JP5151545B2 - 同時多軸制御評価方法 - Google Patents

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本発明は、超精密加工機における同時多軸制御の精度を評価する方法に関する。
従来、光通信などの情報通信機器、デジタルカメラ、カメラ付携帯電話などの撮像装置、DVD・CDなどのAV機器、内視鏡などの医療機器において高性能なレンズが用いられている。これらのレンズを成形する金型には形状精度100nm以下、表面粗さ10nm以下の厳しい精度が要求されるようになった。そして、これらの光学レンズ等、非軸対称非球面を精密加工するため、複数の移動軸と複数の回転軸とを同時に制御してミクロンオーダ以下の分解能で加工できる工作機械が製作されるようになった。そして、その加工精度を評価して調整する方法として、非特許文献1に記載の評価方法がある。この非特許文献1によると、図15に示すように、主軸100に球形の基準面を有する基準部材102を取付けるとともに、図略の刃物台に静電容量センサ104を取付け、主軸100に刃物台が接近する方向であるZ軸、Z軸に直角な方向であるX軸、X軸及びZ軸に直角なY軸(垂直方向)を設ける。そして、Y軸回りの回転であるB軸中心で回転するB軸テーブル106に前記刃物台を設定している。そして、図15に示す、前端部SPより、図16に示す、B軸が90度回転する位置まで、前記基準面上の測定線に沿って静電容量センサ104を移動させるX軸・Z軸・B軸の同時3軸制御を行ったときの、軌跡精度により加工精度を評価するものである。このとき静電容量センサ104と基準部材102の基準面との距離の変化量が同時3軸制御の誤差となって検出され、同時3軸制御の精度評価を行うことができる。
機械と工具2005年8月号29頁乃至35頁
近年の非軸対称非球面等を精密に加工するため、同時4軸制御以上の同時5軸制御や同時6軸制御が行われるようになった。しかし、上記非特許文献1の同時3軸制御を評価する手法において、例えば前記Z軸回りの回転であるC軸は、球形の基準部材では、該C軸回りに球形を回転させながら前記測定線上を測定しても、測定線からずれたことによる静電容量センサ104と基準部材102の基準面との距離の変化を生じないので、かかるずれが検出できない。そのため、同時4軸以上の制御として同時5軸制御・同時6軸制御の加工精度を評価することができなかった。また、基準部材102に製作誤差がある場合に、1軸だけを作動させて製作誤差を測定することが考えられたが、従来の静電容量センサ104(測定子)では、基準部材102の球面状の測定面と静電容量センサ104(測定子)とが成す測定角度の変化によって、精度のよい測定ができなかった。
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、同時5軸制御・同時6軸制御等の同時多軸制御における加工装置の加工精度を評価できる手法を提供するものである。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、被加工物及び加工工具を直交する3軸方向に相対移動させる直交3軸と、前記被加工物及び加工工具を前記3軸のうちの少なくとも2軸の回りに相対回転させる回転軸と、を有し、かつこれらの直交3軸及び回転軸の動作の同時制御が可能な制御装置を有する加工装置において、前記加工装置の被加工物の取付位置に非軸対称形状の測定基準部材を設ける基準部材取付工程と、前記加工装置の加工工具取付位置に寸法測定装置の測定子を取付ける測定子取付工程と、前記直交3軸及び前記回転軸の動作を同時制御することにより、前記非軸対称形状の所定断面及び表面が形成する曲率一定の円弧状外形線に沿って前記測定子を移動させ、前記測定基準部材の形状を測定する基準部材形状測定工程と、を備えていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記測定子は、前記測定基準部材の測定面に対する角度に影響されない測定子であり、前記基準部材形状測定工程の前又は後の工程として、前記直交3軸及び前記回転軸の同時制御を停止させた状態で、前記被加工物取付位置の回転軸に直交し、かつ前記円弧状外形線を形成する所定断面に含まれる所定直交1軸を動作させることにより前記円弧状外形線に沿って前記測定子を移動させて前記測定基準部材の円弧状外形線の形状を測定する外形線形状測定工程を設け、前記基準部材形状測定工程及び前記外形線形状測定工程の後に、前記基準部材形状測定工程で測定された測定データを、前記外形線形状測定工程で測定された測定データと比較するデータ修正工程を設けたことである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記基準部材取付工程は、前記被加工物取付位置の前記回転軸の軸心と直交する所定直交1軸とが前記所定断面に含まれ、かつ前記軸心が前記円弧状外形線の円弧中心を通過するように、前記測定基準部材を取り付けるものであり、前記基準部材形状測定工程は、前記測定基準部材を前記被加工物取付位置の回転軸回りに回転させるとともに前記直交3軸及び前記回転軸の動作を同時制御することにより、前記円弧状外形線に沿って前記測定子を移動させ、前記測定子と前記円弧状外形線の円弧中心との距離の変化を測定することにより前記測定子の移動軌跡の前記円弧状外形線に対するずれを測定するものであることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記測定基準部材は、シリンドリカル形状であることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至4のいずれか1項において、前記測定子は、球面プローブであることである。
請求項1に係る発明によると、被加工物の取付位置に測定基準部材を設け、加工工具取付位置に測定子を取付けることにより、実際の加工作業での同時多軸制御状態を作り出すことができる。そして加工測定基準部材として非軸対称形状を使用するので、曲率一定の円弧状外形線から制御誤差により測定子が外れると、円弧形状から外れた形状を精度誤差として検出して精度評価を行うことができる。
請求項2に係る発明によると、被加工物取付位置の回転軸の軸心に直交し、かつ円弧状外形線を形成する所定断面に含まれる所定直交1軸の方向に、測定基準部材と測定子を相対移動させて測定基準部材の円弧状外形線を測定すると、同時多軸制御による誤差の影響をなくした状態で、円弧状外形線の円弧形状を測定することができる。そして、正しい円弧形状から外れた形状の変化は、測定基準部材の製作誤差と考えられる。そのため、測定基準部材に製作誤差が生じていた場合において、基準部材形状測定工程で測定された測定データには該製作誤差が含まれることになるが、基準部材形状測定工程で測定された測定データを、外形線形状測定工程で測定された測定データと比較することにより、同時多軸制御による誤差だけを算出して精度評価を行うことができる。
請求項3に係る発明によると、被加工物取付位置の回転軸回りに測定基準部材を回転させても、円弧状外形線から測定子の軌跡が外れない限り、被加工物取付位置の回転軸の回転中心と測定子の距離とが変わらないようにするため、回転軸が円弧状外形線を形成する断面上にあり、かつ円弧状外形線の円弧中心を通過するように、測定基準部材を被加工物の取付位置に取り付ける。
そして、前記非軸対称形状の所定断面及び表面が形成する曲率一定の円弧状外形線に沿って測定子を移動させる際に、被加工物取付位置の回転軸回りに測定基準部材を回転させながら同時多軸制御を行うと、同時多軸制御の誤差動によって測定子の軌跡が円弧状外形線から外れた場合、球面と違って非軸対称形状では測定子と円弧状外形線の円弧中心との距離が変化するので、測定されたこの距離の変化量を同時多軸制御における精度誤差として精度評価を行うことができる。このように2点間の距離として誤差を求めることで、直線軸上のデータとするので、制御誤差をより捉え易くかつ該誤差の発生をわかりやすくすることができる。
請求項4に係る発明によると、測定基準部材を精密な製作が比較的容易な非軸対称形状のシリンドリカル形状とすることで、簡単に同時多軸制御の誤差を求めて精度評価を行うことができる。
請求項5に係る発明によると、測定子を球面状とすることで、被測定物の測定面に対する角度に影響されないで、形状測定を行うことができるとともに、容易に製作できる球面とすることで、安価な製作コストで同時多軸制御の誤差を求めて精度評価を行うことができる。
本発明に係るNC加工機の実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1はNC加工機の構造を示した平面概念図であり、図2は非軸対称形状のシリンドリカル形状を示す斜視図である。このNC加工機は特許請求の範囲における加工装置に対応する。
NC加工機2は、加工機2の正面より加工工具と被加工物の相対運動が左右方向となる移動軸をX軸とし、同じく加工工具と被加工物の相対運動が上下方向になる移動軸をY軸とし、同じく加工工具と被加工物の相対運動が前後方向になる移動軸をZ軸とする。そして、Y軸回りの回転軸としてB軸、Z軸回りの回転軸としてC軸を加えた5軸を制御する同時5軸制御加工装置である。また、X・Y・Zの3軸は夫々直交している。
このNC加工機2は、図1に示すように、主軸4をC軸回りに回転させるスピンドルモータ6を組み込んだ主軸台8と、主軸4の長手方向であるZ軸方向に移動可能なZ軸テーブル10と、後述するX軸方向及びZ軸方向に直交するY軸方向(垂直方向)に沿って主軸台8を移動可能に支持する縦支持部材12と、主軸4の先端に設けられたチャック(被加工物の取付位置に対応)14と、チャック14に保持される測定基準部材Sと対向する位置に設置され、Z軸方向及びY軸方向に直交するX軸方向(図1において左右方向)に移動可能なX軸テーブル15と、X軸テーブル15に載置され、Y軸方向(垂直方向)に平行なB軸回りに回動可能なターンテーブル16と、ターンテーブル16に設けられた刃物台18と、直交する前記X・Y・Zの3軸とB・C2つの回転軸の動作を制御する制御装置19から構成されている。前記測定基準部材Sは、図2に示すように、非軸対称形状であるシリンドリカル形状のマスターである。
主軸台8は背面にY軸方向(垂直方向)の一対のスライダ7が設けられ、スライダ7は縦支持部材12に設けられた一対のガイドレール9に摺動可能に嵌合されている。主軸台8はY軸リニアモータ5により、縦支持部材12に対してY軸方向(垂直方向)に移動可能に構成されている。縦支持部材12はZ軸テーブル10上に固定され、Z軸テーブル10は、図略のリニアモータによりベース1上にZ軸方向に配設されたZ軸ガイド13に沿って移動するようになっている。
X軸テーブル15は、図略のリニアモータによりベース1上にX軸方向に設置されたX軸ガイド11に沿って移動する。X軸テーブル15上に載置されたターンテーブル16にはそのテーブル16の周囲にターンテーブルリニアモータ17がリング状に配置されている。このターンテーブルリニアモータ17は、X軸テーブル15にターンテーブル16を囲うように設けられた図略の複数のマグネットと、該コイルに複数個所で対向するようターンテーブル16の外周に設けられた図略の複数のコイルとから構成されている。
また、前記主軸台8のチャック14は、工作物Sを保持して前記スピンドルモータ6によりZ軸に平行なC軸回りに回転するようになっている。また、図略のリニアエンコーダにより主軸台8のY軸方向の移動位置、X軸テーブル15及びZ軸テーブル10の移動位置が検知され、また、図略のロータリエンコーダにより主軸4及びターンテーブル16の回転位置が検知される。これらの移動位置及び回転位置の信号に基づき制御装置19によってY軸リニアモータ5、前記リニアモータ、スピンドルモータ6及びターンテーブルリニアモータ17の作動が制御される。
刃物台18は、ターンテーブル16上に固定された基枠(図略)に囲まれたスライダベース(図略)に対してZ軸方向に摺動可能に配設されたスライダ(図略)と、スライダの先端側(図1において上側)に組み付けられる工具ホルダ(加工工具の取付位置に対応)20と、スライダの基端側に配設される(図略)光学式リニアスケールと、前記スライダと前記スライダベースの間に配設された図略のリニアモータとから構成される。工具ホルダ20には、測定子として先端が球形の接触部を持つ球面プローブ24が円筒状の支持部24aにおいてZ軸方向に平行に保持されている。この支持部24aは、図示はしないが2段の筒状体により構成され、図略のばね部材により進出方向に付勢されるとともに、例えば5mm程度の範囲で出入り可能なストロークを有している。この球面プローブ24は、例えばプローブの球形中心cと測定基準部材Sの円弧状外形線の円弧中心Cとの距離Lcを測定することにより(図3又は図4参照)、接触する被測定物の測定面に対する角度に影響されないで測定が可能となっている。なお、円弧中心Cは、例えば円弧状外形線OL上の複数の点の形状データより円弧中心座標を算出することで求められ、この円弧中心座標とプローブの球形中心cが示す位置座標より距離Lcが求められる。この球面プローブ24により測定された寸法は、電気信号としてアンプ装置22により増幅され、アンプ装置22より制御装置19内に設けられた図略の記録装置に送信されて記録される。これらの球面プローブ24、アンプ装置22及び記録装置により寸法測定装置が構成される。
上記のように構成されたNC加工機2の同時5軸制御の評価方法を以下に説明する。まず、刃物台18の工具ホルダ20に、球面プローブ24の支持部24aをZ軸に平行にして取り付ける(測定子取付工程)。次に、Z軸回りの回転軸であるC軸(被加工物取付位置の回転軸)が、円弧状外形線OLを形成する断面DM上にあり、かつ円弧状外形線OLの円弧中心Cを通過するように、測定基準部材Cをチャック(被加工物の取付位置)14に取り付ける(測定基準部材取付工程)。このように測定基準部材Sを取り付けることにより、C軸回りに測定基準部材Sを回転させても、円弧状外形線OLから球面プローブ24の軌跡が外れない限り、C軸の回転中心と球面プローブ24の距離とが変わらないようにする。そして、Z軸テーブル10をZ軸方向に移動させて刃物台18に測定基準部材Sを接近させ、図2及び図3に示すように、円弧部分の中央の端部に球面プローブ24を接触させてスタート位置SPとして確認する。そして、X軸テーブル15のリニアモータのみを駆動させて、X軸(所定直交1軸)方向(図1において右側)にX軸テーブル15を移動させて、球面プローブ24を円弧面の端部EPまで移動させる。この移動は、図2及び図3に示すように、シリンドリカル形状の平らな断面(所定断面)DMと円弧状表面とが形成する曲率一定の円弧状外形線OLに沿って球面プローブ24を移動させることとなる。そして、その移動していく間の円弧状外形線OLの中心Cと球面プローブ24の球形中心cとの間の距離Lcの変化を測定する(外形線形状測定工程)。このX軸方向だけの移動によって、プローブ全体とシリンドリカルの円弧面とが成す測定角度は変化するが、プローブの先端が球面である球面プローブ24であることにより、測定角度に影響されず高い精度で、円弧状外形線OLの中心Cと球面プローブ24の球形中心cとの間の距離Lcを測定することができる。
このとき例えば、図11に示すグラフのような軌跡が得られる。このグラフは、縦軸が測定値である距離Lcと測定基準部材Sの設計上の設定値との差すなわち測定基準部材Sの製作上の誤差を示し、横軸が球面プローブ24の測定基準部材S上の移動距離を示している。(測定基準部材Sの形状が設計通りならば、原点を通る水平な軌跡のグラフとなる。)このようにC,c2点間の距離として誤差を求めることで、直線軸上のデータとなるので、制御誤差をより捉え易くかつ該誤差の発生をわかりやすくすることができる。
次に、図4、図5及び図6に示すように、同時5軸制御により前記基準位置においてスタート位置SPから球面プローブ24を円弧状外形線OLに沿って移動させる。この際、制御装置19によりスピンドルモータ6を回転させることにより主軸4をC軸回りに回転させ、同時にターンテーブル16をB軸回りに回転させ、同時にX軸、Y軸、Z軸方向のリニアモータ5等の駆動による移動を制御することにより、球面プローブ24を円弧状外形線OLに沿ってスタート位置SPから円弧面の端部EPまで移動させる(図7、図8及び図9参照)。本実施形態では、スタート位置SPから円弧面の端部EPまで球面プローブ24を移動させる間にC軸回りに90度、B軸回りに90度夫々回転させて行う(図10参照)。前記曲率一定の円弧状外形線OLに沿って球面プローブ24を移動させる際に、球面プローブ24の軌跡が円弧状外形線OLからずれると、球面と違ってシリンドリカル形状では球面プローブ24(球形の中心c)と円弧状外形線の中心Cとの距離Lcが離れるので、この距離の変化量を同時制御における精度誤差として検出する(基準部材形状測定工程)。
このとき例えば、図12に示すグラフのような軌跡が得られる。このグラフの縦軸は、上記と同様に、測定値である距離Lcと測定基準部材Sの設計上の設定値との差を示しているが、同時5軸制御による精度誤差に、図11に示される測定基準部材S自体の製作誤差が含まれる。そのため、図12に示す測定データと図11に示す測定データとを比較してその差を求めることにより、図13に示すように、同時5軸制御による精度誤差のみを算出する(データ修正工程)。
なお、X軸(所定直交1軸)方向にX軸テーブル15だけを移動させて、前記距離Lcの変化を測定する外形線形状測定工程は、前記基準部材形状測定工程の後から行ってもよい。また、測定基準部材Sと球面プローブ24との接触点はB軸の回転中心に一致させて回転させる。実際の加工においてバイトにより切削点となる先端がB軸の回転中心とほぼ一致されることにより、工作物の曲面に合わせて一定の角度(すくい角)で切削が可能となるので、曲面に対して均一な超精密切削仕上げが可能となる。このように実際の加工条件に合わせて、同時制御の精度を測定することができる。
上記実施形態における評価方法によると、NC加工装置2のチャック14に取り付けられたシリンドリカル形状の測定基準部材Sと、NC加工機2の工具ホルダ20に取り付けられた球面プローブ24とを、NC加工機2の直交する3軸(X軸・Y軸・Z軸)及び前記直交3軸のうちの2軸の回りに回転する回転軸(B軸、C軸)で相対移動させる同時5軸制御により測定基準部材Sの円弧状外形線に沿った円弧中心Cと球面プローブ24の球形中心cの距離Lcの変化の寸法測定を行う。
そして、前記シリンドリカル形状の円弧状外形線OLに沿って球面プローブ24を移動させる際に、C軸回りに測定基準部材Sを回転させながら同時5軸制御を行うと、同時5軸制御の誤差動によって球面プローブ24の軌跡が円弧状外形線OLから外れた場合、上述のように球面と違ってシリンドリカル形状では球面プローブ24(球状中心c)と円弧状外形線OLの円弧中心Cとの距離Lcが変化するので、測定されたこの距離Lcの変化量を同時5軸制御における精度誤差として精度評価を行うことができる。
また、所定断面DMに含まれるX軸(所定直交1軸)方向だけを動作させて測定基準部材Sの円弧状外形線OLを測定すると5軸の同時制御による誤差の影響を除いて、測定基準部材Sの円弧状外形線OLの半径寸法を測定することができる。そのため、例え測定基準部材Sに製作誤差が生じていた場合においても、前記直交3軸(X軸・Y軸・Z軸)及び前記回転軸(B軸、C軸)の動作を同時制御して球面プローブ24の球形中心cと円弧状外形線OLの円弧中心Cとの距離Lcを測定した測定データを、X軸だけを動かして測定された製作誤差を示す測定データと比較して差を求めることにより、同時5軸制御の誤差だけを求めることができる。
また、測定基準部材Sを精密な製作が比較的容易なシリンドリカル形状とすることで、簡単に同時5軸制御の誤差を求めて精度評価を行うことができる。また、測定子を球面プローブ24とすることで、被測定物の測定面に対する角度に影響されないで、形状測定を行うことができるとともに、容易に製作できる球面とすることで、安価な製作コストで同時多軸制御の誤差を求めて精度評価を行うことができる。
なお、上記実施形態においては、非軸対称形状としてシリンドリカル形状としたが、これに限定されず、例えば、図14に示すような、トロイダル形状など公知の非軸対称形状の測定基準部材2Sであれば使用することができる。この場合、破線50又は1点鎖線52で示す円弧状外形線に沿って測定することで、精度評価を行うことができる。
また、上記実施形態では、同時5軸制御による精度評価を行ったが、同時5軸制御評価に限定されず、例えば、X軸回りの回転軸であるA軸を加えた同時6軸制御の精度評価や同時4軸制御の精度評価を行うことができる。また、所定直交1軸としてX軸としたが、これに限定されず、例えばY軸でもよい。
また、C軸回りに90度、B軸回りに90度夫々回転させて精度評価を行ったが、これに限定されず、例えばC軸回りに60度、B軸回りに30度回転させて精度評価を行ってもよい。
また、測定子を接触式の球面プローブとしたが、これに限定されず、例えば原子間力プローブやオートフォーカスプローブのような測定子が測定面の法線方向からでなくても測定できるプローブであればよい。
本発明に係る実施形態に使用するNC加工機の平面概要図。 同シリンドリカル形状を示す斜視図。 測定子のX軸方向の移動により円弧状外形線に沿って形状を測定する方法を示す概要図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する方法を示す平面図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する方法を示す側面図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する方法を示す正面図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する過程を示す平面図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する過程を示す側面図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する過程を示す正面図。 同時5軸制御を使用して円弧状外形線に沿って形状を測定する最後の位置を示す正面図。 測定基準部材の製作誤差を示すグラフ。 同時5軸制御を使用した測定誤差を示すグラフ。 同時5軸制御を使用した測定誤差から製作誤差を引いた同時5軸制御のみの誤差を示すグラフ。 測定基準部材の別例を示す斜視図。 従来技術の例を示す概要図。 従来技術の例を示す概要図。
符号の説明
2…NC加工機、14…被加工物取付位置(チャック)、19…制御装置、20…加工工具取付位置(工具ホルダ)、22…寸法測定装置(アンプ装置)、24…測定子・寸法測定装置(球面プローブ)、50……円弧状外形線、52…円弧状外形線、C…円弧中心、C軸…被加工物取付位置の回転軸・軸心、DM…所定断面(断面)、OL…円弧状外形線、S…測定基準部材、2S…測定基準部材、X軸…所定直交1軸。

Claims (5)

  1. 被加工物及び加工工具を直交する3軸方向に相対移動させる直交3軸と、前記被加工物及び加工工具を前記3軸のうちの少なくとも2軸の回りに相対回転させる回転軸と、を有し、かつこれらの直交3軸及び回転軸の動作の同時制御が可能な制御装置を有する加工装置において、
    前記加工装置の被加工物の取付位置に非軸対称形状の測定基準部材を設ける基準部材取付工程と、
    前記加工装置の加工工具取付位置に寸法測定装置の測定子を取付ける測定子取付工程と、
    前記直交3軸及び前記回転軸の動作を同時制御することにより、前記非軸対称形状の所定断面及び表面が形成する曲率一定の円弧状外形線に沿って前記測定子を移動させ、前記測定基準部材の形状を測定する基準部材形状測定工程と、
    を備えていることを特徴とする同時多軸制御の評価方法。
  2. 請求項1において、前記測定子は、前記測定基準部材の測定面に対する角度に影響されない測定子であり、
    前記基準部材形状測定工程の前又は後の工程として、前記直交3軸及び前記回転軸の同時制御を停止させた状態で、前記被加工物取付位置の回転軸に直交し、かつ前記円弧状外形線を形成する所定断面に含まれる所定直交1軸を動作させることにより前記円弧状外形線に沿って前記測定子を移動させて前記測定基準部材の円弧状外形線の形状を測定する外形線形状測定工程を設け、
    前記基準部材形状測定工程及び前記外形線形状測定工程の後に、前記基準部材形状測定工程で測定された測定データを、前記外形線形状測定工程で測定された測定データと比較するデータ修正工程を設けた
    ことを特徴とする同時多軸制御の評価方法。
  3. 請求項1又は2において、前記基準部材取付工程は、前記被加工物取付位置の前記回転軸の軸心と直交する所定直交1軸とが前記所定断面に含まれ、かつ前記回転軸の軸心が前記円弧状外形線の円弧中心を通過するように、前記測定基準部材を取り付けるものであり、
    前記基準部材形状測定工程は、前記測定基準部材を前記被加工物取付位置の回転軸回りに回転させるとともに前記直交3軸及び前記回転軸の動作を同時制御することにより、前記円弧状外形線に沿って前記測定子を移動させ、前記測定子と前記円弧状外形線の円弧中心との距離の変化を測定することにより前記測定子の移動軌跡の前記円弧状外形線に対するずれを測定するものであることを特徴とする同時多軸制御の評価方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記測定基準部材は、シリンドリカル形状であることを特徴とする同時多軸制御の評価方法。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項において、前記測定子は、球面プローブであることを特徴とする同時多軸制御の評価方法。
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