JP2015075336A - 再構成画像生成装置、形状測定装置、構造物製造システム、再構成画像生成方法及び再構成画像生成プログラム - Google Patents

再構成画像生成装置、形状測定装置、構造物製造システム、再構成画像生成方法及び再構成画像生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高い精度で画像を再構成することができる再構成画像生成装置、形状測定装置、構造物製造システム、再構成画像生成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】再構成画像生成装置は、X線源2から照射され、被測定物Sを透過し画素面に入射した放射線の量を検出する放射線検出画素26と、被測定物Sに固定された座標系に対しX線源2と放射線検出画素26を相対的に移動させる移動部と、XYZ移動部16がX線源2と放射線検出画素26を相対的に移動させる検出期間に、画素面に入射した放射線の積算量に対応する検出信号を放射線検出画素26から取得し、複数の検出期間に対応する複数の検出信号に基づいて再構成画像を生成する演算部と、を有し、演算部は、検出期間に画素面に向かう放射線が通過する各々の対象領域と、複数の検出期間に対応する複数の検出信号との関係に基づいて再構成画像を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、再構成画像生成装置、形状測定装置、構造物製造システム、再構成画像生成方法及び再構成画像生成プログラムに関する。
物体の内部の情報を非破壊で取得する装置として、特許文献1に記載されているような、被測定物に放射線を照射して、その被測定物を通過した透過放射線を検出することにより再構成画像を生成する再構成画像生成装置が知られている。
米国特許出願公開第2009/0268869号明細書
しかしながら、放射線を被測定物に照射する線源部及び透過放射線を検出する検出器を、被測定物に対して相対的に回転させながら撮影を行うと、検出器で取得した像がぼけてしまい、正確な再構成画像が得られないという問題がある。
本発明の態様は、高い精度で画像を再構成することができる再構成画像生成装置、形状測定装置、構造物製造システム、再構成画像生成方法及び再構成画像生成プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第2の態様に従えば、線源部から照射され、前記被測定物を透過し画素面に入射した前記放射線の量を検出する放射線検出画素と、前記被測定物に固定された座標系に対し前記線源部と前記検出器を相対的に移動させる移動部と、前記移動部が前記線源部と前記検出器を相対的に移動させる検出期間に、前記画素面に入射した前記放射線の積算量に対応する検出信号を前記放射線検出画素から取得し、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号に基づいて再構成画像を生成する演算部と、を有し、前記演算部は、前記検出期間に前記画素面に向かう前記放射線が通過する各々の対象領域と、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号との関係に基づいて前記再構成画像を生成する再構成画像生成装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、X線が照射されている被測定物を撮像する上記のいずれかに記載の再構成画像生成装置と、前記再構成画像生成装置で生成した再構成画像に基づいて、前記被検物の形状に関する情報を取得する形状情報取得部と、を備える形状測定装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、構造物の形状に関する設計情報に基づいて前記構造物を成形する成形装置と、前記成形装置によって成形された前記構造物の形状を測定する請求項27に記載の形状測定装置と、前記形状測定装置によって測定された前記構造物の形状を示す形状情報と前記設計情報とを比較する制御装置と、を備える構造物製造システムが提供される。
本発明の第5の態様に従えば、線源部から被測定物に放射線を照射し、放射線検出画素で前記被測定物を透過し画素面に入射した前記放射線の量を検出する再構成画像生成方法であって、前記被測定物に固定された座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させ、線源部から照射され、前記被測定物を透過し前記画素面に入射した前記放射線の量を検出し、前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させる検出期間に、前記画素面に入射した前記放射線の積算量に対応する検出信号を取得し、前記検出期間に前記画素面に向かう前記放射線が通過する各々の対象領域と、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号との関係に基づいて、再構成画像を生成する再構成画像生成装置が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、線源部から被測定物に放射線を照射し、放射線検出画素で前記被測定物を透過し画素面に入射した前記放射線の量を検出する再構成画像生成装置を用いて、前記被測定物に固定された座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させ、線源部から照射され、前記被測定物を透過し前記画素面に入射した前記放射線の量を検出し、前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させる検出期間に、前記画素面に入射した前記放射線の積算量に対応する検出信号を取得し、前記検出期間に前記画素面に向かう前記放射線が通過する各々の対象領域と、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号との関係に基づいて、再構成画像を生成する処理を実行させる再構成画像生成プログラムが提供される。
本発明の態様によれば、高い精度で画像を再構成することができる再構成画像生成装置、形状測定装置、構造物製造システム、再構成画像生成方法及び再構成画像生成プログラムを提供することができる。
図1は、実施形態に係る再構成画像生成装置を有する形状測定装置の一例を示す図である。 図2は、実施形態に係る形状測定装置が有する制御装置の一例を示すブロック図である。 図3は、形状測定装置による処理の流れを示したフローチャートである。 図4は、演算領域の概略構成を示す模式図である。 図5は、形状測定装置による処理を説明するための説明図である。 図6は、形状測定装置による処理を説明するための説明図である。 図7Aは、形状測定装置による処理を説明するための説明図である。 図7Bは、形状測定装置による処理を説明するための説明図である。 図8は、形状測定装置による処理の流れを示したフローチャートである。 図9は、実施形態に係る検出装置を備えた構造物製造システムの一例を示す図である。 図10は、構造物製造システムによる処理の流れを示したフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下に記載する実施形態により本発明が限定されるものではない。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をZ軸方向、水平面内においてZ軸方向と直交する方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をY軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
図1は、実施形態に係る再構成画像生成装置を有する形状測定装置1の一例を示す図である。図2は、実施形態に係る形状測定装置が有する制御装置の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る再構成画像生成装置を有する形状測定装置1は、被検物体としての被測定物SにX線を照射して、その被測定物Sを透過した透過X線を検出する。尚、図1において、実線XLは検出器4で検出されるX線の端を示している。X線は、例えば波長1pmから30nm程度の電磁波である。X線は、約50eVの超軟X線、約0.1keVから2keVの軟X線、約2keVから20keVのX線及び約20keVから100keVの硬X線の少なくとも一つを含む。本実施形態の形状計測装置1の構成うち、再構成画像を生成する機能を含む構成が再構成画像生成装置となる。具体的には、形状計測装置1は、再構成画像生成装置と、再構成画像に基づいて被測定物の3次元形状の各種データを算出する構成、後述する3次元データ生成部と、を含む。
本実施形態において、形状計測装置1は、被測定物SにX線を照射し、被測定物Sを透過した透過X線を検出して、被測定物Sの内部の情報(例えば、内部構造)を非破壊で取得するX線CT検査装置を含む。本実施形態において、被測定物Sは、例えば機械部品又は電子部品等の産業用部品を含む。X線CT検査装置は、産業用部品にX線を照射して、その産業用部品を検査する産業用X線CT検査装置を含む。
図1において、形状計測装置1は、X線を射出するX線源2と、被測定物Sを支持し、被測定物Sの位置を移動させるステージとしての相対移動部3と、X線源2から射出され、相対移動部3に支持された被測定物Sを通過した透過X線の少なくとも一部を検出する検出器4と、形状計測装置1の動作を制御する制御装置5と、を含む。
X線源2は、被測定物SにX線を照射する。X線源2は、焦点位置(フォーカルスポット)2Eを有する。本実施形態における形状測定装置1では、X線源2は、点X線源を形成し、図1に示すように焦点位置2Eを起点に円錐状に拡がった形状のX線(いわゆる、コーンビーム)を被測定物Sに照射する。図1では、コーンビームを形成し検出器4で検出されるX線の端を実線XLで示している。なお、X線源2は、射出するX線の強度を調整できるものであってもよい。X線源2から射出されるX線の強度を調整する場合、被測定物SのX線吸収係数等に基づいてX線の強度が調整されてもよい。
また、X線源2から射出されるX線の拡がる形状は円錐状に限られず、例えば、扇状のX線(いわゆる、ファンビーム)でもよい。また、焦点位置2Eから射出されるX線の広がりをコリメータ等で抑え、被測定物に点状のX線を照射する、いわゆるペンシルビームであってもよい。
また、射出部2Eは、+Z方向を向いている。+Z方向は、X線源2から検出器4に向かう方向である。本実施形態において、射出部2Eから射出されたX線の少なくとも一部は+Z方向に進行する。
本実施形態における相対移動部3は、X線源2よりも+Z方向にあり、検出器4よりも−Z方向に配置されている。相対移動部3は、被測定物Sを支持し、X線源2及び検出器4に対して被測定物Sを相対的に移動させる。本実施形態における相対移動部3は、回転テーブル12と、回転部14と、XYZ移動部16と、を有する。回転テーブル12は、被測定物Sを支持するテーブルである。回転部14は、図示しない回転駆動部を有し、回転テーブル12を図1の一点鎖線で示した回転軸AXの周り、すなわち、θY方向に回転させる。XYZ移動部16は、図示しないX軸方向駆動部、Y軸方向駆動部、Z軸方向駆動部を有し、それぞれが回転部14をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる。相対移動部3は少なくとも回転テーブル12を、θX方向及びθZ方向の少なくとも一方向に傾斜するように移動する機構をさらに有していてもよい。
検出器4は、X線源2及び相対移動部3よりも+Z側に配置される。検出器4は、X線源2の射出部2Eと対向する。本実施形態に係る形状測定装置1では、X線源2及び検出器4の位置は、所定の位置で固定される。相対移動部3は、X線源2と検出器4との間を移動することができる。検出器4は、被測定物Sを透過した透過X線を含むX線源2からのX線が入射する画素面4DPを有するシンチレータ部22と、シンチレータ部22において発生した光を受光する受光部24とを有し、画素面4DPに到達した放射線を検出する。検出器4の画素面4DPは、相対移動部3に支持された被測定物Sと対向する。本実施形態では、X線源2から照射されたX線及びX線源2から照射され、被測定物Sを透過した透過X線の少なくとも一方が、画素面4DPに入射する。
シンチレータ部22は、X線が照射されることによって、そのX線とは異なる波長の光を発生させるシンチレーション物質を含む。受光部24は、光電子増倍管を含む。光電子倍増管は、光電効果により光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電管を含む。受光部24は、シンチレータ部22において発生した光を増幅し、電気信号に変換して出力する。本実施形態では、検出器4は、シンチレータ部22、及び、シンチレータ部22に接続された受光部24のユニットから成る放射線検出画素26がXY平面内においてアレイ状に複数配置されて成る。放射線検出画素26は、X方向に一列に配置されても良く、さらに、Y方向に複数列設けられても良い。これにより、被測定物の複数の断面を通過したX線を同時に検出することができる。また、X線源2と検出器4を構成する各放射線検出画素26との距離が一定になるように、一列、もしくは、さらにY方向に複数列配置された検出器4が湾曲して配置されても良い。検出器4は、入射するX線を、光に変換することなく直接電気信号に変換してもよい。
また、本実施形態においては、線源部2と検出器4が固定されている図1に図示されたXYZ座標系に対し、被測定物Sを移動させている。これにより、被測定物Sに様々な方向からX線を照射することができる。そのため、前述の方法に限られず、被測定物Sを固定し、X線源2及び検出器4を移動できるようにしても良い。すなわち、回転部14は、線源部2と検出器4、又は、被測定物Sのうち、少なくとも一方を移動させることにより、被測定物Sに固定した座標系に対し相対的に線源部2と検出器4を回転させることできる構成を有していればよい。
ここで、被測定物Sに固定した座標系とは、被測定物Sに対して任意の一点を基準に仮想的に設定された直交座標系である。図1に図示されたXYZ直交座標系上の位置や向きによらず、被測定物Sに固定した座標系における一点は、常に同一の位置を示す。以下では、XYZ座標系と、被測定物Sに固定した座標系とを区別して説明する。
形状計測装置1の動作は、制御装置5によって制御される。制御装置5は、例えば、X線源2の動作を制御したり、検出器4が被測定物Sを透過した透過X線を検出した結果から被測定物Sの再構成画像や形状を算出したり、相対移動部3の移動を制御したりする。制御装置5は、例えば、コンピュータである。
ここで、形状測定装置1は、相対移動部3の回転テーブル12の回転角度(θY方向における位置)を計測するためのロータリーエンコーダ20を備えている。ロータリーエンコーダ20は、例えば、回転テーブル12に設けられたスケール部材と、スケール部材の目盛を検出するエンコーダヘッドと、を含む。このような構造により、ロータリーエンコーダ20は、XYZ座標系における回転テーブル12の回転角度を、エンコーダヘッドが検出したスケール部材の目盛から計測する。図1に示す制御装置5は、例えば、ロータリーエンコーダ20が計測した回転テーブル12の回転角度に基づき、回転部14を制御することができる。
以下、図2を用いて制御装置5の構成を説明する。制御装置5は、演算部30と、3次元データ生成部32と、記憶部34と、入力部36と、出力部38と、通信部40と、を有する。
ここで、制御装置5が有する各部分は、それぞれ機能ブロックとして作用するように構成されても良い。また、中央演算処理装置(CPU)が必要なプログラムを読みだして制御装置5が有する各部分の機能を実行するように構成しても良い。
演算部30は、形状計測装置1の各部の動作を制御し、再構成画像を生成する。演算部30は、単位領域設定部42と、対象領域特定部44と、単位領域選択部46と、重み付け係数設定部48と、回転検出部50と、画像演算部52と、演算制御部54と、機構制御部56と、を有する。以下では、演算部30の各部の機能について説明し、処理の流れについは、後述する。
演算部30は、演算領域70内の後述の変数の値を算出する。ここで、演算領域70は、被測定物Sに固定された座標系における領域であって、形状測定時に演算の対象となる領域である。また、演算領域70は、被測定物Sに対し様々な方向から照射されたX線が通過した領域である。画像演算部52は、演算領域70に設定された単位領域72のそれぞれに後述の変数の値を算出し、再構成を行う。演算領域70は、例えば、線源部2と検出器4の軌跡によって定めることができる。また、被測定物Sの外形に基づいて設定しても良く、形状測定装置1に固有の領域として予め設定されていても良い。
また、演算領域70は、被測定物Sの大きさに合わせて被測定物Sを含むように設定されても良く、被測定物Sの一部に設定されても良い。これらの場合、演算領域70は、測定開始前に測定者が被測定物の大きさや測定対象とする領域を入力するか、あるいは、回転ステージ12に固定された被測定物Sの大きさを測定する機構を有すること等により、設定される。
本実施形態における単位領域設定部42は、演算領域70をそれぞれ同じ大きさの複数の単位領域72で分割する。したがって、演算領域70は、再構成を行う計算範囲を示しており、演算領域70の他に再構成に寄与しない単位領域72を設定することを妨げない。
また、被測定物Sの一断面の再構成画像を生成し、断面の厚みを考慮しない場合、演算領域70は断面を含む平面内に設定され、単位領域72は演算領域70を複数に分割する2次元の領域として設定されても良い。以下では、単位領域72が3次元の領域、すなわちボクセルであるとして説明する。
本実施形態における対象領域特定部44は、演算領域70の中から、検出開始から終了までの検出期間に検出器4内の着目した放射線検出画素26に到達したX線による、被測定物Sの通過領域を対象領域74として特定する。検出期間は、検出器4を構成する放射線検出画素26がX線を受光する期間であり、検出開始時にX線の量の検出を開始し、終了においてX線の量の検出を終了する。すなわち、対象領域74は、検出期間の開始終了までに検出器4内の着目した放射線検出画素26に入射したX線が通過したとみなされる領域である。対象領域74については後に図5から図7A、図7Bを用いて説明する。
検出期間中は回転ステージ12が回転をしているため、演算領域70内でX線が通過したとみなされる対象領域74は、面積を持つ領域となる。本実施形態において、対象領域特定部44は、回転検出部50の検出信号に基づいて対象領域74を特定する。具体的には、検出期間の開始タイミングで検出された回転ステージ12の回転角度と終了タイミングで検出された回転角度とに基づいて、対象領域74を特定する。一の放射線検出画素26に検出期間に入射するX線の強度値と、そのX線が通過した領域を特定し、これらに基づいて再構成を行うことにより、回転ステージ12の回転によるぼけを低減した再構成画像を生成することができる。
また、本実施形態に係る形状測定装置1において、X線源2から照射されるX線は、円錐状に拡がるコーンビームである。各放射線検出画素26に対して、対象領域74が設定される。
また、対象領域特定部44は、回転検出部50の代わりに、X線源2と演算領域70の被測定物Sに対する相対位置を特定できる種々の情報に基づいて対象領域74を設定することができる。例えば、被測定物SがXYZ座標系に固定され、X線源2と検出器4が被測定物Sに対して移動する場合を想定する。この場合、対象領域特定部44は、位置検出部を用いて、被測定物Sに固定した座標系における、線源部2及び検出部4の少なくとも一方の座標位置を検出し、その位置に基づいて対象領域74を特定することができる。また、X線源2と検出器4の移動機構を制御する制御信号に基づいて対象領域74を特定しても良い。
また、対象領域特定部44は、X線源2と検出器4の位置情報や制御信号に基づいて対象領域74を特定することに替えて、計測タイミング(つまり時間であり、検出期間の検出開始タイミングや終了タイミング)と、移動機構の移動速度等に基づいて対象領域74を特定してもよい。
また、本実施形態のようにX線源2及び検出器4が固定され、被測定物Sが回転テーブル12によって回転される場合、位置検出部を用いて回転テーブル12の所定位置の座標位置を検出しても良い。すなわち、本実施形態においてX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の回転テーブル12上の所定の位置を検出する検出センサを設け、検出センサで検出した結果に基づいて、対象領域74を特定してもよい。また、対象領域特定部44は、XYZ移動部16、及び回転部14の制御信号に基づいて対象領域74を特定しても良い。
また、対象領域特定部44は、検出した回転角度や位置情報や制御信号に基づいて対象領域74を特定することに代えて、計測タイミング(つまり時間であり、検出期間の検出開始タイミングや終了タイミング)と、回転テーブル12の回転速度に基づいて対象領域74を特定してもよい。
また、検出期間にX線源2と検出器4が被測定物Sに対し回転移動している場合に限られず、例えば平行移動している場合も含む。被測定物SがX線源2と検出器4に対して相対的に平行移動と回転を繰り返すことによって投影画像データを取得する方法に、例えば、特許第4405836号明細書に記載された方法がある。検出期間に演算領域70内をX線が通過したとみなされる対象領域74は、図7A、図7Bを用いて後に説明する通り、面積を持つ領域となる。このような場合、対象領域特定部44は、X線源2と演算領域70の被測定物Sに対する相対位置を特定できる種々の情報に基づいて対象領域74を設定することができる。例えば、被測定物SがXYZ座標系に固定され、X線源2と検出器4が被測定物Sに対して像体的に移動する場合を想定する。この場合、対象領域特定部44は、位置検出部を用いて、被測定物Sに固定した座標系における、線源部2及び検出部4の少なくとも一方の座標位置を検出し、その位置に基づいて対象領域74を特定することができる。また、X線源2と検出器4の移動機構を制御する制御信号に基づいて対象領域74を特定しても良い。また、対象領域特定部44は、X線源2と検出器4の位置情報や制御信号に基づいて対象領域74を特定することに替えて、計測タイミング(つまり時間であり、検出期間の検出開始タイミングや終了タイミング)と、移動機構の移動速度等に基づいて対象領域74を特定してもよい。また、対象領域特定部44は、位置情報や制御信号に基づいて対象領域74を特定することに代えて、計測タイミング(つまり時間であり、検出期間の検出開始タイミングや終了タイミング)と、相対移動部3の移動速度に基づいて対象領域74を特定してもよい。
本実施形態における単位領域選択部46は、複数の単位領域72のうち、対象領域特定部44において特定された対象領域74に一部でも含まれる単位領域72を、対象領域74に該当する単位領域72として選択する。すなわち、本実施形態における単位領域選択部46は、検出器4内の着目した放射線検出画素26に入射したX線が検出期間の開始から終了までに通過した単位領域72を選択する。
また、単位領域選択部44は、単位領域72の対象領域74に含まれる部分の割合に応じて、対象領域74に該当する単位領域72か否かを選択しても良い。また、検出期間中にX線が単位領域を通過する時間に基づいてその単位領域72が対象領域74に該当する単位領域72か否かを選択しても良い。
また、単位領域選択部44は、測定者の入力信号に基づいて対象領域74に該当する単位領域72を決定してもよい。例えば、測定者が対象領域74に該当する単位領域72を選択できても良い。
また、対象領域74は検出期間、回転速度、撮影ピッチ等の情報に基づいて測定開始前に予め設定されていても良く、この場合、対象領域74に該当する単位領域72も予め設定しておくことができる。
本実施形態における形状測定装置1において、重み付け係数設定部48は、回転軸AXからの距離に応じて、対象領域74上にある単位領域72のそれぞれの重み付け係数を設定する。具体的には、単位領域72を含み、回転軸AXに垂直な平面上で、回転軸AXの位置と単位領域72との位置の差(距離)に応じて重み付け係数を設定する。なぜなら、同じ回転速度でも、回転軸AXに近い位置の単位領域72ほど回転による移動量が小さく、回転軸AXから遠い位置の単位領域72ほど回転による移動量が大きい。したがって、回転軸AXからの距離に応じて回転しながら撮影された投影像に生じたぼけの度合いが異なる。このため、本実施形態のように、回転軸AXからの距離に応じて重み付け係数を設定することができる。
本実施形態において、回転検出部50は、ロータリーエンコーダ20の計測結果に基づいて、θY方向における回転テーブル12の回転角度を検出する。
また、被測定物SのX線源2に対する相対的な向きや位置関係を知ることができる限りにおいて回転角度の検出方法に制限はなく、対象領域特定部44における、線源部2及び検出器4に対する被測定物Sの相対的な位置関係を特定するための各種方法を用いることができる。例えば、他の位置検出機構による検出結果や、相対移動部3の制御値に基づいて回転テーブル12のθY方向の回転角度を検出してもよい。
画像演算部52は、重み付け係数設定部48からの出力と、検出器4で取得した各放射線検出画素26の検出結果に基づいて、演算を行い、再構成画像を生成する。
演算制御部54は、演算部30の各部の演算処理を制御する。演算制御部54は、演算部30内での各部の間でのデータの受渡しや、各部での演算の開始、終了等を制御する。また、演算制御部54は、演算部30によって求められたデータを信号として記憶部34に送信するタイミング等を制御する。機構制御部56は、形状計測装置1のX線源2、相対移動部3及び検出器4の動作をそれぞれ制御する。機構制御部56が検出開始時間、あるいは更に検出終了時間を通知する信号を演算制御部54に送信することにより、演算制御部54は回転検出部50の信号制御を行う。
3次元データ生成部32は、演算部30で算出した演算領域70内の変数の値に基づいて、再構成像における被測定物Sの境界位置を検出する。これにより、被測定物Sの三次元形状情報を生成する。なお、被測定物Sの境界検出は周知の種々の方法を用いることができる。
また、3次元データ生成部32は、演算部30で被測定物Sの複数の断面の再構成画像を生成し、それぞれの画像における被測定物Sの境界を求め、積層することによって、被測定物Sの3次元データを作成することもできる。
記憶部34は、ハードディスク、メモリ等、各種プログラム、データを記憶する記憶装置等により構成される。記憶部34は、再構成画像生成プログラム60と、3次元データ生成プログラム62と、計測データ64と、を有する。なお、記憶部34は、これらのプログラム、データ以外にも形状計測装置1の動作の制御に用いる各種プログラム、データを記憶している。再構成画像生成プログラム60は、後述のフローチャートに基づいて演算部30に必要な機能を実行させるプログラムである。つまり、制御装置5は、再構成画像生成プログラム60に記憶されているプログラムを読みだして演算部30に実行させることで、再構成画像を生成する。
3次元データ生成プログラム62は、3次元データ生成部32に必要な機能を実行させるプログラムである。つまり、制御装置5は、3次元データ生成プログラムを実行することで、3次元データを生成する。
計測データ64は、演算部30及び3次元データ生成部32で演算した結果や、演算の途中結果などのデータから成る。いったん計測データ64として記憶したデータは記憶部34に記憶し続けてもよいし、演算が終了したら削除してもよい。これらの場合、演算制御部54がデータを記憶、削除すればよい。
入力部36は、各種操作を入力するデバイス、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等である。入力部36によって入力される内容は、例えば、形状測定開始タイミング、被測定物Sの組成、大きさ等であっても良いが、これらに限られない。また、相対移動部3の回転速度、露出時間や、X線源2の出力強度等を測定者が入力し、設定できるようにしても良い。入力部36によって入力される内容は、機構制御部56に送られ、機構制御部56がその入力内容に基づきX線源2、相対移動部3、及び、検出器4の動作を制御する。出力部38は、操作画面や測定結果を出力するデバイスであり、ディスプレイ、プリンター、記録媒体への書き込み装置等である。出力部により出力される内容は、例えば、測定終了の表示や、再構成画像、三次元データ等であるが、これらに限られない。通信部40は、無線及び有線のうち、少なくとも一方を用いて通信を行う。例えば、後述のリペア装置140で形状測定装置1を含む種々の機器と通信を行う。
本実施形態における形状計測装置1において、回転部14が回転テーブル12を所定速度で回転させている状態でX線源2から照射されたX線を検出器4が受光し、投影像を取得する。そして、回転テーブル12の回転中の所定角度範囲ごとにX線の受光を複数回行う。すなわち、被測定物Sに対しそれぞれ異なる方向からX線を照射し、複数の投影像を取得する。形状計測装置1は、これらの複数の投影像に基づいて演算処理等を行うことで、被測定物Sの少なくとも一の断面の再構成画像を生成する。ここで、再構成とは、被測定物Sを透過したX線の強度に基づいて得られる投影像から、被測定物Sの断面の像を得る操作を指し、再構成画像とは、この操作によって得られた被測定物Sの断面像を指す。
次に、図3から図8を用いて、形状測定装置による形状計測の処理の一例を説明する。図3は、形状測定装置による処理の流れを示したフローチャートである。具体的には、演算部30の処置の流れを示す。図4は、演算領域70の概略構成を示す模式図である。図5、図6、図7A、図7Bは、対象領域を示す模式図である。図8は、ステップS46の具体的な流れを示したフローチャートである。
まず、回転速度や、撮影ピッチ(角度)や、検出期間がユーザーによって設定される。ここで、回転速度は、回転部14が回転テーブル12を回転させる角速度である。撮影ピッチは、検出器4で画像を取得する間隔に相当する角度である。検出期間は、検出器4の受光部24でX線を受光する時間、つまり、受光部24のシャッタ(信号を蓄積する回路)を開いている時間である。なお、これらの設定は記憶部34に予め登録しておき、機構制御部56が必要な設定を読みだしてもよい。
また、形状計測装置1は、回転速度、撮影ピッチ(角度)、検出期間の設定を行う際、測定者が入力した他の内容から算出、あるいは、最適な値を選択しても良い。また、形状測定装置1が被測定物Sの大きさや材質を判断し、最適な値を算出、又は選択する構成を有していても良い。また、回転速度は一定でなくても良い。撮影ピッチや検出期間も一連の測定で一定でなくても良い。
機構制御部56は、設定した回転速度に基づいて回転部14に回転テーブル12の回転を開始させ、X線源2にX線の照射を開始させる。また、機構制御部56は、回転検出部50が検出する回転角度が所定角度になったか否かを判定する(ステップS20)。ここで、所定角度は、機構制御部56が放射線検出画素26にX線の検出開始を指示する信号を送信するタイミングの角度である。例えば、回転検出部50は1度ピッチごとに検出開始を指示する信号を送信する。
機構制御部56は、所定角度になっていない(ステップS20でNo)と判定したら、ステップS20に戻り、同じ判定を行う。また、所定角度になっている(ステップS20でYes)と判定したら、検出器4にX線の検出開始を指示する信号を送信する(ステップS22)。すなわち、それぞれの放射線検出画素26からの検出値の分布である投影像の取得動作を開始する。機構制御部56は、検出器4が検出を開始したら、検出開始時点(検出期間の開始タイミング)のエンコーダ値をロータリーエンコーダ20及び回転検出部50を用いて読み取らせる(ステップS24)。機構制御部56は、所定角度から撮影ピッチだけ回転したとき、すなわち、検出期間が経過したら、検出を終了する(ステップS26)。すなわち、放射線検出画素26にX線の検出終了の指示をする信号を送信し、検出終了時点(検出期間の終了タイミング)のエンコーダ値をロータリーエンコーダ20及び回転検出部50を用いて読み取らせる(ステップS28)。機構制御部56は、検出を終了し、エンコーダ値を読み取らせたら、検出器4で取得した投影像の画像データ(投影画像データ)に、検出開始時及び検出終了時のエンコーダ値を対応付けて記憶部34に記憶させる(ステップS30)。
機構制御部56は、被測定物Sに固定した座標系から見て、被測定物Sに対し360度にわたってX線を照射し、異なる角度範囲の投影像を複数取得したか否かを判定する(ステップS32)。つまり機構制御部56は、再構成画像を生成するために必要な被測定物Sの投影像を取得したかを判定する。形状計測装置1は、被測定物Sに対し360度にわたって投影像を取得していない(ステップS32でNo)と判定した場合、ステップS20に戻り、所定角度になったか、つまり、次に検出を開始する角度になったか、の判定を行い、ステップS20からステップS32の処理を再び行う。また、機構制御部56は、全ての投影像の取得が終了するまで被測定物SへのX線の照射を継続させる。
ステップS32で、形状測定装置1が再構成画像を生成するために必要な被測定物Sの投影像を取得する際、被測定物Sに固定した座標系において被測定物Sに対し様々な角度からX線を照射した際の投影像が得られれば良く、被測定物SがX線源2及び検出器4に対して相対的に複数回回転して投影像が撮影されても良い。例えば、検出期間が終了すると、検出器4は投影像を記憶部34に送信し、蓄積されたデータを消去する。これらの処理を行う期間に検出器4は次の検出を行えないため、検出を行っていない期間が発生する。したがって、検出を行っていない期間に被測定物SをX線が通過した領域の投影像を得るために、1周目に投影像が取得できなかった角度範囲の投影像を1周目以降の回転時に取得しても良い。
機構制御部56は、360度にわたって、投影像を取得した(ステップS32でYes)と判定した場合、取得した複数の投影像に対する処理を開始する。単位領域設定部42は、演算領域70に対し、単位領域72、すなわち本実施形態におけるボクセルを設定する。また、演算領域70の回転軸AXに対応する位置を特定する(ステップS34)。
単位領域設定部42は、ボクセルを設定したら、記憶部34の計測データ64から投影画像データと各エンコーダ値(検出開始時と検出終了時のエンコーダ値)を取得する(ステップS36)。次に、対象領域特定部44は、検出期間に放射線検出画素26に入射したX線が通過した領域を対象領域74として特定する(ステップS38)。対象領域74について、図5、図6、図7A、図7Bを用いて説明する。図5、図6、図7A、図7Bは、演算領域70の着目する断面を示す。
ここで、図5、図6は説明のため、X線源2と検出器4が相対的な位置関係を保って回転しているように示す。なお、前述のように、本実施形態では被測定物Sが回転し、X線源2と検出器4が固定されている。被測定物Sに対するX線源2及び検出器4の相対関係は、X線源2と検出器4が固定され、被測定物Sが回転している場合も、被測定物Sが固定され、X線源2と検出器4が相対的な位置関係を保って回転している場合でも同様となる。
図5の実線に示すように、回転軸AXを横切るX線は、時間tのとき矢印82aの位置を通過し、時間tのとき矢印82bの位置を通過する。なお、回転軸AXを横切るX線の軌跡は、時間tから時間tの間に、回転軸AXを中心として矢印82aの位置から矢印82bの位置に回転する。回転により、検出期間にX線が被測定物Sを通過した領域である対象領域74は、実線82aと82bで囲まれた図6の網かけ部分の領域となる。時間tから時間tの間に、X線源2と検出器4との相対位置は変化しないため、回転軸AXを横切るX線は、検出器4の放射線検出画素26aに入射する。対象領域特定部44は、放射線検出画素26aのピクセル値に対応する対象領域74として図6の網かけ部分を特定する。
これまで、注目する放射線検出画素26aに対する対象領域74について説明したが、本実施形態におけるX線は、X線源2から検出器4を構成する複数の放射線検出画素26のそれぞれ向かって照射される。したがって、検出期間の開始tから終了tまでの間、それぞれの放射線検出画素26に入射するX線が通過した領域は、それぞれの放射線検出画素26で異なる。
図6は、放射線検出画素26aの他に、放射線検出画素26bに入射するX線の軌跡を示している。放射線検出画素26bに入射するX線は、時間tに破線84aの位置を通過し、時間tからtまでに被測定物Sに対する方向を変えながら照射され、時間tには、矢印84bの位置を通過する。対象領域特定部44は、投影画像データのそれぞれすべてのピクセル値に対し、ピクセル値を検出した放射線検出画素26を特定する。放射線検出画素26に入射したX線が通過した対象領域74を求めて、ピクセル値に対応付ける。対象領域特定部44は、それぞれのピクセル値に対応する対象領域74のデータを記憶部34に記憶する。
また、対象領域74の特定は、X線源2と検出器4が被測定物Sに対し回転移動している場合に限られず、例えば平行移動している場合にも行うことができる。図7A、図7BはX線源2と検出器4が相対的な位置関係を保って平行移動している場合を示す。図7Bは、図7Aに示した場合と比較して、X線源2と検出器4が被測定物Sに対し所定角度回転し、検出期間に平行移動した場合を示す。検出期間にX線が被測定物Sを通過した領域である対象領域74は、実線82aと82bで囲まれた図7A、及び図7Bの網かけ部分の領域となる。
単位領域選択部46は、対象領域72ごとに単位領域72の選択を行う。図5は、回転軸AXを横切るX線よる対象領域74に対し、選択された単位領域72は斜線部分76で示されている。また、図6において、破線の方向に向かうX線の通過した対象領域74に対し選択された単位領域72は、斜線部分76で示されている。単位領域選択部46は、対象領域特定部44に対応付けられたすべての対象領域74に対して、同様の処理を行う。
重み付け係数設定部48は、単位領域72に対し、重み付け係数を設定する(ステップS40)。検出期間の開始タイミングをtとし、検出期間の終了タイミングをtとし、放射線検出画素26において計測した放射線強度をIとし、X線源2から照射される単位時間当たりのX線の放射線強度をIとする。また、変数をμとする。ここで、変数μは、演算領域70に存在する物質の持つ単位長さあたりの透過率、つまり吸収係数となる。時点tにおいて、吸収係数がμである部分をX線が通過した長さをl(t)とすると、放射線検出画素26で計測できるX線の強度は、下記式(1)で表すことができる。
Figure 2015075336
本実施形態においては、下記式(2)を用いても良い。演算領域70に含まれる単位領域72のインデックス番号をiとする。時点tにおける、インデックス番号がiである単位領域72の重み付け係数をai(t)、変数をμi、とした場合、検出期間t〜tにわたって放射線検出画素26で検出したX線の強度Iは、下記式で表すことができる。つまり、(1)式における、吸収係数がμである部分をX線が通過した長さl(t)は、(2)式における、単位領域72ごとの重み付け係数ai(t)に相当するものとなる。
Figure 2015075336
重み付け係数設定部48は、各単位領域72に対し、(2)式の重み付け係数a(t)を設定する(ステップS40)。なお、変数μiは未知数となる。重み付け係数a(t)は、インデックス番号iの単位領域72を通過するX線の通過条件によって設定することができる。ここで、本実施形態において、放射線検出画素26に検出されたX線の強度に対応する投影画像データのピクセル値に反映すべき単位領域72、すなわち、対象領域74、に該当する単位領域72の重み付け係数a(t)は0より大きな値とし、それ以外の単位領域72の重み付け係数a(t)は0とする。本実施形態において、対象領域74に該当する単位領域72の重み付け係数aは回転軸AXからの距離に応じて設定する。具体的には、対象領域に該当するインデックス番号iの単位領域を含み回転軸に垂直な面内において、回転軸AXの位置からインデックス番号iの単位領域までの距離に応じて重み付け係数aを設定する。ここで、a(t)は時間tの関数として表されているが、時間tのときの回転角度θ及び、時間tのときの回転角度θを用いて、下記式(3)としても良い。
Figure 2015075336
画像演算部52は、放射線検出画素26によるピクセル値と、反映すべき単位領域(ボクセル)72と、ステップS40で設定した重み付け係数a(t)とで、上記(2)式に基づき多元多項式を作成する(ステップS42)。形状計測装置1は、全ての投影画像データに対して多元多項式を作成したかを判定する(ステップS44)。形状計測装置1は、全ての投影画像データに対して多元多項式を作成していない(ステップS44でNo)と判定した場合、ステップS36に戻り、多元多項式を作成していない投影画像データに対して、多元多項式を作成する。
画像演算部52は、全ての投影画像データに対して多元多項式を作成した(ステップS44でYes)と判定した場合、逐次近似法により各単位領域(ボクセル)72の変数μiの値を算出する(ステップS46)。逐次近似法は、作成した複数の多元多項式を繰り返し計算により処理することで、各ボクセルの変数μiを算出する。逐次近似法によって変数μiの値を算出する手順については後述する。形状計測装置1は、各投影画像データにおいて各単位領域(ボクセル)72の変数μiの値を算出することで、変数μiの値に基づいて、被測定物Sの断面を含む演算領域70内の断面像を形成する画素の値を算出する。画像演算部52は、変数μi、つまり各ボクセルの吸収係数(透過率)を算出することで、当該ボクセルを構成する材料や、物質の有無を特定する。特定した結果から、内部構造を含む断面の再構成画像を生成することができる。
画像演算部52は、同様に、被測定物Sの他の断面の再構成画像を生成する。3次元データ生成部32は、被測定物Sの各再構成画像に対し周知の方法によって被測定物Sの境界を検出し、積層することで被測定物Sの3次元データを生成し(ステップS48)、本処理を終了する。
次に、図8を用いて、ステップS46の逐次近似法によりインデックス番号iの各単位領域(ボクセル)72の変数μiの値を算出する処理、つまり繰り返し計算の処理の一例を説明する。画像演算部52は、インデックス番号iの各単位領域(ボクセル)72の変数μiに初期値を設定する(ステップS60)。この際、被測定物Sの設計データや、簡易計算で算出した吸収係数(透過率)の値を、各単位領域(ボクセル)72の変数μiの初期値として用いることができる。画像演算部52は、各単位領域(ボクセル)72に上述で設定した変数μiの初期値を、ステップS44で作成した多元多項式の右辺に代入することによってX線強度I’の計算を行う(ステップS62)。
画像演算部52は、単位領域72の変数μiの初期値に基づいて、投影像のピクセル値に対応する対象領域74のX線強度I’を(2)式に基づいて算出する(ステップS62)。次に、算出したX線強度I’と、実際に放射線検出画素26において検出したX線強度Iとを比較する(ステップS66)。ここで、形状計測装置1は比較を行うことで、放射線検出画素26ごとに初期値と実測値とのX線の強度差を算出する。X線の強度差の算出は、すべての投影像に対するピクセル値において行われる。
画像演算部52は、算出した強度差に基づいて、処理終了かを判定する(ステップS74)。例えば、強度差が所定の数値の範囲内にない場合、処理終了ではない(ステップS74でNo)と判定し、ステップS70に進み、算出した強度差に基づいて変数μiの更新量を決定する(ステップS70)。画像演算部52は、決定した更新量に基づいて吸収係数の更新を行ったら(ステップS72)、ステップS62に戻り、同様の処理を繰り返す。強度差が所定の数値の範囲内になった場合、処理終了である(ステップS74でYes)と判定し、本処理を終了する。形状測定装置1は、処理終了時の各単位領域(ボクセル)72の変数μi(吸収係数)の値を、逐次近似法の解とする。ここで、強度差がゼロに近づくほど、変数μiの値が真の値に近づいているとみなせるため、所定の数値の範囲が狭いほど正確な断面像が得られる。しかし、所定の数値の範囲が狭くなると、一般的に処理を繰り返す数が多くなり、終了まで時間がかかってしまう。そのため、変数μiの初期値をなるべく真の値に近づけておくことや、誤差が大きくても良い場合は、所定の数値の範囲を広くするなどの工夫が必要となる。なお、変数μiの更新量及び更新のタイミングは、上述した種々の逐次計算法に依存して異なる。
以上説明したように、本実施形態において、形状計測装置1は、被測定物Sを支持した回転ステージ12を回転させて、X線源2及び検出器4に対する被測定物Sの相対的な位置を変更しながら、被測定物Sに対するX線源2からのX線の照射方向を変更する。
すなわち、本実施形態において、形状計測装置1は、被測定物Sを支持した回転ステージ12を回転させながらその被測定物SにX線を照射する。被測定物Sに固定された座標系における演算領域70を通過した透過X線及び、通過していないX線を検出器4が検出する。検出器4は、各回転角度における被測定物Sの投影像を取得する。
これにより、形状計測装置1は、連続して被測定物Sの投影画像データを取得することができ、つまり、被測定物Sを停止させて投影画像データを取得する場合に生じる移動と停止の繰り返しが生じないため、計測時間を短くすることができる。
形状計測装置1は、演算領域70の少なくとも一部であって、検出期間に画素面に向かうX線が通過する各々の対象領域74と、複数の検出期間に対応する放射線検出画素26の複数の検出信号との関係に基づいて再構成画像を生成する。
検出期間にX線が通過する位置の時間変化を考慮することで、被測定物Sに対しX線源2及び検出器4を相対移動させつつ投影画像データを取得した場合でも投影像のぶれに伴うぼけ、すなわちアーティファクトを抑制することができる。これにより、被測定物Sの内部構造の正確な三次元データ(三次元構造)を得ることができる。このため、形状計測装置1は、精密測定に適している。
また、形状計測装置1は、単位領域設定部42により演算領域70を単位領域(ボクセル)72に分割し、重み付け係数設定部48により対象領域74に該当する単位領域72に対して0より大きい重み付け係数を設定することで、単位領域の吸収係数(透過率)をより正確に算出することができ、より高精度な再構成画像を生成することができる。
また、重み付け係数設定部48は、単位領域72のX線の通過条件に基づいて設定することができる。例えば、検出期間に相対移動部3が回転移動する場合、回転軸AXの位置と単位領域72との位置関係に基づいて、対象領域74に対応する単位領域72の重み付け係数を設定することができる。検出期間に常に回転軸AXを横切るX線による対象領域74については、対象領域74に対応する単位領域72と回転軸AXとの距離に応じた重み付け係数を設定する。回転軸AXに近い単位領域72ほど重み付け係数を大きい値とし、回転軸AXから遠い単位領域72ほど重み付け係数を小さくすることができ、例えば、回転軸からの距離に反比例した重みや、ガウス関数を用いた重みを付けることができる。ガウス関数に応じた重みとは、着目する単位領域72に対し、回転軸からの距離が小さいほど重みが大きく、距離が大きくなるにつれて重みが小さくなるような、正規分布に従って変化する重みである。回転軸からの距離に応じた重み付係数の設定方法は、これらに限定されず、他の方法であっても良い。また、図6の放射線検出画素26bに検出されるX線で示されるように、検出期間に回転軸AXを常には横切らないX線による対象領域74に関しては、X線源2と検出器4、及び、回転軸AXとの位置関係に応じて重み付け係数を設定する。例えば、回転軸AXを通過するX線が進む方法に対し、所定の角度の方向に進むX線が検出期間に演算領域70を通過した対象領域74を特定する。その検出期間の所定の時間にX線が通過した軌道を特定し、対象領域74に含まれる単位領域72のそれぞれに対し、特定したX線の軌道からの距離に応じて重み付け係数を決定することができる。特定したX線の軌道に近い単位領域72ほど重み付け係数を大きい値とし、遠い単位領域72ほど重み付け係数を小さくすることができ、例えば、単位領域72とX線の軌道との距離に反比例した重みや、ガウス関数を用いた重みを付けることができる。ガウス関数に応じた重みとは、着目する単位領域72に対し、特定したX線の軌道からの距離が小さいほど重みが大きく、距離が大きくなるにつれて重みが小さくなるような、正規分布に従って変化する重みである。特定したX線の軌道からの距離に応じた重み付係数の設定方法は、これらに限定されず、他の方法であっても良い。上記の重み付係数の決定を、時間を変化させて検出期間にわたって繰りかえし、足し合わせることより、対象領域74に含まれる単位領域72の重み付係数の決定を行うことができる。この方法は、常に回転軸AXを通過するX線による対象領域74についても同様に行うことができる。また、例えば、検出期間に回転軸AXを常には横切らないX線による対象領域74で、X線が通過している時間が最も長い単位領域72を特定する。この単位領域72からの距離に応じ、単位領域72の重み付け係数を設定することができる。
また、重み付け係数設定部48は、本実施形態における回転部14が回転移動中の前記検出期間内に前記検出面に入射する放射線であるX線が所定の単位領域72を通過し始めてから通過し終わるまでにかかる単位領域通過時間と、単位領域通過時間内に放射線が単位領域72内を進む距離に基づいて重み付け係数を設定することもできる。また、検出期間に線源部2及び検出器4が被測定物Sに対して相対的に回転する場合に限られず、例えば相対的に平行移動している場合でも、この方法により重み付け係数を設定することができる。これにより、X線が単位領域72を通過する時間と距離の積算値(積分値)に基づいて重み付け係数を設定することができ、X線の通過量により即した重み付け係数を設定することができる。これにより、再構成画像をより高い精度で生成することができる。
また、検出期間にX線源2と検出器4が被測定物Sに対し相対的に平行移動している場合の重み付け係数の設定方法として、例えば、以下の方法がある。検出期間の所定の時間にX線が通過した軌道を特定し、対象領域74に含まれる単位領域72のそれぞれに対し、特定したX線の軌道からの距離に応じて重み付け係数を決定することができる。具体的には、特定したX線の軌道に近い単位領域72ほど重み付け係数を大きい値とし、遠い単位領域72ほど重み付け係数を小さくすることができる。例えば、単位領域72とX線の軌道との距離に反比例した重みや、ガウス関数を用いた重みを付けることができる。ガウス関数に応じた重みとは、着目する単位領域72に対し、特定したX線の軌道からの距離が小さいほど重みが大きく、距離が大きくなるにつれて重みが小さくなるような、正規分布に従って変化する重みである。特定したX線の軌道からの距離に応じた重み付係数の設定方法は、これらに限定されず、他の方法であっても良い。この方法を、時間を変化させて検出期間にわたって繰りかえし、足し合わせることより、対象領域74に含まれる単位領域72の重み付係数の決定を行うことができる。
形状計測装置1は、本実施形態のように、画像演算部52により、逐次近似法で単位領域72に対応する変数算出することができる。具体的には、複数の検出結果の各々に対応した対象領域74ごとに単位領域72の重み付け係数と検出信号に影響を与える物質の分布に対応する変数(吸収係数、あるいは、透過率)とを設定し、検出信号と重み付け係数及び変数の積和との関係式である数2の式を基に、逐次近似法により、被測定物Sが載置された空間内の断面像を形成する画素の値を求めることができる。これにより、再構成画像をより高い精度で生成することができる。
ここで、演算領域70での放射線の吸収量がX線源2からの出力値に比べて相対的に小さい、つまり、演算領域70の変数μ(吸収係数、あるいは、透過率)が小さい場合、上述した(1)式の指数関数を近似処理して下記式で表すことができる。
Figure 2015075336
また、上記(4)式を下記(5)式で表すことができ、(5)式を用いても良い。吸収係数がμである部分をX線が通過した長さl(t)は、単位領域(ボクセル)72ごとの重み付け係数ai(t)に相当するものとして表すことができる。
Figure 2015075336
形状計測装置1は、上記式に基づいて逐次近似法により、各単位領域(ボクセル)72の変数μiを算出することができる。つまり、放射線検出画素26の検出信号の各々に対応した対象領域74ごとに、単位領域72の重み付け係数ai(t)及び検出結果に影響を与える物質の分布に対応する変数μiを設定し、検出期間にX線源2から出力された放射線の量と検出信号との差と、重み付け係数ai(t)及び変数μiの積和と、の関係式を基に逐次近似法により被測定物Sが載置された空間内の断面像を形成する画素の値を求めることができ、計算の負荷を低減することができる。
画像演算部52は、例えば変数μ(吸収係数、あるいは、透過率)と、変数μの領域をX線が通過した経路の長さの積和の値が0.1以下の場合、近似による誤差が5%程度になるため、演算領域70での放射線の吸収が小さいとして上記の演算を行うことができる。また、形状計測装置1は、X線源2として、高エネルギーのX線源2を用いることで演算領域70の吸収を相対的に小さくすることができる。その際、検出器4が検出可能なX線強度の分解能が高い検出器(ディテクタ)4を用いることができる。ここで、高エネルギーのX線源2とは振動数の大きなX線を照射するものである。
また、形状計測装置1は、画像演算部52により、座標系を通過する放射線に影響を与える物質の分布に対応する変数μの概算分布と、複数の検出信号の各々に対応した対象領域74ごとの単位領域72の重み付け係数とを設定し、検出信号と概算分布と重み付け係数の積和との関係式を基に、逐次近似法により被測定物Sが載置された空間内の断面像を形成する画素の値を求めることができる。
形状計測装置1は、変数の概算分布μを用いて、(1)式のμに、μ=μ+μ−μを代入する。
また、概算分布μの項で算出される値は、簡単のため、時間tと時間tとの中間である時間t1.5におけるものとすることで、下記式となる。なお、時間t1.5は、時間tと時間tとの中間の時間であることができるが、時間tと時間tの間の時間であれば、他のタイミングであっても良い。
Figure 2015075336
上記式の指数関数の括弧中の値が小さい値である、すなわち、概算分布μを仮定した時のX線の経路に沿った吸収量と、実際のX線の経路に沿った吸収量が近い値になると仮定し、近似処理すると、下記式となる。
Figure 2015075336
また、上記(7)式を下記(8)式で表すことができ、(8)式を用いても良い。吸収係数がμである部分をX線が通過した長さl(t)は、単位領域(ボクセル)72ごとの重み付け係数ai(t)に相当するものとして表すことができる。
Figure 2015075336
上記式(7)のうち、既知の項をまとめてCとし、未知数を含む項を右辺にまとめると、下記式で表すことができる。
Figure 2015075336
また、下記(8)式を用いても良い。
Figure 2015075336
形状計測装置1は、概算分布μに基づいて数7の式から算出した項によって逐次近似法により数9の式で繰り返し計算を行うことができ、単位領域(ボクセル)72の変数(吸収係数、あるいは吸収係数)μを算出することができる。
形状計測装置1は、演算部30により、概算分布μを逆投影法から求めることができる。逆投影法で該算分布、つまりμを求めることで、概算分布を高い精度で算出することができる。これにより、再構成画像をより高い精度で生成することができる。また、概算分布は、フィルタ補正逆投映法から求めることもできる。真の変数μの分布に近い値を求めることができる限りにおいてこれらの方法に限られず、設計データから算出してもよい。設計データを用いることで、演算を簡単にすることができる。設計データを用いる場合、被測定物Sの各部分を構成する部分の大きさ、材料や密度等、それぞれの材料の吸収係数等を用いることで、概算分布μを求めることができる。重み付け係数ai(t)は、上述の方法で求めることができる。
上記実施形態では、再構成画像を生成する方法の一例として繰り返し計算を行う逐次近似法を用いた。逐次近似法の具体的な方法として、例えば、米国特許出願公開第2010/0220908号明細書に記載されている方法を用いることができる。他に、ART法、SIRT法、ML−EM法、OS−EM法等の公知の方法を用いることができる。
また、形状計測装置1は、上述の方法の他に再構成画像を生成する各種方法を用いることができる。例えば、逆投影法、フィルタ補正逆投影法等を用いることができる。逆投影法及びフィルタ補正逆投影法に関しては、例えば、米国特許出願公開第2002/0154728号明細書に記載されている。
また、本実施形態においては、ステップS28において、エンコーダ値をロータリーエンコーダ20及び回転検出部50を用いて読み取っているが、検出開始から終了までに回転部14が回転した角度は、検出開始時のエンコーダ値から撮影ピッチ分回転した角度として求まるため、ステップS28を省略し、投影画像データに検出開始時のエンコーダ値のみを対応付けて記憶部34に記憶させても良い。この際、検出終了時の回転角度は、回転部14の回転速度と、検出期間等によって求めることができる。また、回転速度は、入力部36への入力値を用いても良く、回転速度検出部を設け、実測しても良い。実際に回転した角度を正確に知るためには、検出開始及び終了時のエンコーダ値の両方を読み、記憶させるとこが望ましい。
図9は、本実施形態に係る形状測定装置1を備えた構造物製造システム200の一例を示す図である。図10は、構造物製造システムによる処理の流れを示したフローチャートである。構造物製造システム200は、設計装置110と、成形装置120と、形状計測装置1と、リペア装置140とを備える。制御装置130は、座標記憶部131と検査部132を備える。形状測定装置1の通信部40は、リペア装置140等、種々の機器と通信を行う。
まず、設計装置110が、構造物の形状に関する設計情報を作成し、成形装置120に送る(ステップS101)。また、設計装置110は、設計情報を座標記憶部131に記憶させる。設計情報は、構造物の座標情報を含む。次に、成形装置120は、設計情報に基づいて前述した構造物を作製する(ステップS102)。次に、形状計測装置1は構造物の形状に関する座標を測定し、座標記憶部131に記憶する(ステップS103)。次に制御装置130の検査部132は、形状計測装置1から作成された構造物の形状の座標情報と、前述した設計情報とを比較することにより、構造物が設計情報通りに作製された否かを検査する(ステップS104)。
次に、制御装置130の検査部132は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS105)。作成された構造物が良品である場合(ステップS105、YES)、構造物製造システム200はその処理を終了する。作成された構造物が良品でない場合(ステップS105、NO)、制御装置130の検査部132は、作成された構造物が修復できるか否か判定する(ステップS106)。作製された構造物が修復できる場合(ステップS106、YES)、リペア装置140は、構造物の再加工を実行し(ステップS107)、ステップS103の処理に戻る。作製された構造物が修復できない場合(ステップS106、NO)、構造物製造システム200はその処理を終了する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
実施形態における形状計測装置1が構造物の座標を早く正確に測定することができるので、構造物製造システム200は、作成された構造物が良品であるか否か迅速かつ正確に判定することができる。また、構造物製造システム200は、構造物が良品でない場合、構造物の再加工を実施し、修復することができる。
前述の実施形態においては、形状計測装置1がX線源2を有することとしたが、X線源2が形状計測装置1に対する外部装置でもよい。換言すれば、X線源2が検出器4の少なくとも一部を構成しなくてもよい。前述の実施形態において、被測定物Sは産業用部品に限られず、例えば人体でもよい。また、前述の実施形態において、形状計測装置1が医療用に用いられてもよい。また、本実施形態では、X線を照射するX線源2を用いたが、X線以外の放射線を照射する放射線源を用い、演算領域70を通過した放射線を検出器4で検出してもよい。
また、形状計測装置1は、前述の実施形態において、X線源2と検出器4を所定の位置に固定し、回転テーブル12を相対的に回転させ、被測定物Sの像を取得しているが、被測定物Sを固定し、X線源2と検出器4を回転させても良い。
また、検出期間に所定の方向へ向かうX線が同一の放射線検出画素26に入射する限りにおいて、これらの構成に限られず、X線源及び検出器4の一方が所定の位置に固定され、他方が移動可能でもよく、X線源2及び検出器4の両方が移動可能でもよい。すなわち、形状計測装置1は、演算領域70とX線源2及び検出器4とが相対的に移動していればよく、例えば、X線源2及び検出器4が、演算領域70に対して、所定の方向に直線移動してもよい。その際、再構成画像を生成するために、演算領域70に含まれる単位領域72それぞれをX線が様々な方向から通過して得られた投影データが得られるようにする。
前述の実施形態の各構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、前述の各実施形態及び変形例で引用した検出装置などに関するすべての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。前述した実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態及び運用技術等は、すべて本実施形態の範囲に含まれる。
1 形状測定装置
2 X線源
3 相対移動部
4 検出器
5 制御装置
12 支持台
14 回転部
16 XYZ移動部
20 ロータリーエンコーダ
22 シンチレータ
24 受光部
26 放射線検出画素
30 演算部
32 3次元データ生成部
34 記憶部
36 入力部
38 出力部
40 通信部
42 単位領域設定部
44 対象領域特定部
46 単位領域選択部
48 重み付け係数設定部
50 回転検出部
52 画像演算部
54 演算制御部
56 機構制御部
60 再構成画像生成プログラム
62 3次元データ生成プログラム
64 計測データ
70 演算領域
72 単位領域
74 対象領域
76 単位領域選択部に選択された単位領域
200 構造物製造システム
110 設計装置
120 成型装置
130 制御装置
131 座標記憶部
132 検査部
140 リペア装置
S 被測定物

Claims (22)

  1. 線源部から照射され、前記被測定物を透過し画素面に入射した前記放射線の量を検出する放射線検出画素と、
    前記被測定物に固定された座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させる移動部と、
    前記移動部が前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させる検出期間に、前記画素面に入射した前記放射線の積算量に対応する検出信号を前記放射線検出画素から取得し、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号に基づいて再構成画像を生成する演算部と、を有し、
    前記演算部は、前記検出期間に前記画素面に向かう前記放射線が通過する各々の対象領域と、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号との関係に基づいて前記再構成画像を生成する再構成画像生成装置。
  2. 前記演算部は、前記座標系に対して複数の単位領域を設定する単位領域設定部と、
    前記対象領域に対応する前記単位領域のそれぞれに対して0より大きい重み付け係数を設定し、前記対象領域に対応しない前記単位領域については、0の重み付け係数を設定する重み付け係数設定部と、を有する請求項1に記載の再構成画像生成装置。
  3. 前記移動部は、前記座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に回転移動させる回転部であって、前記重み付け係数設定部は、前記対象領域に対応する前記単位領域の前記重み付け係数を、前記回転部の回転軸と前記単位領域との位置関係に応じた値とする、請求項2に記載の再構成画像生成装置。
  4. 前記重み付係数設定部は、前記移動部が移動中の前記検出期間内に前記検出面に入射する前記放射線が所定の前記単位領域を通過し始めてから通過し終わるまでにかかる単位領域通過時間と、前記単位領域通過時間内に前記放射線が前記単位領域内を進む距離に基づいて前記重み付係数を設定する請求項2に記載の再構成画像生成装置。
  5. 前記演算部は、前記複数の検出信号の各々に対応した前記対象領域ごとに、前記単位領域の前記重み付け係数、及び、前記検出信号に基づき、前記座標系を通過する前記放射線に影響を与える物質の分布に対応する前記単位領域の変数の値を逐次近似法により求める画像演算部を備える請求項2〜4のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置。
  6. 前記画像演算部は、前記単位領域のインデックス番号をiとし、前記放射線検出画素の検出開始時をtとし、前記放射線検出画素の検出終了時をtとし、前記検出信号をIとし、前記線源部から照射される単位時間当たりの前記放射線の積算量に対応する量をIとし、時点tにおける前記重み付け係数をai(t)とし、前記変数をμi、とした場合、次式により前記変数の値を求める、請求項5に記載の再構成画像生成装置。
    Figure 2015075336
  7. 前記演算部は、前記複数の検出信号の各々に対応した前記対象領域ごとに、前記単位領域の重み付け係数、及び、前記放射線の吸収量に基づき、前記座標系を通過する前記放射線に影響を与える物質の分布に対応する前記単位領域の変数の値を逐次近似法により求める画像演算部を備える請求項2〜4のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置。
  8. 前記画像演算部は、前記単位領域のインデックス番号をiとし、前記放射線検出画素の検出開始時をtとし、前記放射線検出画素の検出終了時をtとし、前記検出信号をIとし、前記線源部から照射される単位時間当たりの前記放射線の積算量に対応する量をIとし、時点tにおける前記重み付け係数をai(t)とし、前記変数をμi、とした場合、次式により前記変数の値を求める、請求項7に記載の再構成画像生成装置。
    Figure 2015075336
  9. 前記演算部は、前記座標系を通過する前記放射線に影響を与える物質の分布に対応する前記単位領域の変数の値の概算分布と、複数の前記検出信号の各々に対応した前記対象領域ごとの前記単位領域の重み付け係数に基づき、逐次近似法により前記被測定物が載置された空間内の前記変数の値を求める画像演算部を備える請求項2〜4のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置。
  10. 前記画像演算部は、前記単位領域のインデックス番号をiとし、前記放射線検出画素の検出開始時をtとし、前記放射線検出画素の検出終了時をtとし、前記検出信号をIとし、前記線源部から照射される単位時間当たりの前記放射線の積算量に対応する量をIとし、時点tにおける前記重み付け係数をai(t)とし、前記変数をμiとし、前記単位領域の変数の値の概算分布をμ1iとした場合、次式により前記変数の値を求める請求項9に記載の再構成画像生成装置。
    Figure 2015075336
  11. 前記演算部は、前記概算分布を逆投影法から求める請求項9又は10に記載の再構成画像生成装置。
  12. 前記演算部は、前記対象領域に対応する複数の前記単位領域を選択する単位領域選択部を備える請求項2〜11のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置。
  13. 前記演算部は、前記対象領域を特定する対象領域特定部を有する、請求項1に記載の再構成画像生成装置。
  14. 前記移動部は、前記座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に回転移動させる回転部であって、前記対象領域特定部は、前記検出期間の開始タイミングから終了タイミングまでの間に前記回転部が回転した回転角度に基づき前記対象領域を特定する請求項12に記載の再構成画像生成装置。
  15. 前記対象領域特定部は、前記対象領域を前記検出期間の開始タイミングと終了タイミングの少なくともどちらか一方の前記線源と前記前記放射線検出画素の前記座標系における位置情報に基づいて特定する請求項12に記載の再構成画像生成装置。
  16. 前記対象領域特定部は、前記対象領域を前記検出期間の開始タイミングと終了タイミングの少なくともどちらか一方の時間に基づいて特定する請求項12に記載の再構成画像生成装置。
  17. 前記放射線は、X線である請求項1〜16のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置。
  18. 前記放射線検出画素が複数並んでいる検出器を有する請求項1〜17のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置。
  19. 前記放射線が照射されている前記被測定物を撮像する請求項1〜18のいずれか一項に記載の再構成画像生成装置と、
    前記再構成画像生成装置で生成した再構成画像に基づいて、前記被検物の形状に関する情報を取得する形状情報取得部と、を備える形状測定装置。
  20. 構造物の形状に関する設計情報に基づいて前記構造物を成形する成形装置と、
    前記成形装置によって成形された前記構造物の形状を測定する請求項19に記載の形状測定装置と、
    前記形状測定装置によって測定された前記構造物の形状を示す形状情報と前記設計情報とを比較する制御装置と、前記制御装置の比較結果に基づいて前記構造物を修復するリペア装置と、を備える構造物製造システム。
  21. 線源部から被測定物に放射線を照射し、放射線検出画素で前記被測定物を透過し画素面に入射した前記放射線の量を検出する再構成画像生成方法であって、
    前記被測定物に固定された座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させ、
    線源部から照射され、前記被測定物を透過し前記画素面に入射した前記放射線の量を検出し、
    前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させる検出期間に、前記画素面に入射した前記放射線の積算量に対応する検出信号を取得し、
    前記検出期間に前記画素面に向かう前記放射線が通過する各々の対象領域と、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号との関係に基づいて、前記座標系に再構成画像を生成する再構成画像生成方法。
  22. 線源部から被測定物に放射線を照射し、放射線検出画素で前記被測定物を透過し画素面に入射した前記放射線の量を検出する再構成画像生成装置を用いて、
    前記被測定物に固定された座標系に対し前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させ、
    線源部から照射され、前記被測定物を透過し前記画素面に入射した前記放射線の量を検出し、
    前記線源部と前記放射線検出画素を相対的に移動させる検出期間に、前記画素面に入射した前記放射線の積算量に対応する検出信号を取得し、
    前記検出期間に前記画素面に向かう前記放射線が通過する各々の対象領域と、複数の前記検出期間に対応する複数の前記検出信号との関係に基づいて、再構成画像を生成する処理を実行させる再構成画像生成プログラム。
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