以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図3に基づいて説明する。図1は本実施形態の入退室管理装置の概略ブロック図、図2(a)(b)は各部の配置例を模式的に示した配置図である。
入退室管理装置は、制限領域である部屋Rへの入退室を管理するために用いられ、部屋Rの出入り口Eに設けた扉Dの施錠/解錠を行う電気錠からなる錠手段1と、この錠手段1の解錠/施錠を制御する錠制御手段2と、入室しようとする者が予め許可されている者であるか否かを判断するためのID認証手段3と、画像監視手段4とを主要な構成として備えている。ここで、本実施形態では出入り口Eに設けた扉Dは共用空間A側に開くようになっており、画像監視手段4の撮像手段40は制限領域である部屋Rの出入り口E付近を撮像するようになっている。
ID認証手段3はICカード、顔認証、指紋認証など個人を特定できる適宜な操作手段3a,3bを有し、共用空間A内で出入り口E近傍の所定エリアに入室者が認証操作を行う操作手段3aを設置するとともに、部屋R内で出入り口E近傍の所定エリアに退室者が認証操作を行う操作手段3bを設置してある。
画像監視手段4は、部屋Rの天井Xに設置されて、出入り口E近傍の部屋R内を撮像する第1の撮像手段(以下、撮像手段と略称す。)40と、撮像手段40で撮像された画像から撮像領域W内の動・静止人物の抽出を行い、出入り口E付近で出現し部屋Rの内側へ移動する物体(人)の数(入室人数)および部屋Rの内側から出入り口Eの方向へ移動し出入り口E付近で消失する物体(人)の数(退室人数)を計数する通過人数計数手段41と、錠制御手段2を介して入力されたID認証手段3の認証数と通過人数の計数値とに基づいて不正な入退室の有無を判定する信号処理手段42(出力手段)とを備える。
通過人数計数手段41は、例えば撮像手段40で撮像した距離画像を用いるもので、予め人が存在しない背景画像を記憶し、この記憶した背景画像と現時刻の画像の差分から求まる前景部分を切り出すことで、撮像範囲内の対象物(人H)を抽出するとともに、このような物体抽出処理を一定時間間隔で行って抽出物体の画像上の位置を算出する。そして、通過人数計数手段41では、抽出物体の現時刻での算出位置と前の時刻での算出位置との対応付けを行うことで、移動する抽出物体のトラッキングを行い、そのトラッキングの結果、出入り口E付近で出現し部屋R側でトラッキングが消失するものを入室者、部屋Rの内側から出入り口E側に移動して出入り口E付近でトラッキングが消失するものを退室者とし、入室者および退室者の人数をそれぞれ計数するのである。
次に、この入退室管理装置の動作を図3のフロー図に従って説明する。尚、図3のフロー図は、上述した各手段1〜4の動作が理解しやすいようにブロック図的に表現してある。
まず、錠制御手段2による認証処理について説明する。共用空間A又は部屋Rに設置されたカードリーダなどの操作手段3a,3bを用いて認証操作が行われると、ID認証手段3から錠制御手段2に入室認証要求または退室認証要求が出力される(S1)。錠制御手段2は、ID認証手段3から入室認証要求又は退室認証要求が入力されると、入室しようとする者が入室権限を有する人物か否か、或いは、退室しようとする者が既に認証を済ませて入室していた人物か否かを判断し(S2)、認証要求が有効であれば、その都度、有効な認証数(入室認証数または退室認証数)を画像監視手段4に出力するとともに(S3)、錠手段1を解錠させる解錠処理を行う。
錠制御手段2は、S2の判定の結果、認証要求が有効なものであると判断すると、錠手段1を解錠させる施解錠信号を出力する(S4)。錠手段1は、錠制御手段2からの施解錠信号に応じて解錠し(S5)、扉Dの開閉を検知するセンサ(図示せず)から入力された扉開閉状態の検知信号および施解錠状態を示す信号を錠制御手段2に出力する(S6)。そして、解錠後に所定時間(例えば10秒間)が経過し、扉Dが閉じられると、錠手段1は施錠するとともに(S5)、扉開閉状態の検知信号および施解錠状態を示す信号を錠制御手段2に出力する(S6)。なお、錠手段1を解錠させた後に施錠するタイミングは、解錠後に扉Dが閉じられるのを検知した時点としても良い。また、錠制御手段2は、錠手段1から扉開閉状態の検知信号および施解錠状態を示す信号が入力されると、これらの信号を画像監視手段4に出力する(S7)。
画像監視手段4では、通過人数計数手段41が、所定のサンプリング間隔で撮像手段40から画像を取得し(S8)、背景差分などの方法を用いて人体を抽出した後(S9)、抽出した人体のトラッキングを行っており(S10)、この一連の処理を繰り返し実行する。なお、人体の抽出処理やトラッキング処理は汎用的な画像処理方法を利用して行えば良い。
画像監視手段4では、錠制御手段2から入室認証数または退室認証数が入力されると、内蔵する入室認証数カウンタ或いは退室認証数カウンタを用いて、入室認証数又は退室認証数のカウントアップを行う(S11)。なお、入室認証数カウンタおよび退室認証数カウンタのカウント値の初期化(ゼロクリア)は以下の手順で行う。すなわち、画像監視手段4では、錠制御手段2から施解錠状態および扉Dの開閉状態を示す信号を取得しており(S12)、これらの信号をもとに例えば錠状態が解錠状態から施錠状態に変化した時点でゼロクリアを行う(S13)。この場合、各カウンタでは、解錠前の施錠状態から、解錠されその後施錠されるまでの間の認証数が計数されることになる。なお画像監視手段4では、解錠時に検出された通過人数が認証数に達した時点、若しくは、錠状態が解錠状態から施錠状態に変化した時点のうち何れか早い方で認証カウント値のゼロクリアを行っても良く、この場合は、解錠前の施錠状態から解錠され、その後通過人数が認証数に達するまでの認証数がカウンタに計数されることになる。このような手順でゼロクリアを行うのは、解錠状態で計測された通過人数と、認証処理が行われた有効な認証数との比較を行うためである。
また画像監視手段4では、錠制御手段2から錠状態を取得すると(S12)、解錠中か否かの判断を行い(S14)、解錠中であればS10のトラッキング処理で得られた人Hの時系列動作の検知結果をもとに人の通過方向(入室方向または退室方向)を検出し、内蔵する入室通過カウンタまたは退室通過カウンタにより入室通過人数または退室通過人数のカウントアップを行わせる(S15)。なお画像監視手段4では、以下のような手順で入室通過カウンタまたは退室通過カウンタのカウント値を初期化(ゼロクリア)する。
画像監視手段4の信号処理手段42では、内蔵する入室認証数カウンタの入室認証カウント値NI1、退室認証数カウンタの退室認証カウント値NO1と、入室通過カウンタの入室通過人数カウント値NI2、退室通過カウンタの退室通過人数カウント値NO2とを用いて以下の方法で通過人数と認証数の不整合、すなわち不正な入退室の検知を行う(S16)。ここで、入室のみを監視し、退室は自由に行えるようにした場合、信号処理手段42は、入室通過人数カウント値NI2が入室認証カウント値NI1を上回ると(NI1<NI2)、通過人数と認証数の不整合が発生したと判断し、警報信号を出力して(S17)、錠制御手段2が内蔵する電子ブザー等の警報出力手段(図示せず)から警報を出力させる(S18)。また入室および退室を両方とも監視したい場合、信号処理手段42は、入室通過人数カウント値NI2が入室認証カウント値NI1を上回るか(NI1<NI2)、或いは、退室通過人数カウント値NO2が退室認証カウント値NO1を上回ると(NO1<NO2)、入室側あるいは退室側で通過人数と認証数の不整合が発生したと判断し、警報信号を出力して(S17)、錠制御手段2の内蔵する警報出力手段から警報を出力させる(S18)。
また画像監視手段4では、内蔵する入室通過人数カウンタまたは退室通過人数カウンタのカウント値を以下のタイミングで初期化する(S19)。すなわち画像監視手段4では、錠状態が解錠状態から施錠状態に変化したタイミングで通過人数カウンタのカウント値(入室通過人数カウント値および退室通過人数カウント値)を初期化しており、施錠状態から解錠後、再度施錠されるまでの間に通過した人数をカウントすることができる。なお画像監視手段4では、各通過人数カウンタの計測値(入室通過人数又は退室通過人数)が認証数に達した時点、又は、錠状態が解錠状態から施錠状態に変化した時点のうち何れか早い方で通過人数カウンタのカウント値を初期化するようにしても良く、施錠状態から解錠後、再度施錠されるまでの間に通過した人数をカウントすることができる。
また画像監視手段4では、通過人数と認証数の不整合を検出して警報信号を出力した場合(例えば入室認証カウント値が1で、入室通過人数カウント値が2の場合)、警報出力後、解錠中であれば入室通過カウンタにより計数された入室通過人数カウント値を1(この時点での入室認証カウント値)に書き換えている。このように、画像監視手段4が、入室通過人数カウント値を現時点での入室認証カウント値に書き換えておけば、解錠中に入室しようとする人がID認証手段3を用いて認証処理を行うと、入室認証カウント値が2となり、その後この人物が入室することによって、入室通過人数カウント値が2となるので、入室認証カウント値と入室通過人数カウント値の値が同じ値となり、通過人数と認証数との不整合が発生しないので、警報信号が出力されることはない。なお、警報信号発生後に入室通過人数カウント値を補正しない場合、警報出力後の解錠期間中に入室しようとする人物が認証処理を行って入室すると、入室認証カウント値が2、入室通過人数カウント値が3となり、認証後の通過にもかかわらず認証数と通過人数との不整合が発生し、警報信号が出力されてしまうが、上述のように画像監視手段4が、入室通過人数カウント値を現時点での入室認証カウント値に書き換えることで、このような誤動作を防止することができる。
本実施形態の入退室管理装置は以上のような構成を有しており、制限領域である部屋R又は部屋Rの外側の共用空間Aのうち、出入り口Eに設けた扉Dが開く側と反対側(本実施形態では例えば部屋R)に撮像手段40を設置しているので、扉Dが開いた場合でも撮像手段40の撮像領域Wに扉Dによって死角が生じることはない。したがって、画像監視手段4では、撮像手段40で撮像された画像をもとに、出入り口Eを通過する人数(入室人数、退室人数)を正確に検出することができ、不正な入退室を確実に検知することができる。なお本実施形態では扉Dが共用空間A側に開くため、画像監視手段4を部屋R側(監視領域側)に設置してるが、扉Dが部屋R側に開く場合は画像監視手段4を共用空間A側に設置すれば良く、上述と同様、撮像手段40の撮像領域内に扉Dによって死角ができないので、通過人数を正確に検出することで、不正な入退室を確実に検知することができる。
ところで、本実施形態の画像監視手段4に用いられる撮像手段40は、図11に示すように、光源11と、光学系12と、光検出素子13と、センサ制御手段14と、画像生成手段15とを備えている。
光源11は、光の強度を確保するために、例えば一平面に配列された赤外LEDアレイ、又は赤外半導体レーザ及び発散レンズ等で構成され、図12に示されるように、センサ制御手段14からの変調信号に応じて赤外光の強度K1を一定周期で周期的に変化するように変調して、強度変調赤外光を検出エリア(撮像領域W)に照射する。なお強度変調赤外光の強度波形は正弦波に限らず、三角波又は鋸歯状波等の形状でもよい。
光学系12は受光光学系であり、例えばレンズ及び赤外線透過フィルタ等で構成され、検出エリアからの赤外光を光検出素子13の受光面(各感光ユニット131)に集光する。光学系12は、例えばその光軸が光検出素子13の受光面と直交するように配置される。
光検出素子13は半導体装置に形成され、複数の感光ユニット131、複数の感度制御ユニット132、複数の電荷集積ユニット133及び電荷取出ユニット134を含む。各感光ユニット131、各感度制御ユニット132及び各電荷集積ユニット133は、光学系12を介して検出エリアに面して配置される受光面としての2次元感光アレイを構成する。
各感光ユニット131は、図13(a)(b)に示されるように、半導体基板における不純物が添加された半導体層13aにより、例えば100×100の2次元感光アレイの各感光素子として形成され、対応する感度制御ユニット132により制御される感光感度で、検出エリアからの赤外光量に応じた量の電荷を生成する。例えば、半導体層13aはn型であり、生成される電荷は電子である。
光学系12の光軸が受光面と直交するとき、受光面の垂直方向(縦方向)及び水平方向(横方向)の両軸と光軸とを直交座標系の3軸に設定して、その原点を光学系12の中心に設定すれば、各感光ユニット131は、方位角及び仰角で表される方向からの光量に応じた量の電荷を生成する。検出エリアに1又はそれ以上の物理対象があるとき、光源11から照射された赤外光が物理対象で反射して感光ユニット131で受光されるので、感光ユニット131は、図12に示されるように、物理対象との間の往復距離に対応する位相ψだけ遅れた強度変調赤外光を受光し、その強度K2に応じた量の電荷を生成する。その強度変調赤外光は、
K2・sin(ωt−ψ)+B …(式1)
で表され、ここで、ωは角振動数、Bは外光成分である。
感度制御ユニット132は、半導体層13aの表面に絶縁膜(酸化膜)13eを介して積層される複数の制御電極13bにより形成され、センサ制御手段14の感度制御信号に従って、対応する感光ユニット131の感度を制御する。図13(a)及び(b)において、制御電極13bの左右方向の幅寸法は約1μmに設定される。制御電極13b及び絶縁膜13eは、光源11の赤外光に対して透光性を有する材料により形成される。感度制御ユニット132は、図13(a)及び(b)に示されるように、対応する感光ユニット131に対し複数(例えば5つ)の制御電極により構成される。例えば、生成される電荷が電子であるとき、電圧(+V,0V)が感度制御信号として各制御電極13bに印加される。
電荷集積ユニット133は、対応する各制御電極13bに印加される感度制御信号に応じて変化するポテンシャル井戸(空乏層)13cにより構成され、ポテンシャル井戸13cの近傍の電子(e)を捕獲して集積する。電荷集積ユニット133に集積されない電子は、ホールとの再結合により消滅する。従って、ポテンシャル井戸13cの領域の大きさを感度制御信号によって変えることにより、光検出素子13の感光感度を制御することができる。例えば、図13(a)の状態の感度は、図13(b)の状態のそれよりも高い。
電荷取出ユニット134は、例えば図14に示されるようにフレーム・トランスファ(FT)方式のCCDイメージ・センサと類似した構造を持つ。複数の感光ユニット131により構成される撮像領域L1及びその領域L1の隣の遮光された蓄積領域L2において、各垂直方向(縦方向)に一体に連続する半導体層13aが、垂直方向への電荷の転送経路として使用される。垂直方向は、図13(a)(b)の左右方向に対応する。
電荷取出ユニット134は、蓄積領域L2と、各転送経路と、各転送経路の一端から電荷を受け取って電荷を水平方向に転送するCCDの水平転送部13dとで構成される。撮像領域L1から蓄積領域L2への電荷の転送は、垂直ブランキング期間に1度に実行される。即ち、電荷がポテンシャル井戸13cに集積された後、感度制御信号の電圧パターンと異なる電圧パターンが垂直転送信号として各制御電極13bに印加され、ポテンシャル井戸13cに集積された電荷が、垂直方向に転送される。水平転送部13dから画像生成手段15への転送については、水平転送信号が水平転送部13dに供給され、1水平ライン分の電荷が1水平期間に転送される。一代替例において、水平転送部は、図13(a)(b)の面に対する法線方向に電荷を転送する。
センサ制御手段14は、動作タイミング制御回路であり、光源11、各感度制御ユニット132及び電荷取出ユニット134の動作タイミングを制御する。即ち、上記往復距離の光の伝播時間がナノ秒レベルの非常に短い時間であるので、センサ制御手段14は、所定の変調周波数(例えば、20MHz)である変調信号を光源11に供給して、強度変調赤外光の強度の変化タイミングを制御する。またセンサ制御手段14は、感度制御信号として電圧(+V,0V)を各制御電極13bに印加して、光検出素子13の感度を高感度又は低感度に切り替える。
さらに、センサ制御手段14は、垂直ブランキング期間に垂直転送信号を各制御電極13bに供給し、1水平期間に水平転送信号を水平転送部13dに供給する。
画像生成手段15は、例えばCPU及びプログラム等を記憶する記憶装置等により構成され、光検出素子13からの信号に基づいて、距離画像及び強度画像を生成する。
以下、センサ制御手段14及び画像生成手段15の動作原理を説明する。図12の位相(位相差)ψは、光検出素子13の受光面と検出エリアにおける物理対象との間の往復距離に対応するので、位相ψを算出することで物理対象までの距離を算出することができる。位相ψは、上記(式1)で表される曲線の時間積分値(例えば、期間Twの積分値Q0、Q1、Q2及びQ3)から計算することができる。時間積分値(受光量)Q0、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ位相0度、90度、180度及び270度を始点とする。Q0、Q1、Q2、Q3の瞬時値q0、q1、q2、q3は、それぞれ
q0=K2・sin(−ψ)+B
=−K2・sin(ψ)+B
q1=K2・sin(π/2−ψ)+B
=K2・cos(ψ)+B
q2=K2・sin(π−ψ)+B
=K2・sin(ψ)+B
q3=K2・sin(3π/2−ψ)+B
=−K2・cos(ψ)+B
により与えられる。従って、位相ψは以下の(式2)で与えられ、時間積分値の場合も、(式2)により位相ψを求めることができる。
ψ=tan−1{(q2−q0)/(q1−q3)} …(式2)
強度変調赤外光の1周期の間に感光ユニット131で発生される電荷量は少ないので、センサ制御手段14は、光検出素子13の感度を制御して、強度変調赤外光の複数周期の間に感光ユニット131で発生された電荷を電荷集積ユニット133に集積する。強度変調赤外光の複数周期の期間において、位相ψ及び物理対象の反射率はほとんど変化しないので、例えば、時間積分値Q0に対応する電荷を電荷集積ユニット133に集積するとき、Q0に対応する期間の間、光検出素子13の感度を上げ、それ以外の期間の間、光検出素子13の感度を下げる。
感光ユニット131が受光量に比例する電荷を生成するとすれば、電荷集積ユニット133がQ0の電荷を集積するとき、αQ0+β(Q1+Q2+Q3)+βQxに比例する電荷が集積される。ここで、αはQ0〜Q3に対応する期間の感度、βはそれ以外の期間の感度、QxはQ0、Q1、Q2、Q3が得られる期間以外の受光量である。同様に、電荷集積ユニット133がQ2の電荷を集積するとき、αQ2+β(Q0+Q1+Q3)+βQxに比例する電荷が集積される。Q2−Q0=(α−β)(Q2−Q0)及びQ1−Q3=(α−β)(Q1−Q3)により、(式2)から(Q2−Q0)/(Q1−Q3)が不要な電荷の混入の有無によらず理論上同じ値になるので、不要な電荷が混入しても求める位相ψは同じ値になる。
強度変調赤外光の複数周期の期間の後、センサ制御手段14は、電荷集積ユニット133に集積された電荷を取り出すために、垂直ブランキング期間に垂直転送信号を各制御電極13bに供給し、1水平期間に水平転送信号を水平転送部13dに供給する。
また、Q0〜Q3は物理対象の明るさを反映するので、Q0〜Q3の加算値又は平均値は赤外線の強度画像(濃淡画像)における強度(濃度)値に相当する。従って、画像生成手段15は、Q0〜Q3から距離画像及び強度画像を生成することができる。しかも、Q0〜Q3から距離画像及び強度画像を生成することにより、同じ位置の距離値及び強度値を得ることができる。画像生成手段15は、(式2)によりQ0〜Q3から距離値を算出し、各距離値から距離画像を生成する。このとき、各距離値から検出エリアの三次元情報を算出し、三次元情報から距離画像を生成してもよい。強度画像はQ0〜Q3の平均値を強度値として含むので、光源11からの光の影響を除去できる。
本実施形態では撮像手段40として、検知エリア内の対象物までの距離値を画素値とした距離画像を生成するアクティブ型距離画像センサを用いているので、撮像領域内の対象物と背景とが同じような色を有している場合でも、濃淡画像を用いる場合に比べて対象物である人体を正確に抽出することができ、通過人数の検出処理や後述する滞在人数の検出処理を正確に行うことができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図4〜図6に基づいて説明する。図4は本実施形態の入退室管理装置の概略ブロック図、図5(a)(b)は各部の配置例を模式的に示した配置図である。
入退室管理装置は、制限領域である部屋R(制限領域)への入退室を管理するために用いられ、部屋Rの出入り口Eに設けた扉Dの施錠/解錠を行う電気錠からなる錠手段1と、この錠手段1の解錠/施錠を制御する錠制御手段2と、入室しようとする者が入室権限を有しているか否かを判断するためのID認証手段3と、画像監視手段4とを主要な構成として備えている。ここで、本実施形態では出入り口Eに設けた扉Dは制限領域である部屋R側に開くようになっており、画像監視手段4の撮像手段40は共用空間Aの出入り口E付近に設定した撮像領域Wを撮像するようになっている。なお、画像監視手段4以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
画像監視手段4は、共用空間Aの天井Xに設置されて、出入り口E近傍の共用空間A内の撮像領域Wを撮像する第1の撮像手段(以下、撮像手段と略称す。)40と、撮像手段40で撮像された画像から撮像領域W内の動・静止人物の抽出を行い、抽出物体のトラッキングを行うことによって入室人数および退室人数を計数する通過人数計数手段41と、撮像手段40で撮像された画像から撮像領域W内の動・静止人物の抽出を行い、撮像領域Wの所望検知領域内に滞在する人数を計数する滞在人数計数手段43と、撮像手段40の設置位置が部屋R側か共用空間A側かを入力する設置位置切替手段44と、錠制御手段2を介して入力されたID認証手段3の認証数と通過人数の計数値とに基づいて不正な入退室の有無を判定するとともに、設置位置切替手段44により設置位置が共用空間A側と入力された場合は滞在人数計数手段43の計数した滞在人数が所定の許容人数を超えると、錠制御手段2による解錠処理を停止させて入退室を制限する信号処理手段42とを備える。
設置位置切替手段44は、例えばスライドスイッチなどの切替スイッチからなり、画像監視手段4の施工時に、施工者が画像監視手段4の設置位置に応じて切替スイッチの切替位置を切り換え、設置位置を入力するようになっている。
通過人数計数手段41は、例えば撮像手段40で撮像した距離画像を用いるもので、予め人が存在しない背景画像を記憶し、この記憶した背景画像と現時刻の画像の差分から求まる前景部分を切り出すことで、撮像範囲内の対象物(人H)を抽出するとともに、このような物体抽出処理を一定時間間隔で行って抽出物体の画像上の位置を算出する。通過人数計数手段41では、設置位置切替手段44により入力された設置位置に基づいて、部屋Rへの入室および退室の検知方向を切り換えている。そして、通過人数計数手段41は、抽出物体の現時刻での算出位置と前の時刻での算出位置との対応付けを行うことで、移動する抽出物体のトラッキングを行い、そのトラッキングの結果、入室又は退室の判定を行っており、設置位置切替手段44により設置位置が共用空間Aと入力された場合は、出入り口E側に移動して出入り口E付近でトラッキングが消失するものを入室者、出入り口E付近で出現し共用空間A側でトラッキングが消失するものを退室者とし、入室者および退室者の人数をそれぞれ計数するのである。なお、設置位置切替手段44により設置位置が部屋Rと入力された場合、通過人数計数手段41は、出入り口E付近で出現し部屋R側でトラッキングが消失するものを入室者、部屋Rの内側から出入り口E側に移動して出入り口E付近でトラッキングが消失するものを退室者とし、入室者および退室者の人数をそれぞれ計数するのである。
滞在人数計数手段43は、例えば撮像手段40で撮像した距離画像を用いるもので、予め人が存在しない背景画像を記憶し、この記憶した背景画像と現時刻の画像の差分から求まる前景部分を切り出すことで、撮像範囲内の対象物(人H)を抽出するとともに、抽出した対象物のラベリング処理を行うことで、撮像領域W内に滞在する滞在人数を計数し、計数結果を信号処理手段42に出力する。
次に、この入退室管理装置の動作を図6のフロー図に従って説明する。尚、図6のフロー図も、上述した各手段1〜4の動作が理解しやすいようにブロック図的に表現してある。また、図3のフロー図と同様の処理には、同一の符号を付してその説明は省略し、本実施形態の特徴部分のみ以下に説明する。
まず、錠制御手段2による解錠判断処理について説明する。錠制御手段2が、S2の判定の結果、認証要求が有効なものであると判断すると、画像監視手段4から入力された滞在人数に基づいて、錠手段1を解錠させるか否かを判断する(S20)。例えば認証時に1人ずつの認証、通過しか認めないような運用では、錠制御手段2は、滞在人数が2人以上の場合は錠手段1を解錠させず、滞在人数が1人の場合のみ錠手段1を解錠させる施解錠信号を出力する(S4)。一方、滞在人数に関わらず認証が有効であれば解錠するような運用では、錠制御手段2は、S2の判定で認証要求が有効と判断されれば、錠手段1を解錠させる施解錠信号を出力する(S4)。
次に画像監視手段4による滞在人数の検出処理について説明する。画像監視手段4では、通過人数計数手段41が、所定のサンプリング間隔で撮像手段40から画像を取得し(S8)、背景差分などの方法を用いて対象物体(人体)を抽出した後(S9)、抽出した人体にラベルを付ける処理(ラベリング処理)を行うことによって滞在人数を計数するとともに(S21)、抽出した人体のトラッキングを行っており(S10)、この一連の処理を繰り返し実行する。なお、人体の抽出処理や滞在人数の計数処理やトラッキング処理は汎用的な画像処理方法を利用して行えば良い。
また画像監視手段4による通過人数の計数処理について説明する。画像監視手段4の撮像手段40は、扉Dが開く側と反対側に設置されるので、本実施形態では撮像手段40の設置位置を入力するための設置位置切替手段44を設けている。そして、入退室管理装置の施工時に、施工者が設置位置切替手段44を用いて撮像手段40の設置位置を入力すると(S22)、画像監視手段4では、撮像手段40により撮像された映像と、設置位置切替手段44の設置位置情報とに基づいて通過する人体の方向(入室方向又は退室方向)を判断し、入室通過人数および退室通過人数を計数するようになっている。
すなわち画像監視手段4では、錠制御手段2から錠状態を取得すると(S12)、解錠中か否かの判断を行い(S14)、解錠中であればS10のトラッキング処理で得られた人Hの時系列動作の検知結果をもとに人の通過方向を検出するのであるが、撮像手段40の設置位置に応じて通過方向の検出方法を切り換えるようになっている。例えば設置位置切替手段44を用いて撮像手段40の設置位置が共用空間Aと入力された場合、通過人数計数手段41は、出入り口Eの方向へ移動し出入り口E付近で消失する物体を入室する人物と判断し、内蔵する入室通過人数カウンタをカウントアップさせるとともに、出入り口E付近で出現し共用空間A側へ移動する物体を退室する人物と判断して、内蔵する退室通過人数カウンタをカウントアップさせている。一方、設置位置切替手段44を用いて撮像手段40の設置位置が部屋Rと入力された場合、通過人数計数手段41は、出入り口E付近で出現し部屋Rの内側へ移動する物体を入室する人物と判断して、内蔵する入室通過人数カウンタをカウントアップさせるとともに、出入り口Eの方向へ移動し出入り口E付近で消失する物体を退室する人物と判断し、内蔵する退室通過人数カウンタをカウントアップさせている。
このように本実施形態では、画像監視手段4の設置位置を入力するための設置位置切替手段44を設けており、設置位置切替手段44の設定に応じて通過人数計数手段41が入室、退室の検知方向を切り換えているので、設置環境の扉Dの開閉方向に応じて検出方向を切り換えることで、同一の画像監視手段4を部屋R(監視領域)或いは共用空間Aの何れに設置して使用することができる。
また画像監視手段4では、滞在人数計数手段43により検出された滞在人数が所定の許容人数を超えると、入退室制限手段たる信号処理手段42が錠制御手段2による解錠処理を停止させているので、入室権限をもたない人物などが、ID認証を済ませた人物と一緒に不正に入室又は退室するのを防止することもできる。
ここで、認証時の滞在人数に応じて解錠の可否を判断する場合には、錠制御手段2が、1人目の認証者のID認証に応じて錠手段1を解錠させた後は、ID認証手段3による認証処理を停止させるようにしても良く、2人目以降の認証を停止することで1人目の入室者に続いて後続者が入室又は退室するのを防止できる。この時、入室側の操作手段3aによる認証処理のみを停止し、退室側の操作手段3bによる認証処理は継続させることで、2人目以降の入室は防止しつつ、退室は行えるようにしても良いし、入室側の操作手段3aによる認証処理と退室側の操作手段3bによる認証処理とを両方共に停止させることで、何れの方向からの後続者を防止するようにしても良い。
なお、ID認証を停止する期間は、1人目の認証者のID認証に応じて錠手段1を解錠させてから、錠手段1が施錠されるまでの間とすることで、1回の解錠につき1名のみを通過させることができる。また錠制御手段2が、1人目のID認証に応じて錠手段1を解錠させた後にID認証を停止する代わりに、認証に成功した場合でも認証数を画像監視手段4へ出力しないようにしても良く、この場合でも後続者の通過を防止することができる。
また、認証時の滞在人数に関係無く認証が有効であれば錠手段1を解錠させる場合には、錠制御手段2が、以下に示すような手続にしたがって、ID認証の可否を切り換えるようにしても良い。すなわち錠制御手段2が、1人目の認証後にID認証を停止するとともに、画像監視手段4が人の通過を検知するか、又は、次回施錠された時点でID認証を再開させるようにすれば、短時間に複数名の通過を防止し、近接通過や密着通過などによる非検知や誤検知を防止しつつ、円滑に通行させることができる。また、錠制御手段2が、1人目の認証後にID認証を停止するとともに、一定時間後から、又は、次回施錠された時点でID認証を再開させるようにしても良く、同様の効果が得られる。また、短時間に複数名が通過するのを防止する必要がない場合、錠制御手段2がID認証を停止せず、連続してID認証を行うようにしても良い。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図7〜図10に基づいて説明する。図7は本実施形態の入退室管理装置の概略ブロック図、図8(a)(b)は各部の配置例を模式的に示した配置図である。
入退室管理装置は、制限領域である部屋R(制限領域)への入退室を管理するために用いられ、部屋Rの出入り口Eに設けた扉Dの施錠/解錠を行う電気錠からなる錠手段1と、この錠手段1の解錠/施錠を制御する錠制御手段2と、入室しようとする者が入室権限を有する者か否かを判断するためのID認証手段3と、画像監視手段4a,4bとを主要な構成として備えている。ここで、本実施形態では出入り口Eに設けた扉Dは共用空間A側に開くようになっており、一方の画像監視手段4aは扉Dが開く側と反対側(部屋R側)に設置されて、部屋R内の出入り口E付近に設定した撮像領域W1を撮像し、他方の画像監視手段4bは扉Dが開く側(共用空間A側)に設置されて、共用空間A内の出入り口E付近に設定した撮像領域W2を撮像する。なお、画像監視手段4a,4b以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
画像監視手段4a,4bは、実施形態2で説明した画像監視手段4(図4参照)と同一の構成を有しているので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。画像監視手段4aは、部屋Rの天井X1に設置されており、設置位置切替手段44を用いて設置位置が部屋Rに設定されている。また画像監視手段4bは、共用空間Aの天井X2に設置されており、設置位置切替手段44を用いて設置位置が共用空間Aに設定されている。
次に、この入退室管理装置の動作を図9のフロー図に従って説明する。尚、図9のフロー図も、上述した各手段1〜4の動作が理解しやすいようにブロック図的に表現してある。また、各部の動作は実施形態2と同様であるので、図6のフロー図と同様の処理には、同一の符号を付してその説明は省略し、本実施形態の特徴部分のみ以下に説明する。画像監視手段4a,4bの動作も実施形態2で説明した動作と略同様であるので、共通する動作については図示および説明は省略し、異なる動作について以下に説明する。
画像監視手段4a,4bでは信号処理手段42が設置位置切替手段44を用いて入力された設置位置に応じて動作を切り換えており、部屋Rに設置された画像監視手段4aでは、錠制御手段2から入室認証数または退室認証数が入力されると、入室認証数カウンタまたは退室認証数カウンタのカウントアップを行わせる(S11)。また錠制御手段2から錠状態が入力されると、画像監視手段4aは錠状態を取得し(S12)、認証数の初期化判断処理(S13)や、解錠中か否かの判断処理(S14)を行う。また画像監視手段4aでは、S16の判定において認証数と通過人数の不整合が発生したと判断すると、警報信号を出力して(S17)、錠制御手段2の内蔵する警報出力手段から警報を出力させる(S18)。なお、部屋Rに設置された画像監視手段4aでは、解錠時のみ通過人数の計数処理を行っており、滞在人数の検知処理は行っていない。また、画像監視手段4aで滞在人数の計数処理自体を行うようにしても良いが、その計数結果を錠制御手段2に出力することはない。
一方、共用空間Aに設置された画像監視手段4bの動作は、実施形態2で説明した画像監視手段4の動作と略同様であるので、共通する動作については図示および説明は省略する。画像監視手段4bは、錠制御手段2から錠状態を取得しており(S12)、施錠時には滞在人数の検知処理を行って、滞在人数の検知結果を錠制御手段2に出力する(S21)。そして、錠制御手段2では、S2の判定の結果、認証要求が有効なものであると判断すると、画像監視手段4から入力された滞在人数に基づいて、錠手段1を解錠させるか否かを判断する(S20)。例えば認証時に1人ずつの認証、通過しか認めないような運用では、錠制御手段2は、滞在人数が2人以上の場合は錠手段1を解錠させず、滞在人数が1人の場合のみ錠手段1を解錠させる施解錠信号を出力する(S4)。一方、滞在人数に関わらず認証が有効であれば解錠するような運用では、錠制御手段2は、S2の判定で認証要求が有効と判断されれば、錠手段1を解錠させる施解錠信号を出力する(S4)。
なお解錠時には画像監視手段4bは滞在人数の検知処理を行っていない。また、共用空間Aに設置された画像監視手段4bでは、通過人数(入室通過人数、退室通過人数)のカウント処理を行っておらず、通過人数と認証数との不整合を判定する処理も行っていない。
このように本実施形態では、共用空間Aに設置された画像監視手段4bの画像から滞在人数を計数し、滞在人数が所定の許容人数を超えると入退室を制限するとともに、監視領域である部屋Rに設置された画像監視手段4aの画像から通過人数を計数し、通過人数と認証数との不整合から不正な入退室を検知している。また、扉Dが開く共用空間A側に設置された画像監視手段4bでは、通過人数の計数処理は行っておらず、滞在人数の計数は施錠状態、つまり扉Dが閉じた状態で行っているので、扉Dが開くことで死角ができたとしても計数処理に影響は無い。また施錠時には扉Dが閉じているので、画像監視手段4a,4bの撮像手段40の光源11がともに点灯していても、光源11からの強度変調光は扉Dで遮光されるから、画像監視手段4a,4bにおいて、他方の画像監視手段4b,4aからの強度変調光が影響することはない。
一方、解錠時に扉Dが開けられると、他方の光源11から照射される強度変調光によって誤動作が発生する虞があるが、解錠時には共用空間Aに設置された画像監視手段4bは滞在人数の検知も通過人数の検知も行っていないので、画像監視手段4bの撮像手段40の光源11を消灯させ、画像監視手段4aの撮像手段40の光源11のみから強度変調光を照射させることで、解錠時に検出を行う画像監視手段4aに、他方の画像監視手段4bからの強度変調光が影響するのを防止することができる。したがって、画像監視手段4a,4bから照射された強度変調光が互いに干渉することはなく、誤検出を防止できるという利点がある。なお、扉Dが光源11からの強度変調光を透過させる材料で形成されている場合、施錠時に各画像監視装置4a,4bの光源11から強度変調光が照射されると、画像監視装置4a,4bの撮像手段40が、他方の画像監視装置4b,4aの光源11から照射される強度変調光の影響を受ける可能性があるが、画像監視手段4a,4bの撮像手段40に変調周波数および復調周波数を複数用意しておき、隣接して使用される画像監視手段4a,4bで別々の変調周波数および復調周波数を使用するようにすれば、変調光の干渉を防止することができる。なお、本実施形態では画像監視手段4a,4bが両方ともに距離画像を撮像する撮像手段40を用いているが、画像監視手段4a,4bのうち何れか一方のみが距離画像を撮像する撮像手段40を用い、もう一方は濃淡画像を撮像するような撮像手段を用いるようにしても良い。
ところで、本実施形態の入退室管理装置を図10(a)(b)に示すような設置環境で使用しても良い。すなわち図10の使用環境では、制限領域である部屋Rの出入り口E1に扉D1を設置するとともに、部屋Rの外側にインターロック室Lを設け、インターロック室Lと共用空間Aとの間の出入り口E2に扉D2を設置してある。そして、画像監視手段4bをインターロック室Lの天井X2に設置して、撮像手段40によりインターロック室L内の全体を撮影するとともに、ID認証手段3の操作手段3aをインターロック室L内の扉D1近傍に、操作手段3bを部屋R内の扉D2近傍にそれぞれ設置している。なお錠制御手段2には、インターロック室Lと共用空間Aとの間を仕切る扉D2に設けた錠手段(図示せず)の施解錠状態を示す情報が入力されており、扉D1と扉D2とが同時に解錠しないように扉D1の錠手段1や扉D2の錠手段の施解錠を制御している。
上述の入退室管理装置をこのような使用環境で使用した場合には、インターロック室L内に設置された画像監視手段4bによる滞在人数の検知結果を用いて、錠制御手段2が錠手段1の施解錠を制御することができ、入室時には滞在人数が1人の場合のみ解錠させるとともに、退室時には滞在人数が0人の場合のみ解錠させることで、セキュリティ度を高めることができる。
ところで、上述した各実施形態の入退室管理装置では、制限領域である部屋Rからの退室者もID認証を行っているが、部屋Rに設置された操作手段3bを無くし、扉Dの内側(部屋R側)に設けた解錠つまみを手で操作して、錠制御手段2により錠手段1を解錠させることで、退室者が扉Dを開けて退室するようにしても良い。なお、この場合には錠制御手段2が、扉Dが一旦開けられた後に閉まると錠手段1を施錠させており、錠手段1が解錠状態のままで保持されるのを防止している。
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されるものではない。
また、第1の撮像手段の画像から撮像領域内に滞在する人数を計数する滞在人数計数手段と、第1の撮像手段の設置位置が制限領域側か共用空間側かを入力する設置位置切替手段と、設置位置切替手段により設置位置が共用空間と入力された場合、施錠時に滞在人数計数手段により計数された滞在人数が所定の許容人数を超えると、錠制御手段による解錠処理を停止させる入退室制限手段とを設け、通過人数計数手段は、設置位置切替手段により入力された設置位置に基づいて、制限領域への入室および退室の検知方向を切り換えることも好ましい。設置位置切替手段を用いて第1の撮像手段の設置位置を入力することによって、出入り口を通過する人物の通過方向を設置位置に応じて切り換えることができ、同一の第1の撮像手段を制限領域側或いは共用空間側の何れにも設置して使用することができる。