JP5146432B2 - Iii族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法及びiii族窒化物系化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法及びiii族窒化物系化合物半導体素子の製造方法 Download PDF

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本発明はIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法及びIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法に関する。
近年、窒化ガリウム単結晶基板が商業的に入手可能となり、窒化ガリウム単結晶基板を用いて、発光素子、HEMTその他のIII族窒化物系化合物半導体素子を形成し、それら素子の特性改善が研究されている。
しかし窒化ガリウム単結晶基板は、気相成長法であるエピタキシャル成長により得られているのが現状であり、且つその際に用いるエピタキシャル成長基板は、サファイア基板等の異種基板が使用されることが多い。これは、他の半導体結晶と異なり、液相成長による大型結晶の形成が困難であり、且つ粗結晶の溶融冷却により高純度又は高品質結晶を得ることが事実上不可能であることによる。
また、窒化ガリウム単結晶基板自体も高価であるため、これを種結晶として大量の窒化ガリウム単結晶を生産することも、商業的には実施されていない。
このように、商業的に入手可能な窒化ガリウム単結晶基板は、エピタキシャル成長の際にサファイア基板等の異種基板上に形成されたものであることから、格子欠陥や歪、特に反りを有するものが多い。サファイア基板に形成される窒化ガリウム単結晶は、サファイアの主面がc面又はa面である場合には、窒化ガリウムのc面がそれらに平行となるように形成され、且つ成長方向が+c軸方向となることが通常である。このようにして厚膜の窒化ガリウム単結晶をサファイア基板上にエピタキシャル成長させたのち、サファイア基板を例えば研磨により除去する。こうして得られた窒化ガリウム単結晶は、例えば+c面と−c面を有する板状となる。この窒化ガリウム単結晶は、+c面側が凹に、−c面側が凸となるようにわずかに反っているものが多い。これは、窒化ガリウム単結晶を半導体素子を形成する基板として用いる場合に問題となる。
本願発明に関連すると思われる公知文献を4件挙げておく。
特開2005−045054号公報 特開平11−243253号公報 特開2007−019526号公報 特開2007−142336号公報
反りを有する窒化ガリウム単結晶を基板として、その上にIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させる場合の問題点を説明する。
図2.A乃至図2.Cは反りを有する窒化ガリウム単結晶基板を用いたエピタキシャル成長の工程図(断面図)、図2.Dは、窒化ガリウムの結晶構造を示す説明図である。
窒化ガリウムは六方晶系のウルツァイト構造を有し、+c軸方向は<0001>、−c軸方向は<000−1>と示される。尚、図面ではミラー指数は通常通り数字の上にバーを付して示すが、本明細書内では数字の前に負号(マイナス)を付して示すこととする。
図2.Aに示す通り、c面を主面とする板状の窒化ガリウム単結晶基板10は、+c面であるガリウム極性面10Gaと、−c面である窒素極性面10Nを有する。+c軸方向<0001>は、−c面である窒素極性面10Nから+c面であるガリウム極性面10Gaへの法線方向であり、−c軸方向<000−1>は、+c面であるガリウム極性面10Gaから−c面である窒素極性面10Nへの法線方向である。
図2.Aに示す通り、c面を主面とする板状の窒化ガリウム単結晶基板10は、通常、+c面であるガリウム極性面10Gaが凹となり、−c面である窒素極性面10Nが凸となる向きに反っている。
図2.Bに示す通り、窒化ガリウム単結晶基板10をエピタキシャル成長装置に搬入し、−c面である窒素極性面10Nを下にして加熱台であるサセプタ50上に載置する。窒化ガリウム単結晶基板10は、−c面である窒素極性面10Nが凸となる向きに反っているため、例えば窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nの中央でサセプタ50に接し、−c面である窒素極性面10Nの外周においてサセプタ50と離間している。
図2.Bに示す状態で、例えばトリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)を供給して、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Gaに窒化ガリウムエピタキシャル層を形成する。この際、窒化ガリウム単結晶基板10は、−c面である窒素極性面10Nの外周においてサセプタ50と離間しているため、原料ガスであるトリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)は、当該隙間から−c面である窒素極性面10Nに到達する。すると、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Gaに窒化ガリウムエピタキシャル層が形成されるのみでなく、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nにおいても結晶成長が生ずることとなる。
また、図2.Bで示したのとは逆に、窒化ガリウム単結晶基板10が−c面である窒素極性面10Nが凹となる向きに反っている場合は、窒素極性面10Nの外周においてサセプタ50に接し、窒素極性面10Nの中央で−c面であるサセプタ50と離間することになる。この場合も、原料ガスは、窒化ガリウム単結晶基板10とサセプタ50との隙間から−c面である窒素極性面10Nに到達するため、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Gaに窒化ガリウムエピタキシャル層が形成されるのみでなく、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nにおいても結晶成長が生ずることとなる。
ところが、良く知られているように、III族窒化物系化合物半導体の窒素極性面におけるエピタキシャル成長では、結晶性の良い単結晶が得られず、着色した多結晶となってしまう。
即ち、図2.Cに示す通り、図2.Bの状態で窒化ガリウムのエピタキシャル成長を行うと、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Ga上に単結晶の窒化ガリウムエピタキシャル層20が形成されるが、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10N上には、不規則な着色した多結晶の窒化ガリウム塊29が形成されてしまう。尚、図2.Cでは理解を容易にするために窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nの外周近辺に厚膜の多結晶の窒化ガリウム塊29が形成された状態を示したが、実際には、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nのほぼ全体に、膜厚も光散乱性も均一でない多結晶の窒化ガリウム塊29が形成されてしまう。
図2.Cに示した、窒化ガリウム単結晶基板10上に形成した単結晶の窒化ガリウムエピタキシャル層20を、例えば所望の組成、所望のドーパントを添加した、単層のIII族窒化物系化合物半導体層又は複数層から成るIII族窒化物系化合物半導体積層構造として半導体素子を形成する場合、のちのエッチングや電極形成等における位置決めに際し、光透過性の無い多結晶の窒化ガリウム塊29の存在が障害となる。また、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nに電極を形成する場合、多結晶の窒化ガリウム塊29を除去しないで電極を形成しても、当該多結晶の窒化ガリウム塊29は窒化ガリウム単結晶基板10との接合が不良であり、導電性が悪化し、或いは多結晶の窒化ガリウム塊29と共に電極が剥がれる可能性もある。
そこで本発明の目的は、III族窒化物系化合物半導体単結晶をエピタキシャル成長基板として用いる場合に、望まない裏面に多結晶のIII族窒化物系化合物半導体を付着させないことである。
請求項1に係る発明は、板状の窒化ガリウム単結晶基板の一方の面に、所望の組成及び所望のドーパントを添加したIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させる方法において、板状の窒化ガリウム単結晶基板は、一方の面はガリウム極性面、他方の面は窒素極性面であり、その他方の面が凸に反っていて、板状の窒化ガリウム単結晶基板の他方の面に、エピタキシャル成長が生じず、少なくともある波長範囲において透光性を有する酸化ケイ素による被膜を形成したのち、板状の窒化ガリウム単結晶基板を他方の面側を下にして加熱台上に載置して、他方の面の中央は加熱台に接し、他方の面の外周は加熱台から離間した状態で、板状の窒化ガリウム単結晶基板の一方の面にエピタキシャル成長を行い、その後、板状の窒化ガリウム単結晶基板の他方の面に形成された被膜の所望の箇所を除去し、それ以外の箇所の前記被膜はそのまま残し、除去により露出した板状の窒化ガリウム単結晶基板の他方の面に電極を形成する、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法である。
本発明の特徴は、板状のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板の一方の面(表面)にはエピタキシャル成長させるが、他方の面(裏面)にはエピタキシャル成長の原料化合物による反応物を付着させないように、当該他方の面(裏面)を被膜で覆うことである。
ここでIII族窒化物系化合物半導体とは一般式AlxGayIn1-x-yN(x,y,x+yはいずれも0以上1以下)で示されるものであり、導電性を増加させる他所望の目的で任意のドーパントを添加したものが当然に含まれる。更には、III族窒化物系化合物半導体には、上記一般式におけるIII族元素(13族元素)の組成の一部をホウ素(B)、タリウム(Tl)で置換したものや窒素の組成の一部を他のV族元素(15族元素)であるリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)で置換したものも含まれるものとする。
窒化ガリウム単結晶基板とその上にエピタキシャル成長させるIII族窒化物系化合物半導体は組成やドーパントが同一でも異なっていても良いことは当然である。また、請求項1に係る発明においては、エピタキシャル成長させるIII族窒化物系化合物半導体が組成又はドーパントが異なる複数層の積層構造であることを排除しない。即ち、複数層の積層構造の場合、各層をエピタキシャル成長させるために用いる原料のいずれの組み合わせに対しても、板状のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板の他方の面(裏面)にはエピタキシャル成長の原料化合物による反応物を付着させないことを意味する。
被膜は、少なくともある波長範囲において透光性を有することを特徴とする。ここで言うある波長範囲の光とは、例えば半導体素子製造装置において、電極形成その他の際の位置決めに用いる光を想定している。
被膜は無機酸化物であることを特徴とする。無機酸化物には、酸化ケイ素のほか、金属酸化物が含まれる。。
板状の窒化ガリウム単結晶基板は、被膜を形成する前の状態において、当該被膜を形成すべき面を下にして水平面に静置した際に、当該被膜を形成すべき面が凸に反っていることを特徴とする。
ここで反りは、いわゆる室温での反りのみでなく、エピタキシャル成長の際の成長温度、例えば800℃以上1200℃以下に加熱した場合の反りを含む。
請求項2に係る発明は、所望の組成及び所望のドーパントを添加したIII族窒化物系化合物半導体は、有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、板状のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板は、異種基板を用いた気相成長法によりエピタキシャル成長されたものを用いることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、III族窒化物系化合物半導体素子の製造方法において、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法により、板状のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板の一方の面に、所望の組成及び所望のドーパントを添加したIII族窒化物系化合物半導体層又は複数層から成る積層構造を形成することを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法である。
上述した通り、III族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長時に、III族窒化物系化合物半導体単結晶基板の望まない面に原料化合物が回り込むと、膜厚が均一でなく、着色又は不透明な多結晶の塊ができる。本願発明によれば、エピタキシャル成長を望まない面を被膜で覆うので、基板面自体にそのような着色又は不透明な多結晶の塊が形成されることは無い。且つ、当該被膜が、III族窒化物系化合物半導体がエピタキシャル成長しない材料で形成されているので、被膜上に着色又は不透明な多結晶の塊が形成されることも無い(請求項1)。
こうして、III族窒化物系化合物半導体単結晶基板の一方の面に、所望のIII族窒化物系化合物半導体の単層或いは複数層から成る積層構造を形成したのち、前記被膜を除去すれば、III族窒化物系化合物半導体単結晶基板の一方の面に電極を形成することが容易となる(請求項1)。この際、半導体素子の電極形成の位置決めが困難となるような非透光性の材料が形成されていないので、光を用いた電極形成の位置決めも容易である(請求項1)。
被膜が透光性を有していれば、例えば当該被膜を除去しないまま、エピタキシャル成長により形成したIII族窒化物系化合物半導体の単層或いは複数層から成る積層構造に加工を加えることも容易となる。これは、当該加工の際の光を用いた位置決めが容易だからである(請求項1、4)。透光性の被膜としては無機酸化物が好ましい(請求項1)。更にはウエットエッチングで容易に除去可能な化合物がより望ましい。例えば酸化ケイ素は容易に形成可能であり、フッ酸により容易に除去可能である。除去可能であると、例えば基板の表面側に被膜が形成されてしまった場合でも除去容易である。
窒化ガリウム単結晶基板が最も安価に入手できるので、窒化ガリウム単結晶基板用いると良い(請求項1)。
板状のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板が凸又は凹の反りを有するようであると、原料化合物が容易に裏面に到達しうるので、本願発明は特に有効である(請求項1)。
本願発明はエピタキシャル成長を有機金属気相成長法により実施する際に特に有効である。これは、原料化合物が気体であるので、わずかな隙間から基板裏面に到達しうるからである(請求項2)。
単結晶基板が、異種基板を用いた気相成長法によりエピタキシャル成長されたものであると、反りを有することが通常であり、本願発明は特に有効である(請求項3)。
本発明の具体的な一実施例に係るIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法を説明する5つの工程図(断面図)。 従来例のIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法を説明する3つの工程図(断面図)と、窒化ガリウムの結晶構造の説明図。
本発明のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板は、任意の組成のIII族窒化物系化合物半導体から成る単結晶基板を用いることができ、且つ任意の目的で所望のドーパントを添加したものを用いることができる。
本発明は、反りを有するIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板に特に有効であるが、例えばエピタキシャル成長装置の基板の加熱台(載置台、サセプタ)が一連の平面でなく、溝が形成されていることにより原料化合物がIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板の裏面に到達しうる場合にも有効である。この場合、III族窒化物系化合物半導体単結晶基板に反りが無く、全くの平板状であっても、本願発明の被膜により、裏面に多結晶塊が付着することを防止することができる。
本発明に用いる被膜は、半導体素子製造装置における位置決めで用いる波長の光に対して透光性を有し、且つウエットエッチングで除去可能なものがより好ましい。安価で扱いが容易な点で、酸化ケイ素を被膜の材料とすると好適である。
本発明でIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板上にエピタキシャル成長させるIII族窒化物系化合物半導体の単層または複数の層から成る積層構造は、任意の組成のIII族窒化物系化合物半導体を用いることができ、且つ任意の目的で所望のドーパントを添加したものを用いることができる。
図1は、本発明の具体的な一実施例に係るIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法を説明する5つの工程図(断面図)である。各工程図においては、c面を主面とする板状の窒化ガリウム単結晶基板10を用い、+c軸方向<0001>と−c軸方向<000−1>をベクトルで表示した。
図1.Aに示す通り、c面を主面とする板状の窒化ガリウム単結晶基板10は、+c面であるガリウム極性面10Gaと、−c面である窒素極性面10Nを有する。図1.Aにおいては本発明の効果を強調するため、窒化ガリウム単結晶基板10が+c面であるガリウム極性面10Gaが凹となり、−c面である窒素極性面10Nが凸となる向きに大きく反っている状態を示した。
次に、図1.Bに示す通り、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nを、酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30で覆う。被膜の厚さは任意てあるが、例えば3000Åくらいとする。良く知られている通り、酸化ケイ素(SiO2)の表面には、III族窒化物系化合物半導体はエピタキシャル成長しない。
次に図1.Cに示す通り、窒化ガリウム単結晶基板10をエピタキシャル成長装置(有機金属気相成長装置)に搬入し、−c面である窒素極性面10Nに設けた酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30を下にして加熱台であるサセプタ50上に載置する。窒化ガリウム単結晶基板10は、−c面である窒素極性面10Nが凸となる向きに反っているため、例えば窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nに設けた酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30の表面30fの中央でサセプタ50に接し、酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30の表面30fの外周においてサセプタ50と離間しているものとする。
こうして、図1.Cに示す状態で、例えばトリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)を供給して、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Gaに窒化ガリウムエピタキシャル層を形成する。この際、窒化ガリウム単結晶基板10は、−c面である窒素極性面10Nに設けた酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30の表面30fの外周においてサセプタ50と離間しているため、原料ガスであるトリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)は、当該隙間から酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30の表面30f全体に到達しうる。しかし、酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30の表面30fには、III族窒化物系化合物半導体はエピタキシャル成長しないので、表面30fは清浄なままとなる。
即ち、図1.Dに示す通り、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Ga上に単結晶の窒化ガリウムエピタキシャル層20が形成されるが、酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30の表面30fには、何も形成されない。
図1.Eに示す通り、酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30をフッ酸で除去すると、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nが清浄なまま露出する。
図1において、窒化ガリウム単結晶基板10の+c面であるガリウム極性面10Ga上に単結晶の窒化ガリウムエピタキシャル層20を、所望の組成と所望のドーパントを用いた複数のIII族窒化物系化合物半導体層の積層構造に置き換えれば、発光素子その他の半導体素子を形成することが可能である。この際、窒化ガリウム単結晶基板10の−c面である窒素極性面10Nに電極を形成する場合、図1.Eのように酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30を全て除去しても良いが、必要な箇所に窓を空ける形で酸化ケイ素(SiO2)から成る被膜30を一部除去することとしても良い。
また、当該半導体素子の、ガリウム極性面10Ga上に設けた積層構造(図1で符号20)に加工を施す場合も、被膜30が透光性があり、且つ被膜30にも窒素極性面10Nにも着色又は非透光性の多結晶塊が付着していないので、半導体素子製造装置における位置決めに用いる光が散乱されることが無く、ガリウム極性面10Ga上に設けた積層構造の加工やその上に電極を形成することも容易となる。
図1.Bの被膜30を形成する際に、例えば+c面であるガリウム極性面10Gaに誤って被膜30が形成されたとしても、被膜30をウエットエッチングで除去可能な材料、例えばフッ酸で除去可能な酸化ケイ素(SiO2)で形成するならば、ガリウム極性面10Gaに形成された被膜を除去可能である。
10:板状のIII族窒化物系化合物半導体単結晶基板(窒化ガリウム単結晶基板)
10Ga:ガリウム極性面
10N:窒素極性面
20:エピタキシャル成長されたIII族窒化物系化合物半導体(窒化ガリウム)
30:ウエットエッチングで除去可能な透光性の被膜
50:サセプタ(加熱台)

Claims (4)

  1. 板状の窒化ガリウム単結晶基板の一方の面に、所望の組成及び所望のドーパントを添加したIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させる方法において、
    前記板状の窒化ガリウム単結晶基板は、c面を主面とし、前記一方の面はガリウム極性面、他方の面は窒素極性面であり、その他方の面が凸に反っていて、
    前記板状の窒化ガリウム単結晶基板の他方の面に、前記エピタキシャル成長が生じず、少なくともある波長範囲において透光性を有する酸化ケイ素による被膜を形成したのち、
    前記板状の窒化ガリウム単結晶基板を他方の面側を下にして加熱台上に載置して、他方の面の中央は加熱台に接し、他方の面の外周は加熱台から離間した状態で、前記板状の窒化ガリウム単結晶基板の一方の面に前記エピタキシャル成長を行い、
    その後、前記板状の窒化ガリウム単結晶基板の前記他方の面に形成された前記被膜の所望の一部箇所を除去し、それ以外の箇所の前記被膜はそのまま残し、除去により露出した前記板状の窒化ガリウム単結晶基板の他方の面に電極を形成する、
    ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法。
  2. 前記所望の組成及び所望のドーパントを添加したIII族窒化物系化合物半導体は、有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長されることを特徴とする請求項1記載のIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法。
  3. 前記板状の窒化ガリウム単結晶基板は、異種基板を用いた気相成長法によりエピタキシャル成長されたものを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法。
  4. III族窒化物系化合物半導体素子の製造方法において、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長方法により、前記板状の窒化ガリウム単結晶基板の前記一方の面に、所望の組成及び所望のドーパントを添加したIII族窒化物系化合物半導体層又は複数層から成る積層構造を形成する
    ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
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