実施の形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を、例えば上から下に移動するように可変表示する。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。この実施の形態では、飾り図柄は、「1」〜「8」の数字である。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときと、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技盤6における左下方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示部18cという。)が設けられている。なお、特別図柄保留記憶表示器18が設けられているので、保留記憶表示部18cは、設けられていなくてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
特別図柄表示器8において、特別図柄の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。ラウンドの回数は例えば15回である。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが、停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、または、リーチ演出が実行されずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後、リーチ演出が実行された後に、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
また、この実施の形態では、確変状態に制御される場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせ(確変図柄)と、確変状態に制御されない場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせ(非確変図柄)とを別にする。しかし、確変状態に制御されないときにも確変状態に制御されるときにも同様に大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせ(大当り図柄)を使用し、遊技機に設けられている演出装置(演出表示装置9、各種LED、スピーカ27等)を用いて確変大当りの発生を報知してもよい。
なお、大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせを、確変状態に制御されない場合にも確変状態に制御される場合にも同様に使用するようにしてもよい。すなわち、確変状態に制御される場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせと、確変状態に制御されない場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせとを共通にし、確変状態になるか否かを、飾り図柄の可変表示結果から認識することはできないようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、例えば、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6における右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および飾り図柄の可変表示は、始動入賞口への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン150が設けられている。図2に示すように、操作ボタン150には、遊技者が押圧操作することが可能な押圧操作部151が設けられている。なお、操作ボタン150には、押圧操作部151だけでなく、遊技者による回転操作が可能な回転操作部152も設けられている。遊技者は、回転操作部152を回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25や枠側に設けられている枠LED28等の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出制御プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン150に対する押圧操作に応じた操作信号(押下信号)を操作ボタン150から入力する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22の処理で駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS32において、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)になった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)になった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)になったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS33において、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1および非リーチPB1−2、非リーチPC1−1および非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。なお、リーチ演出α1〜リーチ演出α2やリーチ演出β1,β2では、変動期間中に、例えば、他の変動パターンでは現れないキャラクタ画像が演出表示装置9に表示される。
また、飾り図柄の可変表示中に、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などによって遊技者に報知するための特殊演出を実行してもよい。特殊演出として、例えば、「滑り」や「擬似連」の演出がある。
「滑り」の特殊演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(例えば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(例えば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(例えば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方)において飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を仮停止させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の特殊演出では、特別図柄の可変表示の開始条件が1回成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を変動させてから、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば、最大5回まで)行う。
図8は、可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−8、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−4、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−4、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−4、スーパーPD1−1およびスーパーPD1−2の変動パターンが用意されている。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2−1)ランダム2−1(MR2−1):大当りの種類(確変大当たり、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2−2)ランダム2−2(MR2−2): リーチとするか否か決定する(リーチ判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2−1)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2−2、ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図10(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用乱数(ランダム2−1)にもとづいて、大当りの種別を、「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、この実施の形態では、小当り遊技(図柄の変動終了後に大入賞口が例えば2回短時間開放するが、その後遊技状態は変更されない。)や、いわゆる突然確変大当り(図柄の変動終了後に大入賞口が例えば2回短時間開放し、その後に遊技状態が確変状態に制御される。)を用いないが、小当り遊技や突然確変大当り遊技を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当りになったときには大入賞口が15回開放するが、15回開放する大当りとは別に、例えば2回大入賞口が開放する大当り(2ラウンド大当り)を用いてもよい。
突然確変大当りや2ラウンド大当りを用いる場合には、大当り種別判定テーブル131、それらに対応する判定値も設定される。
図11(A)〜(D)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dは、図12(E)に示すようなテーブル選択規則に従って選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるか、および大当り種別の判定結果に応じて選択される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dには、大当り種別の判定結果が「通常」、「確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−4、スーパーCB3−1、スーパーCB3−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態(時短状態を含む。)である場合に、大当り種別が「通常」である場合に用いられる図11(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変」である場合に用いられる図11(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられていない。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられず、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。
このように、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれかである場合に、遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bや(通常状態のときに選択)と、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132D(確変状態のときに選択)とを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、通常状態のときに選択されるテーブルと、時短状態のときに選択されるテーブルとを別にしてもよい。テーブルとを別にした場合には、時短状態のときに選択されるテーブルには、変動時間が短い変動パターンがより高い割合で選択されるように、変動時間が短い変動パターンに対して多くの判定値が割り当てられる。
また、大当り種別が「通常」に決定された場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図11(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図11(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132CではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられていない。このように、大当り種別が「通常」、「確変」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132C(「通常」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132B,132D(「確変」のときに選択)を比較すると、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられることがある。よって、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能になり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図13(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ判定テーブル134A〜134Cを示す説明図である。リーチ判定テーブル134A〜134Cは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを、リーチ判定用乱数(ランダム2−2)にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、図13(D)に示すようなテーブル選択規則に従って選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるかに応じて選択される。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、リーチ判定用乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果のいずれかに対応する判定値を含む。図13(D)を参照すると、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて、「非リーチ」に割り当てられている判定値数が多いので、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
例えば、図13(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。また、保留記憶数が「1」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割り当てられている。さらに、保留記憶数が「2」である場合に対応して非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割り当てられている。保留記憶数が「3」である場合や「4」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5に割り当てられている。このような設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図14(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態にする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
例えば、図14(A)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは、リーチHA2−1にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「128」の範囲の値(判定値)がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられ、それ以外の値がスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り当てられている。また、リーチHA2−2にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「170」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられている。さらに、リーチHA2−3にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「182」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられている。リーチHA2−1には、図13(A)に示すリーチ判定テーブル134Aによって、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用乱数(ランダム2−2)の値と比較される判定値が割り当てられている。リーチHA2−2には、保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、判定値が割り当てられている。リーチHA2−3には、保留記憶数が「3」や「4」である場合に対応して、判定値が割り当てられている。これらの設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図15(A)〜(C)は、ROM54に記憶されている非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cを示す説明図である。非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にしない旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態にしない旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図16および図17は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図18および図19は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン138A、138Bを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、リーチ状態にするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。
はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。はずれ変動パターン判定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
この実施の形態では、図11,図14,図15に示された変動パターン種別判定テーブルと、図16〜図19に示された変動パターン判定テーブルとが設けられ、CPU56は、まず、変動パターン種別判定テーブルと変動パターン種別判定用乱数とを用いて変動パターン種別を決定し、次に、変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。よって、変動パターンの振分率(出現率)を、既存の振分率(例えば、既存の機種の振分率)から一部変更したいような場合に、変動パターン種別の振分率を変更したり(変動パターンの振分率を変えない。)、関連する変動パターン種別における変動パターンの振分率を変えるだけでよく(この場合、変動パターン種別の振分率を変えない。)、既存の機種からの設計変更等は容易である。なお、変動パターン種別の概念を含まない場合には、変動パターンの振分率を一部変更したいような場合でも、全ての変動パターンについての振分率を変更することになる。
「滑り」や「擬似連」の特殊演出も実行するように構成する場合には、非リーチ用変動パターン種別判定テーブルにおいて、複数種類の特殊演出の変動パターンを含む変動パターン種別にも判定値が割り当てられる。また、はずれ変動パターン判定テーブルにおいて、特殊演出の変動パターンを含む変動パターン種別が選択された場合に使用されるテーブル部分が追加され、そのテーブル部分において、複数種類の特殊演出の変動パターンのそれぞれに対して判定値が割り当てられる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターン種別判定用乱数にもとづいて特殊演出の変動パターンを含む変動パターン種別を選択した場合には、変動パターン判定用乱数を用いて、特殊演出の変動パターンを決定する。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図20に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。「(H)」は16進数であることを示す。なお、変動パターンXX(XXは整数)は、図7および図8に示された変動パターンのいずれかに対応する。また、変動パターンコマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。また、変動パターンによて変動時間を特定可能であり、変動パターンコマンドは、飾り図柄の変動時間を特定可能なコマンドに相当する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りにするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて飾り図柄および飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレコマンド)である。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC100(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづくはずれ指定の演出制御コマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド)であり、C101(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづく通常大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定通常大当り指定コマンド)であり、C102(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづく確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定確変大当り指定コマンド)である。なお、入賞時判定はずれ指定コマンドをC101(H)、入賞時判定通常大当り指定コマンドをC102(H)、入賞時判定確変大当り指定コマンドをC103(H)にしてもよい。すなわち、入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンドの2バイト目を、表示結果特定コマンドのはずれ指定のコマンド(8C01(H))、通常大当り指定のコマンド(8C02(H))、確変大当り指定のコマンド(8C03(H))の2バイト目と同じにしてもよい。そのようにした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定のコマンドを解析するときと表示結果特定コマンドを解析するときとで共通ルーチンを使用することができ(コマンドの2バイト目を解析する処理を共通化する)、プログラム容量を節減できる。
コマンドC2XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドE400(H)およびコマンドE401(H)を、遊技状態が変化したときに送信するが、飾り図柄の変動開始の度に送信してもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図20に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンド、表示結果特定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間(変動時間)が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
次に、この実施の形態における音演出について説明する。図21は、音演出の進行の一例を示す説明図である。図21(A)に示すように、確変状態では、第1の種類の演出音(第1効果音ともいう。)による音演出が継続する。音演出が長時間(例えば、5分)にわたる楽曲による演出である場合には、複数回の飾り図柄の可変表示に亘って、スピーカ27から楽曲が継続して出力される。なお、継続とは、開始部分から楽曲が開始されたら、終了部分に達するまで、楽曲の開始部分や中途部分に戻って出力されることがないことを意味する。また、楽曲等がイントロダクション部分、第1楽曲および第2楽曲から構成されている場合には、最初にイントロダクション部分、第1楽曲および第2楽曲の出力が完了した後、第1楽曲の先頭部分に戻り、以後、第2楽曲の出力が完了したら、第1楽曲の先頭部分に戻るようにしてもよい。
また、図21(B)に示すように、確変状態において、第1の種類の演出音による音演出が継続して実行されているときに、特定の有利演出(図21(B)に示す例では、リーチ演出)が実行開始される場合には、第1効果音による音演出が中断され、第2の種類の演出音(第2効果音ともいう。)による音演出が開始される。図21(B)に示す例では、リーチ演出の終了後に第1効果音による音演出が再開されるが、次回の変動開始時(変動パターンコマンドを受信したときなど)に第1効果音による音演出が再開されるようにしてもよい。また、リーチ演出の終了後に大当りが発生する場合には、ファンファーレ演出中、大当り遊技中およびエンディング演出中にも、それぞれに応じた第2効果音による音演出が実行される。
そして、特定の有利演出が終了すると、第1効果音による音演出が再開される。
また、図21(C)に示すように、通常状態(非確変状態)では、特定の有利演出(図21(C)に示す例では、飾り図柄の可変表示が終了する度に、音演出の態様が、第1効果音(例えば、楽曲)の開始部分に戻った状態になる。なお、リーチ演出)が実行開始される場合には、確変状態の場合と同様に、第1効果音による音演出が中断され、第2の種類の演出音(第2効果音ともいう。)による音演出が開始される。
なお、確変状態において継続的に出力される第1効果音の種類と、非確変状態において可変表示が終了する度に最初から再開される第1効果音の種類とを別にしてもよい。例えば、確変状態において出力される第1効果音の楽曲と、非確変状態において出力される第1効果音の楽曲とを別にする。
図22は、音番号データと効果音の種類との関係の一例を示す説明図である。図22に示す例では、音番号データ1は、第1効果音(具体的には、第1効果音開始すなわち第1効果音による音演出の開始)を指定する音番号データである。音番号データ2は、第1効果音の継続(出力が停止された後、停止時の状態から再開すること)を指定する音番号データである。音番号データ3〜mは、リーチ演出における音演出を指定する音番号データである。なお、音番号データ3〜mは、全ての種類のリーチのいずれかに対応している。また、確変状態において出力される第1効果音の楽曲と、非確変状態において出力される第1効果音の楽曲とを別にする場合には、第1効果音に関する2種類の音番号データが使用される。
音番号データm+1は、通常大当り時のファンファーレ演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+2は、確変大当り時のファンファーレ演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+3は、大当り遊技中のラウンド中における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+4は、大当り遊技中のラウンド間における音演出を指定する音番号データである。
音番号データm+5は、通常大当り時のエンディング演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+6は、確変大当り時のエンディング演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+7は、特定効果音を指定する音番号データである。
音番号データm+8は、第1効果音の停止を指定する音番号データである。音声合成用IC703は、演出制御用マイクロコンピュータ100から音番号データm+8を入力すると、第1効果音を停止させるのであるが、第2効果音の出力(第2効果音による音演出)の開始を指定する音番号データ(音番号データ3〜m+6)第1効果音を停止させる。すなわち、この実施の形態では、第2効果音の出力の開始を指定する音番号データは、第1効果音の停止指示も兼ねている。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第2効果音の開始を指定する音番号データを出力する際に、第1効果音の停止を指定する音番号データも出力するように構成してもよい。また、音声合成用IC703は、特定効果音の開始を指定する音番号データ(音番号データm+7)が入力されたときでも、第1効果音の出力を継続させる。
なお、第2効果音のそれぞれは、第1効果音とは異なる楽曲(単なる音や音声のみである場合も含む。)である。
図23は、それぞれの音番号データに対応する制御データの一例を示す説明図である。それぞれの音番号データに対応する制御データは、音声データROM704に格納されている。この実施の形態では、制御データとして、PCMデータが使用される。つまり、1秒間の効果音が8ビット×8k(8000)=64kビットで表されている。従って、効果音による演出時間が10秒であれば、制御データは、80kバイトのデータである。また、音声合成用IC703は、(1/8000)秒毎に、順次PCMデータを音声データROM704から読み出して、読み出したPCMデータを用いた音声信号(音信号)の出力を行う。
すなわち、音声合成用IC703は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力された音番号データに対応する制御データの1番目から順にPCMデータを読み出し、読み出したPCMデータをアナログ音声データに変換して増幅回路705(図4参照)に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703が出力したアナログ音声データの音声出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅してスピーカ27に出力する。
図24は、入賞時判定に関わる遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)および演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ)の制御、演出制御コマンドの送信タイミングおよび演出手段(演出表示装置9、ランプ、スピーカ27)の動作の関係の一例を示すタイミング図である。遊技制御手段は、始動入賞の発生を検出すると、入賞時判定処理において、その始動入賞にもとづく抽選結果(その始動入賞にもとづいて将来実行される特別図柄および飾り図柄の変動の結果、大当りとなるか否か)を判定する。なお、図24において、「始動入賞」の右に示されている数字は、その時点における保留記憶数の例を示す。また、判定結果にもとづく判定結果コマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンド)が演出制御基板80の演出制御手段に送信される(図24におけるA,B参照)。なお、判定結果コマンドの送信前に、保留記憶指定の演出制御コマンドが送信される。そして、特別図柄および飾り図柄の可変表示の開始条件が成立すると、遊技制御手段から演出制御手段に、飾り図柄の変動開始を示す変動パターン指定の演出制御コマンドが送信される。また、図24には、始動入賞の発生時に常に判定結果コマンドが送信される例が示されているが、判定結果コマンドを送信しない場合があってもよい。例えば、入賞時判定処理の判定結果がはずれである場合には、判定結果コマンドを送信しない。つまり、入賞時判定はずれ指定コマンドを送信しない。
演出制御手段は、保留記憶指定の演出制御コマンドを受信すると、自身が管理している保留記憶数を更新するとともに、特定効果音の判定を行う(図24におけるa,b参照)。そして、変動パターン指定の演出制御コマンドを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の変動が開始されるように制御する。
図24には、入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に特定効果音の判定を実行したことにもとづいて、次に実行される飾り図柄の可変表示中(変動中)に特定効果音が出力される例が示されている。また、特定効果音が出力された後、特定演出が実行される例が示されている。
この実施の形態では、特定効果音は単音である。本明細書では、「単音」とは、1単語などの極めて短い期間の音を意味する。一例として、「キュイーン」などの音である。特定効果音は、短い期間で発音されるで、すなわち継続して出力される(長期間に亘って出力される)ものではないので、遊技者に与えるインパクトが大きい。また、その遊技機で遊技を行っている遊技者だけでなく、近傍に設置されている遊技機で遊技を行っている遊技者にも、何らかの事象が生じたと感じさせることが可能である。
また、この実施の形態では、特定演出とは、特定効果音が出力された後にのみ実行可能な演出であって、遊技中の他の期間では実行されない演出(プレミアム演出)である。ただし、遊技中の他の期間においても、極めて低い割合(例えば、実行可能な条件が設定されている場合、その条件が満たされたら大当りになるときの1/300の割合で実行)で実行することが選択されるようにしてもよい。
また、図24に示された例では、入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に特定効果音の判定を実行したことにもとづいて特定効果音が出力される例が示されているが、入賞時判定はずれ指定コマンドを受信した場合に特定効果音の判定を実行したことにもとづいて特定効果音が出力される場合もある。ただし、入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に特定効果音の判定を実行したことにもとづいて特定効果音が出力される場合に比べて、実行される頻度は低い。また、特定効果音は、入賞時判定はずれ指定コマンドを受信した場合には出力されることがないようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入賞時判定はずれ指定コマンドを送信しないように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、保留記憶指定の演出制御コマンドを受信したが判定結果コマンドを受信しない場合には、入賞時判定処理の判定結果がはずれであったと判断すればよい。
また、図24に示された例では、特定効果音の判定を実行したことにもとづいて次に実行される飾り図柄の可変表示中(変動中)に特定効果音が出力される例が示されているが、図25に示すように、次に実行される飾り図柄の可変表示よりも後に実行される可変表示中に特定効果音を出力するようにしてもよい。その場合、どの時点で特定効果音を出力するのかを、例えば乱数を用いた抽選によって決定するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定効果音の判定の結果特定効果音を出力することにしたら、直ちに特定効果音を出力するようにしてもよい。なお、特定効果音の主力時期がいずれであっても、特定効果音は、表示結果が実際に大当り図柄になる飾り図柄の変動までに実行されるいずれかの変動において、1回だけ出力される。ただし、1回の変動中に所定の間隔をおいて複数回出力するようにしてもよい。
図26は、特定演出の一例を示すタイミング図である。図26に示す例では、特定演出は、操作ボタン150に対して操作がなされたことを条件に開始される。なお、図26に示す例では、特定効果音が出力されてから飾り図柄の可変表示(変動)が終了するまでの間を特定演出可能期間とし、特定演出可能期間において操作ボタン150に対する操作があった場合に特定演出が実行される。しかし、特定演出の演出期間を確実に確保するために、特定演出可能期間は、変動終了時点よりも前に終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特定演出は大当りの可能性を予告的に報知するための予告演出であるが、図26に例示するように特定効果音が出力された直後に実行される場合もあり、大当りになる場合の飾り図柄の変動時に実行されることもある。
しかし、特定演出の実行開始時期は、それらの時期に限られず、例えば、特定効果音が出力された後、大当りが発生するまでに実行されるいずれかの変動中であってもよい。例えば、特定効果音が出力された後、次回の変動を1回目として3回目の飾り図柄の変動における停止図柄が大当り図柄になる場合には、1回目の変動時(次回の変動時)や2回目の変動時に特定演出を実行するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、表示結果を大当り図柄にする飾り図柄の変動がある場合に比べると実行頻度は低いものの、将来実行される複数回の飾り図柄の変動のいずれにおいても表示結果が大当り図柄にならない場合に、特定演出が実行されることがある。
図27は、特定演出の具体例を示す説明図である。図27に示す例では、演出表示装置9における図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて左中右の飾り図柄の変動が開始された後(図27(A),(B)参照)、ボタン操作を促す画像9eが演出表示装置9に表示されるとともに、特定演出時に使用される画像9fが表示される(図27(C)参照)。そして、遊技者が操作ボタン150を押下したことを条件に、キャラクタ画像9aが演出表示装置9に表示されて特定演出が実行される(図27(D)参照)。
図28は、特定演出の他の例を示す説明図である。図28に示す例では、演出表示装置9における図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて左中右の飾り図柄の変動が開始され、リーチになった後に(図28(A),(B)参照)、ボタン操作を促す画像9eが演出表示装置9に表示されるとともに、特定演出時に使用される画像9fが表示される(図28(C)参照)。そして、遊技者が操作ボタン150を押下したことを条件に、キャラクタ画像9bが演出表示装置9に表示されて特定演出が実行される(図28(D)参照)。
なお、図27および図28では、演出表示装置9の表示画面が矩形で示されているが、実施には、図1に示されたように、演出表示装置9の表示画面は円形である。
また、この実施の形態では、特定効果音が出力されたことを条件に特定演出が実行可能になるが、特定効果音が出力されない場合にも特定演出を実行するようにしてもよい。その場合、操作ボタン150が操作されたときに、キャラクタ画像9a,9bとは異なる画像が表示される演出を実行したり、何の画像も表示されないような演出を実行するようにしてもよい。
図29は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否か決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図30は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)であるか否かを確認する(ステップS211)。保留記憶数カウンタの値が上限値であれば、ステップS216に移行する。
保留記憶数カウンタの値が上限値になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2−1:図9参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS214)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS215)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(ステップS216)。
図31は、入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理は、始動入賞について、その始動入賞にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に、大当りが生ずるか否か判定する処理である。そして、大当りが生ずると判定された場合には、後述するように所定の演出が実行される。
入賞時演出処理において、CPU56は、保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)の値を読み出し(ステップS221)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS222)。そして、大当り判定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS225)。大当り判定フラグがセットされていない場合(大当り判定モジュールにおいて、大当り判定フラグがセットされない場合)には、入賞時判定はずれ指定コマンドを演出制御基板80に送信する制御を行う(ステップS232)。
大当り判定フラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り判定フラグをリセットし(ステップS226)、ランダム2−1の値と、図10(B)に示す大当り種別判定テーブルに設定されている判定値とにもとづいて、大当りの種別(通常大当りまたは確変大当り)を判定する(ステップS227)。具体的には、ランダム2−1の値に一致する判定値に対応する大当りの種別を選択する。
確変大当りとなると判定した場合には、入賞時判定確変大当り指定コマンドを示すデータを送信する制御を行う(ステップS228,S229)。確変大当りとならない(通常大当りになる)と判定した場合には、入賞時判定通常大当り指定コマンドを示すデータを送信する制御を行う(ステップS228,S230)。
図32は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否か判定する(ステップS251)。具体的には、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変状態であれば、確変時大当り判定テーブル(図10(A)右側)を使用することに決定する(ステップS252)。確変状態でなければ、通常時大当り判定テーブル(図10(A)左側)を使用することに決定する(ステップS253)。
そして、乱数バッファに格納されているランダムRの値に一致する判定値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS254)、一致する判定値があれば大当りとすることにし(ステップS255)、大当り判定フラグをセットする(ステップS256)。なお、この実施の形態では、ランダムRの値に一致する判定値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定するが、ランダムRの値が所定範囲内の値になっているか否か確認するようにしてもよい。
また、入賞時判定処理における大当り判定処理では、大当りになるか否かのみを判定するようにしてもよい。例えば、図10に示すように判定値が設定されている場合には、ランダムRの値が、1000〜1059,13320〜13477のいずれかであるか否か判定する。そして、例えば、飾り図柄の変動開始時に、確変大当りになるのか通常大当りになるのかを判定する。
なお、ステップS222,S225,S226の処理を実行することに代えて、ランダムRの値と大当り判定値とを比較する処理を実行し、ランダムRの値が大当り判定値に一致したか否かに応じてステップS227の処理またはステップS232の処理を実行するようにしてもよい。つまり、大当りになるか否か判定する場合に、遊技状態が確変状態であるか否かの判定を実行しないようにしてもよい。その場合には、ランダムRの値と大当り判定値とを比較する際に、ランダムRの値が、1000〜1059および13320〜13447(図10(A)参照)のいずれかの一致するか否か判定する。また、以前の入賞時判定処理で通常大当りになると判定されている場合に、予告演出が実行されたにもかかわらず大当りが発生しないといった事態が生ずることが防止される。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、有効始動入賞が発生すると常に入賞時判定処理を実行して、判定結果にもとづく判定結果コマンドを送信するが、大当りになることを示す判定結果コマンドを送信したら、実際に表示結果を大当り図柄にする飾り図柄の変動が開始されるまで、新たに始動入賞が発生しても判定結果コマンドを送信しないようにすることが好ましい。そのように制御する場合には、大当りになることを示す判定結果コマンドを送信するときに(図31に示す例ではステップS229,S230の処理実行時)、禁止フラグをセットし、禁止フラグがセットされていたら、ステップS221移行の処理を実行しないようにする。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域に格納されているランダムRの値が大当り判定値(図10(A)参照)のいずれかと一致するか否か確認する(ステップS54)。一致した場合には、ステップS71に移行する。なお、ステップS54の処理が大当り判定の処理である。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図10(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図10(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が非確変状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りとすることに決定されている場合に、大当り遊技を開始するときにリセットされる。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図10(B)に示す大当り種別判定テーブル131を選択する(ステップS72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用乱数(ランダム2−1)の値と一致する値に対応した種別(「通常」または「確変」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。なお、例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされて場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図34は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図12(E)に示すテーブル選択規則に従って、遊技状態にもとづいて大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS101に移行する。なお、CPU56は、遊技状態を、確変フラグおよび時短フラグの状態によって判定できる。
大当りフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかにもとづいて、図13(D)に示すテーブル選択規則に従って、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために使用するテーブルとして、リーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択する(ステップS95)。また、ランダム2−2を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム2−2を抽出する(ステップS96)。そして、CPU56は、選択したリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかにおける保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム2−2の値と一致する値に対応したリーチ状態の有無を示すデータによって、リーチするか否かと、リーチしない場合の演出の種別またはリーチする場合のリーチの種別を決定する(ステップS97)。なお、ステップS97の処理で用いられる保留記憶数として、ステップS53の処理で−1される前の値を用いてもよい。
リーチすることに決定した場合には、ステップS97の処理で決定されたリーチの種別(リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1またはリーチHC2−1)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択する(ステップS99)。リーチしないことに決定した場合には、ステップS97の処理で決定された演出の種別(非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1または非リーチHC1−2)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択する(ステップS100)。そして、ステップS101に移行する。
ステップS101では、CPU56は、ランダム3を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム3の値を抽出する。そして、抽出したランダム3の値にもとづいて、ステップS92、S99またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A,137B、はずれ変動パターン判定テーブル138A,138Bのうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム4の値を抽出する(ステップS104)。そして、抽出したランダム4の値にもとづいて、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。
次いで、決定した変動パターンに対応した演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図35は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS114に移行する。大当りフラグがセットされている場合には、決定されている大当り種別が「確変」である場合には、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。「確変」でない場合には、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。なお、CPU56は、大当りの種別を、大当り種別バッファに設定されているデータによって判定できる。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1減らし(ステップS115)、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS116)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における表示結果特定コマンド格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS117)。
図36は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図37は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りがセットされていない場合には、ステップS138に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
ステップS138では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS139)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短フラグをリセットする(ステップS140,S141)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS142)。
図38は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。例えば、最大時間は29秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS407)。
図39および図40は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば5秒である。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS442)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを、例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS444)。
図41は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS451)。大入賞口制御タイマの値が0でない場合には(ステップS452)、処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になった場合には、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS453,S454)。また、高確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS455)。そして、ステップS459に移行する。
大当り種別を示すデータが確変大当りでないときには、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットし(ステップS456)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS457)。そして、低確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS458)。そして、ステップS459に移行する。
ステップS459では、大当りフラグをリセットする。また、RAM55における大当り種別を示すデータをクリア(0にする)する(ステップS460)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS461)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図42は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、スピーカ27を用いた音演出を行う効果音制御処理を実行する(ステップS707)。そして、ステップS702に移行する。なお、この実施の形態では、演出制御処理において効果音制御処理が実行されるが、後述する演出制御プロセス処理(図54参照)において実行されるようにしてもよい。その場合、例えば、図54に示すステップS800〜S807のいずれの処理が実行される場合にも、効果音制御処理が実行されるように構成する。
図43〜図45は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示部18cにおける点灯個数を、保留記憶数指定コマンドにおけるEXTデータ(2バイト目)で示される数にする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示部18cにおける点灯個数を1減らす(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをリセットする(ステップS652)。また、受信した演出制御コマンドが高確率状態指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットする(ステップS654)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が低確率状態指定コマンド(コマンドE400(H))および高確率状態指定コマンド(コマンドE401(H))を、飾り図柄の変動開始の度に送信するように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、低確率状態指定コマンドの受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景画像を低確率状態時のものにして、高確率状態指定コマンドの受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景画像を高確率状態時のものにする制御を行う。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定はずれ指定の演出制御コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、乱数カウンタ(乱数SR2,SR3を発生するためのカウンタ)のカウント値を読み出すことによって乱数を抽出し(ステップS662)、予告判定処理を実行する(ステップS663)。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定通常大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS664)、演出制御用CPU101は、乱数カウンタ(乱数SR2,SR3を発生するためのカウンタ)のカウント値を読み出すことによって乱数を抽出し(ステップS665)、予告判定処理を実行する(ステップS666)。
さらに、受信した演出制御コマンドが入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS667)、演出制御用CPU101は、乱数カウンタ(乱数SR2,SR3を発生するためのカウンタ)のカウント値を読み出すことによって乱数を抽出し(ステップS668)、予告判定処理を実行する(ステップS669)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
図46は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図46に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3、特定効果音決定用乱数SR2、予告演出態様決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。
特定効果音決定用乱数SR2は、特定効果音を出力するか否かを決定するために用いられる乱数である。予告演出態様決定用乱数SR3は、予告演出の演出態様を決定するために用いられる乱数である。
各乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図42に示す乱数更新処理(ステップS702)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図46に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図46に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、所定の非リーチの組み合わせになる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図47(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cが記憶されている。図47(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図47(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)であって、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図47(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図48に示すような左右出目判定テーブル161が記憶され、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR14のいずれに該当するかの判定が行われる。図47(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR14のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図49(A)および図49(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A、162Bが記憶されている。図49(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる飾り図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図49(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
リーチはずれ組み合わせを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる飾り図柄の図柄番号との差分値である図柄差によって、特定される。すなわち、飾り図柄の可変表示において、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示する場合に、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。決定された図柄差に応じて、「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定飾り図柄が決定される。最終停止図柄決定テーブル162Bは、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2の変動パターンのいずれかである場合や、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかである場合、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−1〜PB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンのいずれかである場合、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8の変動パターンのいずれかである場合に応じて、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、大当り組み合わせやを決定するためのテーブルとして、例えば、図50に示す最終停止図柄決定テーブル163Aが記憶されている。図50に示す最終停止図柄決定テーブル163Aは、大当り図柄となる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aは、通常大当りにするときに用いられるテーブル(図50における左欄)と、確変大当りにするときに用いられるテーブル(図50における右欄)とを含む。最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当りにするときに用いられるテーブルには、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」(通常大当り図柄)に対応するデータ(判定値)を含む。最終停止図柄決定テーブル163Aにおける確変大当りにするときに用いられるテーブルには、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「1」、「3」、「5」、「7」(確変大当り図柄)に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図51に示すように、特定効果音を出力するか否かと、出力する場合の出力時期を決定するための特定効果音決定テーブル171が記憶されている。特定効果音決定テーブル171には、「特定効果音を出力しない」、「変動開始時に特定効果音を出力する」、「直ちに特定効果音を出力する」の判定結果のそれぞれに対応する判定値が設定されている。演出制御用CPU101は、特定効果音決定用乱数SR2に一致する判定値に判定結果を、特定効果音を出力する判定結果とする。
また、特定効果音決定テーブル171として、図51(A)に示す入賞時判定はずれ指定コマンドを受信した場合に用いられるテーブルと、図51(B)に示す入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に用いられるテーブルとがある。入賞時判定はずれ指定コマンドを受信した場合に用いられるテーブルには、「直ちに特定効果音を出力する」に対応する判定値は設定されていない。
また、この実施の形態では、「特定効果音を出力する」ことは、予告演出を実行することに対応する。しかし、「特定効果音を出力する」ことと、予告演出を実行することとの間に関係がない(「特定効果音を出力する」ことと予告演出を実行することのそれぞれを別個独立に決定する)ようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特定効果音を出力するタイミングとして、「直ちに」および「変動開始時」を使用するが、それらは一例であって、他のタイミングを使用してもよい。例えば、何回目の飾り図柄の可変表示において特定効果音を出力するのかを選択したり、判定時点または次の変動開始時点から何秒後に出力するのかを選択したりしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図52に示すように、予告演出の態様を決定するための予告演出態様決定テーブル172が記憶されている。予告演出態様決定テーブル172には、「次回の飾り図柄の変動時にボタン操作を条件にキャラクタ画像Aを表示する(次変動キャラクタA演出)」、「次回の飾り図柄の変動時にボタン操作を条件にキャラクタ画像Bを表示する(次変動キャラクタB演出)」、「表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の変動時(大当り変動時)にボタン操作を条件にキャラクタ画像Aを表示する(大当り変動キャラクタA演出)」、「表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の変動時(大当り変動時)にボタン操作を条件にキャラクタ画像Bを表示する(大当り変動キャラクタB演出)」の演出態様に対応する判定値が設定されている。
なお、キャラクタ画像Aは、図27に示されたキャラクタ画像9aである。キャラクタA演出は、図27(D)に示された演出である。キャラクタ画像Bは、図28に示されたキャラクタ画像9bである。キャラクタB演出は、図28(D)に示された演出である。
予告演出態様決定テーブル172には、図52(A)に示す入賞時判定はずれ指定コマンドを受信した場合に用いられるテーブルと、図52(B)に示す入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に用いられるテーブルとがある。なお、図52(A)に示すテーブルにおいて、「表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の変動時(大当り変動時)にボタン操作を条件にキャラクタ画像Aを表示する(大当り変動キャラクタA演出)」および「表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の変動時(大当り変動時)にボタン操作を条件にキャラクタ画像Bを表示する(大当り変動キャラクタB演出)」の演出態様に対応する判定値は割り当てられていない。よって、それらの演出が実行されるときには、必ず大当りが発生する。
なお、図52(A)に示すテーブルにおいて、「表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の変動時(大当り変動時)にボタン操作を条件にキャラクタ画像Aを表示する(大当り変動キャラクタA演出)」および「表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の変動時(大当り変動時)にボタン操作を条件にキャラクタ画像Bを表示する(大当り変動キャラクタB演出)」の演出態様に対応する判定値を割り当ててもよい。
また、この実施の形態では、入賞時判定通常大当り指定コマンドを受信した場合にも入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合にも図51(B)および図52(B)に示すテーブルを使用して、特定効果音の判定および特定演出の判定を行うが、図52(B)に示すテーブルを、入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合にだけ使用するようにしてもよい。そのようにした場合には、特定効果音による演出および特定演出は、確変大当りの発生に関わる演出になる。また、入賞時判定通常大当り指定コマンドを受信した場合に使用されるテーブルと入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に使用されるテーブルとを別にし、入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に使用されるテーブルにおける特定効果音を出力することに対応する判定値数を、入賞時判定通常大当り指定コマンドを受信した場合に使用されるテーブルにおける特定効果音を出力することに対応する判定値数よりも多くするようにして、確変大当りになる場合の方が、特定効果音による演出および特定演出が実行されやすくなるようにしてもよい。
図53は、ステップS663,S666,S669(図45参照)の予告判定処理を示すフローチャートである。予告判定処理において、演出制御用CPU101は、予告決定済みフラグがセットされているか否か確認する(ステップS671)。予告決定済みフラグがセットされている場合には処理を終了する。
予告決定済みフラグがセットされていない場合には、特定効果音決定用乱数SR2を抽出し、特定効果音決定用乱数SRと特定効果音決定テーブル171(図51参照)とを用いて特定効果音を出力するか否かを決定するとともに、出力する場合の出力時期を決定する(ステップS672)。
特定効果音を出力することに決定した場合には(ステップS673)、予告決定済みフラグをセットする(ステップS674)。また、特定効果音を直ちに出力することに決定した場合には(ステップS675)、そのときに出力中の効果音の種類(第1効果音または第2効果音)の種類をRAMに記憶するとともに、特定効果音を出力する制御を行う(ステップS676)。具体的には、特定効果音を音番号データを音声出力基板70に出力する。特定効果音を直ちに出力することに決定した場合でない場合、すなわち変動開始時に出力することに決定した場合には、特定効果音出力待ちフラグをセットする(ステップS677)。
また、演出制御用CPU101は、予告演出態様決定用乱数SR3を抽出し、予告演出態様決定用乱数SR3と予告演出態様決定テーブル172(図52参照)とを用いて、予告演出の開始時期と演出態様とを決定する(ステップS678)。そして、決定結果を保存する(ステップS679)。
なお、この実施の形態では、はずれになる場合にも特定効果音が出力される場合があるが、はずれになる場合には、ステップS672,S673の処理を実行しないようにしてもよい。そのように構成する場合には、特定効果音の出力は、保留記憶数の範囲内で実行される飾り図柄のいずれかの変動において大当りが発生することを報知する演出になる。
また、この実施の形態では、予告演出を実行するか否かの判定処理および予告演出の種類を決定する処理は、コマンド解析処理で入賞時判定処理にもとづく判定結果コマンドを受信したときに実行されるが、演出制御プロセス処理において、それらの処理を実行するようにしてもよい。その場合には、コマンド解析処理では、判定結果コマンドを受信したときに特定効果音を出力することに決定したときにはその旨を示すフラグをセットし、例えば、後述する飾り図柄変動開始処理において、そのフラグがセットされていたら、予告演出を実行するか否かの判定処理および予告演出の種類を決定する処理を実行する。
図54は、図42に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):大当り遊技におけるラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図55は、図54に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図56および図57は、図54に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS814)。そして、演出制御用CPU101は、はずれとすることに決定されているか否か確認する(ステップS815)。はずれとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれであるか否かを、受信した変動パターンコマンドによって判定してもよい。はずれとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ステップS817)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、例えば、変動パターンコマンド格納領域に格納されていたデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチにならない飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS819)。ステップS819の処理では、図47(A)に示された最終停止図柄決定テーブル160Aを使用テーブルとして選択する。次いで、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することによって左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄を決定する。次に、図47(B)に示された最終停止図柄決定テーブル160Bを使用テーブルとして選択する。続いて、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−2の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することによって右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄を決定する。また、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせにもとづいて、図48に示された左右出目判定テーブル161を参照することによって、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれになるか判定する。次いで、図47(C)に示された最終停止図柄決定テーブル160Cを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値と左右出目タイプDC1−1とにもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することによって中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄を決定する。そして、ステップS821に移行する。
ステップS817の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチの組み合わせを構成する飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS818)。ステップS818の処理では、図49(A)に示された最終停止図柄決定テーブル162Aを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することによって左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の飾り図柄を決定する。次に、図49(B)に示された最終停止図柄決定テーブル162Bを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することによって左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄との図柄差を決定する。演出制御用CPU101は、決定した図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する。
以上のように、ステップS818の処理では、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄を決定する。次いで、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9Cにおける中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する。そして、ステップS821に移行する。
はずれとすることに決定されていない場合には(ステップS815)、演出制御用CPU101は、最終停止図柄としての大当り図柄を決定する(ステップS816)。具体的には、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1を抽出し、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する。その際に、確変大当りとしない(通常大当りとする)ことに決定されている場合には、図50に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当り時のテーブルに設定されている判定値と停止図柄決定用乱数SR6とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。また、確変大当りとすることに決定されている場合には、図50に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける確変大当り時のテーブルに設定されている判定値と停止図柄決定用乱数SR6とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。そして、ステップS821に移行する。
ステップS821では、演出制御用CPU101は、特定効果音出力待ちフラグ(図53におけるステップS677参照)がセットされているか否か確認する。セットされている場合には、特定効果音出力待ちフラグをリセットするとともに、特定効果音を出力する制御を行う(ステップS822)。すなわち、音声出力基板70に、特定効果音を指定する音番号データを出力する。
また、演出制御用CPU101は、予告決定済みフラグがセットされているか否か確認する(ステップS823)。予告決定済みフラグがセットされていない場合には、ステップS829に移行する。
予告決定済みフラグがセットされている場合には、予告演出(特定演出)の実行時期が大当り変動時であると決定されているか否か確認する(ステップS824)。実行時期が大当り変動時でないと決定されている場合、すなわち、次回の変動時(この時点では、これから実行しようとする変動の変動時に相当する。)と決定されている場合には、ステップS826に移行する。実行時期が大当り変動時であると決定されている場合には、開始しようとしている変動の表示結果が大当り図柄であるか否か確認する(ステップS825)。なお、演出制御用CPU101は、開始しようとしている変動の表示結果が大当り図柄であるか否かを、例えば、受信している表示結果特定コマンドによって判定するが、受信した変動パターンコマンドによって判定してもよい。
開始しようとしている変動の表示結果が大当り図柄でない場合には、ステップS829に移行する。開始しようとしている変動の表示結果が大当り図柄である場合には、予告決定済みフラグをリセットし(ステップS826)、ボタン演出開始待ちタイマに、操作ボタン演出開始(具体的には、操作ボタン150の操作を促す画像9eを表示するタイミング)までの時間に相当する値をセットする(ステップS827)。そして、操作ボタン演出を実行することを示すボタン演出決定フラグをセットし(ステップS828)、ステップS829に移行する。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動開始時から、ボタン演出開始待ちタイマがタイムアウトするまでの所定期間が経過したらボタン演出の実行を可能にするが、飾り図柄の変動開始時に、図27(C)や図28(C)に例示されたボタン操作可能画面を演出表示装置9に表示してボタン演出の実行を可能にしてもよい。そのように制御する場合には、例えば、後述するボタン演出開始前処理が最初に実行されたときにボタン演出開始待ちタイマが直ちにタイムアウトするように、ステップS827の処理でボタン演出開始待ちタイマに「1」をセットする。または、ステップS827の処理に代えて、後述するボタン演出開始前処理におけるステップS683〜S685の処理を実行し、飾り図柄変動中処理ではボタン演出開始前処理を実行しないようにする。
ステップS829では、演出制御用CPU101は、遊技状態が高確率状態であるか否か確認する(ステップS829)。具体的には、高確率状態フラグがセットされているか否か確認する。高確率状態でない場合には、第1効果音に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する。音声出力基板70における音声合成用IC703は、第1効果音に応じた音番号データを入力すると、音声データROM704に格納されている第1効果音の最初から音演出が開始されるように、第1効果音の最初のデータから再生を開始する。
遊技状態が高確率状態である場合には、第1効果音に応じた音番号データを音声出力基板70に出力することはない。よって、継続した音演出が実行される。すなわち、出力される音が楽曲であれば、楽曲がとぎれることはない。
また、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS831)。
図58は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体の点滅を制御する。
図58に示すプロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。また、プロセステーブルは、予告演出のパターンにも応じて用意されている。
図59は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図59に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の演出が実現される。なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図60に示す図柄変動制御パターンテーブル180が記憶されている。図60に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、リーチ演出における演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。具体的には、図柄変動制御パターンには、図58に示すプロセステーブルが設定されている。
図57に示すステップS832において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブル180に格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうちのいずれかを使用パターンとして選択し、選択した図柄変動制御パターンに対応するプロセステーブルを選択する。
演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS834,S835)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(飾り図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS837)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS838)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS839)。
なお、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図61は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、リーチ開始タイマが動作中であれば、リーチ開始タイマの値を−1する(ステップS840D)。また、演出制御用CPU101は、特定演出(ボタン演出ともいう。)を実行することが決定されていることを示すボタン演出決定フラグがセットされている場合には(ステップS841)、ボタン演出開始前処理を実行する(ステップS842)。また、操作ボタン演出の実行中の期間であることを示す有効期間フラグがセットされている場合には(ステップS843)、ボタン演出処理を実行する(ステップS844)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS845)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS846)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS847)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS848)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS849)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS850)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS851)。
また、リーチ開始タイマがタイムアウトしていれば(ステップS852)、演出制御用CPU101は、ステップS818の処理で決定されたリーチ図柄(大当りとしない場合)、またはステップS816の処理で決定された大当り図柄にもとづくリーチ図柄(大当りとする場合のリーチ図柄:左右図柄が一致する飾り図柄の組み合わせ)を演出表示装置9における「左」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)および「右」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)に停止表示させる制御を行う(ステップS853)。具体的には、リーチ図柄の画像データをVRAMの所定領域に書き込む。リーチ演出の種類に応じた音番号データを音声出力基板70の音声合成用IC703に出力する(ステップS854)。また、音声合成用IC703に第2効果音の音番号データを出力したことを示す第2効果音演出フラグをセットする(ステップS855)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS856)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。なお、飾り図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、飾り図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、図58に例示されたプロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は飾り図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく飾り図柄の演出制御は終了する。
図62は、ステップS842のボタン演出開始前処理を示すフローチャートである。ボタン演出開始前処理において、演出制御用CPU101は、ボタン演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS681)。そして、ボタン演出開始待ちタイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS682)、図27(C)や図28(C)に例示されたボタン操作可能画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS683)。また、有効期間タイマに、操作ボタン150の操作を有効にする期間(具体的には、操作ボタン150からの操作信号の入力の有無を確認する期間)に相当する値をセットする(ステップS684)。そして、有効期間フラグをセットする(ステップS685)。
図63は、ステップS844のボタン演出処理を示すフローチャートである。ボタン演出処理において、演出制御用CPU101は、操作ボタン150に対する操作があったか否か確認する(ステップS691)。すなわち、操作ボタン150から操作信号が出力されたか否か確認する。操作ボタン150に対する操作があった場合には、RAMに記憶されている種類のキャラクタ画像(キャラクタ画像Aまたはキャラクタ画像B:図27および図28参照)を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS692)。そして、ステップS693に移行する。
操作ボタン150に対する操作がない場合には、有効期間タイマの値を−1する(ステップS693)。そして、有効期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS694)、キャラクタ画像を演出表示装置9に表示しているときには(ステップS692参照)、演出表示装置9に表示されているキャラクタ画像を消去する制御を行う(ステップS695)。
図64は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS860)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS867に移行する。この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866の処理で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS861,S862の飾り図柄の停止図柄を表示する処理等を実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS862の処理で大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS863)、第2効果音による演出を終了させるために第2効果音演出フラグをリセットし(ステップS864)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
なお、ステップS864の処理を実行するときに、低確率状態では、演出制御用CPU101は、第1効果音の最初の部分からの出力が開始されるように、音声出力基板70に第1効果音の開始を示す音番号データ1を出力するともに、第1効果音出力中フラグをセットする。
ステップS862の処理で大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS867)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS868)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS869)。
また、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS870)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS871)。また、ファンファーレ演出に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS872)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS873)。
図65は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理(エンディング演出)において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出期間タイマの値を1減算する(ステップS970)。大当り終了演出期間タイマの値が0になった場合には、第2効果音による演出を終了させるために第2効果音演出フラグをリセットし(ステップS976)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS977)。なお、大当り終了演出期間タイマには、最終ラウンドについてのラウンド中処理において、エンディング演出の期間に相当する値が設定されている。
大当り終了演出期間タイマの値が0になっていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS973)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび可動部材制御データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS975)。
なお、エンディング演出においても、エンディング演出に対応した音演出が実行されている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出の開始時に、エンディング演出に応じた音番号データを、音声出力基板70の音声合成用IC703に出力している。また、大当り遊技中においても、大当り遊技に対応した音演出が実行されている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技の開始時に、大当り遊技に応じた音番号データを、音声出力基板70の音声合成用IC703に出力している。なお、大当り遊技中において1種類の第2の種類の演出音による音演出が継続して実行されてもよいが、大当り遊技における各ラウンド毎に、また、各ラウンド間(ラウンドインターバル)毎に、異なる第2の種類の演出音による音演出が実行されるようにしてもよい。
図66は、ステップS707(図42参照)の効果音制御処理を示すフローチャートである。効果音制御処理において、演出制御用CPU101は、第1効果音の出力中であることを示す第1効果音出力中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS761)。第1効果音出力中フラグがセットされていない場合には、ステップS765に移行する。
第1効果音出力中フラグがセットされている場合には、音声合成用IC703に第2効果音の音番号データを出力したことを示すフラグである第2効果音演出フラグがセットされているか否か確認する(ステップS762)。第2効果音演出フラグがセットされていない場合には、ステップS780に移行する。第2効果音演出フラグがセットされている場合には、第1効果音出力中フラグをリセットするとともに、第2効果音の出力中であることを示す第2効果音出力中フラグをセットする(ステップS763)。なお、第2効果音演出フラグは、音声合成用IC703に第2効果音の音番号データを出力したときにセットされるが、第2効果音の出力が継続している状態では、セット状態のままである。
ステップS765では、演出制御用CPU101は、第2効果音出力中フラグがセットされているか否か確認する。第2効果音出力中フラグがセットされていない場合には、ステップS771移行する。
第2効果音出力中フラグがセットされている場合には、第2効果音演出フラグがリセットされたか否か確認する(ステップS766)。なお、第2効果音演出フラグは、演出制御プロセス処理において第2効果音による演出を終了するときにリセットされる(図64におけるステップS864、図65におけるステップS976参照)。
演出制御用CPU101は、第2効果音演出フラグがリセットされたことを確認した場合には、第2効果音出力中フラグをリセットするとともに、第1効果音の出力中であることを示す第1効果音出力中フラグをセットする(ステップS767)。そして、遊技状態が確変状態であれば(高確率状態フラグがセットされていれば)、第1効果音の再開(継続)に対応する音番号データ2(図22参照)を音声合成用IC703に出力する(ステップS768,S769)。確変状態でなければ、第1効果音の開始(楽曲等の最初から出力)に対応する音番号データ1(図22参照)を音声合成用IC703に出力する(ステップS770)。音声合成用IC703は、第1効果音に対応する音番号データを入力すると、第2効果音の出力を停止するとともに、演出制御用CPU101から入力された音番号データに対応する第1効果音の出力を開始する。すなわち、第1効果音の出力が再開される。なお、この実施の形態では、音声合成用IC703は、第1効果音の開始に対応する音番号データ1を入力すると、第1効果音としての楽曲等の最初から再生を行う。すなわち、図23に示された1バイト目のPCMデータを用いて再生処理を開始する。また、第1効果音の再開に対応する音番号データ2を入力すると、第1効果音としての楽曲等の中断箇所から再生を行う。中断箇所は、第2効果音の開始に起因して出力が中断された箇所である。なお、ステップS769の処理で、保留記憶数が0でないことを条件に第1効果音を再開させるようにしてもよいし、ステップS769の処理で第1効果音の開始に対応する音番号データ1を出力してもよい。
ステップS771では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から保留記憶数指定コマンド(図20参照)を受信したか否か確認する。保留記憶数指定コマンドを受信したことを確認した場合には、第1効果音に対応する音番号データ1を音声合成用IC703に出力し(ステップS772)、第1効果音出力中フラグをセットする(ステップS773)。
音声合成用IC703は、第1効果音の開始に対応する音番号データを入力すると第1効果音の出力を開始するので、ステップS761,S765,S771,S772の処理によって、第1効果音も第2効果音も出力されていない状況において、保留記憶が生ずると、第1効果音の出力が開始されることになる。すなわち、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したことが検知されると、第1効果音の出力が開始される。
なお、この実施の形態では、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したことを、保留記憶が生じたこと(すなわち、始動入賞があったこと)を検知することよって確認するが、他の方法によって、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したことを検知するようにしてもよい。例えば、遊技球を発射する発射モータの駆動が開始されたときに、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したと判定したり、打球操作ハンドル(操作ノブ)5への接触があったときに、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したと判定したりしてもよい。
また、この実施の形態では、長期間に亘って飾り図柄の変動が開始されない場合には第1効果音が継続(ただし、最終部分まで出力されたら先頭部分に戻る。)するが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定時間以上変動パターンコマンドを受信しない場合には、第1効果音の継続を止めるようにしてもよい。また、飾り図柄の変動が終了したら保留記憶数が0であることを条件に直ちに第1効果音の継続を止めるようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづく飾り図柄の変動の表示結果が大当り図柄になるか否か(すなわち、大当りになるか否か)判定し、大当りになると判定した場合には、高い割合で単音の特定効果音を出力する(図51参照)。また、高い割合で特定演出を実行する(図52参照)。よって、特定効果音や特定演出によって、遊技者に、大当りの発生を、実際に大当りが発生する時点よりも前の時点において予告的に報知することができることになる。
また、特定効果音は単音であるから、特定効果音を出力した遊技機で遊技を行っている遊技者だけでなく、その遊技機の近傍に設置されている遊技機で遊技を行っている遊技者も、自身が遊技を行っている遊技機において何らかの事象が生じたと感ずる可能性がある。すなわち、特定効果音によって、他の遊技機で遊技を行っている遊技者にも遊技の興趣を与えることができる。
そして、実際に特定効果音を出力した遊技機では、その後に高い割合で特定演出が実行されるので、遊技者は、自身が遊技を行っている遊技機から特定効果音が出力されたことを認識できるとともに、大当りが発生する可能性が高いことを確実に認識することができる。なお、この実施の形態では、特定効果音を出力するときに、演出表示装置9の表示やランプ,LEDによる演出を伴わせなかったが、それらによる演出を同時に実行してもよい。そのようにした場合でも、実際に特定効果音を出力した遊技機と、その遊技機の近傍に設置されている複数の遊技機とのうちのいずれにおいて特定効果音が出力されたのかを各遊技者が把握しづらくなるという効果に変わりはない。また、特定効果音の出力後に特定演出としての予告演出(演出表示装置9の表示やランプ,LEDや音演出による。)を実行するが、特定効果音の出力のみを行うようにしてもよい。そのようにする場合には、実際に特定効果音を出力した遊技機と、その遊技機の近傍に設置されている複数の遊技機とのうちのいずれにおいて特定効果音が出力されたのかを各遊技者がより把握しづらくなる。
図67は、変形例1における演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行するボタン演出処理を示すフローチャートである。変形例1では、ボタン演出処理において、演出制御用CPU101は、操作ボタン150に対する操作があったことを確認すると、すなわち、操作ボタン150から操作信号が出力されたかことを確認すると(ステップS691)、操作回数カウンタの値を+1する(ステップS691A)。
そして、操作回数カウンタの値があらかじめ定められている第1規定値に達すると(ステップS691B)、演出表示装置9に、さらにボタン操作を促す画像(例えば、「もっと押せ」の文字画像)を表示する制御を行う(ステップS691C)。
また、操作回数カウンタの値があらかじめ定められている第2規定値(第1規定値よりも大きい値)に達すると(ステップS691D)、RAMに記憶されている種類のキャラクタ画像(キャラクタ画像Aまたはキャラクタ画像B:図27および図28参照)を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS692)。
その他の処理は、上記の実施の形態の場合と同じである。
上記の実施の形態では、操作ボタン150が押下されると直ちにキャラクタ画像が表示されて特定演出(予告演出)が開始されたが、変形例1では、操作ボタン150が所定回(第2規定値)押下されると、特定演出が開始される。上記の実施の形態の場合に比べて、遊技者が、より多くの回数のボタン操作を行わないと特定演出が開始されないので、遊技者の演出に対する興味をより強くさせることができる。また、特定演出(予告演出)が開始される前に、さらにボタン操作を促す画像が表示されるので、遊技者のボタン演出に対する参加意欲をより高めることができる。
上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、実際に大当りとするか否か決定する前の時期であって、始動入賞があったときに、その始動入賞にもとづいて大当りが発生するか否か判定する入賞時判定処理を実行したが、始動入賞にもとづいて大当りが発生するか否かを、実際に大当りとするか否か決定する前の時期における他のタイミングで実行するようにしてもよい。
図68は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞にもとづいて大当りが発生するか否かを変動開始時に実行するように構成された変形例2における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図68に示す例では、図20に示されたコマンドC100(H)、C101(H)、C102(H)が、それぞれ、変動開始時判定はずれ指定コマンド(変動開始時の判定結果にもとづくはずれ指定の演出制御コマンド)、変動開始時判定通常大当り指定コマンド(変動開始時の判定結果にもとづく通常大当り入賞指定の演出制御コマンド)、変動開始時判定確変大当り指定コマンド(変動開始時の判定結果にもとづく確変大当り入賞指定の演出制御コマンド)と規定されている。
図69は、変形例2における遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する特別図柄通常処理を示すフローチャートである。変形例2では、特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数が0でない場合に、変動開始時判定処理を実行する(ステップS52A)。その他の処理は上記の実施の形態の場合と同様である。なお、ステップS52Aで実行される変動開始時判定処理において、大当りになることを示す判定結果コマンドを送信する場合に何番目の保留記憶に対応するのかを特定可能な情報をコマンドに含めることが望ましい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、判定結果コマンドで特定効果音の出力が指示されたときに、特定効果音を出力する前に大当りが発生する異なると判定した場合には、特定効果音を出力しないように制御する。
変動開始時判定処理において、CPU56は、全ての保留記憶について、ステップS221〜S230(図31参照)の処理を実行する。ただし、入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンドおよび入賞時判定確変大当り指定コマンドに代えて、変動開始時判定はずれ指定コマンド、変動開始時判定通常大当り指定コマンドおよび変動開始時判定確変大当り指定コマンドを送信する。また、複数の保留記憶について大当りになることが判定された場合には、1回だけ、変動開始時判定通常大当り指定コマンドまたは変動開始時判定確変大当り指定コマンドを送信する。全ての保留記憶についてはずれになることが判定された場合には、1回だけ、入賞時判定はずれ指定コマンドを送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態の場合と同様に動作する。ただし、入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンドのそれぞれを受信したときに実行された処理は、変動開始時判定はずれ指定コマンド、変動開始時判定通常大当り指定コマンド、変動開始時判定確変大当り指定コマンドを受信したときに実行される。
実施の形態2.
上記の実施の形態(実施の形態1)では、演出制御用マイクロコンピュータ100が特定効果音を出力するか否かと出力時期を決定するとともに、特定演出の演出態様を決定したが、第2の実施の形態(実施の形態2)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、それらを決定し、決定結果を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
図70は、第2の実施の形態における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図70に示す例では、図20に示されたコマンドC100(H)、C101(H)、C102(H)は使用されない。
また、図70に示す例では、特定効果音を直ちに出力することを示す特定効果音即時出力指定コマンド(C400(H))、変動開始時に特定効果音を出力することを示す変動開始時特定効果音出力指定コマンド(C401(H))、次回の変動でキャラクタA演出を実行することを示す次変動時キャラクタA演出指定コマンド(C501(H))、次回の変動でキャラクタB演出を実行することを示す次変動時キャラクタB演出指定コマンド(C502(H))、大当り変動でキャラクタA演出を実行することを示す大当り変動時キャラクタA演出指定コマンド(C503(H))、大当り変動でキャラクタB演出を実行することを示す大当り変動時キャラクタB演出指定コマンド(C504(H))が使用される。
図71は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する入賞時判定処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、CPU56は、入賞時判定処理において、予告判定処理も実行する(ステップS240)。
ステップS240の予告判定処理において、CPU56は、第1の実施の形態における図53に示された予告判定処理と同様の処理を実行する。ただし、ステップS679の保存処理に代えて、決定結果にもとづいて、特定効果音即時出力指定コマンド(C400(H))または変動開始時特定効果音出力指定コマンド(C401(H))を送信したり、次変動時キャラクタA演出指定コマンド(C501(H))、次変動時キャラクタB演出指定コマンド(C502(H))、大当り変動時キャラクタA演出指定コマンド(C503(H))または大当り変動時キャラクタB演出指定コマンド(C504(H))送信する制御を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告判定処理を実行せず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した特定効果音即時出力指定コマンド(C400(H))または変動開始時特定効果音出力指定コマンド(C401(H))に従って特定効果音を出力する。また、次変動時キャラクタA演出指定コマンド(C501(H))、次変動時キャラクタB演出指定コマンド(C502(H))、大当り変動時キャラクタA演出指定コマンド(C503(H))または大当り変動時キャラクタB演出指定コマンド(C504(H))に従って特定演出を実行する。
実施の形態3.
第1および第2の実施の形態では、特定演出(予告演出)として、図27や図28に例示したような演出態様の演出が実行されたが、他の演出態様による特定演出を実行してもよい。第3の実施の形態(実施の形態3)では、特定演出として、ステップアップ予告演出を実行する。ステップアップ予告演出とは、1回の飾り図柄の可変表示(変動表示)中に実行される予告演出の一種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ(LEDを含む)、可動物等による)が複数段階に変化するような予告のことである。一般には、変化する回数(ステップ数)が多いほど、大当りの信頼度が高くなる。この実施の形態では、予告の対象になるのは、大当りであるが、確変大当りやリーチ等を予告の対象にしてもよい。
図72は、第1ステップアップ予告における各予告演出の内容と第2ステップアップ予告における各予告演出の内容を示す説明図である。第1ステップ予告(右側のステップアップ予告)は、5つの予告演出(予告演出A、予告演出B、予告演出C、予告演出D、予告演出E)で構成されている。図72に示すように、予告演出Aとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域において人のキャラクタAが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Bとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域において人のキャラクタBが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Cとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域において人のキャラクタCが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Dとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域においてキャラクタA,B,Cが同時に画面左から登場し、画面の中央で停止する演出が行われる。予告演出Eとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域においてキャラクタA,B,Cが集合しているところに大きな人のキャラクタDが画面右から登場する演出が行われる。
また、第2ステップ予告(左側のステップアップ予告)は、3つの予告演出(予告演出X、予告演出Y、予告演出Z)で構成されている。図72に示すように、予告演出Xとして、演出表示装置9の表示画面の背景においてかぶと虫のキャラクタが画面右から飛んでくる演出が行われる。予告演出Yとして、演出表示装置9の表示画面の背景においてかぶと虫のキャラクタが木にとまる演出が行われる。予告演出Zとして、背景が演出表示装置9の表示画面の全領域まで拡大することに伴って、気が拡大するとともにかぶと虫のキャラクタも拡大する演出が行われる。
図73は、第1ステップアップ予告の具体例を示す説明図である。第1ステップアップ予告では、最大で5ステップの予告演出を実行可能である。図73に示すように、演出表示装置9の表示画面において、木の画像200が背景画像として表示されている。左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて、左中右の飾り図柄が停止した状態から(図73(a))、開始条件が成立すると、全ての飾り図柄の変動が開始された後、飾り図柄が高速変動される。そして、第1ステップアップ予告の開始タイミングになると、演出表示装置9の表示画面の下部領域において、第1ステップアップ予告における予告演出A(ステップ(A))としてキャラクタAの画像210が画面右から移動するように表示される(図73(b))。その後、ステップアップ予告の変化タイミングになると、第1ステップアップ予告における予告演出B(ステップ(B))としてキャラクタBの画像211が画面右から移動するように表示される(図73(c))。さらに、次のステップアップ予告の変化タイミングになると、第1ステップアップ予告における予告演出C(ステップ(C))としてキャラクタCの画像212が画面移動するように表示される(図73(d))。
さらに、左図柄(この例では「7」)が停止した後に、第1ステップアップ予告における予告演出D(ステップ(D))としてキャラクタAの画像210、キャラクタBの画像211およびキャラクタCの画像212が同時に画面左から移動するように表示される(図73(e))。その後、右図柄(「この例では7」)が停止してリーチが発生した後、第1ステップアップ予告における予告演出E(ステップ(E))として大きな人のキャラクタDの画像213が画面左からから移動するように表示される(図73(f))。その結果、4つのキャラクタが中央に集合した状態になり、その後のリーチ演出を実行するために、中央に集合した各キャラクタの表示が消去される。
次に、第2ステップアップ予告の具体例を説明する。図74および図75は、第2ステップアップ予告の具体例を示す説明図である。第2ステップアップ予告では最大で3ステップの予告演出を実行可能である。図74および図75に示すように、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて、左中右の飾り図柄が停止した状態から(図74(a))、開始条件が成立すると、全ての飾り図柄の変動が開始された後、飾り図柄が高速変動される。そして、第2ステップアップ予告の開始タイミングになると、演出表示装置9に、第2ステップアップ予告における予告演出X(ステップ(X))としてかぶと虫のキャラクタ画像220が画面右から移動するように表示される(図74(b))。
ステップアップ予告の変化タイミングになると、第2ステップアップ予告における予告演出Y(ステップ(Y))としてかぶと虫のキャラクタ画像220が背景画像における木の画像200にとまるように表示される(図74(c))。なお、第2ステップアップ予告が予告演出Xで終了する場合には、右から飛んできたかぶと虫のキャラクタ画像220は木にとまらずに木の陰(葉)に隠れるように表示演出が行われる。次のステップの変化タイミングになると、予告演出Z(ステップ(Z))として表示画面において木の画像200が拡大表示されるとともにかぶと虫のキャラクタ画像220も拡大表示される(図74(d))。その後、はずれ図柄(この例では「741」)が停止表示されるか(図74(e))、またはリーチが発生してリーチ演出が実行されることが示されている(図74(f))。
図76は、予告演出の一つであるメール予告を示す説明図である。図76に示すように、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて、左中右の飾り図柄が停止した状態から(図76(a))、開始条件が成立すると、全ての飾り図柄の変動が開始された後、飾り図柄が高速変動される(図76(b))。そして、メール予告の開始タイミングになると、演出表示装置9の表示画面の中央付近において、「メールの表示内容230」と「操作ボタンの表示内容231」と「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字が表示される(図76(c))。すなわち、メールが受信されたような報知が行われるとともに、遊技者は、操作ボタン150の操作が促される。遊技者が操作ボタン150を操作した場合には(操作しない場合に所定期間経過後に)、メールが開封されたような表示がなされ、メールの中の手紙の表示内容232が表示され、大当りの可能性が予告的に報知される(図76(d))。図76(d)に示す例では、手紙の表示内容232が「激熱」であると表示され、大当りの可能性が高いことが報知されている。
なお、図76(d)に例示する表示だけでなく、手紙に表示される内容として、大当りの可能性がそれほど高くないことを示す「・・・」の表示や、大当りの可能性が「・・・」が表示される場合よりも高いことを示す「チャンス」という表示も行うようにしてもよい。その場合、いずれの表示を行うのかは、例えば、大当りか否か、はずれの場合においてリーチするか否か、またはスーパーリーチとするか否かに応じて判定値の割り振り方が異なる演出態様設定テーブルを設け、所定の乱数に一致する判定値に対応する演出態様(この例では表示)を選択すればよい。演出態様設定テーブルの判定値は、大当りにすることに決定されている場合には、はずれにすることに決定されている場合と比べて、「激熱」が選択されやすいように振り分けられている。また、「・・・」の表示が選択されにくいように判定値が振り分けられている。
なお、メール予告は、遊技者による操作ボタン150の操作を伴う演出であるが、以下の説明においてステップアップ予告とされている場合には、特に断らない限りメール予告も含むとする。すなわち、特に断らない限り、メール予告をステップアップ予告に含めて説明を行う。
また、特定効果音を出力した後、実行する予告演出を複数種類の予告演出から選択する場合に、メール予告を実行することを選択したときには、特定効果音が出力されている(例えば、特定効果音を出力したときにフラグをセットするように構成した場合、そのフラグがセットされている。)ことを確認したことを条件に、操作ボタン150の操作に応じてキャラクタ画像9aとキャラクタ画像9b(図27,図28参照)とのいずれかを演出表示装置9に表示するようにしてもよい。
図77は、第3の実施の形態における予告演出態様決定テーブル172の構成例を示す説明図である。図52に示された第1の実施の形態における予告演出態様決定テーブル172とは、ステップアップ予告に対して判定値が割り当てられていることが異なっている。
図78は、第3の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図78に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出パターン決定用乱数SR4も使用される。
図79は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに設定されているステップアップ予告演出パターン決定テーブルを示す説明図である。ステップアップ予告演出パターン決定テーブルには、ステップアップ予告演出パターンを示すデータに対応する判定値が設定されている。なお、図79には判定値の数が示されているが、実際には、判定値そのものがステップアップ予告演出パターン決定テーブルに設定されている。また、ステップアップ予告演出パターン決定テーブルには、入賞時判定の結果がはずれである場合に使用されるテーブルと、入賞時判定の結果が大当りである場合に使用されるテーブルとがある。
ステップアップ予告演出パターン決定テーブルにおいて、例えば、「第1ステップアップ予告(A)(B)」は、ステップ(B)までの演出を行い、ステップ(C)以降の演出を行わないことを示す。よって、「第1ステップアップ予告(A)(B)(C)(D)(E)」は、第1ステップアップ予告における最後のステップの演出まで実行することを示す。また、「第2ステップアップ予告(X)」は、ステップ(X)の演出を行い、ステップ(Y)以降の演出を行わないことを示す。よって、「第2ステップアップ予告(X)(Y)(Z)」は、第2ステップアップ予告における最後のステップの演出まで実行することを示す。
第3の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、予告判定処理(図53参照)において、図77に示された予告演出態様決定テーブル172を使用するので、ステップアップ予告を実行すると決定する場合がある。ステップアップ予告を実行すると決定した場合には、演出制御用CPU101は、さらに、ステップアップ予告演出パターン決定用乱数SR4を抽出し、ステップアップ予告演出パターン決定テーブルにおいてステップアップ予告演出パターン決定用乱数SR4の値に一致する判定値に対応するステップアップ予告演出パターンを選択する。そして、選択したステップアップ予告演出パターンを示すデータをRAMに記憶する。
図80は、第3の実施の形態における演出制御用CPU101が実行する飾り図柄変動開始処理の一部を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出を実行することに決定されている場合には(ステップS823A)、予告開始タイミングまでの時間に相当する値を予告開始タイマに設定する(ステップS823B)。また、予告決定済みフラグをリセットする(ステップS823C)。その他の処理は、図56および図57に示された第1の実施の形態における飾り図柄変動開始処理と同様である。
図81および図82は、第3の実施の形態における演出制御プロセス処理の飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、ステップS581〜S596の処理も実行する。
すなわち、ステップS581では、演出制御用CPU101は、予告開始タイマが動作中であるか否か確認する。動作中であれば、予告開始タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、予告開始タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS849に移行する。
予告開始タイマがタイムアウトした場合には、演出制御用CPU101は、実行されている予告演出がステップアップ予告(第1ステップアップ予告または第2ステップアップ予告)であるかメール予告であるか確認する(ステップS584)。演出制御用CPU101は、例えばRAMに記憶されている予告演出パターンによってステップアップ予告であるか否か確認することができる。ステップアップ予告でない場合、すなわちメール予告である場合には、演出制御用CPU101は、予告演出を開始する制御を行うとともに(ステップS585)、操作ボタン150の押下の有効時間の終了時点を決めるための有効時間タイマに、ボタン操作有効時間に相当する値を設定する(ステップS586)。そして、ステップS849に移行する。予告演出を開始する制御とは、図86(c)に示されたような予告演出の表示を行うための制御である。
なお、予告開始タイマがタイムアウトする時点は、メール予告の場合には予告開始タイミングであるが、ステップアップ予告の場合には、最初の予告開始タイミングの場合と、2番目以降のステップの開始時点(ステップの切替時点)である場合とがある。
ステップS584の判定でステップアップ予告であると確認した場合には、演出制御用CPU101は、今回のステップの予告演出を開始する制御を行い(ステップS587)、次のステップがある場合には(ステップS588)、予告演出開始タイマに、次の予告演出開始タイミングまでの時間に相当する値をセットする(ステップS589)。そして、ステップS849に移行する。
なお、ステップS587の予告演出を開始する制御とは、ステップアップ予告演出における各ステップにおける予告演出の表示を行うための制御であるが、この実施の形態では、各ステップにおいてキャラクタ画像が移動するような表示演出が実行されるので、そのような表示演出をプロセステーブル(図58参照)を用いて実行するようにしてもよい。その場合には、ステップS587の処理で、ステップアップ予告演出における各ステップにおける予告演出を実現するためのプロセステーブルを選択する。そして、予告演出の実行中では、プロセスタイマがタイムアウトする毎に、次のプロセスデータに従って表示演出等を実行することによって、キャラクタ画像が移動するような表示演出等を実現することができる。
また、演出制御用CPU101は、有効時間タイマが動作中であれば(ステップS591)、有効時間タイマの値を−1する(ステップS592)。有効時間タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS595に移行する。
有効時間タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS593)、演出表示装置9からメール予告の表示を消去する制御を行う(ステップS594)。そして、ステップS849に移行する。なお、ステップS594において、演出制御用CPU101は、大当りになる可能性が低いことを報知するような画像を演出表示装置9に表示するようにしてもよい。
ステップS595では、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が押下されたか否か確認する。操作ボタン150が押下されていない場合には、ステップS849に移行する。操作ボタン150が押下された場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に、大当りになる可能性を報知するための画像を演出表示装置9に表示する(ステップS596)。そして、ステップS849に移行する。
なお、上記の各実施の形態では、特定演出として予告演出を例にしたが、特定演出は予告演出に限られず、他の演出であってもよい。例えば、達成すべき使命(ミッション)を飾り図柄の変動中に遊技者に提示し、所定の期間内にミッションが達成された場合に大当り遊技状態に移行するかのようなミッション演出を特定演出にしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、特定効果音は出力期間が極めて短い単音であったが、数秒程度継続するような特定効果音を用いてもよい。
また、上記の各実施の形態では、飾り図柄の変動中における特定効果音の出力時期や特定演出の開始可能時期を特に規定しなかったが、それらを、リーチになる前であることを条件に実行するようにしたり、リーチ演出中であることを条件に実行するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、特定演出として予告演出を例にし、ボタン演出によるプレミアム演出は特定演出として実行されたが、ボタン演出によるプレミアム演出を、予告演出以外の演出として実行するようにしてもよい。
一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動中において、常にボタン操作を促す画像(図27(C)や図28(C)参照)を演出表示装置9に表示する制御を行い、所定の有効期間に操作ボタン150が操作されたことを検出したら、ボタン演出によるプレミアム演出を開始するようにしてもよい。また、ボタン操作を促す画像(図27(C)や図28(C)参照)を表示しないようにしてもよい。その場合には、ボタン操作を促されていない遊技者が操作ボタン150を押下するとプレミアム演出が開始されるので、ボタン操作を促す画像を表示する場合の興趣とは違った遊技の興趣を生じさせることができる。
また、上記の各実施の形態では、操作ボタン150が押下されたことに応じて操作対応特定演出を実行するようにしたが、操作ボタン150には、遊技者が押圧操作することが可能な押圧操作部151だけでなく、遊技者による回転操作が可能な回転操作部152も設けられているので、回転操作部152に対する回転操作に応じて特定演出を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。