JP5156835B2 - スリットコリメータ散乱補正 - Google Patents

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Description

本発明は全般的には医学撮像に関する。本発明は具体的には、フラットパネル式ディジタルX線検出器を有するディジタルX線医用撮像システムに関する。
骨の骨密度(bone mineral density:BMD)はカルシウム含有量によって表される骨の強さを反映している。BMDは、グラム毎平方センチメートルを単位とした投影面積の1単位あたりの骨ミネラルの全体質量と定義される。BMDは幾つかの疾病や症状(骨粗鬆症がその1つ)を診断し治療するために有用なツールである。
骨粗鬆症は、カルシウム及び骨タンパクの減少に起因してBMDが低下するような骨の疾病である。骨粗鬆症になった人は骨折を起こしやすく、またこの骨折は治癒が遅かったり治癒が不十分となることが多い。このことは、高齢者(特に、閉経後の女性)、ステロイド治療中の患者、並びにステロイド系薬剤を服用している人においてよく見られることである。骨粗鬆症を抑制しないと、姿勢の変化、身体的な異常(特に、「老人性円背(dowager’s hump)」という通称で知られる症状)、並びに可動性の低下に繋がる可能性がある。骨粗鬆症に対する治療には、新たな骨成長を促進させるために必要な適当なカルシウムやその他のミネラルを患者の食事に確実に含めること、また閉経後の女性ではエストロゲンや混合ホルモンを補充すること、が含まれる。
デュアルエネルギーX線吸光分光分析(Dual−energy X−ray absorptiometry:DXAまたはDEXA)は、益々重要な骨密度計測技術となっている。実際に世界保健機構(WHO)は骨粗鬆症を、DXAで計測したBMDの値が(性別が同じ20歳の健康な人の平均値の)ピーク骨質量の2.5標準偏差未満になったものと定義している。DXAの基本原理は、2種類のエネルギーレベルのX線に対する透過度を計測することである。どれだけのX線エネルギーが患者を透過するかを計測することによって、患者内で吸収されたX線エネルギー量を決定することが可能である。軟部組織と骨とは、この2つのエネルギーレベルのX線を異なる度合いで吸収する。その結果、軟部組織によるX線吸収を、骨によるX線吸収と識別することができる。次いで骨画像データからBMDが決定される。
初期のディジタルX線検出器はサイズに限界があったため、股関節部や椎骨など所望の関心領域をカバーするために検出器をX線源と連係して移動させることによってDXAを実施するような技法が開発された。このタイプのDXAの例には、ペンシルビームDXAとファンビームDXAがある。ペンシルビームDXAでは、X線源と検出器によって関心領域の2次元ラスタスキャンが実施される。ファンビームDXAでは、線源と検出器の1回の掃引で関心領域をカバーできるように、スリットコリメータを用いて該関心領域を横断するように拡がった扇形形状のビームを生成している。
X線が患者の組織や骨と相互作用すると、このX線の一部は偏向すなわち方向転換を受ける。これら方向転換されたX線は散乱線(scatter)と呼ばれる。散乱線は、DXA中に取得される定量的な値にかなりの程度の誤差を生じさせる可能性がある。散乱を受けたX線は、方向やエネルギーが異なることを除けば、線源から直に到来した主X線と識別不可能であると共に、BMDの導出に使用する画像内に含まれている。したがって、散乱された放射線が検出されるために、検出器の画素位置で受け取られる実際の放射線と比べて軟部組織及び骨を透過したと見られるX線の強度がより多く見えることがある。また逆に散乱がないとすると、受け取るであろうX線の実際量と比べて軟部組織及び骨を透過したと見られるX線の強度がより少なく見えることになる。画像の明瞭性に影響を及ぼすこと以外に、散乱があるとBMDの値も影響を受けることになる。
既存のDXAシステムは、これらのシステムが散乱の影響を最小化できるように狭いコリメーションと小さい視野を有する。しかしディジタルX線検出器技術は現在、大型フラットパネル式ディジタルX線検出器を有意のサイズの臨床関心領域をカバーするほどに十分大きくするところまで進歩してきた。その結果ディジタルX線検出器を、患者に対して静止状態に保つことができる。さらに、散乱の影響が既存のDXAシステムと比べてかなり大きい。散乱を低減するために、散乱線除去グリッドやエアギャップなど収集中に散乱線を低減するための技法が使用されることがある。しかしこれらの技法はX線を減衰させており、また散乱の影響が完全には除去されない。このため、所望の結果を得るために患者に対してより多くの量のX線を照射しなければならない。
米国特許第6717174(B2)号
したがって、大型のフラットパネル式ディジタル検出器を使用する際に散乱の影響を低減させるような技法が望まれている。詳細には、X線に対する患者の被曝を低減させつつ(または、少なくとも増加させずに)散乱の影響を低減させるような技法が望まれている。
デュアルエネルギーX線撮像システムを用いて患者のBMDを確定するための技法を提示する。本技法ではデュアルエネルギーX線撮像システムは、スリットコリメータを利用して患者内部の関心領域の一連の部分を2種類のエネルギーのX線で照射する。フラットパネル式ディジタルX線検出器は、患者の関心領域を通過したX線を検出し、検出器に到達したX線の強度を表すデータを生成する。画像強度データを散乱に関して補正した後、患者の関心領域の各部分の画像強度データを合成し、その関心領域に関する1枚または複数枚の画像を形成することができる。散乱補正済み画像強度データから同様にBMDも確定される。
本散乱補正技法は、散乱線からのX線検出だけを反映しており主X線からのものは全く反映していない画像強度データの領域を特定することに基づく。これらの領域を特定するためにはその画像強度データの1次微分係数を使用する。散乱線のみの領域の境界において散乱線の強度を表す値が確定される。散乱線のみ領域の境界の散乱線強度に関するこの値を用いて、画像強度データのうち主X線と散乱線の両方から生成された領域内の散乱線強度を推定する。本技法の一実施形態では、散乱線のみ領域の境界における散乱線強度の値に散乱補正係数を乗算し、画像強度データのうち主X線並びに散乱線から生成された領域の中心で散乱線強度が推定される。この領域の残りの部分における散乱線は、領域内部の1つの点での推定強度を用いて補間される。画像強度データを散乱に関して補正するためには、既知の散乱線強度及び推定された散乱線強度がその画像強度データから差し引かれる。
本発明に関するこれらの特徴、態様及び利点、並びにその他の特徴、態様及び利点については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
本技法の例示的な一実施形態による大型のフラットパネル式ディジタルX線検出器を有しておりかつデュアルエネルギーX線吸光分光分析(DXA)を実施するように動作可能なデュアルエネルギーX線医用撮像システムの概略図である。 本技法の例示的な一実施形態による図1のX線源、スリットコリメータ及び大型のフラットパネル式ディジタルX線検出器を表した模式図である。 本技法の例示的な一実施形態による図2のX線源及びスリットコリメータの3次元像である。 本技法の例示的な一実施形態による図2のX線源及びスリットコリメータの3次元像である。 本技法の例示的な一実施形態によるデュアルエネルギー撮像システムを用いて患者のBMDを確定するための処理のブロック図である。 本技法の例示的な一実施形態による様々な組織密度を模した均一サンプルの収集画像に関する画像強度と画像強度の1次微分係数をプロットした図である。 本技法の例示的な一実施形態による図6のサンプルの画像強度データに対する図5の散乱補正技法の適用をグラフで表した図である。 本技法の例示的な一実施形態による第1の試験ファントームの立面図である。 本技法の例示的な一実施形態による図8の第1の試験ファントームの画像に関する画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のx軸プロットである。 本技法の例示的な一実施形態による図8の第1の試験ファントームの画像に関する画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のy軸プロットである。 本技法の例示的な一実施形態による第2の試験ファントームの立面図である。 本技法の例示的な一実施形態による図11の第2の試験ファントームの画像に関する画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のx軸プロットである。 本技法の例示的な一実施形態による図11の第2の試験ファントームの画像に関する画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のy軸プロットである。
ここで図1を参照しながら本発明について、例示的な撮像システム(このケースでは、その全体を参照番号20で示すデュアルエネルギーX線撮像システム)と連係して適用したものとして説明することにする。この実施形態ではデュアルエネルギーX線撮像システム20はデュアルエネルギーX線吸光分光分析(DXA)を実施するように動作可能である。しかし一般的には、本技法が適当な任意の撮像様式と共に使用できることに留意されたい。具体的には、この技法は大型のフラットパネル式ディジタル検出器を用いる任意の撮像システムに適用可能である。
図示した実施形態では、システム20は大型のフラットパネル式ディジタルX線検出器22と、X線源26を覆うように配置されたスリットコリメータ24と、を有する。デュアルエネルギーX線撮像システム20は、異なるエネルギーのX線を用いて像を撮ることによって骨及び軟部組織の画像を作成する機能を有する。具体的にはシステム20は、第1のエネルギーレベルを有するX線を用いて関心領域の画像を作成し、次いで第2のエネルギーレベルを有するX線を用いて関心領域の画像を作成する機能を有する。この実施形態では、第1のエネルギーレベルで発生させるX線は第2のエネルギーレベルで発生させるX線と比べてエネルギーがより低い。これら2つの画像は、組織の識別、組織の質の評価、その他を行うためにディジタル的に合成または解析されることがある。軟部組織及び骨は低エネルギーX線と高エネルギーX線を吸収する程度が異なっており、このためシステム20は軟部組織によるX線の吸収及び減衰と骨による吸収及び減衰とを識別することができる。
図示した実施形態では、フラットパネル式ディジタルX線検出器22は2つの画像を素速く続けて収集する能力を有するアモルファスシリコン製フラットパネルである。この画像収集速度が、大きいエネルギー差(最大で90kVp)をもつ高エネルギーと低エネルギーの画像を改良型の画像サブトラクションに変換することを可能とする。この実施形態では、デュアルエネルギーX線撮像システム20の検出器22及びX線源26は傾斜壁面スタンド28上に装着されている。検出器22の表面積の全体を同時に照射するのではなく、スリットコリメータ24を用いて検出器22のより小さい部分を用いて画像ストリップを撮影する(これについては以下で詳細に検討することにする)。傾斜壁面スタンド28は、システムが後でそれらをディジタル的に合成してより大きな画像を形成できるような一連の画像ストリップを撮影できるようにX線源26及びスリットコリメータ24をピボット動作させるように適合させている。システム20はさらに、撮像手順中に患者をその上に寝かせられるような移動式ストレッチャーまたはテーブル30を利用している。別法としてこのシステムは、フラットパネル式ディジタルX線検出器22及びX線源26を異なる支持体に対して確保させるように構成されることがある。例えばフラットパネル式ディジタルX線検出器22は検出器22を垂直方向に向かせることを可能にするスタンドに対して確保される一方、X線源26は単独の支持体を用いて天井から懸吊させることがある。さらに、システム20の図示した実施形態は、コンピュータ34を用いてシステム20を制御しかつ画像を処理するオペレータステーション32を有する。オペレータステーション32は、2つのモニタ36、キーボード38、またこの実施形態ではシステム20とユーザの間の対話を容易にするためのマウス40(あるいは、別のインタフェース構成要素)を含む。
図2の全体を見ると、スリットコリメータ24は、患者及び検出器22からの遊離X線をろ過することによって患者に関するより正確な画像を作成するために使用される。検出器22に当たったX線だけが、X線源26から患者を通過した直接経路で検出器22まで伝播するX線であるのが理想的である。この所望の経路で伝播するX線を「主(primary)」X線42と呼んでいる。主X線42はスリットコリメータ24内のスリット44を通過することが可能である。スリットコリメータ24はX線源26が発生させた遊離X線が患者に当たるのを阻止している。しかし、検出器22の検出した別のX線はこの直接経路に従っていない。これらのX線のことを散乱線46と呼ぶ。散乱線46は主に、患者の組織と相互作用し、その元の経路から偏向すなわち方向転換を受けたX線である。
散乱線は、対象内部におけるX線の吸収及び減衰の検出結果を歪める影響を有する。検出器22は主X線42と散乱線46の両方を検出する画素を有する。X線の元の経路と一直線上にある検出器22の画素にとっては、散乱されたX線がすでに吸収済みであるように見えることになる。他方、散乱されたX線を検出する検出器22の画素にとっては、散乱X線が患者を正常に直接通過したように見えることになる。このケースのそれぞれにおいて、画像強度データに対して、またしたがって医用画像に対して散乱線によって誤差が誘導されている。この誤差は、画像のコントラストを低下させており、また画像内にあいまいさとして出現することがあり、さらに、この画像データに基づいて実施される解析に悪影響を与えることがある。
検出器22により検出されたその全体を参照番号48で示す画像強度データの代表的なプロットを、検出器22上でグラフで表している。画像強度データ48は、アルミニウム及び樹脂を均一な厚さとしたものを介するなど組織密度を模した材料からなる試験ファントームに関するものである(これについては以下で詳細に検討することにする)。アルミニウムが骨の代わりであり、また樹脂が軟部組織の代わりである。画像強度データ48内部の最大強度は、検出器22のうちのスリット44の直ぐ相対する位置にある領域で生じている。画像強度データ48のこの領域(その全体を参照番号50で示す)は、検出器22による主X線42と散乱X線46の両方の検出に由来する。画像強度データ48のうちその全体を参照番号52で示す傾斜した強度は散乱X線だけの検出を表している。画像強度データ48のこれら「散乱線のみ」領域52は、スリットコリメータ24が主X線42の検出器22の対応する部分への到達を阻止するため主X線42の検出を全く示さない。
システム20の図示した実施形態は散乱補正技法を利用して、画像強度データ48の散乱線46のみの生成に相当する領域52を特定し、次いでこれらの領域内の散乱線強度を用いて画像強度データ48の主X線42と散乱線46の両方の生成に相当する領域50内において散乱線46の強度を推定することによって、システム20が形成した画像に対する散乱線の影響を低減している(これについては以下で詳細に検討することにする)。さらに、画像強度データ48のうち画像の形成に使用される領域は唯一、画像強度データ48のうち主X線42と散乱X線46の両方の生成に相当する領域50である。本技法のこの実施形態では画像強度データ48は、画像強度データ48から散乱線強度を差し引き、画像強度データ48のうち主X線42の生成に相当するところだけを残すことによって補正される。
図3及び4の全般を見ると、図示した実施形態のX線源26とスリットコリメータ24が組み合わされて、矩形の画像照射エリア(その全体を参照番号54で示す)を形成している。しかし、X線源26及びスリットコリメータ24は別の形状及びサイズを有する照射エリアを作成するように適合させることがある。さらにシステム20のこの実施形態では、スリット44は幅が概ね2.5cmである。
この実施形態では傾斜壁面スタンド28は、矩形の照射エリア54を図3の第1位置から図4の第2位置まで移動させるためにX線源26及びスリットコリメータ24をピボット動作させるように適合させている。この方式では、関心領域の画像(複数の画像のこともある)の全体を形成するようにディジタル的に合成される一連の画像のシステム20による撮影を可能とさせるために検出器22の表面を全体にわたって矩形の照射エリア54を移動させている。ある照射と次の照射で検出器22の一部同士でその幾らかを重ね合わせることがある。さらに本システムは、ある位置までピボット移動させて高エネルギーレベル画像と低エネルギーレベル画像の両方を撮影するように構成されることがあり、あるいはシステム20を一方のエネルギーレベルのX線で画像の全体シーケンスを完遂させ次いでもう一方のエネルギーレベルのX線でそのシーケンスを繰り返すことがある。
図5の全般を見ると、デュアルエネルギーX線撮像システム20を用いて患者のBMDを確定するための技法のブロック図(その全体を参照番号56で示す)を表している。この実施形態ではシステム20を使用して患者の関心領域の一連の部分を2種類のエネルギーのX線で照射しその関心領域に関する画像強度データ48を取得しており、これを用いて次いで1枚の画像が作成されている。散乱に関して画像強度データを補正した後、これらの照射により収集した画像は次いで、関心領域に関する1枚または複数枚の画像を形成するために合成することができる。次いで補正済み画像データを処理することによってBMDを決定することができる。ここで本技法についてさらに詳細に検討することにする。
スリットコリメータ24及びX線源26を使用して、患者の第1の部分及びフラットパネル式ディジタルX線検出器の対応する部分が第1のエネルギーレベルを有するX線で照射される(この全体をブロック58で示す)。上述のようにスリットコリメータ24は、矩形のX線ストリップが形成されるようにシステム20が発生させたX線ビームをコリメートさせる。本技法のこの実施形態では、システム20はこの後、第2のエネルギーレベルのX線を用いて画像を作成する。さらにこの実施形態では、第1のエネルギーレベルは第2のエネルギーレベルと比べてエネルギーがより低い。
フラットパネル式ディジタル検出器22は患者を通過したX線を収集しX線検出器22により検出された強度を表す画像強度データを生成する(この全体をブロック60で示す)。システム20は次いで、その画像強度データの1次微分係数を決定する(この全体をブロック62で示す)。その画像強度データの1次微分係数によって強度画像データのうちの散乱のみの検出に由来する部分の特定が可能となる。
図6の全般を見ると、画像強度データ48の代表的なプロットのチャート(この全体を参照番号64で示す)を、その画像強度データの1次微分係数48のプロット(その全体を参照番号66で示す)と共に示している。図2に関連して上で指摘したように、図示した実施形態では、画像強度データの代表的プロットの対象は、骨と軟部組織のそれぞれを表したアルミニウムと樹脂の一連の均一ストリップである。
図示した実施形態では、画像強度データの散乱線のみ領域52は、画像強度データのうち主X線42と散乱線46の結果に相当する領域50の両側にある2つの画像強度データ領域52からなる。上で指摘したように、画像強度データのうち主X線42と散乱線46の結果に相当する領域50は、検出器22のうちスリットコリメータ24内のスリット44の直ぐ相対する位置にある部分上に見出される。
しかしながら、画像強度データ48の散乱線のみ領域52を主X線42と散乱線46の両方に由来する領域50から分離するための明瞭な識別標識は存在しない。しかし、画像強度データ48の散乱線のみ領域52を特定する特徴は、これらの領域内の画像強度データ48の強度が画像強度データ48が主X線42の検出を反映し始める点に到達するまで緩やかに上昇することである。したがって、画像強度データ48の1次微分係数66は一般に、画像強度データ48の散乱線のみ領域52内である画素が次の画素になっても大幅に変化することがない。しかし、散乱線46がスリット44の反対側に集中しているため、画像強度データ48のうちのスリット44の辺縁に対応する領域に近づくに連れて散乱線の量はより急激に増加する。このことは、散乱X線46の受ける偏向は大きな角度ではなく若干の角度である可能性が高いこと、並びに散乱線を発生させる主X線43はその位置に集中しているという理由による。したがって1次微分係数はスリット44の辺縁が近づくに連れてより急激に増加することになる。実際に主X線のうちの一部は、スリット44の辺縁を通過して検出器22による検出を受けることが可能である。この点で、画像強度データ48は著しく増加して画像強度データ48に第1の変曲点68を生成することになり、また1次微分係数66は急峻な変化を示すことになる。
この例ではその急峻な変化は上向きスパイク70である。しかしこの急峻な変化は必ずしも、画像強度データ48の散乱線のみ領域52から散乱線及び主X線の領域50への遷移を指示するスパイクほどに顕著である必要はない。
1次微分係数66の急峻な変化によって、画像強度データ48のうち主X線並びに散乱線46に由来する領域50と散乱線のみに由来する領域52の間の境界が規定される。例えば、1次微分係数の急峻な変化は、1次微分係数の最大値に対する1次微分係数の所与の比として規定されることがある。この例に従うと、1次微分係数内の1次微分係数の最大値に対する所与の比に対応する値を有する点(複数の点のこともある)を用いて次いで、画像強度データ48のうちの主X線及び散乱線46に由来する領域50と散乱線のみに由来する領域52との間の境界が規定される。この実施形態では、1次微分係数66の第1の上向きスパイク70が画像強度データ48のうちの画像強度データ48の左側にある散乱線のみ領域52の端部のマークとなっている。画像強度データ48内のこの点は、スリット44の内側辺縁に沿って通過する主X線42に対応している。同様に、スリット44の内側辺縁に対応する領域から若干内方に動かすと、検出器22は実際上その全体が主X線42に曝露されることになる。さらに若干内方では、画像強度データ48の強度の上昇はあまり顕著でなくなり始める。そのために画像強度データ48の増加率が低くなって画像強度データ48内に別の変曲点72を生じさせることになり、また画像強度データの1次微分係数66は下向きスパイク74を示すことになる。スリット44の反対側の内側辺縁上ではこの反対の効果が生じる。主X線42の線束数が減少し始めて、画像強度データ48内に別の変曲点76を生じさせ、また1次微分係数には負の下向きスパイク78を生じさせることになる。実際に、主X線42がすべてスリットコリメータ24により阻止されると共に、画像強度データ48の強度は散乱線だけに由来するようになる。強度の変化率が低下すると共に、画像強度データ48に別の変曲点80が生じることになる。強度が低下する度合いが著しく低下するに連れて1次微分係数の上向きスパイク82も生じる。これが画像強度データ48の右側の散乱線のみ領域52の開始点のマークとなる。さらに右に進むと、画像強度データ48の強度は散乱線46のみに由来することになる。
再度図5を参照すると、スリット44の辺縁に対応する散乱線46の強度は画像強度データ48の1次微分係数66に基づいて確定される(この全体を参照番号84で示す)。上で指摘したように、第1の上向きスパイク70及び第2の上向きスパイク82によって画像強度データ48の散乱線のみ領域52の境界を規定している。これらはさらに、画像強度データ48のうち主X線42並びに散乱線46に由来する領域50の境界を規定している。この実施形態では具体的に、第1の上向きスパイク70と第2の上向きスパイク82の位置における散乱線46の強度の平均をとり、スリット44の辺縁に対応する散乱線46の強度を確定している。しかし、スリット44の辺縁に対応する散乱線46の強度を確定する別の方法を使用することもできる。例えば、第1の上向きスパイク70と第2の上向きスパイク82の位置における散乱線強度のうちの一方だけを使用することがある。さらに、上向きスパイクの開始点と上向きスパイクの終了点の間に明瞭な位置の差が存在する場合、この実施形態では、画像強度データ48の散乱線のみ領域52の近傍の点に対応する強度を使用している。
画像強度データ48の主X線42並びに散乱線46に由来する領域50の中心位置における散乱線46の強度は、スリット44の辺縁位置における散乱線46の強度及び実験データから導出した散乱補正比に基づいて推定される(この全体をブロック86で示す)。画像強度データ48のうち主X線42と散乱線46の両方に由来する領域の中心は、検出器22のうちスリット44の中心と直ぐ相対する位置にある領域に対応する。具体的にこの実施形態では、画像強度データ48のうち主X線42と散乱線46の両方に由来する領域50の中心に対応する推定散乱は、スリット44の辺縁位置における散乱線強度に散乱補正比を乗算することによって確定される。
辺縁散乱線強度に対する中心散乱線強度の比は、様々な厚さを有する均一な樹脂及びアルミニウム製試験ファントームに対する一連のスリット像を撮影することによって見出されている。この実施形態ではその散乱補正比は、アルミニウム及び樹脂の所与の厚さ範囲にわたってその散乱比の平均をとることによって計算される。さらにこの実施形態では、使用する2つのX線エネルギーレベルのそれぞれごとに1つの割合で2つの散乱補正比が確定されている。この散乱補正比は、体重、体脂肪百分率、身長、胸囲、腰回り、ボディマス指数(body mass index)、関心領域、その他などの患者に関する特性に基づいて、撮像中に選択されることがある。例えば、体脂肪百分率が高い人では骨と比べて軟部組織の百分率がより大きくなり、発生する散乱線の量に影響を及ぼす可能性がある。同様に、患者身体のうちの撮像中の部分に応じて、予測される散乱線がより多いことやより少ないことがある。この患者の特性はオペレータが手作業で入力することがある。別法として、その内部に患者特性が保存されている電子式記録から患者情報が自動的に取り出されることがある。
再度図6を参照すると、推定される中心散乱線強度88と2つの辺縁での散乱線とが、画像強度データ48のうち主X線42と散乱線46の両方に由来する領域50内の散乱線をモデル化するためのアンカー点となる。図示した実施形態では、領域50の残りの部分内における散乱線は、画像強度データ48のこれら3つの点間での補間によって推定される。しかし、画像強度データ48のうち主X線42と散乱線46の両方に由来する領域50内における散乱線46の強度を推定するために、補間以外の技法が使用されることがある。さらに、中心散乱線強度以外の点が推定されることがある。さらに、複数の点が推定されることがある。
再度図5及び6を参照すると、画像強度データ48のうち主X線42と散乱線の両方に由来する領域50内での散乱線を補間するために曲線当てはめプログラムが使用される(これをブロック90で示す)。曲線92は、2つの辺縁にある2つの散乱線強度を、主X線及び散乱線に由来するX線を受ける領域50の中心における推定散乱線強度と連結している。図示した実施形態では、散乱の補間のために3次スプライン補間スキームを用いている。しかし、別の補間スキームを使用することもできる。
図5及び7の全般を見ると、画像強度データ48の散乱線のみ領域52内の散乱線46の強度、並びに主X線42と散乱線46の両方に由来する画像強度データ48の領域50内の散乱線に関する推定強度に基づいて、画像強度データ48を散乱に関して補正している(これをブロック94で示す)。図7では、散乱補正技法をグラフで表している。一番左は、画像強度データ48の元のプロット64と画像強度データ48の1次微分係数66とを示している。真ん中は、元の未補正画像強度データ48の散乱線のみ領域52と、画像強度データ48のうち主X線42と散乱線46の両方に由来する領域内部の散乱線46の強度に関する推定値の曲線92と、からなるプロット96である。散乱に関して画像強度データ48を補正するために、元の画像強度データ48の散乱線のみ領域52並びに主X線42と散乱線46の両方に由来する領域50内部の散乱線の強度の推定値の曲線92が、元の未補正画像強度データ48から差し引かれる。得られた散乱補正画像強度データ(その全体を参照番号98で示す)を一番右に表示している。散乱補正画像強度データ98は、均一な厚さを有する試験ファントームに対する無散乱線画像に対応する予測される形状を有することに留意すべきである。
別法として、別の散乱補正技法使用することもできる。例えば、スリット44の辺縁に対応する主X線42は、第1の変曲点68における強度を第2の変曲点72における強度から差し引くことによって確定されることがある。対象が均一な厚さを有する場合、画像強度データ48のうち主X線42と散乱線46の両方に由来する領域全体にわたって主X線42が均一であると仮定することができる。したがって、辺縁位置における主X線42は領域50全体にわたる主X線42を表している。データ48のうちの主X線42と散乱線46の両方に由来する領域50内の散乱線46を決定するためには、辺縁位置で確定した主X線42の強度が、領域50全体にわたって画像強度データ46から差し引かれる。これが既知となれば、次いで散乱線46を領域50内の画像強度データ48から差し引くことが可能である。
再度図5を参照すると図示した実施形態では、デュアルエネルギー撮像システム20は第2のエネルギーレベルのX線を患者に照射(この全体をブロック100で示す)した後、関心領域の次の部分の画像を撮影するように位置決めし直している。画像強度データの収集及び補正に関する上述の技法はさらに、第2のエネルギーレベルのX線で取得した画像強度データに関して反復される。異なるエネルギーレベルにおける画像データの作成に関して実際には様々な方法を使用できることは当業者であれば理解されよう。例えば、システムを各位置として両方のエネルギーレベルの画像データが収集されることや、あるいは一方のエネルギーレベルで画像データを収集するために様々な位置まで横動させた後、第2のエネルギーレベルで画像データを収集するために同じ位置を反復することがある。また別法では、そのシステムが2種類のエネルギーレベルで同時に画像データを収集する機能を有する2重エネルギー検出器を含んでいれば、これらのエネルギーレベルにおける収集の合成が実施されることがある。
次いで、X線源26及びスリットコリメータ24が位置決めし直され、患者の第2の部分からデータを取得する(この全体をブロック102で示す)。図示した実施形態では、患者の第2の部分を照射するために、X線源26及びスリットコリメータ24を横方向に変位させるのではなくピボット移動させている。この処理は関心領域の一連の画像が完了するまで必要に応じて反復させる。患者の関心領域に関する一連画像中の画像間には重複が存在することがある。別法としてシステム20は、関心領域の所望の画像のすべてを第1のエネルギーレベルのX線で収集した後で、第2のエネルギーレベルのX線で任意の画像を収集することがある。
患者の関心領域に関する画像強度データ48を収集し終えた後、散乱補正済み画像強度データを用いて患者の1枚または複数枚の画像が作成される(この全体をブロック104で示す)。この画像は、骨及び/または軟部組織に関するデュアルサブトラクション画像とすることがある。
この実施形態では、散乱未補正の画像強度データではなく散乱補正済み画像強度データを用いてBMDを確定している(この全体をブロック106で示す)。BMDは、ブロック104で示すように画像を形成させずに確定されることもある。図示した実施形態ではその散乱補正済み画像強度データは、患者内部でのX線吸収に対応するような等価厚としたアルミニウム及びルサイトの確定に使用される。次いでこの等価厚がBMD値に変換される。しかし、散乱補正済み画像強度データからのBMDの確定には別の方法を使用することもできる。
図8の全般を見ると、試験ファントーム108の立面図を表している。このファントームは不均一な厚さのアルミニウム及びルサイトからなる。この実施形態では、ファントーム108は側面が次に移るに従って高くなってゆく一連の段差110を有する。
図9の全般を見ると、上述の技法を用いて試験ファントーム108の画像を作成した結果を表している。この結果は、未補正画像強度対検出器22のx軸に沿った位置を表したプロット(その全体を参照番号112で示す)を含む。プロット112はファントーム108の形状と著しく異なることに留意されたい。プロット112はファントーム108の平坦な段と比べるとかなり鋸歯状の形状を示している。画像強度データのうちスリット44と相対する部分の推定散乱線強度のプロット(これを参照番号114で示す)も示している。上述のように、未補正画像強度データ112は、参照番号116で示す散乱線のみ領域の画像強度及び推定散乱線強度114を未補正画像強度データ112から差し引くことによって散乱に関して補正を受ける。その全体を参照番号118で示す散乱補正済み画像強度データのプロットは、未補正画像強度プロット112の鋸歯状断面ではなくファントーム108の階段状断面を有することに留意すべきである。
図10の全般を見ると、図8の試験ファントームの画像に関する検出器22のy軸に沿った画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のプロットを表している。図示した実施形態では、未補正画像強度対検出器22のy軸に沿った位置のプロット(その全体を参照番号120で示す)は、ファントーム108の予測される平坦な形状ではなく半円形の頂部を有している。画像強度データのうちスリット44と相対する部分の推定散乱線強度のプロット(これを参照番号122で示す)も示している。未補正画像強度データ120は、参照番号124で示す散乱線のみ領域の画像強度及び推定散乱線強度122を未補正画像強度データ120から差し引くことによって散乱に関して補正を受ける。その全体を参照番号126で示す散乱補正済み画像強度データのプロットは、未補正画像強度プロット120の半円形頂部断面ではなくファントーム108の予測される平坦頂部断面を有することに留意すべきである。
図11の全般を見ると、第2の試験ファントーム128の立面図を表している。このファントームは、不均一な厚さとしたアルミニウム及び樹脂からなる。この実施形態ではファントーム128は一連のプラトー130を有する。
図12の全般を見ると、図11の試験ファントームの画像に関する検出器22のx軸に沿った画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のプロットを表している。図示した実施形態では、未補正画像強度対検出器22のx軸に沿った位置のプロット(その全体を参照番号132で示す)は、ファントーム128の平坦なプラトー130と比べてより大きな曲率を有する。画像強度データのうちスリット44と相対する領域内の散乱線の推定強度が上述の技法を用いて確定される。画像強度データのうちスリット44と相対する部分の推定散乱線強度のプロット(これを参照番号134で示す)も示している。上述のように、未補正画像強度データ132は、参照番号136で示す散乱線のみ領域の画像強度及び推定散乱線強度134を未補正画像強度データ132から差し引くことによって散乱に関して補正を受ける。その全体を参照番号138で示す散乱補正済み画像強度データのプロットは、未補正画像強度プロット132の曲率ではなくファントーム128の平坦なプラトーを有することに留意されたい。
図13の全般を見ると、図8の試験ファントームの画像に関する検出器22のy軸に沿った画像強度、推定散乱線及び散乱補正済み画像強度のプロットを表している。図示した実施形態では、未補正画像強度対検出器22のy軸に沿った位置のプロット(その全体を参照番号140で示す)は、ファントーム128の予測される平坦な形状ではなく半円形の頂部を有している。画像強度データのうちスリット44と相対する部分の推定散乱線強度のプロット(これを参照番号142で示す)も示している。未補正画像強度データ140は、参照番号144で示す散乱線のみ領域の画像強度及び推定散乱線強度142を未補正画像強度データ140から差し引くことによって散乱に関して補正を受ける。その全体を参照番号146で示す散乱補正済み画像強度データのプロットは、未補正画像強度プロット140の半円形頂部断面ではなくファントーム128の予測される平坦頂部断面を有することに留意されたい。
本技法の技術的効果は、散乱に関して画像強度データを補正することである。本発明のある種の特徴についてのみ本明細書において図示し説明してきたが、当業者によって多くの修正や変更がなされるであろう。したがって添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲に属するこうした修正や変更のすべてを包含させるように意図したものであることを理解されたい。
20 デュアルエネルギーX線撮像システム
22 フラットパネル式ディジタルX線検出器
24 スリットコリメータ
26 X線源
28 傾斜壁面スタンド
30 移動式ストレッチャー、テーブル
32 オペレータステーション
36 モニタ
38 キーボード
40 マウス
42 主X線
44 スリット
46 散乱線

Claims (17)

  1. 画像データを処理するためのコンピュータ実現による方法であって、
    ディジタル撮像検出器により取得した画像強度データにアクセスする工程であって、該画像強度データは主X線及び散乱線により生成される第1の領域と散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域とを含むアクセス工程と、
    画像強度データの内部において主X線及び散乱線により生成される第1の領域と散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域とを画像強度データの微分係数に基づいて特定する工程と、
    画像強度データのうちの散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域内で散乱線強度を確定する工程と、
    画像強度データの少なくとも1つの第2の領域内の散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域内の散乱線強度を推定する工程と、
    散乱補正済み画像強度データを確定するために第1の領域内の推定散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域を散乱に関して補正する工程と、
    を含む方法。
  2. 散乱補正済み画像強度データに基づいて患者の一部分の内部の骨密度を確定する工程を含む請求項1に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  3. 画像強度データの第1の領域を散乱に関して補正する前記工程は、前記推定した散乱線強度を画像強度データから差し引く工程を含む、請求項1に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  4. 少なくとも1つの第2の領域を画像強度データから差し引くことによって画像強度データの少なくとも1つの第2の領域を散乱に関して補正する工程を含む請求項3に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  5. 画像強度データの微分係数の少なくとも1つの急峻な変化を特定する工程を含むと共に、前記画像強度データの少なくとも1つの第2の領域が該画像強度データの微分係数の少なくとも1つの急峻な変化によって規定されている、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  6. 画像強度データの第1の領域内の推定散乱線強度を確定する工程は、画像強度データの第1の領域のある点における散乱線強度を推定するために散乱線強度に補正係数を乗算する工程を含む、請求項1に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  7. 画像強度データの微分係数の少なくとも1つの急峻な変化を特定する工程を含むと共に、前記補正係数が乗算された散乱線強度は該画像強度データの微分係数の少なくとも1つの急峻な変化に対応する少なくとも1つの散乱線強度に基づく、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  8. 推定散乱線強度を確定する前記工程は、画像強度データの第1の領域の1つの点における推定散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域内部の散乱線強度を補間する工程を含む、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  9. 前記補正係数は患者の特性に基づく、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  10. 前記患者特性は手作業で入力される、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  11. 前記患者特性は電子式記録から自動で取り出される、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  12. 前記患者特性は患者の相対的なサイズである、請求項に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  13. ディジタル撮像検出器により取得した画像強度データにアクセスする前記工程は、X線源が発生させたスリットコリメータを通過したX線からフラットパネル式ディジタルX線検出器により取得した画像強度データにアクセスする工程を含む、請求項1に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  14. ディジタル撮像検出器により取得した画像強度データにアクセスする前記工程は、デュアルエネルギーディジタルX線撮像システムにより取得した強度データにアクセスする工程を含む、請求項1に記載のコンピュータ実現による画像データ処理方法。
  15. 画像データを処理するためのコンピュータ向けのシステムであって、
    ディジタル撮像検出器により取得した画像強度データにアクセスするための手段であって、該画像強度データは主X線及び散乱線により生成される第1の領域と散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域とを含むアクセス手段と、
    画像強度データの内部において主X線及び散乱線により生成される第1の領域と散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域とを特定するための手段と、
    散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域内の散乱線強度を画像強度データの微分係数に基づいて確定するための手段と、
    画像強度データの少なくとも1つの第2の領域内の散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域内の散乱線強度を推定するための手段と、
    散乱補正済み画像強度データを確定するために第1の領域内の推定散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域を散乱に関して補正するための手段と、
    を備えるシステム。
  16. 医用画像データを処理するためのマシン読み取り可能な媒体であって、
    ディジタル撮像検出器により取得した画像強度データにアクセスするように動作可能なコードであって、該画像強度データは主X線及び散乱線により生成される第1の領域と散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域とを含むアクセス動作可能なコードと、
    画像強度データ内部において、主X線及び散乱線により生成される第1の領域と散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域とを特定するように動作可能なコードと、
    散乱線のみにより生成される少なくとも1つの第2の領域内で散乱線強度を画像強度データの微分係数に基づいて確定するように動作可能なコードと、
    画像強度データの少なくとも1つの第2の領域内の散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域内の散乱線強度を推定するように動作可能なコードと、
    散乱補正済み画像強度データを確定するために第1の領域内の推定散乱線強度に基づいて画像強度データの第1の領域を散乱に関して補正するように動作可能なコードと、
    を備えるマシン読み取り可能媒体。
  17. 画像強度データを処理するためのコンピュータ実現による方法であって、
    画像強度データ内部の画像強度の変化率に基づいて、画像強度データ内部の散乱線のみにより生成される第1の領域を特定する工程と、
    画像強度データのうち主X線及び散乱線から生成される第2の領域内の推定散乱線強度を、画像強度データの第2の領域の近傍にある画像強度データの第1の領域内の1つの点における散乱線強度に基づいて確定する工程と、
    第2の領域内の推定散乱線強度に基づいて、画像強度データの第2の領域を散乱に関して補正する工程と、
    を含み、
    画像強度データ内部の画像強度の変化率に基づいて画像強度データ内部の散乱線のみにより生成される第1の領域を特定する前記工程は、画像強度データの微分係数を確定する工程と、画像強度データの急峻な変化に基づいて第1の領域を特定する工程と、を含む、
    方法。
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