JP7482606B2 - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層フィルムの製造方法に関する。
例えば包装用フィルムとして、様々な積層フィルムが知られている。
一例として、特許文献1には、片面に塩化ビニリデン系共重合体層を有する二枚の二軸延伸プラスチックフィルムを、塩化ビニリデン系共重合体層の面同士を重ね合わせて熱圧着した積層フィルムが記載されている(二枚のフィルムの接着強度は10~50gf/15mm)。特許文献1には、この積層フィルムは、磨耗や突き刺しに対して強く(ピンホールが発生しにくく)、また、ガスバリア性に優れると記載されている。
別の例として、特許文献2には、熱可塑性樹脂にて構成された基材層の少なくとも一方の面上に、無機層状化合物および水溶性高分子を含む分散液を塗布して形成されたガスバリア層と、カチオン性樹脂と水酸基を有する樹脂とを含むオーバーコート層と、接着剤層と、シーラント層とが順次積層された多層フィルムが記載されている。特許文献2には、この多層フィルムは、ヒートシール性およびガスバリア性に優れると記載されている。
さらに別の例として、特許文献3には、基材層と、無機物層と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層とをこの順に備えるバリア性フィルムが記載されている。このバリア性フィルムのポリ塩化ビニリデン系樹脂層の赤外線吸収スペクトルを測定したとき、1070cm-1の近傍の波数における吸収ピーク高さA(1070)に対する1046cm-1の近傍の波数における吸収ピーク高さA(1046)のピーク比(A(1046)/A(1070))は、1.3以下である。特許文献3には、このバリア性フィルムは、耐ブロッキング性に優れると記載されている。
特開平10-337825公報 特開2009-241359号公報 特開2017-114079号公報
本発明者らは、ポリエチレンを含む基材層の一方の面側に、塗布液を塗布し、乾燥させて積層フィルムを製造することを試みた。特に近年は環境対応の観点などから水系の塗布液の使用が求められているため、水を含む塗布液を用いて積層フィルムを製造することを試みた。この試みにおいて、塗布条件については従来の知見に基づき設定した。例えば、塗布液を塗布した後の乾燥の条件については、塗布液が水を含有する場合には、110~130℃で乾燥させることが一般に行われていた(生産効率の観点で水を速やかに蒸発させる必要があるため)ため、この乾燥条件での積層フィルムの製造を試みた。
しかし、塗布液の塗布状態や乾燥温度等の乾燥条件によっては、良好な品質の積層フィルムを得ることができないことがあった。例えば、従来のように110~130℃の条件で乾燥させた場合、コーティング層にクラック等が発生することがあった。
本発明は、クラック等が生じず、良好な品質の積層フィルムを得ることができる積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
1.
ポリエチレンを含む基材層と、前記基材層の一方の面側に、直接またはアンカーコート層を介して設けられた、樹脂を含むコーティング層と、を備える積層フィルムの製造方法であって、
少なくとも樹脂と水とを含む塗布液を、前記基材層の前記一方の面側に塗布する塗布工程と、
塗布された前記塗布液を、60~100℃の雰囲気下で加熱する乾燥工程と、
を含む、積層フィルムの製造方法。
2.
1.に記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記樹脂は、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびポリ塩化ビニリデンからなる群より選ばれる1種以上を含む、積層フィルムの製造方法。
3.
1.または2.に記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記塗布液は界面活性剤を含み、
前記塗布液の不揮発成分中の前記界面活性剤の割合は0.8~7.5質量%である、積層フィルムの製造方法。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記塗布液はさらにアルコール溶剤を含む、積層フィルムの製造方法。
5.
4.に記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記アルコール溶剤は炭素数1~4のアルコールを含む、積層フィルムの製造方法。
6.
4.または5.に記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記アルコール溶剤は2-プロパノールを含む、積層フィルムの製造方法。
7.
4.~6.のいずれか1つに記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記塗布液の揮発成分中の前記アルコール溶剤の比率は10~50質量%である、積層フィルムの製造方法。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記基材層のガラス転移温度は-130~-120℃である、積層フィルムの製造方法。
9.
1.~8.のいずれか1つに記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記塗布工程における前記塗布液の塗工量は、不揮発分換算で0.3~4.5g/mである、積層フィルムの製造方法。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記乾燥工程の時間は5~120秒である、積層フィルムの製造方法。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の積層フィルムの製造方法であって、
前記アンカーコート層は、ウレタン樹脂および/または(メタ)アクリル樹脂を含む、積層フィルムの製造方法。
本発明によれば、クラック等が生じず、良好な品質の積層フィルムを得ることができる積層フィルムの製造方法が提供される。
「合掌袋」の製造方法を説明するための図である。 図1のαの部分を、同図中に示された矢印の方向から見たときの状態を模式的に表した図である(合掌袋が単層フィルムで構成されている場合)。 図1のαの部分を、同図中に示された矢印の方向から見たときの状態を模式的に表した図である(合掌袋が二層構成のフィルムで構成されている場合)。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
<積層フィルムの製造方法>
本実施形態の積層フィルムの製造方法は、ポリエチレンを含む基材層と、その基材層の一方の面側に、直接またはアンカーコート層を介して設けられた、樹脂を含むコーティング層と、を備える積層フィルムの製造方法に関する。
本実施形態の積層フィルムの製造方法は、
・少なくとも樹脂と水とを含む塗布液を、基材層の一方の面側に塗布する塗布工程と、
・塗布された上記塗布液を、60~100℃の雰囲気下で加熱する乾燥工程と、
を含む。
以下では、ポリエチレンを含む基材層を単に「基材層」とも、樹脂を含むコーティング層を単に「コーティング層」とも表記する。
前述のように、基材層の一方の面側に、樹脂と水とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて積層フィルムを製造する場合、塗布条件によっては、良好な品質の積層フィルムを得ることができない場合があった。
この原因として、特に、ポリエチレンは熱に弱い(他の樹脂に比べてガラス転移温度や融点が低い)ことが考えられた。より具体的には、塗布された塗布液を乾燥させる際の加熱により、基材層が収縮するなどして、積層フィルムの品質が低下してしまうものと考えられた。
そこで、本実施形態では、60~100℃の雰囲気下において、塗布された塗布液中の揮発成分(水など)を蒸発させることにより乾燥させることにした。
塗布液は水を含むため、製造効率の点では加熱温度は110℃かそれ以上であることが好ましい。しかし、本実施形態では、敢えて低温で乾燥させることにした。
これにより、基材層の熱収縮や、急激な揮発成分の蒸発に起因するコーティング層のクラック等を抑えることができ、積層フィルムの品質低下が抑えられたと考えられる。
以下、積層フィルムの製造方法の各工程に関してより具体的に説明する。また、基材層、コーティング層、アンカーコート層などに関しても説明する。
(塗布工程)
塗布工程では、少なくとも樹脂と水とを含む塗布液を、基材層の一方の面側に塗布する。
基材層の一方の面側には、(i)他の層は何も設けられていないか、または、(ii)アンカーコート層が設けられている。
念のため述べておくと、基材層の一方の面側には、何らかの表面処理が施されていてもよい。例えば、コロナ処理(コロナ放電による表面改質)が施されていてもよい。コロナ処理等の適切な表面処理におり、塗布均一性が高まったり、コーティング層-基材層の間の接着力が高まったりする傾向がある。
基材層の具体的態様や、塗布液の具体的態様などについては後述する。
塗布の具体的方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーター、メイヤーバーコーター等の公知の装置を用いる方法が挙げられる。
塗布液の塗工量は特に限定されない。目的に応じて適宜調整すればよい。
一例として、塗布液の塗工量は、不揮発分換算で、好ましくは0.3~4.5g/m、より好ましくは0.3~4.0g/m、さらに好ましくは0.3~3.0g/m、さらに好ましくは0.3~2.5g/m、さらにより好ましくは0.3~2.0g/m、最も好ましくは0.4~1.8g/mである。
別観点として、乾燥後のコーティング層の厚みが、好ましくは0.3~4.5μm、より好ましくは0.3~2.0μm、さらに好ましくは0.4~1.8μm、特に好ましくは0.5~1.7μmとなるように塗工量は決定されてもよい。
特に、塗工量を上記範囲内とする/乾燥後のコーティング層の厚みを上記範囲内とすることで、製造される積層フィルムの耐ブロッキング性を向上させることができる。耐ブロッキング性向上の推定メカニズム等については後述する。
(乾燥工程)
乾燥工程では、塗布工程で、基材層の一方の面側に塗布された塗布液を、60~100℃、好ましくは65~100℃、より好ましくは65~90℃、さらに好ましくは65~80℃、特に好ましくは65~75℃の雰囲気下で加熱し、塗布液中の水(および、場合によっては有機溶剤なども)を揮発させる。
特に、塗布液がポリビニルアルコールを含む場合には、塗布液が乾燥する際に、徐々に揮発成分を蒸発させてコーティング層に発生するクラックを効果的に防止できる、75℃以下の温度条件で加熱乾燥させることが好ましい。
一例として、塗布液が塗布された基材層に対して60~100℃の熱風を当てることで、塗布液を乾燥させる。別の例として、塗布液が塗布された基材層を、60~100℃に制御された区画に通すことで塗布液を乾燥させる。
60~100℃の雰囲気下において、塗布された塗布液は、理論上は最大100℃まで加熱される。そして塗布液は乾燥し、コーティング層が形成される。一方、基材層は100℃より高温にはならないため、基材層の熱収縮を抑止することができる。同時に、塗布液が乾燥するときに徐々に揮発成分が蒸発することから、コーティング層に発生するクラックを効果的に抑えることができる。このような現象は、特に塗布液が一定以上不均一な状況下で発生することが多いため、60~100℃の雰囲気下で乾燥、硬化させることにより安定的に良好な品質のコーティング層を形成することができる。
乾燥工程の時間は、好ましくは5~120秒、より好ましくは5~90秒、さらに好ましくは8~60秒、特に好ましくは10~30秒である。乾燥工程の時間が5秒以上であることで、揮発成分の残存を少なくすることができる。乾燥工程の時間が120秒以下であることで、生産性の向上を図ることができる。
「乾燥工程の時間」とは、基材層の一方の面側に塗布された塗布液が、60~100℃の雰囲気に晒されている時間のことを意味する。
(塗布工程と乾燥工程に関する補足)
生産性の観点からは、塗布工程と乾燥工程は、連続的に行われることが好ましい。具体的には、塗布工程と乾燥工程は、ポリエチレン含有フィルムを略一定の速度で走行させながら連続的に行われることが好ましい。別の言い方として、ポリエチレン含有フィルムを連続的に巻き出しおよび巻き取りしながら略一定の速度で搬送させ、その間に塗布工程と乾燥工程を行うことが好ましい。
もちろん、塗布および乾燥が適切に行われる限り、塗布工程と乾燥工程との間で、ポリエチレン含有フィルムが一時的に停止しても、生産性以外では特段の問題はない。
(その他工程)
本実施形態の積層フィルムの製造方法は、上記以外の工程を含んでもよい。
例えば、乾燥工程後に、積層フィルムをエージングさせるエージング工程を行ってもよい。エージング条件は、例えば、エージング処理の温度は、好ましくは30~80℃、より好ましくは30~60℃、さらに好ましくは30~50℃である。
エージング処理の時間は温度条件によっても異なるが、好ましくは6~168時間、より好ましくは12~120時間、さらに好ましくは12~96時間、特に好ましくは12~72時間である。
(基材層)
・基材層の素材等
基材層は、1種または2種以上のポリエチレンを含む。
ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、低密度ポリエチレン等のいずれであってもよい。これらの中でも、コスト、包装用途への適用性、ヒートシール性の観点などから、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)が好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)は、通常、エチレンと、若干量のα-オレフィンとの共重合体である。α-オレフィンの種類は特に限定されない。典型的なα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-1、1-オクテンなどを挙げることができる。
耐熱性、透明性、機械的特性、剛性等の各種性能のバランスをより一層良好にする観点から、ポリエチレンの密度は、900~965kg/mが好ましく、900~940kg/mがより好ましい。ポリエチレンの密度はJIS K 7112(1999)に準じて測定することができる。
流動性や成形性の観点から、ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは1g/10分以上、さらに好ましくは2g/10分以上である。また、成形性をより安定化させる観点から、MFRは、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下である。MFRは、ASTMD1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定される。
基材層は、各種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤、などを挙げることができる。
基材層は、延伸フィルムにより構成されていても、無延伸フィルムにより構成されていても、延伸フィルムおよび無延伸フィルムの双方により構成されていてもよい。フィルムの機械的強度を高める点では、基材層は延伸フィルムから構成されていることが好ましく、そのなかでも二軸延伸フィルムから構成されていることがより好ましい。一方、ヒートシール強度を高める点では、基材層のコーティング層とは反対面は無延伸フィルムから構成されていることが好ましい。
一態様として、基材層は、2以上の層が積層された積層体であってもよい。
基材層が積層体である場合、基材層は、2種以上の異なるポリエチレン樹脂含んでいてもよいし、各層は互いに異なるポリエチレン樹脂の組成を有していてもよい。
積層体である基材層はどのような方法で製造されてもよい。例えば、接着剤で貼り合わせるドライラミネート法、接着剤を用いず押出加工等の製膜時に貼り合わせる方法、これらの併用、などにより製造される。
基材層を構成するポリエチレン含有フィルムは、例えば、三井化学東セロ株式会社などから入手することができる。
・基材層の厚み
基材層の厚みは、好ましくは10~150μm、より好ましくは15~80μm、さらに好ましくは30~60μmである。基材層の厚みを10μm以上とすることで、積層フィルムの機械的強度を高めることなどができる。基材層の厚みを150μm以下とすることで、積層フィルムの取り扱い性、製袋適性、軽量性等を高めることができる。
・基材層の物性、性状など
基材層の表面の静摩擦係数μは、好ましくは0.08~2.50、より好ましくは0.09~2.00、さらに好ましくは0.10~1.50、特に好ましくは0.10~1.30、とりわけ好ましくは0.10~0.60、最も好ましくは0.10~0.35である。静摩擦係数が適切な値であることにより、薄くて均一なコーティング層を形成しやすいというメリットが期待できる。また、静摩擦係数が適切な値であることで、フィルムの取り扱い性を高めることができるというメリットも期待できる。
基材層の片面が表面処理(例えばコロナ処理)されている場合、静摩擦係数の測定は、非処理面同士、処理面同士、非処理面と処理面のいずれであってもよい。
特に、「薄くて均一なコーティング層を形成しやすい」というメリットの点では、基材層のコーティング層側の面同士の静摩擦係数μが、上記μで説明した数値範囲にあることが好ましい。μは、より好ましくは0.10~0.80、さらに好ましくは0.12~0.75、特に好ましくは0.14~0.68である。
基材層の静摩擦係数は、例えば、(i)コーティング層またはアンカーコート層が設けられる前の基材層(ポリエチレン含有フィルム)に対して表面処理を施したり、(ii)基材層(ポリエチレン含有フィルム)中の各種添加剤の種類や量を調整したりすることで、調整することができる。
(i)の具体例としては、コロナ放電照射による表面改質(コロナ処理)等を挙げることができる。
(ii)の具体例としては、基材層に含まれるスリップ剤の量や種類を調整すること等を挙げることができる。
静摩擦係数の測定は、例えば、後述の実施例のようにして行うことができる。
基材層の、コーティング層の側の面の、三次元表面測定により得られる十点平均粗さSRzは、好ましくは1.8μm以上、より好ましくは1.8~3.5μm、さらに好ましくは1.9~3.2μmである。
また、同面の、三次元表面測定により得られるクルトシスSRkuは、好ましくは120~300である。
SRzやSRkuの測定方法については、追って説明する。
詳細は後述するが、コーティング層の表面粗さなどを適切に調整することで、積層フィルムの耐ブロッキング性を向上させることができる。基材層の表面粗さを調整することで、コーティング層の表面性状を適切に調整しやすい。
コーティング層が薄い場合には、基材層の表面粗さがコーティング層の表面粗さに反映されやすい。よって、例えば基材層の表面粗さを上記数値程度に調整することで、コーティング層の表面粗さを適切な値としやすい。
基材層の表面粗さは、その製造方法(ポリエチレン含有フィルムの製膜方法)、適切な添加剤の使用、適切な表面処理(コロナ処理等)により調整することができる。また、市販のポリエチレン含有フィルムから、適当な表面粗さを有するものを選択して基材層としてもよい。
(アンカーコート層)
基材層の、塗布液が塗布される面には、アンカーコート層が設けられていてもよい。別の言い方として、基材層の片面にコーティング層を形成する際、基材層の片面にあらかじめアンカーコート層を設けておいてもよい。
アンカーコート層の存在により、コーティング層と基材層の接着力を安定化することができる。また、特にコーティング層がポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびポリ塩化ビニリデンからなる群より選ばれる1種以上を含む場合には、酸素バリア性を向上させることができる。
アンカーコート層を形成するための材料としては、ウレタン樹脂や(メタ)アクリル樹脂等を含むアンカーコート剤が挙げられる。アンカーコート剤としては市販のものを適宜用いることができる。
アンカーコート層を設ける場合、その厚さは、不揮発分換算で、通常0.01~3g/m、好ましくは0.05~1g/m、より好ましくは0.05~0.5g/mである。
アンカーコート層は、アンカーコート剤を基材層の片面に塗布し、加熱することで形成することができる。加熱の温度は例えば100℃以下、好ましくは50~95℃、より好ましくは60~90℃である。
(塗布液)
塗布液は、少なくとも樹脂と水とを含む限り、特に限定されない。塗布液は、樹脂の分散液であってもよいし、樹脂の溶液であってもよい。樹脂は、水溶性樹脂であっても水分散性樹脂(水不溶性樹脂)であってもよい。
・塗布液中の樹脂
塗布液は、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびポリ塩化ビニリデンからなる群より選ばれる1種以上の樹脂を含むことが好ましい。
積層フィルムには、酸素バリア性が要求されることがある。これら樹脂は、酸素バリア性の向上の点で好ましい。
また、塗布液が、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の、ポリエチレンよりも熱に対して比較的強い樹脂を含むことで、基材層に比べて熱融解しにくいコーティング層を形成することができる。このことは、例えば後述する合掌袋等の製造適性の点で好ましい。
塗布液の不揮発成分中の樹脂の比率は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
塗布液がポリウレタンを含む場合、そのポリウレタンの種類は特に限定されない。ポリウレタンは、ポリオールに由来する構造単位とポリイソシアネートに由来する構造単位とを含むものであればよい。
ポリウレタンは、公知または市販の熱可塑性ポリウレタンであってもよい。そのようなポリウレタンとしては、アジペート・エステル系熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタン、ポリカプロラクトン系熱可塑性ポリウレタン等を挙げることができる。
塗布液がポリビニルアルコールを含む場合、そのポリビニルアルコールの種類は特に限定されない。
ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られる。酢酸基が数十%残存しているいわゆる部分ケン化ポリビニルアルコールや、酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化ポリビニルアルコールなども、使用可能なポリビニルアルコールに含まれる。
もちろん、ポリビニルアルコールの製法は特に限定されない。
ポリビニルアルコールは、モノマーとして酢酸ビニルのみを用いて重合された単独重合体であってもよいし、酢酸ビニル以外のモノマーに由来する構造単位を含む共重合体であってもよい。ポリビニルアルコールが共重合体である場合、共重合成分としては、(1)エチレン、プロピレン、1-ブテンなどのオレフィン類、(2)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸類、そのエステル、塩、無水物およびアミド、(3)(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(4)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、等が挙げられる。
ポリビニルアルコールは、例えば、クラレ社などから入手することができる。
塗布液がポリ塩化ビニリデンを含む場合、そのポリ塩化ビニリデンは、塩化ビニリデンモノマーに対応する構造単位を含むものである限り特に限定されない。ポリ塩化ビニリデンは、(i)塩化ビニリデンモノマーに由来する構造単位のみを含んでもよいし、(ii)塩化ビニリデンモノマーと、塩化ビニリデンと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
(ii)の共重合体としては、塩化ビニリデンモノマーに由来する構造単位の比率が60~99質量%であり、塩化ビニリデンと共重合可能なモノマーに由来する構造単位の比率が1~40質量%である共重合体を上げることができる。塩化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、塩化ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1~18)、無水マレイン酸、イタコン酸、イタコン酸アルキルエステル、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン等を挙げることができる。
ポリ塩化ビニリデンは、例えば、旭化成社などから入手することができる。
・水/有機溶剤(アルコール溶剤等)
一態様として、塗布液は、揮発成分として実質的に水のみを含む。
別の態様として、塗布液は、揮発成分として、水に加えて有機溶剤を含む。揮発成分として水と有機溶剤を併用することで、例えば塗布性の向上(塗布ムラやピンホール等の低減)を図ることができる。また、乾燥性の向上を図ることができる。さらに、塗布性や乾燥性の向上により、最終的な積層フィルムの各種性能を向上させることができる。
有機溶剤は、樹脂の種類等に応じて適宜選択すればよい。有機溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、2-プロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコール類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;これらの混合溶媒;等が挙げられる。
特に、有機溶剤としては、水および/または樹脂との相性の点から、アルコール溶剤が好ましい。アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール(イソプロピルアルコール)等の炭素数1~4のアルコールが好ましく、特に2-プロパノール(イソプロピルアルコール)が好ましい。その他、アルコールとしては、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコール等を挙げることもできる。
アルコール溶剤等の有機溶剤を用いる場合、塗布液の揮発成分中の有機溶剤の比率は、好ましくは10~50質量%、より好ましくは10~30質量%である。10質量%以上の有機溶剤(アルコール等)を用いることで、有機溶剤を用いることによる効果を十分に得やすい。有機溶剤(アルコール等)の使用量を50質量%以下にすることで、排出されるVOC量を十分に低くすることができる。
塗布液として市販品を利用してもよい。
例えば、ポリウレタンを含む塗布液として、三井化学株式会社の「タケネート」、「タケラック」、「MT-オレスター」(これらは全て登録商標)などのラインアップが挙げられる。これらラインアップの中には、水系のもの(水分散タイプのもの)もあれば、有機溶剤系のものもある。
また、ポリ塩化ビニリデンを含む水系の塗布液として、ポリ塩化ビニリデンの微粒子を含むラテックス(乳濁液)を挙げることができる。このラテックスの市販品として、旭化成社製のサランラテックスシリーズ等が挙げられる。
種々の目的のため、塗布液は各種の添加成分を含んでもよい。添加成分としては接着性樹脂、シランカップリング剤、界面活性剤などを挙げることができる。
特に、塗布ムラやピンホール等が抑えられた均一なコーティング層を形成するため、界面活性剤の量は適切に調整されることが好ましい。界面活性剤の量は、塗布液の不揮発成分全体中、好ましくは0.8~7.5質量%、より好ましくは1.25~7.0質量%、さらに好ましくは1.30~6.8質量%、特に好ましくは1.30~1.80質量%、最も好ましくは1.30~1.55質量%である。
換言すると、揮発性成分が揮発した後のコーティング層中には、好ましくは0.8~7.5質量%の界面活性剤が存在する。
ちなみに、塗布液が界面活性剤を含むことで、コーティング層の表面抵抗率は小さくなる。コーティング層の表面に存在する界面活性剤が空気中の水分を吸着するためである。よって、コーティング層の表面抵抗率を、層中の界面活性剤の含有量の指標とすることができる。
具体的には、コーティング層の表面抵抗率は、例えば1×1012~1×1015Ω、好ましくは1×1012~1×1014Ωである。
表面抵抗率は、例えば、JIS K 6911の規定に基づき測定される。
塗布液の不揮発成分濃度は、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~12質量%である。不揮発成分濃度を適切に調整することで、適切な厚みのコーティング層を形成しやすい。
(積層フィルムの用途など)
上記のような塗布工程と乾燥工程とを経ることで、ポリエチレンを含む基材層と、その基材層の一方の面側に、直接またはアンカーコート層を介して設けられた、樹脂を含むコーティング層と、を備える積層フィルムを製造することができる。
この積層フィルムは、例えば、包装用フィルムとして好適に用いられる。この積層フィルムが包装用フィルムとして好適な理由としては、(i)耐ブロッキング性、(ii)酸素バリア性、(iii)製袋適性、などが挙げられる。以下、これらについて簡単に説明する。
(i)耐ブロッキング性
コーティング層の存在により、基材層単層だけでは不足しがちな耐ブロッキング性を高めることができる。具体的には、フィルム同士を重ねたときやフィルムをロールに巻いたときなどに、フィルム同士の固着を抑えることができる。
耐ブロッキング性向上の点では、前述のように、コーティング層の厚み(乾燥後の厚み)は、好ましくは0.3~4.5μm、より好ましくは0.3~2.0μm、さらに好ましくは0.4~1.8μm、特に好ましくは0.5~1.7μmである。
意外にも、コーティング層が単に厚いよりも、コーティング層が薄すぎず厚すぎないことにより、耐ブロッキング性は一層向上する傾向がある。これは、例えばコーティング層の厚みと基材層が有する凹凸との絶妙なバランス等によるものと推測される。より具体的には以下のとおりである。
コーティング層が薄い場合、コーティング層は、基材層の表面の凹凸を「埋め切らず」、よってコーティング層の表面(基材層と反対側の面)の表面粗さは、基材層の表面の性状をある程度反映したものとなると考えられる。別の言い方として、コーティング層が適度に薄い場合、コーティング層は、基材層の表面の凹凸や粗さを「適度に残す」とも言える。
かつ/または、塗布液の塗布量が少ないと、塗布された塗布液が十分にレベリング即ち平坦化する前に揮発性成分が揮発してしまうため、形成されるコーティング層の表面が比較的粗くなりやすいとも考えられる。
ちなみに、本発明者らの知見として、塗布液の塗布量を多くするとコーティング層の表面粗さが小さくなりがちである。
要するに、コーティング層が適度に薄いことによって、コーティング層の表面(露出面)が適度に粗くなり、耐ブロッキング性が一層高まると考えられる。
ここで、コーティング層の表面(露出面)の「粗さ」を定量的に述べると、例えば以下のようになる。
コーティング層の露出面の、三次元表面測定により得られる十点平均粗さSRzは、0.50μm以上、好ましくは0.80μm以上、より好ましくは1.20μm以上、さらに好ましくは1.40μm以上である。SRzの上限は特にないが、現実的には、SRzは例えば3.2μm以下、好ましくは2.7μm以下である。
また、コーティング層の露出面の、三次元表面測定により得られるクルトシスSRkuは、好ましくは25以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上、特に好ましくは200以上、とりわけ好ましくは220以上、最も好ましくは240以上である。SRkuの上限は特にないが、現実的には、SRkuは例えば400以下、好ましくは300以下、より好ましくは250以下である。
本発明者らの知見として、表面粗さのパラメータのうち、特にSRzやSRkuが耐ブロッキング性と相関していることと推定される。
本実施形態では、とりわけ、SRzとSRkuの両方が、それぞれの好適数値範囲にあることで、耐ブロッキング性が一層良好となる。換言すると、SRzとSRkuを一体的な指標と考えて包装用フィルムを設計することで、耐ブロッキング性を一層向上させることができる。
SRzやSRkuは、三次元表面性状(面粗さ)が測定可能な市販の測定装置により、コーティング層1Bの表面(露出面)を測定することで求めることができる。測定装置としては、例えば、株式会社小坂研究所の三次元表面粗さ測定機SE-3500や、これと同様の測定原理による測定装置を用いることができる。
補足すると、SRzやSRkuは、二次元表面性状(線粗さ)ではなく、三次元表面性状(面粗さ)に関するパラメータである。ブロッキング発生やその低減には、「フィルムの面同士での接触」を考慮することが重要と考えられるから、二次元表面性状ではなく三次元表面性状に基づきコーティング層の表面性状を設計・最適化することは理にかなっている。
(ii)酸素バリア性
特に、コーティング層が、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂を含む場合、積層フィルムの酸素バリア性を高めることができる(酸素透過度を小さくすることができる)。
別観点として、積層フィルムの酸素透過度を、クラック等の欠陥のないコーティング層が設けられていることの指標とすることができる。コーティング層にクラック等がある場合、酸素透過度は大きめの値を示すと考えられる。
具体的には、積層フィルムの、温度23±2℃、湿度90±1.0%RHの条件下で測定される酸素透過度は1.0×10mL/(m・day・MPa)未満である、かつ/または、温度23±2℃、湿度50±1.0%RHの条件下で測定される酸素透過度は1.0×10mL/(m・day・MPa)未満であることが好ましい。
酸素透過度が小さいことにより、積層フィルムは、例えば食品の包装袋に好ましく適用することができる。もちろん、積層フィルムは、食品以外の種々の用途に用いることができる。
酸素透過度(温度23±2℃、湿度90±1.0%RHの条件下、または、温度23±2℃、湿度50±1.0%RHの条件下)の上限は、より好ましくは5.0×10mL/(m・day・MPa)以下、さらに好ましくは1.0×10mL/(m・day・MPa)以下である。
酸素バリア性という点では、基本的には、酸素透過度は小さいほど好ましい(理想的には0)。ただし、包装用フィルムの現実的な設計の点からは、酸素透過度(温度23±2℃、湿度90±1.0%RHの条件下、または、温度23±2℃、湿度50±1.0%RHの条件下)は、例えば0.1mL/(m・day・MPa)以上である。
酸素透過度は、JIS K 7126に基づき測定することができる。
(iii)製袋適性
特に、コーティング層が、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびポリ塩化ビニリデンからなる群より選ばれる1種以上の樹脂を含む場合、および/または、コーティング層と基材層の熱融解性の差が十分に大きい場合には、積層フィルムは、合掌掌袋やパウチ包装(以下、「合掌袋等」ということがある)の原料フィルムとして好ましく用いられる。
以下、合掌袋の製造を例にとって、製袋適性について説明する。
合掌袋とは、1枚のフィルムを背中と底で貼り合わせた袋であり、菓子等の食品の包装に多用される。合掌袋の製造(製袋)は、通常、図1に示されるように、
I.まず、横長のフィルム1を筒状に折り曲げ、
II.次に、背面をヒートシールして背面ヒートシール部10を設け、
III.その後、底面をヒートシールして底面ヒートシール部15を設ける、
という手順で製造される。
上記のような手順で合掌袋を製造する場合、図2において破線で囲われた部分αには、2回、ヒートシールによる熱が加わる。よって、フィルム1が、ポリエチレンを含む基材層1Aのみの単層フィルムである場合、図2に示されるように、αの部分において、背面ヒートシール部10の外面の一部は、図中に破線で示した場所で、ポリエチレンを含む基材層1Aと熱融着してしまう。
(図2は、フィルム1が、ポリエチレンを含む基材層1Aのみの単層フィルムである場合の、図1のαの部分を、同図中に示された矢印の方向から見たときの状態を模式的に表した図である。)
このような熱融着は、消費者が合掌袋を開封する際の開封容易性の観点や、合掌袋等の美観の観点から望ましくない。
しかし、基材層1Aの片面にコーティング層1Bが存在し、かつ、コーティング層1Bが基材層1Aよりも熱に強いならば、上記問題を改善することができる。
具体的には、積層フィルムを用い、熱に強いコーティング層1Bの側が外表面側になるように、上記I.~III.の手順で合掌袋を製造する。こうすることで、図3に示されるように、αの部分において、背面ヒートシール部10の外面が融解したり、他の部位と熱融着したりすることが抑えられる。
(図3は、フィルム1が、基材層1Aおよびコーティング層1Bを備える場合の、図1のαの部分を、同図中に示された矢印の方向から見たときの状態を模式的に表した図である。)
具体的な設計として、コーティング層のガラス転移温度をTgcとし、基材層のガラス転移温度をTgsとしたとき、Tgcの値は、好ましくは-25~120℃である。
Tgcは、より好ましくは-22~115℃、さらに好ましくは-20~110℃である。
また、Tgc-Tgsの値(TgcとTgsの差)は、好ましくは90~245℃、より好ましくは100~240℃、さらに好ましくは107~235℃である。
また、Tgsは、通常、-130~-120℃である。
Tgc-Tgsが90~245℃であること、つまり、コーティング層と基材層とのガラス転移温度の「差」が十分大きいことで、製袋適性を高めやすい。また、Tgcが-25~90℃であることで、量産の際に通常適用されるヒートシール条件(温度、時間等)において、その効果をより確実に得ることができる。
ガラス転移温度は、例えば、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量測定(DSC)を通じて求めることができる。もし、DSCチャートに2以上のガラス転移点が認められる場合には、より低いほうの値をガラス転移温度として採用する。
ちなみに、コーティング層が融点を有する場合、その値は、好ましくは120~245℃、より好ましくは130~230℃、さらに好ましくは135~230℃である。
また、基材層の融点は、好ましくは110~133℃、さらに好ましくは112~131℃である。
融点は、ガラス転移温度と同様、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。
付言するに、積層フィルムにおいて、基材層は、ヒートシールによる製袋に重要な役割を果たすことができる。別の言い方として、基材層は、「基材層」であり、かつ「ヒートシール層」でもあることができる(基材層がヒートシール層を兼ねることができる)と言える。
具体的には、積層フィルムは、ヒートシール層を別途設けなくても、ヒートシールによる製袋や密封ができるものである(通常、ポリエチレンの融点は低い)。ヒートシール層を別途設けなくてもよいということは、層構成の単純化や使用素材の種類を少なくする点で好ましい。
上記では、袋として合掌袋を挙げたが、当然、積層フィルムを用いて、合掌袋以外の形態の袋を製造してもよい。ヒートシールや溶断など、包装用フィルム/包装袋の分野で公知の方法を適宜用いて、積層フィルムを製袋すればよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
以下において、指数表記を記号「E」で示す場合がある。例えば、1.3E-06とは、1.3×10-6を意味する。
<材料の準備>
以下材料を準備した。
以下の記載で、「エルスマート」「T.U.X.」および「タケラック」は、登録商標である。
(基材層を構成するためのポリエチレン含有フィルム)
・C-1
三井化学東セロ株式会社製、エルスマートC-1(厚み:40μm)
・C-1a(厚み:40μm)
上記C-1のスリップ剤を減量したもの
・FC-S
三井化学東セロ株式会社製、T.U.X.FC-S(厚み:50μm)
・HZ
三井化学東セロ株式会社製、T.U.X.HZ(厚み:50μm)
・HZR-2
三井化学東セロ株式会社製、T.U.X.HZR-2(厚み:50μm)
各フィルムの厚み、融点、SRz、SRku、表面抵抗率および動摩擦係数は後掲の表のとおりである。SRzおよびSRkuの値については、各フィルムのコロナ処理面側の値である。
(アンカーコート層形成用塗布液)
三井化学社製のタケラックA-310と、三井化学社製のタケネートA-3と、酢酸エチルとを、各々5.3質量%、0.1質量%、94.6質量%となるように混合して調製した塗布液
(コーティング層形成のための塗布液)
・PU
三井化学株式会社製のタケラックWPB-341(ポリウレタン樹脂を含む水系の分散液)に、2-プロパノールを加えて、水と2-プロパノールの質量比率を同じにしたもの
・PVA
クラレ社製のポバール105MCと水とを、質量比率10:90で混合して作液した塗布液
各塗布液の不揮発成分濃度については、PU:9質量%、PVA:10質量%とした。
<積層フィルムの製造(コーティング層の形成)>
基材層とコーティング層との間にアンカーコート層を設ける場合には、メイヤーバー(番手#3)を用いて、アンカーコート層形成用塗布液を、0.2g/mの量(不揮発分換算)で基材層フィルムの表面(コロナ処理面側)に塗布した。そして、100℃の条件下で15秒間放置して乾燥させて、アンカーコート層を形成した。
準備したポリエチレン含有フィルムのコロナ処理面、または、アンカーコート層を設けた場合にはアンカーコート層の表面に、メイヤーバーを用いて、コーティング層形成のための塗布液を塗布した。メイヤーバーについては#9のものを用いた。塗布量は、後掲の表に記載の量(g/m)となるように調整した。
ポリエチレン含有フィルムと塗布液の組合せは、後掲の表のとおりである。
塗布後、熱風による乾燥処理を行った。塗布液がPUの場合には、熱風の温度は100℃で時間は15秒とした。塗布液がPVAの場合には、熱風の温度は70℃で時間は15秒とした。
熱風の温度とは雰囲気温度をいう。
乾燥処理の後、40℃で24時間のエージング処理を行った。
以上のようにして、包装用フィルムを製造した。
<各種数値の測定>
(ガラス転移温度(Tgs、Tgc)、融点(Tm))
積層フィルムから、コーティング層の部分と基材層の部分を、それぞれ約3.0mg採取して、測定用サンプルとした。それぞれのサンプルをDSC測定して、ガラス転移温度および融点を求めた。DSC測定の詳細は以下のとおりである。
・測定温度ステップ:(i)-50℃で10分保持→(ii)昇温して250℃で10分保持→(iii)降温して-50℃で10分保持→(iv)250℃まで昇温
・(i)~(iv)の各ステップ間の昇温速度、降温速度:5℃/min
・測定雰囲気:窒素ガス
上記における(iii)と(iv)の間の昇温(2nd run)の際に得られたDSC曲線に基づき、ガラス転移温度および融点を求めた。
ガラス転移温度については、補外ガラス転移開始温度を採用した。
融点については、融解ピークのピークトップ温度を採用した。
(SRzおよびSRku)
コーティング層表面およびポリエチレン含有フィルム(コーティング層形成前)のコロナ処理面の三次元表面性状を、株式会社小坂研究所の三次元表面粗さ測定機SE-3500を用いて測定した。測定の具体的条件(装置の設定など)は以下のとおりである。そして、測定で得られたデータをソフトウェアで解析することで、SRzおよびSRkuを求めた。
・測定長:MD方向;400μm、TD方向;1000μm
・測定本数:TD方向ライン数;201本
・測定ピッチ:MD方向;0.5μm、TD方向;2μm
・Z測定倍率:5000
・X送り速さ:0.2mm/s
・低域カット:0.25mm
・高域カット:R+W
・レベリング:最小二乗法
・Z原点:最小二乗法による0点合わせ
・触針先端曲率半径:2.0μm/60℃
・測定方向:MD方向に平行に触針移動
・解析ソフトウェア:装置内蔵の「3次元表面粗さ解析プログラム」
(基材層の静摩擦係数)
以下手順により測定した。
(1)50mm×75mmのサイズに切断した各ポリエチレン含有フィルムを2枚(以下、フィルム1および2とする)準備した。
(2)フィルム1を、傾斜角度を自由に調整可能な板(以下、傾斜板という)に固定した。
(3)フィルム2に、底面が真鍮で構成されている矩形の部材(底面の大きさは41mm×26mm)を固定した。そして、その部材の上に重りを取り付け、フィルム2にかかる質量が150gとなるようにした。
(4)フィルム1の上にフィルム2を重ねた。
(5)傾斜板を、1°/secの速度で、0°から徐々に傾斜させた。そして、上部のフィルム2が滑りだしたときの角度θから静摩擦係数を求めた(静摩擦係数=tanθ)。
今回用いたポリエチレン含有フィルムの片面は、コロナ処理されていた。よって、静摩擦係数は、非コロナ処理面同士、非コロナ処理面-コロナ処理面、および、コロナ処理面同士の3通りで測定した(前述のとおり、塗布液は、コロナ処理面に塗布された)。
(表面抵抗率)
積層フィルムを、温度23℃、湿度50%RHの環境下で24時間保管した。その後、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微量電流計(R8340A)とレジスチビティチェンバ(R12704)を用いて、表面抵抗率を測定した。測定条件については、印加電圧560V、印加時間30秒、温度23℃、湿度50%RHとした。
(コーティング層の厚み)
フィルムメトリクス社製の膜厚測定計F20-UV(光源:ハロゲン、測定スポット径:1.5mm)を用いて、コーティング層の厚みを測定した。
今回は、1つの試料について任意の3箇所で厚みを測定した。そして、それら3箇所の厚みの平均値をコーティング層の厚みとした。
(塗布量(不揮発成分換算))
・塗布液がPUであった場合
DMF(ジメチルホルムアミド)を用いて、包装用フィルムに設けられたコーティング層をふき取った。そして、ふき取り前後での質量変化から、塗布量(不揮発分換算)を計算した。
・塗布液がPVAであった場合
包装用フィルムを沸騰水に浸漬して、包装用フィルムに設けられたコーティング層を溶かした。そして、浸漬前後での質量変化から、塗布量(不揮発分換算)を計算した。
上記の各種情報をまとめて、表1と表2に示す。表1には基材層に関する情報をまとめた。表2にはコーティング層およびフィルム全体に関する情報、ならびに、乾燥条件についてまとめた。さらに、表2には、アンカーコート層の有無についても記載した。
表1および表2において、表面抵抗率の欄の「-」は、表面抵抗率を測定しなかったことを表す。
表2において、界面活性剤割合の欄の「-」は、塗布液が界面活性剤を含まなかったことを表す。
表2において、融点Tmの欄の「-」は、DSC測定において融点に対応するピークが観察されなかったことを表す。
Figure 0007482606000001
Figure 0007482606000002
<積層フィルムの品質評価>
コーティング層の表面状態を目視で観察し、以下の2段階で評価した。
○(良好):クラックが認められず極めて良好な外観
×(不良):クラックが認められ外観不良
<包装用フィルムとしての適性評価>
(耐ブロッキング性)
以下手順により評価した。
(1)各実施例のフィルムを2枚ずつ準備した。
(2)(i)各実施例の2枚のフィルムを、コーティング層表面とコーティング層表面が接するように重ねた。このとき、2枚のサンプルのMD/TD方向が一致するようにした。
(3)重ね合わせた2枚のサンプルを、シールコテを用いて、温度70℃、圧力2.0kgf、シール時間60秒、シール幅10mmの条件で加熱した。これにより、2枚のサンプルを意図的にブロッキングさせたサンプルを得た。
(4)加熱後終了後のサンプルを、室温下で自然冷却した。
(5)サンプルの表裏両面に、市販の粘着テープを貼って補強した(これは、ブロッキング強度が強すぎる場合、以下(6)の引張試験において測定サンプルが伸びてしまい、正確なブロッキング強度が測定できなくなるためである)。
(6)室温に冷却されたサンプルを引張試験機にセットし、引張速度5mm/分で、基材フィルムのMD方向に引っ張った。そして、サンプルが1枚1枚に分離するまでの荷重を記録した。
後掲の表の「耐BL強度」の欄に、記録された荷重の最大値を記載した。この値が小さいほど、耐ブロッキング性は良好である。
(合掌袋の製造適性)
以下では、通常のヒートシール条件におけるコーティング層同士の熱融着のしにくさを評価することで、合掌袋の製造適性を評価した。
(1)各実施例¥のフィルムのサンプルを2枚ずつ準備した。
(2)各実施例の2枚のサンプルを、コーティング層の表面同士が接するように重ねた。このとき、2枚のサンプルのMD/TD方向が一致するようにした。
(3)重ねられた2枚のサンプルを、シールコテを用いて、温度140℃、圧力1.5kgf、シール時間1.0秒、シール幅10mmの条件で加熱した。
(4)加熱後終了後のサンプルを、室温下で自然冷却した。
室温に冷却されたサンプルの状態、および、2枚のサンプルの分離のしやすさを、以下3段階で評価した。
◎(極めて良好):2枚のサンプルの間に熱融着は認められない。
○(良好):2枚のサンプルの間にわずかに熱融着が認められるが、手で容易に分離することができる。
×(悪い):2枚のサンプルが明らかに熱融着している。分離しようとすると、基材層が伸びてしまう。
ちなみに、上記(2)(i)において、各実施例の2枚のサンプルを、基材層に用いたポリエチレン含有フィルムの表面(コーティング層と反対側の面)同士が接するように重ねた以外は、上記(1)~(4)と同様の手順を行った。そうすると、全ての実施例で、ポリエチレンが十分に融解してヒートシール部を形成することができた。
(酸素透過度)
モコン社製の装置OX-TRAN2/21を用い、JIS K 7126に準じて、(i)温度23±2℃、湿度90±1.0%RHの条件下、または、(ii)温度23±2℃、湿度50±1.0%RHの条件下での、包装用フィルムの酸素透過度を測定した。
測定において、コーティング層がポリウレタンを含む場合には、アルミニウム製マスクを用いて測定面積を1/10または1/50にして酸素透過度を測定し、その後、得られた酸素透過度の値(生データ)を10倍または50倍したものを酸素透過度とした。ポリウレタンはポリビニルアルコールやポリ塩化ビニリデンに比べると酸素を通しやすく、マスクをせずに酸素透過度を測定すると適切な測定ができないおそれがあるためである。
性能評価の結果をまとめて下表に示す。
性能評価のうち、酸素透過度については、温度23±2℃、湿度90±1.0%RHの条件下で測定された値と、温度23±2℃、湿度50±1.0%RHの条件下で測定された値の片方のみを示す。
Figure 0007482606000003
上表に示されるとおり、ポリエチレン含有フィルムに対して、樹脂と水とを含む塗布液を塗布し、60~100℃の雰囲気下で乾燥させることで、クラックが認められず良好な外観のコーティング層を備える積層フィルムを得ることができた。
また、得られた積層フィルムは、包装用途への適用に好ましい特性を有することが示された。
1 フィルム
1A 基材層(ポリエチレンを含む基材層)
1B コーティング層
10 背面ヒートシール部
15 底面ヒートシール部

Claims (10)

  1. ポリエチレンを含む基材層(ただし、架橋度がフイルムの厚さ方向において、内側に低下したポリエチレン系樹脂延伸フイルムを除く)と、前記基材層の一方の面側に、直接またはアンカーコート層を介して設けられた、樹脂を含むコーティング層と、を備える積層フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂は、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびポリ塩化ビニリデンからなる群より選ばれる1種以上を含み、
    少なくとも樹脂と水とを含む塗布液を、前記基材層の前記一方の面側に塗布する塗布工程と、
    塗布された前記塗布液を、60~100℃の雰囲気下で加熱する乾燥工程と、
    を含み、
    前記コーティング層の前記基材層とは反対側の面は露出面となっている、積層フィルムの製造方法(ただし、前記塗布液は、水性印刷インキである塗布液、ガスバリア性を付与するための無機層状化合物、および、界面活性剤を有する樹脂組成物と液体とを含む塗布液、ならびに、ポリビニルアルコール(A)と水性アンカー剤(B)の割合がA/B=99/1~80/20の水性コーティング剤である塗布液を除く)
  2. 請求項1に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記塗布液は界面活性剤を含み、
    前記塗布液の不揮発成分中の前記界面活性剤の割合は0.8~7.5質量%である、積層フィルムの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記塗布液はさらにアルコール溶剤を含む、積層フィルムの製造方法。
  4. 請求項に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記アルコール溶剤は炭素数1~4のアルコールを含む、積層フィルムの製造方法。
  5. 請求項またはに記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記アルコール溶剤は2-プロパノールを含む、積層フィルムの製造方法。
  6. 請求項のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記塗布液の揮発成分中の前記アルコール溶剤の比率は10~50質量%である、積層フィルムの製造方法。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記基材層のガラス転移温度は-130~-120℃である、積層フィルムの製造方法。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記塗布工程における前記塗布液の塗工量は、不揮発分換算で0.3~4.5g/mである、積層フィルムの製造方法。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記乾燥工程の時間は5~120秒である、積層フィルムの製造方法。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    前記アンカーコート層は、ウレタン樹脂および/または(メタ)アクリル樹脂を含む、積層フィルムの製造方法。
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