JP5150496B2 - 空気式制動装置の制御のための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子制御ユニットが電気式駐車ブレーキの制御のために設けられている、常用ブレーキと電気式駐車ブレーキを有する商用車の空気式ブレーキ装置の制御のための方法に関している。
この種の装置及び方法は商用車の運転に関連して益々重要性を帯びている。システムの開発に関しては、様々な視点からの着眼において、とりわけ操作性の向上と安全性にはひときわ注目が集まっている。
特に商用車における安全性の観点は決定的な役割を果たしているので、安全性を高めるための努力は非常に重要である。このことは特にブレーキシステムに当てはまり、そこではブレーキ回路の1つに欠陥が生じた場合であっても車両を確実に停止させることが保証されなければならない。しかしながら常用ブレーキ回路の1つに欠陥が生じた場合には、制動力全体に低減が伴う制動過程が行われることは避けられない。それ故に危険な状況の出現は排除することができない。
本発明の課題は、商用車のブレーキ装置の安全性において常用ブレーキ回路の生じ得る欠陥に対してさらなる改善を行うことである。
さらに本発明の課題は、電気式駐車ブレーキの操作性をさらに向上させることである。
この課題は、請求項1の特徴部分に記載された本発明によって解決される。
本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
本発明は、従来技術に基づいて、常用ブレーキの回路欠陥が生じた場合に商用車の制動を駐車ブレーキによって支援することにより構築されている。電気式の駐車ブレーキは、商用車の制御システム内に組み込まれている特にCANバスによって接続される電子制御ユニットによって駆動制御されているので、ブレーキ電子制御装置が駐車ブレーキの電子制御ユニットに問合せを行い、それによって駐車ブレーキが制動過程を支援することが可能である。従ってブレーキ回路の欠陥の場合でも車両を比較的高い制動力で停止状態にもたらすことが可能である。その場合はいずれにせよ唯1つの常用ブレーキ回路の制動力に頼る場合よりも制動力は高まる。
有利には、駐車ブレーキによる制動支援が行われ、その場合には駐車ブレーキのばね負荷シリンダが所定の時間・圧力特性マップに従って減圧(空気抜き)される。これにより駐車ブレーキの滑らかなブレーキングが可能となる。このことは利点となる。なぜならばね負荷シリンダの急激な減圧は、商用車の速度が極端に遅い場合にしか許されないからである。速度が速い場合のばね負荷シリンダの急速な減圧は事故につながる非常に確率が高い。しかしながら十分にフラットな特性の時間・圧力特性マップが設けられているならば、速度が比較的高い場合であっても既に駐車ブレーキを支援に用いることが可能である。
この関係において有利には、商用車の速度に依存して様々な時間・圧力特性マップが用いられる。
本発明によればさらに有利には、商用車の欠陥の生じたブレーキ回路に依存して様々な時間・圧力特性マップが用いられる。ブレーキ回路が故障した場合には、このブレーキ回路に対応する商用車のアクスルにおいて制動作用が失われる。それがフロントアクスルか又はリアアクスルかに応じて支援に用いる駐車ブレーキの異なる制動作用が望まれる。
本発明のさらに有利な実施例によれば、駐車ブレーキの閉成に対するさらなる条件が存在しており、詳細にはイグニッションスイッチのスイッチオン状態、商用車の十分に僅かな速度などである。また既に比較的早い速度のもとで例えば適切な時間・圧力特性マップの利用によって支援を有利に行いたいときには、十分に僅かな速度の検査が安全性を高める手段となり得る。
この関係において有利には、商用車の十分に僅かな速度の存在は、ホイール回転数/制御部の車両速度出力値/変速機回転数と、所定の閾値との比較によって求められる。ホイール回転数は直接センサによって求めることができ、車両速度は一般に制御部の出力値として得ることができ、通常はCANバスに入力される。さらに変速機回転数は変速機電子制御装置から供給され、これも有利にはCANバスに印加される。
次に本発明を以下の明細書で添付図面に関連して特定の有利な例示的実施形態に基づいて詳細に説明する。
図面
図1は、手動制御ユニット用操作装置の第1の実施形態の概略図と共に本発明による装置を説明するためのブロック回路図であり、
図2は手動制御ユニット用操作装置の第2の実施形態を示した図であり、
図3は手動制御ユニット用操作装置の第3の実施形態を示した図であり、
図4は本発明の枠内で投入される手動制御ユニットを説明するための概略図であり、
図5は、電気的な駐車ブレーキを利用したパーキング過程を具体的に示すための線図であり、
図6は、電気的な駐車ブレーキを利用したさらなるパーキング過程を具体的に示すための線図であり、
図7は、電気的な駐車ブレーキを利用した付随車の検査機能を具体的に示すための線図であり、
図8は、電気的な駐車ブレーキの解除過程を具体的に示すための線図であり、
図9は、ストップ・アンド・ゴー運転中の停止の際の電気的な駐車ブレーキの投入を具体的に示すための線図であり、
図10は、ストップ・アンド・ゴー運転中の発進の際の電気的な駐車ブレーキの投入を具体的に示すための線図であり、
図11は、電気的な駐車ブレーキを利用した車両の減速を具体的に示すための線図であり、
図12は、電気的な駐車ブレーキによる常用ブレーキへの支援を具体的に示すための線図であり、
図13は手動制御ユニットを利用した車両の減速を具体的に示すための線図である。
本発明による有利な実施形態の以下の説明においては同じ若しくは同等の構成要素には同じ符号が用いられる。
図1には手動制御ユニット用操作装置の第1の実施形態の概略図と共に本発明による装置を説明するためのブロック回路図が示されている。ここでは電子制御ユニットが符号10で表されている。この電子制御ユニット10はマイクロコントローラ18とウォッチドッグタイマ26を含んでいる。ウォッチドッグタイマ26はマイクロコントローラ18の監視に用いられ、その目的のために第2のマイクロコントローラを含んでいる。これらの2つのマイクロコントローラの存在に基づいてここでは冗長性が得られる。
さらに電源ユニット28が設けられており、この電源ユニット28には二重のすなわち冗長的な電圧供給源から電圧が供給され得る。この電源ユニット28は特にマイクロコントローラ18に安定した電圧、有利には5Vの電圧を供給する。さらに遮断リレー32が設けられており、この遮断リレー32はウォッチドッグタイマ26によって装置、特に空気圧式駐車ブレーキの切換え機能を仲介している電磁弁36を安全な状態へ移行させられるようにしている。
さらにEAC空気圧インターフェース38(EAC=エレクトロニック・エアートリートメントシステム)並びに関連する装置が電子制御ユニット10周辺に示されている。例えばこのEAC空気圧インターフェース38は空気圧式駐車ブレーキ34との接続の他にもトレーラ制御モジュール40と接続されている。またこのトレーラ制御モジュール40は、以下で説明する検査機能の実現のために空気圧式駐車ブレーキ34とも接続を形成している。さらに空気圧式駐車ブレーキ34のさらなる接続は駐車ブレーキの複数存在するバネ負荷シリンダ42とも形成されており、それらのうちの1つが代表して示されている。さらなる周辺コンポーネントは電子制御式変速機制御装置(ETC)44、電子制御式エンジン制御装置(EEC)46、電子制御式ブレーキ制御装置(EBC)48である。電子制御式ブレーキ制御装置48は、モジュレータ50と接続を形成され、それを介してバネ負荷シリンダ42内の圧力が変更可能である。さらに中央制御ユニット52が設けられており、この中央制御ユニットも車両誘導コンピュータないしはオンボード中央コンピュータの枠内で実現されていてもよい。中央制御ユニット52例えばドアの状態と座席占有状態を表す信号ES09を受信する。本発明との関係で関連のある出力信号は例えばパーキング信号AS03、警報ないしエラー信号AS04、停止信号AS05(これは例えばストップ・アンド・ゴー運転の最中にハンドブレーキが操作された場合に出力される)などである。変速機電子制御装置44は、例えば信号ES10を受信する。この信号ES10は変速機とクラッチの状態、並びに投入されている変速段とカルダンギヤ回転数を表すものである。ブレーキ電子制御装置48は例えばブレーキペダル状態と常用ブレーキ圧に関する信号ES11を受信する。前記した制御装置ないしユニット44,46,48,52はCANバス54を介して電子制御ユニット10のCANインターフェース56に接続形成される。このCANインターフェース56を介することによってマイクロコントローラ18は自身のCANインターフェース58を介して多数の入力信号を受取ることが可能である。また出力信号も同じように出力され得る。ここでは特に以下に述べるような入力信号が考慮される。すなわち、
ES01:電気式駐車ブレーキの操作に対する要求ES02:車両速度
ES03:アクセルペダルの位置及び車間距離制御装置の信号
ES04:ブレーキペダル位置
ES05:特に減速に関する変速機電子制御装置の状態
ES06:変速機電子制御装置から出力される変速機及びクラッチの状態
ES07:ホイール回転数
ES08:エンジン電子制御装置の状態
出力信号として特に以下のものが考慮される。すなわち、
AS01:オンボード診断装置に送出される電気的駐車ブレーキに関する状態信号
AS02:常用ブレーキの支援に関する電気的駐車ブレーキの要求。
CANインターフェース58の他にマイクロコントローラ18はさらに直結のデジタル及び/又はアナログ出力側60を有しており、これは特に空気圧制御部へのアクセスを仲介する電磁コイルの駆動制御のために用いられる。
電子制御ユニット10はさらに複数の圧力センサ62,64,66,68を有している。圧力センサ62,64は常用ブレーキ回路内の圧力を検出している。圧力センサ66はトレーラブレーキ装置に割当てられている。圧力センサ68はバネ負荷シリンダ内の圧力測定に用いられている。
さらに手動制御ユニット12の作動に関係するさらなるコンポーネントが設けられており、これらのコンポーネントは以下の明細書で手動制御ユニット12の機能形式の説明とそれらの電子制御ユニット10との協働関係に基づいて説明する。
手動制御ユニット12は2つの操作素子14,16を有している。操作素子14はプッシュ操作による駐車ブレーキの閉成に用いられる。それに対して操作素子16はプル操作による駐車ブレーキの開放に用いられる。駐車ブレーキの閉成のために操作素子14はスイッチ70に結合されている。このスイッチが閉成(スイッチオン)されると、信号S1がマイクロコントローラ18のアナログ/デジタル変換器20に送出される。駐車ブレーキ解除の目的に対しては操作素子16がスイッチ72に結合されている。このスイッチ72が閉成(スイッチオン)されると、信号R1がマイクロコントローラ18のアナログ/デジタル変換器20に送出される。
スイッチ70への結合に対してさらに付加的に操作素子14はスイッチ74にも結合されている。このスイッチ74は、ウェイクアップ信号WUPの生成に用いられる。この信号もマイクロコントローラ18のアナログ/デジタル変換器20に送出される。前記ウェイクアップ信号WUPはシュミットトリガ回路76にも供給される。シュミットトリガ回路76の出力信号は論理回路22に供給される。この論理回路22は少なくとも1つの入力信号が存在する場合には常に出力信号を送出する。さらに前記論理回路22は"イグニッションオン"信号ZEが供給されており、つまり最も簡単なケースではイグニッションスイッチがスイッチオンされた場合に常に存在する電圧信号である。論理回路22の出力信号は、電源ユニット28内に集積されているスイッチ24に影響を与える。"イグニッションオン"信号ZEか又はウェイクアップ信号WUPが印加されると、スイッチ24は閉じられる。それにより駐車ブレーキ装置と特にマイクロコントローラ18に電圧が供給される。この目的に対しては二重の給電電圧30が電源ユニット28内で結合素子78を介して供給されており、この結合素子78は一般的に、冗長的電圧供給部30の高い電圧が駐車ブレーキの給電に用いられるようにしている。
操作素子14に、駐車ブレーキ装置を閉成するためのスイッチ70への結合の他に、スイッチ74がウェイクアップ信号WUP生成のために割当てられているのと同じように、操作素子16にも、駐車ブレーキ解除のためにスイッチ72の他にスイッチ80が割当てられている。このスイッチ80が閉じられると、信号TESTが生成される。この信号TESTはマイクロコントローラ18のアナログ/デジタル変換器20に送出され、それに基づいて次のことが検査される。すなわち牽引車(トラック)単独で、牽引車(トラック)と付随車(トレーラ)からなる車両全体を停止させている状態にあるのか否かが検査される。またスイッチ80は有利には、スイッチ72に対する冗長的スイッチとして用いられてもよい。同じようにスイッチ74もスイッチ70に対する冗長的スイッチとして用いることが可能である。
さらに手動制御ユニット12と電子制御ユニット10の内部にはさらなる抵抗R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8が示されており、これらの抵抗は、マイクロコントローラ18とシュミットトリガ回路76に適切な信号が供給されるように選定されている。例えばスイッチ72の閉成に伴って接続されるマイクロコントローラ18のアナログ/デジタル変換器20の入力側は抵抗R1を介してグランドGNDに接続され、これによって信号が生成される。スイッチ72が開くと相応する前記入力側は再び抵抗R7を介して電源ユニット28の正の電位におかれる。
図1による実施形態において駐車ブレーキがプッシュ操作によって閉成され、プル操作によって解除されるのに類似して、図2による操作装置のもとでは、駐車ブレーキは操作素子14のプル操作によって閉成され、操作素子16のプッシュ操作によって開放される。
図3による実施例でも駐車ブレーキ装置は操作素子14のプル操作によって閉成され、さらに操作素子16のプッシュ操作によって開放される。ここでは付加的にラッチ82が設けられており、このラッチは操作素子14が同時にプルされていない場合に操作素子16がプッシュされることを回避している。このようにして2つの操作素子14,16が同時に操作された場合にしか駐車ブレーキの解除ができないようにしている。このことは付加的な安全性に寄与している。
図4は本発明の枠内で投入が可能な手動制御ユニットを説明するための概略図である。この手動制御ユニット12は、プル操作によって切換え機能がトリガされる操作素子14と、プッシュ操作によって切換え機能がトリガされる操作素子16を有している。操作素子14は引張バネ84を介して手動制御ユニットのケーシングに直接もしくは間接的に接続されている。操作素子16は圧縮ばね68を介して手動制御ユニット12のケーシングに直接もしくは間接的に接続されている。
操作素子14の操作は簡単に行うことができる。操作素子14が引張りばね84の張力に抗して引かれると、まずスイッチ74が閉じられ、それによって信号WUPがマイクロコントローラ(図1参照)に送出される。この信号WUPはイグニッションがオフされた場合のウェイクアップ信号として用いられる。同じようにこれは操作素子14のさらなるプル操作に続いて生成される信号S1に対する冗長的信号として用いられる。信号S1はスイッチ70の閉成に基づいて駐車ブレーキの閉成を生じさせる。スイッチ74,70の操作は操作素子14における相応のスロープによって行われる。これらのスロープは、ばね負荷されているスイッチ70,74に割当てられたキーボタン92,94に作用を及ぼす。
操作素子16も最初は簡単に操作可能である。なぜなら圧縮ばね86の力に抗して押し込まれるだけだからである。操作素子16のスロープ96は、ばね負荷されたキーボタン98を操作し、それによってスイッチ80が閉じられる。それによってトレーラ検査機能が実施可能になる。操作素子16をさらに移動させれば、操作素子16のスロープ100がブロック、詳細にはばね負荷によってセンタリングされているスライダーブロック102に当接する。それにより操作素子16はそれ以上移動できなくなる。操作素子14の同時操作によって初めて、スライダーブロック102が開口部104と一列になるように操作素子14内の開口部104が配設されている。従って操作素子16によってスライダーブロックに作用する力は、開口部104内へのスライダーブロック102のシフトを生じさせる。このシフトが行われた後では操作素子16はさらにプッシュすることが可能となり、ばね負荷されたキーボタン108に対するスロープ106の応力作用に基づいてスイッチ72が駐車ブレーキの解除のために操作される。それ故に操作素子16の操作に続いて信号"TEST"と信号"R1"が順次生成される。この場合は操作素子14の引張り操作に続くスライダーブロック102の機械的なトリガの後でのみ信号R1の生成が可能となる。
この手動制御ユニットはさらに任意に蓄電池110と対応する制御ユニット112を含んでいてもよい。さらに任意に発光ダイオード114が設けられていてもよい。この発光ダイオードは操作素子16の軸線方向に延在するチャネルを介して光信号116を送出し得る。そのような光信号は、例えばドライバにトレーラ検査機能の実施を要求するものであってもよい。また同じようにこの光信号116を介して警報信号若しくは状態信号を送出することも考えられる。
図5から図11には商用車のブレーキシステムにおける前述したような方式の電気式駐車ブレーキに関連する種々の経過特性が概略的に示されている。ここではこれらの経過を所定の条件(B01・B30)とそれらの論理結合に依存する所定の作用(W01・W09)に基づいて説明する。なお分かり易くするためにこれらの条件と作用をまず以下の明細書でリストアップする。詳細な説明はその後に続ける。
B01:ホイール回転数<x rpm
B02:車両速度<x km/h
B03:変速機回転数<x rpm
B01:オンボード診断によるエラー通知なしか
B05:手動制御ユニットのスイッチ70が閉成しているかないしは信号S1が存在しているかB06:イグニッションスイッチがスイッチオンされているかないしは信号ZEが存在しているか
B07:イグニッションスイッチがスイッチオフされ、アフターランニング状態か
B08:変速段セレクトレバーがパーキング位置に入っているか
B09:駐車ブレーキが閉成されているか
B10:手動制御ユニットのスイッチ80が閉成しているかないしは信号TESTが存在しているか
B11:手動制御ユニットのスイッチ72が閉成しているかないしは信号R1が存在しているかB12:常用ブレーキが作動しているか
B13;エンジンが非作動状態か
B14;エンジンが作動状態か
B15;常用ブレーキの所定の最低制動圧が存在しているか
B16:所定の最短期間t1*を越えて常用ブレーキが作動しているか
B17:アクセルペダルの非作動状態
B18:クラッチ及び/又はドライブトレーンが開放されているか
B19:付加的な制動要求
B20:先行車両との所定の間隔を下回っているか
B21:車両が動き出しているかまたは動き出そうとしているか
B22:クラッチ及びドライブトレーンが許容変速段で結合しているか
B23:アクセルペダルによってエンジン回転数の変動が要求されているか
B24:所定のエンジントルクに到達しているか
B25:車両が先行時点のストップ・アンド・ゴー運転中に制動をかけたか
B26:イグニションスイッチとドアが最後の制動過程の後で操作されなかったか
B27:手動制御ユニットのスイッチ74が閉成されているかないしは信号WUPが存在しているか
B28:オンボード診断によってブレーキ回路欠陥が通知されているか
B29:ブレーキ電子制御装置(EBC)が支援問合せを駐車ブレーキの電子制御ユニットに実施しているか
B30:車両が動いているか
W01:電気式駐車ブレーキの所定の時間・圧力特性マップによる閉成停止車両における完全な閉成
W02:電子制御ユニットが検査機能のためにソレノイドバルブを作動、車両が動き出した場合の常用ブレーキによる支援
W03:電気式駐車ブレーキの解除
W04:電気式駐車ブレーキの閉成
W05:電気式駐車ブレーキが所定の時間・圧力特性マップに従って開放される
W06:常用ブレーキ圧の緩やかな勾配を伴った上昇
W07:常用ブレーキ圧の比較的急峻な勾配を伴った上昇
W08:常用ブレーキが作動される場合に電気式駐車ブレーキが所定の時間・圧力特性マップに従って閉成される
W09:電気式駐車ブレーキが所定の時間・圧力特性マップに従った制動実施のための問合せをブレーキ電子制御装置(EBC)に送信
図5は電気式駐車ブレーキが使用される通常のパーキング過程を概略的に表したものである。電子制御ユニットは前記条件B01〜B07を検査し、これらの条件を論理的に結合しそれらの論理結合の結果に依存して電気式駐車ブレーキに対して制御を実行する。まず、条件B01〜B03のうちの少なくとも2つの存在があるか否かが検査される。すなわちホイール回転数が所定の回転数を下回っているか否か、車両速度が所定の値を下回っているか否か、変速機回転数が所定の値を下回っているか否かが検査される。これらの基準の少なくとも2つが存在するならば、信号が図示のAND結合回路に送出される。この制御過程並びに以下で説明するさらなる制御過程においては複数の条件のうちの1つの存在を達成するようにすることも可能である。さらに検査すべき条件は前記条件B04の存在、すなわちオンボード診断によるエラー通知なしの存在と、条件B05の存在、すなわち手動制御ユニットのスイッチ70の閉成ないしは信号S1の存在である。
さらに条件B06とB07のうちの少なくとも1つが存在するか否か、すなわちイグニッションスイッチがスイッチオンされているか(条件B06)否かと、イグニッションスイッチがスイッチオフされ電子制御ユニットがそのアフターランニングモードに入っているか否かが検査される。前記条件B01〜B07の検査において実施された論理結合の結果がポジティブであるという前提条件のもとで移行するならば、この結果は電気式駐車ブレーキに対する作用W01となる。従って駐車ブレーキは所定の時間・圧力特性マップに従って閉成され、完全な閉成が停止車両のもとで行われる。これらの関係は複数の機能線図において説明する。これらの線図のうちの1つには常用ブレーキ圧pBが時間軸tに亘ってプロットされており、それに対して別の線図には駐車ブレーキのばね負荷シリンダ内で測定された圧力pFが時間軸tに亘ってプロットされている。ここではまず常用ブレーキ圧が時点t1までの間に所定の値p2まで上昇しているのがわかる。それに続いてばね負荷シリンダ内の圧力pFは時点t2までの間に値pF1から値pF2まで低減している。この場合の値pF2は、閉成された駐車ブレーキに相応している。ここでは単純に表されているこの圧力経過は場合によっては顕著な変化を伴う場合もある。例えば可能性として、時点t1の後でばね負荷シリンダ内の圧力pFがまず緩やかに時間・圧力特性マップに従って低減し、駐車ブレーキが完全に閉成する前に車両が完全な静止状態に入り、そこからはばね負荷シリンダ内の圧力pFが急速にさらなる圧力低下を生じることも考えられる。また次のようなケースも頻繁に生じ得る。すなわち時点t1までの間に既に車両が完全に停止し、そのためそれに続いて非常に迅速なばね負荷シリンダの空気抜きが行われることである。
図6には通常のパーキング過程における電気式駐車ブレーキ投入の有利な変化例が示されている。図6によれば、前記条件B05,すなわち手動制御ユニットのスイッチ70の閉成の存在はもはや必須ではない。それどころか車両の変速段切換え装置のセレクトレバーがパーキング位置に入っている場合には、ドライバのさらなる行動なしでも電気式駐車ブレーキは閉成されるようになる。
次に図7に基づいて、付随車(トレーラ)を備えている商用車の場合での駐車ブレーキの検査に用いられる方法を説明する。ここでは商用車自体が全車両を駐車ブレーキの投入のもとで停止させられるかどうかが検査される。このことは商用車が坂道に止められている場合にはさらなる安全性につながる。既に図5及び図6に基づく説明の中で説明した条件の他にここでは条件B09、すなわち駐車ブレーキが閉成されているか否かが検査される。さらに条件B10によれば駐車ブレーキのスイッチ80の閉成が必要である。つまり換言すれば信号TESTの存在が必要である。論理結合によりポジティブな結果が得られると、作用W02が得られる。すなわち電子制御ユニットが検査機能のためのソレノイドバルブを活動化させる。さらに車両が動いた場合には常用ブレーキによる支援が行われる。これらの関係は2つの線図に基づいて説明する。これらの線図のうちの一方にはばね負荷シリンダ内の圧力pFが時間軸tに亘ってプロットされており、それに対して別の線図にはトレーラ制御モジュールTCMにて測定された圧力p43が時間軸tに亘ってプロットされている。時点t1からは牽引車(トラック)のばね負荷シリンダも付随車(トレーラ)のばね負荷シリンダも減圧されており、このことは圧力pFとp43の圧力低下を表している。後続の時点T2ではトレーラのばね負荷シリンダが再度所定の時間間隔Δtの間増圧されている。
図8には商用車のパーキング後の電気式駐車ブレーキの通常の解除が概略的に表されている。ここではイグニッションがスイッチオンされ(B06)、手動制御ユニットのスイッチ72は閉成される。換言すれば信号R1が存在し(B11)、さらに常用ブレーキ活動化の有無も任意に検査可能である(B12)。さらに付加的に条件B13が満たされると、すなわちエンジンが作動していないと、作用W03がトリガされ得る。すなわち電気式駐車ブレーキが解除される。エンジンが作動している場合には(B14)、付加的に常用ブレーキの所定の最低ブレーキ圧が存在しているか否かが検査されなければならない。このことは再度機能線図に基づいて説明する。スイッチ72が閉成されている状態で信号R1が存在しない限りはばね負荷シリンダ内の圧力pFはレベルp2に留まったままである。時点t1においてスイッチが閉成された後では、ばね負荷シリンダ内の圧力はレベルpF1まで上昇する。続いて車両が動きだし、このことは時点t2から伸びている矢印によって表されている。
次に図9に基づいて電気式駐車ブレーキによって支援されたストップ・アンド・ゴー運転を説明する。速度が非常に速い場合に駐車ブレーキの閉成が何も行われていないことを十分な安全性で担保するためには、条件B01〜B03のうちの少なくとも2つが満たされなければならない。さらにここでのさらなる必須条件は既に前述した条件B04,B06,B14である。さらにここでは常用ブレーキが所定の最低期間t1*に亘って活動化されている条件(B16)も満たされなければならないその後でさらにアクセルペダルが非活動化状態か否か(B17)と、クラッチ及び/又はドライブトレーンが開放されているか否か(B18)が検査される。またその他にも条件B19とB20が、すなわち付加的な制動要求が存在しているか否か、及び/又はストップ・アンド・ゴー運転の特徴を示す先行車両との間隔が狭まっているか否かが任意に問合せされてもよい。その後は実施された検査に依存して電気式駐車ブレーキが閉成される(W04)。このことは機能線図の中の圧力経過特性曲線によって表されている。ストップ・アンド・ゴー運転中の車両の停止の際にはまず常用ブレーキ圧pBが時点t1まで高まり、その際の許容偏差領域も表されている。それに続いて常用ブレーキ圧が期間t1*の間は一定に保持され、その後制動圧は圧力p2まで高まる。時点t2の後ではばね負荷シリンダが減圧(空気抜き)され、それによって駐車ブレーキは時点t2で閉成される。ここでは次のようなことも考えられる。すなわちこれらの線図とは異なって、既に期間t1*の経過後にばね負荷シリンダの減圧(空気抜き)と駐車ブレーキの閉成が行われることである。すなわち、ドライバがブレーキペダルのさらなる操作によって制動圧を高めることを付加的に推定しない。
10にはストップ・アンド・ゴー運転期間中の発進経過が概略的に表されている。ここでは既に説明してきた前記条件B06,B11,B14の他に、車両が動き出しているか若しくは動き出そうとしているかどうか(B21)と、クラッチ及びドライブトレーンが許容される変速段で接続されているかどうか(B22)と、アクセルペダルがエンジン回転数の上昇を要求しているかどうか(B23)と、所定のエンジントルクに達しているか否か(B24)が検査される。さらに条件B25とB26が同時に満たされること、つまり車両が先行の時点でストップ・アンド・ゴー運転中にブレーキをかけたことと、イグニッションスイッチ並びにドアが最後の制動過程後に操作されなかったことが同時に満たされなければならないし、あるいは既に前述した条件B10の存在、すなわち手動制御ユニットのスイッチ80の閉成と信号TESTの存在が必要である。これらの検査に依存して作用W05が生じる。それにより電気式駐車ブレーキが所定の時間・圧力特性マップに従って開放(ないし解除)される。この方法に基づくことによりドライバにはストップ・アンド・ゴー運転の際に単に信号"TEST"のトリガによって駐車ブレーキを解除することが可能になる。特に手動制御ユニットが、本来の解除機能(信号R1)が両刀的に(すなわちどちらの場合であっても)引き起こされるように設計仕様されている場合には、信号TESTの充足はストップ・アンド・ゴー運転における著しい容易化を表す。ここでの線図はエンジントルクMが時点t11における値M1まで上昇し、それに続いてばね負荷シリンダの増圧によって圧力pF2が圧力pF1まで上昇している様子が示されている。それにより時点t2の後では車両が発進可能であることが表されている(これは時点t2からの矢印によって表されている)。
図11には、商用車がどのような前提条件のもとで電気式駐車ブレーキによって減速され得るかが示されている。まずここでも既に前述した前記条件B01〜B03の問合せによって車両が十分にゆっくりと走行しているか否かが検査される。さらに条件B04に従ってオンボード診断によるエラー通知なしか否かが検査される。その後で条件B27の存在、すなわち手動制御ユニットのスイッチ74が閉成されているならば、つまり換言すると本来のウェイクアップ信号として設けられた信号WUPが存在するならば、常用ブレーキ圧は作用W06によってまず緩やかな勾配で上昇する。このことは常用ブレーキ圧pBが時間軸tに亘ってプロットされている線図において表されている。時点t0では条件B05が存在し得る。その結果としての作用W07によれば、常用ブレーキ圧が比較的急峻な勾配で時点t1まで増加する。条件B05により信号S1が存在しているので、それに続いて時点t1とt2の間ではばね負荷シリンダの減圧も行われる。このことは値pF1からpF2への圧力低下によって示されている。
次に図12に基づいてブレーキ回路に欠陥が生じた場合の駐車ブレーキによる常用ブレーキの支援を説明する。この支援は既に前述した条件B01からB03の検査に従って車両が比較的僅かな速度で走行している場合にのみ可能となる。必須の条件はイグニッションスイッチのスイッチオン状態(B06)と、エンジンの作動状態(B14)と、常用ブレーキの活動化状態(B12)と、クラッチ及び/又はドライブトレーンの開放状態(B18)である。さらにオンボード診断によりブレーキ回路欠陥が通知され(B28)、ブレーキ電子制御装置(EBC)が支援問合せを駐車ブレーキの電子制御ユニットに行い(B29)、これらの条件がそろった場合には、作用W08により電気式駐車ブレーキが所定の時間・圧力特性マップに従って閉成され得る。この関係は機能線図に基づいて再度説明する。時点t1までの常用ブレーキ圧pBの値p1までの上昇に伴って、ばね負荷シリンダ内の圧力pFは図示の時間・圧力特性マップに従って低下する。時点t1後にブレーキの活動化が何も存在しない場合には、圧力はこれまでとは逆の経過を示す。
最後に図13に基づいて手動制御ユニットがどのような前提条件のもとで車両の減速の際のセンサとして働き得るかを説明する。これに対してはオンボード診断による欠陥通知なし(B04)、手動制御ユニットのスイッチ70の閉成、換言すれば信号S1の存在(B05)、イグニッションスイッチのスイッチオン状態(B06)、エンジンの稼働状態(B06)、及び車両の動いている状態(B30)が必要とされる。これらの全ての条件がそろった場合には電気式駐車ブレーキの電子制御ユニットは、所定の時間・圧力特性マップに従った制動実施のための問合せをブレーキ電子制御装置(EBC)に送信することができる(W09)。そのような手動制御ユニットのスイッチ70の閉成に基づく制動は以下で機能線図に基づいて説明する。手動制御ユニットのスイッチ70が閉成され、それに伴って信号S1が存在し、常用ブレーキの制動圧が圧力レベルp2まで高められるのに対して、駐車ブレーキのばね負荷シリンダ内の圧力pFは、不変のまま維持される。すなわち駐車ブレーキは解除されたままである。時点t1においてスイッチ70が開放されると、それによって信号S1はもはや存在しなくなり、常用ブレーキ内の圧力は再び低下する。そのため制動作用が緩和され、最終的には時点t2において消滅する。
前述した明細書、図面並びに特許請求の範囲において開示される本発明の特徴は本発明の実現に対しては個別の形式でもあるいは任意の組合わせでも存在し得るものである。
手動制御ユニット用操作装置の第1の実施形態の概略図と共に本発明による装置を説明するためのブロック回路図 手動制御ユニット用操作装置の第2の実施形態を示した図 手動制御ユニット用操作装置の第3の実施形態を示した図 本発明の枠内で投入される手動制御ユニットを説明するための概略図 電気的な駐車ブレーキを利用したパーキング過程を具体的に示すための線図 電気的な駐車ブレーキを利用したさらなるパーキング過程を具体的に示すための線図 電気的な駐車ブレーキを利用した付随車検査機能を具体的に示すための線図 電気的な駐車ブレーキの解除過程を具体的に示すための線図 ストップ・アンド・ゴー運転中の停止の際の電気的な駐車ブレーキの投入を具体的に示すための線図 ストップ・アンド・ゴー運転中の発進の際の電気的な駐車ブレーキの投入を具体的に示すための線図 電気的な駐車ブレーキを利用した車両の減速を具体的に示すための線図 電気的な駐車ブレーキによる常用ブレーキへの支援を具体的に示すための線図 手動制御ユニットを利用した車両の減速を具体的に示すための線図
符号の説明
10 電気式駐車ブレーキ
12 手動制御ユニット
14 駐車ブレーキの閉成のための操作素子
16 駐車ブレーキの解除のための操作素子
18 マイクロコントローラ
20 アナログ/デジタル変換器
22 切換え論理回路
24 スイッチ
26 ウォッチドッグタイマ
28 電源ユニット
30 冗長的電圧供給部
32 遮断リレー
34 空気式駐車ブレーキ
36 ソレノイドバルブ
38 EAC空気圧インターフェース
40 トレーラ制御モジュール
42 ばね負荷シリンダ
44 変速機電子制御装置
46 エンジン電子制御装置
48 ブレーキ電子制御装置
50 制動圧モジュレータ
52 中央制御ユニット
54 CANバス
56 CANインターフェース
58 CANインターフェース
60 直結出力側
62 圧力センサ
64 圧力センサ
66 圧力センサ
68 圧力センサ
70 スイッチ
72 スイッチ
74 スイッチ
76 シュミットトリガ回路
78 入力電圧用結合素子
80 スイッチ
82 ラッチ
84 引張ばね
86 引張ばね
88 スロープ
90 スロープ
92 キーボタン
94 キーボタン
96 スロープ
98 キーボタン
100 スロープ
102 スライダーブロック
104 開口部
106 スロープ
108 キーボタン
110 蓄電池
112 リレー
114 発光ダイオード
116 光信号

Claims (5)

  1. 常用ブレーキと、ばね負荷シリンダを備えた駐車ブレーキを有する商用車の空気式ブレーキ装置の制御のための方法であって、
    常用ブレーキの回路に欠陥が生じた場合に、商用車のブレーキングが駐車ブレーキによって支援される形式の方法において、
    前記駐車ブレーキの制御のために電子制御ユニット(10)が設けられており
    前記駐車ブレーキによる制動支援が行われ、その場合に駐車ブレーキのばね負荷シリンダが所定の時間・圧力特性マップに従って減圧(空気抜き)されるようにしたことを特徴とする方法。
  2. 商用車の速度に依存して様々な時間・圧力特性マップが用いられる、請求項1記載の方法。
  3. 商用車の欠陥の生じたブレーキ回路に依存して様々な時間・圧力特性マップが用いられる、請求項1または2記載の方法。
  4. 駐車ブレーキの閉成に対するさらなる条件の存在を必要とし、該さらなる条件はイグニッションスイッチのスイッチオン状態、商用車の十分に僅かな速度である、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 商用車の十分に僅かな速度の存在が、ホイール回転数、制御部からの車両速度出力値、変速機回転数と、所定の閾値との比較によって求められる、請求項4記載の方法。
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