JP5154034B2 - マトリックス・ベース・イオン源のための被写界深度を増大させる画像生成方法、及びその方法を用いた質量分析システム - Google Patents

マトリックス・ベース・イオン源のための被写界深度を増大させる画像生成方法、及びその方法を用いた質量分析システム Download PDF

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Description

本発明は、マトリックス・ベース・イオン源を含む質量分析システムに用いられる撮像技術に関する。
質量分析法は、化学及び生物学的試料中の化合物の定性及び定量測定に用いられる分析方法である。試料中の検体をイオン化し、質量分析計によってその質量に基づいて分離し、検出して、質量スペクトルが生成される。質量スペクトルによって、その試料を構成している各種検体の質量に関する情報、場合によっては、量に関する情報が得られる。特定の実施態様では、質量分析法を利用して、試料中の検体の分子量または分子構造を求めることが可能である。質量分析法は、迅速で、高性能・高感度であるので、それによる質量分析装置は、生物学的検体の迅速な同定及び特性解明に広く用いられてきた。
ここ数年の間に、例えば、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化(MALDI)法といったマトリックス・ベース・イオン化法が、試料のイオン化に役立つことが立証され、ゲノミクス及びプロテオミクスといった、さまざまな分野に幅広い用途を見出してきた。マトリックス・ベースの方法を実施する場合、試料が、試料と共結晶化する有機マトリックスと結合され、さらに、試料プレートに付着させられる。試料プレートは、イオン源内に配置され、例えば、レーザ・ビームのようなエネルギ源によって試料が気化される。試料の気化中に、検体イオンが生成される。マトリックスの存在によって、検体のイオン化が可能になり、他の方法の問題が解消されるものと考えられる。
多くの場合、マトリックス・ベース・イオン源は、イオン化検体を研究するため、例えば、質量分析計のような分析装置と一体化される。大部分は、このために飛行時間型質量分析計(「TOF−MS」)が用いられるが、イオン・サイクロトロン共鳴質量分析計(例えば、フーリエ変換イオン・サイクロトロン共鳴質量分析計)、イオン・トラップ質量分析計(例えば、高周波四重極イオン・トラップ質量分析計)、または、ハイブリッド計器(例えば、四重極/飛行時間型質量分析計、Q−TOF)を含む、さまざまな他の質量分析計を利用することも可能である。
マトリックス・ベース・イオン化方法を利用して試料をイオン化する場合、一般には、試料プレート上の領域を検分して、その領域に試料が付着したことを確かめ、レーザが実際に試料に到達して、衝突することになるか確認するのが望ましい。この場合、試料の詳細な画像、とりわけ、検体の結晶領域を示す画像を生成するイメージング・システムが必要とされる。かかるイメージング・システムについては、例えば、以下の特許文献1及び2に記載されている。
米国特許公開第2002/0191864号公報 米国特許公開第2004/0217278号公報
先行技術によるイメージング・システムは、マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレート上の試料の画像を捕捉して、試料の検分ができるように、こうした画像をモニタに転送することが可能である。しかしながら、それらのイメージング・システムにおいて用いられる光学素子のために、視野全体にわたって焦点の合った高解像度で高コントラストの画像、または少なくとも視野範囲の拡大が得られないので、それらのイメージング・システムには一般に限界がある。
例えば、マトリックス・ベース・イオン源内における試料プレートのある領域の高解像度の画像を生成するのは、一般に、その領域を直接上方から(すなわち、x及びy方向が試料プレートの表面と同一平面上にある場合、z方向から)見ることができないので困難である。ほとんどの場合、イオン源内における試料プレートのある領域の画像を生成する場合、用いられる特定のイオン源及びイメージング・システムによって大きく異なる可能性のある角度で、側方からその領域を検分しなければならない。こうしたシステムを用いて高解像度の画像を生成することは、用いられるイメージング・システムに固有の限界があるために困難である。
従って、本発明の目的は、以上の及びその他の問題点を解消する、新規のマトリックス・ベースの試料プレート・イメージング・システムを提供することにある。
本発明によれば、イオン源のために試料プレート上における試料の焦点の合った画像を生成する方法を提供される。この方法には、一般に、a)試料における複数の異なる領域を試料プレートに垂直な方向に対して側方から見る撮像デバイスの視野内に、前記異なる領域を位置決めするステップと、b)前記異なる領域のそれぞれについて、焦点の合った複数の異なる部分を含む、その領域の複数画像を生成するステップと、c)複数画像を利用してその試料の焦点の合った画像を生成するステップが必要とされる。焦点の合った画像は、一般に、複数画像の焦点の合った部分を含む合成画像であり、二次元画像または三次元画像とすることが可能である。焦点の合った異なる部分を含む複数画像は、例えば、試料プレートの平面内において試料を移動させるとか、撮像デバイスの焦点を変えるとか、あるいは、それらを組み合わせるといった、いくつかの方法を用いて作成することが可能である。本発明によれば、これらの方法を実施するためのシステム及びプログラムも提供される。本発明は、さまざまな分析の場面に用途を見出す。例えば、本発明は、化学、環境、法医学、食品、薬剤、及び、生物学研究用途に使用可能である。
本明細書に解説の本発明を利用して、イオン源に用いられるように構成された試料プレートの表面における試料の焦点の合った高解像度の画像を生成することが可能である。本発明を利用して、結晶を含む検体を含んでいる試料領域を識別することが可能である。いくつかの実施態様では、イオン源のイオン化レーザが検体を含む結晶に衝撃を与えて、検体イオンの生成を促進するように、マトリックス・ベース・イオン源内において、試料プレートを移動させることが可能である。
すなわち、本発明は、マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレート上のある領域の焦点の合った画像を生成するための方法であって、撮像デバイスの視野内において前記領域の位置決めをするステップと、前記撮像デバイスを利用して、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第1の画像を生成するステップと、前記撮像デバイスを利用して、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第2の画像を生成するステップと、前記第1及び第2の画像の前記焦点の合った部分を利用して、焦点の合った最終画像を生成するステップと、を有することを特徴とする方法を提供する。
好ましくは、前記焦点の合った最終画像は、複数の前記焦点の合った部分を含む。
好ましくは、前記第1の画像及び前記第2の画像は、前記試料に対する前記撮像デバイスの位置を変えることによって生成される。
好ましくは、前記方法は、前記撮像デバイスの焦点を変えるステップを含む。
さらに、前記方法は、前記撮像デバイスに対して前記試料プレートを移動させるステップと、前記撮像デバイスの焦点を変えるステップとを含む。
好ましくは、あらかじめ決められた数の画像を組み合わせて、前記焦点の合った最終画像が生成される。
好ましくは、さらに、前記焦点の合った最終画像をディスプレイ上に表示するステップを有する。
さらに、本発明は、マトリックス・ベース・イオン源において試料プレート上の試料をイオン化する方法であって、試料プレート上の試料を試料プレートに垂直な方向に対して側方から見る撮像デバイスの視野内において前記試料を位置決めするステップと、前記撮像デバイスを利用して、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第1の画像を生成するステップと、前記撮像デバイスを利用して、前記第1の画像とは前記試料において異なる領域を含む第2の画像であって、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第2の画像を生成するステップと、前記第1及び第2の画像の前記焦点の合った部分を利用して、前記試料の焦点の合った最終画像を生成するステップと、前記焦点の合った最終画像に基づいて前記試料をイオン化するステップと、を有することを特徴とする方法を提供する。
好ましくは、さらに、前記試料をイオン化できるように、前記マトリックス・ベース・イオン源において前記試料プレートを移動させるステップを有する。
さらに、本発明は、試料プレート上のマトリックス・ベース・イオン源内の試料を、試料プレートに垂直な方向に対して側方から見て、前記試料について、焦点の合った異なる部分を含む複数の画像であって、それぞれの画像が前記試料における異なる領域についてのものである前記画像を生成するための命令と、前記画像を利用して、前記試料について焦点の合った1つの画像を生成するための命令が含まれている、試料プレート上のマトリックス・ベース・イオン源内前記試料の焦点の合った画像を生成するために用いられるプログラムを納めた、コンピュータ可読媒体を提供する。
さらに、本発明は、撮像デバイスを含むマトリックス・ベース・イオン源と、試料プレートの試料を試料プレートに垂直な方向に対して側方から見て、前記試料について、焦点の合った異なる部分を含む複数の画像であって、それぞれの画像が前記試料における異なる領域についてのものである前記画像を生成するための命令、及び前記複数の画像を利用して、前記試料について焦点の合った1つの画像を生成するための命令を含むプログラムを具備するコンピュータと、前記撮像デバイスに接続されたディスプレイが含まれている試料プレートの前記試料の焦点の合った画像を生成するためのシステムを提供する。
さらに、本発明は、試料プレートを有するマトリックス・ベース・イオン源と、試料プレートを、試料プレートに垂直な方向に対して側方から見るように構成された撮像デバイスと、前記マトリックス・ベース・イオン源にリンクされて機能することが可能なイオン輸送装置と、当該イオン輸送装置にリンクされた質量分析計と、焦点の合った異なる部分を含む複数の画像であって、試料プレートにおけるそれぞれに異なる領域について前記複数の画像を生成するための命令、及び、前記複数の画像を利用して、焦点の合った1つの画像を生成するための命令を含む、プログラムを具備するコンピュータとを備える質量分析システムを提供する。
好ましくは、前記マトリックス・ベース・イオン源は、1.33×10パスカル以上の圧力、或いは1.33×10パスカル未満の圧力で動作させられるMALDIイオン源とされる。
本発明は、試料を付着させる試料プレートを用いる、いかなるタイプのイオン源にも用いることが可能である。マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレートを用いる典型的な実施態様については、さらに詳細に後述する。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態となる質量分析システムについて詳細に説明する。別段の規定のない限り、本明細書で用いられる全ての技術及び科学用語は、本発明の属する技術分野における通常の技術者によって一般に理解されているのと同じ意味を有している。さらに、以下では、いくつかの要素について、明確にし、論及しやすくするため、定義を示すことにする。
「利用」という用語は、本明細書において、通常用いられるように使用される、従って、例えば、ある目的を達成するために、ある方法または組成物を用いること、例えば、役立てることを表わしている。例えば、プログラムを利用して、ファイルを作成する場合、プログラムを実行して、ファイルを作成するが、そのファイルは、通常、プログラムの出力である。もう1つの例では、ファイルを利用する場合、ファイルにアクセスして、読み取り、ファイルに記憶されている情報を用いて、目的が達成される。
「イオン源」は、質量分析システムにおける分析のためにイオンを生じさせる任意の装置である。典型的なイオン源には、電子衝撃(EI)及びマトリックス・ベース・イオン源、並びに、その他のイオン源が含まれる。イオン源は、任意の周囲圧力(例えば、約1.33×10−6パスカル〜約3.33×10パスカル)で動作させることが可能であるが、ここで、「周囲圧力」は、イオン源のエンクロージャ内における圧力である。イオン源内の周囲圧力は、例えば、大気圧(約1.0×10パスカル)を含めて、1.33×10パスカル〜約3.33×10パスカル、または、高真空(例えば、約1.33×10−6パスカル〜約1.33×10−2パスカル)の範囲内における、1.33×10パスカルを超えるか、または、1.33×10パスカル未満の任意の圧力とすることが可能である。換言すれば、イオン源は、大気圧、大気圧を超える圧力、または、大気圧未満の圧力で動作させることが可能である。
「マトリックス・ベース・イオン源」という用語は、試料が、そのイオン化の前に、一般に有機マトリックスであるところのマトリックスと結合され、試料プレートに付着させられるイオン源を表わしている。マトリックス・ベース・イオン源は、イオン化を揮発性溶剤に頼らない。典型的なマトリックス・ベース・イオン源には、高速原子衝撃(FAB)イオン源及びマトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)イオン源が含まれる。「MALDI」という用語には、本明細書において用いられる限りにおいて、大気圧MALDI(AP−MALDI)、並びに、大気圧未満MALDI(例えば、真空または中間圧MALDI)が含まれる。従って、例えば、MALDIイオン源またはMALDI試料プレートといったMALDI装置への言及は、AP−MALDI法に利用するのに適した、または、大気圧未満MALDI(例えば、真空または中間真空MALDI)法に利用するのに適した装置を示唆している。
「イオン源試料プレート」または「イオン源に用いるように構成された試料プレート」は、質量分析システムのイオン源内における利用に適した試料プレートである。イオン源試料プレートは、例えば、円形、正方形、矩形、楕円形等といった任意の形状をとることが可能であり、例えば、任意の金属といった任意の材料から製作することが可能である。イオン源試料プレートの表面上にある試料は、イオン源によってイオン化される。
「隣接する」という用語は、近いか、隣にあるか、または、近接することを表わしている。隣接する何かは、別のコンポーネントと接触している場合も、他のコンポーネントを包囲している場合も、他のコンポーネントから間隔をあけている場合も、あるいは、他のコンポーネントの一部を含んでいる場合もあり得る。
「遠隔場所」は、イオン源が存在する場所以外の場所を表わしている。例えば、遠隔場所は、同じ建物内の別の部屋、または、同じ市内の別の建物、異なる市内の別の場所、異なる州の別の場所、異なる国の別の場所等とすることが可能である。あるものが別のものと「遠隔」であると表わされる場合、その意味するところは、その2つのものが、同じ室内にあるが、分離されているか、あるいは、少なくとも異なる部屋または異なる建物内にあるか、あるいは、少なくとも約1.6km、或いは約16km、または、100km以上離れている可能性があるということである。情報の「伝達」は、適合する通信チャネル(例えば、私設網または公衆網)を介して電気信号としてその情報を表わしたデータを伝送することを表わしている。あるものの「送付」は、物理的にそのものを転送するか、別様に(それが可能な場合)転送するかにかかわらず、ある場所から次の場所にそのものを到達させる任意の手法を表わしており、少なくともデータの場合、データを納めた媒体を物理的に転送するか、または、そのデータを伝達することが含まれる。通信媒体の例には、無線または赤外線伝送路、並びに、別のコンピュータまたはネットワーク装置とのネットワーク接続、及び、電子メール伝送及びウェブサイトに記録された情報等を含むインターネットまたはイントラネットが含まれる。「複数」は、例えば、2、3、4、6、8、10、12、または、12を超えるといった、少なくとも2つである。「複数の...」または「複数...」といった表現は、同義的に用いられる。複数の要素には、少なくとも第1の要素と第2の要素が含まれている。
「Fストップ」は、撮像デバイスのアパーチャ・サイズの測度を表している。Fストップが大きくなるほど、アパーチャは小さくなる。
他の画像の「組み合わせ」である画像は、2つ以上の他の画像のそれぞれからの少なくとも1つの部分によって構成された画像である。
「二次元画像」は、x座標及びy座標を基準にして表わすことが可能な画像である。二次元画像は平面であり、深さを備えない。
「三次元画像」は、x座標、y座標、及び、z座標を基準にして表わすことが可能な画像である。三次元画像は、深さを備え、任意の次元において回転させることが可能である。
「位置決め」という用語は、一次元、二次元、または、三次元における任意の方向に物体を移動させることを表している。第1の物体が第2の物体に対して位置決めされる場合、第1の物体を移動させることもできるし、第2の物体を移動させることもできるし、あるいは、両方の物体を移動させることも可能である。
本発明によれば、マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレート上のある領域の焦点の合った画像を生成する方法が得られる。この方法には、一般に、a)撮像デバイスの視野内に、ある領域を位置決めするステップと、b)焦点の合った異なる領域を備えるその領域の複数の画像を生成するステップと、c)複数の画像を利用して、その領域の焦点の合った画像を生成するステップが含まれる。焦点の合った画像は、一般に、複数画像の焦点の合った部分を含む合成画像であり、二次元画像または三次元画像とすることが可能である。焦点の合った異なる部分を含む複数画像は、例えば、試料プレートの平面内においてその領域及び撮像デバイスを互いに移動させるとか、撮像デバイスの焦点を変えるとか、あるいは、それらを組み合わせるといった、いくつかの方法を用いて作成することが可能である。これらの方法を実施するためのシステム及びプログラムが提供される。本発明は、さまざまな分析法に用途を見出す。例えば、本発明は、化学、環境、法医学、食品、薬剤、及び、生物学研究用途に使い道を見出す。本発明は、とりわけ、MALDI(例えば、AP−MALDI)法に用いることが可能である。
本明細書で列挙される方法は、論理的に可能な、列挙される事象の任意の順序、並びに、事象の列挙される順序で実施することが可能である。さらに、ある値域が規定されている場合、もちろん、その値域の上限と下限の間の全ての介在値、及び、任意の他の規定値域、または、その規定値域内における介在値は、本発明内に含まれる。
引用事項は、ただ単に、本出願の提出日前にそれらが開示されているという理由で提示されているだけである。これを考慮すると、本発明には、先行発明を理由にこうした資料に先行する資格がないことを認めると解釈されるべき点は何もない。
単数形のものへの言及には、複数の同じものが存在する可能性が含まれる。すなわち、本明細書及び付属の請求項において用いられる限りにおいて、「ある...」、「1つの...」、「前記...」、「その...」といった単数形には、文脈において明確に別段の規定がない限り、複数の指示対象が含まれている。さらに、請求項は、いかなるオプションの要素をも排除するように作成することが可能であるという点に留意されたい。従って、この規定は、請求要素の列挙に関連して「...だけ」、「...のみ」等のような排除的用語の使用、または、「消極的」限定の使用の根拠として機能するように意図されたものである。
[試料プレートのある領域に関する焦点の合った画像を生成するための方法]
理想的なセットアップの場合、マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレートのある領域の画像を生成するのに用いられるイメージング・システムは、最高の解像度を得るため、できる限り開いた(例えば、低いFストップ数、従って、大きい開口数になるようにセットされた)対物レンズを備えるのが望ましい。しかし、被写界深度(DOF、すなわち、画像の焦点の合った領域のサイズ)が、開口数の二乗に反比例する(すなわち、λが光の波長で、nが用いられるレンズの開口数である場合、方程式DOF=λ/nに一致する)ので、開いた対物レンズを用いるイメージング・システムは、通常、被写界深度が極めて小さい。図1には、開いた対物レンズを用いるシステムによって生じる典型的な画像を表わした説明図が示されている。図1を参照すると、画像2には、一般に、試料プレート6のある領域を含む視野4が含まれている。視野4には、3つの領域、すなわち、焦点の合った領域8と、焦点のずれた2つの領域10及び12が含まれている。視野4は、透視図で示されており、従って、その領域は、台形状をなしている。焦点のずれた領域10は、撮像デバイスに近接しているが、焦点のずれた領域12は、撮像デバイスに対し遠位にある。従って、開いた対物レンズを用いるイメージング・システムを利用して生成される、試料プレートのある領域の画像には、一般に、高解像度で高コントラストの焦点のあった部分と、ぼやけた、かなりの量の焦点のずれた部分が含まれている。例えば、試料結晶を含む領域といった、付着した試料の小さい構造的特徴は、画像の焦点のずれた部分に存在する可能性があるので、こうした画像は、一般に、それらの特徴を識別するのには適さない。
対照的に、そのアパーチャができる限り閉じた(すなわち、Fストップが最高にセットされた)対物レンズを備えるイメージング・システムを用いると、その視野全体に完全に焦点の合った、試料プレート上のある領域の画像を生成することが可能である。しかしながら、対物レンズを閉じると、解像度が低下するので、こうしたシステムによって生成される画像は、一般に、小さい構造的特徴を識別するのには不向きである。こうしたシステムによって生成される画像は、全体として焦点が合っているが、画像の解像度は、こうした特徴の識別には不十分なほど低くなる可能性がある。
上述の論考を考慮すると、本明細書に解説の方法によって、開いた対物レンズ(例えば、1.0、1.4、2、2.8、4、5.6、または、8のFストップといった、約1.0〜約8.0のFストップ、あるいは、同等の開口数を備える対物レンズ)を用いることが可能なイメージング・システムを用いて、試料プレートのある領域に関する焦点の合った画像を生成するための手段が得られる。生成される画像は、一般に、焦点が合っており(すなわち、クリアで鮮明)、試料プレートの表面上における小さい特徴(例えば、検体結晶を含む領域)を識別するのに十分なほど解像度及びコントラストが高い。いくつかの実施態様において、本発明の方法は、撮像デバイスのアパーチャを閉じることなく、撮像デバイスの被写界深度を拡大するものとみなすことが可能である。
図2には、本発明の方法の一般的な特徴が例示されている。図2を参照すると、この方法には、一般に、例えば、画像20、24、及び、28といった、MALDI試料プレートの領域19の複数の(すなわち、少なくとも2つの)画像を生成するステップが含まれている。生成される画像は、例えば、焦点の合った部分22、26、及び、30といった、焦点のあった異なる部分を含んでおり、これらを組み合わせて、その領域の焦点の合った画像32が生成される。従って、これらの方法によって生成される焦点の合った画像32は、複数の画像の焦点の合った部分を含む合成画像である。
一般に、これらの方法は、コンピュータのプロセッサによって実行される、コンピュータ実行可能命令、すなわち、プログラムを利用して実施される。これらの方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令は、一般に、独立したものとすることもできるし、あるいは、試料プレート・イメージング・システムを含むイオン源に接続されて機能することが可能な、コンピュータ可読媒体に納められている。換言すれば、コンピュータ実行可能命令は、イオン源と関連付けることもできるし、関連付けないことも可能である。この試料プレート・イメージング・システムについては、さらに詳細に後述することにする。
また、さらに詳細に後述するように、どの特定の方法が用いられるのかに応じて、焦点の合った画像は、高解像度の二次元あるいは三次元画像とすることが可能であり、二次元または三次元空間において特徴(例えば、検体結晶を含む領域)を容易に識別できるようになる。
これらの方法を実施する場合、生成される画像数は、一般に、画像生成される領域のサイズ、及び、用いられるイメージング・システムの被写界深度によって決まる。さらに、このシステムを利用して、焦点の合った異なる部分を含む任意の数の画像を生成することが可能であり、この任意の数の生成された画像を組み合わせて、焦点の合った画像を生成することが可能である。例えば、いくつかの実施態様では、焦点の合った異なる部分を含む、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、50以上、100以上、500以上、1000以上、または、10000以上の画像を生成することが可能である。生成された画像の全てまたは任意の一部からの焦点のあった部分を組み合わせて、焦点の合った画像を生成することが可能である。さらに、画像の焦点の合った部分間にかなりのオーバラップが生じる可能性があるので、焦点の合った画像の生成に、生成された画像のそれぞれの焦点の合った部分を全て用いることができるわけではない。換言すれば、任意の数の生成画像の焦点の合った部分からの2つ以上の任意の領域を組み合わせて、焦点の合った画像を生成することが可能である。
いくつかの実施態様では、組み合わせられる焦点の合った部分を含む画像の生成前に、それらの部分の位置及びサイズを知ることが可能である。例えば、ある画像のある焦点の合った部分の位置は、経験的に求めることもできるし、あるいは、既知の公式を用いて計算することも可能である(例えば、用いられるイメージング・システムの被写界深度を計算し、その被写界深度と画像を関連付けることによる)。こうした実施態様の場合、あらかじめ決められた方法で、複数の画像の焦点の合った部分を組み合わせることが可能である。ある領域の焦点の合った画像を生成するのに必要な、その領域の異なる画像数は、やはり、容易に計算することが可能である。例えば、図2を参照すると、用いられるイメージング・システムの被写界深度が変化しない(すなわち、安定している)場合、ある領域の焦点の合った画像を生成するのに必要な画像数は、容易に計算可能である(この場合、3つの画像が必要とされる)。さらに、被写界深度が分っているため、焦点の合った部分22、26、及び、30のサイズ及び位置を容易に計算することができるので、あらかじめ決められたやり方で(すなわち、それ以上の分析を行って、各画像毎に焦点の合った部分を識別することなく)、それらの部分を組み合わせて、焦点の合った画像32を生成することが可能である。
他の実施態様では、組み合わせられる画像の焦点の合った部分の位置及びサイズが、それらの生成時に分っていない場合もあり得る。これらの実施態様では、画像解析ソフトウェアを用いて、組み合わせられる画像の焦点の合った部分を識別することが可能である。これらの実施態様に用いるのに適した画像解析方法は、当該技術において周知のところであり、これらの方法には、コントラストに基づく方法(例えば、米国特許第6,320,979号明細書参照)、及び、ピラミッド・ベースの方法(例えば、参考までに、本明細書において援用されている、Ogden他、「RCA Engineer」、1984年5月30日、p.4−15、Anderson他、「RCA Engineer」、1984年4月29日、p.33−41、及び、米国特許第4,797,942号明細書、第6,661,986号明細書、及び、第4,498,843号明細書参照)、及び、現在共焦点顕微鏡検査に用いられている他の方法が含まれている。こうした画像解析を実施するためのソフトウェアは、Sun Microsystems(カリフォルニア州、サンタ・クララ)を含むさまざまな専門業者から購入することが可能であり、これらの方法における利用に容易に適合する。
ピラミッド・ベースの方法は、二次元及び三次元画像の生成に利用することができるので、本方法に用いるのにとりわけ適している。ピラミッド・ベースの方法は、ローパス(または「ガウス・ピラミッド」・ベース)型またはバンドパス(または「ラプラス・ピラミッド」・ベース)型とすることが可能である。これらの方法にはいくつかのバリエーションがあるが、こうした方法には、焦点の合った異なる部分を含むようにして、複数のもとの画像をぼかして、複数のぼやけた画像を生成するステップと、対応するもとの画像からぼやけた画像を取り除いて、「エッジ」(すなわち、明確な特徴)が表示される1組の画像を生成することが必要とされる。エッジは、もとの画像の焦点の合った部分を表わしており、それら焦点の合った部分を組み合わせることによって、完全に焦点の合った1つの画像が生成される。複数の連続する焦点の合った二次元画像を次々と上にまたは隣接するようにスタックすることにより、例えば、焦点の合った三次元画像を生成することが可能である。
ピラミッド・ベースの方法では、空間的にバンドパス画像の和として画像を表現し、同時に、各バンド毎に局所的空間情報を保持する。ピラミッドは、コンパクトな二次元フィルタを用いて画像Gに低域フィルタリングを施すことによって生成可能である。フィルタリングを施された画像は、次に、他の全てのピクセル及び他の全ての行を除去して、縮小画像Gを得ることによって、二段抽出が施される。このプロセスを繰り返して、ガウス・ピラミッドG、G、G、G...Gが形成される。
Figure 0005154034


をGと同じサイズまで拡大して、取り除くと、バンドパス画像Lが生じる。サイズが縮小し、空間周波数が低下するバンドパス画像を含むことによって、ラプラス・ピラミッドL,L,L,L...Ln−1を作成することが可能である。
=G−Gk−1,k=0,N−1
ここで、拡大画像Gは、次によって得られる。
Figure 0005154034

拡大されたバンドパス画像からもとの画像を復元することが可能である。
=L,L1.1+L2.2+...LN−1,N−1+GN,N
ガウス・ピラミッドには、漸次低下する空間周波数における、もとのGのローパス・バージョンが含まれる。この効果は、ガウス・ピラミッド・レベルをGと同じサイズまで拡大すると、明確に理解することができる。ラプラス・ピラミッドには、Gのバンドパス・コピーが含まれている。各ラプラス・レベルは、ある特定サイズのエッジを含んでおり、空間周波数におけるほぼ1オクターブにわたっている。
画像は、組み合わせる前に、1組のバンドパス成分に分解される。これにより、低周波成分には、広い遷移域を利用し、一方、高周波成分には、狭い遷移域を利用することが可能になる。円滑な混合を行うため、ある特定のバンドにおける遷移域の幅は、そのバンドの中心周波数の約1波長とするのが望ましい。次に、組み合わせられるバンドパス成分を再結合して、最終画像モザイクが得られる。
,S,S,...Sを1つの組をなすKのソース・イメージとする。1組の2値マスク画像M,M,M,...Mによって、ソース・イメージをどのように組み合わせることができるかが決まる。ソース・イメージSが有効であれば、Mが「1」になり、他は「0」になる。S,Mの乗算及びkにわたる合計によって、ステップ・エッジを備えた「カット・アンド・ペースト」合成が行われる。代わりに、各ソース・イメージに関するラプラス・ピラミッドLk1、及び、各マスク画像に関するガウス・ピラミッドMk1を生成することも可能である。合成ラプラス・ピラミッドLk1は、各ソース・ピラミッド・レベルをその対応するマスクで重み付けして、各空間スケール毎に「カット・アンド・ペースト」を行うことによって形成される。
c1(i,j)=M(i,j)Lk1(i,j)
最終画像は、各レベルの拡大及び合計によって、Lから再構成される。各ピラミッド・レベルの遷移域がそのレベルの中心周波数の波長と同等であるため、円滑な混合が実現される。情報のタイプによっては、ピラミッド・ノード毎に組み合わせて、ノード自体の値によって誘導することが可能である。
実施態様の1つでは、2つのソース・イメージに関するラプラス・ピラミッドL及びLが用いられる。焦点が変化しても、画像の低周波数成分にはほとんど影響がないので、これらのピラミッドの低周波数レベルは、ほぼ同じ値になるはずである。高空間周波数情報が符号化される場合、焦点が変化すると、ピラミッド・レベルにおけるノード値が影響を受けることになる。2つの画像における対応するノードは、一般に、そのシーンの同じ特徴を表わすことになり、主として、ぼけによる減衰が異なることになる。振幅が最大のノードは、ほぼ焦点の合った画像内に位置することになる。「焦点の合った」画像成分は、もとの画像の部分ごとではなく、ピラミッド内のノード毎に選択することが可能である。各ノードを、絶対値がより大きい、LまたはL内の対応するノードに等しくなるようにすることによって、合成画像のためにピラミッドLが作成される。
A1(i,j)>LB1(i,j) の場合、
C1(i,j)=LA1(i,j) となるか、
そうでなければ、
C1(i,j)=LB1(i,j) となる。
焦点の合った最終画像は、Lのレベルの拡大及び加算によって得られる。
さまざまな方法を用いて、焦点の合った異なる部分を含む複数の画像を生成することが可能である。一般に、これらの方法には、例えば、a)試料プレート表面上のある領域に対する撮像デバイスの視野を変えるか(例えば、そのx−y平面内において、撮像デバイスに試料プレートを近づける及び/または撮像デバイスから試料プレートを遠ざけることによって、試料プレートに対して撮像デバイスを移動させることによって、あるいは、撮像デバイスと試料プレートの両方を移動させることによって)、b)撮像デバイスの焦点を変えるか、または、c)試料プレート表面上のある領域に対して撮像デバイスの視野を変え、かつ、撮像デバイスの焦点を変えることが必要とされる。こうした方法は、電動式試料プレート・ホルダ、及び/または、他の光学機器(例えば、ディジタル・カメラ等)において一般に用いられている焦点合わせ手段を利用するイオン源において容易に実現される。図3(a)、(b)には、典型的な方法が例示されている。
図3(a)に例示の典型的な実施態様の1つでは、撮像デバイス40の焦点が、試料プレート44の領域42に合わせられる。双方向矢印によって示されるように、試料プレートは、その試料を含む表面の平面内において、撮像デバイスに近づくか、撮像デバイスから遠ざかるか、あるいは、その両方が可能である。この典型的な実施態様の場合、試料プレートは、撮像デバイスに近づき(図3(a)の右から左へ移動し)、位置46、48、及び、50において、試料領域42の画像が生成される。画像は、透視図によって、それぞれ、要素52、54、及び、56として示されている。領域42は、撮像デバイスの視野に関して示されている(台形として例示されている)。画像52、54、及び、56の斜線部分は、それらの画像の焦点の合った部分を表わしている。上述の方法を用いて、画像52、54、及び、56の焦点のあった部分を組み合わせることにより、焦点の合った画像58が生成される。
図3(b)に例示のもう1つの典型的な実施態様の場合、撮像デバイス60の焦点が、試料プレート44の領域42にあわせられる。双方向矢印によって示されるように、撮像デバイス60の焦点を変えることが可能である(これによって、実際には、対物レンズとその領域との間隔が変わる)。この典型的な実施態様の場合、撮像デバイスの焦点を変えることによって、焦点の合った異なる部分を含む、画像62、64、及び、66がそれぞれ生成される。領域42は、撮像デバイスの視野に関して示されている(台形として例示されている)。当該技術者には明らかなように、この実施態様の場合、視野はほぼ固定され、焦点の合った異なる部分を含む、複数の画像を生成するために変えられるのは、撮像デバイスの焦点である。画像62、64、及び、66の斜線部分は、それらの画像の焦点の合った部分を表わしている。上述の方法を用いて、画像62、64、及び、66の焦点のあった部分を組み合わせることにより、焦点の合った画像68が生成される。
他の実施態様では、図3(a)及び図3(b)に例示の方法を組み合わせて、用いられる。換言すれば、いくつかの実施態様では、撮像デバイスの視野の移動(例えば、試料プレート及び/または撮像デバイスを移動させて、試料プレートと撮像デバイスを互いに対して移動させることによる)、及び、撮像デバイスの焦点の変更の両方によって、複数の画像が生成される。
上記方法を利用して、試料プレート上のある領域の二次元または三次元画像が生成される。複数の画像が、試料プレートを撮像デバイスに近づけること及び/または試料プレートを撮像デバイスから遠ざけることと、撮像デバイスの焦点を変えることの両方によって生成される方法の実施態様は、とりわけ、三次元画像の生成に用いるのに適している。典型的な実施態様の1つでは、上述のように、一連の二次元画像を生成し、ソフトウェアを用いて、それらの画像を、順番に、互いに隣接するようにアライメントをとる、すなわち、「スタック」することによって、三次元画像を生成することができる。こうした方法は、例えば、共焦点顕微鏡検査及び医療用画像診断(例えば、磁気共鳴画像診断(MRI)またはコンピュータ断層撮影スキャン(CATスキャン))において既に用いられている方法からの応用が容易である。いくつかの実施態様では、三次元画像をコンピュータ可読媒体に記憶しておいて、画像解析ソフトウェアによるアクセスが行えるようにすることも可能である。三次元画像は、モニタ上で検分することが可能である。
実施態様の1つでは、本発明を用いて、試料プレート表面上の三次元試料の三次元画像を生成することが可能である。いったん生成されると、三次元画像を検査して(例えば、自動で画像解析ソフトウェアを用いて、手動でモニタを介して画像を検分することによって、あるいは、それらを組み合わせて)、試料内の対象を識別することが可能になる。ある特定の実施態様の場合、三次元画像を検査して、三次元試料内に存在する問題となる特徴(例えば、結晶)を識別することが可能である。
問題となる特徴が識別されると、その特徴に関する位置情報(例えば、試料プレート上の固定位置に対する特徴のx、y、及び、z座標)を生成することが可能になり、その位置情報を利用して、イオン源のイオン化レーザの光路内に特徴を位置決めすることが可能になる。これは、レーザによって特徴が照射されるように、試料プレート及び/またはレーザを移動させることによって実現可能である。特徴内の検体は、イオン化レーザで特徴を照射することにより、イオン化可能である。
従って、上記に鑑みて、本発明によれば、試料プレートの表面上に存在する三次元試料を分析するためのさまざまな方法が得られる。上述の方法を用いて、試料の三次元画像を生成することが可能であり、上述の方法を用いて、試料内の特徴の識別及び/またはイオン化が可能である。
上述の方法には、さらに、側方からその領域の画像を生成することによって生じる可能性のある、焦点の合った画像のいかなる歪みをも補正するステップを含むことが可能である。例えば、幾何学的歪み(たとえば、遠近感の歪み)及び/またはコントラスト歪みを補正して、ある領域の真上から画像生成したように見えるその領域の画像を生成することが可能である。こうした補正を実施するためのソフトウェアは、当該技術において周知のところである。
[コンピュータ可読媒体]
本発明によれば、上記方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令(すなわち、プログラム)も得られる。コンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体に納められている。従って、本発明によれば、例えば、MALDIイオン源のようなイオン源における試料プレート上のある領域に関する焦点の合った画像の生成に用いられるプログラムを納めたコンピュータ可読媒体が得られる。プログラムには、焦点のあった異なる部分を備えるその領域の複数の画像を生成するための命令、及び、それらの画像を利用して、その領域の焦点の合った1つの画像を生成するための命令が含まれている。それらの命令によって、イオン源内にある試料プレートのそのx−y平面における移動の制御、撮像デバイスの焦点合わせの制御、及び/または、画像捕捉タイミングの制御が可能になる。プログラムには、さらに、プログラムによって生成される焦点の合った画像のいかなる歪みをも補正するための命令を含むことも可能である。
本明細書において用いられる限りにおいて、「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行及び/または処理のため、コンピュータに命令及び/またはデータを提供することに関与する任意の記憶または伝送媒体を表わしている。記憶媒体の例には、それらがコンピュータ内部にあるか、外部にあるかにかかわらず、フロッピ・ディスク、磁気テープ、CD−ROM、ハードディスク・ドライブ、ROMまたは集積回路、光磁気ディスク、または、PCMCIAカード等のようなコンピュータ可読カードが含まれる。情報を納めたファイルは、コンピュータ可読媒体に「記憶」することが可能であるが、ここで、「記憶」は、後日、コンピュータによるアクセス及び検索が可能なように、情報を記録することを表わしている。
コンピュータ可読媒体に関して、「固定記憶装置」は、永続的なメモリを表している。固定記憶装置は、コンピュータ・プロセッサへの給電が終了しても消去されない。コンピュータ・ハードドライブROM(すなわち、仮想メモリとして用いられないROM)、CD−ROM、フロッピ・ディスク、及び、DVDは、全て、固定記憶装置の例である。ランダム・アクセス・メモリ(RAM)は、非固定記憶装置の一例である。固定記憶装置内のファイルは、編集可能及び書換え可能とすることが可能である。
実施態様の1つでは、コンピュータ可読媒体は、コンピュータのメモリである。もう1つの実施態様では、コンピュータ可読媒体は、CD−ROM等のような携帯記憶装置である。
[イオン源]
本発明によれば、一般に、例えば、マトリックス・ベース・イオン源のようなイオン源のために、試料プレートのある領域の焦点の合った画像を生成するためのシステムが得られる。このシステムには、一般に、試料プレートの画像を生成するための撮像デバイスを含む、マトリックス・ベース・イオン源が含まれている。このシステムにおいて、撮像デバイスは、上述のコンピュータ可読媒体を含むコンピュータとリンクして機能することが可能である。上述のように、コンピュータ可読媒体には、一般に、焦点のあった異なる部分を含む領域の複数の画像を生成するための命令、及び、それらの画像を利用して、その領域の焦点の合った画像を生成するための命令が納められている。
動作中のイオン源は、周囲圧力が少なくとも100ミリトル(例えば、大気圧)または100ミリトル未満になる可能性がある(及び、実施態様によっては、大気圧、真空、または、中間真空MALDIイオン源となる場合もある)。撮像デバイスは、一般に、イオン源内にあって、画像生成される領域に向けられている(任意のミラー及び/または他の光学コンポーネントを介して)。イオン源には、さらに、例えば、イオン源内の白熱電球、または、イオン源の外部に光源を備える光ファイバ照明器といった、その領域を照射するための照射装置を含むことが可能である。撮像デバイスは、その領域の焦点の合った画像を検分するため、例えば、ビデオ・モニタといったディスプレイに接続することが可能である。画像生成される試料プレートの領域には、試料プレート上におけるレーザの衝撃点を含むことが可能であり、付着試料を含むことも可能である。
図4には、典型的なシステムの概略が例示されている。図4を参照すると、典型的なシステム70には、撮像デバイス74を含むイオン源72が含まれている。撮像デバイスには、一般に、光センサ・アレイ(例えば、ピクセル・アレイ)76と、対物レンズ(「結像」レンズとして既知のものとすることが可能な)78が含まれている。撮像デバイス74によって、イオン源内の試料プレート82上における領域80の画像が生成される。図4には、撮像デバイスの視野が、要素84として例示されている。撮像デバイスは、上述のプログラムを納めたコンピュータ86に接続されている。ケーブル88によって、撮像デバイスとコンピュータを接続することが可能である。
撮像デバイス74は、任意のタイプのカメラとすることが可能であるが、ディジタル化出力を生じるカメラ(すなわち、ディジタル・カメラ)を用いるのが最も容易である。実施態様によっては、用いられるカメラは、電荷結合素子(CCD)カメラの場合もあれば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラの場合もある。上述のように、こうした撮像デバイスには、一般に、光センサ・アレイが含まれている。光センサ・アレイは、撮像デバイスに入射する光に対して任意の角度の配向を施すことが可能である。実施態様の1つでは、撮像デバイスに入射する光に対してほぼ垂直な(すなわち、垂直から1°以内)方向に光センサ・アレイの配向を施して、高い解像度とコントラストが確保される。実施態様によっては、撮像デバイスには、焦点合わせ可能なものもあり(双方向矢印90によって例示のように)、コンピュータ86の命令によって、撮像デバイスの焦点を制御することが可能である。他の実施態様には、双方向矢印92によって例示のように、そのx−y平面内において(すなわち、その試料を含む表面の平面内において)、試料プレートを撮像デバイスに近づけることが可能か、撮像デバイスから遠ざけることが可能か、あるいは、その両方が可能なものもある。試料プレートの撮像デバイスに近づく動き及び/または撮像デバイスから遠ざかる動きは、コンピュータ86の命令によって制御可能である。コンピュータ86の命令によって、一般に、例えば、撮像デバイス74の焦点及び/または試料プレート92の移動、撮像デバイス74による画像の捕捉タイミング、及び、各領域毎に生成される画像数といった、システムのいくつかの様相を制御することが可能である。システムによって複数の画像が生成されると、コンピュータは、それらの画像を利用し、上述の方法を用いて、焦点の合った1つの画像を生成し、ディスプレイ上にその画像(二次元画像の場合もあれば、三次元画像の場合もある)を表示する。ディスプレイに、イオン化レーザの衝撃点を示すことも可能である。図5に例示の実施態様の1つでは、本発明によって、図4に示す要素を含むシステム、並びに、光96で領域80を照射するための照射装置94が得られる。実施態様によっては、照射装置が、光導波路(例えば、光ファイバ光導波路)100を介して、イオン源の外部にある光源98(例えば、ハロゲンまたはLEDランプ)に接続可能なものもある。イオン源には、領域80内のレーザ衝撃点104に向けられたイオン化レーザ102を含むことも可能である。イオン源には、イオン源からイオンを輸送するために、レーザ衝撃点104の上方に配置されたイオン出口毛細管106を含むことも可能である。イオン源には、プレートを移動させるX−Yステージを含むことも可能である。
いくつかの実施態様では、あらゆる目的に適うように、参考までに本明細書において援用されている、2005年6月8日に米国で提出された米国特許出願11/148786号の優先権を伴い、2006年5月31日に出願された同時係属の特許出願である、特願2006−159886号「イオン源試料プレート照射システム」の出願書類に記載されるところのかすめ角照射システムを用いて、領域を照射することが可能である。
上述のシステムを用いて生成される焦点の合った画像は、いくつかの目的に用いることが可能である。実施態様の1つでは、その画像を用いて、イオン化レーザが試料プレート上の所望の部分に確実に衝撃を与えるようにする。従って、上記に鑑みて、本発明によれば、さらに、試料のイオン化方法も得られる。この方法には、一般に、撮像デバイスの視野内において試料の位置決めを行うステップと、焦点の合った異なる部分を含む、複数の試料画像を生成するステップと、それらの画像を利用して、焦点の合った1つの試料画像を生成するステップと、イオン源のイオン化レーザが試料に衝撃を与えるように、試料プレートの位置決めを行うステップと、試料をイオン化するステップが必要とされる。
[質量分析システム]
本発明によれば、試料プレートのある領域に関する焦点の合った画像を生成するための上述のシステムを含む、質量分析システムも得られる。イオン源を含む質量分析システムは、当該技術において周知のところであり、従って、本明細書におけるこれ以上の詳述は不要である。概して云えば、質量分析システムには、イオン源と、イオン検出器を含む質量分析器が含まれて、1つ以上の中間室により接続されている。図6には、本発明の典型的な質量分析システムが示されている。当該技術において一般的なように、イオン源72及び質量分析器は、イオン出口毛細管を介してイオン源を出た後、イオンが輸送される、少なくとも1つの中間真空室118によって分離されている。システムの要件に応じて、1つ以上の真空段を用いることも可能である。さらに詳細に上述のように、コンピュータ116は、撮像デバイス114によって生成された画像に処理を加えて、試料プレート112のある領域の焦点の合った画像を生成する。
質量分析器及び検出器122には、例えば、当該技術において既知の、四重極、3連四重極、三次元イオン・トラップ、線形イオン・トラップ、飛行時間(TOF)、磁場型、フーリエ変換イオン・サイクロトロン共鳴(FTICR)、または、他の質量電荷分析器を含むことが可能である。
使用時、イオン源72が大気圧に保たれる場合、中間室118は、周囲圧力より約2桁低い圧力に保たれ、質量分析器122は、中間室よりも約2〜4桁低い圧力に保たれる。イオンは、そのイオン収集毛細管を介してイオン源72を出ると、イオン源72と中間室118の間の圧力差に起因するガス流によって、吹き流され、通常はスキマを介して、真空室118に送り込まれる。イオンは、中間室118(及び、存在する可能性のある、任意のイオン・ガイド120、イオン・ビーム整形または集束レンズ)を通過して、質量分析器122に入り込む。質量分析器122は、イオンのm/z比を決定し、従って、試料中における検体の分子量を求めるのに役立つ。イオン・ガイド120は、当該技術において既知の、多極イオン・ガイド、分割多極イオン・ガイド、順次ディスクRFイオン・ガイド、イオン・ファンネル、または、他のイオン・ガイドとすることが可能である。イオン・ガイド120は、連続して、1つ以上の真空ポンプ段内にまで延びることもできるし、あるいは、単一真空段内に始端及び終端がくるようにすることも可能である。
効用
上述の方法によれば、一般に、イオン源のために試料プレートのある領域に関する高解像度で焦点の合った画像が提供される。焦点の合った画像によって、一般に、画像生成される領域内の特徴の詳細な構造が示されるので、試料を含む領域、検体結晶を含む領域、及び、他の構造を容易に識別することが可能になる。上述の方法によって生成される焦点のあった画像は、多種多様な方法で用いることが可能である。
例えば、実施態様の1つでは、この方法を用いて、試料プレート上のある領域の二次元または三次元画像を生成して、例えば、モニタのようなディスプレイ上にその画像を示すことが可能である。いくつかの実施態様では、ディスプレイ上に、イオン源のレーザ衝撃点(すなわち、試料プレート表面上におけるイオン源のイオン化レーザの衝撃点)を示すことも可能である。従って、試料プレート表面上におけるイオン化レーザの衝撃点に関して、試料プレートの試料を含む領域の位置を検分することが可能であり、試料プレートの位置をしかるべく調整して(例えば、手動でまたはソフトウェアを用いて)、放射されると、レーザが試料を含む領域(または、試料を含む領域の任意の特徴)に確実に衝撃を与えるようにすることが可能である。
この実施態様の場合、試料プレートの領域は、照射領域内にある試料のイオン化前、イオン化中、または、イオン化後に画像生成することが可能である。さらに、試料プレートの画像生成中に、試料プレート表面の平面内において(すなわち、x−y平面内において)試料プレートを移動させることが可能であり、オペレータは、過度の努力を傾けることなく、イオン化が望ましい領域(例えば、試料を含む領域、または、試料を含む領域内の結晶を含む領域)を識別して、それらの領域にイオン化レーザを向けることが可能になる。
例えば、もう1つの実施態様では、画像を解析して、試料プレート上における試料の二次元または三次元形状、寸法、及び、位置を表わす試料パラメータを求めることが可能である(手動でまたはソフトウェアを用いて)。プレートに関する試料パラメータは、メモリ内のファイルに記憶しておいて、イオン源がその試料プレート上の試料を含む領域にレーザを向けるのに利用することが可能である。こうした方法の概要については、あらゆる目的に適うように、参考までに本明細書においてそっくりそのまま援用されている、2003年5月2日に提出され、米国特許公報第20040217278号として公開された、同時係属の米国特許出願第10/429,234号にさらに詳述されている。
特に問題となる実施態様の1つでは、本発明が、例えば、単一細胞または組織切片とすることが可能な生体試料が、マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレート上に固定される、いわゆる「画像式質量分析法」に用いられる。試料は、切片作製またはレーザ捕捉顕微解剖を含む、利用可能な任意の手段によって作製することが可能である。試料にマトリックスを添加し、マトリックス適合染色剤を用いて染色することが可能である。本発明の方法によって生成される試料の焦点の合った画像は、一般に、試料の特定領域の識別及びイオン化を可能にするのに十分なほど詳細にすることが可能である(すなわち、十分なほど高解像度にすることが可能である)。例えば、焦点の合った画像によって、問題となる切片の染色領域、非染色領域、細胞器官、細胞、細胞型、または、ある特定領域を示すことが可能である。上述の方法を用いて、その領域をイオン化し、その領域にある例えば、ポリペプチドのような分子の質量に関する情報を提供することが可能である。代替実施態様では、試料の領域を任意に(例えば、ランダムに)イオン化することが可能であり、それらの領域から得られる質量分布は、画像において識別される構造と相関させることが可能である。画像型質量分析法の詳細については、制限するわけではないが、参考までに本明細書において援用されている、Rubakhin他(Anal.Chem.2003年、第75巻、p.5374−5380)、Chaurand他(Anal.Chem.、2004年、第76巻、p.1145−1155)、Stoeckli他(Nat.Med.、2001年、第7巻、p.493−496)、Masumori他(Cancer Res.、2001年、第61巻、p.2239−2249)、Chaurand他(Proteomics.、2001年、第1巻、p.1320−1236)、及び、Palmer−Toy他(Clin.Chem.、2000年、第46巻、p.1513−1516)を含む、さまざまな刊行物に記載されている。こうした方法を用いて、正常細胞、及び、例えば、癌細胞及び病変細胞を含む異常細胞を調べることが可能である。
もう1つの実施態様では、図7に例示のように、本発明の方法を利用して、試料プレートの表面に存在する三次元光透過性試料(例えば、埋め込み試料)内に含まれる対象の二次元または三次元高解像度画像を生成することが可能である。対象は、本発明の方法を利用して識別可能であり、対象は、イオン源のレーザの下方を移動させて、イオン化することが可能である。図7に例示のように、撮像デバイス136を上述の方法と組み合わせて利用して、試料プレート130上に存在する三次元透明基体132内に存在する対象134の焦点の合った画像が生成される。
本発明は、一般に、試料プレート表面に付着し、結晶化した任意の材料または材料の混合物とすることが可能な、試料の質量分析方法に用途を見出す。試料には、一般に、問題となる1つ以上の成分が含まれている。試料は、食品、環境材料、制限するわけではないが、例えば、血漿、血清、髄液、精液、リンパ液、皮膚、気道、腸管、及び、尿生殖路の外側切片、涙液、唾液、乳、血球、腫瘍、臓器を含む、被検体(例えば、植物または動物被検体)から分離された組織または液のような生体試料、及び、体外細胞培養成分(制限するわけではないが、細胞培養基内における細胞の成長から生じるならし培地、ウイルス感染していると推定される細胞、組換え細胞、及び、細胞成分を含む)、または、それらの任意の生化学画分からといった、さまざまな試料源から取り出すことが可能である。
[キット]
本発明に関連して用いられるキットも得られる。こうしたキットには、上述のコンピュータ可読媒体または焦点合わせ可能な撮像デバイスを含む、任意の構成が含まれている。キットには、マトリックス・ベース・イオン源に撮像デバイスを組み込むための指示書、または、上記方法の内の任意の方法を実施するための指示書を含むことも可能であり、指示書は、一般に、キットに関連した、例えば、1枚以上の紙のような被印刷物に記されている。
これらの方法を実施するための指示書は、一般に、適合する記録媒体に記録される。例えば、指示書は、紙またはプラスチック等のような被印刷物に印刷することが可能である。従って、指示書は、添付文書としてキット内に存在する場合もあれば、キットまたはそのコンポーネントの容器の表示(すなわち、パッケージングまたはサブパッケージングに関連した)等に含まれる場合もある。他の実施態様では、指示書が、例えば、CD−ROM、ディスケット等のような適合するコンピュータ可読記憶媒体に納められた電子記憶データ・ファイルとして存在する。さらに他の実施態様では、キット内に実際の指示書は存在しないが、例えば、インターネットを介して、遠隔情報源から指示書を得るための手段が設けられている。この実施態様の一例が、指示書を見ることが可能な、及び/または、指示書をダウンロードすることが可能なウェブ・アドレスを含むキットである。指示書の場合と同様、指示書を得るためのこの手段も、適合する被印刷物に記録されている。
[実験例]
下記の例は、本発明のいくつかの実施態様を制作し、利用する方法を当該技術者に説明するために提示されたものであって、発明者が自身の発明であるとみなす範囲を制限することを意図したものではない。
下記方法では、AP−MALDI試料プレートの3つの個別画像が用いられた。AP−MALDI試料プレートは、AP−MALDIイオン源内に配置された。画像は、白黒のCCDカメラを用いて捕捉され、パーソナル・コンピュータ上に画像を表示するためのプログラムに送られた。試料プレートは、スポット位置を制御する(電動ステージの制御を介して)プログラムを用いて、カーソル・ボタンを介して移動させられた。
付着試料の最も左の部分(領域A)の焦点が合った、第1の画像が撮られた(図8(a)参照)。試料プレートの再位置決めを行って、スポットの中央領域(領域B)の焦点が合った、第2の画像が撮られた(図8(b)参照)。試料プレートの再位置決めを行って、スポットの最も右の部分(領域C)の焦点が合った、第3の画像が撮られた(図8(c)参照)。
パーソナル・コンピュータ上で、標準的な画像解析ソフトウェアPAINTSHOP PROTMを利用して、3つの画像全てが、目視検査された。コピー・アンド・ペーストによって、焦点が合っていると思われるスポットの部分(領域A、B、C)を組み合わせることにより、試料全体に焦点の合った1つの画像が生成された。図8(d)には、焦点の合った最終画像が示されている。
次に、最終画像は、スポット位置を自動的に検出するために用いられる、パーソナル・コンピュータで実行するもう1つのプログラムに送り込まれた。このプログラムは、こうして、スポットの正確な中心位置を見つけることができたが、これは、完全には焦点の合っていない画像を用いた場合には、同じプログラムで実現することのできないことである。
以上の98及び論考から明らかなように、本発明によれば、試料プレート内のある試料の焦点のあった画像を生成するための重要な手段が得られる。従って、本発明は、質量分析測定技術に大いに寄与することになる。
本明細書に引用された全ての刊行物及び特許は、あたかも、個々の刊行物または特許が、それぞれ、具体的に、個別に参考のために援用されるように指示されていたかのように、本明細書において参考までに援用されている。どの刊行物の引用も、その開示が提出日以前であるという理由によるものであり、先行発明を理由にこうした刊行物に先行する資格がないことを本発明に認めるものと解釈すべきではない。
本発明については、その特定の実施態様に関連して解説されてきたが、当該技術者には当然明らかなように、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を施し、同等物に置き換えることが可能である。さらに、多くの修正を施して、特定の状況、材料、合成物、プロセス、プロセスの1つまたは複数のステップを、本発明の目的、精神、及び、範囲に適応させることも可能である。こうした全ての修正は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
イオン源のために、試料プレート表面に対してある角度なす撮像デバイスによって捕捉された、試料プレート表面上のある領域の画像を例示する概略図である。 本発明の第1の実施態様を例示した概略図である。 (a)は、本発明の第2の実施態様を例示した概略図であり、(b)は、本発明の第3の実施態様を例示した概略図である。 本発明の第1の典型的なイオン源を例示した概略図である。 本発明の第2の典型的なイオン源を例示した概略図である。 本発明の質量分析システムを例示した概略図である。 本発明の第4の実施態様を示す図である。 本発明による実験例を示す図である。
符号の説明
2 画像
4 視野
6 試料プレート
8、10、12 領域
70 システム
72 イオン源
74 撮像デバイス
76 光センサ・アレイ
78 対物レンズ
80 領域
86 コンピュータ

Claims (15)

  1. マトリックス・ベース・イオン源のために試料プレート上の試料の焦点の合った画像を生成するための方法であって、
    前記試料における複数の異なる領域を前記試料プレートに垂直な方向に対して側方から見る撮像デバイスの視野内において前記異なる領域の位置決めをするステップと、
    前記撮像デバイスを利用して、前記異なる領域のうちのある領域について、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第1の画像を生成するステップと、
    前記撮像デバイスを利用して、前記異なる領域のうちの別の領域について、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第2の画像を生成するステップと、
    前記第1及び第2の画像の前記焦点の合った部分を利用して、焦点の合った最終画像を生成するステップと、を有することを特徴とする方法。
  2. 前記焦点の合った最終画像に、複数の前記焦点の合った部分が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の画像及び前記第2の画像が、前記試料に対する前記撮像デバイスの位置を変えることによって生成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記方法に、前記撮像デバイスの焦点を変えるステップが含まれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記方法に、
    前記撮像デバイスに対して前記試料プレートを移動させるステップと、
    前記撮像デバイスの焦点を変えるステップが含まれることを特徴とする、
    請求項1に記載の方法。
  6. あらかじめ決められた数の画像を組み合わせて、前記焦点の合った最終画像が生成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. さらに、前記焦点の合った最終画像をディスプレイ上に表示するステップを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. マトリックス・ベース・イオン源における試料プレート上の試料のイオン化方法であって、
    前記試料プレート上の前記試料を前記試料プレートに垂直な方向に対して側方から見る撮像デバイスの視野内で前記試料を位置決めするステップと、
    前記撮像デバイスを利用して、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第1の画像を生成するステップと、
    前記撮像デバイスを利用して、前記第1の画像とは前記試料において異なる領域を含む第2の画像であって、焦点の合った部分と焦点のずれた部分を含む第2の画像を生成するステップと、
    前記第1及び第2の画像の前記焦点の合った部分を利用して、前記試料の焦点の合った最終画像を生成するステップと、
    前記焦点の合った最終画像に基づいて前記試料をイオン化するステップと、を有することを特徴とする方法。
  9. さらに、前記試料をイオン化できるように、前記マトリックス・ベース・イオン源内で前記試料プレートを移動させるステップを有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 試料プレート上にあるマトリックス・ベース・イオン源内の試料の焦点の合った画像を生成する際に用いられるプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体であって、
    前記プログラムは、
    前記試料プレート上の前記マトリックス・ベース・イオン源内前記試料を、前記試料プレートに垂直な方向に対して側方から見て、前記試料について、焦点の合った異なる部分を有する複数の画像であって、それぞれの画像が前記試料における異なる領域についてのものである前記画像を生成するための命令と、
    前記画像を用いて、前記試料について焦点の合った1つの画像を生成するための命令
    を含むことからなる、コンピュータ可読媒体。
  11. 試料プレートの試料の焦点の合った画像を生成するためのシステムであって、
    撮像デバイスを含むマトリックス・ベース・イオン源と、
    プログラムを具備するコンピュータと、
    前記撮像デバイスに接続されたディスプレイ
    を備え、
    前記プログラムは、前試料を前記試料プレートに垂直な方向に対して側方から見て、前記試料について、焦点の合った異なる部分を有する複数の画像であって、それぞれの画像が前記試料における異なる領域についてのものである前記画像を生成するための命令と、前記複数の画像を用いて、前記試料について焦点の合った1つの画像を生成するための命令を含むことからなる、システム。
  12. 質量分析システムであって、
    試料プレートを有するマトリックス・ベース・イオン源と、
    前記試料プレートを、前記試料プレートに垂直な方向に対して側方から見るように構成された撮像デバイスと、
    前記マトリックス・ベース・イオン源にリンクされて機能することが可能なイオン輸送装置と、
    該イオン輸送装置にリンクされた質量分析計と、
    プログラムを具備するコンピュータ
    を備え、
    前記プログラムが、焦点の合った異なる部分を有する複数の画像であって、試料プレートにおけるそれぞれに異なる領域について前記複数の画像を生成するための命令と、前記複数の画像を用いて、焦点の合った1つの画像を生成するための命令を含むことからなる、質量分析システム。
  13. 前記マトリックス・ベース・イオン源が、100ミリトル(約13.33パスカル)以上の圧力で動作させられるMALDIイオン源である、請求項12に記載の質量分析システム。
  14. 前記マトリックス・ベース・イオン源が、100ミリトル(約13.33パスカル)未満の圧力で動作させられるMALDIイオン源である、請求項12に記載の質量分析システム。
  15. 前記試料が、対物レンズのFストップ数を1.0として、側方から見たものであることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
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