JP5152456B2 - 正極活物質及びその製造法、並びに非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質のインサーション反応における結晶構造を安定化し、且つ、二次電池の安全性、殊に、熱安定性及び電池膨れが改善された非水電解質二次電池を得ることができる正極活物質及び該正極活物質の前駆体であるコバルト酸化物粒子粉末を提供する。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
従来、4V級の電圧をもつ高エネルギー型のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質としては、スピネル型構造のLiMn、ジグザグ層状構造のLiMnO、層状岩塩型構造のLiCoO、LiCo1−XNi、LiNiO等が一般的に知られており、なかでもLiCoOを用いたリチウムイオン二次電池は高い充放電電圧と充放電容量を有する点で優れているが、更なる特性改善が求められている。
即ち、LiCoOはリチウムを引き抜いた際に、Co3+がCo4+となりヤーンテラー歪を生じ、Liを0.45引き抜いた領域で六方晶から単斜晶へ、さらに引き抜くと単斜晶から六方晶と結晶構造が変化する。そのため、充放電反応を繰り返すことによって、結晶構造が不安定となり、酸素放出や電解液との反応などが起こる。
更に、高温になると電解液との反応が活性になるため、二次電池としての安全性を確保するためには、高温下でも正極活物質の構造が安定であって熱安定性向上が必要とされている。
また、電解液との反応が活性になる因子として、残存するアルカリ量がある。アルカリ量が多いと電解液分解、ガス発生が促進され、電池の膨れの原因になると共に電池の抵抗が上昇、容量の維持率が低下する。
そこで、リチウムを引き抜いた際に結晶構造が安定なコバルト酸リチウム(LiCoO)が要求されている。
従来、結晶構造の安定化、充放電サイクル特性などの諸特性改善のために、コバルト酸リチウム粒子粉末に対して種々の改良が行われている。例えば、コバルト酸リチウムを400〜750℃の温度範囲でアニールする技術(特許文献1)、大粒径と小粒径のコバルト酸リチウム粒子粉末を混合する技術(特許文献2)、コバルト酸リチウムのタップ密度及び加圧密度を制御する技術(特許文献3)、コバルト酸リチウム粒子粉末中の炭酸リチウム残存量を低減する技術(特許文献4)等が知られている。
特開2000−327338号公報 特開2004−119218号公報 特開2004−182564号公報 特開2004−196603号公報
前記諸特性を満たす正極活物質及びコバルト酸化物粒子粉末は現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、特許文献1記載の技術は、添加物を含有したコバルト酸リチウムにおいて、残存するリチウム分を除去するには十分な加熱とは言えず、膨れの原因となるアルカリ分を除去したとは言い難い。
また、特許文献2記載の技術は、大粒子、小粒子の混合により高体積容量密度を実現しているが、粉砕後に混合している為、微粉によるアルカリ分の除去が出来ず安全性に問題が残る可能性がある。
また、特許文献3、4記載の技術は、凝集粒子で構成されている為、プレス後の界面から発生するアルカリ分が多く、アルカリ分の除去が十分とは言い難い。
これらの点を踏まえ、これまでの技術では結晶の安定化にも不十分で、保存安定性においても改善の余地があると言える。
そこで、本発明は、残存アルカリ成分が低減され、且つ、熱安定性に優れた正極活物質を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
本発明は、各種元素の添加により熱安定性、耐熱性を向上すると共に、製造上生じる微粉、Li面等をアニール処理により低下させることで残存するアルカリ分を低下、またアニール処理により分散シェアにも強い構造を実現させ、より安定な正極活物質を提供することにある。
即ち、本発明は、組成がLiCo(1−x−y)Mg(Mは、Al、Zr、Sn、Ti、Mnから選ばれる一種以上、0.001≦x≦0.15、y≦0.05)からなる正極活物質であって、該正極活物質の1t/cm下の圧縮密度が3.35g/cm以上であり、前記圧縮時のアルカリ残存度がアニールなしの正極活物質に対して78%以下であり、前記正極活物質は80μm以上の粗粒が無いことを特徴とする正極活物質である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1の正極活物質は平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする正極活物質である(本発明)。
また、本発明は、コバルト酸リチウムを800〜900℃でアニールすることを特徴とする本発明1又は2に記載の正極活物質の製造方法である(本発明)。
また、本発明は、本発明1又は2に記載の正極活物質を含有する正極からなる非水電解質二次電池である(本発明)。
本発明に係る正極活物質を用いることで、二次電池としての膨れを抑制し、保存安定性を向上させ、充放電容量の維持に有効な非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る正極活物質について述べる。
本発明に係る正極活物質の組成は、Mg及び異種金属元素を含有するコバルト酸リチウムであり、Mgを必須成分とし、Al、Zr、Sn、Ti及びMnから選ばれる1種以上の異種金属元素を置換してもよい。
本発明に係る正極活物質の組成をLiCo(1−x−y)Mgとした場合、マグネシウム含有量xは0.001〜0.15である(0.001≦x≦0.15)。0.001未満の場合は熱安定性向上に対する効果が小さく、0.15を超える場合には初期放電容量が著しく低下する。好ましくは0.01〜0.10である。
本発明に係る正極活物質は、更に、Al、Zr、Sn、Ti及びMnから選ばれる1種以上の異種金属元素を含有させてもよい。前記アルミニウムなどを含有させることによって、熱安定性に優れ、しかも、サイクル特性に優れた正極活物質を得ることができる。
異種金属元素Mの含有量yは0.05以下であり(y≦0.05)、yが0.05を越える場合には、コバルト酸リチウム単相を得ることが困難であり、工業的に生産するのが困難である。含有量yが0.0005未満の場合には、サイクル特性を向上させる効果が十分とは言い難い。好ましくは0.0005〜0.05、より好ましくは0.0005〜0.03である。
本発明に係る正極活物質の圧縮密度は、1t/cm下で3.35g/cm以上である。圧縮密度が3.35g/cm未満の場合には電極密度の低下を招き、高容量にはならない。好ましくは3.38g/cm以上、より好ましくは3.40g/cm以上である。
本発明に係る正極活物質の1t/cmで圧縮した後のアルカリ残存度は、アニール処理を施していない粉体(圧縮無し)を100とした場合、78以下が好ましい。78を超える場合は、アルカリ成分(リチウム)が多量に残存しており、容量の維持率が低下する。より好ましくは75以下、更により好ましくは73以下である。
また、本発明に係る正極活物質は2t/cmで圧縮した後であっても、アルカリ残存度は85以下が好ましく、より好ましくは80以下であるので、強いせん断力で塗料化する場合であっても、アルカリ成分が溶出することが抑制されたものである。
なお、本発明に係る正極活物質は、圧縮しない場合のアルカリ残存度は68以下が好ましく、より好ましくは65以下である。
また、本発明に係る正極活物質は、後述する方法で測定した場合に、80μmを超える粗粒が無いことが好ましい。80μmを超える粗粒がある場合には正極を作成する際の塗料化が困難で、歩止まりが多く、生産性が低下する。
本発明に係る正極活物質の平均粒子径は1.0〜30μmが好ましい。平均粒子径が1.0μm未満の場合には、充填密度の低下や電解液との反応性が増加する傾向にある。30μmを超える場合には、工業的に生産することが困難となる。より好ましくは2.0〜28μm、更により好ましくは10〜25μmである。
本発明に係る正極活物質のBET比表面積は0.10〜1.0m/gが好ましい。BET比表面積値が0.10m/g未満の場合には、工業的に生産することが困難となる。1.0m/gを超える場合には充填密度の低下や電解液との反応性が増加するため好ましくない。より好ましくは0.10〜0.8m/gである。
本発明に係る正極活物質の粒子形状は、粒状であり鋭角部が無い形状が好ましい。
次に、本発明に係る正極活物質の製造法について述べる。
本発明に係る正極活物質は、常法によって、Mg、必要により、異種金属元素を含有するコバルト酸リチウムを得た後、800〜900℃の温度範囲でアニール(熱処理)することによって得られる。
本発明におけるコバルト酸リチウムの製造方法は特に限定されるものではなく、たとえば、所望の組成割合の各種原料を混合した後、加熱焼成する方法、湿式反応によって、Mg、異種金属元素を含有するコバルト酸化物を得た後、リチウム化合物と混合、焼成する方法等である。
なお、Mg,異種金属元素の添加時期は特に限定されるものではなく、コバルト酸化物に均一に存在するもの、コバルト酸化物の表面に、Mg、異種金属元素が存在するもの、Mgを含有するコバルト酸化物の表面に異種金属元素が存在するもの等、又はこれらの組み合わせであってもよい。
本発明におけるコバルト酸リチウムは、前記のコバルト酸化物とリチウム化合物とを混合し、焼成、粉砕する。
リチウムの混合比は、コバルト酸化物中の金属元素(Co、Mg、異種金属)の総モル数に対して0.95〜1.05であることが好ましい。
焼成温度は、高温規則相であるLiCoOが生成する600℃〜1100℃であることが好ましい。600℃以下の場合には擬スピネル構造を有する低温相であるLiCoOが生成し、1100℃以上の場合にはリチウムとコバルトの位置がランダムである高温不規則相のLiCoOが生成する。焼成時の雰囲気は酸化性ガス雰囲気が好ましい。反応時間は5〜20時間が好ましい。
本発明においては、得られたコバルト酸リチウム粒子粉末に対してアニール(熱処理)することが肝要である。アニールを行うことによって、正極活物質中のアルカリ成分を低減することができる。
アニールの温度は800〜900℃である。アニール温度が800℃未満及びアニールを施さない場合、粉砕により生じた微粉、リチウム界面から生じるアルカリ分の吸収が低く、電解液分解やガス発生により、膨れの原因となると共に電池の抵抗が上昇し、容量維持率が低下する。900℃を超える場合、アルカリ分はかなり低下するが、熱的凝集により、80μmを超える粗粒を生じ、圧縮密度が低下、塗布性が困難、歩止まりが多く、電池の組立てすら出来なくなることもある。
前記アニール処理の雰囲気は、大気中である。
なお、本発明においては、圧縮密度を制御するために、粒子径の異なるコバルト酸リチウムを混合してもよい。
平均粒子径の異なるコバルト酸リチウムを混合した後、前記アニール処理を行う方法、平均粒子径の異なるコバルト酸リチウムに対し、それぞれ前記アニール処理を行った後、混合する方法のいずれであってもよい。
次に、本発明に係る正極活物質を用いた正極について述べる。
本発明に係る正極活物質を用いて正極を製造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
本発明に係る正極活物質を用いて製造される二次電池は、前記正極、負極及び電解質から構成される。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラファイトや黒鉛等を用いることができる。
また、電解液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルの組み合わせ以外に、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル等のカーボネート類や、ジメトキシエタン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を用いることができる。
さらに、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を上記溶媒に溶解して用いることができる。
本発明に係る正極活物質を用いて製造した二次電池は、初期放電容量が130〜170mAh/g程度であり、後述する評価法で測定した熱安定性(発熱開始温度)は180℃以上、より好ましくは190〜250℃であり、保存後の放電容量の維持率が90%以上の優れた特性を示す。
<作用>
本発明において最も重要な点は、アルカリ成分が低減されるとともに、マグネシウムを含有するコバルト酸リチウム粒子粉末からなる正極活物質は、二次電池としての初期放電容量を維持し、しかも、熱安定性に優れるという点である。
本発明において初期放電容量を維持できるのは、本来のLiCoOが有する初期放電容量を低下させない範囲でマグネシウムを含有させたことによる。
一方、リチウム化合物、コバルト化合物及びマグネシウムを乾式混合し仮焼した場合には、マグネシウムの組成分布が不均一となり、本発明の効果は得られない。
また、本発明に係る正極活物質の熱安定性が優れる理由としては未だ明らかではないが、正極活物質中にマグネシウムを含有することによって結晶構造の安定性が向上したことによるものと推定している。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
正極活物質の同定は、粉末X線回折(RIGAKU Cu−Kα 40kV 40mA)を用いた。また、前記粉末X線回折の各々の回折ピークから格子定数を計算した。
圧縮密度は、円柱金型に秤量した試料を入れ、卓上プレス機で1t/cmで加圧後の体積から算出した。
比表面積はMacsorb HM model−1208(マウンテック社製)を用いて、BET法にて測定した。
残存アルカリ成分は、試料5.0gについて、0.01Nの塩酸水溶液を用いて滴定し、pHが4になった時点を終点として、滴定に用いた塩酸のモル数を算出した。後述する比較例1(アニール処理無し、圧縮処理無し)の試料の残存アルカリ成分を100とし、各試料についての残存アルカリ指数(アルカリ残存度)を算出した。
平均粒子径は、粒度分布計マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)を用いて測定した。
80μmを超える粗粒の有無は、走査型電子顕微鏡S−4300(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、倍率 100倍或いは500倍で観察した。また、下記正極の作製においても、ドクターブレードを使用し、150μmの膜厚で塗布したシート上の観察においても判断できる。
正極活物質の粒子形状は、前記走査型電子顕微鏡を用いて、倍率1500倍或いは3500倍で観察した。
また、元素分析にはプラズマ発光分析装置(セイコー電子工業製 SPS4000)を用いた。
正極活物質の電池特性は、下記製造法によって正極、負極及び電解液を調製しコイン型の電池セルを作製して評価した。
<正極の作製>
正極活物質と導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤のポリフッ化ビニリデンを重量比で85:10:5となるように精秤し、乳鉢で十分に混合してからN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを調整した。次に、このスラリーを集電体のアルミニウム箔に150μmの膜厚で塗布し、150℃で真空乾燥してからφ16mmの円板状に打ち抜き正極板とした。
<負極の作製>
金属リチウム箔をφ16mmの円板状に打ち抜いて負極を作製した。
<電解液の調製>
炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの体積比50:50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル混合して電解液とした。
<コイン型電池セルの組み立て>
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、上記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン電池を作製した。
<電池評価>
前記コイン型電池を用いて、二次電池の充放電試験を行った。測定条件としては、正極に対する電流密度を0.2mA/cmとし、カットオフ電圧が3.0Vから4.5Vの間で充放電を繰り返した。
<熱安定性評価>
前記コイン型電池を用いて、4.5Vの電圧まで充電し、電池内の正極活物質を取り出し熱分析用の容器に詰め封をし、昇温速度10℃/minで、示差熱分析装置(DSC、セイコーインスツルメンツ社製 DSC6200)を用いてDSC測定を行った。測定結果から発熱開始温度を熱安定性とした。操作温度は30℃〜400℃の間で行い、また、上記した容器に詰めるまでの作業は全て露点−60℃以下のグローブボックス中で行った。
保存後の放電容量は、4.5Vで充電した後、60℃の高温槽で2週間放置した。再度、室温にて、放電させて放電容量を測定し、前期初期の放電容量と比較した。
実施例1
Mg含有量が2.0mol%、Al含有量が0.1mol%のコバルト酸リチウムを用意した。該コバルト酸リチウムは、下記製造法によって製造した。
即ち、0.5mol/lのコバルトを含有する溶液に、硫酸マグネシウム(コバルトに対して5.3mol%)を添加し、コバルト及びマグネシウムの中和分に対して1.05当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し中和反応させた。次いで、空気を吹き込みながら90℃で20時間酸化反応を行ってマグネシウム含有コバルト酸化物粒子を得、該コバルト酸化物粒子と炭酸リチウムとを混合した後、大気雰囲気990℃で10時間焼成を行った。
得られたマグネシウム含有コバルト酸リチウムを850℃で5時間、アニール処理を行った。
得られたコバルト酸リチウムからなる正極活物質は、組成がLiCo0.979Mg0.02Al0.001(x=0.02、y=0.001)であり、平均粒径が14.5μm、BET比表面積は0.16m/g、圧縮密度CDは、3.40g/cmであった。残存アルカリ指数は、1t/cm後は56であった。また、X線回折の結果、異相は存在せず、コバルト酸リチウム単相であることが確認された。
得られた正極活物質の電子顕微鏡写真を図1及び2に示す。図に示すとおり、角張った部分が少なく、粒子の表面に微粉が吸収された様子がうかがえる。また、アニール処理によって粒子同士が凝集した粗粒は確認できなかった。
前記正極活物質を用いて作製したコイン型電池は、初期放電容量が156mAh/g、熱安定性は217℃であった。保存後の放電容量は150mAh/g、維持率は96%であった。
実施例2〜8、比較例1〜7
Mgの含有量、異種金属の種類及び添加量、アニール温度を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にして、コバルト酸リチウムからなる正極活物質を得た。
このときの製造条件、及び得られた正極活物質の諸特性を表1に示す。
比較例2で得られた正極活物質に存在する粗粒の電子顕微鏡写真を図3及び4に示す。図に示すとおり、アニール温度が高温であった為、粒子同士が熱的凝集した凝集粒子が確認され、更には80μmを超える粗粒が存在していた。
また、比較例2、6及び8は、塗膜上に粗粒が存在し、品質が安定する正極を作成することができなかった。
本発明に係る正極活物質を用いて作製したコイン型電池は、初期放電容量130〜165mAh/gを有し、熱安定性も180℃以上と高く、しかも、保存後の容量維持率が90%以上を有している。
本発明に係る正極活物質を用いることで、二次電池としての初期放電容量を維持し、且つ、熱安定性が改善された非水電解質二次電池を得ることができる。
実施例1で得られた正極活物質の走査型電子顕微鏡写真(倍率1500倍) 実施例1で得られた正極活物質の走査型電子顕微鏡写真(倍率500倍) 比較例1で得られた正極活物質に存在する粗粒の走査型電子顕微鏡写真(倍率500倍) 比較例1で得られた正極活物質に存在する粗粒の走査型電子顕微鏡写真(倍率100倍)

Claims (4)

  1. 組成がLiCo(1−x−y)Mg(Mは、Al、Zr、Sn、Ti、Mnから選ばれる一種以上、0.001≦x≦0.15、y≦0.05)からなる正極活物質であって、該正極活物質の1t/cm下の圧縮密度が3.35g/cm以上であり、前記圧縮時のアルカリ残存度がアニールなしの正極活物質に対して78%以下であり、前記正極活物質は80μm以上の粗粒が無いことを特徴とする正極活物質。
  2. 請求項1記載の正極活物質は平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする正極活物質。
  3. コバルト酸リチウムを800〜900℃でアニールすることを特徴とする請求項1又は2に記載の正極活物質の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の正極活物質を含有する正極からなる非水電解質二次電池。
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