本発明は、複数の色光を、偏光変換光学系を介して複数の光変調素子に導き、該複数の光変調素子からの複数の色光を投射する液晶プロジェクタ等の画像投射装置に関する。
複数の色光を射出する複数の光源と、該複数の色光の偏光方向を制御する偏光変換光学系とを用いた画像投射装置が、特許文献1,2に開示されている。
特許文献1にて開示された画像投射装置では、R,G,Bの発光ダイオード(以下、LEDという)からR光,G光及びB光が順次射出される。該R光,G光及びB光の全ては、複数の偏光変換セルにより構成される偏光変換光学系から特定の偏光光(例えば、S偏光光)に変換される。偏光変換光学系からのR光,G光及びB光は、1つのダイクロイックプリズムと1つの偏光ビームスプリッタによって1つの反射型光変調素子に順次入射する。R,G,BのLEDの順次点灯に同期して反射型光変調素子に色ごとの原画を形成することで、フルカラー画像が投射される。
特許文献2にて開示された画像投射装置では、R,G,BのLEDから順次射出されたR光,G光及びB光が、複数の偏光変換セルを含む偏光変換光学系から互いに直交した偏光方向を有する偏光光(P偏光及びS偏光)として時間的に交互に射出される。これらの偏光光は、1つのダイクロイックプリズムと1つの偏光ビームスプリッタとによりS偏光用とP偏光用の2つの反射型光変調素子に交互に導かれる。該2つの反射型光変調素子が、交互に入射するS偏光とP偏光に同期して原画を形成することで、フルカラー画像が投射される。
特開2002−244211号公報
特開2004−206046号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された画像投射装置では、R,G,BのLEDの点灯を順次切り替えるため、R,G,BのLEDが全て点灯する場合に比べて、投射される画像の明るさが大幅に減少したり、カラーブレイクが発生したりする。
また、特許文献2にて開示された画像投射装置でも、偏光変換光学系からS偏光とP偏光が交互に射出されるため、投射画像の明るさが半分となり、カラーブレイクが発生する。また、各反射型光変調素子が時間間隔をおいて動作するため、これらの利用効率が悪い。
本発明は、複数の色光を射出する光源と、該複数の色光の偏光方向を制御する偏光変換光学系とを用いた画像投射装置であって、投射画像の明るさの減少やカラーブレイクの発生を抑えることができるようにした画像投射装置を提供する。
本発明の一側面としての画像投射装置は、互いに波長帯域が異なる3つの色光をそれぞれ射出する複数の光源と、該3つの色光の偏光方向を制御する偏光変換光学系と、入射光を変調する少なくとも2つの光変調素子と、該偏光変換光学系の射出領域から射出した3つの色光を、それらの偏光方向に応じて該少なくとも2つの光変調素子に導く導光光学系と、該少なくとも2つの光変調素子からの光を被投射面に投射する投射光学系と、複数の光源を点灯させる駆動手段とを有する。偏光変換光学系は、互いに交差する2面上にそれぞれ形成され、入射した色光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光光に分離する第1の偏光分離面及び第2の偏光分離面と、第1及び第2の偏光分離面から射出領域以外の方向に向かう偏光光を、その偏光分離面に戻すように反射する複数の波長選択性反射部材とを有する。第1及び第2の偏光分離面と複数の波長選択性反射部材との間には、入射した偏光光の偏光方向を変える位相板が配置されている。そして、駆動手段は、偏光変換光学系から、3つの色光のうち1つの色光と他の2つの色光のうち少なくとも一方とが互いに偏光方向が異なる偏光光として同時に該少なくとも2つの光変調素子に入射するように、複数の光源を点灯させることを特徴とする。
なお、画像投射装置と、該画像投射装置に画像情報を供給する画像供給装置とを有する画像表示システムも本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、偏光変換光学系から少なくとも2つの色光が同時に少なくとも2つの光変調素子に入射して、該2つの色光に対応する画像が投射されるので、投射画像の明るさの低減を少なくしたり、カラーブレイクの発生を抑えたりすることができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1から図4には、本発明の実施例1である液晶プロジェクタ(画像投射装置)の構成図を示している。これらの図においては、3次元空間にxyz座標系を設定し、複数のLED(光源)からの光が後述する照明光学系をz方向に伝播するものと定義する。
図1は、LEDアレイ光源(以下、単にアレイ光源という)2,3と偏光変換光学系1のyz断面を示している。また、図2及び図3は、アレイ光源2をz方向とは反対側から見たときのLEDの配置、及びアレイ光源3をy方向から見たときのLEDの配置を示している。図4には、プロジェクタの全体構成のyz断面を示している。
まず、図1〜図3を用いて、2つのアレイ光源2,3と偏光変換光学系1の構成について説明する。
図1〜図3において、101は青(B)波長帯域の光(第1の色光:以下、B光という)を射出するBLED(第1の光源)である。102は赤(R)波長帯域の光(第2の色光:以下、R光という)を射出するRLED(第2の光源)である。103は緑(G)帯域の光(第3の色光:以下、G光という)を射出するGLED(第3の光源)である。このように、本実施例のプロジェクタは、互いに波長帯域が異なる3つの色光をそれぞれ射出する複数の光源(LED)を含む。各LEDは、無偏光光を射出する。
アレイ光源2において、複数のBLED101と複数のRLED102はそれぞれx方向に列をなすように配置されており、BLED101の列とRLED102の列とがx方向に対して直交するy方向にて互いに隣り合って配置されている。また、アレイ光源3において、複数のGLED103は、x方向に列をなすように配置されている。
このように、BLED101,RLED102及びGLED103をx方向に列をなすようにアレイ状に配置することで、本実施例の効果を保ったまま偏光変換光学系1からの射出光量を増加させることが可能となる。
アレイ光源2(BLED101,RLED102)とアレイ光源3(GLED103)は、図1に示すように、互いに90度異なる向きで偏光変換素子4(偏光変換光学系1)の入射面における後述する互いに異なる3つの入射開口部(入射領域)に面している。
偏光変換光学系11は、3つの色光の偏光方向を制御する。該偏光変換光学系1は、偏光変換素子4と、複数の波長選択型反射部材(以下、第1から第3のダイクロイックミラーという)111〜113と、位相板としての1/4波長板121とを含む。
偏光変換素子4は、入射面と、第1の偏光分離面131と、第2の偏光分離面132と、射出面とを有する。偏光変換素子4(偏光変換光学系1)の入射面のうち、アレイ光源2のBLED101に面した入射領域を第1の入射開口部201といい、RLED102に面した入射領域を第2の入射開口部202という。また、アレイ光源3(GLED103)に面した入射領域を第3の入射開口部203という。第1の入射開口部201と第2の入射開口部202は、互いに同じ方向(z方向とは反対方向)に面しており、y方向において互いに隣り合っている。また、第3の入射開口部203は、y方向に面している。
このように、偏光変換素子4の3つの入射領域のうち、1つの入射領域と2つの入射領域とが互いに異なる方向に面している。そして、BLED101,RLED102及びGLED103からの3つの色光はそれぞれ、互いに異なる入射領域から偏光変換素子4(偏光変換光学系1)に入射する。
一方、偏光変換素子4(偏光変換光学系1)の射出面のうち、z方向において第1の偏光分離面131に対して第1の入射開口部201とは反対側の射出領域を第1の射出開口部211という。また、z方向において第2の偏光分離面132に対して第2の入射開口部202とは反対側の射出領域を第2の射出開口部212という。第1の射出開口部211と第2の射出開口部212は、互いに同じ方向(z方向)に面しており、y方向において互いに隣り合っている。
なお、偏光変換素子4における第1及び第2の射出開口部211,222の全体の形状は、後述する被照射面の形状と相似であることが好ましい。
第1の偏光分離面131と第2の偏光分離面132は、互いに交差する2面上にそれぞれ形成されており、それぞれ入射した色光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光光に分離する。該第1及び第2の偏光分離面131,132は、各LED101,102,103からの光の入射光軸方向(z方向及びy方向)に対して45度の傾きを有している。
第1の偏光分離面131と第2の偏光分離面132はいずれも、P偏光に対する透過率が100%又はそれに近く(50%より高く)、S偏光に対する透過率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。言い換えれば、第1の偏光分離面131と第2の偏光分離面132はいずれも、S偏光に対する反射率が100%又はそれに近く(50%より高く)、P偏光に対する反射率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。これら偏光分離面131,132は、実際には、硝子やアクリル製の基板の表面に多層膜(偏光分離膜)又はWireGridとして形成されている。
第1から第3のダイクロイックミラー111〜113は、各偏光分離面から射出領域以外の方向に向かう偏光光を、その同じ偏光分離面に戻すように反射する。第1のダイクロイックミラー111は、BLED101と第1の偏光分離面131との間に配置され、R光に対する反射率が100%又はそれに近く(50%より高く)、B光及びG光に対する反射率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。
第2のダイクロイックミラー112は、RLED102と第2の偏光分離面132との間に配置され、B光に対する反射率が100%又はそれに近く(50%より高く)、R光及びG光に対する反射率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。
第3のダイクロイックミラー113は、偏光変換素子4における第3の入射開口部203を構成する面とは反対側の面(第1の偏光分離面131側の面)に近接して配置されている。第3のダイクロイックミラー113は、G光に対する反射率が100%又はそれに近く(50%より高く)、R光及びB光反射率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。
なお、第3のダイクロイックミラー113として、R光、B光及びG光に対する反射率が100%又はそれに近い(50%より高い)光学特性を有するものを用いてもよい。
1/4波長板121は、第1及び第2の偏光分離面131,132と第1から第3のダイクロイックミラー111との間に配置されている。フィルム状に形成された1/4波長板121は、入射した直線偏光の偏光方向を変える(45度回転させる)機能を有する。なお、図1には、偏光分離面131,132とダイクロイックミラー111,112との間に配置された1/4波長板121と、第1の偏光分離面131と第3のダイクロイックミラー113との間に配置された1/4波長板121とを分けて示している。しかし、これらは一体に形成されていてもよい。
また、図1に示した偏光変換光学系1を1つの偏光変換セルとし、複数の偏光変換セルをx方向に並べて配置してもよい。
偏光変換光学系1の光学作用について説明する。アレイ光源2のBLED101から射出した無偏光光であるB光に含まれるP偏光101P及びS偏光101Sは、第1のダイクロイックミラー111と1/4波長板121を透過して、第1の入射開口部201から偏光変換素子4に入射する。なお、アレイ光源2と偏光変換素子4との間には、各LEDから射出した発散光束を平行光束又は各偏光分離膜に収束する収束光束に変換する不図示の光学部材を設けることが望ましい。
第1の入射開口部201から偏光変換素子4に入射したB光のうちP偏光101Pは、第1の偏光分離面131を透過して第1の射出開口部211から射出する。
また、第1の入射開口部201から偏光変換素子4に入射したB光のうちS偏光101Sは、第1の偏光分離面131で反射し、さらに第2の偏光分離面132で反射してRLED102に向かって、すなわち射出領域以外の方向に進む。そして、第2の入射開口部202から偏光変換素子4外に射出する。第2の入射開口部202から射出したS偏光101Sは、1/4波長板121を透過して第2のダイクロイックミラー112で反射し、再び1/4波長板121を透過する。S偏光101Sは、1/4波長板121を2回透過することによりP偏光101Pに変換される。そして、このP偏光101Pは、第2の入射開口部202から再び偏光変換素子4に入射し、第2の偏光分離面132を透過して第2の射出開口部212から射出する。
このように、BLED101からのB光は、そのすべてがP偏光に変換されて第1及び第2の射出開口部211,212から偏光変換光学系1外に射出する。以下の説明において、B光のP偏光をB−P偏光という。
アレイ光源2のRLED102から射出した無偏光光であるR光に含まれるP偏光102P及びS偏光102Sは、第2のダイクロイックミラー112と1/4波長板121を透過して第2の入射開口部202から偏光変換素子4に入射する。第2の入射開口部202から偏光変換素子4に入射したR光のうちP偏光102Pは、第2の偏光分離面132を透過して第2の射出開口部212から射出する。
また、第2の入射開口部202から偏光変換素子4に入射したR光のうちS偏光102Sは、第2の偏光分離面132で反射し、さらに第1の偏光分離面131で反射してBLED101に向かって、すなわち射出領域以外の方向に進む。そして、第1の入射開口部201から偏光変換素子4外に射出する。第1の入射開口部201から射出したS偏光102Sは、1/4波長板121を透過して第1のダイクロイックミラー111で反射し、再び1/4波長板121を透過する。S偏光102Sは、1/4波長板121を2回透過することによりP偏光102Pに変換される。そして、このP偏光102Pは、第1の入射開口部201から再び偏光変換素子4に入射し、第1の偏光分離面131を透過して第1の射出開口部211から射出する。
このように、RLED102からのR光は、そのすべてがP偏光に変換されて第1及び第2の射出開口部211,212から偏光変換光学系1外に射出する。以下の説明において、R光のP偏光をR−P偏光という。
アレイ光源3のGLED103から射出した無偏光光であるG光に含まれるP偏光103P及びS偏光103Sは、第3の入射開口部203から偏光変換素子4に入射する。第3の入射開口部203から偏光変換素子4に入射したG光のうちP偏光103Pは、第2の偏光分離面132を透過し、第1の偏光分離面131を透過して第3のダイクロイックミラー113の方向、すなわち射出領域以外の方向に進む。そして、偏光変換素子4外に射出する。このP偏光103Pは、1/4波長板121を透過し、第3のダイクロイックミラー113で反射して再び1/4波長板121を透過して偏光変換素子4に入射する。P偏光103Pは、1/4波長板121を2回透過することによりS偏光103Sに変換される。このS偏光103Sは、第1の偏光分離面131で反射して第1の射出開口部211から射出する。
一方、第3の入射開口部203から偏光変換素子4に入射したG光のうちS偏光103Sは、第2の偏光分離面132で反射し、第2の射出開口部212から射出する。このように、GLED103からのG光は、そのすべてがS偏光に変換されて第1及び第2の射出開口部211,212から偏光変換光学系1外に射出する。以下の説明において、G光のS偏光をG−S偏光という。
図4において、上述したように、偏光変換光学系1(偏光変換素子4)からは、B−P偏光101P、R−P偏光102P及びG−S偏光103Sがそれぞれ光束として射出する。各光束は第1のフライアイレンズ21によって複数の光束に分割され、各分割光束は第2のフライアイレンズ22の近傍に集光されて光源像(2次元光源像)を形成する。第1及び第2のフライアイレンズ21,22はそれぞれ、複数のレンズセルが2次元方向に配置されて構成されている。各レンズセルは、被照明面である後述する液晶パネル(光変調素子又は画像形成素子)と相似形状である矩形のレンズ形状を有する。
第2のフライアイレンズ22を透過したG−S偏光103Sとして複数の分割光束は、コンデンサレンズ23によって集光され、偏光ビームスプリッタ31を介してG反射型液晶パネル41上にて重ね合わされる。これにより、G反射型液晶パネル41がG−S偏光103Sによって均一に照明される。G反射型液晶パネル(以下、Gパネルという)41は、第1の光変調素子に相当する。
また、第2のフライアイレンズ22を透過したB−P偏光101P及びR−P偏光102Pとしての複数の分割光束はそれぞれ、コンデンサレンズ23によって集光され、偏光ビームスプリッタ31を介してRB反射型液晶パネル42上にて重ね合わされる。これにより、RB反射型液晶パネル42がB−P偏光101P及びR−P偏光102Pによって均一に照明される。BLED101及びRLED102は、後述するように交互に点灯するため、B−P偏光101P及びR−P偏光102PはRB反射型液晶パネル42を交互に照明する。RB反射型液晶パネル(以下、RBパネルという)42は、第2の光変調素子に相当する。
アレイ光源3から少なくともコンデンサレンズ23までを照明光学系という。このことは、後述する他の実施例でも同じである。また、偏光ビームスプリッタ31は、導光光学系又は色分解合成光学系を構成する。
偏光ビームスプリッタ31は、その内部に偏光分離膜(偏光分離面)を有する。該偏光分離膜は、入射光軸方向(z方向)に対して45度の傾きを有する。該偏光分離膜は、P偏光に対する透過率が100%又はそれに近く(50%より高く)、S偏光に対する透過率が0%又はそれに近い(50%より低い)特性を有する。この偏光分離膜は、多層膜として形成されている。
コンデンサレンズ23からのG−S偏光103Sは、偏光ビームスプリッタ31の偏光分離膜で反射されてGパネル41に入射する。
ここで、各反射型液晶パネルは、駆動回路(駆動手段)6に接続されている。プロジェクタの一部である駆動回路6には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、ビデオデッキ、テレビチューナ等の画像供給装置7から画像情報(画像信号)が入力される。これらプロジェクタと画像供給装置7とによって、画像表示システムが構成される。
駆動回路6は、入力された画像信号のR,G,B成分に基づいてそれぞれの色に対応する反射型液晶パネルを駆動する。これにより、Gパネル41にはG用の原画が形成され、RBパネル42には、R用の原画とB用の原画とが交互に形成される。各反射型液晶パネルは、入射光を反射するとともに変調して画像光として射出する。また、駆動回路6は、アレイ光源2,3におけるBLED101,RLED102及びGLED103の点灯も制御する。なお、このような構成は、後述する他の実施例でも、図示はしないが同じである。
Gパネル41からのG画像光であるP偏光(G−P偏光)103Pは、偏光ビームスプリッタ31を透過して投射レンズ(投射光学系)5により不図示のスクリーン等の被投射面に投射される。
一方、コンデンサレンズ23を透過したB−P偏光101P及びR−P偏光102Pは、偏光ビームスプリッタ31を透過してRBパネル42に入射する。
RBパネル42からのB,R画像光であるS偏光(B−S偏光、R−S偏光)101S,102Sは、偏光ビームスプリッタ31の偏光分離膜で反射して、投射レンズ5によって被投射面に投射される。
このように、本実施例では、偏光変換光学系1から、3つの色光のうち1つの色光(G光)と2つの色光(R光及びB光)とが互いに偏光方向が異なる光としてそれぞれ射出される。そして、以下に説明するように、該1つの色光と、該2つの色光のうち少なくとも一方とが同時に2つのパネル41,42に入射するように複数のLED101〜103を点灯させる。
図5を用いて、本実施例におけるLED101〜103の点灯制御とGパネル41及びRBパネル42の駆動制御について説明する。図5は、これらの制御のタイムチャートを示している。図5において、「LED」の「On」はLEDが点灯することを示し、「Off」はLEDが消灯することを示す。また、「液晶パネル入射光」は、Gパネル41とRBパネル42に入射する光とその偏光方向を示している。
GLED103は常に点灯し、Gパネル41には常にG−S偏光103Sが入射する。このため、Gパネル41には、常にG用の原画が形成される。これに対し、RLED102とBLED101とは時間的に交互に点灯し、RBパネル42には、R−P偏光102PとB−P偏光101Pとが交互に入射する。このため、R−P偏光102PとB−P偏光101Pとの交互入射に同期して、RBパネル42には、R用の原画とB用の原画とが交互に形成される。これにより、被投射面には、RGBカラー画像としての投射画像が表示される。
白色を得る場合においては、G光がおよそ60〜80%を占めるため、G光の明るさへの影響が大きい。本実施例では、G光が常にGパネル41に入射して被投射面に投射されるようにGLED103を常に点灯させている。このため、G光と、R光及びB光のうち一方とが同時に2つのパネル41,42に入射して被投射面に投射される。したがって、本実施例によれば、R,G及びBLEDを順次点灯させる場合に比べて、投射画像の明るさを向上させる(明るさの低下を減少させる)ことができる。また、R,G及びBLEDを順次点灯させるとカラーブレイクが発生するが、本実施例では、GLED103を常に点灯させているため、カラーブレイクの発生を抑制することができる。
なお、図2及び図3では、アレイ光源2,3においてx方向に同一の色光を射出する複数のLEDを配置した場合を示したが、x方向に互いに異なる色光を射出する複数のLEDを配置してもよい。
また、上記実施例では、偏光変換光学系1からG光をS偏光として射出させる場合について説明したが、ダイクロイックミラーの特性を適宜変更することで、G光以外の色光をS偏光として射出させてもよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
また、上記実施例では、光源として、LEDを用いた場合について説明したが、レーザダイオードや有機エレクトロルミネッセンス素子等、LED以外の光源を用いてもよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
また、本実施例では、GLEDを常時点灯させ、RLED及びBLEDを交互に点灯させる場合について説明したが、G,R及びBを入れ替えてもよい。この場合も、ある程度の投射画像の明るさの低下の減少効果及びカラーブレイクの発生の抑制効果を得ることができる。このことは後述する他の実施例でも同じである。
また、偏光ビームスプリッタとしては、プリズムの内部に多層膜を配置した構成のものがよく知られているが、構造複屈折を利用した偏光ビームスプリッタを用いてもよい。構造複屈折を利用した偏光ビームスプリッタは、入射角度範囲が多層膜を用いた偏光ビームスプリッタよりも広いため、漏れ光が少なく、投射画像のコントラストを向上させるのに有効である。
また、本実施例では、BLED101及びRLED102と第1及び第2の偏光分離面131,132との間にダイクロイックミラー111,112を配置した場合について説明した。しかし、波長選択性反射部材は、複数の光源のうち少なくとも1つと第1及び第2の偏光分離面のうち少なくとも一方との間に配置すればよく、全ての光源と第1及び第2の偏光分離面との間に波長選択性反射部材を配置してもよい。
図6には、本発明の実施例2である液晶プロジェクタに用いられるアレイ光源という)2′,3′と偏光変換光学系10のyz断面を示している。また、図7及び図8は、アレイ光源2′をz方向とは反対側から見たときのLEDの配置、及びアレイ光源3′をy方向から見たときのLEDの配置を示している。
アレイ光源2′は、実施例1に示したアレイ光源2をx方向及びy方向に複数個(ここでは2×2個)並べたものに相当する。また、アレイ光源3′は、実施例1に示したアレイ光源3をx方向に複数個(ここでは2個)並べたものに相当する。101,102,103は、実施例1と同様に、BLED,RLED,GLEDである。
なお、図7では、アレイ光源2′を、それぞれ4つのBLED101と4つのRLED102を含む4つのブロックがx方向とy方向に並べられたように示されているが、これらを一体のものとしてもよい。また、図8では、アレイ光源3′を4つのGLED103を含む2つのブロックがx方向に並べられたように示されているが、これらを一体のものとしてもよい。
図6に示す偏光変換光学系10では、実施例1に示した偏光変換素子(偏光変換セル)4をy方向に2個配置している。該2個の偏光変換素子4の間には、実施例1でも説明した第3のダイクロイックミラー113と、その両側に配置された1/4波長板121とが設けられている。
本実施例では、偏光変換素子4(第1、第2の偏光分離面131,132)と、LED101〜103と、第1及び第2のダイクロイックミラー111,112と、1/4波長板121とが、第3のダイクロイックミラー113に関して対称に2組配置されている。
各偏光変換素子4の第1、第2及び第3入射開口部201,202,203にはそれぞれ、実施例1と同様に、BLED101,RLED102及びGLED103からの無偏光光としてのB光、R光及びG光が入射する。そして、各偏光変換素子4の第1及び第2の射出開口部211,212からは、実施例1と同様に、B−P偏光101P、R−P偏光102P及びG−S偏光103Sが射出する。
このように、y方向において対称に偏光変換素子4を配置することにより、実施例1の効果を保持したまま、さらに多くの光源(LED)を用いることができ、投射光量を増加せせることができる。
図9から図12には、本発明の実施例3である液晶プロジェクタの構成を示している。これらの図においては、実施例1と同様に、3次元空間にxyz座標系を設定し、複数のLED(光源)からの光が後述する照明光学系をz方向に伝播するものと定義する。
図9は、LEDアレイ光源(以下、単にアレイ光源という)5,6と偏光変換光学系11のyz断面を示している。また、図10及び図11は、アレイ光源5をz方向とは反対側から見たときのLEDの配置、及びアレイ光源6をy方向から見たときのLEDの配置を示している。図12には、プロジェクタの全体構成のyz断面を示している。
まず、図9〜図11を用いて、アレイ光源5と2つのアレイ光源6と偏光変換光学系11の構成について説明する。
101は青(B)波長帯域の光(第1の色光:B光)を射出するBLED(第1の光源)である。102は赤(R)波長帯域の光(第2の色光:R光)を射出するRLED(第2の光源)である。103は緑(G)帯域の光(第3の色光:G光)を射出するGLED(第3の光源)である。このように、本実施例のプロジェクタは、互いに波長帯域が異なる3つの色光をそれぞれ射出する複数の光源(LED)を含む。各LEDは、無偏光光を射出する。
アレイ光源5において、複数のRLED102と複数のGLED103はそれぞれx方向に列をなすように配置されており、RLED102の列とGLED103の列とがy方向にて互いに隣り合って配置されている。なお、図10では、それぞれ4つのRLED102と4つのGLED103を含む4つのブロックがx方向とy方向に並べられたように示されているが、これらを一体のものとしてもよい。
また、図11に示すアレイ光源6において、複数のBLED101は、x方向に列をなすように配置されている。なお、図11では、それぞれ4つのBLED101を含む2つのブロックがx方向に並べられたように示されているが、これらを一体のものとしてもよい。
このように、BLED101,RLED102及びGLED103をx方向に列をなすようにアレイ状に配置することで、本実施例の効果を保ったまま偏光変換光学系11からの射出光量を増加させることが可能となる。本実施例では、1つのアレイ光源5に対して、2つのアレイ光源6を用いている。
また、アレイ光源5(RLED102及びGLED103)とアレイ光源6(BLED101)は、図9に示すように、互いに90度異なる向きで偏光変換光学系11の入射面における後述する互いに異なる6つの入射開口部に面している。
偏光変換光学系11は、3つの色光の偏光方向を制御する。偏光変換光学系11は、2つの偏光変換素子4と、2つずつ設けられた第1及び第2のダイクロイックミラー111,112と、偏光変換素子4ごとに設けられた1/4波長板121と、2つの偏光変換素子4の間に設けられた1/2波長板122とを含む。
各偏光変換素子4は、入射面と、第1の偏光分離面131と、第2の偏光分離面132と、射出面とを有する。偏光変換素子4の入射面のうち、アレイ光源5のGLED103に面した入射領域を第1の入射開口部201といい、RLED102に面した入射領域を第2の入射開口部202という。また、アレイ光源6(BLED101)に面した入射領域を第3の入射開口部203という。第1の入射開口部201と第2の入射開口部202は、互いに同じ方向(z方向とは反対方向)に面しており、y方向において互いに隣り合っている。また、第3の入射開口部203は、y方向(又はその反対方向)に面している。
このように、各偏光変換素子4の3つの入射領域のうち、1つの入射領域と2つの入射領域とが互いに異なる方向に面している。そして、BLED101,RLED102及びGLED103からの3つの色光はそれぞれ、互いに異なる入射領域から偏光変換素子4(偏光変換光学系11)に入射する。
一方、各偏光変換素子4の射出面のうち、z方向において第1の偏光分離面131に対して第1の入射開口部201とは反対側の射出領域を第1の射出開口部211という。また、z方向において第2の偏光分離面132に対して第2の入射開口部202とは反対側の射出領域を第2の射出開口部212という。第1の射出開口部211と第2の射出開口部212は、互いに同じ方向(z方向)に面しており、y方向において互いに隣り合っている。
なお、2つの偏光変換素子4における第1及び第2の射出開口部211,222の全体の形状は、後述する被照射面の形状と相似であることが好ましい。
各偏光変換素子4において、第1の偏光分離面131と第2の偏光分離面132は、互いに交差する2面上にそれぞれ形成されており、それぞれ入射した色光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光光に分離する。該第1及び第2の偏光分離面131,132は、各LED101,102,103からの光の入射光軸方向(z方向、y方向又はこれとは反対の方向)に対して45度の傾きを有している。
第1の偏光分離面131と第2の偏光分離面132はいずれも、実施例1で説明した偏光変換素子4内の第1及び第2の偏光分離面131,132と同様の光学特性を有する。
第1及び第2のダイクロイックミラー111,112は、各偏光分離面から射出領域以外の方向に向かう偏光光を、その同じ偏光分離面に戻すように反射する。第1のダイクロイックミラー111は、GLED103と第1の偏光分離面131との間に配置され、R光に対する反射率が100%又はそれに近く(50%より高く)、B光及びG光に対する反射率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。
第2のダイクロイックミラー112は、RLED102と第2の偏光分離面132との間に配置され、G光に対する反射率が100%又はそれに近く(50%より高く)、R光及びB光に対する反射率が0%又はそれに近い(50%より低い)光学特性を有する。
1/4波長板(位相板)121は、第1及び第2の偏光分離面131,132と、第1及び第2のダイクロイックミラー111,112との間に配置されている。フィルム状に形成された1/4波長板121は、入射した直線偏光の偏光方向を変える(45度回転させる)機能を有する。
また、1/2波長板(位相板)122は、2つの偏光変換素子4の間に配置されている。フィルム状に形成された1/2波長板122は、入射した直線偏光の偏光方向を変える(90度回転させる)機能を有する。
偏光変換光学系11の光学作用について説明する。ここでは、2つの偏光変換素子4のうち一方を第1の偏光変換素子といい、他方の偏光変換素子を第2の偏光変換素子という。また、ここでは第1の偏光変換素子4に入射するB光、R光及びG光について説明するが、第2の偏光変換素子4に入射するB光、R光及びG光についても同様である。
アレイ光源6のBLED101から射出した無偏光光であるB光に含まれるP偏光101P及びS偏光101Sは、第3の入射開口部203から第1の偏光変換素子4に入射する。なお、アレイ光源6と第1の偏光変換素子4との間には、BLED101から射出した発散光束を平行光束又は各偏光分離膜に収束する収束光束に変換する不図示の光学部材を設けることが望ましい。
第3の入射開口部203から第1の偏光変換素子4に入射したB光のうちP偏光101Pは、第2の偏光分離面132を透過し、第1の偏光分離面131を透過して1/2波長板122に入射する。該P偏光101Pは、1/2波長板122を透過することによりS偏光101Sに変換されて第2の偏光変換素子4に入射し、第1の偏光分離面131で反射して、第2の偏光変換素子4の第1の射出開口部211から射出する。
また、第3の入射開口部203から第1の偏光変換素子4に入射したB光のうちS偏光101Sは、第2の偏光分離面132で反射して第2の射出開口部212から射出する。
このように、BLED101からのB光は、そのすべてがS偏光(B−S偏光)に変換されて第1の偏光変換素子4の第2の射出開口部212と第2の偏光変換素子4の第1の射出開口部211から偏光変換光学系1外に射出する。
アレイ光源5のRLED102から射出した無偏光光であるR光に含まれるP偏光102P及びS偏光102Sは、第2のダイクロイックミラー112と1/4波長板121を透過して、第2の入射開口部202から第1の偏光変換素子4に入射する。なお、アレイ光源5と第1の偏光変換素子4との間には、RLED102及びGLED101から射出した発散光束を平行光束又は各偏光分離膜に収束する収束光束に変換する不図示の光学部材を設けることが望ましい。
第2の入射開口部202から第1の偏光変換素子4に入射したR光のうちP偏光102Pは、第2の偏光分離面132を透過して第2の射出開口部212から射出する。第2の入射開口部202から第1の偏光変換素子4に入射したR光のうちS偏光102Sは、第2の偏光分離面132で反射し、さらに第1の偏光分離面131で反射して第1の入射開口部201から射出される。さらに、該S偏光102Sは、1/4波長板121を透過して第1のダイクロイックミラー111で反射し、再び1/4波長板121を透過する。S偏光102Sは、1/4波長板121を2回透過することによりP偏光102Pに変換される。P偏光102Pは、第1の入射開口部201から再び第1の偏光変換素子4に入射し、第1の偏光分離面131を透過して第1の射出開口部211から射出する。
このように、RLED102からのR光は、そのすべてがP偏光(R−P偏光)に変換されて第1の偏光変換素子4の第1及び第2の射出開口部211,212から偏光変換光学系1外に射出する。
アレイ光源5のGLED103から射出した無偏光光であるG光に含まれるP偏光103P及びS偏光103Sは、第1のダイクロイックミラー111と1/4波長板121を透過して、第1の入射開口部201から第1の偏光変換素子4に入射する。
第1の入射開口部201から第1の偏光変換素子4に入射したG光のうちP偏光103Pは、第1の偏光分離面131を透過して第1の射出開口部211から射出する。また、第1の入射開口部201から第1の偏光変換素子4に入射したG光のうちS偏光103Sは、第1の偏光分離面131で反射し、さらに第2の偏光分離面132で反射して第2の入射開口部202から射出する。該S偏光103Sは、1/4波長板121を透過し、第2のダイクロイックミラー112で反射し、再び1/4波長板121を透過する。S偏光103Sは、1/4波長板121を2回透過することによりP偏光103Pに変換される。P偏光103Pは、第2の入射開口部202から再び第1の偏光変換素子4に入射し、第2の偏光分離面132を透過して第2の射出開口部212から射出される。
このように、GLED103からのG光は、そのすべてがP偏光(G−P偏光)に変換されて第1の偏光変換素子4の第1及び第2の射出開口部211,212から偏光変換光学系1外に射出する。
図12において、上述したように、偏光変換光学系11からは、B−S偏光101S、R−P偏光102P及びG−P偏光103Pがそれぞれ光束として射出する。
各光束は第1のフライアイレンズ21によって複数の光束に分割され、各分割光束は第2のフライアイレンズ22の近傍に集光されて光源像(2次元光源像)を形成する。第1及び第2のフライアイレンズ21,22はそれぞれ、複数のレンズセルが2次元方向に配置されて構成されている。各レンズセルは、被照明面である後述する液晶パネル(光変調素子又は画像形成素子)と相似形状である矩形のレンズ形状を有する。
第2のフライアイレンズ22を透過したG−S偏光103Pとして複数の分割光束は、コンデンサレンズ23によって集光され、ダイクロイックミラー34及び偏光ビームスプリッタ31Bを透過してG反射型液晶パネル41上にて重ね合わされる。これにより、G反射型液晶パネル(光変調素子:以下、Gパネルという)41がG−P偏光103Pによって均一に照明される。
ダイクロイックミラー34は、入射光軸方向(z方向)に対して45度の傾きを有する。ダイクロイックミラー34は、図13に示すように、P偏光に対する透過率がG帯域では100%又はそれに近く(50%より高く)、B帯域及びR帯域では0%又はそれに近い(50%より低い)特性を有する。また、ダイクロイックミラー34は、S偏光に対する透過率がR,G及びB帯域で0%又はそれに近い(50%より高く)特性を有する。ダイクロイックミラー34には、硝子やアクリル製の基板の表面に多層膜としてのダイクロイック膜が形成されている。
偏光ビームスプリッタ31Bは、内部に偏光分離膜を有し、該偏光分離膜は、入射光軸方向(z方向)に対して45度の傾きを有する。偏光分離膜は、P偏光に対する透過率が100%又はそれに近く(50%より高く)、S偏光に対する透過率が0%又はそれに近い(50%より低い)特性を有する。この偏光分離膜は、プリズムの内部に多層膜として形成されている。なお、偏光ビームスプリッタ31Aは、偏光ビームスプリッタ31Bと同様の光学特性を有する。
ダイクロイックミラー34及び偏光ビームスプリッタ31Bは、後述する偏光ビームスプリッタ31A及びダイクロイックプリズム35とともに、導光光学系又は色分解合成光学系を構成する。
第2のフライアイレンズ22を透過したR−P偏光102Pとして複数の分割光束は、コンデンサレンズ23によって集光され、ダイクロイックミラー34で反射し、偏光ビームスプリッタ31A透過してR反射型液晶パネル42上にて重ね合わされる。これにより、R反射型液晶パネル42(光変調素子:以下、Rパネルという)がR−P偏光102Pによって均一に照明される。
第2のフライアイレンズ22を透過したB−S偏光101Sとして複数の分割光束は、コンデンサレンズ23によって集光され、ダイクロイックミラー34で反射し、偏光ビームスプリッタ31Aで反射してB反射型液晶パネル43上にて重ね合わされる。これにより、B反射型液晶パネル42(光変調素子:以下、Bパネルという)がB−S偏光101Sによって均一に照明される。
Gパネル41からのG画像光であるS偏光(G−S偏光)103Sは、偏光ビームスプリッタ31B及びダイクロイックプリズム35で反射して投射レンズ(投射光学系)5により不図示のスクリーン等の被投射面に投射される。
ダイクロイックプリズム35は、その内部に偏光分離膜を有する。該偏光分離膜は、入射光軸方向(z方向及びy方向)に対して45度の傾きを有する。偏光分離膜は、図14に示すように、P偏光に対する透過率が、B帯域で100%又はそれに近く(50%より高く)、R帯域及びG帯域では0%又はそれに近い(50%より低い)特性を有する。また、偏光分離膜は、S偏光に対する透過率が、B帯域及びG帯域では0%又はそれに近く(50%より低い)、R帯域では100%又はそれに近い(50%より高い)特性を有する。該偏光分離膜は、プリズムの内部に多層膜として形成されている。
Rパネル42からのR画像光であるS偏光(R−S偏光)102Sは、偏光ビームスプリッタ31Aで反射され、ダイクロイックプリズム35を透過して投射レンズ5によって被投射面に投射される。
Bパネル43からのB画像光であるP偏光101Pは、偏光ビームスプリッタ31Aを透過し、さらにダイクロイックプリズム35を透過して、投射レンズ5によって被投射面に投射される。
このように、本実施例では、R,G,Bのそれぞれに対応した3つの液晶パネル41〜43を用いることにより、RGBカラー画像としての投射画像を表示する。前述した実施例1では、液晶パネルを2つしか用いていないために、RLED及びBLEDを交互に点灯させ、それに同期させてRBパネルを制御する必要がある。これに対して、本実施例では、R,G,Bの全てのLEDを同時に点灯させて液晶パネル41〜43に入射させることができるため、投射画像をより明るくすることができる。また、カラーブレイクも発生しない。
なお、図12に示した、ダイクロイックミラー34,ダイクロイックプリズム35及び偏光ビームスプリッタ31A,31Bにより構成される導光光学系(色分解合成光学系)は例にすぎず、他の構成を有する導光光学系を用いてもよい。
また、本実施例では、光変調素子として反射型液晶パネルを用いた場合について説明したが、本発明では、透過型液晶パネルやDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)等の他の光変調素子を用いてもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例1である液晶プロジェクタに用いられる光源及び偏光変換光学系の構成を示す断面図。
実施例1におけるアレイ光源のLED配置を示す図。
実施例1における他のアレイ光源のLED配置を示す図。
実施例1の液晶プロジェクタの全体構成を示す図。
実施例1における光源と液晶パネルの制御タイムチャートを示す図。
本発明の実施例2である液晶プロジェクタに用いられる光源及び偏光変換光学系の構成を示す断面図。
実施例2におけるアレイ光源のLED配置を示す図。
実施例2における他のアレイ光源のLED配置を示す図。
本発明の実施例3である液晶プロジェクタに用いられる光源及び偏光変換光学系の構成を示す断面図。
実施例3におけるアレイ光源のLED配置を示す図。
実施例3における他のアレイ光源のLED配置を示す図。
実施例3の液晶プロジェクタの全体構成を示す図。
実施例3におけるダイクロイックミラーの光学特性を示す図。
実施例3におけるダイクロイックプリズムの光学特性を示す図。
符号の説明
1,10,11 偏光変換光学系
2,3,5,6 LEDアレイ光源
101,102,103 LED
111,112,113 ダイクロイックミラー
121,122 位相板(1/4波長板、1/2波長板)
131,132 偏光分離面
201,202,203 入射開口部
211,212 射出開口部
21,22 フライアイレンズ
23 コンデンサレンズ
31,31A,31B 偏光ビームスプリッタ
34 ダイクロイックミラー
35 ダイクロイックプリズム
41,42,43 反射型液晶パネル
5 投射レンズ
6 駆動回路
7 画像供給装置