JP5146053B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型の燃料電池を含む燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」と称することがある)は、水素極(燃料極、アノード極)と酸素極(空気極、カソード極)との間に固体高分子電解質膜を挟持した構成を有し、燃料極へ供給される燃料ガス(例えば、水素や改質ガス)と空気極へ供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させることにより発電を行う(例えば、特許文献1)。
かかる燃料電池においては、水素極において燃料ガスの供給が不足する部位が生じると、その部位において発電反応ができず、出力の低下を招く。また、燃料ガスの供給不足が生じた部位において、電位が局所的に上昇し、反応を促進する触媒劣化の原因ともなる。
このように水素極における燃料ガスの局所的な供給不足は、空気極から透過してきたガス(主に、窒素ガス)や、発電を得るための電気化学的反応において生成した水などが、燃料ガスの流路内に滞留することを原因として生じる。
そのため、従来、水素極における燃料ガスの供給不足を防止するために、水素極内のガスを間欠的に排出(パージ)させたり、燃料ガスを循環供給させたりすることにより、燃料ガスの流路内に滞留するガスや水などの排除が行われている。
しかし、水素極内のガスを排出させることは、未反応の燃料ガスまでも無駄に排出することになる。従来は、燃料電池の運転状態(負荷や温度など)に応じて、水素極内のガスの排出を制御することによって、燃料ガスの無駄な消費の抑制を図っている。
また、運転状態の判断方法としては、セル電圧のセンシングによって状態(フラッディング、ドライアップ)を判断する方法が特許文献2において提案されている。
特開2004−95301号公報 特開2006−302776号公報
しかしながら、水素極における燃料ガスの局所的な供給不足を回避するためには、なお過剰のガスを水素極内から排出する必要があり、燃料ガスの無駄な消費の改善には不十分であるという問題点があった。
また、特許文献2に記載されるようなセル電圧によるセンシングは、セル電圧が1セル毎の状態を平均化して反映するので、水素極内における局所的な燃料ガスの不足を検出することができないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、水素極における燃料ガスの供給不足を高精度に検出し、水素極における燃料ガスの供給不足の防止に伴う燃料ガスの無駄な消費を抑制し得る燃料電池システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムは、固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する水素極及び酸素極とを含んで構成される燃料電池の単位セルと、導電性を有するセパレータとを交互に積層して構成される燃料電池スタックを備え、かつ、燃料ガスを前記水素極に供給する燃料ガス供給手段と、酸化剤ガスを前記酸素極へ供給する酸化剤ガス供給手段とを備えているものであって、前記燃料電池スタックに含まれる前記単位セルのうち、最も燃料ガスの供給性が悪い単位セルの水素極における燃料ガスの流れの下流側又は重力方向側に設けられ測定位置とする水素極の一部を周囲の水素極から絶縁状態として構成される検出片と、前記検出片に通電可能に接続される一方で前記セパレータから絶縁状態とされた検出端子とを有する検出部と、前記水素極又は前記酸素極を基準電位とし、該基準電位と前記検出部の電位との電位差を検出する電位差測定手段と、前記燃料ガスの供給異常が水を原因とする場合における前記電位差の時間変化を示す第1パターンと、前記燃料ガスの供給異常が窒素ガスを原因とする場合における前記電位差の時間変化を示す第2パターンとを記憶する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記電位差測定手段により検出された前記電位差の時間変化のパターンが、前記第1パターンに従う場合、前記燃料ガスの供給異常が発生したと判断するとともに、当該供給異常の発生要因が水であると特定する第1特定手段と、前記電位差測定手段により検出された前記電位差の時間変化のパターンが、前記第2パターンに従う場合、前記燃料ガスの供給異常が発生したと判断するとともに、当該供給異常の発生要因が窒素ガスであると特定する第2特定手段と、前記第1特定手段又は前記第2特定手段により前記燃料ガスの供給異常の発生要因が特定された場合、特定された発生要因に応じた方法で前記燃料ガスの供給状態を回復させる回復手段と、を備えている
請求項記載の燃料電池システムは、請求項記載の燃料電池システムにおいて、前記回復手段は、前記第1特定手段により前記燃料ガスの供給異常の発生要因が水であると特定された場合、少なくとも、前記燃料電池スタックの温度を上げることにより、前記燃料ガスの供給状態を回復させ、前記第2特定手段により前記燃料ガスの供給異常の発生要因が窒素ガスであると特定された場合、少なくとも、前記水素極への燃料ガスの供給圧力を上げることにより、前記燃料ガスの供給状態を回復させる。
請求項1記載の燃料電池システムによれば、固体高分子型燃料電池の単位セルの水素極には、燃料ガス供給手段によって燃料ガスが供給される一方で、酸素極には、酸化剤ガス供給手段によって酸化剤ガスが供給される。その結果、単位セルは、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素との電気化学的反応により発電する。
ここで、測定位置とする水素極の一部を周囲の水素極から絶縁状態として構成される検出片と共に、該検出片に通電可能に接続された検出端子とを含んで構成される検出部が設けられており、水素極又は前記酸素極を基準電位とした場合における、その基準電位と検出部の電位との電位差(電圧)が、電位差測定手段によって検出される。
このように、請求項1記載の燃料電池システムによれば、水素極における一部分の電位を周囲の水素極とは絶縁した状態で検出し、その一部分における電位と基準電位(水素極又は酸素極の電位)との電位差を検出することができるので、水素極における局所的な状態に関する情報を得ることができる。
よって、局所的に生じる燃料ガスの供給不足を直接的に検出できるので、水素極に発生する燃料ガスの供給不足を迅速かつ高精度に検出することができるという効果がある。また、その結果として、水素極からガスを排出させる頻度を最小限に抑制することができ、燃料ガスの無駄な消費を抑制することができるという効果がある。
ここで、検出部における検出片は、単位セルと導電性のセパレータとを交互に積層して構成されるスタックのうち、少なくとも1の単位セルの前記水素極に設けられており、測定位置とする水素極の一部を周囲の水素極から絶縁状態として構成されている。また、検出部における検出端子は、検出片に通電可能に接続される一方でセパレータから絶縁状態として構成されている。
よって、単位セル毎に、水素極における一部分の電位を周囲の水素極とは絶縁した状態で検出し、その一部分における電位と、水素極を基準電位とした場合における該水素極の電位との電位差を検出することができるので、単位セルの単位で、水素極における局所的な状態に関する情報を得ることができる。
従って、燃料電池スタックの内部にて局所的に生じる燃料ガスの供給不足を直接的に検出できるので、燃料電池スタックの内部における燃料ガスの供給不足を迅速かつ高精度に検出することができるという効果がある。また、その結果として、燃料電池スタック(の水素極)からガスを排出させる頻度を最小限に抑制することができ、燃料ガスの無駄な消費を抑制することができるという効果がある。
また、検出部の検出片が、燃料電池スタックに含まれる単位セルのうち、最も燃料ガスの供給性が悪い単位セル(例えば、燃料ガスの流れの最下流側に位置する単位セルや、最も重力方向(下方)に位置する単位セルなど)の水素極に設けられるので、燃料電池スタックの内部にて生じる燃料ガスの供給不足を確実に検出することができ、燃料ガスの無駄な消費を有効に抑制することができるという効果がある。
また、検出部の検出片が、単位セルの水素極における燃料ガスの流れの下流側又は重力方向側に設けられる。即ち、単位セルの中で最も燃料ガスの供給性が悪くなる部分における燃料ガスの供給性を検出することができる。よって、単位セル又は燃料電池スタックにて生じる燃料ガスの供給不足を確実に検出することができ、燃料ガスの無駄な消費を有効に抑制することができるという効果がある。
また、第1特定手段または第2特定手段により特定された燃料ガスの供給異常の発生要因に応じた方法で、燃料ガスの供給状態が回復手段によって回復さされる。よって、燃料ガスの供給異常の発生要因に応じた回復方法を用いることにより、燃料ガスの供給異常によって生じる各種不具合を有効に防止することができるという効果がある。
請求項記載の燃料電池システムによれば、請求項記載の燃料電池システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。第1特定手段により燃料ガスの供給異常の発生要因が水であると特定された場合、少なくとも、燃料電池スタックの温度を上げることにより、燃料ガスの供給状態の回復が行われ、第2特定手段により燃料ガスの供給異常の発生要因が窒素ガスであると特定された場合、少なくとも、水素極への燃料ガスの供給圧力を上げることにより、燃料ガスの供給状態の回復が行われる。よって、燃料ガスの供給異常の発生要因に応じた回復方法を用いることにより、燃料ガスの供給異常によって生じる各種不具合を有効に防止することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池システムである燃料電池システム100の一実施形態を示すブロック図である。
この燃料電池システム100は、燃料電池スタック40と、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10(図2参照)の水素極(燃料極、アノード極)13(図2参照)へ供給するための水素ガス供給系50と、酸化剤ガスとしての空気を、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の酸素極(空気極、カソード極)12(図2参照)へ供給するための空気供給系60と、その空気供給系によって燃料電池スタック40へ供給する空気を加湿するための加湿水供給系80と、燃料電池スタック40(各単位セル10の酸素極12)から排出される排気を系外へ排出する排気系110と、燃料電池スタック40を冷却する水冷式の冷却機構である水冷系120とを備えている。
なお、図1に示す燃料電池システム100では、空気(供給空気、排気)の流通経路(空気供給路63や空気排出路111など)を最も太い実線により表しており、水素ガスの流通経路(水素ガス供給流路51aやガス排出路51bなど)を次に太い実線で表している。また、加湿水の流通経路(導水路81aや給水路81bなど)を点線で表しており、水冷系120を構成する経路(冷却水循環路121a、バイパス流路121b)を一点鎖線で表している。また、燃料電池スタック40からの電気的な出力経路を二点鎖線で表している。
燃料電池スタック40は、単位セル10(図2参照)と、隣接する単位セル10の間に介装されて隣接する単位セル10を電気的に接続するセパレータ20(図2参照)とを、単位セル10及びセパレータ20の厚み方向に積層した構成とされている。なお、単位セル10は、本発明の燃料電池システムを構成する単位セルに該当し、燃料電池スタック40は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料電池スタックに該当する。
水素ガス供給系50は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料ガス供給手段に該当し、水素源となる水素ボンベである水素貯蔵タンク52と、その水素貯蔵タンク52に一端側が接続され。他端側が燃料電池スタック40のガス取入口41に接続される水素ガス供給流路51aを含んで構成される。
この水素ガス供給流路51aには、水素貯蔵タンク52の側から水素ガスの流通方向に向かって、水素元電磁弁(図示せず)と、一次圧センサ(図示せず)と、レギュレータ(図示せず)と、二次圧センサSE1と、並列接続される水素調圧弁53a及び水素起動電磁弁(図示せず)と、ガス供給弁53bと、三次圧センサSE2とが順に設けられている。
また、水素ガス供給系50は、燃料電池スタック40のガス排出口42に一端側が接続され、燃料電池スタック40の水素極13から排出されたガスを系外へ排出するためのガス排出路51bを含んでいる。このガス排出路51bには、ガス排出口42の側から、排出されたガスの流通方向に向かって、逆止弁54と、水素排気電磁弁53cとが設けられている。
空気供給系60は、給気経路である空気供給路63と、燃料電池スタック40における図示されない空気流路の上流側に設けられ、空気供給路63の出口側の端部が接続される空気マニホールド(図示せず)とを含んで構成される。
空気供給路63には、外気の取入口側から空気の流通方向に向かって、フィルタ64と、外気温センサSE3と、シロッコファンやターボファンなどの空気ファン61と、外気を加湿するための加湿器65と、外気を加温するためのヒータ66と、空気入口温度センサSE4とが順に設けられている。
かかる構成を有する空気供給系60は、空気ファン61の駆動によって系外から取り入れた外気を、空気供給路63及び図示されない空気マニホールドを介して、燃料電池スタック40の空気流路へ供給する。なお、この空気供給系60は、本発明の燃料電池システムを構成する酸化剤ガス供給手段に該当する。
排気系110は、燃料電池スタック40における空気流路の下流側に設けられた図示されない排気マニホールドに一端側が接続される排気経路として空気排出路111を含んで構成される。
この空気排出路111の経路上には、燃料電池スタック40の側から空気(排気)の流通方向に向かって、排気温度センサSE5と、凝縮器112と、フィルタ113とが順に設けられ、フィルタ113を通過した排気が系外へと排出される。
凝縮器112は、外気温との熱交換によって排気の温度を冷却し、排気中に含まれる水分を凝縮して液体水として分離するものである。なお、この凝縮器112により排気から回収された水は、後述する加湿水供給系80における導水路81aを介して加湿水タンク82へと移送される。
加湿水供給系80は、加湿水タンク82と、その加湿水タンク82に一端側が接続され、加湿水タンク82に貯留されている水を加湿器65へ供給するための給水路81bを含んで構成される。
加湿水タンク82は、加湿器65にて外気を加湿するための水を貯留するものであり、ヒータ82aを有している。また、この水タンク82には、水温センサSE6と、水位センサSE7とが設けられている。
図1に示すように、水供給系80の給水路81bには、加湿水タンク82の側から水の流通方向に向かって、フィルタ84と、給水ポンプ85と、水供給電磁弁86とが順に設けられている。
また、図1に示すように、水供給系80は、一端側が凝縮器112に接続され、他端側が加湿水タンク82に接続されて、凝縮器112により回収された水を加湿水タンク82へ導く導水路81aを含んでいる。
水冷系120は、燃料電池スタック40を冷却する冷媒としての冷却水を循環させる冷媒循環経路としての冷却水循環路121aを含んで構成される。この冷却水循環路121aには、燃料電池スタック40から下流側(冷却水の流通方向側)に向かって順に、冷却水出口温度センサSE8と、冷却水を冷却するラジエータ122と、循環電磁弁124と、冷却水を燃料電池スタック40へ圧送する循環ポンプ123と、ヒータ126と、冷却水入口温度センサSE9とが設けられている。なお、図1に示すように、ラジエータ122には、放熱(冷却)を促進するラジエータファン122aが設けられている。
また、水冷系120は、ラジエータ122の上流側にて冷却水循環路121aから分岐し、循環電磁弁124と循環ポンプ123との間にて冷却水循環路121aと合流するバイパス流路121bを含んでいる。このバイパス流路121bには、バイパス切替電磁弁125が設けられており、冷却水がバイパス流路121bを流す必要が生じた場合(例えば、冷却水入口温度センサSE9による検出値が、冷却水が過剰に冷却されていることを示す場合)に、制御装置70の制御によって開放される。
以上のように構成された燃料電池システム100を運転する場合には、空気ファン61を駆動させ、系外から取り入れた外気(空気)を燃料電池スタック40の空気流路内へ供給すると共に、水供給系80の給水ポンプ85を駆動させて水を供給する。一方で、水素ガス供給系50の各電磁弁(電磁弁53a,53bなど)を調整し、水素ガスを所定の圧力として燃料電池スタック40の水素ガス流路内へ供給する。その結果、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10にて水素と酸素とによる水生成反応(電極反応)が行われ、生じた電流が負荷系90へ流れる。
上記構成を有する燃料電池システム100には、負荷系90が接続されており、燃料電池スタック40から出力される電力は、この負荷系90に供給される。燃料電池スタック40の電極は、配線91を介して、リレー92,93に接続されている。さらに、これらのリレー92,93には、インバータ94を介してモータ95に接続されている。また、インバータ94には、出力制御装置96を介して補助電源97が接続されている。
また、図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池システム100の運転を制御する制御装置70をさらに有している。なお、この制御装置70の詳細な構成については、図4を参照して後述する。
次に、図2を参照して、燃料電池スタック40を構成する単位セル10及びセパレータ20について説明する。図2は、単位セル10及びセパレータ20を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、単位セル10は、固体高分子電解質膜11と、その固体高分子電解質11の両面を挟持する酸素極12及び水素極13とから構成される積層体である。固体高分子電解質膜11としては、例えば、Nafion(登録商標:デュポン社製)やAciplex(登録商標:旭化成(株)製)など、固体高分子型燃料電池に適用可能な固体高分子電解質膜を使用することができる。
酸素極12は、固体高分子電解質膜11に当接する触媒層12aと、その触媒層12aにおける固体高分子電解質膜11とは反対側の面に当接するガス拡散層12bとから構成される。
また、水素極13は、固体高分子電解質膜11に当接する触媒層13aと、その触媒層13aにおける固体高分子電解質膜11とは反対側の面に当接するガス拡散層13bとから構成される。
触媒層12aは、固体高分子電解質膜11に当接されて酸素極12における電極反応を促進するための層であり、固体高分子電解質膜11における他方の面に当接する水素極13の触媒層13aと共に、酸素と水素との水生成反応を促進する。触媒層12a,13aとしては、例えば、カーボン粒子にプラチナなどの触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを含んで構成された触媒層を採用することができる。
ガス拡散層12b,13bは、ガス拡散が可能なカーボン製の織物やカーボン製の紙等の多孔質基材から構成されるものであり、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン繊維からなる不織布等を用いることができる。
セパレータ20は、酸素極12に接触して集電する集電部材21と、その集電部材21に隣接し、水素極13に接触して集電する集電部材22とから構成される。即ち、1のセパレータ20は、1の単位セル10における酸素極12側の集電部材21と、隣接する単位セル10における水素極側の集電部材22とから構成される。
これらの集電部材21,22は、導電性及び耐食性を備えた材料、例えば、緻密質カーボン、金属などの材料で構成されている。集電部材21,22を金属で構成する場合には、例えば、ステンレス、ニッケル合金、チタン合金などの材料に耐食導電処理を施したものを使用することができる。ここで、耐食導電処理とは、金メッキなどが例示される。
酸素極12に接する集電部材21には、凸部21aが形成されており、この凸部21aの配置に応じて集電部材21に形成される凹部21bと酸素極12の表面とから、集電部材21に設けられた図示されない供給口を上流側とし、図示されない排出口を下流側とする空気流路を構成する。なお、この凹部21bからなる空気流路は、空気マニホールド(図示せず)から排気マニホールド(図示せず)まで連なる燃料電池スタック40内の空気流路の一部である。
水素極13に接する集電部材22には、凸部22aが形成されており、この凸部22aの配置に応じて集電部材22に形成される凹部22bと水素極13の表面とから、集電部材22に設けられた図示されない供給口を上流側とし、図示されない排出口を下流側とする水素ガス流路を構成する。なお、この凹部22bからなる水素ガス流路は、ガス取入口41からガス排出口42まで連なる燃料電池スタック40の水素ガス流路の一部である。
図2に示すように、本実施形態の単位セル10には、電位差検出装置1が設けられている。この電位差検出装置1は、検出部としての検出部4と、電位差測定手段としての電圧センサSE10と、検出部4と電圧センサSE10とを接続する導線6aと、電圧センサSE10と集電部材22とを接続する導線6bとから構成される。
検出部4は、水素極13内に設けられた検出片4aと、検出片4aの表面に接続された検出端子4bと、検出端子を保持する保持部材4cとを有している。検出片4aは、水素極13の一部を切り出して、周囲の水素極13から絶縁状態としたものであり、検出片4aと周囲の水素極13との間には、絶縁部4dが設けられている。
この絶縁部4dは、絶縁材料を充填することにより構成する、又は、隙間を形成することによって構成することができる。また、検出片4aは、固体高分子電解質膜11に接触し、固体高分子電解質膜11との間でイオン電導可能に構成されている。
保持部材4cは、絶縁材料から構成され、集電部材22側に固定される。この保持部材4cは、検出端子4bを集電部材22側に保持すると共に、検出端子4bを、周囲の水素極22及び集電部材22から電気的に絶縁する作用を有する。
検出端子4bは、例えば、Pt、Au、Ti、Taなどの耐食性のある金属で構成することができる。この検出端子4bは、単位セル10と集電部材22(セパレータ20)とを積層して燃料電池スタック40を組み立てた場合に、水素極13の検出片4aに接触するように設けられている。
導線6aの一端は、検出端子4bに接続されている。導線6aの他端は、水素ガス流路(即ち、凹部22bと水素極13の表面とからなる空間)内を経て、集電部材22の端部から外部に導出され、電圧センサSE10の一方の端子に接続されている。この導線6aは、絶縁材で被覆されており、集電部材22と接触しても、集電部材22と導線6aが通電しないように構成されている。
一方、導線6bの一端は、電圧センサSE10の他方の端子に接続されている。導線6bの他端は、水素極13側の集電部材22に接続されている。なお、導線6bもまた、導線6aと同様に絶縁材により被覆されている。
かかる構成を有する電位差検出装置1は、集電部材22の電位(即ち、水素極13の電位)を基準電位とし、該基準電位と検出部4の電位との電位差(電圧)を検出することができる。この電位差検出装置1は、上述のように、検出端子4bが、周囲の水素極22及び集電部材22から電気的に絶縁されているので、水素極13へ供給されて水素ガス流路を流通する水素ガスの供給状態(即ち、水素ガスが十分に供給されているか否か)を、検出部4の設置位置に応じて局所的にモニターできる。
ここで、図3を参照して、電位差検出装置1を用いて、水素極13へ供給されて水素ガス流路を流通する水素ガスの供給状態のモニタリングについて具体的に説明する。図3(a)は、電位差検出装置1が示す電位差を説明するための模式図であり、図3(b)は、燃料電池スタック40における電位差検出装置1の配置位置の一例を示す模式図である。
図3(a)に示すように、電位差検出装置1における検出部4は、水素ガスが十分に供給されている状態(通常時)では、水素極13と同電位(即ち、0[V])を示す。しかし、水素ガスの供給不足が生じると(不足時)、検出部4の電位は、酸素極電位(即ち、セル電圧に相当する+V[V])に近づき、+Va[V]を示す。
よって、電位差検出装置1を燃料電池スタック40内に適宜配置し、基準電位としての水素極13(集電部材22)の電位と、検出部4の電位との電位差をモニタリングすることにより、その配置部位における水素ガスの供給不足の発生を検出することができる。
かかる電位差検出装置1は、燃料電池スタック40に含まれる単位セル10のうち、少なくとも、最も水素ガスの供給性が悪い単位セルの水素極13に設けることが好ましい。電位差検出装置1を、燃料電池スタック40に含まれる単位セル10のうち、最も水素ガスの供給性が悪い単位セルの水素極13に設けることにより、燃料電池スタック40内にて生じる水素ガスの供給不足を確実に検出することができる。
なお、燃料電池スタック40に含まれる単位セル10のうち、液体水や窒素ガスなどが滞留し易い単位セルが、最も水素ガスの供給性が悪い単位セルとなる。例えば、図3(b)に示すように、水素ガスの流れの最下流側(即ち、最もガス排出口42側)に位置する単位セル10は、液体水や窒素ガスなどが滞留し易いので、最も水素ガスの供給性が悪い単位セルの1つである。また、最も重力方向(即ち、下方側)に位置する単位セル10もまた、液体水が滞留し易いので、最も水素ガスの供給性が悪い単位セルの1つである。
また、電位差検出装置1は、1の単位セル10の中で、少なくとも、最も水素ガスの供給性が悪い部位に設けることが好ましい。電位差検出装置1を、単位セル10の中で最も水素ガスの供給性が悪い部位に設けることにより、単位セル10又は燃料電池スタック40内にて生じる局所的な水素ガスの供給不足を確実に検出することができる。
ここで、1の単位セル10の中で、液体水や窒素ガスなどが滞留し易い部位が、最も水素ガスの供給性が悪い部位となる。例えば、図3(b)に示すように、水素極13における水素ガスの流れの下流側は、液体水や窒素ガスなどが滞留し易いので、最も水素ガスの供給性が悪い部位の1つである。また、水素極13における重力方向(即ち、下方側)もまた、液体水が滞留し易いので、最も水素ガスの供給性が悪い部位の1つである。
従って、燃料電池スタック40に電位センサ1を設ける場合には、図3(b)に示すように、最下流側の単位セル10における水素ガスの流れの下流側に少なくとも設けることが最も好適である。なお、複数の電位センサ1を燃料電池スタック40内に設ける構成であってもよい。
次に、図4を参照して、本実施形態の燃料電池システム100に搭載され、この燃料電池システム100の運転を制御する制御装置70について説明する。図4は、制御装置70の電気的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、制御装置70は、中央演算処理装置であるCPU71と、CPU71により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであるROM72と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するRAM73と、これらのCPU71、ROM72、及びRAM73とバスライン74を介して接続される入出力ポート75とから主に構成される。
図4に示すように、入出力ポート75には、電位差検出装置1の電圧センサSE10と、水素調圧弁53aと、水素排気電磁弁53cと、ラジエータファン122aとが接続されている。
詳細は後述するが、制御装置70のCPU71は、入出力ポート75を介して電圧センサSE10の検出値をモニタリングし、そのモニタリング結果に応じて、水素ガスの供給性を回復する必要がある場合には、各制御対象(水素調圧弁53a、水素排気電磁弁53c、ラジエータファン122a)へ電圧制御値を出力し、各制御対象の動作を制御して、水素ガスの供給性の回復を図る。
なお、この制御装置70には、図示されない配線によって、燃料電池システム100に含まれるその他のセンサや、燃料電池システム100に含まれるその他電磁弁や、燃料電池システム100に含まれるその他のポンプや、負荷系90に含まれるインバータなどにも接続されており、CPU71は、各センサからの検出値の入力に基づいて、制御対象(電磁弁やポンプなど)に対し、燃料電池システム100を運転するための各種制御を行う。
次に、図5(a)を参照して、電位差検出装置1を利用して燃料電池スタック40における水素ガスの供給状態を判定する処理について説明する。図5(a)は、制御装置70において実行される水素ガス供給状態モニタリング処理を示すフローチャートである。
この水素ガス供給状態モニタリング処理は、燃料電池スタック40内の所定位置に設置された電位差検出装置1により水素ガスの供給状態をモニタリングし、燃料電池スタック40における水素ガスの供給状態を判定する処理であり、制御装置70の電源が投入されている間、CPU71により定期的に繰り返し実行される。なお、この水素ガス供給状態モニタリング処理を実行する制御プログラムは、ROM72内に格納されている。
この水素ガス供給状態モニタリング処理では、電圧センサSE10の検出値の時間変化をモニタリングする(S11)。なお、電圧センサSE10の検出値は、図示されない処理により所定時間毎に取得される。
次いで、電圧センサSE10の検出値の時間変化に基づき、水素ガスの供給状態、即ち、水素ガスの供給不足が生じているか否かを判定する(S12)。
ここで、図6を参照して、S12の処理において、水素ガスの供給不足が生じているか否かを如何に判定するかについて説明する。図6は、水素ガスの供給不足が生じている場合に電圧センサSE10の検出値の時間変化において確認される典型的なパターンを示す模式図である。
図6(a)は、水素ガスの供給不足が生じている場合に電圧センサSE10の検出値の時間変化において確認される典型的なパターンの1例であり、水(滞留水)を発生要因として生じた水素ガスの供給不足が示すパターンを示す模式図である。なお、以下では、水を発生要因とするこのパターンを「パターン1」と称することがある。
図6(a)に示すように、水を発生要因として生じた水素ガスの供給不足が生じた場合には、時間経過に対して急激な電圧(電位差)の変化を伴った波形が確認される。このような波形は、水が水素ガス流によって水素ガス流路内を随時移動するために、水素供給性の度合いが瞬時に変化することに因ると推測される。
図6(b)もまた、水素ガスの供給不足が生じている場合に電圧センサSE10の検出値の時間変化において確認される典型的なパターンの1例である。図6(b)は、図6(a)とは異なり、窒素ガスを発生要因として生じた水素ガスの供給不足が示すパターンを示す模式図である。なお、以下では、窒素ガスを発生要因とするこのパターンを「パターン2」と称することがある。
図6(b)に示すように、窒素ガスを発生要因として生じた水素ガスの供給不足が生じた場合には、電圧(電位差)が時間経過に対してなだらかに増加する波形が確認される。かかる波形は、水素ガス流路内に滞留する窒素ガスの濃度が時間経過と共に徐々に上昇し、それに伴って水素供給性が徐々に低下することに因ると推測される。
上述した水素ガス供給状態モニタリング処理(図5(a)参照)におけるS12の処理では、電圧センサSE10の検出値の時間変化が、図6(a)又は図6(b)に示すパターンが確認された場合に、水素ガスの供給不足が生じていると判定する。
次に、図5(b)を参照して、水素ガス供給状態モニタリング処理のS12の処理において、水素ガスの供給不足が生じていると判定された場合に、その発生要因に応じた回復を実行する処理について説明する。
図5(b)は、制御装置70において実行される水素ガス供給状態回復処理を示すフローチャートである。なお、この水素ガス供給状態回復処理を実行する制御プログラムは、ROM72内に格納されている。
この水素ガス供給状態回復処理は、上述した水素ガス供給状態モニタリング処理のS12の処理において、水素ガスの供給不足が生じていると判定されると起動する処理であり、まず、水素ガスの供給不足が生じていると判定するに至ったパターン(電圧センサSE10の検出値の時間変化が示したパターン)が、パターン1であるか、パターン2であるかを確認する(S21)。
S21の処理により確認した結果、水素ガスの供給不足が生じていると判定するに至ったパターンが、パターン1である場合には(S21:パターン1)、水素ガスの供給不足の発生要因が水(滞留水)であるので、ラジエータファン122aをオフして、燃料電池スタック40の温度を上昇させる(S22)。S22の処理により、燃料電池スタック40の温度が上昇されると、水の蒸発を促進することができ、水により阻害されていた水素供給性を回復することができる。
一方で、S21の処理により確認した結果、水素ガスの供給不足が生じていると判定するに至ったパターンが、パターン2である場合には(S21:パターン2)、水素ガスの供給不足の発生要因が窒素ガスであるので、水素調整弁53aの開度を上げ、燃料電池スタック40への水素ガスの供給圧力を上昇させる(S25)。S25の処理により、燃料電池スタック40への水素ガスの供給圧力が上昇すると、窒素ガスにより阻害されていた水素極13への水素供給性を回復させることができる。
S22又はS25の処理後、燃料電池スタック40の温度上昇又は燃料電池スタック40内における水素ガス圧の上昇により、水素ガスの供給状態が回復したかを確認する(S23)。
S23の処理により確認した結果、水素ガスの供給状態が回復していなければ(S23:No)、水素排気電磁弁53cを開放して、燃料電池スタック40内から水素ガスを排気(パージ)し(S24)、この水素ガス供給状態回復処理を終了する。
S24の処理により、水素ガスのパージを行うと、水素ガス流路を流通する水素ガスの流速が瞬時に増大させることができ、それによって、滞留する水や窒素ガスを排出させることができるので、水又は窒素ガスにより阻害されていた水素極13への水素供給性を回復させることができる。
一方で、S23の処理により確認した結果、S22又はS25の処理によって水素ガスの供給状態が回復した場合には(S23:Yes)、S24の処理を行うことなく、この水素ガス供給状態回復処理を終了する。
よって、この水素ガス供給状態回復処理によれば、S22又はS25の処理によって水素ガスの供給状態が回復した場合には、燃料電池スタック40内からの水素ガスの排気(パージ)が不要となる。よって、水素ガスの無駄な消費を抑制することができる。
また、水素ガスの供給不足の発生要因に応じた回復処理(S22又はS25の処理)を行うので、水素ガスの供給不足によって生じる各種不具合を有効に防止することができる。
なお、この水素ガス供給状態回復処理におけるS22,S24,S25の処理は、本発明の燃料電池システムにおける回復手段に該当する。また、水素ガス供給状態回復処理におけるS21の処理は、本発明の燃料電池システムにおける要因推定手段に該当する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム100によれば、水素極13における一部分の電位を周囲の水素極13とは絶縁した状態で検出し、その一部分における電位と基準電位(水素極13の電位)との電位差を検出することができるので、水素極13における局所的な状態に関する情報を得ることができる。よって、局所的に生じる水素ガスの供給不足を直接的に検出できるので、水素極13に発生する水素ガスの供給不足を迅速かつ高精度に検出することができる。
このように、本実施形態の燃料電池システム100によれば、水素極13に発生する水素ガスの供給不足を高精度に検出することができるので、水素ガスの供給不足を防ぐための回復処理の頻度を最小限に止めることができる。その結果、水素極13からガスを排出させる頻度も最小限に抑制することができることになり、水素ガスの無駄な消費の抑制に貢献する。
また、本実施形態の燃料電池システム100によれば、水素極13に発生する水素ガスの供給不足を迅速に検出することができるので、迅速な回復処理を実行することができ、水素ガスの供給不足による影響が小さく、出力の低下を抑制することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、電圧センサSE10と水素極13側の集電部材22とを導線6bによって接続し、水素極13の電位を基準電位とする構成としたが、電圧センサSE10と酸素極12側の集電部材21とを導線6bによって接続し、酸素極12の電位を基準電位とする構成としてもよい。なお、酸素極12の電位を基準電位とする場合には、水素ガスの供給不足が生じると、酸素極12の電位と検出部4との電位との電位差が小さくなる。
また、上記実施形態では、水素ガス供給状態回復処理(図5(b)参照)におけるS22の処理において、燃料電池スタック40の温度を上昇させるために、ラジエータファン122aをオフしたが、バイパス切替電磁弁125を開放し、冷却水がバイパス流路121bを流れるようにすることによって燃料電池スタック40の温度を上昇させてもよい。
また、水素ガス供給状態回復処理(図5(b)参照)では、S21の処理により確認した結果、水素ガスの供給不足が生じていると判定するに至ったパターンが、パターン1であればS22の回復処理を実行し、パターン2であればS25の回復処理を実行する構成としたが、水素ガスの供給不足が生じていると判定するに至ったパターンが水素ガス供給不足を示すものの、パターン1であるかパターン2であるかを判別できなかった場合に、S24の回復処理(即ち、水素ガスのパージ)を実行してもよい。また、パターン1に対する回復処理として、S21の処理とS24などの他の回復処理とを組み合わせてもよく、パターン2に対する回復処理として、S25の処理とS24などの他の回復処理とを組み合わせてもよい。
また、水素ガス供給状態回復処理(図5(b)参照)では、S21の処理によって水素ガスの供給不足が生じていると判定するに至ったパターンを確認し、各パターンに応じた回復処理を実行する構成としたが、パターンを確認することなく回復処理を実行する構成としてもよい。このとき、実行する回復処理としては、S21,S24,S25の回復処理のうちのいずれか1つの回復処理であってもよいし、これらの回復処理うちの2以上を組み合わせた回復処理であってもよい。
また、上記実施形態では、常圧の空気を燃料電池スタック40へ供給する燃料電池システムとして構成したが、本発明は、加圧空気を燃料電池スタックへ供給する燃料電池システムにおいても適用できる。
本発明の燃料電池システムである燃料電池システムの一実施形態を示すブロック図である。 単位セル及びセパレータを模式的に示す断面図である。 (a)は、電位差検出装置が示す電位差を説明するための模式図であり、(b)は、燃料電池スタックにおける電位差検出装置の配置位置の一例を示す模式図である。 制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、水素ガス供給状態モニタリング処理を示すフローチャートであり、(b)は、水素ガス供給状態回復処理を示すフローチャートである。 (a)は、水を発生要因として生じた水素ガスの供給不足が示すパターンを示す模式図であり、(b)は、窒素ガスを発生要因として生じた水素ガスの供給不足が示すパターンを示す模式図である。
1 電位差検出装置
4 検出部
4a 検出片
4b 検出端子
10 単位セル
11 固体高分子電解質膜
12 酸素極
13 水素極
40 燃料電池スタック
50 水素供給系(燃料ガス供給手段)
60 空気供給系(酸化剤ガス供給手段)
100 燃料電池システム
SE10 電圧センサ(電位差測定手段)
S21 要因推定手段
S22 回復手段
S24 回復手段
S25 回復手段

Claims (2)

  1. 固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する水素極及び酸素極とを含んで構成される燃料電池の単位セルと、導電性を有するセパレータとを交互に積層して構成される燃料電池スタックを備え、かつ、燃料ガスを前記水素極に供給する燃料ガス供給手段と、酸化剤ガスを前記酸素極へ供給する酸化剤ガス供給手段とを備えている燃料電池システムであって、
    前記燃料電池スタックに含まれる前記単位セルのうち、最も燃料ガスの供給性が悪い単位セルの水素極における燃料ガスの流れの下流側又は重力方向側に設けられ測定位置とする水素極の一部を周囲の水素極から絶縁状態として構成される検出片と、前記検出片に通電可能に接続される一方で前記セパレータから絶縁状態とされた検出端子とを有する検出部と、
    前記水素極又は前記酸素極を基準電位とし、該基準電位と前記検出部の電位との電位差を検出する電位差測定手段と、
    前記燃料ガスの供給異常が水を原因とする場合における前記電位差の時間変化を示す第1パターンと、前記燃料ガスの供給異常が窒素ガスを原因とする場合における前記電位差の時間変化を示す第2パターンとを記憶する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記電位差測定手段により検出された前記電位差の時間変化のパターンが、前記第1パターンに従う場合、前記燃料ガスの供給異常が発生したと判断するとともに、当該供給異常の発生要因が水であると特定する第1特定手段と、
    前記電位差測定手段により検出された前記電位差の時間変化のパターンが、前記第2パターンに従う場合、前記燃料ガスの供給異常が発生したと判断するとともに、当該供給異常の発生要因が窒素ガスであると特定する第2特定手段と、
    前記第1特定手段又は前記第2特定手段により前記燃料ガスの供給異常の発生要因が特定された場合、特定された発生要因に応じた方法で前記燃料ガスの供給状態を回復させる回復手段と、
    を備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記回復手段は、
    前記第1特定手段により前記燃料ガスの供給異常の発生要因が水であると特定された場合、少なくとも、前記燃料電池スタックの温度を上げることにより、前記燃料ガスの供給状態を回復させ、
    前記第2特定手段により前記燃料ガスの供給異常の発生要因が窒素ガスであると特定された場合、少なくとも、前記水素極への燃料ガスの供給圧力を上げることにより、前記燃料ガスの供給状態を回復させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。



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