JP5146493B2 - エンドミルおよびその製造方法 - Google Patents
エンドミルおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5146493B2 JP5146493B2 JP2010146989A JP2010146989A JP5146493B2 JP 5146493 B2 JP5146493 B2 JP 5146493B2 JP 2010146989 A JP2010146989 A JP 2010146989A JP 2010146989 A JP2010146989 A JP 2010146989A JP 5146493 B2 JP5146493 B2 JP 5146493B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- processing
- end mill
- laser beam
- chamfer
- laser
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Milling Processes (AREA)
Description
例えば、特許文献1には、超硬合金のシャンクの先端部に設けられた刃部に一対の平板状cBNチップがロウ接で固設され、cBN焼結体でボール刃が構成されたcBNボールエンドミルにおいて、砥石による切削加工でチャンファが形成されたものが記載されている。なお、このcBNボールエンドミルは、外径20mm(ボール刃の曲率半径R=10mm)である。
また、特許文献3には、工具本体と単結晶ダイヤモンドから構成される刃部とを備えたエンドミルにおいて、刃部にレーザ加工を施して単結晶ダイヤモンドの(111)結晶面で構成されたすくい面を形成したエンドミルが提案されている。この刃部も単結晶ダイヤモンドから短冊状に形成され取付座にロウ付けされるものである。
上記従来のエンドミルの加工方法では、砥石を使った切削加工または研磨加工で切刃を形成しているが、切刃の外径が直径2mm以下の小径のエンドミルを作製する場合、切刃となるチャンファを砥石によって加工すると、安定したチャンファを形成することができないという不都合があった。すなわち、小径で細いエンドミルに砥石による力学的な負荷が掛かると共に砥石自体の形状経時変化が生じることにより、面粗さが大きくなると共にチャンファ幅もばらついてしまい、安定したチャンファを形成することが困難であった。特に、cBN焼結体のように非常に硬度の高い材料の場合は困難であった。例えば、図12に示すように、小径のボールエンドミル1を作製する際に砥石によってチャンファ2を形成する場合、カーブする切刃3のすくい面4側に砥石を当てながら切削するため、研削時に部位によって研削抵抗が変化し、そのために加工中のエンドミルのたわみが変化することから均一に加工することができず、途中でチャンファ幅の狭い部分が生じてしまう。このようにチャンファ幅の狭い部分が局所的に生じて歪なチャンファ2になると、部分的に切刃2の刃先強度が低くなって寿命が低下したり、切りくずの逃げが悪くなり、安定した切削性能を得ることができない。そのため、従来、直径2mm以下の小径エンドミルでは精度の高いチャンファを形成することができず、安定した切削加工を行うことが難しかった。また、板状のcBNチップやダイヤモンドチップ等をエンドミル本体に装着する手法では、直径2mm以下の小径のボールエンドミルを作製することが困難であった。
すなわち、このエンドミルでは、チャンファが、一定幅で形成されているので、チャンファの延在方向にわたって安定した刃先強度が得られ、より安定した切削性能を得ることができる。
すなわち、このエンドミルでは、工具先端部のうち少なくともボール刃部がcBN焼結体、焼結ダイヤモンド、超硬合金のいずれかまたはその組み合わせで形成されているので、耐摩耗性に優れて高寿命であり、優れた切削性能を有する小径ボールエンドミルとして、金型等の仕上げ加工等に好適であり、特にcBN焼結体は、高硬度鋼の仕上げ加工等に好適である。
すなわち、本発明に係るエンドミルおよびその製造方法によれば、切刃の外径が直径2mm以下の小径エンドミルにおいても、工具先端部全体がレーザ加工で形状形成されていると共に、切刃のすくい面側にチャンファがレーザ加工で帯状に形成されているので、小さい面粗さで高精度なチャンファを有し、歪なチャンファに起因する刃先強度の局所的低下や切りくず排出性の悪化が無く、高寿命および安定した切削性能を得ることができる。したがって、本発明のエンドミルは、例えば、耐摩耗性に優れて高寿命な小径ボールエンドミルとして、難加工材料の仕上げ加工等に好適である。
そして、このエンドミル10は、切刃13の外径が、直径2mm以下であり、工具先端部12全体がレーザ加工で形状形成されていると共に、切刃13のすくい面16側にチャンファ19(図1のハッチング部分)がレーザ加工で帯状に形成されている。
本実施形態の製造方法に用いるレーザ加工装置21は、図3に示すように、加工対象物の工具先端部12にレーザビーム(レーザ光)Lを照射して3次元加工する装置であって、レーザビームLをパルス発振して工具先端部12に一定の繰り返し周波数で照射すると共に走査するレーザ光照射機構22と、チップ部11を接合したシャンク部14を保持して回転可能なモータ等の回転機構23と、該回転機構23が設置されて移動可能な移動機構24と、これらを制御する制御部25と、を備えている。
また、レーザ光照射機構22は、レーザビームLの走査方向を、楕円形状である上記光強度分布の長軸方向または短軸方向に一致させている。これは、レーザビームLの走査方向が、上記光強度分布の長軸方向または短軸方向に一致せずに長軸または短軸に対して傾いた方向であると、走査終端部分の加工形状が傾いてズレが生じてしまうためである。なお、本実施形態では、レーザビームLの走査方向を、上記光強度分布の短軸方向に一致させている。
上記ガルバノスキャナ27は、移動機構24の直上に配置されている。また、上記CCDカメラ28は、ガルバノスキャナ27に隣接して設置されている。
さらに、工具先端部12のうち少なくともボール刃部13aがcBN焼結体で形成されているので、耐摩耗性に優れて高寿命であり、優れた切削性能を有する小径ボールエンドミルとして、高硬度鋼の仕上げ加工等に好適である。
したがって、本実施形態の製造方法では、チャンファ幅精度が±2μm以内で、すくい角精度が±2°以内で加工することが可能である。さらに、チャンファ19の面粗さを、Rz:2μm以下、Ra:1μm以下とすることが可能である。
この画像からわかるように、本実施例のエンドミルのチャンファは、幅精度が5μm未満で延在方向に滑らかな側縁をもって一定の幅で形成されていると共に、面粗さRzが2μm以下、Raが1μm以下であった。
また、ボール刃部および外周刃部が形成された工具先端部全体をcBN焼結体で形成し、ボール刃部および外周刃部の両方をcBN焼結体で形成しているが、軸線方向において先端からボール刃部の基端までの部分をcBN焼結体で形成し、ボール刃部の基端から外周刃部の基端までの部分を超硬合金で形成した工具先端部とするなど、cBN焼結体、焼結ダイヤモンド、超硬合金とのこのような組み合わせをしても構わない。また、工具先端部全体を、焼結ダイヤモンドまたは超硬合金で形成しても構わない。
Claims (3)
- 軸線回りに回転される工具先端部に、少なくとも一対の切刃が先端において前記軸線を挟んで互いに反対側に形成されてなるエンドミルであって、
前記切刃の外径が、直径2mm以下であり、
前記工具先端部全体がレーザ加工で形状形成されていると共に、前記切刃のすくい面側にチャンファがレーザ加工で帯状に形成され、
前記チャンファが、幅精度が±2μm以内で形成され、すくい角精度が±2°以内であり、さらに、前記チャンファの面粗さがRz:2μm以下であることを特徴とするエンドミル。 - 請求項1に記載のエンドミルにおいて、
前記切刃として前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなすボール刃部を有したボールエンドミルであり、
前記工具先端部のうち少なくとも前記ボール刃部がcBN焼結体、焼結ダイヤモンド、超硬合金のいずれかまたはその組み合わせで形成されていることを特徴とするエンドミル。 - 請求項1又は2に記載のエンドミルを製造する方法であって、
ビーム断面の光強度分布がガウシアン分布であるレーザビームを照射して前記工具先端部全体を形状形成する三次元レーザ加工工程を有し、
該三次元レーザ加工工程で、少なくとも前記チャンファを形成する際に、加工前形状と設計上の加工後形状との両方において加工面に対する前記レーザビームの角度を50°未満に設定して前記レーザビームを照射し、
前記レーザビームがシングルモードであり、集光点においてビーム断面の光強度分布が楕円形状となっており、前記レーザビームの走査方向を、楕円形状である前記光強度分布の長軸方向又は短軸方向に一致させ、
前記工具先端部を周方向に4分割した加工領域の1つの加工領域内では、前記レーザビームの照射方向と照射される加工面とのなす角度が常に50°未満になるように、軸線を中心に前記工具先端部を90°毎に4回分割回転させてレーザ加工を行い、
前記レーザビームの走査制御において、前記工具先端部を前記レーザビームの照射方向に積層された複数の加工レイヤーに分けて設定し、加工前の形状と設計上の加工後形状とから加工除去する部分を、前記加工レイヤー毎に設置し、前記加工レイヤー毎に前記レーザビームを走査して所定部分を除去することを特徴とするエンドミルの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010146989A JP5146493B2 (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | エンドミルおよびその製造方法 |
CN2011101568136A CN102294507B (zh) | 2010-06-28 | 2011-06-03 | 立铣刀及其制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010146989A JP5146493B2 (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | エンドミルおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012006134A JP2012006134A (ja) | 2012-01-12 |
JP5146493B2 true JP5146493B2 (ja) | 2013-02-20 |
Family
ID=45355316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010146989A Expired - Fee Related JP5146493B2 (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | エンドミルおよびその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5146493B2 (ja) |
CN (1) | CN102294507B (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5842708B2 (ja) * | 2012-03-29 | 2016-01-13 | 三菱マテリアル株式会社 | ボールエンドミル |
JP5983364B2 (ja) * | 2012-12-04 | 2016-08-31 | 三菱マテリアル株式会社 | エンドミル |
CN104999176B (zh) * | 2014-08-15 | 2019-06-25 | 上海精韧激光科技有限公司 | 刃口的加工方法 |
US9643282B2 (en) | 2014-10-17 | 2017-05-09 | Kennametal Inc. | Micro end mill and method of manufacturing same |
CN104384721A (zh) * | 2014-10-21 | 2015-03-04 | 廊坊西波尔钻石技术有限公司 | 一种pdc片的倒角加工方法 |
US10850335B2 (en) | 2016-10-21 | 2020-12-01 | Mitsubishi Hitachi Tool Engineering, Ltd. | Cutting insert and cutting edge-interchangeable rotary cutting tool |
JPWO2020250499A1 (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | ||
CN113747997B (zh) * | 2020-03-30 | 2023-06-06 | 国立大学法人东海国立大学机构 | 刀尖加工装置和切削装置 |
JP2021011015A (ja) * | 2020-10-26 | 2021-02-04 | 三菱マテリアル株式会社 | ダイヤモンド被覆回転切削工具の製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05253757A (ja) * | 1992-03-10 | 1993-10-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ダイヤモンド切削工具およびその製造方法 |
JPH07156003A (ja) * | 1993-12-07 | 1995-06-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法 |
JP2002187012A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-02 | Osg Corp | Cbnボールエンドミル |
JP4185370B2 (ja) * | 2003-01-23 | 2008-11-26 | 住友電工ハードメタル株式会社 | チップブレーカー付き硬質焼結体切削工具およびその製造方法 |
CN1260041C (zh) * | 2003-12-18 | 2006-06-21 | 北京工业大学 | 一种棍铣刀的激光熔覆方法 |
JP5119581B2 (ja) * | 2005-09-14 | 2013-01-16 | 株式会社タンガロイ | ボールエンドミル |
JP5105153B2 (ja) * | 2007-06-27 | 2012-12-19 | 三菱マテリアル株式会社 | 加工工具の製造方法及び加工工具 |
JP2010023192A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Osg Corp | エンドミル及びエンドミルの製造方法 |
-
2010
- 2010-06-28 JP JP2010146989A patent/JP5146493B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2011
- 2011-06-03 CN CN2011101568136A patent/CN102294507B/zh not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN102294507A (zh) | 2011-12-28 |
JP2012006134A (ja) | 2012-01-12 |
CN102294507B (zh) | 2013-12-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5146493B2 (ja) | エンドミルおよびその製造方法 | |
JP2012006135A (ja) | エンドミルおよびその製造方法 | |
JP6089596B2 (ja) | エンドミル及びその製造方法 | |
JP6428919B2 (ja) | 切削工具、スカイビング加工装置および方法 | |
JP6435801B2 (ja) | エンドミル | |
JP2012016735A (ja) | レーザ加工装置およびレーザ加工方法 | |
JP6657547B2 (ja) | 切削工具及びその製造方法 | |
JP5201424B2 (ja) | 炭素膜被覆切削工具およびその製造方法 | |
JP5969106B1 (ja) | エンドミルとその製造方法 | |
JP2014193522A (ja) | エンドミル及びその製造方法 | |
JP2006198743A (ja) | 小径回転工具及び高硬度材料ワークの切削方法 | |
JP2003025118A (ja) | 切削用ダイヤモンド工具 | |
JP5899904B2 (ja) | 炭素膜被覆エンドミルおよびその製造方法 | |
JP5983364B2 (ja) | エンドミル | |
JP5892008B2 (ja) | ボールエンドミル及びその製造方法 | |
JP3759098B2 (ja) | ボールエンドミル | |
JP5892007B2 (ja) | スクエアエンドミル及びその製造方法 | |
JP2003305652A (ja) | 砥 石 | |
JP4640353B2 (ja) | 砥石の製造方法 | |
JP5183256B2 (ja) | 切削工具とこれを用いた切削方法 | |
JP5939091B2 (ja) | ラジアスエンドミル及びその製造方法 | |
JP2004216483A (ja) | 超精密加工用工具 | |
JP2006281376A (ja) | 切削工具の製造方法 | |
JP6354451B2 (ja) | ボールエンドミル及びその製造方法 | |
JP2008229764A (ja) | 回転工具及び加工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120209 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20120209 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20120228 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120613 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120615 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120821 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121015 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121030 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5146493 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |