JP5147543B2 - ポリアミドフイルム - Google Patents

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Description

本発明は、如何なる湿度条件でもフイルムの滑り性をほぼ一定に保ち、且つ印刷適性にも
優れ、ラミ製袋後長期間保管しても吸湿による袋同士の密着が無い二軸延伸ポリアミドフ
イルムに関するものである。
ポリアミドフイルムは吸湿により、滑り性が悪くなり、表基材として使用する際、湿度の影
響により機械走行性・条件が変わり、湿度による影響が少ないナイロンフイルムが望まれ
ていた。一方、滑り性が良すぎると、印刷時に見当ズレが発生し易く、好ましくない。
二軸延伸ポリアミドフイルムは、ガスバリア性、強靱性、耐ピンホール性、耐熱性等の諸
特性が優れているために、包装用フイルム、特に食品包装用分野を中心に、ポリエチレン
等とのラミネートフイルムの基材として使用されている。近年、特にレトルト食品包装用
フイルムとしての需要が増加している。
しかしながら、ポリアミドフイルムは吸湿性が大きいことより、吸湿によるフイルム特性
の変化が発現する。例えば、吸湿によりフイルムの滑り性、引っ張り強度、及び剛性の低
下が認められる。吸湿はポリアミドフイルムの非晶領域で発生するため、フイルムの結晶
化度を上げるようにフイルム製造条件、すなわち延伸前のベースフイルム成形条件、延伸
条件、熱処理条件等の条件を選択することによって改善は認められるものの、製造条件だ
けでは限界がある。
一方、ポリアミドフイルムは吸湿により耐ピンホール性、耐衝撃強度が向上するように、
その特性により、水物あるいは液体包装用にも使用されているが、ポリアミドフイルムの
吸湿による滑り性の悪化は、印刷、ラミ、製袋を行った後、表基材がポリアミドフイルム
の場合、自動包装の際、吸湿による滑りの変化が走行性の不均一を引き起こし問題が発生
する。また、ラミ製袋品を長期保管、特に湿度の高い夏場に保管後、表面のポリアミドフ
イルムが吸湿して袋同士が密着気味となり、自動給袋方式充填機では二枚取りトラブルが
発生する。このことより、滑り性に対する吸湿の影響が少ないポリアミドフイルムが強く
望まれることとなる。
従来の技術では、ポリアミドフイルムの滑り性を改善させるためには、無機微粒子(例え
ば、シリカ、カオリン、タルク等)をポリアミド樹脂に直接配合することが一般的であり
、その配合量を増やすことあるいは粒径を調整することにより、滑り性を向上させること
ができる。しかし、これらの配合量を増やすことによって、滑り性は向上するものの、フ
イルムの透明性を大きく低下させるとともにダイリップに発生する樹脂熱劣化物、いわゆ
る目ヤニが発生し易くなる傾向がある。また、このような方法でも吸湿による滑り性の変
化は制御出来ない。また、ポリアミド樹脂にワックス類を配合する方法もあるが、滑り性
向上には効果が認められるが、印刷インキ接着性/ラミ強度/印字適性に悪影響が出てく
る。更に、印刷適性を考えた場合、滑り性の良すぎるフイルムはしばしば、印刷工程に於
いて見当ズレを引き起こし、この方法が良いとは云いがたい。
特許文献1においては高湿度条件を65%RHとしており、50%RHと滑り性の比較を
している。通常、印刷時65%RH以上になることが多く、滑り性は80%RHを超える
と顕著に悪くなる。よって65%RHでの滑り性が50%RHと比較し変化が少なくとも
90%RHとの差が小さいとは言えない。
一方、特許文献2では65%RHと90%RHでの比較を行っており、高湿度下での滑り
性が向上している。しかし、65%RHでの滑り性が0.2〜0.32であるため、50
%RH条件下では更に滑り性が良くなると考えられる。
また、ここでの滑り性は静摩擦であり、実際上、自動給袋の2枚取りトラブルを想定する
場合は静摩擦が重要であるが、印刷機その他、機械での特性を確認する場合は動摩擦係数
が一般である。 動摩擦は静摩擦よりやや小さくなる事が多い事も鑑みると50%RH条
件下での動摩擦係数は 0.30より小さくなると考えられる。
2軸延伸ナイロンフイルムを食品包材として印刷する場合、グラビア印刷が施される事が
多いが、その際、フイルムの滑り性が非常に重要となる。滑り性が0.3より小さくなる
様な良好な滑り性を持つフイルムは、印刷時 見当ズレつまり色間の図柄がずれてしまう
現象が発現しやすくなり、滑り性に関しては単に摩擦係数を小さくすれば良いと云うもの
ではない。そこで、印刷適正に優れた静摩擦係数、動摩擦係数であり、しかも高湿度下に
おいても摩擦係数の変化の小さいフイルムが望まれていた。
特開平09−248886 特開2006−123465
本発明は、食品包装用、特に水物等の包装に好適で、フイルムの滑り性に関し、湿度の影
響がほとんど無く且つ印刷適正にも優れる 二軸延伸ポリアミドフイルムを提供すること
を課題とし、本発明は50%RH〜90%RHの範囲の如何なる条件に於いても、静摩擦
係数、動摩擦係数 共に0.3〜0.6の範囲に入り、かつ湿度による摩擦係数の変化の小さいフイルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、滑り性に影響するいわゆる滑り剤であるABA(球状微粒子)及びスリップ剤のみならず適切なコート層の選定、つまり樹脂の種類及びその硬さについて種々検討を行い。硬い樹脂にABAとスリップ剤を配合することにより目的を達成した。つまり、ポリアミドフイルムを基材として、表層にアクリル系化合物をコートし、又そのコート層に滑り成分として、天然有機系ワックス剤及び有機系の微粒子を適切量添加することにより、滑り性をある程度確保し、印刷適正が良いフイルムであると同時に、コート層自体はアクリル系であるため、湿度の影響を殆ど受けず、そのコート層が最終的に製袋された際、最外層にくることにより、ピロー包装などの液体充填時、湿度の影響が少ないポリアミドフイルムを供給することにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
(1)コート剤として主剤樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び球状微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸間又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸し、二軸延伸後のコート面どうしの23℃×50%RH、23℃×90%RHにおける静摩擦係数、動摩擦係数ともに0.3〜0.6であり、且つ23℃×50%RH及び23℃×90%RHにおける静摩擦係数及び動摩擦係数の変化がそれぞれ0.1以下であり、湿度による変化の小さいことを特徴とする二軸延伸ポリアミドフイルム、
(2)スリップ剤が主剤樹脂100重量部に対して2.0〜6.0重量部、球状微粒子
主剤樹脂100重量部に対して5.0〜12.0重量部の配合量である(1)記載の軸延伸ポリアミドフイルム、
を提供する。
本発明の二軸延伸ポリアミドフイルムは、透明性を犠牲にすることなく、常態と高湿下の
滑り性の差がほとんど無く、またその滑り性も印刷に適切な滑り性を有し、基材としてナ
イロンフイルムを使用する際、印刷、ラミネート、製袋の何れの加工段階にも良い適正を
示し、特に湿度の高い環境である液体充填の分野での展開が実用上極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
コート層に用いる主剤樹脂はガラス転移点温度(以下、Tg)40℃以上樹脂である。好
ましくは90%RHでTg40℃以上であれば尚良い。Tgが40℃以下では常温、常湿
での滑り性に影響がある。使用する主剤樹脂はアクリル系樹脂が最も好ましいが、エステ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂であっても可能である。
コート層に添加する滑り成分はスリップ剤(ワックス)とABA(球状微粒子)の両成分
の混合で適切な滑り性を発現させる。
スリップ剤は融点100℃以下、好ましくは90℃以下の長鎖アルキル基を有する化合物
である。カルナバワックス(融点80〜90℃)が特に効果があるが、その他の天然ワッ
クス、石油ワックスでも代替可能である。
スリップ剤の配合量は主剤100重量部(硬化剤を配合する場合は主剤樹脂と硬化剤を合計した100重量部)に対して2.0〜6.0重量部である。配合量が多すぎると高湿度下での滑り性が悪化し、賞味期限等の印字に悪影響を与える。配合量が少ないと滑り性が低下する。
コート層に添加する不活性微粒子は有機系、無機系何れでも良く、シリカ、カオリン、タ
ルク、炭酸カルシウム、PMMA その他有機系微粒子を例示出来る。細孔容積も殆ど影
響しない。ただし、球状が好ましく50〜500nmの範囲が適切であり粒径が50nm
以下であると滑り性を発現出来ず、また500nm以上であると製品化の段階の前で既に
脱落し性能が低下してしまう。
不活性微粒子の配合量は主剤100重量部(硬化剤を配合する場合は主剤樹脂と硬化剤を合計した100重量部)に対して5.0〜12.0重量部である。配合量が少ないと滑り性が低下する。配合量を必要以上に増やしても滑り性の改善に影
響はない。
必要に応じてコート層に硬化剤を配合することもできる。硬化剤としてはエポキシ化合物
、ポリイソシアネート化合物、ポリオキサゾリン化合物等がある。一般に硬化剤硬化型の
接着剤は硬化剤により 硬化剤との混合によって重合、縮合、架橋の化学反応を起こし固
化する。硬化後、網状高分子になり強度、耐熱性が向上する。
本願において主剤とは硬化剤を配合するする場合は、主剤樹脂と硬化剤の混合、硬化剤を配合しない場合は、主剤樹脂のみを指す。
コート剤の塗工に関しては基材であるポリアミドフイルムに延伸前に塗工しても一軸延伸
後に塗工しても同様の目的を達成することが出来る。コート層の塗布量は0.02g/m
〜0.05g/mの範囲が適切であり、塗布量が多すぎると、滑り性が悪くなる。
本発明で用いられるポリアミドフイルムを形成するポリアミド樹脂は、分子中に酸アミド
結合を有するものであり、脂肪族系ポリアミド樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂あるいはこ
れらの混合物のいずれでもよい。本発明の基材である二軸延伸ポリアミドフイルムは、上
記ポリアミド樹脂組成物を縦横方向共に1.5倍以上延伸したものである。ポリアミドフ
イルムは、印刷時の半調性向上及びラミ接着性向上のため、一般的に片面にコロナ処理が
行われている。コロナ処理面はシーラントフィルムと貼り合わせるため、ラミネート後は
コロナ面とは逆のポリアミドフイルム面の表層の性能が重要となる。本発明ではこの面に
塗工している。
本発明の基材である二軸延伸ポリアミドフイルムは、例えば、チューブラー法、テンター法等の公知の方法により製造することができる。また、ポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐電防止剤、透明改良剤などを配合できる。
本発明のフイルムは50%RH及び90%RHの条件化における静摩擦係数、動摩係数ともに、0.3〜0.6である。静摩擦係数はフイルムが滑り始めるときの摩擦係数であり、動摩擦係数はフイルムが滑り始めてからの摩擦係数を示す。摩擦係数が0.3以下のフイルムは、印刷時 見当ずれ(色間の図柄がずれてしまう現象)が発現しやすくなり好ましくない。
本発明は50%RH〜90%RHの範囲の如何なる条件に於いても、静摩擦係数、動摩擦係数共に変化の小さいフイルムである。50%RH時の静摩擦係数、動摩擦係数と90%RH時の静摩擦係数、動摩擦係数の変化は、0.1以下が好ましいが、さらに好ましくは0.7以下である。
以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例に於けるフイルム特性の測定法は以下の通りである。
(1)透明性
JIS K 7105に準じてフイルムの曇価(ヘーズ)を測定した。
(2)滑り性
ASTM D 1894によりコート面同士、或いは コート層を持たないフイルムに関してはコロナ処理を施さない面同士の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
(3)高湿下の滑り性
温度を23℃、相対湿度を90%とした以外は、ASTM
D1894に準じて静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
(4)高温下の滑り性
ASTM D 1894で規定された図1ー(d)に相当する測定器を用い、移動テーブルを加温することが出来る機能を付加して使用した。23℃、50%RHの環境下に測定器を設置し、移動テーブルの温度を100℃に昇温した後測定を行う。
試料(フイルム)をMD95mm×TD45mmにカットしスレッドに貼り付ける。23℃±2℃、50±5%RHの環境下に測定器を設置し、移動テーブルの温度を100℃±1℃に昇温した後、以下の条件下で、測定を行う。
スレッド:100g
ヘッドスピード:150mm/min
チャートスピード:200mm/min
測定後、ASTM D 1894に準じて算出する。
(5)粘着テープ剥離:得られたフイルムのコート面に粘着テープ(ニチバン製)を貼り付けた後、急激に剥離し塗膜の欠落が無いものを○とした。
滑り性の評価試験
コート樹脂のABA及びスリップ剤配合比率検討
アクリル樹脂(中央理化工業製 リカボンドSA−513)の乾燥100重量部に硬化剤エポキシ系(ナガセケムテックス製 デナコールEX−521)10重量部の配合割合である樹脂に、ABAとして有機系のPMMA(日本触媒製 エポスターMX100W)の固形分を対樹脂重量比 3.0%〜15.0% の種々の添加量で滑り性を確認し、スリップ剤としてカルナバワックス(中京油脂製トラソルCN)を対樹脂、固形分重量比0.2%〜6.0% の間で種々滑り性を確認した。スリップ剤添加量を固形分重量比3.0%に固定し、ABAを固形分重量比3.0%〜15.0%迄 変化させ滑り性の確認を23℃50%RHの条件下及び23℃90%RHの条件下で確認した。
実施例1、2
相対粘度3.5の6ナイロン樹脂をリングダイより溶融押出し、内外水冷マンドレルで冷却して厚さ135μmのチューブ状フイルムを得た。チューブ状フイルムの外面に、中央理化工業製(株)製の水溶性アクリル樹脂”SA−513”(Tg60℃)にナガセケムテック(株)製の水溶性ポリエポキシ化合物”デナコール”EX−521(ポリグリセロールポリグリシジルエーテル)及び、日本触媒(株)製のポリメタクリル酸系球状微粒子”エポスターMX100W”(平均粒径150〜200nm)及び、中京油脂(株)製のカルナウバワックスエマルジョン”トラソルCN”を固形分重量比70/30/6/3(実施例1)、70/30/6/1.5(実施例2)で配合し水で希釈して調製した水性塗工剤をディップコーターで延伸後の塗工量が0.01、0.02g/mとなるようにインラインで塗工し乾燥した。該チューブフイルムを低速ニップロールと高速ニップロールの速度差及びその間に存在する空気圧によりMDとTDに同時に二軸延伸した。その後チューブを折り畳んで両端部で2枚に切り開き、テンターオーブンにて205℃で10秒間熱処理し、厚さ15μmのフイルムを得、その両耳を切除して平面フイルムとし、2本のロールに巻き取った。
実施例3
コート液の組成のうち水溶性アクリル樹脂を中央理化工業製(株)”SA−95”(Tg90℃)に変更した以外は実施例1と同様の処理で積層フイルムを得た。
実施例4
実施例1の水溶性ポリエポキシ化合物(硬化剤)を配合しない配合物を塗工し積層フイルムを得た。
比較例1、2
日本触媒(株)製のポリメタクリル酸系球状微粒子”エポスターMX100W”(平均粒径
150〜200nm)及び、中京油脂(株)製のカルナウバワックスエマルジョン”トラ
ソルCN”の固形分比を種々変更した以外は実施例1と同様の処理で積層フイルムを得た
比較例3
コート液の組成のうちスリップ剤であるカルナバワックスをポリオレフィンワックス 中
京油脂製 ポリロンL−788(融点105℃)に変更し、配合比を変更した以外は実施例1と同様の処理で積層フイルムを得た。
得られたフイルムの滑り性を評価した。表1の結果に示した様にABAとSAの配合比に
は最適点があり、実施例1の比率が湿度による摩擦係数の変化が小さく最も良い。
また、アクリル樹脂を変更しても実施例1と同様の性能を有することが確認出来た。さら
に、硬化剤である水溶性ポリエポキシ樹脂を添加しない処方でも、滑り性の性能に差はな
く、粘着テープ剥離試験においても十分に実用に耐えることを確認出来た。
Figure 0005147543
ABAは固形分重量比5.0%〜8.0%の添加量の場合が静摩擦係数、動摩擦係数共に
滑り性に関し湿度影響が少ない事が判り、又、その滑り性が0.30〜0.60であった。
食品包装用のポリアミドフイルムの印刷に関しては、グラビア印刷が多く行われる。印刷適正として、幅方向(TD方向)の図柄のズレを横見当ズレ、流れ方向(縦方向:MD方向)でのズレを縦ピッチズレと呼び、印刷機の条件の他にフイルムそのものの特性も影響する。例えば、ヤング率(モジュラス)、滑り性、吸湿性 等の特性が挙げられる。
本実施例では、印刷適正つまり印刷時の見当ズレ発生に関しても申し分の無い範囲に纏まったことが判っ
た。
比較例4〜6
相対粘度3.5の6ナイロン樹脂をリングダイより溶融押出し、内外水冷マンドレルで冷
却して厚さ135μmのチューブ状フイルムを得た。該チューブフイルムを低速ニップロ
ールと高速ニップロールの速度差及びその間に存在する空気圧によりMDとTDに同時に
二軸延伸した。その後チューブを折り畳んで両端部で2枚に切り開き、テンターオーブン
にて210℃で10秒間熱処理し、厚さ15μmのフイルムを得、その両耳を切除して、
2本のロールに巻き取った。
6ナイロン樹脂には以下のABAを配合している。水澤化学製 ゼオライトJC-10(平均
粒径1.5ミクロン)及びJC-20(平均粒径2.2ミクロン)を6ナイロン樹脂への
分散性向上の目的でシランカップリング剤である3-アミノプロピルシランで表面処理し
た後、重量比65/35で配合しナイロン樹脂に対し重量比800ppm(比較例1)、
700ppm(比較例2)、及び600ppm(比較例3)となるように調製した。
比較例7
上記ABAを水澤化学製ミズカシルP-527(平均粒径1.5ミクロン)及びミズカシルP
-707(平均粒径2.0ミクロン)に変更し、上記と同様、アミノプロピルシランで表
面処理し重量比で80/20の割合で配合しナイロン樹脂に対し重量比1400ppmと
なるよう調製した以外は比較例1と同様にポリアミドフイルムを得た。
これらフイルムの滑りを常態23℃50%RH環境下及び高湿下23℃90%RHの
条件で滑りを測定した。表2のように未塗工フイルムの滑り性は高湿下での滑り性が悪く
、常態と高湿下での滑り性の差が大きいものであった。また、ABAを不定形シリカに変
更した処方でもフイルムの滑り性は高湿下での滑り性が悪く、常態と高湿下での滑り性の
差が大きいものであった。
Figure 0005147543

Claims (2)

  1. コート剤として主剤樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び球状微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸間又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸し、二軸延伸後のコート面どうしの23℃×50%RH、23℃×90%RHにおける静摩擦係数、動摩擦係数ともに0.3〜0.6であり、且つ23℃×50%RH及び23℃×90%RHにおける静摩擦係数及び動摩擦係数の変化がそれぞれ0.1以下であり、湿度による変化の小さいことを特徴とする二軸延伸ポリアミドフイルム。
  2. スリップ剤が主剤100重量部に対して2.0〜6.0重量部、球状微粒子が主剤樹脂100重量部に対して5.0〜12.0重量部の配合量である請求項1記載の二軸延伸ポリアミドフイルム。
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