JP2008300112A - バックライト点灯回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】調光時の唸り音を抑制することができるとともに、設計変更時にも簡単な改良で流用することが可能なバックライト点灯回路の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る液晶テレビジョンでは、バックライト点灯回路10からの入力電圧によりバックライト20の点灯及び調光を制御される。バックライト点灯回路10は、PWM制御部12からのPWM信号に基づいて電源電圧供給回路11のトランジスタQ1が入力電圧を断続的に出力する。出力された入力電圧は平滑回路C2にて平滑化されてインバータ回路12に出力される。PWM制御部12が出力するPWM信号はオン期間における立ち上がりから一定の期間に、該PWM信号よりオン期間が短い複数の矩形信号が重畳されている。これにより、インバータ回路13には電圧値が徐徐に増加する入力電圧が供給され、インバータ回路13は電圧値が徐徐に増加する共振電圧を生成してトランスWに印加する。
【選択図】図2

Description

本発明は、バックライトの調光を制御するバックライト点灯回路に関し、特に、唸り音を抑制するためのものである。
従来図6に示すようなバックライト点灯回路1が知られてる。バックライト点灯回路1は、直流電源Vinから供給された直流電力をインバータ回路2により高周波交流電力に変換して、バックライト3に供給する。このようなバックライト点灯回路1では、バックライト3の調光を制御するためにバースト調光方式が取り入れられている。バースト調光方式は、インバータ回路2に入力電圧を断続的に入力することにより、バックライト3の点灯期間を変化させて調光を行なう方式である。具体的には、PWM制御部4から数約Hz〜数十HzのPWM信号をトランジスタQ3に出力し、トランジスタQ3のオン・オフを切替え、インバータ回路2に断続的に入力電圧を供給する(例えば、特許文献1、2参照。)。
上記したバックライト点灯回路内1では唸り音が発生する場合がある。唸り音はトランスWが可聴周波数領域で振動することにより発生する。図7に示すように、トランスWに発生する高周波電流の発生初期には、一次巻線W1に流れる電流が最大となり大きな電流変化(ピーク電流)が現れる。ピーク電流はPWM信号の周期に合わせて可聴周波数で繰り返し発生し、一次巻線W1およびフェライトコアを振動させる。これによりトランスWに唸り音が発生する。
上記したピーク電流を抑制する技術として、時定数の伴うアナログ回路を用いてインバータ回路に供給される入力電圧の電圧値を徐徐に増加させる技術が知られている。これにより、インバータ回路は徐徐に増加する共振電圧を生成して、共振電圧をトランスの一次巻線に印加する。そのため、一次巻線に現れるピーク電流を抑制することができる(例えば、特許文献3参照。)。
また、入力コイルで発生するうなりを低減する技術として、入力コイルと相互誘導結合するコイルを配置し、このコイルのインダクタンス成分をダイオードを用いて短絡させる技術が知られている。このため、入力コイルに供給された入力電圧の周期は可聴周波数域より低くなり、結果としてうなり音を抑制させる(例えば、特許文献4参照。)。
特開平9−320787号公報 特開平6−351265号公報 特開2004−173459号公報 特開平8−45680号公報
上述した特許文献3の発明では、次のような課題があった。アナログ回路を用いて一次巻線に供給される電荷の立ち上がりを穏やかにするため、トランスの特性ごとにアナログ回路の時定数を設計する必要があった。そのため、設計変更をするたびに新たな回路を設計し直す必要があり回路の流用が難しかった。
また、特許文献4の発明では、次のような課題があった。ピーク電流を抑制して唸り音を低減させる技術ではないため、ピーク電流に起因する唸り音を低減することはできなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、調光時の唸り音を抑制することができるとともに、設計変更時にも回路を設計することなく流用することが可能なバックライト点灯回路の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる発明では、バックライトに高周波電流を供給するトランスと、直流電源からの直流電力を高周波交流電力に変換して前記トランスに印加するインバータ回路と、前記インバータ回路を駆動するための入力電圧の供給を断続的にオン・オフして、前記バックライトの調光を制御するスイッチング手段と、前記スイッチング手段のオン・オフを制御するPWM信号を供給する調光制御手段とを有するバックライト点灯回路において、前記調光制御手段は、前記PWM信号のオン期間における立ち上がりから一定の期間に、該PWM信号よりオン期間が短い、複数の矩形信号を重畳して前記スイッチング手段に出力し、出力されたPWM信号により断続的に供給された前記入力電圧を平滑化する平滑化手段を有する構成としてある。
上記構成において、調光制御手段はPWM信号のオン期間における立ち上がりから一定の期間に、PWM信号よりオン期間が短い複数の矩形信号を重畳して前記スイッチング手段に出力する。スイッチング手段は重畳されたPWM信号に合わせて入力電圧を断続的に出力する。断続的に出力された入力電圧は、平滑化手段により平滑化された後、インバータ回路に出力されて、インバータ回路を駆動させる。ここで、PWM信号のオン期間に重畳される矩形信号は、オン期間が該PWM信号より短い矩形波であるため、平滑化手段を介してインバータ回路に入力される入力電圧は、徐徐に電荷を増加させていく。インバータ回路は徐徐に増加する電荷によって、電圧値が徐徐に増加する共振電圧を生成する。そのため、トランスに発生するピーク電流が抑制され、唸り音を抑制することができる。また、設計変更の際は、PWM信号に重畳する矩形信号のデューティ比を変化させるだけで変更後の回路に流用することができ、アナログ素子を変更するのに比べて簡単に設計変更をすることができる。
ここで、重畳とはPWM信号のオン期間に該PWM信号よりオン期間の短い矩形信号を合成することを言う。この場合、合成される矩形信号がオフ期間(又はローレベル)の場合は、PWM信号の波形はローレベルとなる。
また、本発明では、バックライトに高周波電流を供給するトランスと、直流電源からの直流電力を高周波交流電力に変換して前記トランスに印加するインバータ回路と、前記インバータ回路を駆動するための入力電圧の供給を断続的にオン・オフして、前記バックライトの調光を制御するスイッチング手段と、前記スイッチング手段のオン・オフを制御するPWM信号を供給する調光制御手段とを有するバックライト点灯回路において、前記調光制御手段は、前記PWM信号のオン期間における立ち上がりから一定の期間の波形が、該PWM信号よりオン期間が短く、且つデューティ比が序々に増加する矩形信号形である構成としてもよい。
つまり、本発明におけるPWM信号を形成する技術として、異なる周波数を備えた矩形信号を重畳ささせて形成することに限定されず、予めオン期間における立ち上がりから一定の期間の波形が、デューティ比が序々に増加する矩形信号である信号を出力するものであってもよい。
そして、前記PWM信号は、オン期間の4分の1から5分の1の期間に前記矩形信号が重畳され構成としてもよい。
このため、PWM信号は、オン期間の4分の1から5分の1の期間に信号を重畳するため、オン期間の4分の1から5分の1以後は、連続的にハイレベルの信号がスイッチング手段に出力される。そのため、スイッチング手段が入力電圧の供給を変化させる期間は、非常に短くバックライトの輝度に対する影響を低くすることができる。
さらに、前記平滑化手段は、前記インバータ回路に入力電圧を供給する入力コイルと前記断続的に供給される入力電圧を充電する電界コンデンサにより構成されてもよい。
このため、スイッチング手段より出力された入力電圧は入力コイルにより平滑化された後、電界コンデンサの充放電によりインバータ回路に供給される。これにより、インバータ回路は共振電圧をより穏やか生成し、トランスに発生するピーク電流をより抑制することができる。そのため、唸り音をより抑制することができる。
また、本発明では、本発明に係るバックライト点灯回路を実装する製品にも適応することができる。そのため、前記スイッチング手段は、トランジスタであって、前記トランジスタから出力された入力電圧の立ち上がり波形を鈍らせる電界コンデンサを有し、前記調光制御手段は、オン期間の4分の1から5分の1の期間にデューティ比が徐徐に増加するよう前記矩形信号が重畳されたPWM信号を出力するマイクロコンピュータであって、本バックライト点灯回路は、液晶テレビジョンの表示パネルを背面から照らすバックライトを駆動させる構成としてもよい。
以上説明したように本発明によれば、調光時の唸り音を抑制することができるとともに、設計変更時にも流用することができる。
そして請求項2にかかる発明によれば、PWM信号の4分の1から5分の1の期間に信号を重畳するため、バックライトの輝度に対する影響を少なくすることができる。
また請求項3にかかる発明によれば、簡単な構成で平滑化手段を実現することができる。
また請求項4にかかる発明によれば、マイクロコンピュータにより実現することが可能であるため、回路構成を簡素化してより回路をコンパクトにすることができる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)液晶テレビジョンの構成
(2)バックライト点灯回路の構成
(3)バックライト点灯回路の作用・効果
(4)各種変形例
(5)まとめ
(1)液晶テレビジョンの構成
液晶テレビジョンは、液晶が充填された画素にて構成された液晶パネルの背面側をバックライトで照らすとともに、上記各画素の光の透過率を変化させることで画像を表示する。バックライトはバックライト点灯回路からの入力電圧により点灯及び調光を制御される。本発明に係るバックライト点灯回路では、PWM制御部からのPWM信号に基づいて電源電圧供給回路のトランジスタQ1(スイッチング手段)が入力電圧を断続的に出力する。出力された入力電圧は平滑回路(平滑化手段)にて平滑化されてインバータ回路に出力される。PWM制御部(調光制御手段)が出力するPWM信号はオン期間における立ち上がりから一定の期間に、該PWM信号よりオン期間が短い複数の矩形信号が重畳されている。これにより、インバータ回路には電圧値が徐徐に増加する入力電圧が供給され、インバータ回路は電圧値が徐徐に増加する共振電圧を生成してトランスに印加する。そのため、トランスに流れる電流値の触れ幅が徐徐に増加した後一定の値に飽和するため、ピーク電流を抑制することができ、唸り音を抑制することができる。
本発明に係る液晶テレビジョン100は、アンテナが受信したテレビジョン放送信号に基づいて画像を表示する。図1に示すように、液晶テレビジョン100は、受像機90とリモコン装置80とから構成されている。受像機90はアンテナ200が受信したテレビジョン放送信号から所要の周波数帯を受信するチューナモジュール91と、液晶テレビジョン100の駆動を制御する制御部92と、電力を供給する電源回路94と、取得した所要のテレビジョン放送信号に所定の信号処理を施すディジタル回路93と、音声を出力する音声出力部95と、画像を表示する液晶ディスプレイ70と、液晶ディスプレイ70を背面から照らすバックライトユニット30とを備えている。液晶テレビジョン100では、リモコン装置80の操作により所要のチャンネルが選局されると、制御部92はチューナモジュール91に選局されたチャンネルに対応した周波数帯を検波させる。次に、チューナモジュール91は検波したテレビジョン放送信号をデコードして画像信号と音声信号とを取り出す。取り出された画像信号と音声信号とはディジタル回路93により所定の信号処理を施された後、画像信号を液晶ディスプレイ70に出力し、音声信号を音声出力部95に出力する。
本発明に係る液晶テレビジョン100では、バックライトユニット30からの光源により液晶ディスプレイ70を背面から照らすことで画像を表示する。液晶ディスプレイ70の画面は、RGBの各色が塗布された画素をマトリクス状に配置することにより構成されている。各画素には印加された電圧の強さにより光の透過率を変化させる液晶物質が充填されている。液晶ディスプレイ70は、入力された画像信号をディジタル/アナログ変換した後、各画素に印加することにより各画素の光の透過率を変化させる。また、バックライトユニット30は、電源回路94から供給された電源電圧によりバックライトを点灯させて、液晶ディスプレイ70を背面側から照らす。これにより、各画素は画像信号に基づくアナログ信号によりバックライトユニット30からの光の透過率を変化させて透過光量に応じた画像を表示する。
(2)バックライト点灯回路の構成
図2に示すように、バックライトユニット30はバックライト点灯回路10とバックライト20とから構成されている。バックライト点灯回路10は、電源電圧供給回路11と、PWM制御部12と、インバータ回路13とから構成されている。バックライト点灯回路10では、以下の順序によりバックライトを点灯させる。まず、PWM制御部12が出力するPWM信号に基づいて、電源電圧供給回路11が入力電圧を制御しつつインバータ回路13に供給する。このため、インバータ回路13は、共振によって共振電圧を生成しトランスWの一次次巻線に印加する。そして、トランスWの一次巻線に図3(c)に示すような高周波電流が発生することにより、バックライト20を高周波点灯させる。
電源電圧供給回路11は、直流電源からの入力電圧を徐徐に増加させながらインバータ回路13に供給するための回路である。そのため、電源電圧供給回路11は、入力電圧をインバータ回路13に供給する入力コイルLinと、入力電圧を断続的に供給するトランジスタQ1と、断続的に供給される入力電圧を平滑化する平滑回路C2とを備えている。トランジスタQ1のベースはPWM制御部12とバイアス抵抗R1を用いて接続している。トランジスタQ1のコレクタは直流電源Vinと接続し、そのエミッタは平滑回路C2と接続している。これにより、PWM制御部12からバイアス抵抗R1に出力されたPWM信号がハイレベルの期間は、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間が導通し、入力電圧を入力コイルLinに供給する。また、PWM信号のローレベルの期間は、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間は遮断され、入力電圧は入力コイルLinに供給されない。トランジスタQ1のスイッチングにより断続的に入力コイルLin供給された入力電圧は、入力コイルLinと平滑回路C2を構成する電界コンデンサで平滑化されて、図3(b)に示す電圧値が徐徐に増加する入力電圧を生成する。
PWM制御部12は、電源電圧供給回路11にPWM信号を供給するための回路である。また、本発明に係るPWM制御部12が出力するPWM信号は、図3(a)に示すように、オン期間における立ち上がりから一定の期間に該PWM信号よりオン期間が短い複数の矩形信号が重畳されている。PWM信号に重畳される矩形信号は所定周期でオン(ハイレベル)期間が徐徐に増加する矩形波である。ここで、重畳とはPWM信号のオン期間に該PWM信号よりオン期間の短い矩形信号を合成することを言う。この場合、合成される矩形信号がオフ期間(又はローレベル)の場合は、PWM信号の波形はローレベルとなることを言う。
図4に示すように、PWM制御部12は、元となるPWM信号を生成するPWM信号生成部12aと、PWM信号に重畳する重畳信号を生成するパルス波形生成部12bと、元となるPWM信号と重畳信号とを重畳する重畳部12cとを備えている。パルス波形生成部12bの具体的な一例としては、タイマーによってハイレベルの期間を増加させる波形生成部を備えたICにより実現してもよい。また、PWM制御部12を、その機能を実現することができるマイクロコンピュータにより構成してもよい。制御部92からバックライト20の点灯を示す点灯開始信号がPWM制御部12に入力されると、PWM信号生成部12aは元となるPWM信号を生成し、パルス波形生成部12bは重畳信号を生成する。生成されたPWM信号と重畳信号とは重畳部12cに出力された後、重畳されてPWM信号となる。
重畳部12cはAND回路12c1とOR回路12c2とから構成されている。AND回路12c1の入力端の一方はPWM信号生成部12aと接続されるとともに、他方はパルス波形生成部12bとそれぞれ接続されている。図5に示すように、PWM信号生成部12aから出力された元となるPWM信号とパルス波形生成部12bから出力された重畳信号とが互いにハイレベルである場合は、OR回路12c2からハイレベルのPWM信号が出力される。逆に、元となるPWM信号と重畳信号とがローレベルである場合は、OR回路12c2からローレベルのPWM信号が出力される。ここで、重畳信号がPWM信号に重畳される期間はPWM信号のオン期間における立ち上がりから4分の1から5分の1の期間である。これにより、PWM信号の他の信号が重畳される期間がオン期間の4分の1から5分の1と短い期間であるため、それ以降の期間では通常の調光制御を行なうことができる。そのため、バックライト20の輝度に対する影響を低減させることができる。
インバータ回路13は、供給される入力電圧に基づいて共振電圧を生成し、バックライト20を高周波点灯させるための回路である。インバータ回路13はプッシュブル接続されたトランジスタQ2,Q3と、トランジスタQ2,Q3のベース電極にベース電流を供給するバイアス抵抗R2,R3と、トランジスタQ1,Q2の共振により生成される共振電圧を充電する共振コンデンサC1と、相互誘導によりバックライト20に高周波電流を供給するトランスWとから構成されている。また、トランスWの二次側巻線W2はバックライト20と接続し直列回路を構成している。
インバータ回路13は、自励発振制御によりトランジスタQ2,Q3を発振させて直流電力から高周波交流電力を生成する。入力コイルLinから入力電圧がインバータ回路13に供給されると、トランジスタQ2,Q3のベースにベース電流が流れエミッタ・コレクタ間を導通する。その後、回路構成、トランジスタのばらつき等によりトランジスタQ2,Q3のバランスが崩れ、一方がオン、他方がオフとなる。オフとなったトランジスタに接続されているコイル電流が共振コンデンサC1を充電する。オフ側コイルのエネルギーが放出されるとオン側コイルの磁界の影響を受け、また、共振コンデンサC1の放電電流とも合わされて、コイルW1a,W1bには同方向に電流が流れ始める。さらに、コイルW1a,W1bに同方向の電流が流れることにより、帰還巻線WFに電圧が発生してトランジスタQ2,Q3の動作を反転させるような向きにベース電流を流す。これにより、コレクタ電流はベース電流と電流増幅率とによって定まる飽和点に達するまで増加する。その後、飽和により電流増加が少なくなるにつれてトランスWの一次巻線W1と帰還巻線WFには逆向きの電圧が発生する。そのため、トランジスタQ2,Q3は再び反転し、発振が継続する。
(3)バックライト点灯回路の作用・効果
制御部92からバックライト20の調光制御の命令が出されると、バックライト点灯回路10は以下の順序でバックライト20を調光する。まず、PWM制御部12は、トランジスタQ1に調光のためのPWM信号を出力する。次に、トランジスタQ1はPWM信号のオン期間の波形に合わせて入力電圧を平滑回路11aに断続的に供給していく。図3(a)に示すように、本発明に係るPWM信号では、立ち上がりから4分の1から5分の1の期間に複数の矩形波が重畳されている。そのため、図3(b)に示すように、平滑回路C2により電圧値が徐徐に立ち上がる入力電圧が生成されて、インバータ回路13に供給される。入力電圧がインバータ回路13に供給されることにより、トランジスタQ2,Q3のベースに値が徐徐に高くなるベース電流が供給される。これによりインバータ回路13は電圧値が徐徐に高くなる共振電圧を生成し、トランスWに印加する。このため、トランスWの一次巻線W1には図3(c)に示す高周波電流が発生し、バックライト20を点灯させる。その後、PWM信号の立ち上がりから4分の1から5分の1を過ぎると、オン期間は連続的にハイレベルとなる。そのため、トランジスタQ2,Q3のベースには連続的にベース電流が供給される。そのため、トランスWの一次巻線W1に発生する高周波電流は一定の値で飽和し続け、バックライト20が安定的に点灯する。以後、PWM信号のオフ期間とオン期間に合わせてバックライト20は調光制御される。
以上説明したように、本発明に係るバックライト点灯回路10では、トランスWを流れる高周波電流は立ち上がり時に現れるピーク電流が抑制されている。これにより、ピーク電流に起因するトランスWの唸り音を抑制することができる。また、本発明に係るバックライト点灯回路10では、PWM信号の波形に複数のパルス波からなる信号を重畳させることにより唸り音を低減するため、バックライト点灯回路10の設計変更が行なわれた場合でもPWM信号に重畳する波形を変更するだけでバックライト点灯回路10の設計変更に対応することができる。
(4)各種変形例
本発明は様々な変形例が存在する。
PWM制御部12が出力するPWM信号は、複数の矩形信号を重畳して生成するのではなく、予め図3(a)に示す波形形状の信号を生成して出力するものであってもよい。
(5)まとめ
本発明に係る液晶テレビジョンでは、バックライト点灯回路からの電源電圧によりバックライト20の点灯及び調光が制御される。本発明に係るバックライト点灯回路では、PWM制御部からのPWM信号に基づいて、電源電圧供給回路が入力電圧を断続的に供給することによりバックライトを調光する。PWM制御部が出力するPWM信号はオン期間における立ち上がりから一定の期間に、該PWM信号よりオン期間が短く、且つデューティ比が序々に増加する矩形信号が重畳された波形である。これにより、入力電圧を穏やかに立ち上げることでトランスに発生するピーク電流を抑制することができ、唸り音を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
液晶テレビジョンのブロック構成図である。 一例としてのバックライト点灯回路を示す図である。 一例としてのPWM信号とトランスに流れる高周波電流を示す図である。 一例としてのPWM制御部を示す図である。 一例としてのPWM信号と重畳信号とを示す図である。 従来のバックライト点灯回路を示す図である。 従来のPWM信号とトランスに流れる高周波電流を示す図である。
符号の説明
10…バックライト点灯回路、11…電源電圧供給回路、11a…平滑回路、12…PWM制御部、12a…PWM信号生成部、12b…パルス波形生成部、12c…重畳部、12c1…AND回路、12c2…OR回路、13…インバータ回路、20…バックライト、30…バックライトユニット、100…液晶テレビジョン、C1…共振コンデンサ、C2…平滑回路、Lin…入力コイル、Q1,Q2,Q3…トランジスタ、R1,R2,R3…バイアス抵抗、Vin…直流電源、W…トランス、W1…一次巻線、W2…二次側巻線、WF…帰還巻線

Claims (5)

  1. バックライトに高周波電流を供給するトランスと、
    直流電源からの直流電力を高周波交流電力に変換して前記トランスに印加するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を駆動するための入力電圧の供給を断続的にオン・オフして、前記バックライトの調光を制御するスイッチング手段と、
    前記スイッチング手段のオン・オフを制御するPWM信号を供給する調光制御手段とを有するバックライト点灯回路において、
    前記調光制御手段は、
    前記PWM信号のオン期間における立ち上がりから一定の期間に、該PWM信号よりオン期間が短い、複数の矩形信号を重畳して前記スイッチング手段に出力し、
    出力されたPWM信号により断続的に供給された前記入力電圧を平滑化する平滑化手段を有することを特徴とするバックライト点灯回路。
  2. 前記PWM信号は、オン期間の4分の1から5分の1の期間に前記矩形信号が重畳されることを特徴とする請求項1に記載のバックライト点灯回路。
  3. 前記平滑化手段は、前記インバータ回路に入力電圧を供給する入力コイルと前記断続的に供給される入力電圧を充電する電界コンデンサにより構成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のバックライト点灯回路。
  4. 前記スイッチング手段は、トランジスタであって、
    前記トランジスタから出力された入力電圧の立ち上がり波形を鈍らせる電界コンデンサを有し、
    前記調光制御手段は、オン期間の4分の1から5分の1の期間にデューティ比が徐徐に増加するよう前記矩形信号が重畳されたPWM信号を出力するマイクロコンピュータであって、
    本バックライト点灯回路は、液晶テレビジョンの表示パネルを背面から照らすバックライトを駆動させることを特徴とする請求項1に記載のバックライト点灯回路。
  5. バックライトに高周波電流を供給するトランスと、
    直流電源からの直流電力を高周波交流電力に変換して前記トランスに印加するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を駆動するための入力電圧の供給を断続的にオン・オフして、前記バックライトの調光を制御するスイッチング手段と、
    前記スイッチング手段のオン・オフを制御するPWM信号を供給する調光制御手段とを有するバックライト点灯回路において、
    前記調光制御手段は、
    前記PWM信号のオン期間における立ち上がりから一定の期間の波形が、該PWM信号よりオン期間が短く、且つデューティ比が序々に増加する矩形信号であることを特徴とするバックライト点灯回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011155668A1 (en) * 2010-06-07 2011-12-15 Lg Electronics Inc Apparatus and method for controlling back light
JP2012095518A (ja) * 2010-06-28 2012-05-17 Rohm Co Ltd 負荷駆動回路ならびにそれを用いた発光装置およびディスプレイ装置

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