JP5147517B2 - 画像撮影装置および画像欠陥検出方法 - Google Patents
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Description
この放射線画像検出器としては、放射線を電気的な画像信号として取り出すフラットパネル型の放射線検出器(いわゆる「Flat Panel Detector」以下、「FPD」ともいう。)や、放射線像を可視像として取り出すX線イメージ管などがある。
すなわち、FPDの画素(放射線検出素子)は、全てが常に入射した放射線の照射量に対して適正な強度(濃度)の信号を出力する場合ばかりではなく、例えば、製造時に混入したゴミの影響などにより、放射線の照射量に対して、適正な強度よりも低い値の信号や高い値の信号を出力する欠陥画素が存在する場合がある。
また、FPDの欠陥画素は、放射線画像の撮影回数が増えるに従って、増加する傾向がある。
そのため、FPDを利用する放射線画像撮影装置では、所定のタイミングでFPDの欠陥画素の位置を検出しておき、放射線画像を撮影する際には、欠陥画素の検出結果に応じて、周辺の画素(その画像データ)を利用して画像欠陥を補正する、画像欠陥補正を行い、画像欠陥補正済の放射線画像を診断画像等として表示やプリントとして再生することが行われている。
例えば、画像欠陥のサイズが大きければ大きいほど、画像欠陥の濃度が薄くても、放射線画像上において、画像欠陥として視認されるのに対して、画像欠陥のサイズが小さければ小さいほど、画像欠陥の濃度が濃くないと、放射線画像上では、画像欠陥として視認されない。
他方、放射線画像のデータから、濃度の低いランダムノイズ等のノイズを検出しない為には、検出する画像欠陥の閾値を高く設定して、画像欠陥の検出を行っていた。
また、上述のように、放射線画像の画像欠陥を検出する際に、視認できるサイズの大きな画像欠陥を検出することができないと、画像欠陥補正を正しく行うことができなくなるので、高品質な放射線画像を提供することができなくなる虞がある。
さらに、本発明によれば、フラットパネル型の放射線検出器(FPD)の欠陥画素の位置や数、密集度などを正しく把握することができ、これにより、FPDの交換時期を正しく見極めることができるので、修理が必要となるまでに猶予期間を設けることができる。つまり、適切なタイミングで、FPDの交換を行うことができる。
撮影装置10は、撮影部12と、撮影データ処理部14と、画像処理部16と、出力部18と、警報発生部20と、制御部22とによって構成されている。
撮影データ処理部14の詳細は後述する。
画像処理部16は、コンピュータ上で動作するプログラム(ソフトウェア)、専用のハードウェア、ないしは、両者を組み合わせて構成される。
画像処理部16からは、画像処理後の放射線画像データP1、及び、警報発生部20を作動させる信号(以下、警報発生指示信号という)が出力される。
画像処理部16の詳細は後述する。
出力部18は、例えば、放射線画像を画面上に表示するモニタ、放射線画像をプリント出力するプリンタ、放射線画像データを記憶する記憶装置等である。
例えば、制御部22は、撮影データ処理部14の画像データの取得を制御し、さらに、画像処理部16の画像処理および画像処理後の放射線画像データP1の作成が行われるように制御する。
撮影装置10は、通常の放射線画像撮影装置と同様に、放射線源26が照射し、被検者Hを透過した放射線をFPD30の受光面で受光し、放射線を光電変換することにより、被検者Hの放射線画像を撮影する。
また、FPD30は、アモルファスセレン等の光導電膜とTFT(Thin Film Transistor)等を用い、放射線の入射によって光導電膜が発した電子‐正孔対(e‐hペア)を収集してTFTによって電荷信号として読み出す、いわゆる直接方式のFPDが例として挙げられる。
撮影手段32(FPD30)が撮影した放射線画像の出力信号(画像データ)は、撮影データ処理部14に供給される。
本実施形態において、画像データ取得手段34は、放射線源26が、被検体Hを通さずに放射線をFPD30に一様に照射(爆射)した後に、FPD30から読み出された画像欠陥検出用の放射線画像データG2(以下、単に画像データG2ともいう)、および、放射線源26が被検体Hに照射した後に、FPD30から読み出された画像データG3(以下、単に画像データG3ともいう)を取得し、これらの画像データG2およびG3を、画像データ処理手段36に供給するものである。
なお、本実施形態においては、データ処理後の画像データG2を、第1の欠陥検出用画像データJ2、データ処理後の画像データG3を、被検者画像データJ3と呼ぶ。
画像処理部16は、図2に示すように、データ取得手段38と、データ生成手段39と、画像欠陥検出手段62と、補正データ作成手段42と、画像補正手段44とで構成される。
なお、ノイズの除去処理の方法は、画像データ上のランダムノイズ等の高周波ノイズを除去することができれば、特に限定は無いが、移動平均処理やメディアンフィルタ処理等が挙げられる。
そこで、本発明者は、画像欠陥検出用の放射線画像のデータから、ノイズを画像欠陥として検出せずに、画像欠陥を高精度に検出するために、予め、ノイズの除去された放射線画像データを用いることを知見した。
なお、本発明においては、ノイズ除去処理の際にノイズと共に除去されてしまうような、サイズの小さい画像欠陥を検出しようとする場合には、ノイズ除去処理を行っていない画像欠陥検出用の画像のデータ(第1の欠陥検出用画像データJ2)に対して、画像欠陥検出を行うので、データ取得手段38は、上述のように、画像欠陥検出手段62に、第1の欠陥検出用画像データJ2を供給する。
さらに、本実施形態においては、上記第1の画像欠陥と第2の画像欠陥を加算することによって、第1の欠陥検出用画像データJ2上の画像欠陥を検出するものでもある。
また、画像欠陥検出手段62は、ノイズの値より高い値を第2の閾値とし、ノイズ除去されていない画像欠陥用の画像のデータ(第1の欠陥検出用画像データJ2)に対して、画像欠陥の検出を行うことにより、第1の欠陥検出用画像データJ2から、ノイズを検出することなく、ノイズ除去処理の際にノイズと共に除去されてしまうようなサイズの小さい画像欠陥を検出することができる。
しかしながら、上記のようにして、FPD30の画像欠陥(欠陥画素)の増加を予測することにより、FPD30の交換を行うまでに時間的な余裕が生じ、撮影装置10を使用していないときに、FPD30の修理や交換を行うことができる。
なお、画像欠陥(欠陥画素)の増加の予測方法には、特に限定は無いが、直線近似や指数近似等、適当な関数を用いて、また、必要に応じて、FPD30の特性を加味して行うのが好ましい。
画像補正手段44は、例えば、取得した画像欠陥補正データN1に基づいて、補正処理の必要な欠陥画素の位置を特定し、特定した欠陥画素の周囲の2つの正常画素の平均値を求めて、これを欠陥画像の画像データとすることで画像欠陥補正を行う。
例えば、欠陥画素を、当該欠陥画素の周囲の3つ以上の正常画素と各正常画素と欠陥画素との距離を用いて算出した重み付け平均値により補正してもよい。
また、本発明によれば、上述のように、ノイズを画像欠陥として検出することがなくなるので、FPD30の欠陥画素の個数を正しく把握できることができるため、不必要なFPD30の交換を行うことがなくなり、放射線画像撮影装置の稼働率を向上させることができ、また、不必要な箇所に画像欠陥補正を行うことがなくなるので、高画質な診断画像を提供することができる。
次いで、撮影データ処理部14において、画像データG2およびG3を取得して、それぞれ、デジタルデータ(第1の欠陥検出用画像データJ2、および、被検者画像データJ3)に変換し、画像処理部16に供給する。
さらに、画像処理部16におけるデータ取得手段38において、第1の欠陥検出用画像データJ2および被検者画像データJ3を取得し、第1の欠陥検出用画像データJ2をデータ生成手段39および画像欠陥検出手段62に供給し、被検者画像データJ3を画像補正手段44に供給する。
画像欠陥検出手段62は、ノイズ除去画像データQ1から、第1の閾値を用いて第1の画像欠陥を検出し、かつ、第1の欠陥検出用画像データJ2から、第1の閾値よりも大きい第2の閾値を用いて、第2の画像欠陥を検出し、第1の画像欠陥と第2の画像欠陥を加算して、第1の欠陥検出用画像データJ2上の画像欠陥を検出する。
さらに、画像欠陥検出手段62においては、欠陥記録データM1に記録した画像欠陥の履歴を、欠陥履歴データに記録し、この欠陥履歴データに基づいて、FPD30の欠陥画素の増加を予測し、FPDの仕様の閾値を超えた場合には、警報発生部20に、警報発生指示信号を送る。
次いで、画像補正手段44において、画像欠陥補正データN1に基づいて、処理済被検者画像データJ3の画像欠陥を補正し、画像処理後(画像欠陥補正後)の放射線画像データP1を作成し、出力部18に供給する。
最後に、出力部18において、画像補正手段44(画像処理部16)から供給された画像処理後の放射線画像データを出力する。
図3〜図4は、画像欠陥検出手段62の処理の一例を示すフロー図である。
次いで、第1の画像欠陥と第2の画像欠陥を加算して、これらの画像欠陥を、画像欠陥と識別し、欠陥記録データM1を生成し、欠陥記録データM1に記録する(S84)。
そこで、本実施形態においては、白欠陥および黒欠陥を正確に検出するために、黒欠陥と白欠陥で異なる閾値テーブルを用いている。
仕様を満たしてなかった場合には、まず、警報発生部20に、警報発生指示信号を送る(S108)。
以上、本発明の放射線画像撮影装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。また、デジタルカメラ等の可視画像を撮影する装置における点欠陥に対しても、本発明を適用できることは、勿論である。
12 撮影部
14 撮影データ処理部
16 画像処理部
18 出力部
20 警報発生部
22 制御部
26 放射線源
28 撮影台
30 FPD
32 撮影手段
34 画像データ取得手段
36 画像データ処理手段
38 データ取得手段
39 データ生成手段
42 補正データ作成手段
44 画像補正手段
62 画像欠陥検出手段
G2 画像データ
G3 画像データ
J2 第1の欠陥検出用画像データ
J3 被検者画像データ
M1 欠陥記録データ
N1 画像補正データ
P1 放射線画像データ
Q1 ノイズ除去画像データ
Claims (11)
- 被写体の画像を撮影する画像撮影装置であって、
前記被写体が無い状態で画像欠陥検出用の画像が撮影された後、放射線検出器から読み出された画像欠陥検出用の画像データから、高周波ノイズを除去したノイズ除去画像データを生成するデータ生成手段と、
前記ノイズ除去画像データから、前記高周波ノイズを検出可能な第1の閾値を用いて第1の画像欠陥を検出し、かつ、前記画像欠陥検出用の画像データから、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値を用いて第2の画像欠陥を検出する画像欠陥検出部と、
を有し、
前記画像欠陥検出部は、前記第1および第2の画像欠陥を加算することによって、前記画像欠陥検出用の画像における画像欠陥を検出することを特徴とする画像撮影装置。 - 前記画像欠陥検出部は、画像欠陥の情報を記録するための欠陥記録データベースに、前記検出した画像欠陥の情報を記録するものである請求項1に記載の画像撮影装置。
- 前記放射線検出器として固体撮像素子を用いた画像撮影装置において、前記画像欠陥検出部は、前記データベースに記録された画像欠陥の情報に基づいて、予め規定された割合を超える画像欠陥を含む前記固体撮像素子の読み出しラインに対応する画像のラインを、線欠陥と識別するものである請求項2に記載の画像撮影装置。
- さらに、前記放射線検出器の交換時期を通知する警告を発生する警報発生部を有し、
前記画像欠陥検出部は、前記データベースに記録された画像欠陥の増加履歴を記憶し、この履歴から、前記放射線検出器の欠陥画素の個数、サイズ、および、単位面積当りの密集度の増加率を予測し、前記放射線検出器の欠陥画素の個数、サイズ、および、単位面積当り密集度のうち、少なくとも1つの予測値が、予め規定した閾値を超えた場合には、前記警報発生部に警告を発生するように指示するものである請求項2または3に記載の画像撮影装置。 - 前記画像欠陥検出部は、前記検出した画像欠陥の幅が、予め規定した閾値以下であり、かつ、長さが、予め規定した閾値以上である場合には、前記検出した画像欠陥を線欠陥と識別するものである請求項1〜4のいずれかに記載の画像撮影装置。
- 前記放射線検出器が、フラットパネル型の放射線検出器であり、
当該画像撮影装置が、前記被写体の放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像撮影装置。 - 前記画像欠陥検出部は、前記被写体が無い状態で前記放射線検出器に放射線を照射し、又は放射線を照射しないで画像欠陥検出用の放射線画像が撮影された後、前記放射線検出器から読み出された画像欠陥検出用の放射線画像データから高周波ノイズを除去したノイズ除去画像データから、前記第1の閾値を用いて前記第1の画像欠陥を検出し、かつ、前記画像欠陥検出用の放射線画像データから、前記第1の閾値よりも大きい前記第2の閾値を用いて前記第2の画像欠陥を検出するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像撮影装置。
- 被写体の画像を撮影する画像撮影装置に適用される画像欠陥検出方法であって、
前記被写体が無い状態で画像欠陥検出用の画像を撮影した後、放射線検出器から読み出した画像欠陥検出用の画像データから、高周波ノイズを除去したノイズ除去画像データを生成し、
前記ノイズ除去画像データから、前記高周波ノイズを検出可能な第1の閾値を用いて第1の画像欠陥を検出し、かつ、前記画像欠陥検出用の放射線画像データから、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値を用いて第2の画像欠陥を検出し、次いで、前記第1および第2の画像欠陥を加算することによって、前記画像欠陥検出用の画像における画像欠陥を検出することを特徴とする画像欠陥検出方法。 - 前記検出した画像欠陥の情報を、画像欠陥の情報を記録するための欠陥記録用データベースに記録し、
前記データベースに記録された画像欠陥の情報に基づいて、予め規定された割合を超える画像欠陥を含む前記放射線検出器の読み出しラインに対応する画像のラインを、線欠陥と識別し、
さらに、前記検出した画像欠陥の幅が、予め規定した閾値以下であり、かつ、前記検出した画像欠陥の長さが、予め規定した閾値以上である場合には、前記検出した画像欠陥を線欠陥と識別する請求項8に記載の画像欠陥検出方法。 - 前記放射線検出器が、フラットパネル型の放射線検出器であり、前記画像撮影装置が、前記被写体の放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置であることを特徴とする請求項8または9に記載の画像欠陥検出方法。
- 前記被写体が無い状態で前記放射線検出器に放射線を照射し、又は放射線を照射しないで放射線画像を撮影した後、前記放射線検出器から読み出された画像欠陥検出用の放射線画像データから高周波ノイズを除去したノイズ除去画像データから、前記第1の閾値を用いて前記第1の画像欠陥を検出し、かつ、前記画像欠陥検出用の放射線画像データから、前記第1の閾値よりも大きい前記第2の閾値を用いて前記第2の画像欠陥を検出することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の画像欠陥検出方法。
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