JP5149436B2 - Led制御装置,液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は,液晶表示パネルを照射するために用いられるバックライト装置に設けられたLEDの駆動を制御するLED制御装置及びこれを備えた液晶表示装置に関し,特に,バックライト装置の駆動に関するエネルギーロスや騒音の抑制を図る技術に関するものである。
一般に,液晶テレビジョン受像機や液晶モニタ装置などの液晶表示装置には,複数のLEDによって液晶表示パネルを照明するバックライト装置が搭載される。このバックライト装置では,1周期の制御期間におけるLEDの点灯期間の比率を示すデューティ比を制御することによって該LEDの輝度を調整するPWM制御が行われる。
ところで,近年では,液晶表示パネルの大型化などによりバックライト装置に多数のLEDが設けられるが,バックライト装置に電力を供給する電源回路の出力電圧によって直列接続することが可能なLEDの数は制限される。そのため,複数のLEDを複数のLED群にグループ化して直列接続し,該LED群各々を電源回路に並列接続する構成が採られている(例えば特許文献1,2参照)。
さらに,特許文献1では,LED群と定電流出力回路との接続点の電圧が一定電圧になるように電源装置の出力電圧を制御することで,LED群の駆動に必要な一定電流を供給することが提案されている。以下,係る制御を定電流制御と称する。
但し,前記特許文献1に係る構成では,全てのLED群が消灯する場合に出力電圧が低くなるため,次にLED群が点灯する際に該LED群の駆動に必要な電流を即時に流すことができないおそれがある。
そこで,複数のLED群のいずれか一つが点灯する場合にのみ前記定電流制御を実行し,全てのLED群が消灯する場合には,該LED群に印加される電圧が所定の電圧値になるように出力電圧を制御する定電圧制御を実行することが考えられる。これにより,LED群の点灯開始時に該LED群を安定して点灯させることができると共に,該LED群の点灯中に必要な電流を供給することができる。なお,前記所定の電圧値は前記LED群の点灯開始時に十分な電流を流すことができるようにある程度高めに設定されたものである。
特開2005−33853号公報 特開2009−188135号公報
しかしながら,前述したように前記定電流制御と前記定電圧制御とを切り替える構成では,複数のLED群の制御に用いられるPWM信号が同相である場合,その切り替え時にエネルギーロスが生じることが問題となる。
具体的に,図4は,複数のLEDが直列接続された2つのLWD群171,172各々の駆動を同位相のPWM信号により制御する場合のタイミングチャートを示すものである。なお,図4(a)はPWM信号のデューティ比が50%以上である場合,図4(b)はPWM信号のデューティ比が50%未満である場合を示している。
図4(a),(b)に示すように,前記LED群171,172各々に対応するPWM信号の位相が同相である場合には,該LED群171,172が同時に点灯及び消灯することになる。そのため,PWM制御の1周期内において前記定電流制御及び前記定電圧制
御の切り替えが生じる。そして,前記定電圧制御から前記定電流制御に切り替えられるときには,前記LED群171,172に印加されるアノード電圧がある程度高めの値に設定されているため,該LED群171,172の点灯開始時に瞬時的に無駄なエネルギーロスが生じる(図4における斜線箇所)。ここに,前記エネルギーロスは,前記LED群171,172のカソード電圧に該LED群171,172に流れる電流を乗じたものである。また,前記定電圧制御と前記定電流制御との切り替えの際に前記電源装置からの出力電流が急激に変動すると,その変動に伴って該電源装置内のコイルやコンデンサ等の電子部品で騒音(ジー音)が生じるおそれもある。
なお,前記特許文献2では,複数のLED群に対応するPWM信号に位相差を設けることにより電源電圧の変動を抑制することが提案されているが,定電流制御及び定電圧制御を切り替える構成を想定したものではなく,該切り替え時に生じるエネルギーロスや騒音の抑制についての記載や示唆はなされていない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,電源装置から複数のLED群への供給電力の制御を定電流制御及び定電圧制御の間で切り替える際のエネルギーロスや騒音(ジー音)を抑制することのできるLED制御装置及び液晶表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,複数のLEDを複数の定電流出力回路に接続されたLED群ごとに点灯及び消灯させるLED制御装置に適用されるものであって,以下の(1)〜(4)の構成要素を備えてなり,さらに(5)を特徴として構成される。
(1)前記定電流出力回路各々による前記LED群各々への通電の有無を,前記LED群ごとに対応して入力されるPWM信号に従って個別に制御するLED駆動手段。
(2)前記LED群各々が並列接続された一つの電源装置からの供給電力を,前記LED群の少なくとも一つが点灯するときは該点灯するLED群のカソード側の端部の電圧を予め設定された第1の電圧値に維持する第1の電圧制御モードによって制御し,全ての前記LED群が消灯するときは,該LED群のアノード側の端部の電圧を予め設定された第2の電圧値に維持する第2の電圧制御モードによって制御する電源制御手段。
(3)前記LED駆動手段に入力される前記LED群各々に対応する前記PWM信号各々に2π/n(n:LED群の数)の位相差を生じさせる位相差制御手段。
(4)前記LEDの輝度を前記LED駆動手段に入力させるPWM信号のデューティ比によって制御する調光手段。
(5)前記位相差制御手段が,前記調光手段により設定された点灯期間のデューティ比が100/n%以上の第1の所定値以上である場合は前記PWM信号各々に2π/nの位相差を生じさせ,100/n%以下の第2の所定値未満である場合は前記PWM信号各々を同相にするものである。
本発明によれば,前記LED群各々に対応する前記PWM信号各々に2π/nの位相差が生じるため,前記PWM信号のデューティ比が100/n%以上である場合には,少なくとも一つの前記LED群が点灯することになって常に前記第1の電圧制御モードが実行されることとなるため,前記第1の電圧制御モード及び前記第2の電圧制御モードの切り替えに起因するエネルギーロスを防止することができる。また,前記第1の電圧制御モード及び前記第2の電圧制御モードの切り替え時に前記電源装置における急激な電流変動に伴って生じる騒音(ジー音)も防止される。
さらに,前記PWM信号のデューティ比が100/n%未満である場合,前記第1の電圧制御モード及び前記第2の電圧制御モードの切り替えは行われることになるが,該第2の電圧制御モードが実行される期間は前記LED群各々に対応するPWM信号を同相としたときに比べて短くなる。これにより,前記第2の電圧制御モードから前記第1の電圧制御モードへの切り替え時に前記LED群各々に印加されている電圧が,前記LED群各々に対応するPWM信号が同相である場合に比べて低くなるため,該切り替え時におけるエネルギーロスを抑制することができる。これは,前記第1の電圧制御モードから前記第2の電圧制御モードに切り替えられた後,前記電源装置から前記LED群各々に印加される電圧は前記第2の電圧値に向けて徐々に上昇することとなるため,早期の段階では前記第2の電圧値に到達しておらず前記LED群に印加される電圧が低いためである。
また,前記バックライト装置には,前記LEDの輝度を前記LED駆動手段に入力させるPWM信号のデューティ比によって制御する調光手段が設けられる。即ち,前記PWM信号のデューティ比は前記LEDに必要な輝度に応じて適宜変更されるものである。
そして,前記位相差制御手段は,前記調光手段により設定された点灯期間のデューティ比が100/n%以上の第1の所定値以上である場合は前記PWM信号各々に2π/nの位相差を生じさせ,100/n%以下の第2の所定値未満である場合は前記PWM信号各々を同相にする。これにより,前記デューティ比が前記第2の所定値未満である場合に,エネルギーロスよりも騒音を優先的に抑制することが可能となる。
また,前記第1の所定値及び前記第2の所定値がヒステリシスをもって設定されたものであることが考えられる。これにより,前記PWM信号各々の位相差の切り替えが頻繁に行われるハンチングを防止することができ,前記位相差制御手段による制御処理の負荷を軽減することができる。
ところで,前記複数のLEDは,液晶表示パネルを照明するバックライト装置に設けられたものである。さらに,本願発明は,前記LED制御装置を備えてなる液晶表示装置に係る発明として捉えてもよい。
本発明によれば,電源装置から複数のLED群への供給電力の制御を定電流制御及び定電圧制御の間で切り替える際のエネルギーロスや騒音(ジー音)を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る液晶テレビジョン受像機Xの概略構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態に係る液晶テレビジョン受像機Xに搭載されたLEDドライバ18の概略構成を示すブロック図。 LED群171,172のPWM信号に位相差がある場合のタイミングチャート。 LED群171,172のPWM信号に位相差がない場合のタイミングチャート。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る液晶テレビジョン受像機X(液晶表示装置の一例)は,複数のチューナ1,外部信号入力部2,復調・分離回路3,映像復号回路11,映像選択・合成回路12,映像処理回路13,液晶ドライバ14,液晶表示パネル15,バックライト装置17,LEDドライバ18,調光回路19,音声復号回路21,音声選択回路22,音声処理回路23,アンプ24,スピーカ25,制御回路4,リモコ
ン受光部6,及びリモコン(リモート操作器)7等を備えている。本実施の形態においては,前記LEDドライバ18及び前記調光回路19がLED制御装置に相当する。なお,液晶テレビジョン受像機に限らず液晶モニタ装置なども本発明に係る液晶表示装置に該当する。
前記リモコン受光部6は,当該液晶テレビジョン受像機Xの操作用のリモコン7から,所定の信号伝送プロトコル(いわゆるリモコンプロトコル)に従って,赤外線による無線信号受信を行う信号伝送インターフェースである。そして,前記リモコン受光部6は,赤外線信号から前記リモコン7に対する操作入力情報を表す信号を抽出し,その信号を前記制御回路4に伝送する。
前記制御回路4は,演算手段であるMPU4a,記憶手段であるROM4b(EPROM)及びEEPROM4cを備え,前記MPU4aが,制御プログラムを実行することによって当該液晶テレビジョン受像機X全体を制御する。前記ROM4bには,前記MPU4aによって実行される制御プログラムが予め格納されている。また,前記EEPROM4cには,前記MPU4aが実行する処理において読み書き(参照又は書き込み)される各種データが記憶される。
前記チューナ1は,入力されたテレビジョン放送信号から放送中のコンテンツ(放送番組)の信号を抽出する電子部品である。より具体的には,前記チューナ1は,前記制御回路4により選択を指示された放送番組の信号が含まれる搬送波周波数成分の信号を抽出し,その抽出信号を後段の復調・分離回路3に伝送する。なお,前記チューナ1は,放送媒体(地上波,BS,CS等)ごとに個別に設けられる。
前記復調・分離回路3は,前記チューナ1から伝送されてきた搬送波周波数成分からトランスポートストリーム信号(Transport Stream信号:以下,TS信号)を復調する。さらに,前記復調・分離回路3は,抽出されたTS信号から,視聴される放送番組に対応した映像信号及び音声信号,並びにメタデータ(コンテンツ情報)などを分離して抽出する。さらに,前記復調・分離回路3は,前記制御回路4から受けたPID(Packet IDentification)に応じて,視聴対象となる放送番組の映像信号及び音声信号を抽出し,各信号を前記映像復号回路11及び前記音声復号回路21それぞれに伝送する。
前記音声復号回路21は,前記復調・分離回路3から伝送される音声信号を復号し,復号した音声信号を前記音声選択回路22に伝送する。
また,前記音声選択回路22は,前記制御回路4からの制御指令に従って,前記チューナ1により選局された放送番組のコンテンツの音声信号(前記音声復号回路21を通じて入力される音声信号)と,前記外部信号入力部2を通じて入力される音声信号との中から1つの音声信号を選択して前記音声処理回路23へ伝送する回路である。
そして,前記音声処理回路23は,前記制御回路4からの指示に従って,前記音声選択回路22により選択された音声信号に対して各種信号処理を行うものである。例えば,前記スピーカ25の特性に合わせたイコライズ処理や,サラウンド処理等を行う。
また,前記アンプ24は,前記音声処理回路23による処理後の音声信号を,前記制御回路4からの指示に従って増幅或いは減衰させる処理を行い,前記スピーカ25に出力するものである。
さらに,前記外部信号入力部2は,例えばDVDプレイヤーやブルーレイディスクプレイヤー,Webストリーミングの受信装置(インターネットモデム等)などの外部装置から映像信号及び音声信号を入力する信号入力インターフェースである。なお,前記外部信号入力部2は,前記映像信号に重畳して入力されるメタデータを抽出し,前記制御回路4に入力する。
一方,前記映像復号回路11は,前記復調・分離回路3から伝送される映像信号を復号し,復号した映像信号を前記映像選択・合成回路12に伝送する。
前記映像選択・合成回路12は,前記制御回路4からの制御指令に従って,前記映像復号回路11を通じて入力される放送番組のコンテンツの映像信号と,前記外部信号入力部2を通じて入力される外部入力コンテンツの映像信号との中から,1つ又は複数の映像信号を選択して前記映像処理回路13へ伝送する。
前記映像処理回路13は,前記制御回路4からの制御指令に従って,コンテンツの画像を前記液晶表示パネル15に表示させるために前記液晶ドライバ14に供給するフレーム画像信号を生成する。
さらに,前記映像処理回路13は,前記制御回路4からの制御指令に従って,前記フレーム画像信号に含められる各コンテンツの画像のサイズを調節する機能も有している。その際,前記制御回路4は,前記リモコン7に対する画像サイズの調節操作(例えば,拡大キーや縮小キーの押下操作)に従って,前記映像処理回路13に対して各コンテンツの画像のサイズ調節指令を出力する。
前記液晶ドライバ14は,前記映像処理回路13から所定周期で順次伝送されてくる前記フレーム画像信号に基づいて前記液晶表示パネル15を制御し,そのフレーム画像信号に対応する1フレーム分(1コマ)の画像を前記液晶表示パネル15に順次表示させる回路である。
前記液晶表示パネル15は,マトリクス状に配置された液晶素子を有しており,前記液晶ドライバ14による制御に応じて前記フレーム画像信号に対応する映像を表示する。
前記バックライト装置17は,複数のLEDによって前記液晶表示パネル15を照明するLEDバックライト装置であって,該バックライト装置17に設けられたLED各々の点灯及び消灯は前記LEDドライバ18及び前記調光回路19によって制御される。
前記調光回路19は,前記制御回路4からの制御指示に対応するデューティ比のPWM信号を生成し,該PWM信号を前記LEDドライバ18に入力する。前記デューティ比は,前記PWM信号の1周期における点灯期間の割合(点灯期間/(点灯期間+消灯期間))である。
そして,前記LEDドライバ18は,前記調光回路19から入力されるPWM信号に従って,前記バックライト装置17のLED各々の点灯及び消灯を切り替える。これにより,前記デューティ比によって前記LED各々の輝度が調整される。ここに,前記LEDドライバ18に入力させるPWM信号のデューティ比によって前記LED各々の輝度を制御するときの前記制御回路4及び前記調光回路19が調光手段の一例である。
このように構成された本発明の実施の形態に係る前記液晶テレビジョン受像機Xは,前記バックライト装置17の駆動に関してエネルギーロスを抑制することのできる点に特徴を有しており,以下,この点について説明する。
ここに,図2は,前記LEDドライバ18の概略構成を説明するための要部ブロック図である。
図2に示すように,前記バックライト装置17は,前記液晶表示パネル15の背面側に配置された複数のLED17aを有しており,該LED17aによって前記液晶表示パネル15を背後から照明する所謂直下型LEDバックライト装置である。なお,前記バックライト装置17は,前記液晶表示パネル15の上下や左右のエッジ部に配置された複数のLED17aからの光を導光板によって導くことにより該液晶表示パネル15を背後から照明する所謂エッジ型LEDバックライト装置であってもよい。
ここで,前記バックライト装置17において,複数のLED17aは,2つのLED群171,172に分類されており,該LED群171,172毎に直列接続されている。例えば,前記LED群171は,前記バックライト装置17における垂直方向の奇数列に配置された複数のLED17aを含むものであり,前記LED群172は,前記バックライト装置17における垂直方向の偶数列に配置された複数のLED17aを含むものである。
また,前記LED群171,172各々のLED17aのアノード側の端部は,前記L
EDドライバ18に設けられた後述のDC−DCコンバータ181の出力側に並列接続されている。一方,前記LED群171,172各々のLED17aのカソード側の端部は,前記LEDドライバ18に設けられた後述のLED駆動回路182に接続されている。
前記LEDドライバ18は,前記バックライト装置17のLED群171,172各々に直流電圧を供給する一つのDC−DCコンバータ181と,前記LED群171,172各々の点灯及び消灯を個別に制御するLED駆動回路182とを備えて構成されるドライバICである。
前記DC−DCコンバータ181は,コイル31,トランジスタ32,ダイオード33,コンデンサ34,分圧回路35などを備えており,入力された直流電圧を昇圧して出力する電源装置である。前記DC−DCコンバータ181では,入力される直流電圧の前記コイル31への通電が前記トランジスタ32によって制御され,その直流電圧及び前記コイル31からの出力が前記ダイオード33,前記コンデンサ34を通じて整流し平滑化されることにより昇圧された直流電圧として前記バックライト装置17に出力される。このとき,前記DC−DCコンバータ181からの出力電圧は,前記LED駆動回路182によって前記トランジスタ32のスイッチング動作のデューティ比が制御されることによって調整される。なお,前記DC−DCコンバータ181はこのような非絶縁型の昇圧回路に限らず,他方式のDC−DCコンバータであってもよい。
また,前記分圧回路35は,前記DC−DCコンバータ181の出力電圧を検出するために用いられ,該分圧回路35の分圧抵抗によって分圧された電圧は,前記LED駆動回路182に入力される。
前記LED駆動回路182は,前記LED群171,172が接続される2つの制御ポート41,42と,前記LED群171,172各々に一定の電流を出力する2つの定電流出力回路43,44とを備えている。前記定電流出力回路43,44各々は,例えばトランジスタのカレントミラー回路などを用いた従来周知の定電流出力回路である。
そして,前記LED駆動回路182は,前記調光回路19から入力される前記LED群171に対応するPWM信号S1に従って前記定電流出力回路43による前記LED群171への一定電流の通電の有無を切り替えるスイッチング動作を実行する。同じく,前記LED駆動回路182は,前記調光回路19から入力される前記LED群172に対応するPWM信号S2に従って前記定電流出力回路44による前記LED群172への一定電流の通電の有無を切り替えるスイッチング動作を実行する。これにより,前記バックライト装置17に設けられた複数の前記LED17aは,前記定電流出力回路43,44に接続されたLED群171,172ごとに前記PWM信号に応じた輝度で点灯及び消灯することとなる。なお,前記LED駆動回路182における前記各スイッチング動作は,例えばトランジスタやFETなどを用いた従来周知のスイッチング回路によって具現される。
また,前記LED駆動回路182は,並列接続された前記LED群171,172のLED17aのカソード側の端部に印加される電圧(以下「カソード電圧」という)が予め設定された第1の所定電圧となるように,前記DC−DCコンバータ181のトランジスタ32のスイッチング動作のデューティ比を変更する定電流制御(第1の電圧制御モードに相当)を実行する定電流制御機能を有している。前記定電流制御によれば,前記LED群171,172の駆動に必要な電力を前記DC−DCコンバータ181から前記バックライト装置17に供給させることが可能となる。これにより,前記第1の所定電圧を適宜設定しておくことにより,前記DC−DCコンバータ181による不要な電力供給などを防止しつつ,前記LED群171,172を安定して駆動することができる。
さらに,前記LED駆動回路182は,前記分圧回路35から入力される電圧に応じて,前記DC−DCコンバータ181から前記LED群171,172各々のアノード側の端部に印加される電圧(以下「アノード電圧」という)が予め設定された第2の所定電圧となるように,前記DC−DCコンバータ181のトランジスタ32のスイッチング動作
のデューティ比を変更する定電圧制御(第2の電圧制御モードに相当)を実行する定電圧制御機能を有している。なお,前記第2の電圧値は,前記LED群171,172を点灯させるために最低限必要な電圧LED_Vfよりも十分に高い値である。これにより,前記定電圧制御時には前記LED群171,172の点灯開始時に該LED群171,172を確実に点灯させることができる。
なお,前記LED駆動回路182が有する前記定電圧制御機能及び前記定電流制御機能は,例えば前記第1の所定電圧や前記第2の所定電圧が基準電圧として入力されるコンパレータ(比較器)などを用いた従来周知のフィードバック回路などにより具現される。
そして,前記LED駆動回路182は,前記調光回路19から入力されるPWM信号S1,S2に基づいて前記定電圧制御及び前記定電流制御を切り替え,前記DC−DCコンバータ181からの供給電力を制御する。
具体的に,前記LED駆動回路182は,前記調光回路19から入力される前記LED群171,172に対応するPWM信号S1,S2のうち少なくとも一つがON(点灯状態)になるときは前記定電流制御を実行し,全てがOFF(消灯状態)になるときは前記定電圧制御を実行する。ここに,係る制御を実行するときの前記LED制御回路182が電源制御手段に相当する。なお,係る構成は論理回路により或いはMPUで実行される制御処理により具現すればよい。
前記調光回路19は,前記LED駆動回路182の前記定電流出力回路43,44各々に個別にPWM信号S1,S2を入力する。具体的に,前記調光回路19は,前記制御回路4から入力される前記バックライト装置17の輝度に関する制御信号に対応する既定のデューティ比のPWM信号S1,S2を生成し,該PWM信号S1,S2を前記LED駆動回路182の定電流出力回路43,44各々に入力する。このとき,前記定電流出力回路43,44に入力されるPWM信号S1,S2のデューティ比は同一である。
但し,本発明の実施の形態に係る前記液晶テレビジョン受像機Xでは,前記調光回路19から前記LED駆動回路182に入力される前記LED群171,172各々に対応するPWM信号S1,S2に180°の位相差が設けられる。具体的に,前記調光回路19は,前記LED群171,172各々に対応するPWM信号S1,S2として,180°の位相差を有する2つのPWM信号S1,S2を生成し,該PWM信号S1,S2を前記LED駆動回路182の定電流出力回路43,44に個別に入力する。このように前記PWM信号に位相差を生じさせる前記調光回路19が位相差制御手段の一例である。
なお,本実施の形態では,2つの前記LED群171,172を有する構成について説明するため前記位相差は180°であるが,前記DC−DCコンバータ181に並列接続されるLED群の数がn(n:2以上の整数)個である場合には,2π/nの位相差を設ければよい。例えば,LED群の数が4個である場合,該LED群各々に対応するPWM信号各々に90°の位相差を設けておけばよい。
ここに,図3は,前記LED群171,172各々に対応するPWM信号S1,S2に180°の位相差を生じさせた場合のタイミングチャートである。図3(a)は,PWM信号S1,S2のデューティ比が50%以上である場合の一例としてデューティ比が80%である場合,図3(b)は,PWM信号S1,S2のデューティ比が50%未満である場合の一例としてデューティ比が40%である場合を示している。
まず,図3(a)に示すように,前記LED群171,172各々に対応するPWM信号S1,S2のデューティ比が80%であり,該PWM信号に180°の位相差が生じている場合には,前記LED群171,172の少なくとも一つが点灯している状態となり,全ての前記LED群171,172が同時には消灯しない。この点は,前記PWM信号のデューティ比が50%以上であれば同様である。
従って,前記LED駆動回路182が,常に前記定電流制御によって前記DC−DCコンバータ181からの供給電力を制御することとなり,該定電流制御と前記定電圧制御と
の切り替え(図4(a)参照)が行われない。これにより,前記定電流制御及び前記定電圧制御の切り替え時におけるエネルギーロスや騒音を防止することができる。
一方,図3(b)に示すように,前記LED群171,172各々に対応するPWM信号のデューティ比が40%であり,該PWM信号に180°の位相差が生じている場合には,全ての前記LED群171,172が同時に消灯するタイミングが存在する。この点は,前記PWM信号のデューティ比が50%未満であれば同様である。
従って,前記LED駆動回路182は,前記定電流制御及び前記定電圧制御を切り替えて前記DC−DCコンバータ181の供給電力を制御するととなる。但し,前記PWM信号各々に180°の位相差が設けられているため,全ての前記LED群171,172が消灯している期間は,前記PWM信号各々が同相である場合(図4(b)参照)に比べて短くなっている。また,前記DC−DCコンバータ181の出力電圧は,前記トランジスタ33のスイッチング動作のデューティ変更後に所定の応答期間をもって徐々に昇圧されることになる。
そのため,前記定電圧制御から前記定電流制御への切り替えは,前記DC−DCコンバータ181から前記LED群171,172に印加される前記アノード電圧がまだ十分に昇圧されていない比較的低い状態で行われることとなる。これにより,前記カソード電圧×LED電流で表されるエネルギーロスを,前記PWM信号各々が同相である場合(図4(b)参照)に比べて抑制することができる。
ところで,本実施の形態では,前記調光回路19が,180°の位相差を有する2つのPWM信号S1,S2を生成し,該PWM信号S1,S2を前記LED駆動回路182に入力する構成を例に挙げて説明したが,これに限らない。
例えば,前記調光回路19から同相の2つのPWM信号S1,S2が出力され,該PWM信号S1,S2のいずれか一方が該調光回路19から前記LED駆動回路182の定電流出力回路43,44の間に設けられた遅延回路によって遅延されることにより,該定電流出力回路43,44に入力されるPWM信号S1,S2の間に180°の位相差が設けられることも考えられる。この場合,前記遅延回路が位相差制御手段に相当する。
前記実施の形態では,前記PWM信号S1,S2各々に該PWM信号S1,S2のデューティ比に関係なく180°(2π/n)の位相差を生じさせる場合を例に挙げて説明した。
一方,前記PWM信号S1,S2のデューティ比が50%(100/n)未満である場合,前記PWM信号S1,S2各々の位相差が180°(2π/n)以下であって該デューティ比の値の3.6倍(デューティ比を位相に換算した値)よりも大きければ,前記LED群171,172の点灯タイミングは重ならない。
そこで,前記制御回路4が,デューティ比の設定値が100/n%以上の第1の所定値以上である場合には,複数のLED群に対応するPWM信号各々に2π/nの位相差を生じさせ,デューティ比の設定値が100/n%以下の第2の所定値未満である場合は,LED群に対応するPWM信号各々にそのデューティ比の3.6倍より大きく2π/n以下の範囲で予め定められた位相差を生じさせるように,前記調光回路19に対して制御指示を与えることが考えられる。
これにより,前記デューティ比が100/n未満である場合には,前記LED群171,172の点灯タイミングが重ならないように位相差が設けられる。例えば,図3(b)と同様に2つの前記LED群171,172のPWM信号のデューティ比が40%である場合,前記調光回路19は,図3(c)に示すように,前記PWM信号S1,S2各々にそのデューティ比の3.6倍より大きく2π/n以下の位相差が生じることになり,前記LED群171,172の点灯タイミングが重ならない。従って,全ての前記LED群171,172が消灯している期間,即ち前記定電圧制御が実行される期間が,前記PWM
信号各々が同相である場合(図4(b)参照)に比べて短くなり,前記カソード電圧×LED電流で表されるエネルギーロスを抑制することができる。
なお,前記デューティ比が50%以上である場合も,前記PWM信号S1,S2各々に,2π/n以上であって該デューティ比の3.6倍以下の範囲で予め定められた位相差を設ければ,前記LED群171,172の少なくとも一つが点灯している状態となるため,前記定電流制御及び前記定電圧制御の切り替えが行われず,エネルギーロス及び騒音を抑制することができる。但し,位相差が2π/nを超えて大きくなりすぎると,調光制御の精度が低下するため,前述したように,前記デューティ比が50%以上である場合に前記PWM信号S1,S2に生じさせる位相差は180°(2π/n)に固定しておくことが望ましい。
前記実施の形態では,前記LED群171,172各々に対応するPWM信号S1,S2に180°の位相差を設けることによってエネルギーロスを抑制する構成について説明した。
ところで,前記PWM信号S1,S2の点灯期間のデューティ比が50%未満である場合には,前記LED群171,172各々のPWM信号S1,S2に180°の位相差が生じていると,図3(b)に示したように,前記PWM信号S1,S2が同相である場合(図4(b)参照)に比べて,前記定電流制御及び前記定電圧制御の切り替え回数が増加することになるため,その切り替え時に生じる騒音Nの発生回数も増加する。
そこで,前記液晶テレビジョン受像機Xの性能として静音性能が求められる場合には,前記制御回路4を,前記LED群171,172各々のPWM信号S1,S2のデューティ比に応じて,該PWM信号S1,S2各々の位相差を180°と0°(同相)との間で切り替えるように構成することが考えられる。以下,この点について詳説する。
より具体的に,前記制御回路4は,前記バックライト装置17に必要な輝度に応じて設定され,前記調光回路19が生成する前記LED群171,172各々に対応するPWM信号S1,S2のデューティ比が,50%(第1の所定値の一例)以上である場合は該PWM信号S1,S2各々に180°の位相差を生じさせ,50%(第2の所定値の一例)未満である場合は該PWM信号S1,S2各々を同相となるように,前記調光回路19に対して制御指示を与える。これにより,前記調光回路19は,前記デューティ比が50%以上である場合は該PWM信号S1,S2各々に180°の位相差を生じさせ,50%未満である場合は該PWM信号S1,S2各々を同相にする。
なお,前記調光回路19において前記PWM信号S1,S2各々の位相差の有無を変更するための構成については従来周知の技術を用いればよいが,例えば,シフトレジスタを用いる構成では該シフトレジスタに入力されるパルス信号を変更することで実現することが可能である。また,ロジックカウンタを用いる構成では,そのカウントタイミングを変更することが考えられる。もちろん,2つのPWM信号生成回路を有しており,該PWM信号生成回路をハード的に切り替えることも考えられる。
本実施例に係る構成によれば,前記PWM信号S1,S2のデューティ比が50%以上である場合には,前記PWM信号S1,S2各々に180°の位相差が生じることにより(図3(a)参照),前記実施の形態で説明した通りエネルギーロス及び騒音を共に抑制することができる。
一方,前記PWM信号S1,S2のデューティ比が50%未満である場合には,前記PWM信号S1,S2各々が同相となり(図4(b)参照),前記PWM信号S1,S2が同時にOFFとなる区間,即ち定電圧制御が行われる期間が長くなることにより,前記定電流制御から前記定電圧制御への切り替え時の電流変化が緩やかに行われるため,該切り替え時の騒音Nの発生を抑制することができる。
ところで,前記PWM信号S1,S2各々の位相差を180°と0°とに切り替えるた
めの前記デューティ比の指標値は50%(第1の所定値及び第2の所定値の一例)に限らない。例えば,前記位相差の切り替え指標(第1の所定値,第2の所定値)がヒステリシスをもって設定されたものであることが考えられる。
具体的には,初めは前記デューティ比が50%以上であるか否かによって位相差を設定し,その後は,前記デューティ比が50%以上である60%(第1の所定値の一例)以上であることを条件に位相差無しから位相差有りへ切り替え,前記デューティ比が50%以下の40%(第2の所定値の一例)未満であることを条件に位相差有りから位相差無しへ切り替えることが考えられる。これにより,位相差の切り替えが頻繁に行われるハンチングを防止し,前記制御回路4の処理負担を軽減することができる。
なお,前記実施の形態で説明した構成と本実施例で説明した構成とを任意に切り替えることのできる構成も考えられる。具体的には,前記制御回路4が,初期設定やリモコン操作によるユーザ設定に応じて,前記PWM信号S1,S2各々の位相差を2π/n(n:LED群の数)に固定する位相差固定モードと,前記PWM信号各々の位相差を該PWM信号S1,S2のデューティ比に応じて2π/nと0°(同相)との間で切り替える位相差変動モードとを切り替えることが考えられる。
例えば,前記制御回路4が,前記液晶テレビジョン受像機Xが省電力モードで動作する場合は前記位相差固定モードを実行することにより省電力化を図り,通常動作モードで動作する場合は前記位相差変動モードで動作することにより騒音抑制を図ることが考えられる。
X…液晶テレビジョン受像機(液晶表示装置の一例)、1…チューナ、2…外部信号入力部、3…復調・分離回路、4…制御回路、6…リモコン受光部、7…リモコン、11…映像復号回路、12…映像選択・合成回路、13…映像処理回路、14…液晶ドライバ、15…液晶表示パネル、17…バックライト装置、17a…LED、171,172…LED群、18…LEDドライバ、181…DC−DCコンバータ、182…LED駆動回路、19…調光回路、21…音声復号回路、22…音声選択回路、23…音声処理回路、24…アンプ、25…スピーカ、31…コイル、32…トランジスタ、33…ダイオード、34…コンデンサ、35…分圧回路、41,42…制御ポート、43,44…定電流出力回路。

Claims (4)

  1. 複数のLEDを複数の定電流出力回路に接続されたLED群ごとに点灯及び消灯させるLED制御装置であって,
    前記定電流出力回路各々による前記LED群各々への通電の有無を,前記LED群ごとに対応して入力されるPWM信号に従って個別に制御するLED駆動手段と,
    前記LED群各々が並列接続された一つの電源装置からの供給電力を,前記LED群の少なくとも一つが点灯するときは該点灯するLED群のカソード側の端部の電圧を予め設定された第1の電圧値に維持する第1の電圧制御モードによって制御し,全ての前記LED群が消灯するときは,該LED群のアノード側の端部の電圧を予め設定された第2の電圧値に維持する第2の電圧制御モードによって制御する電源制御手段と,
    前記LED駆動手段に入力される前記LED群各々に対応する前記PWM信号各々に2π/n(n:LED群の数)の位相差を生じさせる位相差制御手段と,
    前記LEDの輝度を前記LED駆動手段に入力させるPWM信号のデューティ比によって制御する調光手段とを備えてなり,
    前記位相差制御手段が,前記調光手段により設定された点灯期間のデューティ比が100/n%以上の第1の所定値以上である場合は前記PWM信号各々に2π/nの位相差を生じさせ,100/n%以下の第2の所定値未満である場合は前記PWM信号各々を同相にするものであることを特徴とするLED制御装置。
  2. 前記第1の所定値及び前記第2の所定値がヒステリシスをもって設定されたものである請求項1に記載のLED制御装置。
  3. 前記複数のLEDが,液晶表示パネルを照明するバックライト装置に設けられたものである請求項1又は2のいずれかに記載のLED制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のLED制御装置を備えてなる液晶表示装置。
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