JP5147107B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトマスクの製造方法に関し、特にFPDデバイスを製造する際に使用す
るするフォトマスクの製造方法に関する。
近年、大型FPD用マスクの分野において、半透光性領域(いわゆるグレートーン部)
を有するグレートーンマスクを用いてマスク枚数を削減する試みがなされている(非特許
文献1)。
ここで、グレートーンマスクは、図3(1)及び図4(1)に示すように、透明基板上
に、遮光部1と、透過部2と、半透光性領域であるグレートーン部3とを有する。グレー
トーン部3は、露光光に対する透過量を調整する機能を有し、例えば、図3(1)に示す
ようにグレートーンマスク用半透光性膜(ハーフ透光性膜)3a’を形成した領域、ある
いは、図4(1)に示すようにグレートーンパターン(グレートーンマスクを使用する大
型FPD用露光機の解像限界以下の微細遮光パターン3a及び微細透過部3b)を形成し
た領域であって、これらの領域を透過する露光光の透過量を低減しこの領域による照射量
を低減して、係る領域に対応するフォトレジストの現像後の膜減りした膜厚を所望の値に
制御することを目的として形成される。
大型グレートーンマスクを、ミラープロジェクション方式や、レンズを使ったレンズプ
ロジェクション方式の大型露光装置に搭載して使用する場合、グレートーン部3を通過し
た露光光は全体として露光量が足りなくなるため、このグレートーン部3を介して露光し
たポジ型フォトレジストは膜厚が薄くなるだけで基板上に残る。つまり、レジストは露光
量の違いによって通常の遮光部1に対応する部分とグレートーン部3に対応する部分で現
像液に対する溶解性に差ができるため、現像後のレジスト形状は、図3(2)及び図4(
2)に示すように、通常の遮光部1に対応する部分1’が例えば約1μm、グレートーン
部3に対応する部分3’が例えば約0.4〜0.5μm、透過部2に対応する部分はレジ
ストのない部分2’となる。そして、レジストのない部分2’で被加工基板の第1のエッ
チングを行い、グレートーン部3に対応する薄い部分3’のレジストをアッシング等によ
って除去しこの部分で第2のエッチングを行うことによって、1枚のマスクで従来のマス
ク2枚分の工程を行い、マスク枚数を削減する。
月刊FPD Intelligence、p.31-35、1999年5月
ところで、マイクロプロセッサ、半導体メモリ、システムLSIなどの半導体ディバイ
スを製造するためのLSI用マスクは、最大でも6インチ角程度と相対的に小型であって
、ステッパ(ショット−ステップ露光)方式による縮小投影露光装置に搭載されて使用さ
れることが多い。
また、LSI用マスクを製造するための小型マスクブランクにおいては、高いエッチン
グ精度が必要であるため、ドライエッチングによってマスクブランク上に形成された薄膜
のパターニングが施される。
これに対し、FPD(フラットパネルディスプレイ)用大型マスクは、330mm×4
50mmから1220mm×1400mmと相対的に大型であって、ミラープロジェクシ
ョン(スキャニング露光方式による、等倍投影露光)方式やレンズを使ったレンズプロジ
ェクション方式の露光装置に搭載されて使用されることが多い。
また、FPD用大型マスクの製造においては、大型のドライエッチング装置の作製が難
しく、作製したとしても非常に高価で均一にエッチングすることは技術的に難しい。この
ようなことから、FPD用大型マスクを製造するための大型マスクブランクにおいては、
LSI用マスクの如き高いエッチング精度を重視してドライエッチングを採用するよりも
、むしろコスト面及びスループットを重視してエッチング液を用いたウエットエッチング
を採用し、マスクブランク上に形成された薄膜のパターニングが施される。
本発明者らは、FPD用大型マスクブランク及びFPD用大型フォトマスクに関し、金
属と珪素(Si)を含む材料からなる金属シリサイド系半透光性膜のウエットエッチング
に関し、鋭意研究、開発を行った。
その結果、以下のことが判った。
モリブデンシリサイド膜等の金属シリサイド膜をエッチングするときは、通常フッ酸+
硝酸の混合溶液を用いる。
しかしながら、上記のエッチングによる反応では、NO等の有害なガスが大量に発生
するという課題(第1の課題)があることが判った。
本発明者らは、その理由を、反応式の観点から、推察した。
以下に、その推察した反応の機構を示す。
Si+4HNO → SiO+2HO+4NO …(1)
SiO+4HF → SiF+2HO …(2)
(1)、(2)より、
Si+4HNO+4HF → SiF+4HO+4NO …(3)
また、
Mo+6HF → MoF+3H …(4)
(3)と(4)より、
MoSi+8HNO+14HF → 2SiF+MoF+8HO+8NO
↑+3H↑ …(5)
上記反応式(1)〜(5)で重要なことは、シリコン及びモリブデンを溶解させる酸と
しての機能はフッ酸が果たしており(上記(2)、(4)式)、硝酸はシリコン及びモリ
ブデンを溶解させる酸として有効ではなくシリコンを酸化するためのみ必要なだけであり
、酸化剤としての反応を利用していることである(上記(1)式)。
以上のように、上記フッ酸+硝酸によるモリブデンシリサイドのエッチング反応式(1
)〜(5)では、毒性の強いフッ酸(毒物)、硝酸(劇物)を用いており、また、毒性、
腐食性の強い二酸化窒素(NO)がガスとして発生するという課題がある。また、上記
フッ酸+硝酸による反応では、NO等の有害なガスが大量に発生するという課題(第1
の課題)がある。
そこで、本発明者は、上記硝酸の代わりに酸化剤として過酸化水素(H)を用い
、上記フッ酸の変わりに、フッ化水素アンモニウム(NHF・HF)を用いることを過
去の研究成果に基づき検討した(特許文献1:特開昭62−218585号公報)。これ
により毒性の強いフッ酸、硝酸を用いず、また、毒性、腐食性の強い二酸化窒素(NO
)ガスを排出することなくシリコン及びモリブデンを溶解することができる。
上記のエッチングによる反応では、上記フッ酸+硝酸による反応(1)〜(5)に比べ
ガスの発生及びそれに伴う泡の発生を大幅に抑えることができる。しかしながら、上記の
エッチングによる反応では、依然としてガスの発生及びそれに伴う泡(目視で確認できる
比較的大きいサイズの泡)の発生があることが判った。
本発明者らは、その理由を、反応式の観点から、推察した。
以下に、その推察した反応の機構を示す。
Si+H→ SiO+H…(1)’
SiO+4NHF・HF → SiF+4NHF+2HO …(2)’
(1)’、(2)’より
Si+H+4NHF・HF → SiF+4NHF+2HO …(3)’
また、
Mo+6NHF・HF → MoF+6NHF+3H …(4)’
ゆえに、(3)’、(4)’より、
MoSi+2H+14NHF・HF → 2SiF+14NHF+MoF
+4HO+3H↑ …(5)’
尚、当然(5)’式の水素を硝酸で酸化し、下式のように、水に変えることはできるが
、その分二酸化窒素(NO)ガスの発生が多くなることになる。
3H2+6HNO → 6HO+6NO
以上のように、上記フッ化水素アンモニウム+過酸化水素によるモリブデンシリサイド
のエッチング反応式(1)’〜(5)’では、上記フッ酸+硝酸による反応(1)〜(5
)に比べガスの発生及びそれに伴う泡の発生を大幅に抑えることができることが判る。し
かしながら、上記フッ化水素アンモニウム+過酸化水素によるモリブデンシリサイドのエ
ッチング反応式(1)’〜(5)’では、ガスの発生及びそれに伴う泡(H)が依然と
して発生することが判る。
そして本発明者らは、上記のように、フッ化水素アンモニウム+過酸化水素によるモリ
ブデンシリサイドのエッチング反応において、ガスの発生及びそれに伴う泡(H)が発
生する場合、その泡は膜表面から発生し成長する(図2)ので、モリブデンシリサイド膜
のパターンを形成すべきではない部分に泡が付着し、膜残りの欠陥などの、半透光性膜の
ウエットエッチングに伴って発生するガス(H等)による半透光性膜のパターン欠陥が
発生する箇所が生じることを解明した(第2の課題)。この第2の課題は、例えばグレー
トーンマスクにおける半透光性膜のように、膜厚が10〜100オングストローム程度と
薄い場合に影響が大きい。
本発明者らは更に究明を進めた結果、フッ化水素アンモニウム+過酸化水素のエッチン
グ液は、後述するように、エッチング液溶液中のフッ化水素アンモニウムと過酸化水素の
モル比X:Yを、半透光性膜のウエットエッチングに伴って発生するガス(H等)によ
る半透光性膜のパターン欠陥を防止するモル比に設定することが、上記第2の課題の対応
策として効果的であり、更にエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小となるモル
比x:yに設定することによってガスの発生を極力抑えることができ上記第2の課題の対
応策として非常に効果的であることを解明した。しかしながら、このようにエッチング液
のモル比を設定したとしても、過酸化水素は分解しやすく、このため酸素ガス(O)が
発生しやすい問題があり、完全にガスの発生を抑えることは難しいことが判明した(第3
の課題)。
また、グレートーンマスクのように、金属シリサイド膜の上に遮光性膜を形成する場合
、遮光性膜の材料によっては、金属シリサイド膜のウエットエッチングの際に発生した酸
素ガス(O)が遮光性膜パターンを断面視したときの遮光性膜パターンの上面や側面に
取り込まれるなどによって、遮光性膜をエッチングする際のエッチングレートが変化する
ことで遮光性膜の断面形状が変化したり、遮光性膜の光学特性(反射率や光学濃度)が変
化することがあり、半透光性膜のウエットエッチングに伴って発生するガス(O等)に
よる遮光性膜のパターン欠陥が発生する箇所が生じることが判明した(第4の課題)。
本願の目的は、上述した課題を解決し、前記半透光性膜のウエットエッチングに伴って
発生するガスによる前記半透光性膜及び/又は前記遮光性膜のパターン欠陥を防止できる
フォトマスクの製造方法等を提供することにある。
本発明方法は、以下の構成を有する。
(構成1)透光性基板上に、露光光に対する透過量を調整する機能を有し、金属及び珪素
を含む材料からなる半透光性膜と、露光光を遮光する遮光性膜とが順次形成されたマスク
ブランクから、前記遮光性膜及び前記半透光性膜をパターニングして、フォトマスクを製
造するフォトマスクの製造方法であって、
前記半透光性膜のパターニングは、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニウム
から選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる少な
くとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いたウエットエッチングによって行われ、
前記エッチング液は、該エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比を、ウ
エットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比に設定した
エッチング液とすることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
(構成2)透光性基板上に、露光光に対する透過量を調整する機能を有し、金属及び珪素
を含む材料からなる半透光性膜と、露光光を遮光する遮光性膜とが順次形成されたマスク
ブランクから、前記遮光性膜及び前記半透光性膜をパターニングして、フォトマスクを製
造するフォトマスクの製造方法であって、
前記半透光性膜のパターニングは、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニウム
から選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる少な
くとも一つの酸化剤と、脱泡剤もしくは消泡剤とを含むエッチング液を用いたウエットエ
ッチングにより行うことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
(構成3)前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比は、ウエットエッ
チングに伴って発生するガスの発生量が最小となるモル比であることを特徴とする構成1
又は2記載のフォトマスクの製造方法。
(構成4)前記半透光性膜の膜厚が10〜100オングストロームであることを特徴とす
る構成1乃至3の何れか一に記載のフォトマスクの製造方法。
(構成5)前記フォトマスクは、FPDデバイスを製造するためのフォトマスクであるこ
とを特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載のフォトマスクの製造方法。
本発明によれば、上述した課題を解決でき、前記半透光性膜のウエットエッチングに伴
って発生するガスによる前記半透光性膜及び/又は前記遮光性膜のパターン欠陥を防止で
きる、フォトマスクの製造方法等を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本第1発明は、透光性基板上に、露光光に対する透過量を調整する機能を有し、金属及
び珪素を含む材料からなる半透光性膜と、露光光を遮光する遮光性膜とが順次形成された
マスクブランクから、前記遮光性膜及び前記半透光性膜をパターニングして、フォトマス
クを製造するフォトマスクの製造方法であって、
前記半透光性膜のパターニングは、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニウム
から選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる少な
くとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いたウエットエッチングによって行われ、
前記エッチング液は、該エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比を、ウ
エットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比に設定した
エッチング液とすることを特徴とする(構成1)。
本第1発明によれば、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比を、
ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比に設定す
ることによって、上述した課題1〜2を解決でき、前記半透光性膜のウエットエッチング
に伴って発生するガスによる前記半透光性膜のパターン欠陥を防止できる、フォトマスク
の製造方法等を提供できる。
本第1発明において、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比を、
ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比に設定し
たエッチング液は、前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比と、ウエットエッチングに伴っ
て発生するガスによるパターン欠陥との関係を前記モル比を変化させて求め、これに基づ
き、前記モル比を、ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止
できるモル比に設定することによって得られる。
また、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比を、ウエットエッチ
ングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比に設定したエッチング液
は、簡略的には、前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比と、泡の発生との関係を前記モル
比を変化させて求め、これに基づき、前記モル比を、泡が発生しないモル比に設定するこ
とによって得られる。但しこの場合は、泡が発生しないモル比に設定することによって、
ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止できるかどうか実際
に確認する必要がある。
尚、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比は、通常、ウエットエ
ッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止する観点からは設定されておら
ず、むしろ他の観点(例えばエッチング性能の維持の観点)から前記モル比は設定されて
いる。このため、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比は、通常、
ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比とは、か
なり相違している。
本第1発明において、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比は、
ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小となるモル比であることが好ま
しい(構成3)。
この理由は、ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量を最小値(極小値)と
することによって、ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥も極力
低減することができると考えられるからである。
本発明において、ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小となる前記
弗素化合物と前記酸化剤のモル比は、上述したように推察した反応式から求めることがで
きる。このことを説明すると以下のようになる。
例えば、上記(5)’式においては、過酸化水素を5モル追加することにより、発生す
る水素を酸化して水に変えることができる。これを式で示せば、下式(5)’’となる。
MoSi+7H+14NHF・HF → 2SiF+14NHF+Mo
+12HO …(5)’’
ここで、モリブデンシリサイドは必ずしもMoSiの化学量論的に等しい割合で存在
しているとはかぎらず、MoSixの形の場合が多い。この場合の反応式は、下式(5)
’’’となる。
MoSix+αH+2αNHF・HF → xSiF+2αNHF+Mo
+2αHO …(5)’’’[但し(5)’’’式において、α=2x+3]
上記(5)’’’式では、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素のモル比を、MoとS
iとの含有比率(原子%比)に合わせて、ガスの発生(量)が最小(極小値)(上記(5
)’’’式ではゼロ)となるモル比にしている。
即ち、半透光性膜の材料がMoSiで、エッチング液が過酸化水素(H)と弗化水素アンモニウム(NHF・HF)を使用した場合に、過酸化水素:弗化水素アンモニウム=1:2のモル比に設定すると、ガスの発生(量)が最小(極小値)となるので好ましい。
また、半透光性膜の材料がMoSiで、エッチング液が過酸化水素(H)と弗化水素酸(HF)を使用した場合に、過酸化水素:弗化水素酸=1:2のモル比に設定すると、ガスの発生(量)が最小(極小値)となるので好ましい。
また、半透光性膜の材料がMoSiで、エッチング液が硝酸(HNO)と弗化水素酸(HF)、又は、硝酸(HNO)と弗化水素アンモニウムを使用した場合に、硝酸:弗化水素酸=1:1、硝酸:弗化水素アンモニウム=1:1のモル比に設定すると、ガスの発生(量)が最小(極小値)となるので好ましい。
また、例えば、金属Mと珪素(Si)を含む薄膜材料がMSix(但しMは、Mo、N
i、W、Zr、Ti、Ta、Cr等の遷移金属)である場合においては、上記(5)’’
’式に準じて、前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比(例えばフッ化水素アンモニウムと
過酸化水素のモル比)を、エッチングに伴って発生するガスの発生量が最小又は極小値と
なるモル比にする。
尚、MSixZ(但し、Zは、N、C、H、O、Fなど、又、Mは、Mo、Ni、W、
Zr、Ti、Ta、Cr等の遷移金属)の場合は、Zの結合形態やZの種類によっては必
ずしもZの添加がガス発生につながるとは限られないが、Zの添加がガス発生につながる
場合においては、Zの含有比率も考慮に入れて、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素の
モル比を、ガスの発生が最小又は極小値となるモル比にする。
本第1発明において、前記エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比X:
Yは、ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小となる前記弗素化合物と
前記酸化剤のモル比がx:yである場合、x±10%:y±10%とすることができる。
この理由は、上記範囲であれば、ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量を
極力少なくすることができると考えられるからである。また、上記範囲であっても、ウエ
ットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を実質的に防止できると考えら
れるからである。
本第2発明は、透光性基板上に、露光光に対する透過量を調整する機能を有し、金属及
び珪素を含む材料からなる半透光性膜と、露光光を遮光する遮光性膜とが順次形成された
マスクブランクから、前記遮光性膜及び前記半透光性膜をパターニングして、フォトマス
クを製造するフォトマスクの製造方法であって、
前記半透光性膜のパターニングは、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニウム
から選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる少な
くとも一つの酸化剤と、脱泡剤もしくは消泡剤とを含むエッチング液を用いたウエットエ
ッチングにより行うことを特徴とする(構成2)。
本第2発明によれば、上述した課題1〜4を解決でき、前記半透光性膜のウエットエッ
チングに伴って発生するガスによる前記半透光性膜及び前記遮光性膜のパターン欠陥を防
止できる、フォトマスクの製造方法等を提供できる。
詳しくは、フッ化水素アンモニウムと、過酸化水素と、脱泡剤もしくは消泡剤と、水と
、を含む溶液からなるエッチング液を用いることによって、ガスが発生したり、そのガス
が泡となる場合であっても、発生したガスや泡を脱泡もしくは消泡して除去できる。この
結果、半透光性膜のウエットエッチング反応に伴って発生するガス(H等)による半透
光性膜のパターン欠陥の発生の問題(第2の課題)を解消できる。また、半透光性膜のウ
エットエッチングの際に発生するガス(O等)の問題(第3の課題)、及びそれによる
遮光性膜のパターン欠陥の発生の問題(第4の課題)を解消できる。
本第2発明は、本第1発明と組み合わせて、双方の作用によってガスの発生による影響
を抑えることが好ましい。特に、本第2発明において、前記エッチング液中の前記弗素化
合物と前記酸化剤のモル比は、ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小
となるモル比であることが好ましい(構成3)。これらのように、前記エッチング液中の
前記弗素化合物と前記酸化剤のモル比をあわせることによりガスの発生を抑えつつ、係る
エッチング液に脱泡剤もしくは消泡剤を含有させる場合においては、ガスの発生による影
響に対する相乗効果が期待でき、しかも脱泡剤もしくは消泡剤は微量含有させればよい。
本第2発明において、脱泡剤は、発生したガスが泡となっても脱泡させることができる
作用を有することが好ましい。また、本発明に係る脱泡剤は、基板表面に吸着した泡と基
板との吸着面に浸透する作用を有することが好ましく、基板表面に吸着した泡を基板表面
から脱離させる作用を有することが好ましい。
このような作用を有する脱泡剤としては、例えば、ラウリルアルコール硫酸エステル、
ラウリルアルコール硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、等が挙げられる。
脱泡剤の含有量は、例えば、10−5〜10−2wt%ラウリルアルコール硫酸エステ
ル水溶液の場合、エッチング液1リットル当たり0.1〜2mlが望ましい。
消泡剤としては、小さい泡を液中に溶解(吸収)させる作用や、泡を破裂させる作用、
などがあるものがよい。また、消泡剤は、泡と基板上の膜との吸着力を小さくさせて膜表
面から泡を取り除く界面活性剤のような作用があると良い。
具体的な消泡剤としては、低級・高級脂肪族アルコール系、低級・高級脂肪酸系、低級
・高級脂肪族アミド系、低級・高級脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレン系、シ
リコーン系等の消泡剤等が挙げられる。
本発明においては、脱泡剤と消泡剤の双方を添加することも可能である。
上記本第1発明又は本第2発明において、エッチング液の温度は、10℃以上60℃以下の範囲で設定することが好ましい。10℃未満の場合、半透光性膜のエッチング速度が遅くなり生産性が悪くなるので好ましくない。また、60℃を超える場合、半透光性膜のエッチング速度が速くなり、形成する半透光性膜パターンのパターン寸法精度が悪化するので好ましくない。好ましいエッチング液の温度範囲は、20℃以上45℃以下が望ましい。
上記本第1発明又は本第2発明において、金属及び珪素を含む材料からなる半透光性膜
を構成する金属としては、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)
、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)や、これ
らの元素を含む合金、又は上記元素や上記合金を含む材料、などが挙げられる。
具体的には、例えば、金属M及びシリコン(MSi、M:Mo、Ni、W、Zr、Ti
、Ta、Cr等の遷移金属)、酸化窒化された金属及びシリコン(MSiON)、酸化炭
化された金属及びシリコン(MSiCO)、酸化窒化炭化された金属及びシリコン(MS
iCON)、酸化された金属及びシリコン(MSiO)、窒化された金属及びシリコン(
MSiN)、などが挙げられる。
前記半透光性膜は、露光光に対する透過量を調整する機能を有するように、その組成や
膜厚等が設定される。
上記本第1発明又は本第2発明において、露光光を遮光する遮光性膜の材料としては、
クロム単体や、クロムに酸素、窒素、炭素、水素からなる元素を少なくとも1種を含むも
の(Crを含む材料)、などが挙げられる。具体的には、例えば、クロムや、クロムの窒
化物、クロムの酸化物、クロムの炭化物、クロムのフッ化物、それらを少なくとも1つ含
む材料や、これらに水素、ヘリウムなどの元素を含む材料、などが挙げられる。遮光性膜
の膜構造としては、上記膜材料からなる単層、複数層構造とすることができる。また、異
なる組成においては、段階的に形成した複数層構造や、連続的に組成が変化した膜構造と
することができる。
本発明において、ウエットエッチング方式としては、浸漬、吹き掛け、スプレー、など
が挙げられる。
なお、吹き掛け方式や、スプレー方式によるウエットエッチングでは、エッチングする
際に、気泡を巻き込んで基板表面に気泡が付着する場合もありうるが、本第2発明によれ
ば、脱泡剤もしくは消泡剤の作用により、このような気泡による影響も回避することが可
能である。
本発明のフォトマスクの製造方法は、前記半透光性膜の膜厚が10〜100オングスト
ロームである場合に特に効果的である(構成4)。
この理由は、上述したように、上記第2の課題は、例えばFPDデバイスを製造するた
めのフォトマスクの一例であるグレートーンマスクにおける半透光性膜のように、膜厚が
10〜100オングストローム程度と薄い場合に影響が大きいからである。
このため、本発明のフォトマスクの製造方法は、FPDデバイスを製造するためのフォ
トマスクの製造方法として特に効果的である(構成5)。
上記本第1発明又は本第2発明に係るフォトマスクの製造方法においては、透光性基板
上に、前記半透光性膜と前記遮光性膜とが順次形成されたマスクブランクから、前記遮光
性膜及び前記半透光性膜をパターニングして、フォトマスクを製造する。
このようなフォトマスクの製造方法について、FPDデバイスを製造するためのフォト
マスクの一例であるグレートーンマスクを製造する製造工程の一例を示す図lを参照して
、以下に説明する。
まず、透光性基板16の表面に半透光性膜17、遮光性膜18を順次成膜する工程を実
施してマスクブランク20を形成し、準備する(図1(A))。
ここで、半透光性膜17は、例えば金属と珪素(Si)を含む金属シリサイド系スパッ
タターゲットを用いたスパッタ成膜にて、金属及び珪素を含む材料からなる半透光性膜を
形成することができる。その膜厚は、必要な半透光性膜の透過率により適宜選定される。
次に、遮光性膜18は、例えばクロムターゲットを用い、窒素、酸素、メタン、二酸化炭
素等の反応性ガスを用いた反応性スパッタにて、一層または多層構造の膜(例えば反射防
止膜付遮光性膜)を形成することができる。
これらの半透光性膜l7と遮光性膜18は、グレートーンマスク10の製造工程におい
て、互いのエッチングに対し耐性を有する。つまり、半透光性膜17は、クロム用エッチ
ング液に対して耐性を有する。また、遮光性膜18は、金属シリサイド用エッチング液に
対して耐性を有する。
次に、上記マスクブランク20の遮光性膜18上に、レジスト膜(ポジ型レジスト膜や
ネガ型レジスト膜)を形成し、このレジスト膜を電子線またはレーザー描画装置を用いて
露光し、現像液により現像して、第1レジストパターン2lを形成する(図1(B))。
この第1レジストパターン21は、製造されるグレートーンマスク10の透光部14を開
口領域とする形状に形成される。また、第1レジストパターン21を形成するレジストと
しては、ノボラック系レジストを用いることができる。
この第1レジストパターン21が形成されたマスクブランク20をクロム用エッチング
液に浸潰し、このクロム用エッチング液を用い、第1レジストパターン21をマスクにし
て、マスクブランク20の遮光性膜18をウエットエッチングする(図1(C))。この
エッチングにより遮光性膜18に遮光性膜パターン22が形成される。また、半透光性膜
17は、クロム用エッチング液に対して耐性を有することから、エッチングされることが
ない。更に、第1レジストパターン21を構成するレジストは、遮光性膜18との密着性
が良好であるため、クロム用エッチング液によって剥がれてしまうことがない。
上記遮光性膜パターン22の形成後、この遮光性膜パターン22上に残存した第1レジ
ストパターン21を剥離する(図1(D))。この第1レジストパターン21の剥離後、
遮光性膜パターン22が形成されたマスクブランク20を金属シリサイド用エッチング液
に浸漬し、この金属シリサイド用エッチング液を用い、遮光性膜パターン22をマスクに
して半透光性膜17をウェットエッチングし、半透光性膜パターン23を形成する(図1
(E))。これらの遮光性膜パターン22及び半透光性膜パターン23により透光部14
が形成される。
上記金属シリサイド用エッチング液は、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニ
ウムから選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる
少なくとも一つの酸化剤とを含むものである。
本発明では、上記金属シリサイド用エッチング液中の前記弗素化合物と前記酸化剤のモ
ル比を、ウエットエッチングに伴って発生するガスによるパターン欠陥を防止するモル比
に設定したり、前記モル比を、ウエットエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小
となるモル比に設定したりできる。また、これらのエッチング液中に脱泡剤もしくは消泡
剤とを含むエッチング液を用いこともできる。
尚、遮光性膜18は、上記金属シリサイド用エッチング液に対して耐性を有するためエ
ッチングされることはない。この遮光性膜18からなる遮光性膜パターン22をエッチン
グマスクとして、金属シリサイド用エッチング液により半透光性膜17をエッチングする
ので、上記第1レジストパターン21を構成するレジストと上記金属シリサイド用エッチ
ング液とが化学反応して、フッ化物系有機物からなる異物を生じさせることがない。
上述のようにして半透光性膜パターン23を形成後、遮光性膜パターン22を構成する
遮光性膜18の所望部分以外を除去する工程を実施する。つまり、遮光性膜パターン22
上及び透光性基板l6上にレジスト膜を成膜し、このレジスト膜を前述と同様に露光、現
像して、第2レジストパターン24を形成する(図1(F))。この第2レジストパター
ン24はグレートーン部15を開口領域とする形状に形成される。次に、第2レジストパ
ターン24をマスクにして、前記クロム用エッチング液を用い遮光性膜パターン22を構
成する遮光性膜18を更にウェットエッチングする(図1(G))。
その後、残存する第2レジストパターン24を剥離して、半透光性膜17からなるグレ
ートーン部15、遮光性膜18及び半透光性膜17が積層されてなる遮光部13を有する
グレートーンマスク10を製造する(図1(H))。
以上のように構成されたことから、上記製造例によれば、次の効果を奏する。
グレートーンマスク10の製造工程において、図1(D)に示すように、第1レジスト
パターン21を剥離した後、遮光性膜パターン22をマスクとして、半透光性膜17(金
属シリサイド膜)を金属シリサイド用エッチング液を用いてエッチングする。このことか
ら、第1レジストパターン21のレジストと上記金属シリサイド用エッチング液とが化学
反応して異物が生成されることがなく、従って、この異物が、透光性基板16上や遮光性
膜パターン22の遮光性膜13上に付着することを確実に防止できる。
本発明において、透光性基板としては、合成石英、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、無アルカリガラスなどの基板が挙げられる。
本発明において、FPDデバイスを製造するためのマスクブランク及びマスクとしては
、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッ
センス)ディスプレイなどのFPDデバイスを製造するためのマスクブランク及びマスク
が挙げられる。
ここで、LCD製造用マスクには、LCDの製造に必要なすべてのマスクが含まれ、例
えば、TFT(薄膜トランジスタ)、特にTFTチャンネル部やコンタクトホール部、低
温ポリシリコンTFT、カラーフィルタ、反射板(ブラックマトリクス)、などを形成す
るためのマスクが含まれる。他の表示ディバイス製造用マスクには、有機EL(エレクト
ロルミネッセンス)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの製造に必要なすべてのマ
スクが含まれる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(エッチング液の準備)
以下のようにして半透光性膜のエッチング液を調製し、準備した。
過酸化水素:フッ化水素アンモニウムのモル比が1:2の比になるように、これらの水
溶液を混合し、更に、これを純水で希釈してエッチング液を調製した。このとき、純水で
希釈後のエッチング液全体の量(100wt%)に対し、フッ化水素アンモニウム1wt
%となるように(エッチング液の全体積(100wt%)に対し、フッ化水素アンモニウ
ムとして0.1〜20wt%の割合となるように)希釈した。さらに脱泡剤としてラウリ
ルアルコール硫酸エステル10%溶液を全体に対して0.01wt%混合した。
遮光性膜のエッチング液としては、クロムのエッチング液(硝酸第2セリウムアンモニ
ウムと過塩素酸を含むエッチング液)であるHY液(和光純薬製)を準備した。
(マスクブランクスの作製)
大型ガラス基板(合成石英(QZ)10mm厚、サイズ850mm×1200mm)上
に、大型インラインスパッタリング装置を使用し、グレートーンマスク用の半透光性膜の
成膜を行った。具体的には、Mo:Si=20:80(原子%比)のターゲットを用い、
Arをスパッタリングガスとして、モリブデン及びシリコンからなるグレートーンマスク
用の半透光性膜17(MoSi4;Mo:20原子%、Si:80原子%)を形成した
(図1(A)参照)。このとき、露光光源の波長であるi線〜g線にわたる範囲における
透過率が60%となるように膜厚を調整した。このとき半透光性膜の膜厚は10〜100
オングストロームの範囲内であった。
次に、上記グレートーンマスク用の半透光性膜の上に、大型インラインスパッタリング
装置を使用し、遮光性膜の成膜を行った。具体的には、遮光性膜18として、窒化クロム
膜、炭化窒化クロム膜、酸化窒化クロム膜(反射防止層)、を基板側から順次スパッタリ
ング法で連続的に形成した(図1(A)参照)。このとき、露光光源の波長であるi線〜
g線にわたる範囲における光学濃度が3以上となるように膜厚を調整した。
次に、上記遮光性膜上に、回転塗布法によりノボラック系のレジスト膜を、膜厚100
00オングストロームで形成した。
以上のようにして、実施例1に係るレジスト膜付きマスクブランクス20を得た(図1
(A)参照)。
(マスクの作製)
次に、上述した図1で示した半透光性膜下置きタイプのグレートーンマスク製造工程に
従いマスクを製造した。その際、半透光性膜のエッチング液としては、上記で調製したエ
ッチング液を使用した。また、遮光性膜のエッチング液としては、上記で準備したクロム
のエッチング液を使用した。
尚、上記マスク製造工程において、半透光性膜のエッチング時に、水素(H)、酸素
(O)の泡の発生は確認されなかった。
(評価)
上記で得られたマスク上に形成された半透光性膜パターン、及び遮光性膜パターンにつ
いて調べたところ、半透光性膜のウエットエッチング時に発生する泡に起因すると思われ
る欠陥は確認されなかった。
また、遮光性膜パターンの断面形状は良好であった。遮光性膜パターンにおける反射防
止膜の反射率は、半透光性膜のエッチング工程の前後(図1の(D)、(E)参照)で変
化がなかった。
(比較例1)
ラウリルアルコール硫酸エステルを加えていないエッチング液であって、実施例1の如
くモル比を調製していないエッチング液を用いたこと、以外は実施例1と同様とした。具
体的には、エッチング液として、特許文献1記載の条件(フッ化水素アンモニウム1wt
%+過酸化水素4.4wt%(過酸化水素:フッ化水素アンモニウムのモル比は約4:1
))としたエッチング液を用いた。
尚、マスク製造工程において、半透光性膜のエッチング時に、水素(H)等の泡の発
生が確認された。
評価の結果、半透光性膜のウエットエッチング時に発生した泡に起因すると思われるパ
ターンショートが全面で2箇所、光透過部(モリブデンシリサイド膜を完全にエッチング
除去し基板表面を露出させるべき部分)で10箇所膜残り(厚さは膜厚と同程度)が確認
された。
(比較例2)
実施例1において、フッ酸(弗化水素酸)+硝酸エッチング液(フッ酸1wt%、フッ酸:硝酸のモル比は4:7)を用いたこと、以外は実施例1と同様とした。
尚、マスク製造工程において、半透光性膜のエッチング時に、二酸化窒素(NO)等
の泡の発生が大量に確認された。
評価の結果、泡が起因すると思われるパターンショート欠陥が全面で33箇所、膜残り
が21箇所あった。
(実施例2)
実施例1において、ラウリルアルコール硫酸エステルを加えていないエッチング液(過
酸化水素:フッ化水素アンモニウムのモル比は1:2であり、ウエットエッチングに伴っ
て発生するガス(H)の発生量が最小となるモル比に設定してある)を用いたこと以外
は実施例1と同様とした。
尚、マスク製造工程において、半透光性膜のエッチング時に、微小かつ微量の酸素等の
泡の発生が確認された。
評価の結果、半透光性膜パターンについて、半透光性膜のウエットエッチング時に発生
する泡(H等)に起因すると思われる欠陥は確認されなかった。
また、遮光性膜の表面はもともと十分に酸素が多く含まれた反射防止膜であり、遮光性
膜の表面反射率の変動は、半透光性膜のエッチング工程の前後(図1の(D)、(E)参
照)で殆どなかった。また、遮光性膜のエッチング工程(特に図1の(F)、(G)工程
)においても、遮光性膜中に窒素が含まれているので、酸素の影響が少なく、遮光性膜の
エッチングレートにもあまり影響を与えず、遮光性膜のパターン断面形状も悪化すること
がなかった。
(実施例3〜4)
実施例2において、エッチング液における弗素化合物をフッ酸(弗化水素酸)にし、過酸化水素:フッ酸のモル比を1:2にしたこと以外は実施例2と同様にしてマスクを作製した(実施例3)。
また、実施例2においてエッチング液における酸化剤を硝酸にし、硝酸:フッ化水素アンモニウムのモル比を1:2にしたこと以外は実施例2と同様にしてマスクを作製した(実施例4)。
その結果、実施例3、4ともに、マスク製造工程において、半透光性膜のエッチング時に、微小、かつ微量の酸素等の泡の発生が確認されたが、半透光性膜パターンを評価した結果、半透光性膜のウェットエッチング時に発生する泡に起因すると思われる欠陥は確認されなかった。
また、実施例3、4のエッチング液に対して実施例1と同様に、脱泡剤を添加した場合、半透光性膜のウェットエッチング時に発生する泡に起因する欠陥は確認されなかった。
(実施例5)
実施例2において、エッチング液におけるフッ化水素アンモニウム:過酸化水素のモル比を、ウェットエッチングに伴って発生するガスの発生量が最小となる弗素化合物:酸化剤のモル比(x:y)である2:1から、x+10%:y−0.1%である、2.4:1にした以外は実施例2と同様にしてマスクを作製した。その結果、マスク製造工程において、半透光性膜のエッチング時に、微小、かつ微量の酸素等の泡の発生が確認されたが、半透光性膜パターンを評価した結果、半透光性膜のウェットエッチング時に発生する泡に起因すると思われる欠陥は確認されなかった。
(参考例)
実施例2において、遮光性膜をクロム単層膜としたこと以外は実施例2と同様とした。
評価の結果、微量の酸素の発生により、遮光性膜の表面反射率の変動は実施例2に比べ
大きく、また、遮光性膜のパターン断面形状も実施例1や2に比べ悪化した。
以上、好ましい実施例を掲げて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではない。
半透光性膜下置きタイプのグレートーンマスクを製造する製造工程を説明するための図である。 泡の発生の様子を説明するための模式図である。 半透光性膜を有するグレートーンマスクを説明するための図であり、(1)は部分平面図、(2)は部分断面図である。 解像限界以下の微細遮光パターンを有するグレートーンマスクを説明するための図であり、(1)は部分平面図、(2)は部分断面図である。
符号の説明
1 遮光部
2 透過部
3 グレートーン部
3a 微細遮光パターン
3b 微細透過部
3a’ 半透光性膜
10 透光性基板
11 半透光性膜
12 遮光性膜

Claims (6)

  1. 透光性基板上に、露光光に対する透過量を調整する機能を有し、モリブデンシリサイドを含む材料からなる半透光性膜と、露光光を遮光する遮光性膜とが順次形成されたマスクブランクから、前記遮光性膜及び前記半透光性膜をパターニングして、フォトマスクを製造するフォトマスクの製造方法であって、
    前記半透光性膜のパターニングは、弗化水素酸、又は弗化水素アンモニウムから選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、又は硝酸から選ばれる少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いたウエットエッチングによって行われ、
    前記酸化剤として過酸化水素を用いた場合、0.9〜1.1の任意の数をX1とし、1.8〜2.2の任意の数をY1としたとき、前記エッチング液は、前記酸化剤と前記弗素化合物を、X1:Y1のモル比で含み、
    前記酸化剤として硝酸を用いた場合、0.9〜1.1の任意の数をX2とし、0.9〜1.1の任意の数をY2としたとき、前記エッチング液は、前記酸化剤と前記弗素化合物を、X2:Y2のモル比で含む
    ことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  2. 前記エッチング液は、脱泡剤又は消泡剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  3. 前記エッチング液が、ラウリルアルコール硫酸エステル、又はラウリルアルコール硫酸ナトリウムからなる脱泡剤を含むことを特徴とする、請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 前記エッチング液が、脂肪族アルコール系、脂肪酸系、脂肪族アミド系、脂肪族エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレン系、又はシリコーン系の消泡剤を含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 前記半透光性膜の膜厚が10〜100オングストロームであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載のフォトマスクの製造方法。
  6. 前記フォトマスクは、FPDデバイスを製造するためのフォトマスクであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載のフォトマスクの製造方法。
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