JP5223569B2 - 動画を生じさせる装飾要素を備えた冊子 - Google Patents
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Description
図1は、「複合画像で構成される下絵」の作成原理を示している。ここでは、複合画像は、2つの画素から構成される。まず、画素1、2をそれぞれ等間隔“α”で間引いて、「残像」と「欠け」が繰り返す中間画素を作成する。次に、中間画像1の「欠け」部分に、中間画像2の「残像」部分が一致するようにして、両者を組み合わせて複合画像を作成する。
このフィルムゲージを複合画像上に重ね合わせて、両者を相対的にスライドさせると、図2に示したように、中間画素1の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに星形模様が視認される(A)。
一方、中間画素2の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに丸形模様が視認される(B)。
以上に説明した画素が2つの場合は、(i)画素を間引く際の「残像」と「欠け」の幅寸法を等しくし(“α”)、かつ、(ii)フィルムゲージ上の「帯状領域の幅」および「各帯状領域間の間隔」を共にこの“α”と等しくしている。
「欠け」の幅寸法“β”が「残像」の幅寸法“γ”の2倍であるため、中間画素1の「欠け」部分に他の2つの中間画素2、3の「残像」を収めることができ、したがって、3つの画素からなる複合画像を作成することができる。
ストライプ状のフィルムゲージの場合には、視覚的効果を得るために「下絵」と「フィルムゲージ」を相対移動させる方向は、ストライプに直交する1方向に限られる。これに対して、格子状のフィルムゲージの場合には、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対移動させた場合であっても、視覚的効果を得ることができる。
したがって、本発明の第2の目的は、冊子に設けた「フィルムゲージ」と「下絵」の適度な密着性を実現することである。
当該冊子を開いた場合に隣接して連続する第1紙面と第2紙面に対して、第1紙面から下絵フラップが立設されるとともに、第2紙面にフィルムゲージが保持される。第1紙面に立設された下絵フラップは、第2紙面に保持されたフィルムゲージの下面側に差し込まれている。
第1紙面と第2紙面を相対的に回動させると、これと連動して下絵フラップがフィルムゲージに対して相対的にスライドし、これにより上記動画が生じる。
また、フィルムゲージは、ストライプ状および格子状のいずれであってもよく、対応する下絵(複合画像)と相対スライドすることで動画を生じさせる。
これにより、「フィルムゲージ」と「下絵フラップ」が適度に密着するので、相対スライドにより得られる動画がクリアなものとなる。
下絵フラップ21上には、複合画像26が表示される。複合画像26は、下絵フラップ21上に直接印刷されていても、別のシート片に印刷したものを貼り付けてもよい。
第2紙面40を構成する矩形紙片40には、矩形の開口44が形成されていて、この開口44を塞ぐようにして、フィルムゲージ45が貼り付けられる。冊子土台10’の紙面40’上に固定紙片41を貼り付けた後、第1紙面20から立設された下絵フラップ21を固定紙面41上に沿わせ、その上から、フィルムゲージ45を保持した矩形紙片40を重ねて固定する。矩形紙片40は、その両端領域40aにおいて、固定紙片41に接着固定される。
ただし、各構成要素の具体的な形状は、図示のものに限られず、適宜の形態を採用することが可能である。
生じる動画を、当該冊子の内容あるいは出版社と関連付けたものとすることで、宣伝効果あるいは販売促進効果を高めることができる。
本発明においては、ストライプ状のフィルムゲージ45に限らず、格子状のフィルムゲージ45’を採用することも可能である(図6中の円内)。勿論、その場合には、下絵26は、これに対応して動画を生じさせるものが採用される。
ストライプ状のフィルムゲージ45の場合、一方向の相対スライドによって動画が生じるが、格子状のフィルムゲージ45’の場合、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対スライドした場合でも動画が生じる。これは、要素A、Bの貼付け精度が高くなく、相対スライド方向が予定の一方向から逸れた場合でも動画に変化が生じるという点で有効である。
下絵フラップ21とフィルムゲージ45を重ねて相対スライドさせることで動画を生じさせる場合、両者の隙間が大きいと、動画がボヤケて見えることがある。動画をクリアにするためには、下絵フラップ21とフィルムゲージ45を、適度に圧接させることが好ましい。
そのため、図示の例では、下絵フラップ21が、第1紙面20において、第1紙面20と第2紙面20との境界線“c”から一定距離“L”だけオフセットした位置から立ち上がるよう構成している。すなわち、図8中に部分的に拡大して示したように、第1紙面20から立ち上がる下絵フラップ21の根元21aは、境界線“c”から上方に距離“L”だけ離されている(オフセットされている)。これにより、下絵フラップ21をフィルムゲージ45に対して圧接させる力が生じる。つまり、下絵フラップ21とフィルムゲージ45が適度に密着して、クリアな動画を得ることができる。
図示の例では、冊子10は、一般に知られた“無線綴じ”という手法で製本されている。そして、対向して貼り付けられた要素A、B(図6参照)の境界線“c”に対して、下絵フラップ21が距離“L”だけオフセットして配置されている。
しかし、本発明においては、“無線綴じ”に限らず、“中綴じ”、“平綴じ”等の任意の綴じ方を採用できる。これらは、いずれも一般的に知られた手法であるので、ここでは説明を省略する。
なお、具体的な綴じ方に応じて、要素A、Bは、製本前に各紙面間に挟み込んでおく場合や、図6に示したように製本済の冊子土台に対して後から貼り付け固定する場合等があり、具体的な作成工程は、適宜設定することができる。
また、いずれの綴じ方を採用した場合であっても、境界線“c”とは、冊子を開いた場合に、要素A、Bの対向端縁により形成される両者の実質的な境界線を意味する。
図示の例では、冊子10の表紙11側に下絵フラップ21を設け、それに続く次ページにフィルムゲージ45を保持しているが、逆の構成を採用してもよい。
その場合には、図6において、要素Aを冊子土台10’の紙面40’に接着し、要素Bを冊子土台10’の紙面20’に接着すればよい。この場合、表紙11の裏面が第2紙面で、それに続く次ページが第1紙面であると考えることができる。また、冊子表紙の窓23は省略されることとなる。
また、図示したように要素A、Bを個別に冊子に貼り付ける他に、予め要素A、Bを連結してユニット化しておき、これを製本前に各紙面中に挟み込んでその後製本したり、あるいは製本後の冊子土台に貼り付けてもよい。
10’ 冊子土台
11 表紙
20 第1紙面
21 下絵フラップ
26 複合画像
23 開口(窓)
40 第2紙面
41 固定紙片
44 開口
45 フィルムゲージ
Claims (2)
- 複合画像(26)で構成される下絵が表示された下絵フラップ(21)と、当該下絵に対応するフィルムゲージ(45)とを重ね、両者を相対的にスライド移動させることで、動画を生じさせる装飾要素を備えた冊子であって、
当該冊子を開いた場合に隣接して連続する第1紙面(20)と第2紙面(40)に対して、第1紙面(20)から下絵フラップ(21)が立設されるとともに、第2紙面(40)にフィルムゲージ(45)が保持され、かつ、立設された下絵フラップ(21)は、フィルムゲージ(45)の下面側に差し込まれていて、
第1紙面(20)と第2紙面(40)を相対的に回動させると、これと連動して下絵フラップ(21)がフィルムゲージ(45)に対して相対的にスライドし、これにより上記動画が生じるものであり、
当該冊子は、冊子土台(10’)の上記第1紙面(20)に対応する紙面(20’)に要素(A)を固定するとともに、冊子土台(10’)の上記第2紙面(40)に対応する紙面(40’)に要素(B)を固定することで構成されるものであり、
要素(A)は、上記第1紙面(20)を構成する矩形の紙片(20)と、当該紙片(20)に対して折罫(a)を介して連設された下絵フラップ(21)と、を備えていて、当該矩形の紙片(20)を冊子土台(10’)の対応する紙面(20’)に接着固定することで冊子土台(10’)に固定されており、
要素(B)は、上記第2紙面(40)を構成する矩形の紙片(40)と、当該紙片(40)に対して折罫(b)を介して連設された固定紙片(41)と、を備えていて、当該固定紙片(41)を冊子土台(10’)の対応する紙面(40’)に接着固定することで冊子土台(10’)に固定されており、
上記下絵フラップ(21)は、第1紙面(20)において、第1紙面と第2紙面との境界線(c)から一定距離(L)離れた位置から立ち上がるよう立設された上で、固定紙面(41)上に沿わされ、その上から、上記フィルムゲージ(45)を保持した第2紙面(40)が重ねて固定されることで、下絵フラップ(21)がフィルムゲージ(45)の下面側に差し込まれ、これにより、下絵フラップ(21)のフィルムゲージ(45)に対する密着性を高めていることを特徴とする、冊子。
- 上記第1紙面(20)が冊子の表紙裏面であって、
当該表紙には、冊子を閉じたときでもフィルムゲージを外部から視認することを許容する開口(23)が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の冊子。
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