JP5149577B2 - 住宅設備用成形品 - Google Patents

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本発明は、不飽和ポリエステル樹脂製の住宅設備用成形品に関するものである。
洗面台の洗面ボール、浴室の浴槽、台所のシンクを始めとする、水廻りの住宅設備用成形品には、FRP成形品が一般的に用いられている。このFRP成形品は、不飽和ポリエステル樹脂に、低収縮剤、充填剤、硬化剤、重合禁止剤、内部剥離剤、増粘剤、着色剤等を添加した不飽和ポリエステル樹脂組成物を、加熱加圧して成形することによって作製される。
しかし、不飽和ポリエステル樹脂の成形品は、上記のような洗面ボール、浴槽、シンクなどのような水廻りの住宅設備用成形品として使用する場合、水垢の付着、毛染めやマニキュアのような染色性物質による染色など、表面が汚染され易いことが問題となる場合がある。
そこで、不飽和ポリエステル樹脂成形品を水廻りの住宅設備用成形品として用いる場合、防汚性能を向上させるために防汚塗装を施すことが行なわれている。例えば、特許文献1のように、比較的低温で硬化するウレタン塗装を行なったり、特許文献2のようにエポキシ塗装を行なったりするのが一般的である。
特開2003−211470号公報 特開2004−344531号公報
上記のように、不飽和ポリエステル樹脂成形品に防汚性能を向上させるために施す防汚塗装は、ウレタン塗装やエポキシ塗装が一般的である。しかし、このような防汚塗装を施しても、水の濡れと水の乾燥が激しく繰り返される部位や、染色性が高いものが頻繁に付着する部位では、十分な防汚性を得ることは難しいものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、防汚性に優れた住宅設備用成形品を提供することを目的とするものである。
本発明に係る住宅設備用成形品は、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする基材の表面に、酸価が5以上のポリオール樹脂とアミノ樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物よりなる樹脂層が形成されていることを特徴とするものである。
酸価が5以上のポリオール樹脂とアミノ樹脂が反応して形成される樹脂層は、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂よりも高い架橋密度で形成されるものであり、汚れが固着し難く、また耐染色性も高いものであって、汚れ成分が不飽和ポリエステル樹脂の基材にまで浸透することを防ぐことができ、防汚性に優れた住宅設備用成形品を得ることができるものである。
また本発明は、上記のポリオール樹脂が、フッ素系ポリオール樹脂であることが好ましい
上記のポリオール樹脂が、フッ素系ポリオール樹脂である場合、フッ素の特性である非粘着性を樹脂層に発現させることができ、長期に亘って防汚性に優れた住宅設備用成形品を得ることができるものである。
また本発明は、上記のポリオール樹脂が、下記式(1)で表される基を有するシリコーンポリオール樹脂であることが好ましい
Figure 0005149577
(式(1)において、nは4〜1100、Rは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数4〜10のシクロアルキル、炭素数6〜10のアリル若しくはアリール置換炭化水素基から選ばれた基である)
上記のポリオール樹脂が、式(1)で表される基を有するシリコーンポリオール樹脂である場合、シリコーンの特性である低摩擦性や撥水性を樹脂層に発現させることができ、長期に亘って防汚性に優れた住宅設備用成形品を得ることができるものである。
また本発明は、上記のアミノ樹脂がメラミン樹脂であることが好ましい
メラミン樹脂の場合、短時間で硬化可能であり、且つ硬度、光沢性、耐薬品性が高いので、住宅設備部材に適した高硬度な成形品を得ることができるものである。
また、前記樹脂層は、前記基材の成形温度よりも低い温度で硬化されて形成されることが好ましい。
また本発明において、住宅設備は洗面ボール、浴槽、台所シンクから選ばれることを特徴するものであり、防汚性に優れた洗面ボール、浴槽、台所シンクを得ることができるものである。
本発明によれば、酸価が5以上のポリオール樹脂とアミノ樹脂が反応して形成される樹脂層や、ポリオール樹脂とアミノ樹脂が酸触媒の存在下反応して形成される樹脂層は、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂よりも高い架橋密度で形成されるものであり、汚れが固着し難く、また耐染色性も高いものであって、汚れ成分が不飽和ポリエステル樹脂の基材にまで浸透することを防ぐことができ、長期に亘って防汚性に優れた住宅設備用成形品を得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明に係る住宅設備用成形品の層構成を示すものであり、不飽和ポリエステル樹脂からなる基材1の表面を、ポリオール樹脂とアミノ樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物からなる樹脂層2で被覆するようにしてある。
樹脂層2は、樹脂組成物のポリオール樹脂とアミノ樹脂とを熱硬化反応させたアミノ樹脂によって形成されるものであり、樹脂組成物はこのポリオール樹脂とアミノ樹脂の二成分を最小の構成とするが、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。
樹脂層2を形成するための樹脂組成物の第一成分であるポリオール樹脂としては、周知のものを用いることができるが、代表例として、アクリルポリオール樹脂(変性アクリルポリオール樹脂)、ポリエステルポリオール樹脂(変性ポリエステルポリオール樹脂)、フッ素系ポリオール樹脂(変性フッ素系ポリオール樹脂)、シリコーンポリオール樹脂(変性シリコーンポリオール樹脂)を挙げることができる。特に限定されるものではないが、ポリオール樹脂の水酸基価は5〜300、数平均分子量は500〜20000のものが好ましく、より好ましくは、水酸基価は10〜200、更に好ましくは30〜100である。水酸基価がこれらより小さいと、硬化性反応基の量が少なくなり過ぎて硬化性が低下するものであり、逆に水酸基価がこれらより大きいと、樹脂層2を形成する硬化膜に親水性基が残留して、樹脂層2の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性が低下するおそれがある。またポリオール樹脂の分子量が小さ過ぎると、樹脂層2の膜強度が低下し、逆に分子量が大き過ぎると、樹脂組成物の粘度が高くなって、塗装性が低下するおそれがある。
ポリオール樹脂の酸価は、ポリオール樹脂がアミノ樹脂と反応する際の触媒的な働きをするものであり、ポリオール樹脂の酸価が5以上あれば、樹脂組成物に酸触媒を添加する必要なくポリオール樹脂とアミノ樹脂とを反応させることができる。ポリオール樹脂の酸価の上限は特に限定されないが、実用的には30程度が酸価の上限である。
ポリオール樹脂の酸価が5未満の場合(酸価0も含む)、ポリオール樹脂とアミノ樹脂とを反応させるためには、酸触媒を添加して樹脂組成物を調製する必要がある。この酸触媒としては、アミノ樹脂の硬化反応に通常されるものを用いることができるものであり、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、及び、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等の有機ホスホン酸、またはこれらのアミン塩を挙げることができる。酸触媒の配合量は、ポリオール樹脂の酸価などに応じて変動し、特に限定されるものではないが、一般的にポリオール樹脂の固形分対して0.001〜1質量%の範囲が好ましい。
以下に、上記のそれぞれのポリオール樹脂について説明する。
アクリルポリオール樹脂は、ヒドロキシル基含有アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとを常法により共重合することにより得られるものである。このヒドロキシル基含有アクリルモノマーの例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレ一ト等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類などである。
ポリエステルポリオール樹脂は、多価カルボン酸を主体とした酸成分と、多価アルコールを主体としたアルコール成分との重縮合物である。
この酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸などフタル酸またはその無水物、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸およびその無水物;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。さらに、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類;および対応するヒドロキシカルボン酸や、p−オキシエトキシ安息香酸などの芳香族オキシモノカルボン酸;トリメリット酸、トリメジン酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を少割合で含むこともできる。
また多価アルコール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSアルキレンオキシド付加物の他、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−オクタデカンジオールなどの側鎖を有する脂肪族グリコールがある。アルコール成分はまた、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを少割合で含んでもよい。
フッ素系ポリオール樹脂は、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマー(a)と、フルオロオレフィンモノマー(b)と、必要に応じて他のラジカル重合性不飽和モノマー(c)とを共重合させて得られるものである。
上記のヒドロキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマー(a)としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテルなどのヒドロキシアリルエーテル類などが挙げられる。
またフルオロオレフィンモノマー(b)には、いわゆる二フッ化オレフィンモノマー、三フッ化オレフィンモノマー、四フッ化オレフィンモノマーがあり、具体的にはフッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレンなどが挙げられる。
さらに他のラジカル重合性不飽和モノマー(c)は、要求される塗膜物性に応じて公知のモノマーから適宜選択できる。例を挙げると、エチレン、プロピレン、イソブチレンのようなα−オレフィン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルのようなビニルエーテル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニルなどのビニルエステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニルなどの脂肪族イソプロペニルなどの脂肪酸イソプロペニルエステル類等が挙げられる。
また、フッ素系ポリオール樹脂には必要に応じて、酸価を持たせることができる。酸価を持たせる方法には、フッ素系ポリオール樹脂のヒドロキシル基の一部に、多塩基酸無水物(例えば、無水コハク酸など)を常法で付加反応させる方法などがある。
シリコーンポリオール樹脂は、分子内に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するオルガノポリシロキサンを指す。このようなオルガノポリシロキサンは上記の式(1)の基を有するものとして表すことができる。
樹脂層2を形成するための樹脂組成物の第二成分であるアミノ樹脂としては、アルキルエーテル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアテミン樹脂よりなる群から選ばれるもの、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。
例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分と、アルデヒドとの反応によって得られる、メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化アミノ樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエーテル化したものも使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられる。これらのメチロール化アミノ樹脂のなかでも、メチロール化メラミン樹脂や、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素原子数1〜4の一価アルコールでエーテル化したメラミン樹脂が好適である。
上記のメラミン樹脂の市販品を挙げると、ブチルエーテル化メラミン樹脂としては、「ユーバン20SE−60」、「ユーバン225」(いずれも三井化学社製、商品名)、「スーパーベッカミンG840」、「同G821」(いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)などを、メチルエーテル化メラミン樹脂としては、「スミマールM−100」、「同M−40S」、「同M−55」(いずれも住友化学社製、商品名)、「サイメル303」、「同325」、「同327」、「同350」、「同370」(いずれも三井サイテック社製、商品名)、「ニカラックMS17」、「同MS15」(いずれも三和ケミカル社製、商品名)、「レジミン741」(モンサント社製、商品名)などを、メチル化とイソブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂としては、「サイメル235」、「同202」、「同238」、「同254」、「同272」、「同1130」(いずれも三井サイテック社製、商品名)、「スマミールM66B」(住友化学社製、商品名)などを、メチル化とn−ブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂としては、「サイメルXV805」(三井サイテック社製、商品名)、「ニカラックMS95」(三和ケミカル社製、商品名)などを挙げることができる。
樹脂層2を形成する樹脂組成物は、上記のポリオール樹脂とアミノ樹脂を必須成分とし、必要に応じて酸触媒やその他の添加剤を配合することによって調製することができるものであり、これに溶媒を加えて混合することによって、コーティング剤として調製することができるものである。ここで、この樹脂組成物において、ポリオール樹脂とアミノ樹脂との配合比率は特に限定されるものではないが、固形分質量比率で、ポリオール樹脂:アミノ樹脂=8:2〜5:5の範囲が好ましい。
次に、基材1を形成する不飽和ポリエステル樹脂について説明する。ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸などの多価カルボン酸と、ジオールなどのポリアルコールとの重縮合体であり、ポリアルコール(アルコール性の官能基−OHを複数有する化合物)と、多価カルボン酸(カルボン酸官能基−COOHを複数有する化合物)を脱水縮合反応させて調製することが基本である。そしてこのポリエステル中に不飽和基を含ませ、スチレンなどのビニル基をもったモノマーを成形時に共重合させたものが不飽和ポリエステル樹脂である。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、オルソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂、イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。そして住宅設備用成形品は、不飽和ポリエステル樹脂を補強材と複合化したFRP(繊維強化プラスチック)として形成されることが多い。
FRPの樹脂コンパウンドは、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮剤、充填剤、硬化剤、重合禁止剤、内部離型剤、増粘剤、着色剤等を添加して混合することによって調製されるものである。そしてこの樹脂コンパウンドをポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムの上に塗布し、この樹脂コンパウンドをガラス繊維に含浸させてシート状にした後、加熱熟成することによって、SMC(シートモールディングコンパウンド)を調製することができる。具体的には、樹脂コンパウンドを樹脂フィルムの片面に塗布し、ガラス繊維をこの樹脂フィルムに塗布した樹脂コンパウンドの間にサンドイッチすることによって、樹脂コンパウンドがガラス繊維に含浸されたSMCを得ることができるものである。ガラス繊維は12〜25mm程度の長さに切断したチョップトストランドなどを用いることができるものであり、全体に対してガラス繊維を25〜30質量%の範囲で含有させるのが好ましい。このように調製したSMCを加熱された成形金型でプレス成形することによって、不飽和ポリエステル樹脂のFRPからなる基材1を作製することができるものである。
そして本発明は、この不飽和ポリエステル樹脂のFRPからなる基材1の表面に、上記のポリオール樹脂とアミノ樹脂を必須成分とする樹脂組成物からなるコーティング剤を塗布し、ポリオール樹脂とアミノ樹脂とを熱硬化反応させることによって、アミノ樹脂の硬化樹脂からなる樹脂層2を基材1の表面に被覆し、洗面台の洗面ボール、浴室の浴槽、台所のシンクなどの水廻りで使用される住宅設備用成形品Aを得ることができるものである。樹脂層2の膜厚は特に限定されるものではないが、1〜15μm程度が好ましい。
アミノ樹脂は一般的には比較的高温焼付け(150℃以上)が必要といわれているが、樹脂組成物のアミノ樹脂として比較的低温で硬化するものを選び、かつ酸価が5以上のポリオール樹脂を用いることによって、不飽和ポリエステル樹脂の成形温度(例えば、上金型140℃、下金型130℃という温度が例示できる)より低い温度(120℃程度)で硬化させることができるものである。ポリオール樹脂は酸価が5よりも小さいと十分な硬化が得られないが、酸触媒を用いることによって、酸価が小さいポリオール樹脂を用いても120℃程度で硬化させることができる。樹脂層2を形成する際に基材1の成形温度より高い温度の熱をかけると、基材1の内部の成分が多量に表層に浮き出てきたり、基材1が変形したりするおそれがある。また、基材1と樹脂層2の問にはプライマー層を設けることも可能であり、プライマー層によって、基材1と樹脂層2の密着性を高めることができ、また高い表面硬度を得ることができるものである。
上記のようにポリオール樹脂とアミノ樹脂とを反応させて形成される樹脂層2にあって、樹脂層2を形成するアミノ樹脂は、ウレタン樹脂よりも高い架橋密度で架橋しており、汚れが表面に付着し難いと共に、耐染色性にも優れている。従って、汚れ成分が樹脂層2を通して不飽和ポリエステル樹脂の基材1にまで浸透するようなことを防ぐことができ、長期に亘って防汚性に優れた住宅設備用成形品Aを得ることができるものである。
ここで上記のように、ポリオール樹脂としてフッ素系ポリオール樹脂を用いる場合、樹脂層2にフッ素成分が導入され、フッ素による非粘着性が樹脂層2に発現されるので、フッ素を含まないアクリルポリオール樹脂やポリエステルポリオール樹脂を用いる場合よりも、長期的に優れた防汚性能を得ることができるものである。
またポリオール樹脂としてシリコーンポリオール樹脂を用いる場合、樹脂層2にシリコーン成分が導入され、ジリコーンの特性である低摩擦性や撥水性が発現されるので、水が転がり易くなって汚れが付着し難くなり難くなり、また汚れを拭取り易くなる。このため、長期的に優れた防汚性能を得ることができるものである。
さらに、アミノ樹脂としてメラミン樹脂を用いる場合、短時間で硬化可能であり、硬度、光沢性、耐薬品性が高い樹脂層2を形成することができ、住宅設備部材に適した高硬度の成形品Aを得ることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
以下の配合物を混合することによって、内部離型剤としてのステアリン酸亜鉛の含有率が0.75質量%の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドを調製した。
・不飽和ポリエステル樹脂 80質量部
・ポリスチレン 20質量部
・スチレンモノマー 3質量部
・パラ−ベンゾキノン 0.5質量部
・t−ブチルパーオキシベンゾエート 1.0質量部
・ステアリン酸亜鉛 2.0質量部
・炭酸カルシウム 150質量部
・酸化マグネシウム 1.0質量部
・トナー(顔料) 8.0質量部
この樹脂コンパウンドをポリエチレンフィルムの表面に塗布し、1インチの長さにカットしたガラス繊維を含有率が25質量%になるように、ポリエチレンフィルムに塗布した樹脂コンパウンドの間にサンドイッチして、これを40℃で24時間熟成することによって、SMCを作製した。次に、このSMCを300×300mmサイズの成形ができる成形金型で厚み5mmになるようにプレス成形し、不飽和ポリステル樹脂のFRP成形品からなる基材1を作製した。プレス成形は上型温度140℃、下型温度130℃、成形圧力7MPa、成形時間4分の成形条件で行ない、このようにして得られた基材1の表面をキシレン及びイソプロピルアルコールで脱脂した。
一方、ポリオール樹脂としてアクリル樹脂(三井化学株式会社製「Q627」:水酸基価35、酸価9)を100質量部、アミノ樹脂としてメラミン樹脂(三井化学株式会社製「ユーバン225」)を30質量部配合し、これに酢酸エチル200質量部を混合して10分間攪拌することによって、樹脂組成物のコーティング剤を調製した。
そして上記の不飽和ポリエステル樹脂の基材1の表面にこのコーティング剤を乾燥後の膜厚が5μmになるようにスプレーで塗布し、120℃で30分間加熱することにより、基材1の表面を樹脂層2で被覆した本発明の樹脂成形品を得た。
(実施例2)
ポリオール樹脂としてフッ素とシリコーンを含有する変性フッ素・シリコーン系ポリオール(富士化成工業株式会社製「ZX−007C」:水酸基価58、酸価5)を200質量部、アミノ樹脂としてメラミン樹脂(三井化学株式会社製「ユーバン225」)を30質量部配合し、これに酢酸エチル100重量部を混合して10分間攪拌することによって、樹脂組成物のコーティング剤を調製した。
そして実施例1と同様にして作製した不飽和ポリエステル樹脂の基材1の表面に、このコーティング剤を乾燥後の膜厚が5μmになるようにスプレーで塗布し、120℃で30分間加熱することにより、基材1の表面を樹脂層2で被覆した本発明の樹脂成形品を得た。
(実施例3)
ポリオール樹脂としてフッ素とシリコーンを含有する変性フッ素・シリコーン系ポリオール(関東電化工業株式会社製「KD−270R」:水酸基価106、酸価なし、固形分30質量%)を200質量部、アミノ樹脂としてメラミン樹脂(三井化学株式会社製「ユーバン225」)を30質量部配合し、これに酢酸エチルを100重量部、及び酸触媒として三井化学株式会社製「キャタリスト6000」を2質量部配合して、10分間攪拌混合することによって、樹脂組成物のコーティング剤を調製した。
そして実施例1と同様にして作製した不飽和ポリエステル樹脂の基材1の表面に、このコーティング剤を乾燥後の膜厚が5μmになるようにスプレーで塗布し、120℃で30分間加熱することにより、基材1の表面を樹脂層2で被覆した本発明の樹脂成形品を得た。
(比較例1)
ポリオール樹脂としてアクリル樹脂(三井化学株式会社製「Q627」:水酸基価35、酸価9)を100質量部、イソシアネート樹脂(三井武田化学株式会社製「D−170N」:HDI系イソシアネート樹脂)を90質量部配合し、これに酢酸エチル200質量部を混合して10分間攪拌することによって、樹脂組成物のコーティング剤を調製した。
そして実施例1と同様にして作製した不飽和ポリエステル樹脂の基材1の表面に、このコーティング剤を乾燥後の膜厚が5μmになるようにスプレーで塗布し、120℃で30分間加熱することにより、基材1の表面を樹脂層2で被覆した樹脂成形品を得た。
(比較例2)
ポリオール樹脂としてアクリル樹脂(三井化学株式会社製「Q167−40」:水酸基価24、酸価2.5)を100質量部、アミノ樹脂としてメラミン樹脂(三井化学株式会社製「ユーバン225」)を15質量部配合し、これに酢酸エチル200質量部を混合して10分間攪拌することによって、樹脂組成物のコーティング剤を調製した。
そして実施例1と同様にして作製した不飽和ポリエステル樹脂の基材1の表面に、このコーティング剤を乾燥後の膜厚が5μmになるようにスプレーで塗布し、120℃で30分間加熱することにより、基材1の表面を樹脂層2で被覆した樹脂成形品を得た。
上記のようにして実施例1〜3及び比較例1,2で得た樹脂成形品について、耐汚染性と耐水垢付着性を評価した。結果を表1に示す。評価方法は以下の通りである。
(耐汚染性評価)
毛染め液(シェワルツコフ・ヘンケル社製「パオン クリームカラー 5G」)の第一液と第二液を等量で混合し、これを樹脂成形品の表面に0.2g付着させて24時間後に拭き取った。そして毛染め液を付着させる前と後の色差を色彩色差計(コニカミノルタ社製「CR−40」)で測定した。
(耐水垢付着性評価)
原子吸光測定用Si標準液をSi濃度が100ppmになるように希釈し、これを樹脂成形品の表面に0.06g滴下して、60℃の乾燥機にて蒸発完固させ、再び同じ箇所に0.06gを滴下して60℃で蒸発完固させるという操作を20回繰り返した。次に、水で濡らしたガーゼで拭き取り、この滴下箇所に10μmol/lの濃度のメチレンブルー溶液を0.06g滴下して、水垢を青色に染色することによって、滴下の前と後の色差を測定した。
Figure 0005149577
表1にみられるように、実施例1〜3のものはいずれも、試験の前後での色差が殆どなく、耐汚染性や耐水垢性が高いことが確認される。
一方、ポリウレタン樹脂で樹脂層2を形成した比較例1や、ポリオール樹脂の酸価が5未満で且つ酸触媒を用いないで樹脂層2を形成した比較例2では、色差が大きく、耐汚染性や耐水垢性が劣るものであった。
本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基材
2 樹脂層
A 住宅設備用成形品

Claims (6)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする基材の表面に、酸価が5以上のポリオール樹脂とアミノ樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物よりなる樹脂層が形成されていることを特徴とする住宅設備用成形品。
  2. 前記ポリオール樹脂が、フッ素系ポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の住宅設備用成形品。
  3. 前記ポリオール樹脂が、下記式(1)で表される基を有するシリコーンポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅設備用成形品。
    Figure 0005149577
    (式(1)において、nは4〜1100、Rは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数4〜10のシクロアルキル、炭素数6〜10のアリル若しくはアリール置換炭化水素基から選ばれた基である)
  4. 前記アミノ樹脂がメラミン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の住宅設備用成形品。
  5. 前記樹脂層は、前記基材の成形温度よりも低い温度で硬化されて形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の住宅設備用成形品。
  6. 住宅設備が洗面ボール、浴槽、台所シンクから選ばれるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の住宅設備用成形品。
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