JP5145068B2 - 貯湯式給湯システムの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、契約電力管理する施設において、電力を熱源とした給湯機を備えた貯湯式給湯システムの運転方法に関するものである。
従来から、電力の契約形態は多岐にわたるが、概ね50kW以上の電気容量を要する施設においては高圧受電を行う必要がある。この高圧受電における契約電力は、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうちで最も大きい値として算出される。ここで、最大需要電力とは、このデマンド時限の30分毎に計量された施設での全使用電力のうち月間で最も大きい値となる。従って、一度使用電力の最大値が更新されてしまうと以後、使用電力値が最大値を下回っても最低1年間はその基本料金が継続されることとなる。従って、基本料金の低減には、この最大需要電力を超過しないように使用電力を抑えることが必要とされる。このため、従来の給湯機等を含む施設のデマンド制御装置においては、デマンド時限内の電力値(デマンド値)を予測し、この予測デマンド値が最大値の目標デマンドを超えないように運転制御されていた。
このようなデマンド制御装置として、電気温水器等の蓄熱負荷以外の負荷の使用電力の予測値と、予め設定された目標電力と、蓄熱負荷の要求使用電力量とに基いて、蓄熱負荷の運転を総使用電力が目標電力を超過しないように、所定時間帯内にスケジューリングされた制御内容に基いて蓄熱負荷を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に示されるような技術においては、要求使用電力量に基いて予めスケジューリングされた時間帯内でしか蓄熱負荷を制御できないので、蓄熱負荷による電力制御をリアルタイムで行うことができないと共に、ユーザの要望に応じて、最大需要電力の超過を防止する優先制御や、給湯機の湯切れを防止する優先制御等、最大需要電力超過と湯切れの優先制御を変更する運転制御の設定を簡単に行うことができなかった。このため、ユーザは、例えば、湯切れが発生してもよい代わりに電気代を抑えたい場合や、湯切れを短時間でも起こすことを回避したい場合などに、必要な運転制御を臨機応変に行うことが困難であった。
特開平9−9502号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電力を熱源とした給湯機を電力負荷として含む施設の契約電力の管理において、施設の使用状況に応じて、最大需要電力の超過阻止のためや、給湯機の湯切れ阻止のための優先制御をユーザがリアルタイムに簡単に選択することができる貯湯式給湯システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、契約単位時間として定められた一定のデマンド時限毎の各月毎の最大需要電力の内、最も大きい値を電気使用開始から1年間の各月の契約電力とする施設において使用される電力負荷である給湯機を有する貯湯式給湯システムの運転方法において、前記一定のデマンド時限毎に平均電力を算出し、この平均電力を基にその算出時点でデマンド時限内に消費可能な給湯機の電力値を予測デマンド値として算出するステップと、前記予測デマンド値に、前記最大需要電力に対する所定の余裕率を乗じた演算値を余裕電力値として求めるステップと、前記演算により求めた余裕電力値が、前記最大需要電力を超えないように給湯機の電力を運転制御するステップと、を備え、前記余裕率の値をユーザが任意に設定入力できるようにし、前記余裕率を大きくして前記最大需要電力を超過しないように前記給湯機の電力を抑制する電力制御優先と、前記余裕率を小さくして前記給湯機の電力の抑制を抑えて湯切れ防止を優先する湯切れ防止優先とを、ユーザが選択することを可能にしたものである。
請求項1の発明によれば、余裕率の値をユーザの要求に応じて任意に設定できるので、ユーザは施設の使用状況に応じて余裕率の設定を更新でき、余裕率の値を大きく設定することにより給湯機の電力抑制を強めた最大需要電力の超過防止や、余裕率を小さく設定することにより給湯機の電力抑制を弱めた湯切れ防止の優先制御等をリアルタイムに、簡単に選択することができ、利便性が高まる。
本発明の第1の実施形態に係る貯湯式給湯システムの運転方法ついて図面を参照して説明する。本実施形態の貯湯式給湯システムの運転方法は、契約単位時間として定められた時限毎の平均電力における各月毎の最大需要電力の内、電気使用開始月から当月までの最も大きい値を電気使用開始から1年間の各月の契約電力とする契約形態を取っている施設において、給湯機を含む契約単位全体の所定時間(デマンド時限という)毎の平均電力(デマンドという)を予測し、予測された平均電力(予測デマンド値という)が、契約施設の最大需要電力を超過して最大需要電力の更新に寄与しないように給湯機を定常的に運転制御(デマンド制御という)すると共に、最大需要電力に対して所定の余裕率を乗じた演算値に基いて給湯機の電力を運転制御し、余裕率の値をユーザの要求に応じて任意に設定できるようにしたものである。
図1は、本実施形態に適用される貯湯式給湯システムの構成を示す。この貯湯式給湯システムは、電力負荷となる給湯機1と、給湯機1に電力を供給する電源2とを備える。給湯機1は、湯を貯める貯湯タンク4と、この貯湯タンク4に水を温めて給湯する複数のヒートポンプを有するヒートポンプユニット(HPUという)5と、貯湯タンク4及びHPU5等を制御する電子制御ユニット(Electronic control unit:ECUという)6と、別途施設に設けられた電力計測部3で測定された電力値をECU6に有線又は無線により通信する通信部7と、を有する。この電力計測部3は、電源2の消費電力を含め施設における契約単位全体の電力を計測する。
ECU6は、給湯システム全体を制御するCPU8と、HPU5を運転制御する運転制御部9と、最大需要電力に対する所定の余裕率αを設定するα設定部10と、貯湯タンク4の湯切れを検出する湯切れ検出部11と、電力測定時間等の複数のタイマ(I、II、III、IV)を有するタイマ部12と、ECU6をリモートコントロールするリモコン13と、ユーザに使用電力状態、湯切れ状態に応じて警告等を発する警告発生部14とを有する。α設定部10は、ユーザが余裕率のα値を任意に設定できるようになっており、このα値の設定は、例えば、タッチパネルを備えた液晶ディスプレイに手動でα値を入力することや、予め液晶ディスプレイに所定のα値を表示して希望するα値を選択することや、又はリモコン13を用いてα値を入力、又は選択すること等により行うことができる。また、警告発生部14は、種々の警告を発生し、例えば、電力計測部3で測定された電力値が最大需要電力値に近付いてきたときや、湯切れ検出部11で検出される貯湯タンク4の湯切れ状態に基いて、ユーザに点滅ランプ表示又は音声等で警告を発する。
また、貯湯タンク4とHPU5は、水や湯を供給するためのパイプラインとして温度の低い水を通す配管20(2重線)と、熱い湯を通す配管21、22、23、24(黒い太線)とを備える。この配管20は、水の流れを迂回さすバイパス弁25と供給水を止める止水弁26を有し、配管21は、部分的に湯を放出する逃し弁27と温度調節用の温調弁28を有し、配管22は、水圧(又は湯圧)減圧用の減圧弁29と止水弁26を備える。配管23、24は、貯湯タンク4からの高温湯(〜90℃)と温調弁28で温度調整された設定温湯を各配管の先端部に設けられた湯栓30及び混合栓31に配給湯し、各栓から高温の湯及び温度調整された湯がそれぞれ出力される。また、貯湯タンク4の湯の出口側と水の入口側には、湯の温度を測る温度センサ32と、水量を測る流量カウンタ33をそれぞれ備えている。この温度センサ32は、湯切れ検出部11に接続され、湯切れ検出部11は、この貯湯タンク4上部の温度センサ32により、湯切れを検出する。ここで、湯切れとは、貯湯タンク4内の湯の温度が低下し、湯が水の状態になっていることをいう。
上記構成の貯湯式給湯システムの運転においては、予めユーザが最大需要電力に対する余裕率αを設定し、この余裕率αの設定後、大きく分けて次の3段階で給湯機1を運転制御する。第1段階においては、先ず、デマンド時限(一般には30分とされる)更新直後から平均電力を一定の時間間隔Ts(分)毎に算出し、第2段階は、平均電力算出時点で、デマンド時限内に消費可能な給湯機1の電力値を算出し、第3段階において、その時点における予測デマンド値Ppに余裕率αを掛けた値が、契約電力の最大需要電力(過去1年間の最大電力値(30分平均))である目標デマンドPmax超えた場合に運転を時間間隔Ts(分)の間、停止するものである。
このため、上記電力計測部3は、給湯機1の電力負荷となるHPU5と、施設の他の電力負荷を含む施設の契約単位全体の使用電力を測定する。また、その測定された電力値は通信部7からECU6のCPU8に伝達される。CPU8は、この電力値から平均電力を求める時間単位を、契約単位時間のデマンド時限T1(30分)とし、このデマンド時限T1毎に平均電力(デマンド)を算出する。また、CPU8は、このデマンド時限T1をさらに細かく分割した所定の時間間隔Ts(ここでは、T1を6分割して5分間とする)毎に、更新から現時点までの平均電力Paveを求める。この分割した時間間隔Tsは、HPU5の運転、停止を判断する時間間隔である。また、冷媒を余熱する時間を必要とするHPU5においては、通常運転開始から出湯開始までに数分を要する場合を考え、この時間間隔Tsを5分に選んでいる。
また、CPU8は、タイマ部12において、電力値更新からの経過時間t1を測るタイマIと、時間間隔Tsを計るタイマIIを制御し、デマンド時限T1(30分)内の施設の最大需要予測電力(Ppという)(予測デマンド値という)をTs時間毎に予測する。そのため、先ず、平均電力Paveの算出時点において、デマンド時限内の残り時間で消費可能な給湯機1の電力値を算出する。この給湯機1の消費電力は、電力使用量の大きいHPU5の使用電力で略決まる。このHPU5の使用電力のデマンド時限T1の現時点t1からの残りの時間(30−t1)における需要予測電力を、Ph(30−t1)/30として求める。ここで、Phは、HPU5に使用する全ヒートポンプのデマンド時限当りの消費電力で決まり、HPU5のデマンド時限(30分)当たりの最大予測消費電力としている。
次に、施設の契約単位全体のデマンド時限における予測デマンド値Ppを求める。この予測デマンド値Ppは、デマンド時限更新後の現時点t1の平均電力PaveにHPU5のデマンド時限の残り時間で消費される需要予測電力のPh(30−t1)/30を加えたものとする。これにより、予測デマンド値Ppは、次式のようになる。
(数1)
Pp=Pave+Ph(30−t1)/30 …(1)
このように、この予測デマンド値Ppは、平均電力PaveとHPU5の需要予測電力Ph(30−t1)/30により簡単に求めることができる。また、CPU8は、契約電力となる予測デマンド値Ppをα倍した値と過去1年間の最大需要電力(30分平均値)Pmax[kW](目標デマンドという)とを比較し、この予測デマンド値Ppのα倍が目標デマンドPmaxを超えないように運転制御部を制御し、運転制御部9がHPU5のオン、オフの切り替えを行って、給湯機1を運転制御する。
このように、本実施形態の貯湯式給湯システムの運転方法は、デマンド時限(30分)毎の最大需要電力を予測し、この予測値のα倍が目標デマンドPmax超過しないように給湯機1の電力負荷であるHPU5の運転を制御する。即ち、契約単位の所定時間毎の予測される平均電力値に、契約電力となる最大需要電力(目標デマンド)に対して所定の余裕率αを乗じた演算値に基いて給湯機の電力を運転制御するものである。以下、この貯湯式給湯システムの運転方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2において、先ず、ユーザがα設定部10で所定の余裕率αを入力すると、CPU8は、この入力された余裕率αを検出し(S1)、現在設定されている余裕率αがαであるときは(S2でYES)、余裕率αの値の設定を変えず、現在設定されている余裕率αがαでないときは(S2でNO)、余裕率αの値をαに更新する(S3)。デマンド時限更新後、タイマ部12のタイマIの経過時間t1をゼロに設定し(S4)、電力計測部3の電力値から算出する平均電力Paveをゼロに設定し(S5)、タイマ部12のタイマIIにおいて平均電力Paveを求める時間t2をゼロに設定する(S6)。次に、CPU8は、電力計測部3の電力値に基づく平均電力Paveを算出し(S7)、時間t2がTs未満の場合は(S8でNO)、ステップ7に戻ってTs期間の平均電力Paveの算出を継続し(S7)、時間t2がTsより大きい場合は(S8でYES)、ステップ7で算出した平均電力PaveとHPU5の残りのデマンド時限(30−t1)内における平均電力の需要予測電力Ph(30−t1)/30との和から予測デマンド値Ppを求め(S9)、この予測デマンド値Ppに余裕率αを乗じた演算値Pp×αを余裕電力値として、この余裕電力値αPpを演算で求め、この得られた余裕電力値αPpを目標デマンドのPmaxと比較する(S10)。この比較結果、余裕電力値αPpが目標デマンドのPmaxより大きい場合(判定式Pp×α>Pmax)は(S10でYES)、CPU8は、HPU5の停止指令を発し(S11)、ステップ10でNOの場合は、HPU5の停止指令を解除する(S12)。
そして、時間t1がデマンド時限の30分未満の場合は(S13でNO)、ステップ6に戻り、t2をゼロにリセットし再度、ステップ6からステップ11までを繰り返す。また、ステップ13でYESの場合(デマンド時限の30分が経過したとき)は、ステップS2に戻り、t1をゼロにリセットして、次のデマンド時限における測定に移る。
このとき、判定式Pp×α>Pmaxは、Pp>(Pmax/α)と置き換えられるので、α>1の時は、見かけ上、予測デマンド値Ppに対して、目標デマンドPmaxが等価的に小さく設定されたことになる。従って、予測デマンド値Ppが目標デマンドPmaxを超える前に余裕を持って早めにHPU5を停止することができる。これにより、αを1以上に大きくすればするほど、予測デマンド値Ppが目標デマンドPmaxを超過しないように制御することができる。一方、α<1のときは、見かけ上、予測デマンド値Ppに対して、目標デマンドPmaxが大きく設定されたことになる。従って、予測デマンド値Ppが目標デマンドPmaxをオーバーし易くなり、このため、HPU5の停止指令の解除が早まるので、HPU5の停止が減少し、湯切れを防止し易くなる。
図3に、上記フローチャートに基くデマンド制御のα>1の場合を例として、デマンド時限30分間における時間間隔Ts(5分)毎の予測デマンド値Ppの変化と制御指令の関係を示す。なお、Phmaxは、前記式1の需要予測電力Ph(30−t1)/30を示す。同図3において、給湯機1は、縦軸上のPpが、Pmaxより低いPmax/αを超えると予測されると、HPU5を停止するように制御される。従って、経過時間t1=5分において、5分〜10分の間における予測デマンド値PpがPmax/αを超えると予測されると、その時点でCPU8は、HPU5の停止命令を発する。また、10分から20分の各5分間において、さらにPpがPmax/αを超えると予測されると、t1が10分〜20分の間においても継続してHPU5が停止される。一方、t1=20分においてが20分〜25分の間にPpがPmax/α以下になると予測されると、その時点でCPU8は、運転指令を発する。さらに、20分〜30分の各5分(Ts)間でもPpがPmax/α以下になると予測されると運転が継続される。
このように、α>1として、余裕電力値αPpを設けた場合は、目標デマンドはPmax/αと低く設定されたことと同じになり、HPU5の停止命令を早めに発し、停止時間を長くなるようにHPU5を制御することができるので、確実に目標デマンドPmaxを超えないようにデマンド制御でき、電気使用料金の増加を抑制することができる。
一方、α<1の場合(図示なし)も、同様に考えることができ、このときは、Pp<(Pmax/α)により、予測平均電力Ppが目標デマンドPmaxを超過する場合も発生するが、HPU5の停止時間を短く、運転時間を長くすることができ、湯切れ時間を低減することができる。
ここで、余裕率αの値を変化させた場合、デマンド制御について、図4を参照して説明する。図4は、下記の表1に示された外食の店舗Pにおける電力データ及び湯量データを計測し、その結果に基づいて、デマンド制御を行った場合の最大電力(kW)と湯切れ時間(h)のシミュレーション結果を示す。同図のグラフの横軸は余裕率αの値を示し、左右の縦軸はそれぞれ湯切れ時間(h)と最大電力(kW)を示す。なお、湯切れ時間(h)は、13日間に発生する湯切れの時間合計を示す。
Figure 0005145068
表1は、店舗Pにおけるヒートポンプの台数、ヒートポンプの消費電力(デマンド時限当り)、貯湯タンクの最大貯湯量、負荷機器の力率、契約電力の電力基本料金単価等の各仕様例を示している。このシミュレーションにおいては、ヒートポンプ台数は事前計算により店舗Pに適当と思われる台数を設定し(ここでは3台)、最大需要電力の目標デマンドPmaxの初期値は0として計算した。なお、基本料金=料金単価×契約電力×〈185−力率〉/100により計算される。
図4に示されるように、α=0.90〜1.02では、湯切れ時間は0となり、最大電力は約81kWから78.3kWまで変化する。また、α=1.02〜1.10では、湯切れ時間は0から約21時間まで増加し、最大電力は、約77.8kWから77.2kWまで変化する。さらに、α=1.10〜1.20では、湯切れ時間は約21から62時間に増大し、最大電力は、約77.2kWの一定の値に制御され、これにより、αが1.10を越えると最大需要電力Pmax(契約電力)を77kWに抑えることができる。また、αが1.02以上となると、急激に湯切れ時間が長くなり、また、αが1.02以下になると、最大電力の増加が大きくなる。即ち、αの増加と共に、最大電力は小さくなり、湯切れ時間は長くなるので、余裕率αの変化により、最大電力と湯切れ時間を変化させることができる。
ここで、例えば、契約電力の最大需要電力を78kWとした場合に、余裕率αの設定を1.02とすると、湯切れ時間は0となると共に、最大需要電力は約77.8kWとなり、契約電力以下に制御することができ、電力料金の超過を抑えることができる。ここでは、このα=1.02を最大需要電力を78kWとした場合の初期の標準設定値とする。この標準設定に対して、最大需要電力を超過しても、湯切れ時間をより確実に抑制したい場合は、α値を、例えば、α=0.98(または、0.98以下)に設定すれば、最大電力は79kWに増大するが、α=1.02のときに比較べて、HPU5の停止時間が減る。これにより、たとえシミュレーションで湯切れ時間が最初に0となるα値が、0.04程度低い方に多少ずれても確実に湯切れを防止することができるようになる。一方、たとえ湯切れ時間が長くなっても、最大需要電力の超過をより確実に抑制したい場合は、例えば、αを1.06(又は1.06以上)に設定すればよい。
従って、ユーザは、施設の電力及び貯湯システムの使用状況に応じて、最大需要電力の超過を優先して防止したい場合や、給湯機の湯切れを優先して防止したい場合等のように、最大需要電力更新と湯切れの許容度が変った場合に、余裕率αの設定を変えることにより、最大需要電力の超過に対して許容できる最大電力の設定、及び給湯機の湯切れに対して許容できる湯切れ時間の設定をユーザの優先度に応じて変更することができる。ここで、α設定部10でユーザがα値を設定する選択メニューの例を、下記の表2に示す。
Figure 0005145068
表2の選択メニューと余裕率αは、α設定部10で使用される表示パネル等で表示させることができる。表2に示される選択メニューの設定A〜Eは、余裕率αの0.98〜1.06に対応し、選択メニューの設定「切」は、例えば、ユーザが店舗の営業上、湯切れが絶対的に許されない場合などに、最大需要電力を抑制するための電力ピークカット機能を停止させ、HPU5を連続運転させるために設定するためのものである。この選択メニューにおいては、矢印Xのように、設定Bから設定A、及び「切」に行くほど、湯切れ防止機能が強く働き、また、矢印Yのように、設定Bから設定Eに行くほど、電力ピークカット機能が強く働くことを示す。
表2では、標準設定値を、α=1.02としたが、これは、前記図4に示されたシミュレーションで予め得られたデータに基き、湯切れが少なく、最大電力が最大需要電力をオーバーしない状態のα値として初期設定したものである。従って、この標準設定値は、シミュレーションにおいて、店舗や施設に使用されるヒートポンプや給湯タンク等の給湯システムの構成や設備の性能仕様によりその計算結果が異なるので、常に固定されるものでなく施設の使用設備等によって異なるものである。例えば、標準設定値をα=1とし、αが1より大きくなるにつれて電力ピークカットを優先とするように選択メニューを設定することもでき、このとき、湯切れ防止優先の場合は、αを1以下に低下させる他に、直ぐに設定を「切」としてもよい。
また、αの値は、多段的でなくても、連続的に設定することもできる。従って、α値をユーザの要求に応じて任意に設定することができるので、ユーザは必要な設定の優先順位に対応して、自由に運転制御することができる。また、このα値は、給湯システムが運転稼動中においても、例えば、警告発生部14で、湯切れや最大電力オーバーに対するなどの警告が発せられたとき、また、店舗の営業上どうしても湯切れを防止したい場合や、経済上最大需要電力のオーバーを阻止したい場合などに、臨機応変にその設定をリアルタイムに変えることができる。
このように、本実施形態の貯湯式給湯システムの運転方法によれば、余裕率αをユーザの要求に応じて任意に設定できるので、ユーザは施設の使用状況に応じて、余裕率αの設定を更新できる。これにより、余裕率の値を1より大きく設定することにより給湯機の電力抑制を強めて最大需要電力の超過防止を優先する電力超過防止の優先制御や、余裕率αを1より小さく設定することにより給湯機の電力抑制を弱めて湯切れ防止を優先する湯切れ防止の優先制御等、ユーザが必要とする最大需要電力超過と湯切れ時間の設定変更をリアルタイムに、簡単に選択することができ、利便性が高まる。
また、本実施形態の貯湯式給湯システムにおいては、給湯機1の貯湯タンク4の貯湯容量が大きいため(ここでは、370L)、瞬時的に停止しても急に湯の温度が低下することはなく給湯機能の動作に影響を与えることが少ない。また、他の稼動状態の電力負荷(例えば、照明機器など)を停止することなく電力制御できるので、電力制御に伴う施設の多くの電力負荷を持つ設備の機能低下を防ぐことができる。従って、施設全体が電力制御による影響を受け難くなることにより、電力制御時の施設の機能の低下を抑えて、かつ最大需要電力の更新を防止、又は湯切れ防止を行うことができる。
また、本実施形態のヒートポンプ式の給湯機においては、冷媒を余熱する時間が必要であるため、通常運転開始から出湯開始までに数分を要する場合が多く、高頻度のオン−オフにおいては、出湯に至らずエネルギのみ消費するロスが生じる可能性があるが、本実施形態の電力制御においては、運転停止時間間隔を5分としているので、HPU5のエネルギ効率を高めて利用することができ、電源制御における消費電力の低減が可能となる。
また、通信部7を双方向通信とすることにより、電力計測部3をCPU8で制御することもできる。また、施設全体の電力を測定する電力計測部3は、貯湯式給湯システム1自体にあってもよいし、外部に存在してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態等に限られるものでなく、さらに適宜に変更することができる。例えば、本実施形態の最大電力及び湯切れ時間のシミュレーションでは、αを0.90〜1.20で計算した例を示したが、αの値はこれに限ることはない。また、選択メニューの画面から、シミュレーションに必要なヒートポンプや貯湯タンク等の各仕様データや、契約電力値などを入力できるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る貯湯式給湯システムの運転方法における給湯システムの構成図。 上記運転方法のフローチャート図。 上記運転方法に基くデマンド時限内の予測需要電力の変化と制御指令の関係を説明する図。 上記運転方法に基く店舗における余裕率と最大需要電力及び湯切れ時間の関係を示すグラフ。
符号の説明
1 給湯機
4 貯湯タンク
5 ヒートポンプユニット
α 余裕率

Claims (1)

  1. 契約単位時間として定められた一定のデマンド時限毎の各月毎の最大需要電力の内、最も大きい値を電気使用開始から1年間の各月の契約電力とする施設において使用される電力負荷である給湯機を有する貯湯式給湯システムの運転方法において、
    前記一定のデマンド時限毎に平均電力を算出し、この平均電力を基にその算出時点でデマンド時限内に消費可能な給湯機の電力値を予測デマンド値として算出するステップと、
    前記予測デマンド値に、前記最大需要電力に対する所定の余裕率を乗じた演算値を余裕電力値として求めるステップと、
    前記演算により求めた余裕電力値が、前記最大需要電力を超えないように給湯機の電力を運転制御するステップと、を備え、
    前記余裕率の値をユーザが任意に設定入力できるようにし、前記余裕率を大きくして前記最大需要電力を超過しないように前記給湯機の電力を抑制する電力制御優先と、前記余裕率を小さくして前記給湯機の電力の抑制を抑えて湯切れ防止を優先する湯切れ防止優先とを、ユーザが選択することを可能にしたことを特徴とする貯湯式給湯システムの運転方法。
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