JP6562812B2 - キャリブレーション用ファントム - Google Patents

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Description

本発明は、キャリブレーション用ファントムに関し、特に、生体成分測定装置における測定誤差を修正するためのキャリブレーション用ファントムに関する。
従来、被検者の生体成分を測定する生体成分測定装置が用いられている。生体成分測定装置としては、例えば骨塩量測定装置や体脂肪率測定装置などがあり、これらにおいて被検者の骨塩量あるいは体脂肪率などの生体成分が測定される。生体成分測定装置においては、被検体に照射され、被検体内を透過して減衰したX線が検出される。検出されたX線に基づいて、骨塩量や体脂肪率が測定される。
生体成分測定装置はX線管を有しており、X線管に電圧(管電圧)が印加されることでX線管からX線が照射される。照射されるX線の強度は、印加される管電圧及び管電流に応じて変動するが、印加される管電圧が装置毎に微妙に異なる(誤差がある)ことから、当該誤差を吸収するためにキャリブレーション(較正)が必要となる。
また、照射されるX線には、様々な波長の波が含まれているところ、X線が物質を透過する際、低エネルギー波(波長が長くエネルギーが低い波)がより多く物質に吸収される。これにより、物質にX線が透過した距離に従ってX線のエネルギーが高くなる現象(ビームハードニング)が生じる。これにより、X線の減衰係数の線形性が失われることから、被検体の厚みに応じて測定誤差が生じ得ることになる。したがって、当該測定誤差を吸収するためにもキャリブレーションが必要となる。
キャリブレーションは、骨、あるいは軟部組織(筋肉及び脂肪含む)を模したファントム(較正用物質)を用いて行われるのが一般的である。被検体に対する測定(実測定)に先立って、ファントムに対して測定(較正用測定)が実行され、較正用測定値が得られる。さらに、既知であるファントムの特性(厚さ、骨密度、体脂肪率など)と、較正用測定値とに基づいて、測定誤差を較正するための較正関数あるいは較正量(以下単に「較正関数」と記載する)が演算される。そして、実測定で得られた実測定値に対して、当該較正関数に基づく較正(つまりキャリブレーション)が実行される。
従来、較正用測定値(較正用関数)を得るための種々のファントムが提案されている。例えば、特許文献1には、体厚の違いによる測定誤差に対する較正関数を得るための、複数の厚み(高さ)を模したファントムが開示されている。また、特許文献2には、複数の層を組み合わせて所定の体脂肪率のファントムを形成する技術が開示されている。
特開2015−84805号公報 米国特許第6,315,447号明細書
キャリブレーションのための較正関数としては、被検体の体厚に応じて生じる測定誤差を較正するための較正関数のみならず、各生体成分率(例えば体脂肪率)における測定誤差を較正する較正関数も得ておくのが好ましい。各生体成分率に関する較正関数によれば、実測定で得られた各生体成分率に応じた較正を行うことができ、つまりより正確な実測定値を得ることができる。このために、複数の生体成分率が模擬されたファントムが必要となる。この点、上記特許文献2においては、各層の組み合わせにより複数の体脂肪率を模したファントムを構成し得るが、異なる体脂肪率のファントムを構成する度に各層を1枚ずつ重ねる処理が必要となるために、手間あるいは時間がかかるという問題がある。
本発明の目的は、被検体の体厚に応じて生じる測定誤差を較正するための較正関数を好適に得ると共に、各生体成分率における測定誤差を較正するための較正関数を好適に得ることができるファントムを提供することにある。
本発明に係るキャリブレーション用ファントムは、第1生体組織を模した第1ファントム材料で形成され、互いに高さが異なり、且つ、起立状態で整列された複数の第1ファントムプレートから構成される第1ファントム体と、第2生体組織を模した第2ファントム材料で形成され、互いに高さが異なり、且つ、起立状態で整列された複数の第2ファントムプレートから構成される第2ファントム体と、を備え、前記第1ファントム体及び前記第2ファントム体が正立して並列配置された併置状態、及び、正立した前記第1ファントム体と倒立した前記第2ファントム体とが生体成分測定装置からの放射線の照射方向に重畳するよう結合された結合状態を取り得る、ことを特徴とする。
上記構成によれば、第1ファントム体は複数の高さを有する複数の第1ファントムプレートで構成されるから、第1ファントム体を単体で用いれば、複数の体厚における較正用測定値が容易に得られる。これらの測定用測定値に基づいて、体厚に応じて生じる測定誤差を較正するための較正関数が演算される。第2ファントム体も同様に用いることができる。例えば、第1ファントム材料を除脂肪(筋肉)100%を模した材料で形成し、第2ファントム体を脂肪100%を模した材料で形成すれば、併置状態にある両者に対して較正用測定を行うことで、除脂肪100%及び脂肪100%のファントム体に対して複数の厚みにおける較正用測定値が得られる。そして、それらに基づいて除脂肪100%及び脂肪100%に対する較正関数が演算される。
また、上記構成によれば第1ファントム体及び第2ファントム体は結合状態を取ることができる。結合状態においては、両ファントム体は放射線(X線)の照射方向に重畳している。つまりX線は第1ファントム体及び第2ファントム体の双方を透過することが可能になる。ここで、X線の照射方向における第1ファントム体及び第2ファントム体の厚みを適宜設定することで、結合状態において複数の生体成分率を実現することができる。例えば、第1ファントムプレートを高さ順に整列させ、階段状部分を有する第1ファントム体を形成する。第2ファントム体も同様に階段状部分を有する形状とする。そして、両者の階段状部分が組み合わさるようにして結合状態を形成する。第1ファントム材料が除脂肪100%であり、第2ファントム材料が脂肪100%であれば、結合状態において、除脂肪100%から脂肪100%までの間の体脂肪率(例えば25%、50%、75%など)のファントムが実現される。したがって、結合状態の第1ファントム体及び第2ファントム体(結合ファントム体)に対して較正用測定を行えば、複数の体脂肪率における較正用測定値を容易に得ることができる。これらの較正用測定値に基づいて、各体脂肪率における測定誤差を較正するための較正関数が演算される。
望ましくは、前記併置状態及び前記結合状態を維持する連結部材、をさらに備えることを特徴とする。連結部材によれば、併置状態にある第1ファントム体及び第2ファントム体の相対的な位置決めが確実に行われ、較正用測定がより好適に行われる。また、連結部材によれば、第1ファントム体及び第2ファントム体の結合状態が解除されることなく維持されるから、より好適に複数の生体成分率における較正用測定値が得られる。
望ましくは、前記連結部材は、生体成分測定装置に対する、前記第1ファントム体及び前記第2ファントム体の位置決めを行う位置決め機能を発揮する。連結部材の位置決め機能によって第1ファントム体及び第2ファントム体が生体成分測定装置に対して位置決めされることで、誤った位置又は姿勢において載置された両ファントム体に対して較正用測定を行ってしまうことが防止される。第1ファントム体及び第2ファントム体の位置決めを正確に行えることで、X線のビームの拡がり方向(つまり測定ライン)に対する両ファントム体の向きを正確に定めることが可能になる。これは、両ファントム体のサイズ低減に寄与する。
望ましくは、前記第1ファントム体は、前記複数の第1ファントムプレートの間にそれぞれ設けられ、生体成分測定装置から照射される放射線を減衰させる複数の第1放射線減衰層を有し、前記第2ファントム体は、前記複数の第2ファントムプレートの間にそれぞれ設けられ、生体成分測定装置から照射される放射線を減衰させる複数の第2放射線減衰層を有する。また、望ましくは、前記第1放射線減衰層及び前記第2放射線減衰層は、金属板により形成される。
第1ファントム体は、測定ライン(X線のビームの拡がり方向)に平行して各第1ファントムプレートが伸長するように配置される。つまり、X線発生器の走査に従って、厚さ(高さ)の異なる複数の第1ファントムプレートに順次測定ラインが通過するように配置される。このとき、測定ラインと第1ファントムプレートとの伸長方向が平行でない場合(第1ファントム体が傾斜配置された場合)、あるタイミングにおいて、測定ラインが厚さの異なる2つの第1ファントムプレートに跨ってしまう。このようにして得られた較正用測定値(不正較正用測定値)は、較正用関数の演算に用いることはできない。したがって、不正較正用測定値を検出する必要がある。
上記構成においては、不正較正用測定値を検出するために、複数の第1ファントムプレートの間に、それぞれ第1放射線減衰層が設けられる。測定ラインが2つの第1ファントムプレートに跨ったときに、当然に当該測定ラインは両第1ファントムプレート間にある第1放射線減衰層も通過するから、測定ラインに照射されるX線のうち第1放射線減衰層に照射された部分が大きく減衰する。当該減衰を検出することにより、不正較正用測定値が検出される。第1放射線減衰層としては例えばアルミニウムなどの金属板で形成されてもよい。なお、アルミニウムは、除脂肪100%及び脂肪100%を模した材料よりも約3倍程度X線の減衰量が大きい。
第2ファントム体についても上記同様に不正較正用測定値が検出される。また、両者が結合した結合ファントム体においても同様である。
前記金属板は、さらに、前記第1ファントム体の前面及び背面、並びに、前記第2ファントム体の前面及び背面に設けられ、前記複数の第1ファントムプレート及び前記複数の第2ファントムプレートを支持する支持機能を発揮する。
本発明によれば、被検体の体厚に応じて生じる測定誤差を較正するための較正関数を好適に得ると共に、各生体成分率における測定誤差を較正するための較正関数を好適に得ることができるファントムを提供することができる。
生体成分測定装置の外観斜視図である。 生体成分測定装置の機能ブロック図である。 脂肪ファントムの外観斜視図である。 脂肪ファントムの側面の拡大図である。 筋肉ファントムの外観斜視図である。 併置状態にある脂肪ファントム及び筋肉ファントムを示す図である。 連結治具の平面図である。 脂肪ファントム及び筋肉ファントムに対する較正用測定値を示すグラフである。 脂肪ファントムの上面図である。 X方向の変位と高エネルギ減衰量との関係を示すグラフである。 結合状態にある脂肪ファントム及び筋肉ファントムを示す図である。 結合ファントムの側面図である。 結合ファントムの断面図である。 測定脂肪率と理論脂肪率との関係を示すグラフである。
本発明に係るキャリブレーション用ファントムの説明の前に、当該キャリブレーション用ファントムが利用される生体成分測定装置について説明する。
図1に、生体成分測定装置10の外観斜視図が示されている。生体成分測定装置10は医療目的などにおいて利用されるものであり、被検体に対してX線を照射することにより、被検部位の骨塩量(骨密度)、あるいは体脂肪率を測定するものである。
生体成分測定装置10は、キャスターで自由に移動できる移動式であり、被検体が載置される撮影台(ブッキー台)(不図示)とともに用いられる。生体成分測定装置10は、側面視で略コ字状となっており、水平方向に伸びる基部12、基部12の上方において同じく水平方向に伸びるアーム部14、及び基部12の片側端部から上方に伸び、アーム部14を片持ち支持する壁部16を有している。骨塩量あるいは体脂肪率を測定する際には、撮影台に載置された被検体が基部12及びアーム部14の間に配置される。なお、図1において、生体成分測定装置10の左右方向をX軸とし、奥行き(前後)方向をY軸とし、高さ方向をZ軸としている。
基部12の上面には、X線が透過可能な材質の天板18が配置されている。天板18の下方空間において、X線を照射するX線発生器が奥行き方向(Y軸方向)に走査される。走査中のX線発生器から上方に向かってX線が照射される。X線発生器から照射され、被検体を通過したX線は、アーム部14に設けられ、X線発生器と同期して走査されるX線検出器により検出される。
壁部16の前面には、収容ボックス20が取り付けられている。収容ボックス20の内部には、主に骨密度測定のための較正用物質が収容されている。当該較正用物質は、所定の骨密度、あるいは所定の体厚を模したものである。当該較正用物質は、例えばポリ塩化ビニル(PVC;PolyVinyl Chloride)などで形成される。
図2には生体成分測定装置10の機能ブロック図が示されている。

X線発生器30は、生体成分測定装置10の左右方向(X軸方向)に広がるファンビーム状のX線を照射するものである。
X線検出器32は、X線発生器30から照射され、被検部位あるいはファントムを通過したX線を検出するものである。X線検出器32は、ファンビームの形状に対応した1次元アレイをなす検出素子列を含む。つまり、生体成分測定装置10の左右方向に並べられた検出素子列を含む。それに代えて二次元アレイ型の検出器が利用されてもよい。X線検出器32は、検出したX線により得られた検出データを制御部36を介して後述の測定者端末40へ送信する。
X線発生器30とX線検出器32は、ブラケット(不図示)などにより結合されており、生体成分測定装置10の中を一体となって奥行き方向に移動する。
走査部34は、X線発生器30及びX線検出器32を奥行き方向に走査させる。これにより、ファンビーム状のX線が奥行き方向に走査され、2次元の検出データが収集される。
制御部36は、例えばマイクロプロセッサなどから構成され、生体成分測定装置10に設けられる記憶部(不図示)に記憶されたプログラムに従って、生体成分測定装置10の各部を制御するものである。制御部36は、X線発生器30に対してX線の照射開始及び照射停止指示を送信することで、X線発生器30にX線を照射又は停止させる。また、制御部36は、走査部34に対して走査指示を送信することで、走査部34にX線発生器30及びX線検出器32を走査させる。
生体成分測定装置10においては、被検体に対するX線測定である実測定に先立って、ファントム(較正用物質)に対するX線測定である較正用測定が行われる。較正用測定により得られた較正用測定値(較正用測定データ)は測定者端末40に送信される。
測定者端末40は、医師や看護師などの測定者が利用する端末であって、例えばパーソナルコンピュータである。測定者端末40と生体成分測定装置10は有線あるいは無線にて通信可能に接続され、測定者の被ばくを防ぐために生体成分測定装置10とは別室に配置される。
測定者端末40は、生体成分測定装置10(制御部36)から送信される検出データに基づいて、X線画像の形成、骨塩量あるいは体脂肪率の演算を行う。また、測定者端末40は、較正用測定により得られた較正用測定値に基づいて、実測定により得られた実測定値を補正するための較正関数を演算する。
図2には図示されていないが、測定者端末40は、X線画像を形成する画像形成部、液晶パネルなどから構成される表示部、ハードディスク、ROM、あるいはRAMなどから構成され、生体成分測定装置10から送信される検出データ、あるいは測定者端末40の各部を動作させるためのプログラムなどが記憶される記憶部、CPUなどから構成され、当該記憶部に記憶されたプログラムに基づいて測定者端末40の各部を制御する制御部、及びマウスあるいはキーボードなどから構成され、測定者の指示を測定者端末40に入力するための入力部などを有している。
以下、本発明に係るキャリブレーション用ファントムについて説明する。図3には、本発明に係るキャリブレーション用ファントムの1つである脂肪ファントム50の斜視図が示されている。なお、図3において、脂肪ファントム50の左右方向をx軸とし、奥行き(前後)方向をy軸とし、高さ方向をz軸としている。
脂肪ファントム50は、脂肪100%を模擬した複数の脂肪素材52(52a、52b、52c、及び52d)を含んでいる。本実施形態では、脂肪ファントム50は4つの脂肪素材52を含んでいるが、脂肪素材52の数はこれに限られない。各脂肪素材52は一方向(左右方向)に伸長した板状となっている。各脂肪素材52の高さ(厚み)はそれぞれ異なっている。図3に示される通り、本実施形態においては脂肪素材52aの厚みが一番小さく、脂肪素材52b、脂肪素材52c、脂肪素材52dの順に厚みが大きくなっている。なお、最も厚みが大きい脂肪素材52dの厚みは、標準的な人間の体厚と同等の厚みとしておくのが好ましい。
各脂肪素材52は、起立状態において整列されている。本実施形態では、各脂肪素材52は厚み順において前後方向に整列されており、図3に示される通り、前方から、脂肪素材52a、脂肪素材52b、脂肪素材52c、脂肪素材52dの順に整列されている。したがって、脂肪ファントム50においては、各脂肪素材52の厚みが前方から後方に向けて徐々に高くなっており、階段状の形状を有している。
各脂肪素材52の間、及び最前方に位置する脂肪素材52aの前側、及び最後方に位置する脂肪素材52dの後側において、複数の金属板が設けられている。本実施形態においては金属板としてアルミプレート54が用いられている。各アルミプレート54は各脂肪素材52の前後方向を覆うように設けられ、各脂肪素材52は各アルミプレート54に接着されている。各アルミプレート54の左右端部は90度に折り曲げられており、折り曲げ部においてネジ穴が設けられている。
各脂肪素材52の左右側にはそれぞれ側板56が設けられている。側板56にはネジ58を貫通させる複数の孔が設けられており、当該複数の孔にそれぞれ挿入される複数のネジ58により各アルミプレート54が2枚の側板56に固定される。これにより、複数の脂肪素材52、複数のアルミプレート54、及び2枚の側板56が一体となり脂肪ファントム50が形成される。図3に示される通り、側板56は複数の脂肪素材52の形状に沿った形状となっている。つまり、側板56においても、その前側が階段状の形状となっている。
2枚の側板56には、脂肪ファントム50を運搬するときに利用される取っ手60がそれぞれ取り付けられている。さらに、2枚の側板56のうち少なくとも一方には、後述の位置決め治具の一部が挿入される結合穴62がそれぞれ設けられる。結合穴62の作用については後述する。
図4は、側板56の拡大図である。上述の通り側板56の前側は階段状となっており、当該階段状部分は、複数の水平面と複数の垂直面を有している。そして、複数の水平面の少なくとも1つにおいて、上方に突出する突起部64が形成されている。また、突起部64が形成されたことに伴って溝66が形成される。突起部64及び溝66の作用については後述する。
図5には、本発明に係るキャリブレーション用ファントムの1つである筋肉ファントム70の斜視図が示されている。筋肉ファントム70は、上述の脂肪ファントム50と同様の構造を有している。脂肪ファントム50との差異は、脂肪素材52に代えて、筋肉100%を模擬した複数の筋肉素材72(72a、72b、72c、及び72d)を含んでいる点である。その余の点は脂肪ファントム50と同様であるため、筋肉ファントム70の各構成要素の説明は省略する。
図6には、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70が、併置状態において生体成分測定装置10にセットされた様子が示されている。脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70は、第1の利用形態として、図6に示されるように前後に並べられた状態、つまり併置状態において利用される。図6においては、前側に筋肉ファントム70が、後側に脂肪ファントム50が配置されているが、両ファントムの位置関係は逆であってもよい。両ファントムは被検体が載置される撮影台80に載置される。
併置状態において、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70の両側面には、両ファントムの位置決めを行うための位置決め治具82が取り付けられる。図6を参照しつつ、図7を用いて位置決め治具82の作用について説明する。
図7には、位置決め治具82の平面図が示されている。位置決め治具82は、一方向(図6に示される通り、取り付け時において生体成分測定装置10の前後方向)に伸長する伸長部82a、伸長部82aに連なる部分であって、クランク状に屈曲した屈曲部82b、並びに、伸長部82aの側方から突出する2つの突出部82c及び82dを含んでいる。
併置状態において、脂肪ファントム50の側板56に設けられた結合穴62に突出部82cが嵌め合わされ、筋肉ファントム70の側板56に設けられた結合穴62に突出部82dが嵌め合わされる。さらに、位置決め治具82の屈曲部82bが、収容ボックス20の前面及び側面に丁度沿うように合わせられる。これにより、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70の生体成分測定装置10に対する位置及び姿勢が正確に定められる。本実施形態では、位置決め治具82は、両ファントムの一方側の側面においてのみ取り付けられているが、反対側の側面においても同様に位置決め治具82を取り付けるようにしてもよい。
図6に示されるような併置状態の脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70に対して較正用測定が実施される。上述の通り、X線発生器30はX軸方向に広がるファンビームを照射しながらY軸方向に走査される。したがって、併置状態の両ファントムに対して較正用測定が実行されると、筋肉ファントム70の筋肉素材72a〜72d、次いで、脂肪ファントム50の脂肪素材52a〜52dに順次X線が照射される。筋肉素材72a〜72dは互いに厚みが異なり、また脂肪素材52a〜52dも互いに厚みが異なるから、1度の較正用測定において、筋肉100%及び脂肪100%における複数の厚みにおける較正用測定値が得られることになる。このようにして得られた較正用測定値により、被検体の体厚に応じて生じる測定誤差を補正するための較正量又は較正関数(以下「体厚較正関数」と記載する)が求められる。以下、体厚較正関数に関して簡単に説明する。
本実施形態に係る生体成分測定装置10は、DEXA法により体脂肪率あるいは骨塩量を測定するものである。DEXA法においては、高エネルギのX線及び低エネルギのX線を被検体(あるいはファントム)に照射して、両X線の減衰量の比に基づいて体脂肪率あるいは骨塩量を測定するものである。
図8に、併置状態の脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70に対する較正用測定により得られた較正用測定値を表すグラフが示されている。図8のグラフの横軸は高エネルギX線の減衰量(これは体厚を表すものでもある)を表し、縦軸はα値、すなわち、高エネルギX線の減衰量と低エネルギX線の減衰量の比である。つまり、
α=R/R ・・・(式1)
である。式1において、Rは低エネルギX線の減衰量を示し、Rは高エネルギX線の減衰量を示す。なお、X線の減衰量は、
ln(空気透過検出値/被検体(ファントム)透過検出値) ・・・(式2)
で算出される。
脂肪ファントム50はそれぞれ異なる厚みを有する複数の脂肪素材52を有しているから、1度の較正用測定において複数の厚み(体厚)における複数の較正用測定値が得られる。そして、複数の較正用測定値から複数のα値が算出される。図8にプロットされた四角マーカ90a〜90dが脂肪100%の各体厚におけるα値を示すものである。具体的には、四角マーカ90aは脂肪素材52aに対する測定値であり、四角マーカ90bは脂肪素材52bに対する測定値であり、四角マーカ90cは脂肪素材52cに対する測定値であり、四角マーカ90dは脂肪素材52dに対する測定値である。そして、これらの四角マーカ90a〜90dに対する近似曲線92が生成される。近似曲線92は体厚較正関数の1つをなす関数となる。
同様に、筋肉ファントム70に対する較正用測定によって、複数の較正測定値が得られ、それらに基づいて複数のα値が算出される。図8にプロットされた三角マーカ94a〜94dが筋肉100%の各体厚におけるα値を示すものである。具体的には、三角マーカ94aは筋肉素材72aに対する測定値であり、三角マーカ94bは筋肉素材72bに対する測定値であり、三角マーカ94cは筋肉素材72cに対する測定値であり、三角マーカ94dは筋肉素材72dに対する測定値である。そして、これらの三角マーカ94a〜94dの近似曲線96が生成される。近似曲線96は体厚較正関数の1つをなす関数となる。
体厚較正関数が演算された後、被検体に対して実測定が行われる。実測定により得られた実測定値において、高エネルギ減衰量がRH1であり、実測定値から算出されたα値がα実測値であるとする。図8において実測定値が丸マーカ98でプロットされている。実測定値の高エネルギ減衰量RH1が特定されると、体厚較正関数である近似曲線92に基づいて、高エネルギ減衰量=RH1のときのα値が演算される。このように演算されたα値をα100%脂肪と記載する。同様に、体厚較正関数である近似曲線96に基づいて、高エネルギ減衰量=RH1のときのα値が演算される。このように演算されたα値をα100%筋肉と記載する。以上のように演算された各値を用いて、被検体の体脂肪率(%Fat)が算出される。具体的には、以下の式3により算出される。
%Fat=(α100%脂肪−α実測値)/(α100%脂肪−α100%筋肉) ・・・(式3)
以上のように、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70から得られる複数の較正用測定値に基づいて体厚較正関数が求められ、当該体厚較正関数に基づいて被検体の体脂肪率が算出される。したがって、被検体の体厚に応じて生じる測定誤差が吸収され、より正確な体脂肪率が算出される。
上述の通り、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70は、位置決め治具82によってその位置及び姿勢が定められる。つまり、脂肪素材52及び筋肉素材72の伸長方向とファンビームの拡がり方向とが平行となるように位置決めされる。しかし、厳密には、脂肪素材52及び筋肉素材72は、ファンビームの拡がり方向とは完全に平行にならず、多少傾きが生じてしまう。つまり、正常な向きから水平面において多少回転してしまう。
図9には、傾斜状態の脂肪ファントム50の平面図が示されている。図9には測定ライン100a及び100b、つまりファンビームの拡がり方向が示されている。図9に示される通り、傾斜状態においては、測定ラインと各脂肪素材52a〜dの伸長方向が平行でない。したがって、例えば測定ラインが100aに示される位置にあるときは問題ないが、測定ラインが100bに示される位置にあるときには、測定ラインが2つの脂肪素材52b及び52cに跨がった状態となってしまう。上述の通り、脂肪素材52bと脂肪素材52cとではその厚みが異なるから、測定ラインが100bの位置にあるときには正しい較正用測定値が得られない。したがって、100bのようなラインにおいて測定された較正用測定値(以下「不正較正用測定値」と記載する)を検出してこれを除外する必要がある。
上述の通り、脂肪ファントム50は、各脂肪素材52の間に設けられたアルミプレート54を含んでいる。アルミプレート54は、脂肪素材52に比して約3倍程度X線の減衰率が大きい。つまり、各脂肪素材52の間には、X線を減衰させるX線減衰層が設けられている。X線減衰層が各脂肪素材52の間に設けられていることで、不正較正用測定値が検出可能となる。
測定ライン100aにおけるX方向における位置と高エネルギ減衰量との関係を示すグラフが図10(a)に示されている。図10に示されるグラフにおいて、横軸はX線検出器32の検出素子番号(ch)を表す。つまり、横軸はX軸方向の位置を表している。縦軸はX線の高エネルギ減衰量を表す。測定ライン100aは、X方向の位置に関わらず1つの脂肪素材(脂肪素材52b)を透過しているから、X方向の位置に応じた高エネルギ減衰量の変動は比較的少ない。したがって、測定ライン100aにおける高エネルギ減衰量の最大値RMAX1と高エネルギ減衰量の最小値Rmin1の差であるRsub1=RMAX1−Rmin1は、比較的小さい値となる。
一方、測定ライン100bにおけるX方向の変位と高エネルギ減衰量との関係を示すグラフが図10(b)に示されている。測定ライン100bは、2つの脂肪素材(脂肪素材52b及び52c)に跨っているから、両脂肪素材の間にあるアルミプレート54も透過することになる。したがって、図10(b)に示すグラフに示される通り、測定ライン100bがアルミプレート54を透過した位置において、高エネルギ減衰量が突出して大きくなる。したがって、測定ライン100bにおける高エネルギ減衰量の最大値RMAX2と高エネルギ減衰量の最小値Rmin2の差であるRsub2=RMAX2−Rmin2は、比較的大きい値となる。
ここで、所定の閾値を設け、測定ラインにおける高エネルギ減衰量の最大値と最小値の差が当該閾値よりも大きいか否かを判定することで不正較正用測定値を検出することができる。当該閾値としては、Rsub1以上であってRsub2以下の値が設定される。
なお、上記においては脂肪ファントム50において説明したが、筋肉ファントム70においてもアルミプレート54が設けられているため、筋肉ファントム70においても上記同様に不正較正用測定値を検出可能である。また、複数の脂肪素材52の間、及び複数の筋肉素材72の間に設けられるX線減衰層としてはアルミプレート54に限られない。X線減衰層は、脂肪素材52あるいは筋肉素材72のX線減衰率に対して有意な差があるX線減衰率を有する物質で形成されればよい。
図11には、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70が、結合状態において生体成分測定装置10にセットされた様子が示されている。第2の利用形態として、両ファントムは、正立状態の脂肪ファントム50と、倒立状態の筋肉ファントム70が垂直方向において組み合わされた結合状態において利用される。なお、脂肪ファントム50と筋肉ファントム70の位置関係は逆であってもよい。
上述の通り、脂肪ファントム50においては、高さの異なる複数の脂肪素材52が厚み順に整列されており、また側板56も複数の脂肪素材52に応じた形状となっている。それにより、脂肪ファントム50において階段状部分が形成されている。筋肉ファントム70においても同様である。両ファントムは、脂肪ファントム50の階段状部分と筋肉ファントム70の階段状部分とが組み合わされるように結合される。結合状態における脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70(結合ファントム)は略直方体の形状となる。脂肪ファントム50が有する脂肪素材52のうち最も厚みの大きい脂肪素材52d、及び筋肉ファントム70が有する筋肉素材72のうち最も厚みの大きい筋肉素材72dは、標準的な人間の体厚と同等の厚みとなっている。したがって結合ファントムの高さは標準的な人間の体厚と同等となっている。なお、結合状態においては、正立状態における各脂肪素材52の上面と倒立状態における各筋肉素材72の下面とは完全に接触しておらず、わずかな隙間が設けられている。これにより脂肪素材52表面及び筋肉素材72表面の摩耗を防止している。
結合状態においても、結合ファントムの側方に位置決め治具82が設けられる。具体的には、正立状態の脂肪ファントム50の側板56に設けられた結合穴62(図5参照)に突出部82c(図7参照)が嵌め合わされる。もう一方の突出部である82dは、その側面が倒立状態の筋肉ファントム70の側板56の前面に接触している。これにより、倒立状態の筋肉ファントム70が前方に倒れ込むのを防止している。つまり結合ファントムの結合状態が維持される。
さらに、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70の側板56に設けられた突起部64及び溝66により、結合ファントムの結合状態がより確実に維持される。図12には、結合ファントムの側面図が示されている。図12に示される通り、結合状態において、脂肪ファントム50の突起部64が筋肉ファントムの溝66に嵌め合わされると共に、筋肉ファントム70の突起部64が脂肪ファントムの溝66に嵌め合わされる。これにより、倒立状態である筋肉ファントム70の倒れ込みがより確実に防止され、つまり結合ファントムの結合状態がより確実に維持される。
なお、併置状態と同様に、位置決め治具82の屈曲部82b(図11参照)が、収容ボックス20の前面及び側面に丁度沿うように合わせられることで、結合ファントムの位置決めが正確に行われる。
図11に示されるような結合ファントムに対して較正用測定が実施される。結合ファントムに対する較正用測定によれば、1度の測定によって複数の体脂肪率における較正用測定値が得られる。このことについて以下、図13を用いて説明する。
図13には、結合ファントムのYZ断面図が示されている。本実施形態においては、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70の階段状部分の各段の蹴り上がりは等しくなっている。したがって、結合ファントムにおいては、領域D1においては体脂肪率0%(筋肉100%)のファントムを形成し、領域D2においては体脂肪率25%のファントムを形成し、領域D3においては体脂肪率50%のファントムを形成し、領域D4においては体脂肪率75%のファントムを形成し、領域D5においては体脂肪率100%のファントムを形成する。もちろん、各脂肪素材52a〜52d及び各筋肉素材72a〜72dの厚み、あるいはその数を適宜調整して、その他の体脂肪率のファントムを形成するようにしてもよい。
上述の通り、X線発生器30はX軸方向に広がるファンビームを照射しながらY軸方向に走査される。つまり、ファンビームは図13に示される各領域D1〜D5を順次透過することになる。したがって、結合ファントムに対する1度の較正用測定において、体脂肪率0%、25%、50%、75%、及び100%における較正用測定値が得られることになる。
ここで、結合ファントムは位置決め治具82により生体成分測定装置10に対して位置決めされているから、脂肪ファントム50と筋肉ファントム70の位置関係を予め定めておけば、生体成分測定装置10は、どの位置にどの体脂肪率のファントムが配置されているのかを予め把握することができる。これにより、より好適に各体脂肪率における較正用測定値が測定可能になる。例えば、生体成分測定装置10は、各領域D1〜D5の中心位置において測定された較正用測定値を採用することができる。なお、結合ファントムにおいても、各脂肪素材52及び各筋肉素材72の間にはX線減衰層としてのアルミプレート54が設けられているから、測定ラインが複数の領域(例えばD1とD2)を跨いだときに得られた不正較正用測定値を検出することが可能である。
このようにして得られた較正用測定値により、各体脂肪率において生じる測定誤差を補正するための較正量又は較正関数(以下「成分率較正関数」と記載する)が求められる。以下、成分率較正関数に関して簡単に説明する。
図14に、結合ファントムに対する較正用測定により得られた較正用測定値を表すグラフが示されている。図14のグラフの横軸は測定脂肪率を表し、縦軸は理論脂肪率を表す。本実施形態では、結合ファントムに対する較正用測定により体脂肪率0%、25%、50%、75%、及び100%における較正用測定値が得られる。したがって、図14のグラフにおいて、体脂肪率0%の較正用測定値110aが理論脂肪率=0[%]のライン上にプロットされ、体脂肪率25%の較正用測定値110bが理論脂肪率=25[%]のライン上にプロットされ、体脂肪率50%の較正用測定値110cが理論脂肪率=50[%]のライン上にプロットされ、体脂肪率75%の較正用測定値110dが理論脂肪率=75[%]のライン上にプロットされ、体脂肪率100%の較正用測定値110eが理論脂肪率=100[%]のライン上にプロットされる。
較正を要さない理想の装置であれば、較正用測定値110a〜110eは、図14に一点鎖線で示したY=X(理論脂肪率をYとし測定脂肪率をXとする)の関数112上にプロットされる。しかし、生体成分測定装置10は、種々の影響により測定誤差を生じるために較正用測定値110a〜110eは関数112上から外れた位置にプロットされる。
プロットされた較正用測定値110a〜110eに対する近似直線114が生成される。近似直線114はY=aX+bの形で生成され、較正用測定値110a〜110eの値から定数a及びbが求められる。近似直線114が成分率較正関数となる。
成分率較正関数が演算された後、被検体に対して実測定が行われる。実測定により得られた実測定値がx[%]であるとすると、近似直線114であるY=aX+bのXに実測定値xが代入される。そのようにして得られた理論脂肪率(つまりax+b)が較正後の脂肪率となる。
以上の通り説明した脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70によれば、両者を併置状態で較正用測定を行うことにより、複数の体厚における較正用測定値を容易に得ることができる。また、両者を結合状態において較正用測定を行うことで、複数の脂肪率における較正用測定値を容易に得ることができる。結合状態への遷移は、一方を倒立状態にして正立状態の他方に重ねるだけでよいから、非常に簡単に行うことができる。
また、脂肪ファントム50及び筋肉ファントム70を容易に結合状態とすることができるから、コンパクトな状態において両ファントムの運搬や保管を行うことができる。これにより運搬や保管のために要する床面積を低減することができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 生体成分測定装置、12 基部、14 アーム部、16 壁部、18 天板、20 収容ボックス、30 X線発生器、32 X線検出器、34 走査部、36 制御部、40 測定者端末、50 脂肪ファントム、52,52a,52b,52c,52d 脂肪素材、54 アルミプレート、56 側板、58 ネジ、60 取っ手、62 結合穴、64 突起部、66 溝、70 筋肉ファントム、72,72a,72b,72c,72d 筋肉素材、80 撮影台、82 位置決め治具、82a 伸長部、82b 屈曲部、82c,82d 突出部、90a,90b,90c,90d 四角マーカ、92,96 近似曲線、94a,94b,94c,94d 三角マーカ、98 丸マーカ、100a,100b 測定ライン、110a,110b,110c,110d,110e 較正用測定値、112 関数、114 近似直線。

Claims (6)

  1. 第1生体組織を模した第1ファントム材料で形成され、互いに高さが異なり、且つ、起立状態で整列された複数の第1ファントムプレートから構成される第1ファントム体と、
    第2生体組織を模した第2ファントム材料で形成され、互いに高さが異なり、且つ、起立状態で整列された複数の第2ファントムプレートから構成される第2ファントム体と、
    を備え、
    前記第1ファントム体及び前記第2ファントム体が正立して並列配置された併置状態、及び、正立した前記第1ファントム体と倒立した前記第2ファントム体とが生体成分測定装置からの放射線の照射方向において重畳するよう結合された結合状態を取り得る、
    ことを特徴とするキャリブレーション用ファントム。
  2. 前記併置状態及び前記結合状態を維持する連結部材、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のキャリブレーション用ファントム。
  3. 前記連結部材は、生体成分測定装置に対する、前記第1ファントム体及び前記第2ファントム体の位置決めを行う位置決め機能を発揮する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のキャリブレーション用ファントム。
  4. 前記第1ファントム体は、前記複数の第1ファントムプレートの間にそれぞれ設けられ、生体成分測定装置から照射される放射線を減衰させる複数の第1放射線減衰層を有し、
    前記第2ファントム体は、前記複数の第2ファントムプレートの間にそれぞれ設けられ、生体成分測定装置から照射される放射線を減衰させる複数の第2放射線減衰層を有する、
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のキャリブレーション用ファントム。
  5. 前記第1放射線減衰層及び前記第2放射線減衰層は、金属板により形成される、
    ことを特徴とする、請求項4に記載のキャリブレーション用ファントム。
  6. 前記金属板は、さらに、前記第1ファントム体の前面及び背面、並びに、前記第2ファントム体の前面及び背面に設けられ、前記複数の第1ファントムプレート及び前記複数の第2ファントムプレートを支持する支持機能を発揮する、
    ことを特徴とする、請求項5に記載のキャリブレーション用ファントム。
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