JP5153144B2 - 有害微量元素溶出抑制方法 - Google Patents
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Description
前記石炭に、石灰石、消灰石、生石灰からなる群より選択される1種以上を含む溶出防止剤を石炭添加用溶出防止剤として添加し、更に、前記石炭の燃焼後に得られる石炭灰に、消石灰を必須成分として含む溶出防止剤を灰添加用溶出防止剤として添加し、
前記石炭100質量部に対して、前記石炭添加用溶出防止剤を0.1質量部以上10質量部以下の範囲で添加し、
前記石炭灰100質量部に対して、前記灰添加用溶出防止剤を10質量部以上30質量部以下の範囲で添加することを特徴とする有害微量元素溶出抑制方法。
(2) 前記石炭添加用溶出防止剤として石灰石を含む溶出防止剤を石炭添加用溶出防止剤として添加する(1)記載の有害微量元素溶出抑制方法。
前記石炭添加用溶出防止剤を、燃焼ボイラ内又はその上流で添加し、
前記灰添加用溶出防止剤を、集塵機で回収された石炭灰に添加する(1)から(3)いずれかに記載の有害微量元素溶出抑制方法。
以下、本発明の一例を示す実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設1を示すブロック図である。ここで、図1に示すように、微粉炭燃焼施設1は、石炭を供給する石炭供給部12と、供給された石炭を微粉炭にする微粉炭生成部14と、微粉炭を燃焼する微粉炭燃焼部16と、微粉炭の燃焼により生成された石炭灰を処理する石炭灰処理部18と、を備える。また、図2は、微粉炭燃焼部16における火炉161付近の拡大図である。
石炭供給部12は、石炭を貯蔵する石炭バンカ121と、この石炭バンカ121に貯蔵された石炭を供給する給炭機122と、を備える。石炭バンカ121は、給炭機122へ供給する石炭を貯蔵する。給炭機122は、石炭バンカ121から供給された石炭を連続して石炭微粉炭機141へ供給するものである。また、この給炭機122は、石炭の供給量を調整する装置を備えており、これにより、石炭微粉炭機141に供給される石炭量が調整される。また、これら石炭バンカ121と給炭機122との境界には石炭ゲートが設けられており、これにより、給炭機からの空気が石炭バンカへ流入するのを防いでいる。
微粉炭生成部14は、石炭を微粉炭燃焼が可能な微粉炭にする石炭微粉炭機(ミル)141と、この石炭微粉炭機141に空気を供給する空気供給機142と、を備える。
微粉炭燃焼部16は、微粉炭生成部14で生成された微粉炭を燃焼する火炉161と、この火炉161を加熱する加熱機162(熱交換ユニット)と、火炉161に空気を供給する空気供給機163と、を備える。
石炭灰処理部18は、微粉炭燃焼部16から排出された排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置181と、排ガス中の煤塵を除去する集塵機182と、この集塵機182で収集された石炭灰を一次貯蔵する石炭灰回収サイロ183と、を備える。
本発明の好ましい実施形態の一例につき、上記の微粉炭燃焼施設1を用いて説明する。
まず、石炭供給工程では、石炭バンカ121に貯蔵された石炭が、給炭機122により、石炭微粉炭機141に供給される。なお、この石炭微粉炭機141に供給される石炭は、具体的には瀝青炭、亜瀝青炭、又は褐炭等であるが、これらの石炭に限定されるものではなく微粉炭燃焼が行える石炭であればよい。
次に、微粉炭生成工程では、給炭機122から供給された石炭が石炭微粉炭機141により粉砕されて、これにより、微粉炭が生成される。生成された微粉炭は、火炉161に供給される。このとき、この微粉炭生成工程で粉状に形成された微粉炭の平均の粒度は、微粉炭燃焼で一般的に用いられる粒径範囲であればよく、一般的には、74μmアンダー80wt%以上の粉砕度である。なお、この範囲は石炭添加用溶出防止剤が添加された場合にも適用できる。
次に、微粉炭燃焼工程では、石炭微粉炭機141で生成された微粉炭が、火炉161により燃焼される。図2に示すように、バーナーゾーン161a’においては微粉炭が燃焼されるが、このときの温度は1300℃から1500℃に及び、燃焼によって生成される石炭灰は、矢印の方向に沿って上昇して排ガスとともに火炉上部分割壁161b、最終過熱器161b’、第1の再熱器161f、第2の再熱器161f’、横置き1次過熱器161c(いずれも熱交換ユニット)を通過し、1次節炭器161d(熱交換ユニット)、2次節炭器161e(熱交換ユニット)を順次通過する。上記のように、この熱交換ユニット付近は、450℃から500℃前後が維持されている領域であり、この燃焼ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群を通過することによって熱交換され、温度が低下する。排ガスがバーナーゾーン161a’から節炭器付近まで到達するまでに要する時間は、おおむね5秒から10秒である。そして、その後、後段の脱硝装置181、集塵機182に送られる。この微粉炭燃焼工程で生成される石炭灰は、通常、その平均の粒度が1μmから100μmの範囲内の粉末状である。
その後、微粉炭を燃焼することにより生成された石炭灰は、排ガスとともに脱硝装置181に排出され、集塵機182を経て石炭灰回収サイロ183に送られる。この集塵機182は複数段設けられていることが好ましい。
本発明の第1の特徴である石炭添加用溶出防止剤を添加する工程である石炭添加用溶出防止剤添加工程は、図1に示すように、好ましくは上記の石炭供給工程、微粉炭生成工程、微粉炭燃焼工程のいずれかに対して行われる(それぞれ、図1におけるS31、S32、S33)。
なお、石灰石の添加量は、上記条件で調整される水溶液のpHが12.5以上となるように添加することがより好ましく、13.0以上となるように添加することが更に好ましい。このようなpHとなるように石灰石を添加することにより、セレン、ホウ素、ヒ素などの元素の溶出抑制作用を更に強めることができる。
本発明の第2の特徴である灰添加用溶出防止剤20を添加する工程である灰添加用溶出防止剤添加工程S21は、図1に示すように、好ましくは上記の石炭灰処理工程で行なわれる(例えば、図1におけるS21)。
図1、図2に示すような装置を用い、図1における石炭供給部12の位置に石炭添加用溶出防止剤30(石灰石)を添加した(S31)。また、図1における石炭灰処理部18の混練機184の位置に灰添加用溶出防止剤20(消石灰)を添加した(S21)。ここでは、石炭として豪州炭を用いた。
12 石炭供給部
121 石炭バンカ
122 給炭機
14 微粉炭生成部
141 石炭微粉炭機
142 空気供給機
16 微粉炭燃焼部
161 火炉
162 加熱機
163 空気供給機
18 石炭灰処理部
181 脱硝装置
182 集塵機
183 石炭灰回収サイロ
20 灰添加用溶出防止剤
30 石炭添加用溶出防止剤
S21 灰添加用溶出防止剤添加工程
S31、S32、S33 石炭添加用溶出防止剤添加工程
Claims (4)
- 石炭火力発電システムにおいて燃料となる石炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する有害微量元素溶出抑制方法であって、
前記石炭に、石灰石を石炭添加用溶出防止剤として添加した後、1300〜1500℃の火炉内で燃焼し、該燃焼後の石炭灰に消石灰を灰添加用溶出防止剤として添加し、
前記石炭100質量部に対して、前記石炭添加用溶出防止剤を0.1質量部以上10質量部以下の範囲で添加し、
前記石炭灰100質量部に対して、前記灰添加用溶出防止剤を10質量部以上30質量部以下の範囲で添加することを特徴とする有害微量元素溶出抑制方法。 - 前記石炭火力発電システムが微粉炭燃焼方式の発電システムであり、
前記石炭添加用溶出防止剤を、燃焼ボイラ内又はその上流で添加し、
前記灰添加用溶出防止剤を、集塵機で回収された石炭灰に添加する請求項1に記載の有害微量元素溶出抑制方法。 - 前記有害微量元素が、溶出状態で陽イオンとなる有害微量元素である請求項1又は2に記載の有害微量元素溶出抑制方法。
- 前記有害微量元素が六価クロムである請求項3に記載の有害微量元素溶出抑制方法。
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