して相対的に低減する第2補正手段を含む
    請求項1から請求項3の何れかの音処理装置。
  5. 前記第2処理手段は、前記第1入力信号から前記第2入力信号を減算した信号の位相を調整する第2位相調整手段を含む
    請求項1から請求項4の何れかの音処理装置。
  6. 無指向性の第1マイクロホンが生成した第1入力信号と前記第1マイクロホンから離間した無指向性の第2マイクロホンが生成した第2入力信号とからステレオの第1出力信号と第2出力信号とを生成するために、コンピュータに、
    前記第1入力信号と前記第2入力信号とを加算することで第1中間信号を生成する第1処理と、
    前記第1入力信号から前記第2入力信号を減算することで第2中間信号を生成する第2処理と、
    前記第1中間信号と前記第2中間信号とを加算することで前記第1出力信号を生成する加算処理と、
    前記第1中間信号から前記第2中間信号を減算することで前記第2出力信号を生成する減算処理と
    を実行させるプログラム。
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