JP5155807B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関する。
MRI装置としては、連結柱によって離間された上下一対の円盤状の容器内に電磁石装置が設けられた開放型MRI装置が開発されている。開放型MRI装置では、一対の前記容器の間に十分なガントリーギャップを設け、このガントリーギャップ内の撮像領域に被検者が置かれる。このため、被検者の視界が閉ざされず開放感があり、被検者はガントリーギャップ内で仰臥することができ、被検者に好評である。また、一対の前記容器の間からは被検者へのアクセスが容易であるので、検査のセッティングが容易に行え、検査を行う人にも好評である。
前記電磁石装置として超電導コイルを用いた開放型のMRI装置では、撮像領域に数ppm程度の均一度で0.7T以上の高磁場の静磁場を生成している。そして、MRI装置の周囲の医療機器への影響を避けるために、装置周囲の漏洩磁場を0.5mT程度に抑制している。メインコイルに対してシールドコイルを設置し、シールドコイルにメインコイルとは逆方向の磁場を発生させて、漏洩磁場を抑制している。また、メインコイルの径方向内側に磁性体を設置して、撮像領域における静磁場の均一度を高めている。
磁性体を設置して撮像領域の静磁場の均一度を高める手法として、複数層の磁性体をメインコイル径方向内側に設置する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、複数の同心円状の円環をメインコイルの径方向内側に設置する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。又、メインコイルの径方向内側に設置された円環状の磁性体の撮像領域とは反対の側に、円環状の磁性体の外径より直径が大きい円盤を配置する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許3662220号公報 特開2002−10993号公報 特開2007−190316号公報
MRI装置では、より鮮明な画像を得るために、撮像領域の静磁場の高磁場化が進んでいる。一般的には、高磁場化するためには、電磁石装置の超電導コイルの起磁力を増大させる必要があり、超電導コイルの起磁力を増大させるには、超電導コイルの電流密度を増大させる必要があると考えられている。
しかし、超電導コイルの電流密度は、超電導コイルの冷却温度と最大経験磁場で決まる臨界電流密度以下に制限される。超電導コイルの起磁力を増大させるために、電流密度を増大させると、前記臨界電流密度に近づくため超電導コイルの超電導状態が失われるクエンチ現象の発生確率が高まる。特に、液体ヘリウム(He)を冷媒として使用している超電導コイルでは、クエンチ現象の発生は高価な液体ヘリウムを損失させるため、ランニングコストを増大させる。
そこで、本発明の課題は、撮像領域の静磁場を高磁場に設定しつつ、クエンチの発生確率を低減させるために、超電導コイルの起磁力を低減することである。
本発明では、撮像領域を挟んで対向する一対のメインコイルと、前記メインコイルによる漏れ磁場を抑制する磁場を生成し、撮像領域を挟んで対向する一対のシールドコイルと、前記メインコイルの径方向内側に設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第1磁性体と、前記第1磁性体の径方向内側に唯一設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第2磁性体と、外径が前記第1磁性体の円環の外径より大きく、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第3磁性体とを有し、前記第3磁性体は、前記第1磁性体及び前記第2磁性体よりも前記撮像領域から離れた位置に配置され、前記第2磁性体の径方向の幅が、前記第1磁性体の径方向の幅より狭いMRI装置であることを特徴としている。
また、本発明では、撮像領域を挟んで対向する一対のメインコイルと、前記メインコイルによる漏れ磁場を抑制する磁場を生成し、撮像領域を挟んで対向する一対のシールドコイルと、前記メインコイルの径方向内側に設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第1磁性体と、前記第1磁性体の径方向内側に唯一設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円盤状の第2磁性体と、直径が前記第1磁性体の円環の外径より大きく、撮像領域を挟んで対向する一対の円盤状の第3磁性体とを有し、前記第3磁性体は、前記第1磁性体及び前記第2磁性体よりも前記撮像領域から離れた位置に配置され、前記第2磁性体の半径が、前記第1磁性体の径方向の幅より狭いMRI装置であることを特徴としている。
本発明によれば、撮像領域の静磁場を高磁場に設定しつつ、クエンチの発生確率を低減させるために、超電導コイルの起磁力を低減することができるMRI装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るMRI装置(磁気共鳴イメージング装置)1の斜視図を示す。図1に示すように、第1の実施形態に係るMRI装置1は、外側に上下一対の真空容器3を備える電磁石装置2と、上下一対の真空容器3を互いに離間させて支持する連結柱6と、上下一対の真空容器3の間に配置されたベッド8を有している。電磁石装置2及び上下一対の真空容器3は、共通の中心軸10に対して概ね軸回転対称の円盤形状をしている。この電磁石装置2によれば、上下一対の真空容器3の間の球状の撮像領域4に、磁場強度が0.7T以上の強磁場であり、その磁場強度の均一性が数ppmの高い均一度を有し、磁場の方向5が中心軸10と平行である静磁場を生成することができる。撮像領域4とは、ベッド8が挿入される領域であり、撮像画像を得るのに必要な磁場強度を有する空間を示す。また、上下一対の真空容器3の互いに対向する面上には、撮像領域4を挟むように上下一対のシムトレイ7が設置されている。シムトレイ7上に磁性体の小片を適切に配置することにより、撮像領域4の静磁場の目標磁場からの微小なズレを補正することができる。
上下一対の真空容器3は、それぞれ円環形状であり、中心軸10を対称軸とする概ね軸回転対称に、かつ、直線(赤道面上の座標軸)9aを含む平面(赤道面)を対称面とする概ね面対称になるように配置されている。後記の説明のために、図1に示すような極角θ(シータ)と方位角ψ(プサイ)で表される球面座標(θ,ψ)系を設定しておく。この球面座標系では、中心軸10と、赤道面あるいは赤道面上の座標軸9aとの交点を原点としている。また、対象座標と原点とを通る直線が中心軸10と成す角度を極角θとし、対象座標と原点とを通る直線を赤道面に投影した直線が赤道面上の座標軸9aと成す角度を方位角ψとしている。
図2に、図1のII−II方向の矢視断面図を示す。電磁石装置2は、対向して配置された上下一対の冷却容器13を、対向して配置された上下一対の真空容器3の中に有している。冷却容器13は、真空容器3の中にあって外界から断熱されている。上下一対の冷却容器13の中に、前記中心軸10を共通の中心軸とし対向して配置された少なくとも上下一対のメインコイル11と、前記中心軸10を共通の中心軸とし対向して配置されメインコイル11とは逆方向の磁場を発生する少なくとも上下一対のシールドコイル12とを、冷媒の液体ヘリウムと共に収容している。メインコイル11とシールドコイル12とは、超電導コイルであり、冷却容器13の中にあって冷媒によって冷却され超電導状態になっている。メインコイル11は、中心軸10方向に対して、シールドコイル12よりも撮像領域4(赤道面9)に近い位置に配置される。なお、シールドコイル12は、メインコイル11がMRI装置1の外部に生成する磁場(漏れ磁場)を抑制する磁場を生成する。
また、電磁石装置2は、前記中心軸10を共通の中心軸とする上下一対の円環状の第1磁性体15と、前記中心軸10を共通の中心軸とする上下一対の円環状の第2磁性体16と、前記中心軸10を共通の中心軸とする上下一対の円環状の第3磁性体17と、前記中心軸10を共通の中心軸とする上下一対の円環状の第4磁性体18とを有している。第1磁性体15と、第2磁性体16と、第3磁性体17と、第4磁性体18とは、真空容器3の内部で、冷却容器13の外部に設けられ、冷却容器13の径方向の内側に配置されている。
第1磁性体15は、メインコイル11の径方向内側に設けられている。第2磁性体16は、第1磁性体15の径方向内側に唯一設けられている。また、第2磁性体16の径方向の幅W2は、第1磁性体15の径方向の幅W1より狭くなっている。第2磁性体16の径方向の幅W2は、第1磁性体15の内周面と第2磁性体16の外周面との面間距離Dより広くなっている。撮像領域4が上下一対の第2磁性体16の中心軸10の方向の間に設けられている。第3磁性体17は、外径が第1磁性体15の円環の外径より大きくなっている。また、第3磁性体17は、一対の第1磁性体15の円環の中心軸方向の一対の第1磁性体15の外側で、一対の第2磁性体16の円環の中心軸方向の一対の第2磁性体16の外側に配置されている。第4磁性体18は、メインコイル11の径方向内側で、第1磁性体15の径方向外側に配置されている。
第1磁性体15及び第2磁性体16は、中心軸10の方向に対して、メインコイル11の撮像領域4側の面よりも、撮像領域4(赤道面9)から離れて遠い位置に配置される。第4磁性体18の撮像領域4側の面が、中心軸10方向に対して、第1磁性体15及び第2磁性体16よりも撮像領域4(赤道面9)に近い位置に配置される。なお、第1磁性体15,第2磁性体16を通って第3磁性体17を通過した磁束が、メインコイル11とシールドコイル12の間を通過するように、第1磁性体15,第2磁性体16,第3磁性体17を配置するとよい。本実施形態では、図3に示すように、第1磁性体15及び第2磁性体16が、第3磁性体17の撮像領域4側の面に接するように配置している。このような構成により、第1磁性体15及び第2磁性体16を通過した磁束が、第3磁性体17へ通りやすくなり、撮像画像がさらに鮮明になる。また、第1磁性体15及び第2磁性体16を第3磁性体17に固定することで、支持構造が簡素化され、製作性も向上する。なお、第1磁性体15及び第2磁性体16は、第3磁性体17から離して配置しても良い。
シムトレイ7は真空容器3の外部に配置され、第1磁性体15と第2磁性体16の赤道面上の座標軸9aの側に設けられている。
図3に、電磁石装置2の赤道面9より上の上半分について、図1のII−II方向の矢視断面図を示す。また、撮像領域4の外周部に沿った静磁場の磁場強度分布21を合わせて示している。電磁石装置2の上半分を記載し、下半分を省いたのは、電磁石装置2の上半分と下半分とは対称形であり、磁場強度分布21も含め、下半分は上半分の対称形になると容易に類推できるからである。後記で説明する図面も同様の理由で下半分の記載を省いて上半分を記載している。そして、磁場強度分布21を示す点線は、撮像領域4の外周部から外側に離れる程、磁場強度が大きくなることを示している。また、磁場強度分布21を示す破線が、撮像領域4の外周部の内側に入る程、磁場強度が小さくなることを示している。これより、磁場強度分布21は、撮像領域4の外周部上において、中心軸10から赤道面9への間に、中心軸10側から、第1極大点22と第2極大点23と第3極大点25とを有していることがわかる。また、第2極大点23と第3極大点25との間には、極小点24が生じている。極小点24は、極角θが55度から65度の範囲の方向に発生している。極角θが極小点24より小さい範囲で、第1極大点22と第2極大点23の最大2つの極大点を有している。また、極角θが極小点24より大きい範囲で、第3極大点25を1つ有している。
このように、極小点24の位置を示す極角θを55度から65度までの範囲に設定し、極角θがゼロ度から極小点24の位置する極角までの範囲において最大で2個の極大点22、23を持ち、極角θが極小点24の位置する極角から90度までの範囲において1個の極大点25を持つように磁性体15〜18を配置することにより、撮像領域4の高磁場と高い均一度を保ちつつ、メインコイル11の起磁力を低減することができる。又、従来同様、被検者が仰臥するために必要なガントリーギャップを確保しつつ、MRI装置1の高さ及び幅を病院の診療室に収めるように所定のサイズに抑えることができる。
次に、メインコイル11とシールドコイル12の起磁力の低減方法について説明する。
図4に、電磁石装置2の上半分における主要な磁場の磁場強度分布図を示している。なお、磁場強度分布の分布形状をわかりやすくするために、真空容器3、冷却容器13、シムトレイ7は記載を省略している。
図4に示すように、磁場強度の等高線26aが、第2磁性体16から、撮像領域4、特に、第1極大点22に向かって、地図的にいうと尾根状に延びている。このことから、第2磁性体16から延びる等高線26aによって第1極大点22が形成されていることがわかる。同様に、磁場強度の等高線26bが、第1磁性体15から、撮像領域4、特に、第2極大点23に向かって、地図的にいうと尾根状に延びている。このことから、第1磁性体15から延びる等高線26bによって第2極大点23が形成されていることがわかる。磁場強度の等高線26cが、第4磁性体18とメインコイル11から、撮像領域4、特に、第3極大点25に向かって、地図的にいうと尾根状に延びている。このことから、第4磁性体18とメインコイル11から延びる等高線26cによって第3極大点25が形成されていることがわかる。磁場強度の等高線26bと等高線26cの間の領域に対応して、極小点24が発生している。磁場強度の等高線26bと等高線26cの間の領域が開いているのは、シールドコイル12によってこの領域の磁場強度が低下しているためであると考えられる。
そして、第1極大点22等の極大点の撮像領域4の外周部に沿った個数と、その極大点における磁場強度と、極小点24の撮像領域4の外周部に沿った個数と、その極小点における磁場強度とを設計することにより、すなわち、撮像領域4の外周部に沿った磁場強度分布21を設計することにより、撮像領域4の外周部の磁場均一度を所定の精度に保っている。撮像領域4の外周部の磁場均一度を高めることにより、撮像領域4内の全域の磁場均一度を高めることができる。
なお、撮像領域4の外周部に沿って磁場強度分布21を求めるには、一般的に球面調和関数等を用いて直交基底に展開する方法が用いられている。極角θと方位角ψで表される球面座標(θ,ψ)における磁場B(θ,ψ)の球面調和関数展開を次の数1の式に示す。

Figure 0005155807

ここでP (cosθ)はLegendre陪関数である。又、係数Cl,m及び係数Dl,mはそれぞれ次の数2の式と数3の式で定義される。

Figure 0005155807

Figure 0005155807
撮像領域4の外周部に沿った磁場強度分布21において、極大点及び極小点の個数が多いほど極角θ方向に関するモード展開の次数l(エル)が高くなり、撮像領域4の均一磁場を細かく調整できる反面、重ね合わせるモードの個数が多くなる。所定の磁場強度を得て、かつ、所定の均一磁場を得るために、高次のモードまで用いると、モード間で互いに周期と位相とが異なり、モード毎に生じる磁場は一部で打ち消しあっている。このため、モード毎では、打ち消しあう磁場を生成するための起磁力を発生させるので、メインコイル11に発生させる単位時間当たりの起磁力、すなわち消費電力が増加する。
逆に、所定の磁場均一度の範囲内で、極力、極大点及び極小点の個数を減らすことにより、メインコイル11の起磁力を低減することができる。
第1の実施形態では、実用上必要最小限に撮像領域4の範囲を狭め、撮像領域4の外周部に沿って極大点及び極小点を発生させる突起状の磁性体を、第1磁性体15と第2磁性体16の2つにして、従来の電磁石装置より減らすことにより、メインコイル11のコイル電流の低減を図っている。撮像領域4の上半分の外周部における極大点の個数を軸対称な3個に制限し、突起状の磁性体の個数を、第1磁性体15と第2磁性体16の2個まで低減し、均一磁場を構成する磁場の直交基底の次数lを抑えて、メインコイル11の起磁力を従来の電磁石装置に比べて5%以上低減することに成功している。起磁力を下げることで、クエンチの発生確率を低減して、高価な液体ヘリウム等の冷媒の消費を抑えてランニングコストを下げることができる。特に、超電導コイルの起磁力を5%低減することができれば、MRI装置の運転開始時におけるトレーニングクエンチの回数を半減でき、ランニングコストを大幅に低減することができる。又、クエンチの発生確率を低減することにより、MRI装置1の信頼性及び稼働率を向上することができる。
尚、極角θが大きい程、前記数2の係数Cl,mの式、及び、前記数3の係数Dl,mの式における積分領域が広くなるため、前記数1の磁場B(θ,ψ)の式における磁場強度を示す係数Cl,m、及び、係数Dl,mが大きくなる。このことから、撮像領域4の上半分の外周部上を中心軸10の側から赤道面9の側に向かう程、極大点における磁場強度が大きくなり、調整に要する磁性体の量が多くなる。磁性体の量は円環状の磁性体における径方向の幅で決まり、内側の円環状の磁性体(第2磁性体16)の幅W2より、外側の円環状の磁性体(第1磁性体15)の幅W1の方が広い幅を必要とする。又、内側の円環状の磁性体(第2磁性体16)における径方向外端面と外側の円環状の磁性体(第1磁性体15)における径方向の内端面の間の距離Dが、内側の円環状の磁性体(第2磁性体16)における径方向の幅W2を超えると、第1極大点22と第2極大点23の間に挟まれた極小点の磁場強度が小さくなり、撮像領域4の外周部上における所定の均一度を満足することが困難になるため、距離Dは、内側の円環状の磁性体(第2磁性体16)における径方向の幅W2より狭い値に制限されている。
(第2の実施形態)
図5に、本発明の第2の実施形態に係るMRI装置1に用いられる電磁石装置2の上半分の断面図を示す。図5に示すように、第2の実施形態のMRI装置1は、第1の実施形態のMRI装置と比較して、第2磁性体16が円環状ではなく円盤状になっている点が異なっている。これに伴い、第3磁性体17も円環状ではなく円盤状になっている点が異なっている。そして、第2磁性体16の半径W2が、第1磁性体15の径方向の幅W1より狭くなっている。第2磁性体16の半径W2が、第1磁性体15の内周面と第2磁性体16の外周面との面間距離Dより広くなっている。
第2磁性体16および第3磁性体17の円環状から円盤状への変更は、円環を中心軸10まで延長した場合であると考えられる。第1の実施形態では、第2磁性体16と第3磁性体17は、中心軸10の周囲に中心軸10を取り囲むように配置され、これに対応して、第1極大点22も中心軸10の周囲に中心軸10を取り囲むように生じている。これに対し、第2の実施形態では、第2磁性体16と第3磁性体17内を中心軸10が通過し、これに対応して、第1極大点22は中心軸10上に生じている。第1極大点22は、第1の実施形態では図3に示すように2つの山の頂点となっているが、第2の実施形態では図5に示すように1つの山の頂点となっている。撮像領域4の上半分に生じる極大点の数は、第1の実施形態では図3に示すように6つとなっているが、第2の実施形態では図5に示すように5つとなっている。このように、第2の実施形態では、第1の実施形態に比べて、極大点の数を減らすことができ、撮像領域4の外周部に均一磁場を形成するための基底の次数をさらに下げることができる。そして、この結果として、メインコイル11の起磁力をさらに低減することが可能となる。又、第2磁性体16および第3磁性体17において、径方向中心部の孔がなくなるので、加工工数が減らせ、製造コストを削減することができる。
(第3の実施形態)
図6に、本発明の第3の実施形態に係るMRI装置1に用いられる電磁石装置2の上半分の断面図を示す。図6に示すように、第3の実施形態のMRI装置1は、第1の実施形態のMRI装置と比較して、第3磁性体17の第1磁性体15の円環の中心軸方向の厚さが、第1磁性体15の径方向内側の厚さWaと径方向外側の厚さWbとで等しくなく、第1磁性体15の径方向内側の厚さWaより径方向外側の厚さWbの方で厚くなっている点が異なっている。第3磁性体17の第1磁性体15の径方向外側の厚さWbを厚くするために、第3磁性体17の赤道面9側の第1磁性体15の径方向外側には、円環状の磁性体の調厚部17aが設けられている。調厚部17aは、第1磁性体15に近接して配置されている。
第2磁性体16から吸い込まれた磁束27aの大部分は、第3磁性体17を径方向に通り抜け、メインコイル11とシールドコイル12の間を通る磁束27cに合流する。第1磁性体15から吸い込まれた磁束27bは、一部は第3磁性体17を径方向に通り抜けるが、他の一部は調厚部17aを径方向に通り抜け、共に磁束27cに合流する。このことにより、磁束27aと磁束27bとを径方向に通すために第3磁性体17に集中していた磁束27a、27bを、調厚部17aにも通すことで、磁束27a、27bを分散させて密度を低減し、磁束27aと磁束27bを通すための磁路を確保することができる。そして、漏れる量を抑えて磁束27cに合流することができるので、撮像領域4の磁場均一度を向上させるだけでなく、MRI装置1の外部への漏洩磁場を低減することができる。
(第4の実施形態)
図7に、本発明の第4の実施形態に係るMRI装置1に用いられる電磁石装置2の上半分の断面図を示す。図7に示すように、第4の実施形態のMRI装置1は、第1の実施形態のMRI装置と比較して、前記中心軸10を共通の中心軸とする上下一対の円環状の経験磁場低減用磁性体(第5磁性体)19を有している点が異なっている。経験磁場低減用磁性体19は、一対のメインコイル11の円環の中心軸方向の一対のメインコイル11の外側(メインコイル11の赤道面9の反対側)に、メインコイル11と対向して配置されている。経験磁場低減用磁性体19は、メインコイル11から離れて配置されている。経験磁場低減用磁性体19は、最大経験磁場が発生するメインコイル11の上面(赤道面9とは反対側の面)における磁束を引き込み、メインコイル11の上辺における磁束密度を低減して、最大経験磁場を下げることができる。最大経験磁場を低減することにより、クエンチ発生の可能性を低減することができ、ランニングコストの低減を図ることが可能となる。
(第5の実施形態)
図8に、本発明の第5の実施形態に係るMRI装置1に用いられる電磁石装置2の上半分の断面図を示す。図8に示すように、第5の実施形態のMRI装置1は、第1の実施形態のMRI装置と比較して、シムトレイ7に替えて、シムコイル7a、7bを有している点が異なっている。シムコイル7a、7bによっても、撮像領域4の外周部上の磁場を微調整することができる。シムトレイ7を用いると、磁性体小片をシムトレイ7の適切な位置に配置する作業に時間を要する場合があるが、シムコイル7a、7bを用いると、予め適切な位置にシムコイル7a、7bを設置しておけば、シムコイル7a、7bの電流を調整するだけで、撮像領域4の外周部上の磁場を均一化することができ、磁場調整のための作業工数を低減できる。そして、製造コストを低減できる。
本発明の第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の斜視図である。 図1のII−II方向の矢視断面図である。 磁気共鳴イメージング装置に用いられる電磁石装置の上半分で、図1のII−II方向の矢視断面図である。 電磁石装置の上半分における磁場強度分布図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に用いられる電磁石装置の上半分の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に用いられる電磁石装置の上半分の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に用いられる電磁石装置の上半分の断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に用いられる電磁石装置の上半分の断面図である。
符号の説明
1 磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)
2 電磁石装置
3 真空容器
4 撮像領域(均一磁場領域)
5 磁場の方向
6 連結柱
7 シムトレイ
7a、7b シムコイル
8 ベッド
9 赤道面
9a 赤道面上の座標軸
10 中心軸
11 メインコイル
12 シールドコイル
13 冷却容器
15 第1磁性体
16 第2磁性体
17 第3磁性体
17a 調厚部
18 第4磁性体
19 第5磁性体
21 磁場強度分布
22 第1極大点
23 第2極大点
24 極小点
25 第3極大点
26a、26b、26c 磁場強度の等高線
27a、27b、27c 磁束

Claims (8)

  1. 撮像領域を挟んで対向する一対のメインコイルと、
    前記メインコイルによる漏れ磁場を抑制する磁場を生成し、撮像領域を挟んで対向する一対のシールドコイルと、
    前記メインコイルの径方向内側に設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第1磁性体と、
    前記第1磁性体の径方向内側に唯一設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第2磁性体と、
    外径が前記第1磁性体の円環の外径より大きく、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第3磁性体とを有し、
    前記第3磁性体は、前記第1磁性体及び前記第2磁性体よりも前記撮像領域から離れた位置に配置され、
    前記第2磁性体の径方向の幅が、前記第1磁性体の径方向の幅より狭いことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記第2磁性体の径方向の幅が、前記第1磁性体の内周面と前記第2磁性体の外周面との面間距離より広いことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 撮像領域を挟んで対向する一対のメインコイルと、
    前記メインコイルによる漏れ磁場を抑制する磁場を生成し、撮像領域を挟んで対向する一対のシールドコイルと、
    前記メインコイルの径方向内側に設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第1磁性体と、
    前記第1磁性体の径方向内側に唯一設けられ、撮像領域を挟んで対向する一対の円盤状の第2磁性体と、
    直径が前記第1磁性体の円環の外径より大きく、撮像領域を挟んで対向する一対の円盤状の第3磁性体とを有し、
    前記第3磁性体は、前記第1磁性体及び前記第2磁性体よりも前記撮像領域から離れた位置に配置され、
    前記第2磁性体の半径が、前記第1磁性体の径方向の幅より狭いことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記第2磁性体の半径が、前記第1磁性体の内周面と前記第2磁性体の外周面との面間距離より広いことを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記メインコイルの径方向内側で、前記第1磁性体の径方向外側に、対向して配置される一対の円環状の第4磁性体を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記第3磁性体の中心軸方向の厚さは、径方向内側より径方向外側の方が厚いことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 一対の前記メインコイルの中心軸方向の外側に、撮像領域を挟んで対向する一対の円環状の第5磁性体を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 一対の前記メインコイルの共通の中心軸と成す極角方向の磁場強度の分布は、
    前記極角が55度から65度の範囲の方向において極小点を有し、
    前記極角が前記極小点より小さい範囲で、極大点を最大2つ有し、
    前記極角が前記極小点より大きい範囲で、極大点を1つ有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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