JP5150619B2 - シーンの再構成のためのホログラフィ投影装置およびシーンのホログラフィ再構成方法 - Google Patents

シーンの再構成のためのホログラフィ投影装置およびシーンのホログラフィ再構成方法 Download PDF

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Description

本発明は、シーンの再構成のためのホログラフィ投影装置に関し、前記装置は、波面を生成するために使用される十分にコヒーレントな光を投射する少なくとも1つの光源と、変調エレメントを備えた少なくとも1つの2次元光変調器装置とを具備する。更に本発明は、シーンのホログラフィ再構成のための方法に関する。
画像処理において人間の脳により使用される全ての深さ情報を含むオブジェクトの実際の3次元シーンを再現するために、ホログラフィ技術を使用することは周知である。ホログラフィは、波面の振幅分布及び位相分布を記録し、それらを後で再現する技術である。より正確には、オブジェクトにより反射したコヒーレント光及び光源から直接入射する光の干渉パターンは、写真乾板等の記録媒体に記録される。ホログラムとしても周知である干渉パターンがコヒーレント光で照明される場合、3次元シーンは空間内に出現する。通常、周知の方法及び技術を使用してホログラムを生成するためには、実際の3次元オブジェクトが使用される。従って、生成されたホログラムは実ホログラムとして周知である。しかし、計算機ホログラム(CGH)が同様に使用されてもよい。
通常、再構成シーンは直接観察される。すなわち観察者は、例えばホログラム値に従って符号化され且つ規則的に配列された画素を備えた計算機ホログラムを見る。個別に記録されるため及び回折の効果により、CGHの再構成は、CGH保持媒体の解像度により定義される回折スペクトルの1つの周期間隔内においてのみ可能である。通常、再構成は、隣接する周期間隔において不規則性を示しながら繰り返される。
可逆CGH記録媒体は、入射光の位相及び振幅を変調するLCD(液晶ディスプレイ)、LCoS(liquid crystal on silicon)、OASLM(光アドレス型空間光変調器)等の空間光変調器を含む。更に、MEMSを用いる光変調器が光の位相及び/又は振幅を変調するために使用可能であることは周知である。CGHを所望の平面に変換する光学エレメントも、2次元及び3次元シーンを再構成するために使用されることが多い。
例えば、特許文献1において、3次元シーンを再構成するための1次元光変調器を有する投影装置が開示される。光変調器は、データ処理システムの変調信号により制御される音響光学変調器であり、従って1次元ホログラムを符号化する。再構成は複数の光学エレメントを使用して減少され、それにより水平方向の視角を増加する。水平スキャナはシーンの部分ホログラムを連続的に組み合わせ、変調器に沿って部分ホログラムの動きの均衡をとる。水平スキャナは音波の速度に同期するため、変調器からの元の画像の走査済み領域は再構成シーンにおいて固定されているように見える。更に、垂直スキャナは、水平方向の1次元ホログラムを垂直方向に位置決めするために設けられる。
しかし、その投影装置が音響光学変調器(AOM)を使用するため、これは、信号の動きの均衡をとることを目的とする水平スキャナ等の追加のエレメントを必要とするという欠点を示す。これにより、設計は困難且つ複雑になる。更に、変調器は高速で動作する必要がある。別の欠点はAOMのアパーチャが小さいことであり、そのため、サブホログラムは連結される必要がある。
特許文献2において、3次元シーンを再構成するためのホログラフィ表示装置が更に開示される。表示装置は、反射型光変調器、ホログラムを投影するためのビームスプリッタ、光源、シャッター、視野レンズ及びコリメータレンズを備える。ホログラムは、3次元オブジェクト情報を使用してコンピュータ上で生成された後、光変調器に表示される。その後、光変調器は、光源により放射され且つビームスプリッタを介して結像する光で照明され、それにより3次元シーンが再構成される。従って、再構成シーンは視野レンズの周辺に作成される。カラー光源が互いに近接して配置されるシーンのカラー再構成も記載されている。これらの光源は、波長の異なる光を同時に放射する。
上述のホログラフィ表示装置は、以下の欠点を示す。再構成シーンのサイズは、視野レンズのサイズにより制限される。更に、再構成シーンの観察者は限られた移動の自由度しか有さず、観察者の眼に対する観察者ウィンドウの追跡機能は提案されていない。更に、回折次数はフーリエ平面において周期的に繰り返される。
米国特許第5,172,251号公報 欧州特許第1 467 263A1号公報
本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を克服するシーンのホログラフィ再構成のための装置及び方法を提供することであり、前記装置及び方法は、1人又は複数の観察者が移動する場合であっても、従来のホログラフィ表示装置と比較してより短い計算時間でより大きな観察者範囲に2次元シーン及び3次元シーンの少なくともいずれかの再構成を出力できる。
本発明によると、この目的は、少なくとも1つの走査システム及び1つの投影システムを提供することにより実現される。この場合、走査システムは、少なくとも1つの走査エレメントを具備し、光変調器装置及び走査エレメントは、走査エレメントにより放射された光が2次元光変調器装置の変調エレメントの1次元配列を順に走査するように組み合わされ、走査システムは、波面を再構成するために必要な情報を含む波面を順次作成するように設計され、投影システムは、その後シーンを再構成するように設計される。
本発明に係るホログラフィ投影装置は、コヒーレント光を放射する少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光変調器装置とを具備する。光変調器装置は、いわゆる画素である変調エレメントを具備し、これは再構成されるシーンを符号化する。更に、光変調器装置は2次元設計である。ホログラフィ投影装置は、少なくとも1つの走査システムと1つの投影システムとを更に具備する。本発明に係るホログラフィ投影装置を2つの別個のシステム、すなわち走査システム及び投影システムに分割することにより、現在使用されている投影システム又は走査システムを異なる所望の又は必要なシステムに容易、迅速且つ単純に交換することが可能である。ホログラフィ投影装置、特に走査システムが備える走査エレメントは光変調器装置と組み合わされ、それにより走査エレメントは、変調エレメントの1次元配列をコヒーレント光で順に走査する。すなわち、一度に2次元光変調器装置の1列又は1行のみを走査する。これは、2次元光変調器装置全体が一度に走査されるのではなく、常に変調エレメントの1つの1次元配列のみが一度に走査されることを意味する。上述のように、個々の1次元配列は順に走査される。走査システムは、シーンを再構成するために必要な情報を含む波面を順次生成するために設けられる。投影システムは、その後シーンを再構成するためのものである。使用される走査エレメントは、共振スキャナ、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)、ピエゾミラー、ガルバノメータスキャナ又は同様のエレメントである。
このように、大きな再構成空間における2次元及び3次元シーンの単純且つ迅速な再構成のためのホログラフィ投影装置が提供される。非常に複雑な2次元高速フーリエ変換の代わりに1次元高速フーリエ変換のみが実行されるため、ホログラム計算に必要な時間は大幅に短縮される。本発明に係る投影装置において、従来の2次元光変調器装置が使用されるのが好ましい。従って、非常に高速な2次元光変調器装置を使用する必要はない。2次元光変調器装置の全ての変調エレメントは目標の波面に従って制御され、それにより各1次元配列、すなわち行又は列は、走査エレメントにより十分にコヒーレントな光で走査される。このように、光変調器装置は、自身の制御速度を増加する必要なく、より高速に走査可能である。1次元光変調器装置において、変調エレメントが各走査の後に記録されなければならないのに対し、本発明に係る投影装置において、1次元配列、すなわち行又は列は、2次元光変調器装置の異なる1次元配列が走査されている間に記録可能である。
マイクロミラーエレメントに基づく光変調器装置等の従来あまり使用されていない2次元光変調器装置を使用することも可能である。この場合、例えば、マイクロミラーエレメントは軸方向に移動可能であり且つ軸を中心として傾斜可能である。そのような光変調器装置において、利点は、一方の方向における観察者ウィンドウの拡大が光変調器装置の設計に基づき且つ他方の方向における拡大が本発明に係る投影装置の空間構造に基づくことである。そのような光変調器装置は、例えばMEMS、薄膜ミラー系、OASLM又はAOM(音響光学変調器)である。
更に、使用される光変調器装置は、音響光学変調器等の制限変調器ではなく、拡張空間光変調器装置であるのが好ましい。制限変調器により、特許文献1で説明される水平スキャナ等の追加のエレメント及び投影装置におけるそれらの構成は重複する。
ホログラフィ投影装置がアナモフィックであることは有利であり、すなわち、ホログラフィ投影装置が互いに対して垂直であり且つ光伝播方向に対して垂直である2つの方向において異なる倍率を示すことは有利である。これは、光変調器装置が1行ずつ走査される場合、変調エレメントにより変調される波面が観察者平面内の同一位置、例えば観察者の少なくとも一方の眼が位置付けられる仮想観察者ウィンドウに伝播するため、すなわちそこに結像するために重要である。これは、光のぼやけの防止を助長する。同じことは、光変調器装置が1列ずつ走査される場合にも当てはまる。別の利点は、以下において非コヒーレント方向とも呼ばれる走査方向における観察者ウィンドウの拡大が、以下においてコヒーレント方向とも呼ばれる他方の方向におけるそのような大きな倍率が走査理論により制限される場合であっても可能になることである。
本発明の別の好適な実施形態によると、再構成の縮尺及びスクリーンのサイズは、フーリエ変換の回折次数の周期的な連続がスクリーン外に存在するように選択される。これは、回折次数の周期的な連続がスクリーン外に移動され、1つの周期のみがスクリーン上で可視であるという利点を示す。これは、再構成シーンの観察者が種々の回折次数における再構成の周期的な連続を知覚しないことを意味する。従って、画質は、従来技術の装置と比較して大幅に向上される。
大きな観察者範囲にいる1人又は複数の観察者に対する仮想観察者ウィンドウを利用可能にするため、位置検出システムは、再構成シーンを観察する際に観察者平面において少なくとも1人の観察者の眼の位置を検出するために使用されてもよい。
位置検出システムは、再構成シーンを観察する1人又は複数の観察者の眼の位置の変化を検出及び追跡する。すなわち再構成シーンは、水平方向、垂直方向及び/又は軸方向の観察者の眼の位置の変化に応じて可視になるように符号化される。これは、変化した眼の位置に従って再構成シーンの位置及び/又は内容を更新可能にするために特に有利である。従って、仮想観察者ウィンドウは、新しい眼の位置に従って追跡可能である。
少なくとも1つの偏向エレメントは、観察者の眼の位置の変化に従って観察者平面における仮想観察者ウィンドウを追跡するために使用されるのが好ましい。そのような偏向エレメントは、ガルバノメータミラー、MEMS又は音響光学エレメント等の機械エレメント、電気エレメント、磁気エレメント又は光学エレメントである。
本発明の目的は、シーンのホログラフィ再構成のための方法により更に実現される。この場合、少なくとも1つの光源は、変調エレメントを備えた少なくとも1つの2次元光変調器装置を十分にコヒーレントな光で照明し、2次元光変調器装置の変調エレメントの1次元配列のみが走査エレメントにより順に走査され、それにより複数の1次元波面が生成され、シーンを再構成するために必要な情報を含む波面は1次元波面を使用して順次生成され、それによりシーンが再構成される。
新奇の方法によると、照明装置により放射される十分にコヒーレントな光は、2次元及び/又は3次元シーンのホログラフィ再構成のために走査エレメントに向けられる。走査エレメントは、2次元光変調器装置の変調エレメントの個々の1次元配列をコヒーレント光で順に走査する。このように、複数の1次元波面は順に生成される。各1次元波面は、再構成されるシーンの一部、特に3次元シーンのみを表す。シーンを再構成するために必要な情報を含む波面は、シーン、特に3次元シーンを後で再構成するために、1次元波面を使用して順次生成される。1次元フーリエ変換のみが計算及び符号化される必要があるため、一度に2次元光変調器装置の1行又は1列のみを走査することにより、大きな計算負荷を回避し且つ計算に必要な時間を減少することが可能になる。
本発明の好適な実施形態によると、光源により放射され且つ光変調器装置により変調エレメントの1次元配列毎に変調された光の1つのフーリエ変換は、スクリーンとして機能する光学エレメント上に結像してもよく、この場合、少なくともこの光学エレメントは、光変調器装置を使用して変調された波面を仮想観察者ウィンドウ内に結像させる。しかし、個々のフーリエ変換がスクリーン上ではなく仮想観察者ウィンドウ内に結像することも可能である。従って、変調波面はスクリーン上に結像する。
本発明の更なる実施形態は、他の添付の請求の範囲により規定される。本発明の実施形態は、添付の図面と関連して以下に詳細に説明され且つ示される。単色光を用いたホログラフィ再構成に基づいて、本発明の原理を説明する。しかし、個々の実施形態の説明において示すように、本発明がカラーホログラフィ再構成に同様に適用されてもよいことは当業者には理解されるだろう
本発明に係るホログラフィ投影装置の設計及び3次元シーンであるのが好ましいシーンの再構成を説明する。
図1は、光変調器装置3を照明するための光源2を有する照明装置1を示す。照明装置1及び光変調器装置3は、ホログラフィ投影装置内のある特定の位置に配置される。しかし、この構成は図5においてのみ説明する。光源2は、十分にコヒーレントな光を放射する。本明細書において、用語「十分にコヒーレントな光」は、3次元シーンのホログラフィ再構成のための干渉を発生させることができる光を示す。照明装置1の光源2は、レーザダイオード、DPSSレーザ(ダイオード励起固体レーザ)又は他のレーザから形成可能である。十分にコヒーレントな光を放射する限り、他の光源、例えばLED(発光ダイオード)も使用可能である。しかし、そのような光源は、十分なコヒーレンス度を達成するようにフィルタ処理される必要がある。
図1は、光変調器装置3が走査エレメント(不図示)により走査される方法を詳細に示す。走査エレメントを図2a及び図2bに詳細に示す。光変調器装置3は、LCD、LCoS、OASLM、MEMSパネル又は他の任意の変調装置等の従来の光変調器装置である。更に、光変調器装置3は反射型又は透過型である。図からわかるように、走査される光変調器装置3は変調エレメント4を備える2次元パネルである。変調エレメント4は、画素又は画素と同様に機能するミラーエレメントである。しかし、パネルは2次元ではなく1次元に走査される。すなわち、一度に1行(図示のように)又は1列のみが走査エレメントにより走査される。変調エレメント4の各1次元配列は入射波面Wを変調する。それにより、変調波面は再構成されるシーンの一部のみを表す。換言すると、変調波面は再構成される2次元波面の一部のみを表す。光変調器装置3を走査する処理は以下のように説明される。光源2は十分に狭い間隙において、すなわち例えば線光源を使用して、走査エレメントに向けて光を放射する。共振スキャナ、ピエゾスキャナ、ガルバノメータスキャナ又は同様のエレメントである走査エレメントは、図中に位置Aで示すように、それが放射する波面W、好ましくは平面波面が走査される変調エレメント4の所望の1次元配列に向けられるように移動する。走査エレメントを更に移動することにより、変調エレメント4の1次元配列は、位置nに到達するまで矢印で示す方向に順に光源の光で走査される。当然、他方の方向に、すなわち位置nから開始して位置Aで終了するようにパネルを走査することも可能である。更に、変調エレメント4の任意の1次元配列を走査すること及び/又はその他の配列を任意の順序で走査するように進むことは可能である。従って、光を用いた走査の際に変調エレメント4の所望の配列に到達するために、走査エレメントが光変調器装置3と組み合わされることは明らかである。図に示すように、行配列は、例えば上から下まで走査した後に下から上まで走査されてもよく、上から下まで走査した後に再び上から下まで走査されてもよく、又は任意の順序で走査されてもよい。
光変調器装置3が走査エレメントにより初めて走査される前に、変調エレメント4はアドレス指定されて要求される変調位置に配置される。その後、変調エレメント4の個々の1次元配列は上述のように走査される。変調エレメント4は、光変調器装置3内の全ての1次元配列が完全に走査された後に再度アドレス指定される。従って、変調エレメント4は全ての1次元配列が走査された後にのみ再度アドレス指定される必要があり、そのため、変調エレメント4の切替え時間は短縮される。あるいは、各1次元配列を走査した直後に再度アドレス指定することも可能である。このオプションは、時間節約という利点を更に提供する。これは、例えばマイクロミラーに基づく光変調器装置3が使用され、全ての変調エレメント4が軸方向にのみ移動可能であるか又は軸方向に移動可能であり且つ軸を中心として傾斜可能なミラーエレメントである場合に特に有利である。
図2a及び図2bは、ホログラフィ投影装置のサブシステムのみを示し、光路は折り返さない。以下に説明する実施形態も折り返さない光路を示す。このサブシステムは走査システムASと呼ばれ、光源2を有する照明装置1、走査エレメント5、光変調器装置3、並びに結像エレメント6、7、8、9、9’及び10を備える結像エレメント7はレンズエレメント7a及び7bを備え結像エレメント8はレンズエレメント8a及び8bを備え結像エレメント10はレンズエレメント10a、10b及び10cを備える結像エレメント6、7、8、9、9’及び10はレンズであり、特に、円柱レンズ、球面レンズ、補正済み円柱又は球面レンズ、回折光学エレメント(DOE)、フレネルレンズであるが、ミラー又は複数のそのようなエレメントの配列であってもよい。更に、結像エレメント6、7、8、9、9’及び10は軸からずらして配置されてもよく、その場合、像面湾曲等の収差の減少が容易になる。ホログラフィ投影装置はアナモフィックである。すなわち、投影システム、従って互いに対して垂直な2つの方向における投影装置の倍率は異なる。そのため、図2aが1次元波面の伝播方向及び光伝播方向における走査システムASを示すことに留意する必要がある。この方向は、以下においてコヒーレント方向と呼ばれる。図2bは、走査方向及び光伝播方向における走査システムASを示す。この方向は、以下において非コヒーレント方向と呼ばれる。例えば円柱結像手段と同様に、これらの方向の一方において光学効果を有さない結像エレメントは、対応する図面において省略される。
図2aを参照して、コヒーレント方向における走査システムASの機能原理を説明する。回折光学エレメントの設計及び機能原理は収差補正を実現するのにより適しているため、回折光学エレメントが結像エレメントとして使用されることは有利である。照明装置1の光源2は、十分にコヒーレントな光を平面波Wの形態で放射し、これは拡大するために結像エレメント6に向けられる。その後、波Wは、例えば円柱レンズである結像エレメント7のレンズエレメント7aを通過し、走査エレメント5上に集束される。走査エレメント5は、結像エレメント8のレンズエレメント8aにより平面11内に結像し、それにより、走査エレメント5上に集束される波Wはこの平面11内に同様に集束される。従って、ミラー等の偏向エレメントを平面11に配置することは可能である。反射型光変調器装置3が使用される場合、偏向エレメントは、光変調器装置3に向かう途中の光がそれから反射した光とオーバーラップするのを防止するのに有利である。また、透過型光変調器装置3が使用される場合、そのような偏向エレメントは小型化のために使用されてもよい。平面11を通過した後、波は、結像エレメント9により平行波又は平面波として光変調器装置3上に結像する。本実施形態及び以下に説明する実施形態において、光変調器装置3は反射型光変調器装置であり、そのため、好ましくは平面波面を有する波Wは、波面WFを有する変調波として反射される。その後、そのようにして光変調器装置3により変調された波面WFは、結像エレメント9’及びレンズエレメント10aにより平面12内に結像する。反射型光変調器装置3の場合、結像エレメント9は結像エレメント9’として使用される。この場合、2つの結像エレメント9及び9’は組み合わされて1つの単一結像エレメントを形成する。結像エレメント10は3つの円柱レンズエレメントを備える。しかし、3つのレンズエレメントのうちの1つのみがコヒーレント方向において有効であり、その他のレンズエレメントはその方向において光学効果を有さない。
波面WFが結像する一方で、それと同時にフーリエ変換FTは平面11’において生成される。反射型光変調器装置3が使用される場合、1つの同一平面を形成するように平面11及び11’は一致する。光変調器装置3に向かう途中の光がそれから反射した光とオーバーラップするのを防止するために、偏向エレメント、例えばミラーを平面11’に配置することは可能である。更に、透過型光変調器装置3が使用される場合、そのような偏向エレメントは小型化のために設けられてもよい。フーリエ変換FTは、レンズエレメント10aにより平行な光線束として平面12内に突き当たる。反射型光変調器装置3の場合、波面WFの平面11’内への結像は、収差を減少するために行われるのが好ましい。しかし、透過型光変調器装置3が使用される場合、この結像は必ずしも必要ではない。本実施形態及び以下に説明する他の任意の実施形態は概略的にのみ示される。そのため、光変調器装置3が反射型であり、変調波面WFが平面11’(=11)に反射されるため、結像エレメント9及び9’が1つの単一結像エレメントにより表されることに留意する必要がある。従って、平面11及び11’は1つの同一平面である。
図2bに示す非コヒーレント方向において、フレネルレンズ又は回折光学エレメントは結像手段6、7、8及び10として使用されるのが好ましい。非コヒーレント方向における走査システムASの機能原理を以下に説明する。この場合、光変調器装置3上の変調エレメント4の2つの空間的にオフセットされた配列は順に走査されるが、これらの2つの走査を図中に同時に示す。光源2の光束は結像エレメント6により拡大され、レンズエレメント7bにより光の伝播方向に見て走査エレメントの前方に配置される平面13内に集束され、非コヒーレント方向において規定された範囲で走査エレメント5上に突き当たる。走査エレメント5は、光変調器装置3の変調エレメント4の走査される配列に従って光束を偏向する。図1を参照して説明したように、光束は、平面13から走査エレメント5及びレンズエレメント8bにより平面11内及び光変調器装置3上に結像する。これは、走査エレメント5により偏向された光又はより正確には偏向された光束が、走査システムASの光軸OAに対して平行に又は規定の角度を成して光変調器装置3に入射することを意味する。この場合、光束と光軸OAとの間の距離は、光変調器装置3上の変調エレメント4の走査中の1次元配列に依存して異なる。結像エレメント9(=9’)は、非コヒーレント方向において光学的に無効であるため結像に寄与しない。そのため、結像エレメント9(=9’)を図2bに示さない。光変調器装置3により変調された光束は、レンズエレメント10b及び10cにより、平面12を常に同一の位置で通過するが選択された行又は列に依存して異なる角度で通過する平行な光線束に再形成される。光変調器装置3は結像手段10のオブジェクト側の焦平面に配置され、平面12は結像手段10の画像側の焦平面と一致する。従って、走査エレメント5は平面12内に結像する。当然、光源2により放射された光は、非コヒーレント方向において、平面11を介して光変調器装置3に同様に向けられ、その後、平面11’を介して平面12に向けられる。これは、少なくとも1つの偏向エレメントが平面11(=11’)に配置される場合、光変調器装置3に向かう途中又はそれから反射した光束が偏向されることを意味する。透過型光変調器装置3を使用する場合、少なくとも1つの偏向エレメントを平面11及び/又は平面11’に設けることも可能である。更に結像エレメント7は、非コヒーレント方向において、平面12における光束の最初の結像が仮想的に作成されるように配置されてもよい。これは、好ましくは光束が走査エレメント5上に平行な光束として突き当たるように、平面12が光伝播方向に見て結像エレメント7のレンズエレメント7bの前方に配置されることを意味する。更に、放射される光束が例えばアパーチャの幅に関して必要な特性と既に一致するように光源2が設計される場合、光源2と走査エレメント5との間に配置される結像エレメント6及び/又は7は省略されてもよい。
図3は、図2a及び図2bを参照して説明した走査システムASの詳細を示し、光変調器装置3を照明する方法を示す。照明装置1は、複数の光源2を備えてもよい。本実施形態において、2つの光源2は2つの結像エレメント6に関連して示され、光源2及び結像エレメント6は光軸に対して横方向に離間して配置される。光源2により放射された光束は、2つの結像エレメント6により拡大され、結像手段7のレンズエレメント7bにより平面13内に結像する。光源のこれらの結像は仮想的である。走査エレメント5に入射する光は走査エレメント5により偏向され、光変調器装置3上に突き当たる。照明装置1が2つの光源を備える場合及び光変調器装置3が行方向に走査される場合、例えば、一方の光源2は光変調器装置3の上方部分を照明し、他方の光源2は、それと同時に且つ同一の走査エレメント5を使用して、光変調器装置3の下方部分を照明する。これは、各光源2が光変調器装置3の一部のみを走査することを意味する。走査エレメント5の偏向の規定の振幅AMPを用いる場合、光源2の走査は相補的である。従って、各光源2は、他方の光源2により走査されない光変調器装置3の一部のみを走査する。光変調器装置3が列方向に走査される場合、光源2は垂直に配置される必要がある。複数の光源2が使用される場合、望ましくない干渉の発生を回避するため、光源2が互いに関してコヒーレントではないことを保証することが重要である。この種類の照明は、例えば低速走査エレメントを補償するため又は輝度を向上するために有用であってもよい。
当然、走査エレメント5は走査プリズムであってもよい。図4a、図4b及び図4cは、変調エレメント4の行方向の配列を走査するために使用されるそのような別の走査エレメント60の側面図を示す。この場合も、図中符号3は光変調器装置を示し、走査エレメント60は光伝播方向に見て光変調器装置3の前方に配置される。走査エレメント60は正方形又は長方形の形状を有するのが好ましく、回転軸Rを有する。走査エレメント60は回転軸を中心として回転し、それにより、図中に光束50、51及び52で示される入射光は、走査エレメント60を通過した後に走査システムASの光軸OAに対して平行にオフセットされる。光束50、51及び52が走査エレメント60の表面O1に直角に入射する場合、それらは回折されずに通過できる。従って、光変調器装置3の変調エレメント4の1次元配列を走査する場合、走査エレメント60の2つの平行な表面、例えばO1及びO2が光路に対して角度を成して配置されることを保証することが重要である。当然、走査エレメント60が走査処理中に常に傾斜しているとは限らない。図4a、図4b及び図4cは異なる回転状態の走査エレメント60を示す。例えば光束52は、光変調器装置3の最後の行を走査した後(図4aを参照)、走査エレメント60が回転するため、光変調器装置3の最初の行(すなわち、変調エレメント4の配列)を走査する(図4bを参照)。その後、走査エレメント60が回転するため、2番目の行(図4c)及び全ての後続の行が走査される。そのようなエレメントは、例えば米国特許第5,532,763号公報から周知である。しかし、この公報において、エレメントはカラー再構成に対してのみ使用される。
照明装置1と走査エレメント60との間に配置される結像エレメント6、7及び、オプションとして、結像エレメント8は、光束50、51及び52が光変調器装置3上に集束されるようにそれらを再形成する。走査エレメント60は、平面11の前方に配置される必要がある。透過型光変調器装置3が使用される場合、走査エレメント60は平面11の前方又は後方のいずれに配置されてもよく、又は平面11に配置されてもよい。
図5は、ホログラフィ投影装置全体を示す。既に簡単に上述したように、ホログラフィ投影装置は、図5では概略的にのみ示す走査システムASと投影システムPSとを備える。この走査システムASは、光伝播方向に見て投影システムPSの前方に配置される。走査システムASは、照明装置1、少なくとも1つの光変調器装置3、走査エレメント5又は60及び結像エレメント、例えば図2a及び図2bによると結像エレメント6、7、8、9(=9’)及び10を備える。投影システムPSは、スクリーンとして機能する光学エレメント14及び少なくとも1つの結像手段15を備える。光学エレメント14は、例えばミラー、レンズ又は回折光学エレメントである。これは以下においてスクリーンと呼ばれる。スクリーン14は、結像手段15の画像側の焦平面に配置される。コヒーレント方向及び非コヒーレント方向において異なる倍率が実現されるのが好ましいため、結像手段15はレンズ、DOE、レンズ配列又は同様の光学エレメントであり、特に、球面レンズ及び円柱レンズの配列である。
本実施形態によると、コヒーレント方向において、平面12内に結像する変調波面WFは、その後、投影システムPSにおいて結像手段15により平面16内に結像し、平面16において波面WFの虚像が作成される。その後、波面WFのこの像は、スクリーン14を介して仮想観察者ウィンドウ17内に結像する。仮想観察者ウィンドウ17は物理的に存在せず、観察者平面18に位置付けられる。それと同時に、走査システムASにおいて平面11’内に作成される変調波面WFのフーリエ変換FTは、結像エレメント10及び結像手段15によりスクリーン14上に結像する。非コヒーレント方向において、平面12内に平行に突き当たる光束は、結像手段15によりスクリーン14上に結像する。更に、平面12内に結像する走査エレメント5は、結像手段15及びスクリーン14により仮想観察者ウィンドウ17内に結像する。これは、非コヒーレント方向において、観察者ウィンドウ17が、結像エレメント10、結像手段15及びスクリーン14を備えるシステムの像平面に配置されることを意味する。
回折次数の周期的な連続がスクリーン14外に移動され、それにより回折スペクトルの1つの周期のみがスクリーン上で可視になるため、スクリーン14が結像手段15の画像側の焦平面に配置されることは有利である。これは、観察者が種々の回折次数における再構成の周期的な連続を知覚しないことを意味する。更に、光源2により放射された光が平面12に広く入射し、それにより観察者ウィンドウ17及び再構成空間19が非コヒーレント方向において拡大されることは有利である。これは、非コヒーレント方向において平面12に入射する波面が広いほど、観察者ウィンドウ17が大きくなることを意味する。従って、観察者ウィンドウ17を拡大するため、結像エレメント10のレンズエレメント10bの焦点距離が結像エレメント8のレンズエレメント8bの焦点距離より大きいことは有利である。
変調波面WFは、観察者ウィンドウ17において順にオーバーラップし、変調エレメント4の順次走査された1次元配列のフーリエ変換FTは、スクリーン14上の異なる位置に結像する。このようにして、波面WFは観察者ウィンドウ17に順次結像する。観察者平面18に位置し且つ仮想観察者ウィンドウ17を介して見る観察者は、好ましくは3次元である再構成シーンを見ることができる。これは、観察者ウィンドウ17とスクリーン14との間に錐台として延在する再構成空間19において、スクリーン14の前方、スクリーン14上又はその後方に再構成される。
本実施形態において、観察者ウィンドウ17は、観察者の眼の隔離距離と少なくとも同等の大きさである。従って、観察者の第2の眼に対する同一種類の第2の光変調器装置3及び投影装置全体の対応する調整は不要である。あるいは、観察者ウィンドウ17はより小さくてもよいが、その場合は少なくとも第2の走査システムASを観察者の第2の眼に対して設ける必要がある。第2の走査システムASを設ける場合、走査システムASは互いに隣接して平行に又は互いに対して角度を成して構成可能である。走査システムASが平行に構成される場合、2つの走査システムASに対して1つの結像手段15のみが必要である。走査システムASが角度を成して構成される場合、2つの光チャネルの2つの光路に対して2つの結像手段15が必要である。
ディフューザフォイル等の拡散エレメント又は同様のエレメントは、非コヒーレント方向において観察者ウィンドウ17を拡大するために、スクリーン14上に結像する平面に更に配置されてもよい。
シーンをカラー再構成できるようにするため、例えばビームスプリッタが平面12と結像手段15との間に配置されてもよい。
図6aは、投影システムPSの拡大した詳細を示し、2つの光チャネルが観察者の一対の眼に対応するように同時に結像する方法を示す上面図である。2つの光チャネルは互いに隣接して平行に構成され、2つの光チャネルの変調波面は、2つの光チャネルに対して単一の結像手段61を使用して、結像手段61の焦平面である平面62において重ね合わされる。これは、光伝播方向に見て結像手段61の前方において、変調波面が無限結像することを意味する。スクリーン14は、例えば平面62に配置される。スクリーン14が平面62に配置されない場合、この平面62はスクリーン14上に結像する必要がある。
この装置が図5に示す投影装置と関連して使用される場合、設けられる2つの走査システムASは、それらの対応する光チャネルが互いに隣接して平行に配置されるように構成される。この場合、結像手段61は結像手段15の代わりに使用され、スクリーン14は結像手段61の焦平面62に配置される。
図6bは、投影システムPSの詳細を同様に示し、2つの光チャネルが同時に結像する方法を示す。図6aとは異なり、光チャネルは平行ではなく角度を成して構成される。そのため、波面を平面62内に導くために、各々が各光チャネルに対する2つの結像手段61が存在する。
図6cは、投影システムPSの別の詳細を示す。一対の眼に対応する2つの光チャネルは、図6aに示すように平行に構成される。しかし、本実施形態によると、2つの結像手段61の各々は2つの光学エレメント、すなわちレンズ及びプリズムを備える。当然、これら2つの光学エレメントを組み合わせることも可能である。
投影システムPSを介する光束の通過の他の可能な例は、図6b及び図6cに示すオプションに類似し、これらを図6d及び図6eに示す。図6dは、一対の眼に対応する2つの光チャネルを示す。図6dにおいて、第1の光チャネルの波面は結像手段61により直接変調され、第2の光チャネルの波面はミラー等の偏向エレメント63により更に偏向される。この可能な例は、互いに隣接して構成される2つの結像手段61の機械保持ブラケットが大きすぎ且つ製造が困難な場合に特に有利である。更に、図6eに示すように、ミラーの代わりにビームスプリッタエレメントを偏向エレメント63として使用することは有利である。そのような偏向エレメントを組み入れる方が容易である。この場合も、2つの結像手段61が設けられ、これらは光伝播方向に見てビームスプリッタエレメント63の前方に配置される。ビームスプリッタエレメント63を使用することにより、2つの光チャネルの十分なオーバーラップがスクリーン14上で達成可能である。
図7は、ホログラフィ投影装置の機能原理を概略的に示す図である。投影システムPSは、再構成シーンを観察する際に観察者平面18において少なくとも1人の観察者の眼の位置を検出し且つそれに従って観察者ウィンドウ17を追跡するための位置検出システム20を含む。図7において、走査システムASは概略的にのみ示される。位置検出システム20は、例えば、観察者の眼の位置の変化に従って観察者平面18内の仮想観察者ウィンドウ17を追跡するために設けられる偏向エレメント21に関連するカメラである。従って、偏向エレメント21は2つの結像手段22及び23の間に配置される。結像手段22及び23は無限焦点系を表す。この場合、偏向エレメント21は、結像手段22の画像側の焦点であると同時に結像手段23のオブジェクト側の焦点でもある焦点に配置される。偏向エレメント21は個別に制御可能であり、ミラーエレメントであるのが好ましい。観察者ウィンドウ17を適切に追跡するためには、非常に正確に動作する偏向エレメントが必要である。そのため、偏向エレメント21は、例えばガルバノメータスキャナである。当然、MEMSアレイ、ポリゴンスキャナ又は音響光学構成等の他の偏向エレメントを使用することも可能である。更に、偏向エレメント21は少なくとも1つの方向、すなわち水平方向及び/又は垂直方向において偏向できる。これは、光変調器装置3の1次元走査の場合、偏向エレメント21が水平方向又は垂直方向のいずれかにおいてのみ観察者ウィンドウ17を追跡することを意味する。図2a及び図2bを参照して説明したように、3次元シーンを再構成するために必要な情報を含む波面は走査システムASにおいて生成される。そのため、投影システムPSにおける再構成のみを本実施形態を用いて説明する。結像手段22及び23で表す無限焦点系は、偏向エレメント21を介して平面12を平面24内に結像する。その後、この平面24は、観察者平面18内の観察者ウィンドウ17内に結像するために平面16内に結像する。それと同時に、偏向エレメント21は、結像手段23及び15によりスクリーン14上に結像する。偏向エレメント21は、結像手段22の焦平面に配置される。コヒーレント方向において、変調波面WFは、走査システムASにおいて平面12内に結像し、その後、仮想観察者ウィンドウ17内に結像し、観察者の少なくとも一方の眼に結像する。それと同時に、変調波面のフーリエ変換FTは平面12から無限結像する。その後、フーリエ変換FTは、結像手段22により偏向エレメント21上に結像する。非コヒーレント方向において、走査エレメント5は走査システムASにおいて平面12内に結像し、光束が結像エレメント10を通過すると、光束は無限結像又はコリメートされる。その後、走査エレメント5は観察者ウィンドウ17内に結像する。それと同時に、光束は偏向エレメント21上に集束され、結像手段23及び15によりスクリーン14上に結像する。
結像手段23及び15は、1つの単一レンズ又はレンズアレイを形成するように組み合わせ可能である。上述のホログラフィ投影装置は観察者の一方の眼に対してのみ説明された。しかし、観察者ウィンドウ17が十分に大きい場合、ホログラフィ投影装置は観察者の一対の眼に対して設計可能である。あるいは、観察者の第2の眼に対する第2の光変調器装置3が観察者の一対の眼に更に対応でき、その場合、多くの変更を投影装置に適用する必要がある。図6a〜図6eに従うシステムが図7に示す投影装置に適用される場合、結像手段61は結像手段22と一致し、平面62は偏向エレメント21が配置される平面と一致する。ホログラフィ投影装置の本実施形態の第1の変形例によると、2つの走査システムASは互いに対して角度を成して配置される。そのため、この場合、各々が各走査システムASに対する2つの結像手段22は、投影システムPSにおいて偏向エレメント21の前方に配置される。結像手段23及び15、並びにスクリーン14は典型的に使用される。本実施形態の第2の変形例によると、2つの走査システムASは平行に構成されるため、結像手段22、23、15及びスクリーン14は典型的に使用される。当然、これは必要な前提条件ではない。投影装置の第2の変形例は、第1の変形例と比較して収差が発生しやすいという欠点を示す。観察者が観察者平面18に位置し且つ観察者ウィンドウ17を介して見る場合、観察者は再構成された3次元シーンを再構成空間19内に見ることができる。この場合、シーンは、光伝播方向に見てスクリーン14の前方、スクリーン14上又はその後方に再構成される。
上述のように、3次元シーンのカラー再構成もホログラフィ投影装置を使用して可能である。この場合、プリズムブロックであるのが好ましい少なくとも1つのビームスプリッタエレメント25は、光伝播方向に見て偏向手段21の前方に配置される。あるいは、ビームスプリッタエレメント25は、投影装置内の他の任意の適切な位置に配置されてもよい。従って、シーンのカラー再構成は、3原色であるRGBを同時に処理することにより実現される。2つの完全に分離した光チャネルが提供される場合、2つのビームスプリッタエレメント25、すなわち1つの光チャネルに対して1つのビームスプリッタエレメント25が投影システムPS内に配置可能である。ダイクロイック層を有するXプリズムであるのが好ましいビームスプリッタエレメント25は、赤色光、緑色光及び青色光を3つの別個の波面に分割するか、又は共通の変調波面を形成するためにそれらを再度組み合わせる。シーンのカラー再構成は、1つの光チャネルに対して3つの走査システムASを使用して実現される。この場合、各走査システムは単色光源2を備える。走査システムASの光学エレメントは、対応する単色光の色に適するように最適化されるのが好ましい。
当然、上述の走査エレメント等の異なるカラー再構成用光学エレメントを使用することも可能である。この場合、光学エレメントは走査プリズムである。本明細書において、走査プリズムは、正方形又は長方形の形状に設計されるのが好ましい。このカラー再構成用走査プリズムは、上述のように設計され且つ機能する。カラー再構成の場合、光束50、51及び52は、照明装置1の3つの個別の光源2又は各原色において十分なコヒーレンスを示す1つの単一光源2により放射される。個々の単色波は、ダイクロイックビームスプリッタ系を使用して発散される。結像エレメント6及び7は、3原色に対して共通して使用されてもよく、又は各チャネルが各原色に対して別個の結像手段6及び7を有するように3倍設けられてもよい。
あるいは、シーンの連続したカラー再構成も可能である。この種類の再構成を実行するためには、カラーであるのが好ましく且つ十分なコヒーレンスを示す光源2及び切り替えシステムが、単色原色であるRGBを順次制御するために必要である。これにより、カラー再構成を順に生成できる。当然、シーンの単色再構成又は連続カラー再構成を実行する際に、1つの走査プリズムのみ及び光束50、51又は52のうちの1つのみを使用することも可能である。
図8は、図7に示すホログラフィ投影装置全体を示す斜視図である。上述のように、投影装置は走査システムAS及び投影システムPSを備える。投影装置は、4つのセクションA、B、C及びDに分割されており、これらを用いて、コヒーレント方向及び非コヒーレント方向の双方を図の左上に示す座標系に従って説明する。セクションAにおいて、コヒーレント方向はx座標と一致し、非コヒーレント方向はy座標と一致する。z座標は光伝播方向を表す。セクションBにおいて、コヒーレント方向はこの場合もx座標と一致するが、非コヒーレント方向はz座標と一致する。光伝播方向はz座標で表される。セクションCにおいて、コヒーレント方向はy座標と一致し、非コヒーレント方向はz座標と一致する。光はx座標に沿って伝播する。最後に、セクションDにおいて、コヒーレント方向はx座標と一致し、非コヒーレント方向はz座標と一致する。y座標は光伝播方向を表す。投影装置のこの斜視図において明らかなように、投影装置はアナモフィックである。結像エレメント7、8、9(=9’)及び10は、少なくとも1つのアナモフィックであり且つ円柱であるのが好ましいエレメントを備え、本実施形態によると、各結像エレメント7、8及び10は、2つのレンズエレメント又はコヒーレント方向及び非コヒーレント方向において異なる主面及び焦点距離を示す単一のレンズエレメントを備える。更に、結像エレメント9(=9’)は、コヒーレント方向においてのみ光学結像効果を示す。例えば、仮想観察者ウィンドウ17はスクリーン14の後方に配置されるか、又はスクリーン14が反射型の場合はそれと同列又はその前方に配置される。従って、観察者ウィンドウ17を図8に示さない。
図9a及び図9bは、走査システムASを簡略に示す。図9aはコヒーレント方向の光路を示し、図9bは非コヒーレント方向の光路を示す。本実施形態においても、走査システムASは、光源2を有する照明装置1、走査エレメント5、光変調器装置3、並びに結像エレメント6、7、8、9(=9’)及び10を備える。本実施形態において、結像エレメント7及び10のレンズエレメント7b及び10cは省略される。ホログラフィ投影装置の本実施形態において、結像エレメント6は1つの方向においてのみ結像効果を示す。結像エレメント6、7、8、9(=9’)及び10は、図2a及び図2bを参照して上述したものと同一の種類である。コヒーレント方向における走査システムASの機能原理は、図2aを参照して説明したものとほぼ同一である。変調波面WFは、結像エレメント9’(=9)及び10を介して平面12内に結像し、そのフーリエ変換FTは平面11’作成される。
非コヒーレント方向において、結像エレメント6及び7は光学効果を示さず、そのため光源2により放射される光束は走査エレメント5に直接入射する。本実施形態における光源2は、放射された光束が非コヒーレント方向において十分に狭く、そのため結像エレメント6及び7がその方向において光学結像効果を有する必要がないように設計される。走査システムASの機能原理を以下に説明する。本実施形態において、光変調器装置3上の変調エレメント4の3つの線形配列は順に走査され、これら3つの走査を異なる線で図中に表す。光源2により放射される光束は走査エレメント5に向けられる。その後、光束はレンズエレメント8b及び平面11を通過し、異なる位置において光軸に対して平行な状態で光変調器装置3に入射する。これは、走査エレメント5が結像手段8のレンズエレメント8bの焦平面に配置されるためである。結像エレメント9(=9’)は非コヒーレント方向において光学的に無効であるため、結像に寄与しない。そのため、結像エレメント9(=9’)を図9bに示さない。光変調器装置3により変調された光束はレンズエレメント10bを通過し、平面12上の同一点に異なる角度で入射する。平面12は、レンズエレメント10bの焦平面と一致する。走査エレメント5は、レンズエレメント8b及び10bにより平面12内に結像する。
図10は、ホログラフィ投影装置全体の簡略化された斜視図である。走査システムAS及び投影システムPSを大括弧で示す。図8を参照して説明したように、コヒーレント方向及び非コヒーレント方向を示すために座標系が同様に使用される。図9a及び図9bを参照して説明したように、3次元シーンを再構成するために必要な情報を含む波面は走査システムASにおいて生成される。そのため、コヒーレント方向及び非コヒーレント方向の双方に対して投影システムPSのみを説明する。コヒーレント方向において、変調波面WFは走査システムASを介して平面12内に結像する。その後、波面WFは、結像手段22及び23により結像手段15の前方に位置する平面24内に結像する。波面は、この平面24から結像手段15及びスクリーン14を介して仮想観察者ウィンドウ17内に結像し、観察者の少なくとも一方の眼に結像する。それと同時に、フーリエ変換FTは結像手段22により偏向エレメント21上に結像し、そこから結像手段23及び15によりスクリーン14上に結像する。非コヒーレント方向において、走査エレメント5は走査システムASを介して平面12内に結像する。この場合、結像結像エレメント10を通過すると、走査エレメント5は無限結像する。その後、結像手段22及び23は、結像手段15の前方に位置する平面24内に走査エレメント5を結像する。走査エレメント5は、結像手段15により平面24からスクリーン14を介して観察者ウィンドウ17内に結像する。それと同時に、非コヒーレント方向の光束は偏向エレメント21上に結像し、その後、結像手段23及び15によりスクリーン14上に結像する。
上述のホログラフィ投影装置は、観察者の一方の眼に対してのみ説明された。しかし、観察者の両眼に対して十分に大きい観察者ウィンドウを提供することが可能である。あるいは、観察者の一対の眼に対応する第2の光変調器装置3を提供することが可能である。2つの走査システムASを有するそのような構成の構造は、上述のような構造である。観察者が観察者平面18(不図示)に位置し且つ観察者ウィンドウ17を介して見る場合、観察者は再構成された3次元シーンを再構成空間19内に見ることができる。この場合、シーンは、光伝播方向に見てスクリーン14の前方、スクリーン14上又はその後方に再構成される。この場合も、位置検出システム20は、観察者の眼の位置を検出し且つそれに従って観察者ウィンドウ17を追跡するために設けられる。更に、平面12内のレンズエレメント10cが省略され且つ結像手段6及び7が非常に単純に設計されるため、ホログラフィ投影装置が非コヒーレント方向において簡略化されることは明らかである。更に、この構造により光学系の位置合わせが容易になる。
図11a及び図11bは、簡略化され且つ非常に小型のホログラフィ投影装置の機能原理を示す。図11aは、コヒーレント方向における投影装置を示す上面図であり、図11bは非コヒーレント方向における投影装置を示す側面図である。本実施形態において、走査システムASは非常に単純である。結像手段15は、3つのレンズエレメント15a、15b及び15cを備える。レンズエレメント15aはコヒーレント方向においてのみ光学的に有効であり、レンズエレメント15b及び15cは非コヒーレント方向においてのみ光学的に有効である。本実施形態によると、走査システムASは、光源2を有する照明装置1、走査エレメント5、光変調器装置3、並びに結像エレメント6、7及び8を備える。投影システムPSは、偏向エレメント21、結像手段15及びスクリーン14のみを備える。光変調器装置3が透過型の場合、結像エレメント9は結像エレメント8(8a、8b)及び9の組合せであり、結像エレメント9’は結像エレメント9’及び10と結像手段22との組み合わせである。反射型光変調器装置3が使用される場合、図示のように、結像エレメント9は結像エレメント9’と一致する。結像手段15は、結像手段23及び15の組合せである。この新しい結像エレメント9(=9’)の光学特性(例えば主面、焦点距離等)及び結像手段15の光学特性は、コヒーレント方向及び非コヒーレント方向の双方において光学的に有効である必要がある。各光学エレメントは、図2a及び図2bを参照して説明したものと同一の種類及び設計である。コヒーレント方向におけるホログラフィ投影装置の機能原理は、図2aを参照して説明したものとほぼ同一である。照明装置1の光源2は、平面波面を有するのが好ましい波Wの形態で十分にコヒーレントな光を放射し、これは拡大するために結像エレメント6に向けられる。その後、波Wは結像エレメント7を通過し、走査エレメント5上に突き当たる。走査エレメント5は、光変調器装置3の変調エレメント4の走査される配列に応じて波Wを偏向する。それと同時に、偏向された波Wは光路を折り返すために使用されるのが好ましい。走査エレメント5は、結像エレメント9のオブジェクト側の焦平面に配置される。その後、波Wは結像エレメント9によりコリメートされ、光変調器装置3上に突き当たる。光変調器装置3により変調された波面WFは、結像エレメント9’、レンズエレメント15a及びスクリーン14により、観察者平面18内の観察者ウィンドウ17内に結像する。波Wの変調後、結像エレメント9’は、そのフーリエ変換FTを結像エレメント9’の画像側の焦平面内、すなわち偏向エレメント21上に作成する。これも光路を折り返すために使用されるのが好ましい。その後、このフーリエ変換FTは、レンズエレメント15aによりスクリーン14上に結像する。レンズエレメント15b及び15cはこの方向において光学効果を示さないため、図11aでは省略される。図11aを参照すると、観察者ウィンドウ17を介して両眼で見る観察者が観察者平面18に存在する。波面WFの伝播を示す点線は、観察者が観察者平面18において自身の位置を変更した場合に作成される波を表す。観察者平面18における観察者のこの新しい位置を図11aにおいて同様に点線で示す。偏向エレメント21は、観察者の眼の位置の変化に従って観察者ウィンドウ17を追跡する。
図11bを参照して、非コヒーレント方向における機能原理を以下に説明する。光変調器装置3上の変調エレメント4の2つの線形配列の走査を図11bに示す。2つの走査は順に実行される。光源2により放射される光束は、結像エレメント6により拡大され、結像エレメント7を介して平行な光線束の形態で走査エレメント5上に突き当たる。光束は、走査エレメントから結像エレメント9により結像エレメント9の画像側の焦平面に配置される光変調器装置3上に集束される。光変調器装置3において、変調エレメント4の1次元配列を走査することにより光束を変調する。その後、そのようにして光変調器装置3により変調された光束は、光変調器装置3が反射型であるため、コリメートされた状態で結像エレメント9’を介して偏向エレメント21上に突き当たる。コリメートされた光束は、レンズエレメント15bの画像側の焦点に配置される平面M内に集束される。レンズエレメント15aは、非コヒーレント方向における光束の範囲が小さい平面Mに配置されるのが好ましい。その後、これらの光束は、レンズエレメント15cによりスクリーン14上に結像する。それと同時に、走査エレメント5は結像エレメント9(=9’)により光変調器装置3を介して偏向エレメント21上に結像し、そこから結像手段15及びスクリーン14により観察者ウィンドウ17内に結像する。図11bに示す投影装置の特別な変形例において、偏向エレメント21上に結像る走査エレメント5は、本例においてレンズエレメント15cが配置される焦平面内にレンズエレメント15bにより結像し、その後スクリーン14を介して観察者ウィンドウ17内に結像すことができる。従って、レンズエレメント15cは必ずしも走査エレメント5の結像点に配置されなくてもよい。しかし、光束の範囲がこの面において限定されるため、レンズエレメント15cがそのように配置されることは好ましい。
更に、放射される光束が例えばアパーチャの幅に関して必要な特性と既に一致するように光源2が設計される場合、光源2と結像エレメント7との間に配置される結像エレメント6又は結像エレメント6及び7の双方は省略されてもよい。シーンをカラー再構成するため、ビームスプリッタエレメントは反射型光変調器装置3と結像エレメント9(=9’)との間に配置され、3つの光変調器装置3は同時カラー再構成のために設けられる。順次カラー再構成の場合、光源2が必要な単色波面を3原色で順に放射するため、1つの走査システムASのみを設ける必要がある。
図12は、図11a及び図11bに示すホログラフィ投影装置の斜視図である。投影装置は3つのセクションA、B及びCに分割されている。これにより、図の左上に示す座標系を用いてコヒーレント方向及び非コヒーレント方向の双方を説明することが容易になる。セクションAにおいて、コヒーレント方向はx座標と一致し、非コヒーレント方向はy座標と一致する。光伝播方向はz座標により表される。セクションBにおいて、コヒーレント方向はこの場合もx座標と一致するが、非コヒーレント方向はz座標と一致する。光伝播方向はy座標により表される。セクションCにおいて、コヒーレント方向はy座標と一致し、非コヒーレント方向はz座標と一致する。光伝播方向はx座標により表される。本例において、結像手段15は3つのレンズエレメント15a、15b及び15cを備える。結像エレメント及び結像手段の数が図8に示した数より大幅に少ないため、収差の原因となるものが少なく、そのため収差は最小化されるか又は非常に容易に除去される。本実施形態においても、シーンをカラー再構成できるように、ビームスプリッタエレメント25を投影装置に配置することは可能である。ビームスプリッタエレメント25は、例えば結像エレメント9(=9’)と観察者ウィンドウ17を追跡するための偏向エレメント21との間又は光変調器装置3と結像エレメント9(=9’)との間に配置可能である。当然、投影装置内の他の位置も可能である。投影装置のこの非常に小型の例は、表示装置のサイズが小さいか又は最小である必要のある場合に特に適している。
図13は、ホログラフィ投影装置の別の実施形態を示す上面図である。光変調器装置3が行方向に走査される場合、上面図はコヒーレント方向を表し、光変調器装置3が列方向に走査される場合、上面図は非コヒーレント方向を表す。本実施形態に係る投影装置は、観察者平面18内の複数の観察者に対するものである。投影装置は、2つの光変調器装置3及び2つの走査システムASを備える
ホログラフィ投影装置は、ビームスプリッタエレメント25に加えて使用されるビームスプリッタエレメント26を更に備える。ビームスプリッタエレメント26は、光変調器装置3により放射される波面WFR及びWFLを増加させるため、光をそのスペクトル成分に分割するか又はそれらの成分から光を平面27内に再構成する。平面27は、結像手段29及び30を備える無限焦点系を介した平面12の結像である。平面12は結像手段29のオブジェクト側の焦平面と一致するのが好ましく、平面27は結像手段29の画像側の焦平面と一致するのが好ましい。それと同時に、平面27は結像手段22のオブジェクト側の焦平面と一致する。従って、ビームスプリッタエレメント26は平面27に配置される。ビームスプリッタエレメント26は格子、プリズム又は回折光学エレメント(DOE)とすることができ、特に、構成可能なDOEとすることができる。更に、ビームスプリッタエレメント26の代わりに、観察者平面18における観察者の数に応じて、各光変調器装置3に対して複数の光源2を設けることが可能である。この場合、結像エレメント6及び7は、光源2により放射された光が異なる入射角で光変調器装置3に入射するように配置される必要がある。
図13は上面図である。本実施形態に係るホログラフィ投影装置は複数の観察者に対するものであり、通常、観察者の数は限定されない。図に示すように、3人の観察者に対するシーンの再構成の場合、投影装置は、各々が1つの光変調器装置3を有する2つの走査システムASを備え、一方の光変調器装置3は常に観察者の右眼に対するものであり、他方の光変調器装置3は観察者の左眼に対するものである。2つの光変調器装置3は、図1を参照して説明したように、各照明装置1の光源2により照明される。従って、これらの光源により放射された光は、波Wが符号化されて光変調器装置3内の等距離の位置に所望の波面WFR及びWFLを形成するように変調される。走査システムASの機能原理は、例えば図2a及び図2bを参照して説明したものである。波面WFR及びWFLは、結像手段29及び30により平面27に位置するビームスプリッタエレメント26上に結像する。それと同時に、結像手段29の焦平面28は、結像手段30及び結像手段22により3つの偏向エレメント21上に結像する。このように、各観察者は偏向エレメント21を割り当てられる。従って、平面27は結像手段22、23及び15により、結像手段23及び15の共通の焦平面16内に3回(又は結像手段23毎に1回)同時に結像する。前記焦平面は、スクリーン14を介して観察者平面18内、すなわち3人の各観察者の眼の上の観察者ウィンドウ17R、17L、31R、31L、32R及び32L内に3回結像する。それと同時に、偏向エレメント21上の平面28の像は、結像手段23及び15によりスクリーン14上にオーバーラップした状態で結像する。
コヒーレント方向において、2つの変調波面WFR及びWFLのフーリエ変換FTは、結像エレメント10及び結像手段29により平面28上に結像する。その後、フーリエ変換FTが平面27内のビームスプリッタエレメント26により増加され且つ偏向エレメント21により平面28の別の像平面に偏向された後、増加されたフーリエ変換FTはスクリーン14上でオーバーラップする。それと同時に、平面12内に結像する変調波面WFR及びWFLは平面27内に結像する。増加後、波面WFRは結像手段22、3つの結像手段23及び結像手段15により、最初に平面16内に、その後、仮想観察者ウィンドウ17R、31R及び32Rの形態で観察者平面18内の3人の観察者の右眼上に同時に結像する。従って、波面WFLは、3人の観察者の左眼に対する仮想観察者ウィンドウ17L、31L及び32Lを形成するように結像する。
非コヒーレント方向において、各走査システムASの走査エレメント5は平面12内に結像する。その後、ビームスプリッタエレメント26により増加された走査エレメント5は3人の観察者の目に対する観察者ウィンドウ17R、17L、31R、31L、32R及び32L内に結像する。それと同時に、光束は平面28上に集束される。その結果、平面28はスクリーン14上に結像する。
各観察者は1つの偏向エレメント21のみを割り当てられる。従って、偏向エレメント21の数は観察者の数と一致する。これは、観察者毎に1つの偏向エレメント21のみが両目に対して、例えば観察者ウィンドウ17R及び17Lに対して使用されることを意味する。観察者が観察者平面18において移動する場合、変化した眼の位置は位置検出システム20により再度検出され、偏向手段21は観察者ウィンドウ17R、17L、31R、31L、32R及び32Lが観察者の眼の新しい位置に従って追跡されるように制御される。3次元シーンは、ビームスプリッタエレメント25を使用して上述したように、カラー再構成可能である。
図14a及び図14bは、走査システムASの第2の実施形態をコヒーレント方向及び非コヒーレント方向において示す。第2の実施形態は図2a及び図2bと対比される。図14aはコヒーレント方向における走査システムASを示し、図14bは非コヒーレント方向における走査システムASを示す。本実施形態に係る投影装置は、変調波面WFが上述したその他の実施形態と同様に観察者ウィンドウ17内に結像するのではなく、スクリーン14上に結像するように機能する。従って、フーリエ変換FTはスクリーン14上ではなく観察者ウィンドウ17内に結像する。第2の実施形態においても、走査システムASは、光源2を有する照明装置1、走査エレメント5、光変調器装置3、並びに結像エレメント6、7(7a、7b)、8及び9(=9’)を備える結像エレメント6、7、8及び9(=9’)はレンズであり、特に回折光学エレメント(DOE)及びフレネルレンズであるが、レンズアレイ又はミラーであってもよい。これらの結像エレメント6、7、8及び9(=9’)は、収差を最小化するために球面又は円柱であるか、あるいは軸からずらして配置される。これは、ホログラフィ投影装置の更なる小型化を助長する。図14a及び図14bの光変調器装置3は反射型である(しかし、ここでも光路を折り返さずに示す)。しかし、光変調器装置3は透過型であってもよい。
回折光学エレメントの設計及び機能原理が収差補正を実現するのにより適しているため、回折光学エレメントをコヒーレント方向において結像エレメントとして使用することは有利である。コヒーレント方向における走査システムASの機能原理を説明する。照明装置1の光源2は、十分にコヒーレントな光を波Wの形態で放射し、これは拡大するために結像手段6に向けられる。その後、波Wは結像手段7を通過し、走査エレメント5上に集束される。次に、この波Wは、結像エレメント8により結像エレメント8の画像側の焦平面に位置する平面11内に集束される。ミラーであり且つ平面11に配置される偏向エレメントにより波Wが好適に偏向された後、この波は、好ましくは平面波面の形態で結像エレメント9を介して光変調器装置3上に突き当たる。その後、光変調器装置3により変調された波面WFは、結像エレメント9’(=9)により結像エレメント9’(=9)の画像側の焦点に位置する平面11’内に結像される。本実施形態において光変調器装置3が反射型であるため、平面11及び11’は一致する。それと同時に、フーリエ変換FTは平面11’内に作成される。
尚、光変調器装置3が反射型であるため、結像エレメント9及び9’は1つの単一結像エレメントにより表され、そのため変調波面WFは平面11(=11’)に反射される。更に、平面11(=11’)内の好適な偏向エレメントは必ずしも必要ではなく、結像エレメント8及び9を単一の結像エレメントに置き換えることが可能である。そのように置き換えた場合、走査エレメント5は、結像エレメント8及び9のオブジェクト側の焦平面に配置される。
図14bに示す非コヒーレント方向においても、フレネルレンズ又は回折光学エレメントが結像エレメント6、7、8及び9(=9’)として使用されるのが好ましい。非コヒーレント方向における走査システムASの機能原理を以下に説明する。この場合、光変調器装置3上の変調エレメント4の2つの配列は順に走査されるが、これらの2つの走査を図中に同時に示す。光源2により放射される光束は結像エレメント6により拡大され、結像エレメント7により光伝播方向に見て走査エレメント5の後方に位置する平面P内に集束される。走査エレメント5は、光変調器装置3の変調エレメント4の走査される配列に従って光束を偏向する。図1を参照して説明したように、光束は、その平面Pから結像エレメント8及び9により平面11を介して光変調器装置3上に集束される。これは、走査エレメント5により偏向された光、より正確には偏向された光束が、走査システムASの光軸OAに対して平行に又は規定の角度を成して光変調器装置3に入射することを意味する。この場合、光束と光軸OAとの間の距離は、光変調器装置3上の変調エレメント4の走査中の1次元配列に依存して異なる。光路は、結像エレメント8及び9の間を平行に進む。結像エレメント9(=9’)は集束に寄与する。従って、光変調器装置3により変調された光束は、結像エレメント9’(=9)により無限結像し、平面11’に入射する。それと同時に、走査エレメント5は結像手段8により平面11内に結像され、その後、結像エレメント9’(=9)により平面11’内に再度結像される。
更に、結像エレメント7は、非コヒーレント方向における光束の最初の結像が仮想的に作成されるように配置されてもよい。更に、放射される光束が例えばアパーチャの幅に関して必要な特性と既に一致するように光源2が設計される場合、光源2と走査エレメント5との間に配置される結像エレメント6及び/又は7は省略されてもよい。当然、図4a〜図4cを参照して説明したように、走査エレメント5は走査プリズムであってもよい。
本明細書において図示しないが、図14a及び図14bに従う走査システムASのより小型の例において、結像エレメント9(=9’)は省略されてもよい。その場合、光変調器装置3に向かう途中の光とそれから反射した光とのオーバーラップを防止するため、走査エレメント5は偏向エレメントとして動作する。
図15は、図14a及び図14bに示すホログラフィ投影装置の斜視図である。図8において上述したように、投影装置は走査システムAS及び投影システムPSを備える。コヒーレント方向及び非コヒーレント方向は、図の左上の座標系を使用して示される。詳細は図8説明を参照。図8とは異なり、結像エレメント8は単一のレンズエレメントのみである。結像エレメント10は、シーンの再構成には不要である。図14a及び図14bからもわかるように、この投影装置はアナモフィックである。結像エレメント7は2つのレンズエレメントを備えるが、これらのレンズのうちの一方のみが各方向、すなわちコヒーレント方向及び非コヒーレント方向において光学的に有効であり、他方のレンズエレメントは光学的に無効である。本例においても、仮想観察者ウィンドウ17は、例えばスクリーン14の後方に配置されるか、又はスクリーン14が反射型の場合はそれと同列又はその前方に配置される。従って、観察者ウィンドウ17を図15に示さない。
本例においても、ホログラフィ投影装置、特に投影システムPSは、再構成シーンを観察する際に観察者平面18において少なくとも1人の観察者の眼の位置を検出し且つそれに従って観察者ウィンドウ17を追跡するための位置検出システム20を含む。位置検出システム20は、例えば、観察者の眼の位置の変化に従って観察者平面18内の仮想観察者ウィンドウ17を追跡するために設けられる偏向エレメント21に関連するカメラである。本例において、偏向エレメント21は2つの結像手段22及び23の間に配置される。結像手段22及び23は無限焦点系を表し、偏向エレメント21は結像手段22の画像側の焦点であると同時に結像手段23のオブジェクト側の焦点である焦点に配置される。図7を参照して説明したように、偏向エレメント21は個別に制御可能であり、ミラーエレメントであるのが好ましい。更に、偏向エレメント21は少なくとも1つの方向、すなわち水平及び/又は垂直方向において光束を偏向する。これは、光変調器装置3の1次元走査の場合、偏向エレメント21が水平方向又は垂直方向のいずれかにおいてのみ観察者ウィンドウ17を追跡することを意味する。図14a及び図14bを参照して説明したように、好ましくは3次元シーンを再構成するために必要な情報を含む波面は走査システムASにおいて生成される。そのため、コヒーレント方向及び非コヒーレント方向の双方に対して、投影システムPSのみを説明する。コヒーレント方向において、変調波面WFは無限結像し、その後、結像エレメント9’及び結像手段22により偏向エレメント21上に結像する。その後、波面WFは、結像手段23及び15によりスクリーン14上に結像する。それと同時に、フーリエ変換FTは平面11’内に作成される。このフーリエ変換FTは、結像手段15の前方に位置する平面24内に結像する。フーリエ変換FTは、この平面24から結像手段15によりスクリーン14を介して仮想観察者ウィンドウ17(不図示)内に結像する。非コヒーレント方向において、走査エレメント5は、走査システムASにおいて平面11’内に結像し、光束は平行な光線束の形状で結像する。その後、結像手段22及び23は、走査エレメント5を結像手段15の前方に位置する平面24内に結像させる。走査エレメント5は、平面24から結像手段15によりスクリーン14を介して仮想観察者ウィンドウ17内に結像する。それと同時に、光束は偏向エレメント21上に結像し、その後、結像手段23及び15によりスクリーン14上に結像する。
このように再構成されたシーンは、観察者ウィンドウ17と結像手段15との間に延在する錐台形の再構成空間19(不図示)において観察可能である。仮想観察者ウィンドウ17は、観察者の眼の隔離距離と同等の大きさが可能であるが、それより小さくてもよく、又は大きくてもよい。観察者ウィンドウ17が眼の隔離距離より小さい場合、シーンが両目で見られるように2つの光変調器装置3が必要である。
本実施形態においても、シーンをカラー再構成できるように、投影装置内の例えば平面11’と偏向エレメント21の前方の結像手段22との間の適切な位置にビームスプリッタエレメント25を配置することが可能である。当然、本実施形態に対して図に示すように、投影装置内の他の位置も可能である。本実施形態において、ビームスプリッタエレメント25は、3原色に対する3つの光変調器装置3と結像エレメント9(=9’)との間に配置される。従って、本実施形態により3次元シーンの同時カラー再構成が可能になる。当然、例えば1つの光変調器装置3のみを使用して、カラー3次元シーンをホログラフィにより順次再構成することも可能である。
当然、本発明の範囲を逸脱せずに上述の実施形態以外の実施形態が可能である。
ホログラフィ投影装置の可能な用途は、例えばコンピュータディスプレイ、移動電話のディスプレイ、TVスクリーン、電子ゲーム等の私的環境又は作業環境における2次元及び/又は3次元提示用ディスプレイ、自動車産業における情報表示用ディスプレイ、娯楽産業、医療工学及び軍事工学における表面形状表現用ディスプレイを含む。本発明の投影装置が上述しなかった他の領域にも適用可能であることは当業者には明らかだろう。
本発明に係る走査システムと組み合わせた2次元光変調器装置を概略的に示す図である。 本発明に係る走査システムを概略的に示し、1次元波面の伝播方向及び光伝播方向(コヒーレント方向)を示す図である。 本発明に係る走査システムを概略的に示し、走査方向及び光伝播方向(非コヒーレント方向)を示す図である。 複数の光源を有する2次元光変調器装置の照明を示す本発明に係る走査システムの詳細を示す図である。 光変調器装置が回転する走査エレメントにより走査される方法を示す本発明に係る走査システムの詳細を示す図である。 図2a及び図2bに従う走査システムと投影システムとを有する本発明に係るホログラフィ投影装置を概略的に示す図である。 投影システムの詳細を示し、少なくとも1つの投影手段を用いる2つの光チャネルのオーバーラップを示す図である。 仮想観察者ウィンドウを追跡するための偏向エレメントを有する本発明に係るホログラフィ投影装置を示す図である。 本発明に係るホログラフィ投影装置の斜視図であって、走査システム及び投影システムへの分割を示す図である。 本発明に係る簡略化された走査システムをコヒーレント方向及び非コヒーレント方向において概略的に示す図である。 図9a及び図9bに示す簡略化されたホログラフィ投影装置を示す斜視図である。 本発明に係る非常に小型のホログラフィ投影装置をコヒーレント方向及び非コヒーレント方向において概略的に示す図である。 図11a及び図11bに示すホログラフィ投影装置の斜視図である。 複数の観察者に対する本発明に係る別のホログラフィ投影装置を概略的に示す図である。 本発明に係るホログラフィ投影装置の機能原理の第2の可能な例を概略的に示し、走査システムのみをコヒーレント方向及び非コヒーレント方向において示す図である。 図14a及び図14bに示すホログラフィ投影装置を示す斜視図である。

Claims (20)

  1. シーンを再構成するためのホログラフィ投影装置であって、
    波面を生成するために十分にコヒーレントな光を放射する少なくとも1つの光源と、変調エレメントを含み、2次元設計である少なくとも1つの光変調器装置とを有するホログラフィ投影装置であって、
    少なくとも1つの走査システム(AS)と1つの投影システム(PS)が設けられ、
    前記走査システム(AS)は、前記少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光変調器装置と、少なくとも1つの走査エレメント(5、60)とを具備し、
    前記光変調器装置(3)と前記走査エレメント(5、60)とは、前記走査エレメント(5、60)により放射された光が前記2次元光変調器装置(3)の変調エレメント(4)の1次元配列を順に走査するように組み合わされ、
    前記走査システム(AS)は、波面を再構成するために必要な情報を含む波面を順次作成するように設計され、
    前記投影システム(PS)は、前記シーンを順次再構成するように設計される
    ことを特徴とするホログラフィ投影装置。
  2. アナモフィック設計を有し、すなわち互いに垂直な2つの方向において異なる倍率を示すことを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  3. 前記走査システム(AS)は、前記少なくとも1つの光源(2)と、前記少なくとも1つの光変調器装置(3)と、前記走査エレメント(5、60)と、結像エレメント(6、7、8、9、9’、10、61)とを具備し、
    前記走査システム(AS)は、光伝播方向に見て前記投影システム(PS)の前方に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  4. 前記投影システム(PS)はスクリーン(14)と結像手段(15、22、23、29、30)とを具備することを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  5. 前記走査エレメント(5、60)により偏向された前記光は、前記走査システム(AS)の光軸(OA)に対して角度を成して前記光変調器装置(3)に入射し、
    光束と前記光軸(OA)との間の距離は、変調エレメント(4)の走査中の1次元配列に依存して異なる
    ことを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  6. 前記走査エレメント(60)は、回転軸(R)を有し、前記入射光が前記走査エレメント(60)を通過した後に前記入射光が前記走査システム(AS)の光軸(OA)に対して平行にオフセットされるように回転可能であることを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  7. 前記光変調器装置(3)の変調エレメント(4)の前記1次元配列を走査するための前記走査エレメント(60)の2つの平行な表面(O1、O2)は、光路に対して制御可能な角度を成して配置されることを特徴とする請求項6記載のホログラフィ投影装置。
  8. 再構成の縮尺及びスクリーン(14)のサイズは、回折次数の周期的な連続が前記スクリーン(14)外に存在するように選択されることを特徴とする請求項4記載のホログラフィ投影装置。
  9. 前記再構成シーンを観察する際に観察者平面(18)に位置する少なくとも1人の観察者の眼の位置の変化を検出するための位置検出システム(20)を具備することを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  10. 前記観察者平面(18)において少なくとも1つの仮想観察者ウィンドウ(17、17R、17L、31R、31L、32R、32L)を観察者の眼の位置の変化に従って追跡するための少なくとも1つの偏向エレメント(21)を具備することを特徴とする請求項9記載のホログラフィ投影装置。
  11. シーンのカラー再構成のために少なくとも1つのビームスプリッタエレメント(25)を具備することを特徴とする請求項1記載のホログラフィ投影装置。
  12. シーンのホログラフィ再構成のための方法であって、
    少なくとも1つの光源が、変調エレメントを含む少なくとも1つの2次元光変調器装置を十分にコヒーレントな光で照明し、
    前記2次元光変調器装置(3)の変調エレメント(4)の1次元配列のみが前記走査エレメント(5、60)により順に走査され、それにより複数の1次元波面が生成され、
    シーンを再構成するために必要な情報を含む波面が前記1次元波面を使用して順次生成され、それによりシーンが再構成される
    ことを特徴とする方法。
  13. 前記光源(2)により放射され、前記光変調器装置(3)により変調エレメント(4)の1次元配列毎に変調された、前記光の1つのフーリエ変換(FT)は、スクリーンとして機能する光学エレメント(14)上に常に結像することを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 変調エレメント(4)の前記順次走査された1次元配列の前記フーリエ変換(FT)は、前記光学エレメント(14)上の異なる位置に結像することを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 少なくとも前記光学エレメント(14)は、前記光変調器装置(3)により変調された波面(WF)を仮想観察者ウィンドウ(17、17R、17L、31R、31L、32R、32L)内に結像させることを特徴とする請求項13記載の方法。
  16. 前記走査エレメント(60)は回転軸(R)を中心として回転し、それにより、走査に使用される前記光は走査システム(AS)の光軸(OA)に対して平行にオフセットされることを特徴とする請求項12記載の方法。
  17. 位置検出システム(20)が、前記再構成シーンを観察する少なくとも1人の観察者の少なくとも1つの眼の位置を検出することを特徴とする請求項12記載の方法。
  18. 少なくとも1つの偏向エレメント(21)が、観察者の少なくとも一方の眼に対する仮想観察者ウィンドウ(17、17R、17L、31R、31L、32R、32L)を観察者平面(18)における前記観察者の眼の位置の変化に従って追跡することを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 前記シーンのカラー再構成は、3原色に対して同時に実行されることを特徴とする請求項12記載の方法。
  20. 前記シーンのカラー再構成は、3原色に対して順次実行されることを特徴とする請求項12記載の方法。
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