JP5146213B2 - 動画カード - Google Patents
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Description
図1は、「複合画像で構成される下絵」の作成原理を示している。ここでは、複合画像は、2つの画素から構成される。まず、画素1、2をそれぞれ等間隔“α”で間引いて、「残像」と「欠け」が繰り返す中間画素を作成する。次に、中間画像1の「欠け」部分に、中間画像2の「残像」部分が一致するようにして、両者を組み合わせて複合画像を作成する。
このフィルムゲージを複合画像上に重ね合わせて、両者を相対的にスライドさせると、図2に示したように、中間画素1の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに星形模様が視認される(A)。
一方、中間画素2の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに丸形模様が視認される(B)。
以上に説明した画素が2つの場合は、(i)画素を間引く際の「残像」と「欠け」の幅寸法を等しくし(“α”)、かつ、(ii)フィルムゲージ上の「帯状領域の幅」および「各帯状領域間の間隔」を共にこの“α”と等しくしている。
「欠け」の幅寸法“β”が「残像」の幅寸法“γ”の2倍であるため、中間画素1の「欠け」部分に他の2つの中間画素2、3の「残像」を収めることができ、したがって、3つの画素からなる複合画像を作成することができる。
ストライプ状のフィルムゲージの場合には、視覚的効果を得るために「下絵」と「フィルムゲージ」を相対移動させる方向は、ストライプに直交する1方向に限られる。これに対して、格子状のフィルムゲージの場合には、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対移動させた場合であっても、視覚的効果を得ることができる。
したがって、本発明の第2の目的は、動画カードに設けた「フィルムゲージ」と「下絵」の適度な密着性を実現することである。
当該動画カードは、連設線において相対回動可能に連設された表紙と裏表紙を備え、表紙または裏表紙の一方の内面に下絵フラップが立設されるとともに、他方の内面にフィルムゲージが保持されている。立設された下絵フラップは、フィルムゲージの下面側に差し込まれている。
表紙と裏表紙を相対的に回動させると、これと連動して下絵フラップがフィルムゲージに対して相対的にスライドし、これにより上記動画が生じる。
また、フィルムゲージは、ストライプ状および格子状のいずれであってもよく、対応する下絵(複合画像)と相対スライドすることで動画を生じさせる。
この場合、第3区画と第4区画との間の折罫が、上記連設線を構成する。第4区画上に折り畳まれた第5区画にゲージが直接印刷されて上記フィルムゲージとして機能する。また、第3区画上に折り畳まれた第2区画に連設された第1区画に、複合画像が表示される。この第1区画は、上記下絵フラップとして、第4区画と第5区画の間に差し込まれる。
動画カード10は、紙、プラスチック、その他の適度な剛性を有するシート基材を折り畳んで構成される。図示の例では、折罫a、b、c、dを介して連設された5つの区画11〜15で構成される紙基材を使用している。
詳細は以下に説明するが、第5区画15がフィルムゲージ45を保持するとともに、表面に複合画像26が表示された第1区画11(下絵フラップ)が、フィルムゲージ45の下方で相対スライドすることで、動画を生じさせる(図6)。
また、第2区画12と第3区画13は、重ね合わせて接着することで、表紙20を構成する。
第5区画15は、15aで示した両サイドの領域において、第4区画14に接着され、裏表紙40を構成する。第1区画11(下絵フラップ)は、第5区画15と第4区画14に挟まれた状態でスライド移動することが可能である。
ただし、各構成要素の具体的な形状は、図示のものに限られず、適宜の形態を採用することが可能である。
この動画カードを菓子のオマケとした場合、当該菓子あるいは製造メーカーと関連付けた動画を採用することで、宣伝効果あるいは販売促進効果を高めることができる。
本発明においては、ストライプ状のフィルムゲージ45に限らず、格子状のフィルムゲージ45’を採用することも可能である(図5中の円内)。勿論、その場合には、下絵26は、これに対応して動画を生じさせるものが採用される。
ストライプ状のフィルムゲージ45の場合、一方向の相対スライドによって動画が生じるが、格子状のフィルムゲージ45’の場合、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対スライドした場合でも動画が生じる。これは、動画カードの組み立て精度が高くなく、相対スライド方向が予定の一方向から逸れた場合でも動画に変化が生じるという点で有効である。
下絵フラップ11とフィルムゲージ45を重ねて相対スライドさせることで動画を生じさせる場合、両者の隙間が大きいと、動画がボヤケて見えることがある。動画をクリアにするためには、下絵フラップ11とフィルムゲージ45を、適度に圧接させることが好ましい。
そのため、第1実施形態では、下絵フラップ(第1区画)11が、表紙20の内面において、連設線cから一定距離“L”だけオフセットした位置から立ち上がるよう構成している。すなわち、図7中に部分的に拡大して示したように、表紙20の内面から立ち上がる下絵フラップ11の根元11aは、連設線cから上方に距離“L”だけ離されている(オフセットされている)。これにより、下絵フラップ11をフィルムゲージ45に対して圧接させる力が生じる。つまり、下絵フラップ11とフィルムゲージ45が適度に密着して、クリアな動画を得ることができる。
次に図8を参照して、第2実施形態に係る動画カード10’を説明する。上に説明した第1実施形態と比較して、カードが透明シート基材で作られている点、およびフィルムゲージが当該透明シート基材に直接印刷されている点が異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
図8に示した第2実施形態では、第5区画35の中央領域(すなわち、組立後に、下面側に位置する複合画像26が相対スライドする領域)にのみゲージが印刷されているが、少なくとも当該領域にゲージが存在すればよいから、例えば、透明シート基材の全面にゲージを印刷してもよい。そのような変形例を図9に示している。
この場合、複合画像26は、別のシート片38に印刷して、第1区画31(下絵フラップ)上に貼り付けることとなる。このように構成すると、透明シート基材上の特定の領域に限定してゲージを印刷する必要がなく、全面にゲージを印刷した透明シート基材を使用して動画カード10”を作成できるので、製造工程が簡単となる。
11、31 第1区画(下絵フラップ)
12、32 第2区画
13、33 第3区画
14、34 第4区画
15、35 第5区画
18 開口
20 表紙
26 複合画像
38 シート片
40 裏表紙
45、45’、45” フィルムゲージ
a、b、c、d 折罫
Claims (2)
- 複合画像(26)で構成される下絵が表示された下絵フラップ(11、31)と、当該下絵に対応するフィルムゲージ(45)とを重ね、両者を相対的にスライド移動させることで、動画を生じさせる動画カードであって、
当該動画カードは、連設線(c)において相対回動可能に連設された表紙(20)と裏表紙(40)を備え、
表紙(20)または裏表紙(40)の一方の内面に下絵フラップ(11、31)が立設されるとともに、他方の内面にフィルムゲージ(45)が保持され、かつ、立設された下絵フラップ(11、31)は、フィルムゲージ(45)の下面側に差し込まれていて、
表紙(20)と裏表紙(40)を相対的に回動させると、これと連動して下絵フラップ(11、31)がフィルムゲージ(45)に対して相対的にスライドし、これにより上記動画が生じるものであって、
上記下絵フラップ(11、31)は、表紙(20)または裏表紙(40)の一方の内面において、連設線(c)から一定距離(L)離れた位置から立ち上がるよう立設された上で、フィルムゲージ(45)の下面側に差し込まれ、これにより、下絵フラップ(11、31)のフィルムゲージ(45)に対する密着性を高めており、
当該動画カードは、折罫を介して一列に連設された第1〜第5の5区画(31、32、33、34、35)からなる1枚の透明シート基材で構成されており、
第3区画(33)と第4区画(34)との間の折罫が上記連設線(c)を構成し、
第4区画(34)上に折り畳まれた第5区画(35)にゲージ(45”)が直接印刷されて、これが上記フィルムゲージ(45)として機能し、
第3区画(33)上に折り畳まれた第2区画(32)に連設された第1区画(31)に複合画像(26)が表示され、当該第1区画(31)が、上記下絵フラップとして、第4区画(34)と第5区画(35)の間に差し込まれてなる、動画カード。
- 上記複合画像(26)は、第1区画(31)に直接印刷されていることを特徴とする、請求項1記載の動画カード。
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