以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1から図9を参照して説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
図1は本発明の電話端末制御ハブを用いたIP電話システムのシステム構成図である。IP−PBX主装置101は、LANケーブル102、104及びハブ103を経由してLAN上に接続された複数の電話端末の発信及び着信応答の要求を受け付け、呼び出しや通話等の動作の情報を送受信して呼制御を行うソフトウェアを備え、それらの要求と動作の情報を含めた呼制御情報をパケット通信(IPパケット)で送受信して呼制御を実行する。なお、電話端末とは、従来の交換機やボタン電話装置に接続して用いられているIP電話以外の電話端末であるが、一般的な電話機であるアナログ電話機を用いた例について先に説明する。
一般ハブ103及び電話端末制御ハブ105は、LANケーブルによる接続が可能な8ピンコネクタを備え、接続する電話端末やIP端末をIP−PBX主装置101と通信可能に接続するためのものである。
一般ハブ103は、通常のLAN接続に用いられるハブと同様のものであり、IP−PBX主装置101とLANケーブル102を介して接続される。電話端末制御ハブ105は、一般ハブ103と通常のLANケーブル104を介して接続され、これによってIP−PBX主装置101と電話端末制御ハブ105が通信可能に接続される。電話端末制御ハブ105には、LANケーブル106を介して電話端末a107、電話端末b108、電話端末c110、電話端末n111、及びIP端末b112が接続される。また、電話端末b108は、IP端末a109とLANケーブルによって接続される。
図2は電話端末制御ハブ105の詳細な内部構成回路の例を示すブロック図である。201は電話端末制御ハブ105の動作全般の制御を行う全体制御部であり、図示しないマイクロプロセッサやメモリ等から構成され、内部回路全体の制御を行う。IP通信制御部202は、IPネットワークにおけるパケット通信で用いられるIPパケットを制御するものであり、全体制御部201を介して受信したIPパケットから自装置内に接続される電話端末もしくはIP端末に必要な呼制御情報を読み出すことができ、更に自装置内に接続される電話端末もしくはIP端末からの必要な呼制御情報をIPパケット化して送信することが可能である。
また、IP−PBX主装置101と接続するLANインタフェース(以降、LAN−I/Fと称呼する)206からなるLANポート1を備えると共に、LAN−I/F208とTELインタフェース(以降、TEL−I/Fと称呼する)209の組み合わせで構成されるn個のLANポート212・・・217を備える。
音声制御部203は、IPパケットに含まれる音声データとPCMの音声データを相互に変換することが可能な音声制御部である。これによりIP通信制御部202にて受信した音声データパケットをPCMの音声データへ変換し、後述の電話端末制御部204へ送信し、また逆に電話端末制御部204から受信したPCMの音声データを音声データパケットに変換してIP通信制御部202に送信する。
電話端末制御部204は、自装置に接続された電話端末に、呼制御情報及びPCM音声データの送受信を行うことが可能である。
電源部205は、LANポート212・・・217を介して接続される電話端末に電力を供給するための電源部である。各々のLANポートは、オンオフを切り換えることによってTEL−I/F209への電力供給を制御するためのリレー211と、該リレー211に対応するリレードライバ(図中のDRV1〜DRVn)210を備え、電話端末制御部204はリレードライバ210を駆動させることにより、リレー211のオンオフを切換え、LANポート212・・・217に接続される電話端末単位での電力供給の制御を行う。
続いて、電話端末制御ハブ105に電話端末107やIP端末を接続する際のLANケーブル信号線接続系統について説明する。電話端末制御ハブ105が備えるLANポートコネクタは、各々に8ピンのコネクタを備え、本実施例においては、第1〜第4ピンをLAN−I/Fに、第7・第8ピンをTEL−I/Fに接続している。
図3は、図1における電話端末制御ハブ105とIP端末112の接続構成を示している。8芯のLANケーブル301によって電話端末制御ハブ105のLANポート2コネクタ207とIP端末b112のLANポートコネクタ302を接続する。これによりLANポート2コネクタ207が有する第1ピン501〜第8ピン508の各々と、LANポートコネクタ302が有する第1ピン511〜第8ピン518を接続することができ、電話端末制御ハブ105のLAN−I/F208とIP端末b112の内部回路112aとをIPパケット通信可能に接続することができる。
つまり、IP端末b112が有する内部回路112aは、LANポートコネクタ302の第1ピン511〜第4ピン514で接続され、この4芯を用いてIPパケット通信が実施されるので、第5ピン515〜第8ピン518は未使用である。このように、通常用いられるハブと同様、電話端末制御ハブ105とIP端末109を接続した場合であっても、従来用いられている一般ハブと同様のLANケーブルを用いてIP端末109をIPネットワークに接続することができる。
図4は、電話端末制御ハブ105と、外部にIP端末を接続可能なLANポートを備える電話端末a107の詳細な接続構成を示している。電話端末a107は、電話機能を制御する内部回路107aと、8芯のLANポートAコネクタ303と8芯のLANポートBコネクタ304の、2つのコネクタを備えており、LANポートAコネクタ303の第1ピン521〜第4ピン525は、LANポートBコネクタ304の第1ピン531〜第5ピン535と通信可能に接続され、第7ピン527〜第8ピン528は、内部回路107aに接続され、電話端末a107を内線電話として利用可能に通信可能に接続される。
この電話端末107aのLANポートAコネクタ303と、電話端末制御ハブ105のLANポート2コネクタ207を、LANケーブル301によって接続することで、LANポート2コネクタの第7ピン507〜第8ピン508と、LANポートAコネクタ303の第7ピン527〜第8ピン528を接続することができ、LANポート2コネクタの第7ピン507・第8ピン508はTEL−I/F209と通信可能に接続される。
このように接続された電話端末a107は、、電話端末制御部204によって呼制御情報と音声データの送受信が可能となる。
本実施例では、8芯のLANケーブルを接続可能な電話端末a107として説明しているが、従来から利用されているアナログ電話機の場合、8芯のケーブル接続はできない。この場合には、8芯のLANケーブルの電話機側のモジュラージャックを加工することで対応可能である。例えば、8芯のLANケーブルの第7ピン507と第8ピン508のみを有効として、電話端末側のモジュラージャックを加工するもしくは、同様に第7ピン507と第8ピン508のみを有効とする8芯2芯の変換コネクタを作成して電話端末a107と接続すればよい。
図5は、上記構成において更にIP端末(例えばパソコン等)を接続した状態(図1における電話端末b108の接続構成)を示している。図4に示す接続例と同様に、電話端末制御ハブ105のLANポート2コネクタ207と、電話端末b108のLANポートAコネクタ305をLANケーブル301を用いて通信可能に接続する。
電話端末b108の空きポートであるLANポートBコネクタ306と、図3におけるIP端末b112と同様の構成であるIP端末a109のLANポートコネクタ308とが、LANケーブル307にて接続される。この構成によって、電話端末制御ハブ105が備えるTEL−I/F209と電話端末b108の内部回路108aが接続され、更にLAN−I/F208とIP端末a109の内部回路109aとが、電話端末b108を介して通信可能に接続される。
これにより、図5からも明らかであるが、LAN−I/F208は、LANポート207の第1ピン501〜第4ピン504と接続され、LANケーブル301、電話端末b108のLANポートA305の第1ピン541〜第4ピン544、LANポートB306の第1ピン551〜第4ピン554、LANケーブル307を介して、IP端末a109のLANポート308の第1ピン561〜第4ピン564に接続される。IP端末a109の内部回路109aは、LANポート308の第1ピン561〜第4ピン564と通信可能に接続しているので、IP端末a109は電話端末制御ハブ105を介してIP−PBX主装置101を含めたネットワークに接続し、IPパケット通信が可能となる。
また、同様にTEL−I/F209は、LANポート207の第7ピン507・第8ピン508と接続され、LANケーブル301、電話端末b108のLANポートA305の第7ピン547・第8ピン548に接続される。電話端末b108の内部回路108aはLANポート305の第7ピン547・第8ピン548と接続しているため、電話端末b108はTEL−I/F209と接続され、呼制御情報もしくは音声情報の送受信が可能となる。
このように、電話端末制御ハブ105のLAN−I/F208とTEL−I/F209を同一のLANポートの異なるピンを用いることで、電話端末b108に対する呼制御情報と音声データの送受信が可能となると共に、電話端末制御ハブ105とIP端末a109の間でIPネットワークにおけるパケット通信が可能となり、更に、電話端末b108を用いて通話を行っている最中であっても、LAN−I/F208とTEL−I/F209は各々が独立して通信を行うことができるため、IP端末a109の通信の妨げになることはない。
続いて、電話端末制御ハブ105の、接続された電話端末に対する電力供給制御動作について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、電話端末の内線番号と接続するLANポート212〜217の対応表を兼ねた給電管理テーブルを示す説明図であり、図7は図6の給電管理テーブルに基づいた電話端末制御ハブ105の動作を示すフローチャートである。
図6で示される給電管理テーブルは、内線番号601と接続配置番号602と電力供給603と省電力タイマー604と電力供給停止時刻605と電力供給開始時刻606で構成され、内線番号601は、IP−PBX主装置105からのIPパケット送受信のときに、自装置に接続された電話端末を一意に特定して呼制御情報や音声データの送受信を行うために必要な内線番号である。接続配置番号602は、電話端末制御ハブ105が有する複数のLANポート212〜217に対応した接続配置番号である。電力供給603は、電話端末に対して現在給電中か否かをリアルタイムで管理する電力供給状況管理フラグである。省電力タイマー604は、電話端末への給電開始及び停止の時間管理を行う省電力タイマーであり、電力供給停止時刻605及び電力供給開始時刻606を設定し管理するものである。IP−PBX主装置101は、これら情報を管理する給電管理テーブルを、図示しないメモリに記憶する。
図6の給電管理テーブルにて管理される設定情報に基づく電話端末制御ハブ105の省電力動作について、図7に基づいて説明する。
電話端末制御ハブ105は、IP−PBX主装置101から自装置に接続される電話端末に対する着信のIPパケット情報の有無を監視し、例えば給電管理テーブルから電話端末107に該当する内線番号601が管理されているかを検索して判別する(S701)。自装置に接続される電話端末に対する着信があった場合、合致する内線番号601における接続配置番号602を参照し、接続配置番号601に該当するLANポートに接続された電話端末の使用状態を確認する(S702)。該当する電話端末が使用中である場合は省電力動作処理を終了する。
該当する電話端末は使用されておらず、給電管理テーブルにおける電力供給状況管理603のフラグが「0」、即ち該当する電話端末に対する電力が供給中である場合(S703)は、そのまま該当する電話端末の着信動作を行う。ステップS703にて電力供給603の状況管理フラグが「1」、即ち該当する電話端末に電力が供給されていない場合は、電話端末制御ハブ105から該当する電話端末に対して電力供給開始をすると共に、当該電話端末が接続されているLANポートの該当するリレードライバ210によってリレー211を作動させて該当する電話端末への電力の供給を行い(S704)、続いて該当する電話端末に着信動作を行う。
ステップS701にて着信がない場合、給電管理テーブルに記録される接続配置番号602に基づいて接続される電話端末の使用状態を順に確認する(S705)。使用中の電話端末はそのまま継続して待機状態とし、使用中で無い接続配置番号602の現在時刻が接続配置番号602の電力供給開始時刻605を経過している場合(S706)、給電管理テーブルの電力供給603の状況管理フラグを参照し(S707)、「0」、即ち電力が供給されている場合は省電力処理を終了し、「1」、即ち電力の供給がされていない場合は接続配置番号602の該当する電話端末に電力供給開始情報を送信し、電力の供給を開始する(S708)。
ステップS706にて現在時刻が電力供給開始時刻を経過していない場合、続いて現在時刻が電力供給停止時刻を経過していないかを判別し(S709)、経過していない場合は、該当する電話端末の電力供給をそのまま継続して待機状態とし、経過している場合は、該当する電話端末に電力供給停止情報を送信すると共に、当該電話端末が接続されているLANポートに該当するするリレードライバ210によってリレー211を作動させて電力の供給を停止する(S710)。
上記のような動作により、例えば企業の所定の部署における夜間等、電話の使用がほとんど行われない時間帯において、図6に示す省電力タイマーを設定することで、電話端末への電力の供給を停止することができ、消費電力の抑制を図ることができる。特に、数百台、数千台の電話端末を利用しているようなユーザーにとっては、ランニングコストの低減効果は大きい。また、内線番号単位による設定も可能であるため、特定の部署、又は個人毎によって柔軟な設定を行うことが可能であるため、ユーザーの利便性に合わせることができる。
次に、アナログ電話端末107を電話端末制御ハブ105に接続し、IP−PBXを介してIP−NW(公衆網としてのIPネットワーク)の加入者電話であるIP−TELを呼出し通話を行う動作を図8に基づき説明する。
電話端末a107から電話をかける際、受話器を持ち上げる等のオフフック状態とすることによって極性反転情報が電話端末制御ハブ105で認識される(S801)。電話端末制御ハブ105の電話端末制御部204は電話端末a107の極性反転情報(オフフック)を全体制御部201に送信する(S802)。これを受けて全体制御部201は電話端末制御部204に対し、電話端末a107宛にDT(ダイヤルトーン)出力指示を送信する(S803)。
電話端末制御部204はDT出力指示を受けて電話端末a107にDTを送信する(S804)。電話端末a107の利用者は、受話器等からDTを聴取後、宛先の電話の電話番号をダイヤルすると(S805)、電話端末制御ハブ105は、電話端末制御部204でこのダイヤル情報を受信し(S806)、IP通信制御部202に発信要求を実行し(S807)IPパケット化した呼制御情報としてIP−PBX主装置101へIPパケットで送信する(S810)。このときに電話端末a107に対するDT停止指示を電話端末制御部204に送信(S808)してDTの送出を停止する。
発信要求を受けたIP通信制御部202は、IP−PBX主装置101へ宛先をIP−PBX101とし接続先情報(ダイヤル情報)としてIP−TEL、発信元情報としてIP通信制御部202のIPアドレスとするinviteリクエストを送信する(S810)。IP−PBX主装置101は、IP通信制御部202からのinviteリクエストに対するレスポンスとして100 Trying(inviteリクエストを受け、その処理を行っていることを通知するレスポンス情報)を返送すると共に(S811)、IP−NW(IPネットワーク網)に対して宛先情報を接続先情報(ダイヤル情報)とし発信元情報をIP―PBX101(自装置)のIPアドレスとしたinviteリクエストを送信する(S812)。IP−NWは、IP−PBX主装置101に対してレスポンスとして100 Tryingを返送し(S813)、電話番号に相当する電話端末(IP−Tel)にinviteリクエストを送信する(S814)。
IP−NWからのinviteリクエストを受けた加入者電話端末のIP−TELは、着信鳴動によって利用者を呼び出すと共に、IP−NWに対して180 Ringingレスポンス(電話端末が着信鳴動中であることを示すレスポンス情報)を送信する(S815)。以降、IP−NWはS812で受信したinviteに対する宛先であるIP−PBX主装置101に180 Ringingを送信する(S816)。180 Ringingを受信したIP−PBX主装置101は、S810で受信したinviteに対する宛先である電話端末制御ハブ105宛に180 Ringingを送信する(S817)。
電話端末制御ハブ105宛に送信された180 RingingレスポンスはIP通信制御部202によって受信され、これを受けてIP通信制御部202は全体制御部201に、現在呼び出し中であることを通知する(S818)。更に全体制御部201は該当する電話端末a107に対するRBT(リングバックトーン)の出力を電話端末制御部204に指示する(S827)。RBT出力指示を受けた電話端末制御部204は、電話端末a107に対してRBTを出力して呼び出し中であることを認識させる(S828)。
着信鳴動するIP−NWに接続された加入者電話端末であるIP−TELが受話器を取って応答(オフフック)すると、IP−TelはIP−NWに200 OKを送信し(S819)、応答を受信したIP−NWはIP−PBX主装置101へ200 OKを送信する(S820)。IP−PBX主装置101は電話端末制御ハブ105へ200 OKを送信する(S821)。電話端末制御ハブ105は200 OKをIP通信制御部202で受信し、全体制御部201に応答通知送信する(S822)。全体制御部201は応答通知を受け、RBTを停止するよう電話端末制御部204に指示すると共に、音声制御部203でのPCM/IP変換を開始する(S823)。
このような動作で電話端末a107と宛先となるIP−NW上の加入者電話端末であるIP−Telとの通話が行われる。音声通話の際、音声制御部203によって、宛先の電話端末からパケットデータとして送られる音声データ(S826)を、PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)データ(S824)に変換し、電話端末a107からPCMデータとして送られる音声データをパケットデータに変換することで互いに異なる仕様である電話端末同士による通話が実現可能である。(S825)。
次に図9に基づき、電話端末制御ハブ105に接続したIP電話等のIP端末から、他のIP端末と通話を行う際の動作について説明する。使用する端末が例えばIP電話端末である場合、先述の電話端末a107を用いる場合と異なり電話端末制御部204を介さず、IP電話端末がオフフックするとIP電話端末はDTを出力し、利用者から加入者の電話番号ダイヤルを待つ状態となる。ダイヤル入力が完了すると、IP電話端末から電話端末制御ハブ105のIP通信制御部202を宛先として、発信先の情報が加入者の電話番号と発信元の端末の情報としてIP電話端末を示す情報がinviteリクエストで送信される(S901)。
IP電話端末からのinviteリクエストを受信した電話端末制御ハブ105の全体制御部201は、受信したinviteリクエストが自装置のIP通信制御部202宛であることを認識すると、IP通信制御部202にinviteリクエストを送信する(S902)。IP通信制御部202は全体制御部201からのinviteリクエストに対してレスポンスとして100 Tryingを返送する(S903)と共に、IP電話端末に対するレスポンスとして100 Tryingを返送する(S909)。更に、IP−PBX主装置101宛に発信先の情報として加入者の電話番号と、発信元の情報としてIP通信制御部202を示す情報のinviteリクエストを送信する(S904)。
IP−PBX主装置101は、IP通信制御部202からのinviteリクエストに対してレスポンスである100 Tryingを返送すると共に(S905)、IP−NWに対して発信先の情報として加入者の電話番号情報と発信元として自装置のIP−PBX主装置101のIPアドレスの情報のinviteリクエストを送信する(S906)。IP−NWは、IP−PBX主装置101に対してレスポンスである100 Tryingを返送し(S907)、加入者の電話番号に相当する加入者電話端末IP−Telにinviteリクエストを送信する(S908)。
IP−NWからのinviteリクエストを受けた電話端末は、着信鳴動によって利用者を呼び出すと共に、IP−NWに対するレスポンスとして180 Ringing(電話端末が着信鳴動中であることを示すレスポンス情報)を送信する(S910)。180 Ringingを受信したIP−NWはinviteリクエストを受けたIP−PBX主装置101を先として180 Ringingを送信する(S911)。180 Ringingを受信したIP−PBX主装置101は、inviteリクエストを受けた電話端末制御ハブ105のIP通信制御部202を宛先として180 Ringingを送信する(S912)。
180 Ringingを受信した電話端末制御ハブ105のIP通信制御部202は、全体制御部201へIP電話端末を宛先とする180 Ringingを送信する(S913)。180 Ringingを受信した全体制御部201は、IP電話端末に対して180 Ringingを送信する。IP電話端末は、電話端末制御ハブ105から180 Ringingを受信するとRBTの出力を開始する。
呼び出し先である相手先IP−TELから受話器を取る等の応答があった場合、(例えば、オフフックされると)相手先IP−TELはIP−NWに対して200 OKを送信する(S915)。IP−TELからの200 OKを受信したIP−NWは、IP−PBX主装置101に対して200 OKを送信する(S916)。IP−NWから200 OKを受信したIP−PBX主装置101は、電話端末制御ハブ105のIP通信制御部202に対して200 OKを送信する(S917)。
IP−PBX主装置101から200 OKを受信したIP通信制御部202は、全体制御部201に対して200 OKを送信する(S918)。IP通信制御部202から200 OKを受信した全体制御部201は、IP電話端末に対して200 OKを送信する(S919)。以上の動作によりIP電話端末と相手先IP−TELの通話セッションが確立され、音声データがパケットデータによる音声通話が可能となる(S920、S921)。
ここまでの説明では、電話端末制御ハブ105に接続される電話機をアナログ電話端末107として説明したが、このアナログ電話端末107がデジタル信号方式の多機能電話機の場合について説明する。
まず、図2で示す電話端末制御部204をデジタル信号方式の信号送受が可能に構成する必要がある。デジタル信号方式としてピンポン伝送方式を用いていれば、信号線は物理的に2本(2W)で構成されるので、図4で示す信号線と同様の構成でよい。なお、多機能電話機の信号線を別構成とし、4本(4W)で構成される場合には、TEL−I/F209を4W構成として、LANポート2 207の第5ピン〜第8ピン505〜508を有効とし、電話端末a107側(多機能電話機側)の接続を第5ピン〜第8ピン525〜528で接続するようにすればよい。
また、IP−PBX主装置101からのボタンランプ情報や着信や応答情報などの呼制御情報を受信した際に、該当する多機能電話機が自装置に接続されているかを判断するために、図6に示すデータを保持し、全体制御部201で判断するように構成する。
また、多機能電話機から発信する場合には、図8で示す極性反転が無いため、デジタル信号でのオフフック情報が送信されてくる。このオフフック情報を受信する構成を電話端末制御部204に実行させる。オフフック情報を受信後の動作については、電話端末制御ハブ104と多機能電話機間の動作はデジタル信号での送受信となるが、基本的な動作としては図8で示す動作と同様でよい。また、通話状態となってからについても、音声制御部203での音声データの変換がデジタル信号とIPパケットの変換となればよい。
以上のような構成の電話端末制御ハブ105を用いることで、従来から用いられているアナログ電話機や多機能電話機、PCやIP電話等のIP端末を、1つのハブにLANケーブルにて接続することができるので、設置工事の簡略化を図ることができる。
また、従来から用いられる電話端末を利用する際は、電話端末制御部204を仲介することによって、当該電話端末からの動作を電話端末制御ハブ105でIP電話端末の動作に変換し、逆にIP電話端末からの信号を電話端末で用いられている信号に変換することができるため、従来より実施されている大規模な装置を設けずにアナログ電話機、多機能電話機を用いたIP電話システムをLANケーブルで構築することが可能となる。