以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係る通信制御システム10の構成の一例を示す。通信制御システム10は、複数の送信制御装置100および102、並びに複数の送信装置104、106、108、および110を備える。通信制御システム10は、パケット通信網116、118、および120、並びに通信端末112および114をさらに備えてよい。
通信端末112および114は、携帯電話等の移動局であってよい。複数の送信装置104、106、108、および110は、基地局装置であってよい。送信制御装置100および102は、ゲートウェイ(SW)またはサービスアクセスゲートウェイ(SAG)であってよい。パケット通信網116は、コアネットワークであってよい。パケット通信網118および120は、セルラーネットワークであってよい。
複数の送信制御装置100および102は、パケット通信網116を介して接続されている。送信制御装置100並びに複数の送信装置104および106は、パケット通信網118を介して接続されている。送信制御装置102並びに複数の送信装置108は、パケット通信網120を介して接続されている。
複数の送信装置104および106は、複数の送信装置104および106の通信エリアに存在する通信端末112との間でパケットを送受信する。複数の送信装置104および106は、パケット通信網118を介して送信制御装置100から受信したパケットを、通信端末112に対して無線通信により送信する。また、複数の送信装置104および106は、無線通信により通信端末112から受信したパケットを、パケット通信網118を介して送信制御装置100に送信する。
送信装置110は、送信装置110の通信エリアに存在する通信端末114との間でパケットを送受信する。送信装置110は、パケット通信網120を介して送信制御装置102から受信したパケットを、通信端末114に対して無線通信により送信する。また、送信装置110は、無線通信により通信端末114から受信したパケットを、パケット通信網120を介して送信制御装置102に送信する。
本実施形態に係る通信制御システム10は、パケット通信網116、118、および120を介して通信端末112に送信されるべきパケットを、複数の送信装置104、106、108、および110のうちの複数の送信装置から、通信端末112に対して同時に送信することを目的とする。この目的を達成することによって、通信端末112の通信品質の向上、および通信帯域の有効利用を実現できる。
図2は、本実施形態に係る通信制御システム10の通信制御手順の一例を示す。送信制御装置100は、送信制御装置100から送信装置104までの伝送遅延時間、および送信制御装置100から送信装置106までの伝送遅延時間を、定期的に測定している。送信制御装置100は、送信装置104および106の双方の通信エリア内に存在する通信端末112宛のパケット200を受信した場合、測定した伝送遅延時間に基づく送信タイミングが付加されたパケット202および204を生成する。そして、送信制御装置100は、送信タイミングが付加されたパケット202および204を、送信装置104および106に送信して、送信装置104および106から通信端末112に対して同時にパケットを送信させる。
送信制御装置100は、パケット202および204を生成する場合、送信装置104および106のそれぞれに送信すべきパケットをカプセル化して、送信タイミングを書き込む領域を作成する。送信制御装置100は、例えば、IP−in−IPカプセル化により、送信タイミングを書き込む領域を作成してよい。また他の例においては、送信制御装置100は、パケットのカプセル化を行わず、送信装置104および106のそれぞれに送信すべきパケットの空きフィールドに送信タイミングを書き込んでもよい。送信制御装置100は、絶対時刻を送信タイミングとして書き込んでもよく、送信装置104および106の同期I/F部のタイムスロット番号を送信タイミングとして書き込んでもよい。
送信制御装置100は、送信制御装置100から送信装置104までの伝送遅延時間と、送信制御装置100から送信装置106までの伝送遅延時間とのうちでより長い伝送遅延時間を、現在時刻に加算した時刻を送信タイミングとして決定してもよい。また、送信制御装置100は、現在時刻に伝送遅延時間を加算した時刻に、さらに送信装置104および106のパケット処理速度等を考慮して定められたマージンを加算した時刻を、送信タイミングとして決定してもよい。
本実施形態によれば、送信制御装置100は、カプセル化によって送信タイミングが書き込まれたパケット202および204を生成して送信装置104および106に送信する。したがって、送信制御装置100と送信装置104および106とが、パケット通信網118のような非同期網で接続されていても、送信制御装置100は、送信装置104および106から通信端末112に対して、同時にパケットを送信させることができる。
また他の例においては、送信制御装置100は、送信タイミングが付加されたパケットを送信装置104に送信するとともに、送信タイミングが付加されたパケットを、送信制御装置102の配下に存在する送信装置108に送信することによって、送信装置104および108から通信端末112に対して同時にパケットを送信させてもよい。この場合、送信制御装置100は、送信制御装置102を介して送信制御装置100から送信装置108までの伝送遅延時間を、定期的に測定してもよい。また、送信制御装置100および102は、送信制御装置100と送信制御装置102との間の伝送遅延時間、および送信制御装置100および102のそれぞれの配下に存在する送信装置までの伝送遅延時間を、互いに定期的に提供し合ってもよい。
さらに他の例においては、通信制御システム10は、送信制御装置100および102の上位に、送信制御装置100および102による送信制御を統括的に管理する上位送信制御装置をさらに備えてもよい。上位送信制御装置は、本実施形態で説明する送信制御装置100および102の機能の少なくとも一部として機能して、送信装置104、106、108、および110のうちの複数の送信装置から、通信端末112に対して同時にパケットを送信させてよい。
図3は、本実施形態に係る送信制御装置100の機能構成の一例を示す。送信制御装置100は、非同期I/F部300、パケット送受信部302、送信可否判断部306、送信方法決定部308、符号化データ生成部310、内部クロック生成部316、外部クロック受信部318、および送信タイミング制御部330を備える。送信タイミング制御部330は、送信タイミング付加部304、伝送遅延時間測定部312、および送信タイミング算出部314を有する。
非同期I/F部300は、パケット通信網116を介して、送信制御装置102とパケット通信(非同期通信)する。また、非同期I/F部300は、パケット通信網118を介して、送信装置104および106とパケット通信(非同期通信)する。パケット送受信部302は、通信端末112宛のパケットを、非同期I/F部300を介して送信制御装置102から受信する。また、パケット送受信部302は、通信端末112宛のパケットを、非同期I/F部300を介して送信装置104および106に送信する。
外部クロック受信部318は、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部が参照する外部クロック信号を受信して内部クロック生成部316に供給する。外部クロック受信部318は、アンテナであってよく、GPS信号またはJJY信号を受信して内部クロック生成部316に供給してよい。また、外部クロック受信部318は、非同期I/F部300を介して、パケット通信網116または118に接続されたNTPサーバから時刻信号を受信して内部クロック生成部316に供給してよい。
内部クロック生成部316は、内部クロック信号を生成する。内部クロック生成部316は、外部クロック受信部318から供給された外部クロック信号で、内部クロック信号の位相を調整する。内部クロック生成部316は、外部クロック受信部318から供給されたGPS信号、JJY信号、または時刻信号で、内部クロック信号の位相を調整してよい。内部クロック生成部316によって生成された内部クロック信号は、本実施形態に係る同時送信制御のためだけでなく、パケット送受信部302がパケットを送受信する場合におけるデータ送受信のスケジューリング、データ符号化処理等のためにも参照されてよい。
送信可否判断部306は、送信装置104および106のそれぞれが、通信端末112にパケットを送信できるか否かを判断する。即ち、送信可否判断部306は、送信装置104および106の通信エリア内に、通信端末112が存在するか否かを判断する。送信可否判断部306は、送信装置104および106と通信端末112との間の電波強度を示す情報を、送信装置104および106から取得して、送信装置104および106から通信端末112にパケットを送信できるか否かを判断してよい。また、送信可否判断部306は、通信端末112の位置を示す情報を、送信装置104および106から取得して、送信装置104および106から通信端末112にパケットを送信できるか否かを判断してよい。
なお、本実施形態においては、送信可否判断部306が送信制御装置100の内部に設けられているが、他の例においては、送信可否判断部306が送信制御装置100の外部に設けられてもよい。例えば、送信制御装置100とは別のシステムとして、パケット通信網116または118に接続され、通信端末の位置管理システムと連携して、通信端末112と通信可能な送信装置を特定してもよい。
送信方法決定部308は、送信可否判断部306の判断結果に基づいて、送信制御装置102から受信した通信端末112宛のパケットを、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部の一方から送信させるか双方から送信させるかを決定する。送信方法決定部308は、送信装置104が通信端末112にパケットを送信でき、送信装置104が通信端末112にパケットを送信できない場合、通信端末112宛のパケットを、送信装置104だけから送信させることを決定する。送信方法決定部308は、送信装置104および106が通信端末112にパケットを送信できる場合、通信端末112宛のパケットを、送信装置104および106から送信させることを決定する。
また、送信方法決定部308は、送信装置104および106が通信端末112にパケットを送信できる場合であっても、パケット通信網118を介して送信制御装置102から受信したパケットの種類に基づいて、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部の一方から送信させるか双方から送信させるかを決定してよい。送信方法決定部308は、リアルタイム性が要求されるパケットを、送信装置104だけから送信させることを決定してよい。例えば、送信方法決定部308は、VoIPアプリケーションまたはチャットアプリケーションに関するパケットを、送信装置104だけから送信させることを決定してよい。一方で、送信方法決定部308は、リアルタイム性が要求されないパケットを、送信装置104および106から送信させることを決定してよい。例えば、送信方法決定部308は、電子メールアプリケーションに関するパケットを、送信装置104および106から送信させることを決定してよい。
また、送信方法決定部308は、送信装置104および106が通信端末112にパケットを送信できる場合であっても、送信装置104および106と通信端末112との間の通信品質に基づいて、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部の一方から送信させるか双方から送信させるかを決定してよい。送信方法決定部308は、送信装置104と通信端末112との通信品質が予め定められた品質より良い場合、送信装置104だけからパケットを送信させることを決定してよい。一方で、送信方法決定部308は、送信装置104と通信端末112との通信品質が予め定められた品質より悪い場合、送信装置104および106からパケットを送信させることを決定してよい。
また、送信方法決定部308は、通信端末112からの指示に基づいて、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部の一方から送信させるか双方から送信させるかを決定してよい。この場合、通信端末112は、送信装置104および106の双方からパケットを受信できるか否かを検出する。そして、通信端末112は、送信装置104および106の双方からパケットを受信できる場合に、送信装置104および106の双方からパケットを受信することを、送信装置104を介して送信制御装置100に通知する。また、通信端末112は、送信装置104および106の双方からパケットを受信できる場合であって、通信端末112のユーザが送信装置104および106の双方からパケットを受信することを選択した場合に、送信装置104および106の双方からパケットを受信することを、送信装置104を介して送信制御装置100に通知してもよい。
さらに、送信方法決定部308は、送信装置104および106から通信端末112に同一のパケットを送信させるか異なるパケットを送信させるかを決定してよい。送信方法決定部308は、送信装置104から通信端末112への受信電波強度が予め定められた値より小さい場合に、送信装置104および106から通信端末112に同一のパケットを送信させることを決定してよい。通信端末112は、例えばOFDM技術を利用して、送信装置104から送信されたパケットの無線信号と、送信装置106から送信された無線信号とを重ね合わせることで、送信装置104だけから受信する場合より高い受信強度で無線信号を受信できる。また、送信方法決定部308は、送信装置104から通信端末112への通信帯域が予め定められた値より狭い場合に、送信装置104および106から通信端末112に異なるパケットを送信させることを決定してよい。通信端末112は、例えばMIMO技術を利用して、送信装置104から送信された符号化パケットと、送信装置106から送信された符号化パケットとを復号化することで、送信装置104だけから受信する場合より広い通信帯域でパケットを受信できる。
符号化データ生成部310は、送信方法決定部308が送信装置104および106から通信端末112に異なるパケットを送信させることを決定した場合、パケット送受信部302がパケット通信網116を介して受信したパケットから、送信装置104から通信端末112に送信させるパケットと、送信装置106から通信端末112に送信させるパケットとを生成する。符号化データ生成部310は、例えばMIMO技術を利用して、パケット送受信部302が受信したパケットを符号化して、送信装置104から通信端末112に送信させる符号化パケットと、送信装置106から通信端末112に送信させる符号化パケットとを生成してよい。
送信タイミング制御部330は、無線通信によりパケットを送信する送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部から、同時に通信端末112へパケットを送信させるべく、パケット通信網116を介して受信したパケットに送信タイミングを示す情報が付加されたパケットを、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部に提供する。送信タイミング制御部330は、送信装置104の無線送信部から送信されるパケットの無線信号と、送信装置106の無線送信部から送信されるパケットの無線信号とを重ね合わせて、通信端末112が有する1つの無線受信部に受信させるべく、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部に同一のパケットを提供してもよい。また、送信タイミング制御部330は、送信装置104の無線送信部から送信されるパケットの無線信号と、送信装置106の無線送信部から送信されるパケットの無線信号とを、通信端末112が有する複数の無線受信部で同時に受信させるべく、送信装置104の無線送信部および送信装置106の無線送信部に異なるパケットを提供してもよい。
伝送遅延時間測定部312は、送信制御装置100から送信装置104までの伝送遅延時間、および送信制御装置100から送信装置106までの伝送遅延時間を定期的に測定する。伝送遅延時間測定部312は、送信制御装置100の送信時刻がタイムスタンプされた遅延時間測定用パケットを、非同期I/F部300を介して送信装置104および106のそれぞれに送信してよい。そして、伝送遅延時間測定部312は、送信装置104および106のそれぞれによる遅延時間測定用パケットの受信時刻または送信時刻がタイムスタンプされた遅延時間測定用パケットを、非同期I/F部300を介して送信装置104および106から受信してよい。伝送遅延時間測定部312は、送信制御装置100の送信時刻と、送信装置104および106のそれぞれの受信時刻または送信時刻とから、送信制御装置100から送信装置104までの伝送遅延時間、および送信制御装置100から送信装置106までの伝送遅延時間を測定してよい。
送信タイミング算出部314は、送信方法決定部308が送信装置104および106からパケットを送信させることを決定した場合に、送信装置104および106から通信端末112に対してパケットを送信するタイミングを示す送信タイミングを算出する。送信タイミング算出部314は、送信制御装置100から送信装置104までの伝送遅延時間、送信制御装置100から送信装置106までの伝送遅延時間に基づいて、送信装置104および106がパケットを送信可能な送信タイミングを算出する。送信タイミング算出部314は、外部クロック受信部318が受信した外部クロック信号を参照して内部クロック生成部316が調整した内部クロック信号を参照して、送信タイミングを算出する。
送信タイミング算出部314は、送信制御装置100から送信装置104までの伝送遅延時間と、送信制御装置100から送信装置106までの伝送遅延時間とのうちでより長い伝送遅延時間を現在時刻に加算することによって、送信タイミングを算出してもよい。また、送信タイミング算出部314は、より長い伝送遅延時間および送信装置104および106のパケット処理速度等を考慮して定められたマージンを、現在時刻に加算することによって、送信タイミングとして決定してもよい。
送信タイミング付加部304は、送信方法決定部308が送信装置104および106から通信端末112に同一のパケットを送信させることを決定した場合、送信タイミング算出部314が算出した送信タイミングを、パケット送受信部302が受信した通信端末112宛のパケットに付加する。そして、パケット送受信部302は、送信タイミングが付加された同一のパケットを、送信装置104および106に送信する。
送信タイミング付加部304は、送信方法決定部308が送信装置104および106から通信端末112に異なるパケットを送信させることを決定した場合、符号化データ生成部310が生成した複数の符号化パケットのそれぞれに、送信タイミング算出部314が算出した送信タイミングを付加する。送信タイミング付加部304は、送信装置104から通信端末112に送信させる符号化パケットと、送信装置106から通信端末112に送信させる符号化パケットとに、同一の送信タイミングを付加する。そして、パケット送受信部302は、同一の送信タイミングが付加された複数の符号化パケットのそれぞれを、送信装置104および106に送信する。
送信タイミング付加部304は、送信方法決定部308が送信装置104だけから通信端末112にパケットを送信させることを決定した場合、送信タイミング算出部314が算出した送信タイミングを、パケットに付加しない。そして、パケット送受信部302は、パケット通信網116を介して受信したパケットをそのまま送信装置104に送信する。
送信タイミング付加部304は、送信タイミング制御部330が算出した送信タイミングを示す情報およびパケットヘッダを付加することによって、パケット送受信部302がパケット通信網116を介して受信したパケットをカプセル化する。送信タイミング付加部304は、送信装置104および106のそれぞれに送信すべきパケットをカプセル化して、送信タイミングを書き込む領域を作成する。送信タイミング付加部304は、例えば、IP−in−IPカプセル化により、送信タイミングを書き込む領域を作成してよい。送信タイミング付加部304は、絶対時刻を送信タイミングとして書き込んでもよく、送信装置104および106の同期I/F部のタイムスロット番号を送信タイミングとして書き込んでもよい。
本実施形態に係る送信制御装置100によれば、伝送遅延時間に応じた送信タイミングをパケットに付加して送信装置104および106に送信するので、パケット通信網118のような非同期網を介して送信したパケットを、送信装置104および106から通信端末112に同時に送信させることができる。また、本実施形態に係る送信制御装置100によれば、通信端末112に送信するパケットの種類、送信装置104および106と通信端末112との間の通信品質、さらには通信端末112のユーザからの指示に応じて、パケットの送信方法を決定するので、通信端末112のユーザに対して継続的に快適な通信環境を提供できる。
図4は、本実施形態に係る送信装置104の機能構成の一例を示す。送信装置104は、非同期I/F部400、パケット受信部402、送信タイミング判断部404、内部クロック生成部416、外部クロック受信部418、同期I/F部420、および無線送信部422を備える。なお、送信装置106は、送信装置104と同一の構成および機能を有してもよい。
非同期I/F部400は、パケット通信網118を介して、送信制御装置100とパケット通信(非同期通信)する。無線送信部422は、通信端末112と無線通信(非同期通信)する。
外部クロック受信部418は、送信制御装置100および送信装置106が参照する外部クロック信号を受信して内部クロック生成部416に供給する。外部クロック受信部418は、アンテナであってよく、GPS信号またはJJY信号を受信して内部クロック生成部416に供給してよい。また、外部クロック受信部418は、非同期I/F部400を介して、パケット通信網116または118に接続されたNTPサーバから時刻信号を受信して内部クロック生成部416に供給してよい。
内部クロック生成部416は、内部クロック信号を生成する。内部クロック生成部416は、外部クロック受信部418から供給された外部クロック信号で、内部クロック信号の位相を調整する。内部クロック生成部416は、外部クロック受信部418から供給されたGPS信号、JJY信号、または時刻信号で、内部クロック信号の位相を調整してよい。内部クロック生成部416によって生成された内部クロック信号は、本実施形態に係る同時送信制御のためだけでなく、無線送信部422がパケットを送受信する場合におけるデータ送受信のスケジューリング、データ符号化処理等のためにも参照されてよい。
パケット受信部402は、通信端末112宛のパケットを、非同期I/F部400を介して送信制御装置102から受信する。送信タイミング判断部404は、パケット受信部402が受信したパケットに送信タイミングが付加されているか否かを判断する。送信タイミング判断部404は、パケット受信部402が受信したパケットをデカプセル化することによって、パケットの特定の領域に書き込まれた送信タイミングを抽出する。送信タイミング判断部404は、送信タイミングとして絶対時刻を抽出してもよく、同期I/F部420のタイムスロット番号を抽出してもよい。
送信タイミング判断部404は、パケットに送信タイミングが付加されている場合、付加されている送信タイミングに、当該パケットを送信するよう同期I/F部420に指示する。送信タイミング判断部404は、パケットに送信タイミングが付加されていない場合、他のパケットに付加されている送信タイミングと異なる送信タイミングに、当該パケットを送信するよう同期I/F部420に指示する。同期I/F部420は、送信タイミング判断部404の指示に従って、送信タイミングを指定して無線送信部422にパケットを供給する。無線送信部422は、同期I/F部420に指定された送信タイミングに、通信端末112にパケットを送信する。
本実施形態に係る送信装置104によれば、パケットに付加された送信タイミングに従って通信端末112にパケットを送信するので、パケット通信網118のような非同期網を介して受信したパケットを、指定された送信タイミングに送信できる。また、本実施形態に係る送信装置104によれば、送信タイミングが付加されていないパケットの送信が、送信タイミングが付加されているパケットの送信と重ならないように処理するので、送信装置104および106から通信端末112への同時送信を妨害することがない。
図5は、本実施形態に係る通信制御システム10の通信制御手順の他の例を示す。送信制御装置100は、送信装置104の通信エリア内に存在する通信端末112宛のパケット500を受信した場合、パケット500のヘッダ情報が書き換えられたパケット502を送信装置104に送信する。
送信装置104は、送信装置104から送信装置106までの伝送遅延時間を、定期的に測定している。送信装置104は、送信装置104および106の双方の通信エリア内に存在する通信端末112宛のパケット502を受信した場合、測定した伝送遅延時間に基づく送信タイミングが付加されたパケット504を生成する。そして、送信装置104は、送信タイミングが付加されたパケット504を送信装置106に送信する。送信装置104は、通信端末112に対してパケットを送信するのと同時に、送信装置106から通信端末112に対してパケットを送信させる。
送信装置104は、パケット504を生成する場合、送信装置106に送信すべきパケットをカプセル化して、送信タイミングを書き込む領域を作成する。送信装置104は、例えば、IP−in−IPカプセル化により、送信タイミングを書き込む領域を作成してよい。また他の例においては、送信装置104は、パケットのカプセル化を行わず、送信装置106に送信すべきパケットの空きフィールドに送信タイミングを書き込んでもよい。送信装置104は、絶対時刻を送信タイミングとして書き込んでもよく、送信装置106の同期I/F部のタイムスロット番号を送信タイミングとして書き込んでもよい。
送信装置104は、送信装置104から送信装置106までの伝送遅延時間を、現在時刻に加算した時刻を送信タイミングとして決定してもよい。また、送信装置104は、現在時刻に伝送遅延時間を加算した時刻に、さらに送信装置106のパケット処理速度等を考慮して定められたマージンを加算した時刻を、送信タイミングとして決定してもよい。
本実施形態によれば、送信装置104は、カプセル化によって送信タイミングが書き込まれたパケット504を生成して送信装置106に送信する。したがって、送信制御装置100と送信装置104および106とが、パケット通信網118のような非同期網で接続されていても、送信装置104は、送信装置104および106から通信端末112に対して、同時にパケットを送信させることができる。
また他の例においては、送信装置104は、送信装置106に換えて、送信制御装置102の配下に存在する送信装置108に、送信タイミングが付加されたパケットを送信することによって、送信装置108から通信端末112に対して、送信装置104と同時にパケットを送信させてもよい。この場合、送信装置104は、送信制御装置100および102を介して送信装置104から送信装置108までの伝送遅延時間を、定期的に測定してもよい。
図6は、本実施形態に係る送信装置104の機能構成の他の例を示す。送信装置104は、非同期I/F部600、パケット送受信部602、送信可否判断部606、送信方法決定部608、符号化データ生成部610、内部クロック生成部616、外部クロック受信部618、同期I/F部620、無線送信部622、および送信タイミング制御部630を備える。送信タイミング制御部630は、送信タイミング付加部604、伝送遅延時間測定部612、および送信タイミング算出部614を有する。なお、送信装置106は、図4に示した送信装置104と同一の構成および機能を有してよい。
非同期I/F部600は、パケット通信網118を介して、送信制御装置100とパケット通信(非同期通信)する。パケット送受信部602は、通信端末112宛のパケットを、非同期I/F部600を介して送信制御装置100から受信する。また、パケット送受信部602は、通信端末112宛のパケットを、非同期I/F部600に供給するとともに、無線送信部622を介して送信装置106に送信する。
同期I/F部620は、通信端末112と無線通信(非同期通信)する。無線送信部622は、通信端末112にパケットを送信する。
外部クロック受信部618は、送信制御装置100および送信装置106が参照する外部クロック信号を受信して内部クロック生成部616に供給する。外部クロック受信部618は、アンテナであってよく、GPS信号またはJJY信号を受信して内部クロック生成部616に供給してよい。また、外部クロック受信部618は、非同期I/F部600を介して、パケット通信網116または118に接続されたNTPサーバから時刻信号を受信して内部クロック生成部616に供給してよい。
内部クロック生成部616は、内部クロック信号を生成する。内部クロック生成部616は、外部クロック受信部618から供給された外部クロック信号で、内部クロック信号の位相を調整する。内部クロック生成部616は、外部クロック受信部618から供給されたGPS信号、JJY信号、または時刻信号で、内部クロック信号の位相を調整してよい。内部クロック生成部616によって生成された内部クロック信号は、本実施形態に係る同時送信制御のためだけでなく、無線送信部622がパケットを送受信する場合におけるデータ送受信のスケジューリング、データ符号化処理等のためにも参照されてよい。
送信可否判断部606は、送信装置106が通信端末112にパケットを送信できるか否かを判断する。即ち、送信可否判断部606は、送信装置106の通信エリア内に、通信端末112が存在するか否かを判断する。送信可否判断部606は、送信装置106と通信端末112との間の電波強度を示す情報を、送信装置106から取得して、送信装置106から通信端末112にパケットを送信できるか否かを判断してよい。また、送信可否判断部606は、通信端末112の位置を示す情報を取得して、送信装置106から通信端末112にパケットを送信できるか否かを判断してよい。
なお、本実施形態においては、送信可否判断部606が送信装置104の内部に設けられているが、他の例においては、送信可否判断部606が送信装置104の外部に設けられてもよい。例えば、送信装置104とは別のシステムとして、パケット通信網116または118に接続され、通信端末の位置管理システムと連携して、通信端末112と通信可能な送信装置を特定してもよい。
送信方法決定部608は、送信可否判断部606の判断結果に基づいて、送信制御装置100から受信した通信端末112宛のパケットを、送信装置104の無線送信部622からだけでなく、送信装置106の無線送信部からも送信させるかを決定する。送信方法決定部608は、送信装置106が通信端末112にパケットを送信できない場合、通信端末112宛のパケットを、送信装置104だけから送信させることを決定する。送信方法決定部608は、送信装置106が通信端末112にパケットを送信できる場合、通信端末112宛のパケットを、送信装置104および106から送信させることを決定する。
また、送信方法決定部608は、送信装置106が通信端末112にパケットを送信できる場合であっても、パケット通信網118を介して送信制御装置102から受信したパケットの種類に基づいて、送信装置104の無線送信部622だけから送信させるか、送信装置106の無線送信部からも送信させるかを決定してよい。送信方法決定部608は、リアルタイム性が要求されるパケットを、送信装置104だけから送信させることを決定してよい。例えば、送信方法決定部608は、VoIPアプリケーションまたはチャットアプリケーションに関するパケットを、送信装置104だけから送信させることを決定してよい。一方で、送信方法決定部608は、リアルタイム性が要求されないパケットを、送信装置106からも送信させることを決定してよい。例えば、送信方法決定部608は、電子メールアプリケーションに関するパケットを、送信装置106からも送信させることを決定してよい。
また、送信方法決定部608は、送信装置106が通信端末112にパケットを送信できる場合であっても、送信装置104と通信端末112との間の通信品質に基づいて、送信装置104の無線送信部622だけから送信させるか、送信装置106の無線送信部からも送信させるかを決定してよい。送信方法決定部608は、送信装置104と通信端末112との通信品質が予め定められた品質より良い場合、送信装置104だけからパケットを送信させることを決定してよい。一方で、送信方法決定部608は、送信装置104と通信端末112との通信品質が予め定められた品質より悪い場合、送信装置106からもパケットを送信させることを決定してよい。
また、送信方法決定部608は、通信端末112からの指示に基づいて、送信装置104の無線送信部622だけから送信させるか、送信装置106の無線送信部からも送信させるかを決定してよい。この場合、通信端末112は、送信装置106からもパケットを受信できるか否かを検出する。そして、通信端末112は、送信装置106からもパケットを受信できる場合に、送信装置106からもパケットを受信することを、送信装置104に通知する。また、通信端末112は、送信装置106からもパケットを受信できる場合であって、通信端末112のユーザが送信装置106からもパケットを受信することを選択した場合に、送信装置106からもパケットを受信することを、送信装置104に通知してもよい。
さらに、送信方法決定部608は、送信装置104および106から通信端末112に同一のパケットを送信させるか異なるパケットを送信させるかを決定してよい。送信方法決定部608は、送信装置104から通信端末112への受信電波強度が予め定められた値より小さい場合に、送信装置104および106から通信端末112に同一のパケットを送信させることを決定してよい。通信端末112は、例えばOFDM技術を利用して、送信装置104から送信されたパケットの無線信号と、送信装置106から送信された無線信号とを重ね合わせることで、送信装置104だけから受信する場合より高い受信強度で無線信号を受信できる。また、送信方法決定部608は、送信装置104から通信端末112への通信帯域が予め定められた値より狭い場合に、送信装置104および106から通信端末112に異なるパケットを送信させることを決定してよい。通信端末112は、例えばMIMO技術を利用して、送信装置104から送信された符号化パケットと、送信装置106から送信された符号化パケットとを復号化することで、送信装置104だけから受信する場合より広い通信帯域でパケットを受信できる。
符号化データ生成部610は、送信方法決定部608が送信装置104および106から通信端末112に異なるパケットを送信させることを決定した場合、パケット送受信部602がパケット通信網118を介して受信したパケットから、送信装置104から通信端末112に送信させるパケットと、送信装置106から通信端末112に送信させるパケットとを生成する。符号化データ生成部610は、例えばMIMO技術を利用して、パケット送受信部602が受信したパケットを符号化して、送信装置104から通信端末112に送信させる符号化パケットと、送信装置106から通信端末112に送信させる符号化パケットとを生成してよい。
送信タイミング制御部630は、無線通信によりパケットを送信する送信装置104の無線送信部622および送信装置106の無線送信部から、同時に通信端末112へパケットを送信させるべく、パケット通信網118を介して受信したパケットに送信タイミングを示す情報が付加されたパケットを、送信装置106の無線送信部に提供する。送信タイミング制御部630は、送信装置104の無線送信部622から送信されるパケットの無線信号と、送信装置106の無線送信部から送信されるパケットの無線信号とを重ね合わせて、通信端末112が有する1つの無線受信部に受信させるべく、送信装置104の無線送信部622および送信装置106の無線送信部に同一のパケットを提供してもよい。また、送信タイミング制御部630は、送信装置104の無線送信部622から送信されるパケットの無線信号と、送信装置106の無線送信部から送信されるパケットの無線信号とを、通信端末112が有する複数の無線受信部で同時に受信させるべく、送信装置104の無線送信部622および送信装置106の無線送信部に異なるパケットを提供してもよい。
伝送遅延時間測定部612は、送信装置104から送信装置106までの伝送遅延時間を定期的に測定する。伝送遅延時間測定部612は、送信装置104の送信時刻がタイムスタンプされた遅延時間測定用パケットを、非同期I/F部600を介して送信装置106に送信してよい。そして、伝送遅延時間測定部612は、送信装置106による遅延時間測定用パケットの受信時刻または送信時刻がタイムスタンプされた遅延時間測定用パケットを、非同期I/F部600を介して送信装置106から受信してよい。伝送遅延時間測定部612は、送信装置104の送信時刻と、送信装置106の受信時刻または送信時刻とから、送信装置104から送信装置106までの伝送遅延時間を測定してよい。
送信タイミング算出部614は、送信方法決定部608が送信装置106からもパケットを送信させることを決定した場合に、送信装置104の無線送信部622および送信装置106から通信端末112に対してパケットを送信するタイミングを示す送信タイミングを算出する。送信タイミング算出部614は、送信装置104から送信装置106までの伝送遅延時間に基づいて、送信装置106がパケットを送信可能な送信タイミングを算出する。送信タイミング算出部614は、外部クロック受信部618が受信した外部クロック信号を参照して内部クロック生成部616が調整した内部クロック信号を参照して、送信タイミングを算出する。
送信タイミング算出部614は、送信装置104から送信装置106までの伝送遅延時間を現在時刻に加算することによって、送信タイミングを算出してもよい。また、送信タイミング算出部614は、伝送遅延時間および送信装置106のパケット処理速度等を考慮して定められたマージンを、現在時刻に加算することによって、送信タイミングとして決定してもよい。送信タイミング算出部614は、算出した送信タイミングを送信タイミング付加部604および同期I/F部620に供給する。同期I/F部620は、送信タイミング算出部614から供給された送信タイミングを指定して無線送信部622にパケットを供給する。無線送信部622は、同期I/F部620に指定された送信タイミングに、通信端末112にパケットを送信する。
送信タイミング算出部614は、送信方法決定部608が送信装置104だけから通信端末112にパケットを送信させることを決定した場合、送信タイミングを算出しない。そして、パケット送受信部602は、パケット通信網118を介して受信したパケットをそのまま同期I/F部620を介して無線送信部622に供給する。
送信タイミング付加部604は、送信方法決定部608が送信装置104および106から通信端末112に同一のパケットを送信させることを決定した場合、送信タイミング算出部614が算出した送信タイミングを、パケット送受信部602が受信した通信端末112宛のパケットに付加する。そして、パケット送受信部602は、送信タイミングが付加されたパケットを、送信装置106に送信する。
送信タイミング付加部604は、送信方法決定部608が送信装置104および106から通信端末112に異なるパケットを送信させることを決定した場合、符号化データ生成部610が生成した複数の符号化パケットのうち、送信装置106から通信端末112に送信すべき符号化パケットに、送信タイミング算出部614が算出した送信タイミングを付加する。そして、パケット送受信部602は、送信装置104から通信端末112に送信すべき符号化パケットを、同期I/F部620に供給するとともに、送信タイミングが付加された符号化パケットを、送信装置106に送信する。
送信タイミング付加部604は、送信タイミング制御部630が算出した送信タイミングを示す情報およびパケットヘッダを付加することによって、パケット送受信部602がパケット通信網118を介して受信したパケットをカプセル化する。送信タイミング付加部604は、送信装置106に送信すべきパケットをカプセル化して、送信タイミングを書き込む領域を作成する。送信タイミング付加部604は、例えば、IP−in−IPカプセル化により、送信タイミングを書き込む領域を作成してよい。送信タイミング付加部604は、絶対時刻を送信タイミングとして書き込んでもよく、送信装置106の同期I/F部のタイムスロット番号を送信タイミングとして書き込んでもよい。
また、パケット送受信部602は、通信端末112宛のパケットを、非同期I/F部600を介して送信制御装置102または送信装置106から受信してもよい。送信タイミング算出部614は、パケット送受信部602が受信したパケットに送信タイミングが付加されているか否かを判断する。送信タイミング算出部614は、パケット送受信部602が受信したパケットをデカプセル化することによって、パケットの特定の領域に書き込まれた送信タイミングを抽出する。送信タイミング算出部614は、送信タイミングとして絶対時刻を抽出してもよく、同期I/F部620のタイムスロット番号を抽出してもよい。
送信タイミング算出部614は、パケットに送信タイミングが付加されている場合、付加されている送信タイミングに、当該パケットを送信するよう同期I/F部620に指示する。送信タイミング算出部614は、パケットに送信タイミングが付加されていない場合、他のパケットに付加されている送信タイミングと異なる送信タイミングに、当該パケットを送信するよう同期I/F部620に指示する。同期I/F部620は、送信タイミング算出部614の指示に従って、送信タイミングを指定して無線送信部622にパケットを供給する。無線送信部622は、同期I/F部620に指定された送信タイミングに、通信端末112にパケットを送信する。
本実施形態に係る送信装置104によれば、伝送遅延時間に応じた送信タイミングをパケットに付加して送信装置106に送信するので、パケット通信網118のような非同期網を介して送信したパケットを、送信装置104および106から通信端末112に同時に送信させることができる。また、本実施形態に係る送信装置104によれば、通信端末112に送信するパケットの種類、送信装置104と通信端末112との間の通信品質、さらには通信端末112のユーザからの指示に応じて、パケットの送信方法を決定するので、通信端末112のユーザに対して継続的に快適な通信環境を提供できる。また、本実施形態に係る送信装置104によれば、送信タイミングが付加されていないパケットの送信が、送信タイミングが付加されているパケットの送信と重ならないように処理するので、送信装置104および106から通信端末112への同時送信を妨害することがない。
図7は、本実施形態に係る送信制御装置100および送信装置104のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係る送信制御装置100および送信装置104は、ホスト・コントローラ782により相互に接続されるCPU705、RAM720、グラフィック・コントローラ775、および表示装置780を有するCPU周辺部を備える。送信制御装置100および送信装置104は、入出力コントローラ784によりホスト・コントローラ782に接続される通信インターフェイス730、ハードディスクドライブ740、およびCD−ROMドライブ760を有する入出力部を備える。さらに、送信制御装置100および送信装置104は、入出力コントローラ784に接続されるROM710、フレキシブルディスク・ドライブ750、および入出力チップ770を有するレガシー入出力部を備える。
ホスト・コントローラ782は、RAM720と、高転送レートでRAM720をアクセスするCPU705およびグラフィック・コントローラ775とを接続する。CPU705は、ROM710およびRAM720に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部を制御する。グラフィック・コントローラ775は、CPU705等がRAM720内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置780上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ775は、CPU705等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ784は、ホスト・コントローラ782と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス730、ハードディスクドライブ740、CD−ROMドライブ760を接続する。通信インターフェイス730は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ740は、送信制御装置100および送信装置104内のCPU705が使用するプログラムおよびデータを格納する。CD−ROMドライブ760は、CD−ROM795からプログラムまたはデータを読み取り、RAM720を介してハードディスクドライブ740に提供する。
また、入出力コントローラ784には、ROM710と、フレキシブルディスク・ドライブ750、および入出力チップ770の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM710は、送信制御装置100および送信装置104が起動時に実行するブート・プログラム、送信制御装置100および送信装置104のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ750は、フレキシブルディスク790からプログラムまたはデータを読み取り、RAM720を介してハードディスクドライブ740に提供する。入出力チップ770は、フレキシブルディスク・ドライブ750、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
RAM720を介してハードディスクドライブ740に提供されるコンテンツ提供プログラムは、フレキシブルディスク790、CD−ROM795、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。コンテンツ提供プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM720を介して送信制御装置100および送信装置104内のハードディスクドライブ740にインストールされ、CPU705において実行される。送信制御装置100および送信装置104にインストールされて実行されるコンテンツ提供プログラムは、CPU705等に働きかけて、送信制御装置100および送信装置104を、図1から図6にかけて説明した各部として機能させる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。