JP2020195879A - 遊技機 - Google Patents

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JP2020195879A
JP2020195879A JP2020153428A JP2020153428A JP2020195879A JP 2020195879 A JP2020195879 A JP 2020195879A JP 2020153428 A JP2020153428 A JP 2020153428A JP 2020153428 A JP2020153428 A JP 2020153428A JP 2020195879 A JP2020195879 A JP 2020195879A
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小倉 敏男
Toshio Ogura
敏男 小倉
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

【課題】不具合の発生を防止する。
【解決手段】演出データ読出条件が成立していない場合には(ステップS272;No)
、通常時WDTクリア設定を行い(ステップS273)、ウォッチドッグタイマの監視時
間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化すること
でリスタートさせる。演出データ読出中である場合に(ステップS271;Yes)、演
出データの読出完了ではないと判定し(ステップS276;No)、読出中クリア時間が
経過したと判定した後(ステップS279;Yes)、読出中クリア回数がクリア上限判
定値に達していないと判定したときには(ステップS280;No)、読出中WDTクリ
ア設定を行い(ステップS281)、ウォッチドッグタイマをクリアしてリスタートさせ
る。
【選択図】図11

Description

本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
従来より、複数回の識別情報の可変表示にまたがって楽曲を再生する遊技機(例えば特
許文献1)や、通常変動において先読み予告演出中に流す楽曲の一部分であるパート1の
部分(通常の変動音)を繰り返し出力する遊技機(例えば特許文献2)が提案されている
特開2013−34799号公報 特開2012−125471号公報
しかしながら、上記した従来の遊技機では、再生する楽曲の制御を状況に応じて変更す
る場合、変動開始の認識が困難になり、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させた遊技機の
提供を目的とする。
(A)上記目的を達成するため、本願の請求項に係る発明は、
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示を実行するときの背景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、
前記第1背景では、可変表示が1回実行される毎に第1楽曲を先頭から出力し、
前記第2背景では、複数回の可変表示に亘って第2楽曲を出力し、
前記第2背景では、可変表示を開始するときに所定音を出力可能であり、
前記所定音を出力する際の態様が複数種類あり、該複数種類のいずれの態様で前記所定
音が出力されたかに応じて、前記有利状態に制御される期待度が異なり、
前記第2背景となってから初回の可変表示を開始するときは前記所定音を出力しないこ
とが可能であり、
前記第2背景において可変表示が停止した後においても、前記第2楽曲を継続して出力
可能である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数回の可変表示に亘って楽曲を出力する状態であっても可
変表示の開始タイミングが認識しやすくなり、遊技の興趣が向上する。
(1)他の遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)
であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えば演出データメモリ12
3など)と、前記記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段
(例えばCPU131、VDP135など)と、計測時間が監視時間を経過したときに時
間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマ134など)とを備
え、前記表示制御手段は、前記監視時間が経過するより前に前記信号発生手段による計測
時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS273による
制御など)と、前記記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて前記第1制御
が実行されない所定事象が発生した場合に、前記監視時間が経過するより前に前記信号発
生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送処理のステッ
プS281による制御など)とを実行可能であり、さらに、可変表示を実行するときの背
景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、前記第1背景では、可変表示が1回
実行される毎に第1背景楽曲(例えば楽曲A)を先頭から出力し、前記第2背景では、複
数回の可変表示に亘って第2背景楽曲(例えば楽曲B)を出力し、前記第2背景では、可
変表示を開始するときに所定音を出力可能である(例えば図57(B))。
このような構成によれば、不具合の発生を防止できる。また、複数回の可変表示に亘っ
て楽曲を出力する状態であっても可変表示の開始タイミングが認識しやすくなり、遊技の
興趣が向上する。
(2)上記(1)の遊技機において、前記記憶手段は、通常使用領域(例えばデータ領
域など)と、代替使用領域(例えば冗長領域など)とを含んでもよい(例えば図13を参
照)。
このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、前記所定事象として、前記記憶手段
の通常使用領域に記憶されたデータを、前記記憶手段の代替使用領域に記憶させる処理(
例えばメモリ検査処理のステップS455など)を実行してもよい。
このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、前記読出期間中であるか否
かを判定する判定手段(例えば制御中演出データ転送処理のステップS271を実行する
CPU131など)を備えてもよい。
このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、演出音の出力を制御可能な
音声制御手段(例えば音声処理回路136など)を備え、前記記憶手段には、表示制御に
関するデータと、演出音の出力制御に関するデータとが、一連のデータ(例えば動画像デ
ータなど)として記憶され、前記表示制御手段による制御と、前記音声制御手段による制
御とを同期して実行可能であってもよい(例えば図14を参照)。
このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、可変表示が開始されてから
表示結果が導出される前に、前記所定事象の発生により遅延した制御を実行可能な期間(
例えば飾り図柄の揺れ表示が行われる期間など)が設けられてもよい。
このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、前記第2制御により計測時
間を初期化した回数が所定数に達したことに基づいて、前記信号発生手段による計測時間
の初期化を制限してもよい(例えば制御中演出データ転送処理のステップS280にてY
esの場合など)。
このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の(8)〜(17)に係る発明が
含まれる。従来より、遊技機において、特開2013−34799号公報に示されている
ような、複数回の識別情報の可変表示にまたがって楽曲を再生する遊技機や、特開201
2−125471号公報に示されているような、通常変動において先読み予告演出中に流
す楽曲の一部分であるパート1の部分(通常の変動音)を繰り返し出力する遊技機があっ
た。しかしながら、上記した従来の遊技機では、再生する楽曲の制御を状況に応じて変更
する場合、変動開始の認識が困難になり、遊技の興趣が低下するおそれがあった。この点
に鑑み、遊技の興趣を向上させた遊技機の提供が求められている。
上記目的を達成するため、別態様による(8)の遊技機は、
(8)可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制
御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であって、可変表示を実行するときの背
景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、前記第1背景では、可変表示が1回
実行される毎に第1背景楽曲(例えば楽曲A)を先頭から出力し、前記第2背景では、複
数回の可変表示に亘って第2背景楽曲(例えば楽曲B)を出力し、前記第2背景では、可
変表示を開始するときに所定音を出力可能である(例えば図57(B))。
このような構成によれば、複数回の可変表示に亘って楽曲を出力する状態であっても可
変表示の開始タイミングが認識しやすくなり、遊技の興趣が向上する。
(9)上記(8)の遊技機において、
前記所定音を出力する際の態様が複数種類(例えば開始音A、開始音B)あるように
してもよい。
このような構成によれば、複数回の可変表示に亘って楽曲を出力する状態であっても可
変表示の開始タイミングが認識しやすくなり、遊技の興趣が向上する。
(10)上記(9)の遊技機において、
前記所定音の種類に応じて、有利状態に制御される期待度が異なるようにしてもよい。
このような構成によれば、所定音の種類にも注目させることができ、遊技の興趣が向上
する。
(11)上記(8)から(10)のいずれかの遊技機において、
同一の遊技状態において、前記第1背景または前記第2背景のいずれかを表示可能であ
る(例えば背景切替操作を検出したことにより背景画像を切り替え可能である)ようにし
てもよい。
このような構成によれば、演出が多様になり、遊技の興趣が向上する。
(12)上記(8)から(11)のいずれかの遊技機において、
可変表示中に前記第1背景と前記第2背景とのいずれか一方から他方に変更可能である
(例えばS90172の処理内で背景切替処理を実行可能である)ようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多様になり、遊技の興趣が向上する。
(13)上記(8)から(12)のいずれかの遊技機において、
前記第1背景及び前記第2背景において、可変表示を終えるときに共通の停止音を出力
可能である(例えば図57)ようにしてもよい。
このような構成によれば、可変表示の終了タイミングがわかりやすくなり、遊技の興趣
が向上する。
(14)上記(8)から(13)のいずれかの遊技機において、
前記第2背景において、前記第2背景楽曲の出力していないときには前記所定音を出力
しない(例えば図57(B))ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定音を必要なときのみ出力するので、好適に所定音を出力
できる。
(15)上記(8)から(14)のいずれかの遊技機において、
未だ開始されていない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを当該可変
表示が実行される前に判定する判定手段(例えばステップS90212の処理を実行する
CPU90103)と、前記判定手段による判定結果に基づいて実行される予告演出とし
て、予告対象の可変表示以前の所定回の可変表示において可変表示の表示結果としてリー
チハズレを表示させる特定予告演出(例えば停止図柄予告)を実行可能な予告演出実行手
段(例えばS90162の処理を実行する演出制御用CPU90120)と、可変表示の
表示結果が識別情報のうち第1識別情報(例えば確変図柄)により特定結果となったとき
には前記有利状態として第1有利状態(例えば確変大当りの大当り遊技状態)に制御し、
可変表示の表示結果が識別情報のうち第2識別情報(例えば非確変図柄)により特定結果
となったときには前記有利状態として前記第1有利状態よりも不利な第2有利状態(例え
ば非確変大当りの大当り遊技状態)に制御する有利状態制御手段(例えばステップS90
114〜S90117の処理を実行するCPU90103)と、前記第1有利状態に制御
されたことに基づいて通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態(例えば確
変状態(高確高ベース状態))に制御し、当該特別状態中に前記第2有利状態に制御され
たことに基づいて前記特別状態よりも不利な状態(例えば低確確高ベース状態、低確低ベ
ース状態)に制御する特別状態制御手段(例えばステップS90117の処理を実行する
CPU90103)と、をさらに備え、前記特別状態中に前記特定予告演出を開始すると
きには、前記第2識別情報によるリーチハズレが表示される割合が高い(例えば図51)
ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者に不利な状態に制御されると見せかける予告演出を実
行でき、遊技の興趣が向上する。
(16)上記(8)から(15)のいずれかの遊技機において、
未だ開始されていない可変表示にについて、前記有利状態に制御されるか否かを当該可
変表示が実行される前に判定する判定手段(例えばステップS90212の処理を実行す
るCPU90103)と、前記判定手段による判定結果に基づいて実行される予告演出と
して、予告対象の可変表示以前の所定回の可変表示において可変表示の表示結果としてリ
ーチハズレを表示させる特定予告演出(例えば停止図柄予告)を実行可能な予告演出実行
手段(例えばS90162の処理を実行する演出制御用CPU90120)と、をさらに
備え、前記特定予告演出の予告対象の可変表示において、前記特定予告演出において表示
されたリーチハズレと同一の識別情報によるリーチが実行された場合、他の識別情報によ
るリーチが実行された場合よりも前記有利状態に制御される割合が高い(例えば図54)
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定予告演出の実行態様と予告対象の可変表示の実行態様と
に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(17)上記(8)から(16)のいずれかの遊技機において、
前記有利状態中の演出状態を複数種類の演出状態(図62のAモードまたはBモード等
)のうちいずれかに制御可能な演出状態制御手段(例えば演出制御用CPU90120)
と、前記有利状態中に付与された遊技媒体数に関連した報知演出(図62に示す第1報知
画像90204や第2報知画像90214による報知演出等)を実行する報知演出手段(
例えば演出制御用CPU90120)と、をさらに備え、前記報知演出手段は、前記演出
状態制御手段により第1演出状態(Aモード等)に制御されているときには、第1報知態
様(図62に示す第1報知画像90204等)による前記報知演出を実行し、前記演出状
態制御手段により前記第1演出状態とは異なる第2演出状態(Bモード等)に制御されて
いるときには、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(図62に示す第2報知画像9
0214等)による前記報知演出を実行するようにしてもよい。
このような構成によれば、演出状態に応じた報知演出により、有利状態中の遊技の興趣
を向上させることができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 演出制御基板に搭載された各種回路などを示す構成図である。 遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの設定例を示す図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 制御中メモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。 制御中演出データ転送処理の一例を示すフローチャートである。 メモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。 演出データメモリにおける記憶領域の構成例を示す図である。 動画像データの構成例などを示す図である。 演出制御実行データの構成例を示す図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知実行例などを示す図である。 リーチ後演出制御例を示すシーケンス図である。 リーチ後演出制御例を示すシーケンス図である。 リーチ後演出実行例などを示す図である。 操作有効期間の残り時間を更新する場合のタイミング図などである。 エラー報知制御例を示すシーケンス図である。 エラー報知制御例を示すシーケンス図である。 エラー報知実行例を示す図である。 予告演出制御例を示すシーケンス図である。 予告演出制御例を示すシーケンス図である。 予告演出実行例などを示す図である。 予告演出を実行する場合のタイミング図である。 この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 演出制御コマンドの内容の一例などを示す説明図である。 主基板の側にてカウントされる遊技用乱数値を例示する説明図である。 変動パターンを例示する図である。 特図表示結果決定テーブルの構成例を示す図である。 大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。 遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 演出制御パターンの構成例等を示す図である。 演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 停止図柄予告設定処理の一例を示すフローチャートである。 停止図柄予告設定処理における決定割合を示す図である。 停止図柄予告パターンの一例を示す図である。 停止図柄予告を実行するときまたは実行しないときのタイミングチャートである。 停止図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。 停止図柄決定処理における決定割合を示す図である。 変形例における停止図柄予告パターンの一例を示す図である。 有効ラインが複数ある場合の変形例における説明図である。 各背景における音声の出力タイミングを示すタイミングチャートである。 変動開始音設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動開始音設定処理における判定割合を示す図である。 音声再生処理の一例を示すフローチャートである。 背景切替処理の一例を示すフローチャートである。 報知演出を説明するための図である。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 ラウンド中処理を示すフローチャートである。 ラウンド中処理を示すフローチャートである。 第2変形例のラウンド後処理を示すフローチャートである。 第2変形例のラウンド後処理を示すフローチャートである。 第2変形例のラウンド後処理を示すフローチャートである。 第2変形例の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 第2変形例の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形
態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ
遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤
2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレ
ールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領
域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示
装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4A
と第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLE
D(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて
、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」とも
いう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第
2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等か
ら構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第
2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「
−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおい
て点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、
複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置
4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4
Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表
示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する
表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図
柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の
可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表
示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が
可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄
表示エリア5L、5C、5Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この
場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図
柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「
左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動
(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表
示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図
柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終
停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特
図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特
図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示
結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例え
ば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別
情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させること
である。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り
図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾
り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となるこ
とがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確
定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行
していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮な
ども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表
示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所
定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画
像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物
体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であれば
よい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付
されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の
図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレ
となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば
7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示され
るまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて
、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるような
スクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示される
と、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾
り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り
図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロー
ル表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大
である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入
賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)
を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保
留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成
する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生す
る。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するため
の始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変
表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているこ
となどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立
した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1
特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が
成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始す
るための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント
)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技
球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2
特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条
件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しな
ければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲ
ームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始され
るときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図
ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され
る。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示は、第1特図保留記憶数や第2特図保
留記憶数といった、未だ開始されていない可変表示に関する情報(保留記憶情報)に基づ
いて、その保留数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に
、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保
留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、
これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記
憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて
、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動
入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装
置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第
2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数
を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示
する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記
憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(
例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の上部には、円形の演出用点灯役物90が設けられている。演出用点灯
役物90の内部にはランプあるいはLEDなどの発光体が内蔵されている。演出用点灯役
物90は、例えば回転自在に構成され、回転(動作)しているときに点灯するように構成
されてもよい。画像表示装置5の上部や下部といった、画像表示装置5の周囲には、画像
表示装置5における表示画面の前面に進出して合体可能な演出用模型(演出用役物装置)
を構成する複数の演出用可動部材32A、32Bが設けられている。これらの演出用可動
部材32A、32Bは、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5における表示画面の前面
に進出して合体することによって、所定の演出を実行するための演出用模型として用いら
れる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設け
られている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態
に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞
球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置とな
る通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動
チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口
を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状
態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(
進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物
用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2
始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6
Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊
技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よ
りも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球
装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状
態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)
困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形
成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイ
ッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出された
ことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留
記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始
動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)
の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)
以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出さ
れる賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づい
て払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であって
もよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし
、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設
けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82
によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態
とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態で
あるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)で
きなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82が
オン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過
(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入
)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとっ
て不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状
態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開
放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によっ
て検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個
数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置
7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1
始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときより
も多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開
放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状
態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大
入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者
にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器2
0が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや
第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成
され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通
図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、
普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、
普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLED
を含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表
示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車
や多数の障害釘などが設けられている。第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口
とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる
単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれか
に進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個
数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、
いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8R
が設けられている。遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ
遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置
6B、特別可変入賞球装置7、画像表示装置5の周縁部に配置されたフレーム部材など)
の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、打
球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技媒体としての
遊技球を遊技領域に向けて発射するために、遊技者等によって操作される。例えば、遊技
者等による打球操作ハンドルの操作量(回転量)に応じて、遊技球の弾発力を調整するこ
とができる。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させ
るための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球
や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)
する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余
剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられて
いる。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下
皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31
Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を
含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛
かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティ
ックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、
所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作がで
きるように構成されていればよい。操作桿の内部には、遊技者の動作として、トリガボタ
ンに対する押引操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、図2に示すコ
ントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。コントローラセンサユニット
35Aは、遊技者の動作として、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニ
ットを含んでいればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対
する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置され
た2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心
位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直セ
ンサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばス
ティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操
作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者か
らの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出
できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本
体内部などには、図2に示すプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。プッシュセ
ンサ35Bは、遊技者の動作として、プッシュボタン31Bに対する押下操作を検知する
。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が
検出された場合、図2に示す演出制御基板12での制御により、画像表示装置5の表示演
出が変更されたり、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯
役物90などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出などにおいて使
用されるものであればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、ラン
プドライバ基板13、モータドライバ基板14といった、各種の制御基板が搭載されてい
る。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各
種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチン
コ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射
制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制
御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて
用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、
演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コ
マンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種
情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4A
と第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯
制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表
示器20の点灯制御と消灯制御あるいは発色制御などを行って普通図柄表示器20による
普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能
も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各
種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送す
るスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信
号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15
を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L
、8R、遊技効果ランプ9、演出用点灯役物90、演出用可動部材32A、32Bといっ
た演出用の電気部品による演出の進行を制御するための各種回路が搭載されている。すな
わち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示態様や、遊技効果ランプ9およ
び演出用点灯役物90その他の装飾用LEDなどにおける点灯態様の全部または一部、ス
ピーカ8L、8Rからの音声出力態様の全部または一部、演出用可動部材32A、32B
の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる
ための制御内容を決定する機能を備えている。
ランプドライバ基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ駆動信号生
成用の基板であり、演出制御基板12からのランプ制御信号に基づき、遊技効果ランプ9
および演出用点灯役物90その他の装飾用LEDなどの点灯と消灯を切替可能にする駆動
信号が生成されるドライバ回路などを含んでいればよい。モータドライバ基板14は、演
出制御基板12とは別個に設けられたモータ駆動信号生成用の基板であり、演出制御基板
12からのモータ制御信号に基づき、可動部材駆動モータ33A、33Bの回転、停止、
回転速度、回転角度(位相)などを切替可能にする駆動信号が生成されるドライバ回路な
どを含んでいればよい。可動部材駆動モータ33Aは演出用可動部材32Aと所定のリン
ク機構を介して連結され、演出用可動部材32Aの動作や位置を変更可能にする動力を供
給できればよい。可動部材駆動モータ33Bは演出用可動部材32Bと所定のリンク機構
を介して連結され、演出用可動部材32Bの動作や位置を変更可能にする動力を供給でき
ればよい。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A
、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接
続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ2
2B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体と
しての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ゲートスイッチ21、
第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、
主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉の開閉状態を検知するスイッチ、
遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不
正な電磁波を検知するためのスイッチ)が設けられてもよい。主基板11には、第1特別
図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器2
5A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信
号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によっ
て中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送され
る制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制
御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示内容を制御するために用いられ
る表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる
音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDの点灯
態様などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、可動部材駆動モータ33A、
33Bの動作などを制御するために用いられるモータ制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップの
マイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM
(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random A
ccess Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Ce
ntral Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データ
の更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成さ
れる。ROM101は、読出専用の半導体メモリとして構成されたものであればよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM10
1から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進
行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から
固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動
データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に
一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI
/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を
受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュ
ータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、
遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データ
をカウントするものであればよい。
主基板11では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各
種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした遊技の進行を制御す
るために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコ
ンピュータ100の乱数回路104、あるいは、RAM102の所定領域に設けられた遊
技用ランダムカウンタなどにより、生成可能であればよい。このように、遊技用乱数は、
乱数回路104などのハードウェアによって一部または全部が更新されるものであっても
よいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプ
ログラムを実行することでソフトウェアによって一部または全部が更新されるものであっ
てもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプ
ログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブ
ルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定
や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル
などを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基
板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマン
ドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターン
テーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図3は、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。図3に示す演
出制御基板12には、入力回路121、メモリコントローラ122、演出データメモリ1
23、CPU131、ROM132、RAM132、ウォッチドッグタイマ134、VD
P135、音声処理回路136、ランプ制御回路137、モータ制御回路138が搭載さ
れている。VDP135は、命令デコーダ141、デマルチプレクサ142、映像デコー
ダ143、VRAM144、表示駆動回路145を備えている。音声処理回路136は、
音声デコーダ151を備えている。図3に示す構成の一部または全部は、演出制御用マイ
クロコンピュータに含まれてもよい。例えば、CPU131、VDP135、音声処理回
路136、ランプ制御回路137、モータ制御回路138を統合化した演出制御用のマイ
クロプロセッサが用いられてもよい。
入力回路121は、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンド
を受信するためのバッファ回路などを備えていればよい。メモリコントローラ122は、
CPU131やVDP135から供給される要求信号に応じて、演出データメモリ123
の記憶データに対する各種処理を実行する。演出データメモリ123は、画像表示装置5
における表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。演出
データメモリ123が記憶する画像データには、静止画像データと動画像データとが含ま
れていればよい。静止画像データとして、画像表示装置5の画面上において可変表示され
る複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素デー
タとなるスプライト画像データが用意されていればよい。また、画像表示装置5の画面上
に表示されるキャラクタ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の
画像データが、予め演出データメモリ123に記憶されていればよい。画像データの他に
も、演出データメモリ123には、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声
データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ123には、遊技効
果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDなどに対する点灯駆動に用いられ
るランプ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ123
には、可動部材駆動モータ33A、33Bに対する回転駆動に用いられるモータ駆動デー
タの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ123は、例えばNAN
D型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性
の半導体メモリであればよい。ただし、パチンコ遊技機1における演出の進行が制御され
る通常使用の状態では、演出データメモリ123は読出専用の記憶装置として使用される
。メモリコントローラ122は、例えば512バイトのセクタがデータ転送の最小単位で
ある場合に、512バイトの整数倍のサイズのデータを、演出データメモリ123から読
出可能であればよく、演出データメモリ123に対して書込可能であればよい。
メモリコントローラ122は、CPU131からの要求信号に対応するセクタデータを
、演出データメモリ123から読み出す。メモリコントローラ122は、読み出したセク
タデータに対し、エラー検出やエラー訂正を行うことができればよい。セクタデータのエ
ラー検出では、エラービット数やエラービット位置を特定する。このときには、エラー訂
正が可能か否かを判定する。エラー訂正が可能な場合には、エラー訂正を実行して、セク
タデータをRAM133やVRAM144などに転送して格納できればよい。演出データ
メモリ123には、消去単位ブロックの管理情報が記憶されていればよい。消去単位ブロ
ックは、演出データメモリ123の記憶データを消去する場合の消去単位である。消去単
位ブロックの管理情報は、各消去単位ブロックにおいて実行された消去処理の回数を示す
情報を含んでいればよい。メモリコントローラ122は、セクタデータを含む消去単位ブ
ロックの管理情報を読み出し、エラービット数の情報などに基づいて、演出データメモリ
123におけるセクタデータのメモリセルをリフレッシュ(データリフレッシュ)するか
否かを判定する。
演出データメモリ123では、記憶データの消去やリードディスターブなどの要因によ
り、メモリセルの劣化が発生する。リードディスターブは、演出データメモリ123の記
憶データに対する読出回数が増加した場合に、メモリセルのフローティングゲートに蓄積
された電子が徐々に引き抜かれて、トランジスタのしきい値電圧が変化することにより発
生する。また、リードディスターブが発生しない場合でも、メモリセルのフローティング
ゲートに蓄積された電子は、極めてゆっくりとした速度で徐々に放出されて、トランジス
タのしきい値電圧を変化させるデータリテンションが発生する場合もある。リードディス
ターブやデータリテンションによるメモリセルの劣化は、メモリセルをリフレッシュする
ことにより回復可能である。記憶データの消去によるメモリセルの劣化は、メモリセルの
余命を減少させ、メモリセルをリフレッシュしても回復不能となる場合がある。この場合
、回復不能となったメモリセルを含むブロックを不良ブロック(不良エリア)とし、別個
に設けられた代替ブロック(代替エリア)にデータ移転する代替処理が実行される。
CPU131は、演出制御用のコンピュータプログラムに従って制御処理を実行する。
ROM132は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM133は、
CPU131のワークエリアを提供する。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタ
の設定に基づいてカウントアップまたはカウントダウンするカウンタ回路を有し、計測時
間が監視時間(タイムアウト時間)を経過してタイムアウトが発生したときに、時間経過
信号となるタイムアウト信号を発生させる。タイムアウト信号は、CPU131をリセッ
ト状態にして再起動させる信号であればよい。ウォッチドッグタイマ134は、ROM1
32のプログラム管理エリアに記憶されるリセット設定により、起動方法が設定されても
よい。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタに含まれるWDTスタートレジスタ
に格納されるWDTスタートデータに応じて、タイムアウト時間の経過によるリセット動
作を有効化または無効化できればよい。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタに
含まれるWDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータが順番に書き込まれることに
より、カウンタ回路の格納値であるカウント値をクリアして、カウント動作をリスタート
させる。CPU131は、WDTクリアレジスタにWDTクリアデータを定期的に設定す
れば、ウォッチドッグタイマ134をクリアしリスタートさせることができる。その一方
で、何らかの障害などによりCPU131の処理に遅延が発生して、ウォッチドッグタイ
マ134をクリアできずに計測時間が監視時間を経過したときには、タイムアウト信号が
発生してCPU131がリセットされる。
CPU131は、ROM132から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出
用の電気部品による演出の進行を制御するための処理を実行する。この処理には、例えば
CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出処理や、CPU1
31がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込処理
、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動デ
ータ読出処理、CPU131が外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、CPU1
31が外部へと各種信号を出力する送信処理、あるいは、これらの処理の一部または全部
を含んでいてもよい。
ROM132には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用い
られる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM132には、CPU
131が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テー
ブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなど
が記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付
けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モ
ータ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータか
ら構成されている。演出制御パターンや演出制御実行データの一部または全部は、ディス
プレイリストとして構成されていてもよい。ディスプレイリストは、VDP135に実行
させる一連の転送命令などを画像処理の順番などにあわせて記述した命令群のデータであ
る。ディスプレイリストには、表示制御用の命令群、音声制御用の命令群、ランプ制御用
の命令群、モータ制御用の命令群が、混在して含まれていてもよい。このようなディスプ
レイリストを用いて演出の進行を制御することにより、演出用の電気部品を連携して制御
できればよい。RAM133には、演出用の電気部品を制御するために用いられるプログ
ラムや各種データが記憶される。CPU131は、ROM132に格納されているプログ
ラムやデータの読出時間よりも短い読出時間で、RAM133に記憶されたプログラムや
データを読み出すことができればよい。
VDP135は、CPU131からの表示制御指令やレジスタ設定などに基づいて、画
像表示装置5における画像表示の制御内容を決定する。例えばVDP135は、画像表示
装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り
図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。VDP135は、高速
描画機能や動画像データ分離機能、映像デコード機能といった画像データ処理機能を有す
る画像プロセッサである。なお、VDP135は、GPU(Graphics Processing Unit)
、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signa
l Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。
VDP135は、命令デコーダ141、デマルチプレクサ142、映像デコーダ143
、VRAM144、表示駆動回路145を含んで構成されていればよい。命令デコーダ1
41は、CPU131からの表示制御指令に含まれる命令部(命令コード)を解読して、
解読結果に応じた画像処理などを指示する。例えば解読結果に含まれる表示制御用の命令
群は、VDP135の内部回路に供給される。また、解読結果に含まれる音声制御用の命
令群は音声処理回路136に供給されてもよい。解読結果に含まれるランプ制御用の命令
群はランプ制御回路137に供給されてもよい。解読結果に含まれるモータ制御用の命令
群はモータ制御回路138に供給されてもよい。デマルチプレクサ142は、演出データ
メモリ123から読み出された動画像データが入力され、映像データと音声データとに分
離して出力する。デマルチプレクサ142から出力された映像データは、映像デコーダ1
43に入力される。デマルチプレクサ142から出力された音声データは、音声処理回路
136の音声デコーダ151に入力される。映像デコーダ143は、圧縮符号化された映
像データを伸張して出力する。映像デコーダ143から出力された映像データは、VRA
M144の所定領域に記憶される。VRAM144は、画像データを一時記憶して、VD
P135による画像データ処理のワークエリアを提供する。VRAM144には、例えば
パレットデータが配置されるパレット領域、キャラクタ画像データが格納されるキャラク
タ用バッファ、CG用バッファなどの各領域を提供できればよい。CG用バッファは、V
DP135による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレット
データを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的
に保存したりするために用いられる。
VRAM144の内部またはVRAM144とは別個のメモリモジュールには、フレー
ムバッファが設けられる。フレームバッファは、VDP135による描画処理で作成され
る演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッフ
ァに記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ
(ベクタデータ)などに基づいてVDP135が作成したピクセルデータ(ラスタデータ
)などであればよい。なお、フレームバッファには、例えば画像表示装置5の画面上に表
示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、画像表示装置5の画面上には表
示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。ある
いは、フレームバッファの仮想表示領域にて画像表示装置5の表示画面と同じ大きさの画
面表示を行うための表示データが作成され、VDP135により読み出された仮想表示領
域の表示データが表示駆動回路145へと供給されることで、画像表示装置5の側に出力
されるようにしてもよい。フレームバッファの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画
領域とが割り当てられる。画像表示領域には、画像表示装置5の画面上に演出画像を表示
させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各
演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生
するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、画像表示装置5の画面上
に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP1
35からCPU131に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割
込信号が、VDP135からCPU131に対して出力される。Vブランクが発生するご
とに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画
表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示デ
ータを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)
おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間に
おける描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にて画像表示装置5に向け
て出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、
描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
表示駆動回路145は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる信号を出力す
るための回路である。表示駆動回路145は、VDP135が作成した表示データに応じ
た色信号(階調制御信号)とともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査
信号(駆動制御信号)を画像表示装置5に出力すればよい。
音声処理回路136は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づ
いて、スピーカ8L、8Rを用いた音声出力を可能にする音声信号を生成する。音声処理
回路136の音声デコーダ151には、VDP135のデマルチプレクサ142から出力
された音声データが入力される。音声デコーダ151は、圧縮符号化された音声データを
伸張して、音声信号を生成可能にする。また、音声処理回路136は、動画像データに含
まれない音声データを予め記憶可能な音声データメモリを含んでいてもよい。音声処理回
路136は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づいて、音声デ
ータメモリから読み出した音声データを伸張するなどして、音声信号を生成してもよい。
ランプ制御回路137は、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LE
Dといった発光部材の点灯、消灯、点滅などの点灯態様(発光態様)を制御する。ランプ
制御回路137は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づいて、
ランプ制御データを生成し、ランプドライバ基板13へと出力する。モータ制御回路13
8は、可動部材駆動モータ33A、33Bの回転、停止、回転速度、回転角度(位相)な
どの作動状態を制御する。モータ制御回路138は、CPU131やVDP135からの
命令やレジスタ設定に基づいて、モータ制御データを生成し、モータドライバ基板14へ
と出力する。
演出制御基板12では、演出の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数
値データが更新可能にカウントされる。こうした演出の進行を制御するために用いられる
乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵ま
たは外付の乱数回路、あるいは、RAM133の所定領域に設けられた演出用ランダムカ
ウンタなどにより、生成可能であればよい。一例として、演出制御基板12の側では、飾
り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった
、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、
その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例と
して、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技
者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備
える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。こ
の遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その
遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第
1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこ
となどに基づいて第1開始条件が成立する。第1開始条件が成立することで、第1特別図
柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動
入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによっ
て検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、
第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了した
ことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。第2開始条件が成立することで、第2特
別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入
賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊
技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示結果が「
普図当り」となったことに基づいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放
制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放
制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状
態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可
能になる。普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件
は、通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出され
たことに基づいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了
したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに
基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普
通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確
定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄
(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。
その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図
柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第
2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別
図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、
その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果
の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パタ
ーンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピ
ュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例
えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示
結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表
示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された
「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異な
る飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示
エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄
ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装
置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定
特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果と
なる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大
当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、
予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定
表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって
有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に
制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変
表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装
置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示され
る。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおけ
る所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合
せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にと
って有利な第1状態となる。そして、例えば29.5秒間あるいは所定個数(例えば10
個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続し
て開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラ
ウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難ま
たは発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23に
より入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として
払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16
」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の
賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお
、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球
となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技
状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態
よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回
)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大
当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように
制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊
技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には
遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が
行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行された
こと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始される
ことなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しや
すい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放
状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図
柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態
のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り
」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」とな
ったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時
間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させ
る制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態と
に変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし
、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞
球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放
制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御され
ることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状
態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお
、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよ
い。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図
柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止
、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して
変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当
り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)におい
て行われる演出を、リーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という
。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示をリーチ可変表示という。リーチ態様は、飾り
図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて
可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類
のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性
を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマル
のリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていれば
よい。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せ
でない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
画像表示装置5の画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる
。加えて、画像表示装置5の画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り
判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行され
る。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は
、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作
とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スー
パーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性な
どを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C
、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリー
チ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が
仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果
が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態
がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出
は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や
確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予
告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(
演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(
導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(
「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」
ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、
飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに
、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)され
る。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、
飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当
り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出
)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付
与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価
値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品
や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価
値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出
しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの
特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2
ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、
時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第
1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例え
ば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御される
ことなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数
(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または
全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロ
コンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処
理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定
した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる
。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ
回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに
CTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割
込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ
処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力
供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るよう
にしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信
号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用
タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメ
イン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図
柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行など
を制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッ
チ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから
入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技
機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理であ
る。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュ
ータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理であ
る。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、
少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM102に設け
られた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新
し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、
特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために
、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20に
おける表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可
変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理
である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対し
て制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM1
02に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルに
おける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に
対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出
制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定
時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブル
での設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後
には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す遊技制
御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、ま
ず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS
11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信
号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動
入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時
乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御
用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マ
イクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウン
タ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた
内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更
新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パタ
ーン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出され
た乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定
領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記
憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する
(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知す
る始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われれば
よい。ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、
ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップ
S21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理か
ら、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示
ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステッ
プS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、
可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以
外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可
変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対
して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表
示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終
了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes
)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図
ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102
の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶され
ている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パター
ン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、
遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可
変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の
乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否か
を所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であると
きには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に
決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに
遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後に
おける遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決
定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)
。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果
が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRA
M102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊
技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御
用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フ
ラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいて
もよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)
、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステ
ップS111)。図5は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を
示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄
が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示して
いる。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置
5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ
」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに
対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾
り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意さ
れている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変
表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パタ
ーン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パ
ターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結
果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対
応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができ
る。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変
動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが
決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値
とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを
決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリ
ーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することがで
きればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送
信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開
始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コ
マンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動
パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われれば
よい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を
通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時
間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれ
かによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第
1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号
を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置
における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口
のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよ
い。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄
表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したこ
とに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プ
ロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理
を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判
定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステッ
プS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技
制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステッ
プS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御
を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送
信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終
了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当
り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを
、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを
判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ス
テップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップ
S126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り
」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグ
をクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセ
ス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時
短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定した
ときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか
否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大
当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したこ
となどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No
)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップS132)、遊技制御プロセ
ス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS1
31;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS13
3)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定
し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102
の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果
を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を
確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態
に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われれ
ばよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(
ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等
から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御基板12では、C
PU131が演出制御メイン処理を実行する。
図6は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す演出制御
メイン処理において、CPU131は、まず、初期化処理を実行する(ステップS51)
。ステップS51の初期化処理では、例えばRAM133における記憶領域のクリアや各
種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタ/タイマ回路
)のレジスタ設定などが行われる。また、ステップS51の初期化処理により、ウォッチ
ドッグタイマ134におけるタイムアウト値の設定や計測開始の設定が行われてもよい。
ステップS51の初期化処理に続いて、電源投入時のメモリ検査設定を行う(ステップ
S52)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122に対して検査要求信号を供
給する。メモリコントローラ122は、検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモ
リ検査処理を実行することにより、演出データメモリ123の記憶データを検査する。ス
テップS52における設定の後には、メモリ検査のインターバル設定を行う(ステップS
53)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122による検査結果に基づいて、
次回のメモリ検査処理を実行するまでのインターバル(待機時間)を設定すればよい。次
に、電源投入時に対応して、初期演出データとして予め定められた演出データの転送設定
を行う(ステップS54)。例えばCPU131は、電源投入時に対応して用意された転
送要求信号を、メモリコントローラ122に対して供給する。メモリコントローラ122
は、転送要求信号が供給されたことに基づいて、演出データメモリ123に格納されて各
種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定め
られた初期データ(プログラムモジュールを構成するバイナリコードを含む)を、RAM
133やVDP135のVRAM144などへと転送する。また、CPU131は、RO
M132に格納されたプログラムやデータのうちで、予め定められた初期データを、RA
M133やVDP135のVRAM144などへと転送してもよい。
その後、演出制御メイン処理において演出用乱数更新処理(ステップS55)が実行さ
れ、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用
乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御基板12
にて演出制御用マイクロコンピュータに内蔵または外付された乱数回路を用いて、ハード
ウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくて
もよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソ
フトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
演出用乱数更新処理を実行した後には、タイマ割込みが発生したか否かを判定する(ス
テップS56)。ステップS56では、例えばCTCに含まれるタイマ回路から出力され
るタイマ割込み信号がオンであるときに、タイマ割込みが発生したと判定すればよい。あ
るいは、例えばRAM133の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンであると
きに、タイマ割込みが発生したと判定してもよい。タイマ割込みが発生した場合には、例
えばCTCに含まれるタイマ回路をリスタートさせたり、タイマ割込みフラグをクリアし
てオフとしたりすることにより、次回のタイマ割込みが発生するまでの時間計測を再開さ
せてもよい。
ステップS56にてタイマ割込みが発生していない場合には(ステップS56;No)
、ステップS55の演出用乱数更新処理を繰返し実行する。これに対し、タイマ割込みが
発生した場合には(ステップS56;Yes)、演出制御用のタイマ割込み処理を実行す
る。演出制御用のタイマ割込み処理は、コマンド解析処理(ステップS57)、演出制御
プロセス処理(ステップS58)、制御中メモリ検査処理(ステップS59)、エラー報
知処理(ステップS60)、制御中演出データ転送処理(ステップS61)を含んでいる
CPU131は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理
を実行可能である。コマンド受信用の割込み処理では、主基板11から中継基板15を介
して伝送される演出制御コマンドを取得する。このとき取得した演出制御コマンドは、例
えばRAM133の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させれば
よい。ステップS57のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否か
の判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われ
る。ステップS58の演出制御プロセス処理では、演出用の電気部品による演出の進行を
制御するために、主基板11から送信された演出制御コマンドや演出の進行状況に応じた
判定、決定、設定などが行われる。ステップS59の制御中メモリ検査処理では、演出の
進行を制御している演出制御中に、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過した
ことに応じて、演出データメモリ123の記憶データを検査するための設定が行われる。
ステップS60のエラー報知処理では、パチンコ遊技機1における各種のエラー検出に基
づいて、異常の発生を報知するための設定が行われる。ステップS61の制御中演出デー
タ転送処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、演出データを転送するための
設定が行われる。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS58にて実行される処理の一
例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、CPU13
1は、始動入賞時演出設定(ステップS161)を行った後に、RAM133の所定領域
(例えば演出制御フラグ設定部)などに記憶された演出プロセスフラグの値に応じて、演
出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から選択された処理を実
行する。演出プロセスフラグの値に応じて実行される処理には、可変表示開始待ち処理(
ステップS170)、可変表示開始設定処理(ステップS171)、可変表示中演出処理
(ステップS172)、特図当り待ち処理(ステップS173)、大当り中演出処理(ス
テップS174)、エンディング演出処理(ステップS175)が含まれている。
図7に示すステップS161の始動入賞時演出設定は、第1始動入賞や第2始動入賞が
発生した始動口入賞時に、主基板11から送信された演出制御コマンドの受信に応じて、
始動入賞記憶表示エリア5Hでの保留表示を更新する設定が含まれていればよい。保留表
示の更新とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯
役物90その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおけ
る動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知してもよい。ス
テップS161での設定は、始動入賞の発生を報知するための設定を含んでいればよい。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のとき
に実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動
開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像
表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理な
どを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を
用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コ
マンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるこ
とを通知する演出制御コマンドである。可変表示開始待ち処理において、第1変動開始コ
マンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したと判定された場合には、演出プ
ロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のとき
に実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特
別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対
応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作
を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各
種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行さ
れた場合には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに
実行される処理である。可変表示中演出処理において、CPU131は、RAM133の
所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタ
イマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変
表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出
処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、
飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出
表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み
出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしても
よい。演出制御パターンから読み出された終了コードに基づいて表示制御を行うことによ
り、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的
に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。可変表示中演出
処理において、飾り図柄の可変表示結果を導出表示する制御などを行った後には、演出プ
ロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実
行される処理である。特図当り待ち処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された
可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの
判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでい
る。大当り開始指定コマンドを受信したことにより、可変表示結果が「大当り」に対応し
て大当り遊技状態が開始されると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に
更新される。これに対し、大当り開始指定コマンドを受信せずに待機時間が経過したこと
により、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されないと判定した
場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実
行される処理である。大当り中演出処理において、CPU131は、例えば大当り遊技状
態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等
を設定し、その設定内容に基づく演出制御を実行する。大当り中演出処理における演出制
御には、演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるための制御、スピーカ8L、8
Rから音声や効果音を出力させるための制御、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態
様を変更するための制御、その他の演出制御のうち、一部または全部が含まれていればよ
い。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを
受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のとき
に実行される処理である。エンディング演出処理において、CPU131は、例えば大当
り遊技状態が終了するときに実行されるエンディング演出(大当り終了演出)における演
出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出制御を実行す
る。エンディング演出処理における演出制御により、演出画像の表示や音声の出力、各種
発光部材の点灯や消灯あるいは点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終
了に対応したエンディング演出を実行可能にすればよい。その後、演出プロセスフラグを
クリアして、その値を“0”に初期化する。
図8は、可変表示開始設定処理として、図7のステップS171にて実行される処理の
一例を示すフローチャートである。図8に示す可変表示開始設定処理では、飾り図柄の可
変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などが決定される(ステップS20
1)。最終停止図柄は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された
変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示
内容に基づいて決定される。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた
可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り
)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ
状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「
ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示
状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、
可変表示結果が「ハズレ」となる。非リーチ組合せの確定飾り図柄やリーチハズレ組合せ
の確定飾り図柄は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ組合せの確定
飾り図柄に含まれる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が
「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表
示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技
状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「
右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄となるように決定
される。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及
び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように
決定される。可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、
最終停止図柄は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同
一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。このときには、可変表示内容が「非
確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行さ
れるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇
数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。さらに、可変
表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や
大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。
ステップS201における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ス
テップS202)。ステップS202では、予告演出の有無と予告パターンとを決定でき
ればよい。予告演出の有無は、予告演出を実行するか否かに対応している。予告パターン
は、予告演出を実行する場合に決定され、複数種類の演出態様に対応して、複数の予告パ
ターンが予め用意されていればよい。CPU131は、乱数回路や演出用ランダムカウン
タなどにより更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM13
2に予め記憶されて用意された予告決定テーブルを参照することなどにより、予告演出の
有無と予告パターンを決定すればよい。
ステップS202による決定の後には、演出制御パターンを予め用意された複数パター
ンのいずれかに決定する(ステップS203)。例えば、CPU131は、演出制御パタ
ーンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する。また、CPU131は、ステ
ップS202にて決定された予告パターンに対応して、複数用意された演出制御パターン
(予告演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとして設定してもよい。な
お、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンとして、別個の演出制御パター
ンを決定するものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パタ
ーンを決定するものであってもよい。
ステップS203により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コ
マンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM133の所定領域(演出制御タ
イマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS
204)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動(可変表示)を開始
させるための設定を行う(ステップS205)。このときには、例えばステップS203
にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御デ
ータが指定する表示制御指令をVDP135に対して伝送させることなどにより、画像表
示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5
C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS205にて変動表示の開始設定を行った後には、可変表示開始時における保
留表示の更新設定を行う(ステップS206)。ステップS206では、始動入賞記憶表
示エリア5Hにおいて、実行が開始される可変表示に対応する保留表示を消去して、その
他の保留表示を移動(シフト)させる。なお、実行が開始させる可変表示に対応する保留
表示を、アクティブ表示エリアに移動(シフト)させ、アクティブ表示の更新が行われる
ようにしてもよい。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値
である“2”に更新してから(ステップS207)、可変表示開始設定処理を終了する。
図9は、可変表示中演出処理として、図7のステップS172にて実行される処理の一
例を示すフローチャートである。図9に示す可変表示中演出処理では、例えば演出制御プ
ロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過し
たか否かを判定する(ステップS221)。このときに、可変表示時間が経過していない
と判定された場合には(ステップS221;No)、演出制御プロセスタイマのタイマ値
を更新する(ステップS222)。ステップS222では、例えば演出制御プロセスタイ
マのタイマ値を1減算する。続いて、制御データ読出条件が成立したか否かを判定する(
ステップS223)。ステップS223では、演出制御プロセスタイマのタイマ値が、演
出制御パターンに設定されている演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか
否かを判定する。演出制御プロセスタイマのタイマ値と判定値とが合致した場合には、制
御データ読出条件が成立したと判定する。これに対し、演出制御プロセスタイマのタイマ
値と判定値とが合致しない場合には、制御データ読出条件が成立していないと判定し(ス
テップS223;No)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS223にて制御データ読出条件が成立した場合には(ステップS223;Y
es)、対応する制御データを読み出す(ステップS224)。ステップS224では、
演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致した演出制御プロ
セスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御デー
タ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど)を読み出せばよい
。その後、ステップS224にて読み出した制御データが音声制御データを含むか否かを
判定する(ステップS225)。音声制御データを含むと判定した場合には(ステップS
225;Yes)、スピーカ8L、8Rによる音声出力を制御(音声制御)するための設
定を行う(ステップS226)。ステップS226では、音声制御データに示される命令
やレジスタ値を、VDP135または音声処理回路136に供給すればよい。
ステップS225にて音声制御データを含まないと判定した場合や(ステップS225
;No)、ステップS226の設定を行った後には、ステップS224にて読み出した制
御データがランプ制御データを含むか否かを判定する(ステップS227)。ランプ制御
データを含むと判定した場合には(ステップS227;Yes)、各種の発光部材におけ
る点灯態様(発光態様)を制御(ランプ制御)するための設定を行う(ステップS228
)。ステップS228では、ランプ制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP1
35またはランプ制御回路137に供給すればよい。ステップS227にてランプ制御デ
ータを含まないと判定した場合や(ステップS227;No)、ステップS228での設
定を行った後には、ステップS224にて読み出した制御データがモータ制御データを含
むか否かを判定する(ステップS229)。モータ制御データを含むと判定した場合には
(ステップS229;Yes)、可動部材用駆動モータ33A、33Bの作動状態を制御
(モータ制御)するための設定を行う(ステップS230)。ステップS230では、モ
ータ制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP135またはモータ制御回路13
8に供給すればよい。
ステップS229にてモータ制御データを含まないと判定した場合や(ステップS22
9;No)、ステップS230での設定を行った後には、ステップS224にて読み出し
た制御データが表示制御データを含むか否かを判定する(ステップS231)。表示制御
データを含まないと判定した場合には(ステップS231;No)、可変表示中演出処理
を終了する。これに対し、表示制御データを含むと判定した場合には(ステップS231
;Yes)、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS232)。ステップS2
32では、例えばRAM133の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられたメモリ
検査中フラグがオンである場合に、メモリ検査中であると判定すればよい。メモリ検査中
フラグは、図6および図10に示すステップS59の制御中メモリ検査処理にてメモリ検
査が開始されるときにセットされてオンとなり、メモリ検査が終了するとクリアされてオ
フとなればよい。
ステップS232にてメモリ検査中ではないと判定された場合には(ステップS232
;No)、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS233)。ステップS
233では、例えばRAM133の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられた演出
データ読出中フラグがオンである場合に、演出データ読出中であると判定すればよい。演
出データ読出中フラグは、図6および図11に示すステップS61の制御中演出データ転
送処理にて演出データの読出中設定が行われるときにセットされてオンとなり、読出終了
制御が行われるとクリアされてオフとなればよい。
ステップS233にて演出データ読出中ではないと判定された場合には(ステップS2
33;No)、画像表示装置5における表示態様を通常制御(通常表示制御)するための
設定を行い(ステップS234)、可変表示中演出処理を終了する。ステップS234で
は、表示制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP135に供給すればよい。こ
れに対し、ステップS232にてメモリ検査中であると判定した場合(ステップS232
;Yes)、または、ステップS233にて演出データ読出中であると判定した場合(ス
テップS233;Yes)、画像表示装置5における表示態様を簡易制御(簡易表示制御
)するための設定を行い(ステップS235)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS235では、例えばVRAM144に記憶されている画像データのみを用い
て簡易な表示を行うための設定が行われてもよい。メモリ検査中や演出データ読出中の場
合には、演出データメモリ123の記憶データをリアルタイムに読み出して画像表示に用
いることができない。そこで、例えば複数種類の飾り図柄に対応した画像データ(スプラ
イト画像データ)のように、初期データとしてVRAM144に転送されて記憶される画
像データを用いて、飾り図柄の可変表示などを行うようにしてもよい。その一方で、例え
ば動画像データを用いた動画像再生が行われるリーチ演出のように、演出データメモリ1
23の記憶データを読み出す必要がある画像表示については、表示を行わずに表示停止と
してもよい。なお、ステップS232にてメモリ検査中であると判定した場合や、ステッ
プS233にて演出データ読出中であると判定した場合には、ステップS235での設定
を行うことなく、可変表示中演出処理を終了してもよい。これらの場合には、VRAM1
44などに設けられたフレームバッファの記憶データが更新されないことで、画像表示装
置5の画面上では、画像表示が更新されずに表示停止した状態になる可能性がある。ある
いは、フレームバッファの記憶データが消去(クリア)されることで、画像表示装置5の
画面上では、画像表示が行われずに表示停止(ブラックアウト)した状態になる可能性も
ある。
図9に示す可変表示中演出処理では、ステップS232にてメモリ検査中であるか否か
を判定し、ステップS233にて演出データ読出中であるかを判定する。これらの判定に
代えて、例えばメモリコントローラ122から出力される読出待機信号がオンであるかオ
フであるかを判定してもよい。メモリコントローラ122から出力される読出待機信号は
、演出データメモリ123の記憶データを読出中であるときと、演出データメモリ123
におけるメモリ検査を実行中であるときに、オンとなり、その他の期間ではオフとなる信
号であればよい。
ステップS221にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS221;Yes)
、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステッ
プS236)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS236;No
)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確
定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に
受信できなかったことに対応して、所定のエラー発生が報知されるようにしてもよい。
ステップS236にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS236;
Yes)、例えばVDP135に対する命令やレジスタ値の供給により、飾り図柄の可変
表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う
(ステップS237)。続いて、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められ
た一定時間を設定する(ステップS238)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り
待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS239)、可変表示中演
出処理を終了する。
図10は、制御中メモリ検査処理として、図6のステップS59にて実行される処理の
一例を示すフローチャートである。図10に示す制御中メモリ検査処理において、CPU
131は、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS251)。ステップS25
1では、例えばメモリ検査中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、メモリ検査中
であるか否かを判定すればよい。ステップS251にてメモリ検査中ではないと判定した
場合には(ステップS251;No)、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過
したか否かを判定する(ステップS252)。CPU131は、例えばCTCに含まれる
タイマ回路から出力されるタイムアウト信号がオンであるときに、メモリ検査のインター
バルが経過したと判定すればよい。あるいは、CPU131は、例えばRTC(リアルタ
イムクロック)を用いて特定される現在時刻が、メモリ検査のインターバルとして設定さ
れた時刻を経過したときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。
ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には(ステップS
252;Yes)、デモ表示中であるか否かを判定する(ステップS253)。ステップ
S253では、パチンコ遊技機1における遊技が進行しておらず、画像表示装置5の画面
上にデモンストレーションとなる演出画像を表示するデモ表示が実行されているときに、
デモ表示中であると判定すればよい。なお、ステップS252にてメモリ検査のインター
バルが経過している場合には、メモリ検査のインターバルが再度設定されるようにすれば
よい。ステップS253にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS253
;No)、制御中検査待機時間として予め定められた所定時間(例えば10分間など)を
設定し(ステップS254)、制御中メモリ検査処理を終了する。ステップS254にて
制御中検査待機時間として設定される所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過した
以後にデータリフレッシュやデータ移転が実行される場合に対応して、演出データメモリ
123の記憶データを正常に回復可能あるいは移転可能(代替可能)となるように、デー
タリフレッシュやデータ移転が正常に実行できる範囲内で設定すればよい。例えば制御中
検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行された
演出データメモリ123の読出回数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合
には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行された演出データメモリ123の
読出回数が予め定められた回数判定値以上である場合には、回数判定値未満である場合よ
りも短い時間が設定されてもよい。あるいは、制御中検査待機時間となる所定時間は、メ
モリ検査のインターバルが経過するまでに発生したエラービット数に応じて、異なる時間
が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに検出さ
れたエラービット数が予め定められたエラー判定値以上である場合には、エラー判定値未
満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。
ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過していない場合には(ステップ
S252;No)、ステップS254にて設定された制御中検査待機時間が経過したか否
かを判定する(ステップS255)。制御中検査待機時間が経過していない場合には(ス
テップS255;No)、デモ表示中となったか否かを判定する(ステップS256)。
ステップS256にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS256;No
)、制御中メモリ検査処理を終了する。
ステップS253にてデモ表示中であると判定した場合や(ステップS253;Yes
)、ステップS255にて制御中検査待機時間が経過した場合(ステップS255;Ye
s)、あるいは、ステップS256にてデモ表示中であると判定した場合には(ステップ
S256;Yes)、演出制御中において演出データメモリ123の記憶データを検査す
る制御中メモリ検査を、メモリコントローラ122に対して開始させるように制御する(
ステップS257)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122に対して検査要
求信号を供給する。メモリコントローラ122は、検査要求信号が供給されたことに基づ
いて、メモリ検査処理を実行することにより、演出データメモリ123の記憶データを検
査する。このときには、例えばメモリ検査中フラグをセットしてオンにするなど、メモリ
検査中に対応する設定を行い(ステップS258)、制御中メモリ検査処理を終了する。
なお、ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、ステッ
プS253にてデモ表示中であるか否かを判定することなく、ステップS257に進み、
直ちに制御中メモリ検査を開始させるようにしてもよい。
ステップS251にてメモリ検査中であると判定した場合には(ステップS251;Y
es)、メモリ検査が完了したか否かを判定する(ステップS259)。ステップS25
9では、メモリコントローラ122からメモリ検査の完了通知を受けた場合に、メモリ検
査が完了したと判定すればよい。メモリ検査が完了していないと判定した場合には(ステ
ップS259;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。これに対し、メモリ検査が完
了したと判定した場合には(ステップS259;Yes)、制御中メモリ検査の終了に対
応する制御を行う(ステップS260)。例えばCPU131は、メモリ検査の実行によ
り読出不可となっていた演出データを読み出させるために、メモリコントローラ122や
VDP135などに命令やレジスタ値を供給してもよい。このときには、例えばメモリ検
査中フラグをクリアしてオフにするなど、メモリ検査後に対応する設定を行い(ステップ
S261)、制御中メモリ検査処理を終了する。
図11は、制御中演出データ転送処理として、図6のステップS61にて実行される処
理の一例を示すフローチャートである。図11に示す制御中演出データ転送処理において
、CPU131は、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS271)。ス
テップS271では、例えば演出データ読出中フラグがオンであるかオフであるかに応じ
て、演出データ読出中であるか否かを判定すればよい。ステップS271にて演出データ
読出中ではないと判定した場合には(ステップS271;No)、演出データ読出条件が
成立したか否かを判定する(ステップS272)。ステップS272では、例えば演出制
御パターンに含まれる演出制御実行データの内容から、演出データメモリ123の記憶デ
ータをRAM133やVRAM144に転送する必要がある場合に、演出データ読出条件
が成立したと判定すればよい。あるいは、メモリコントローラ122やVDP135から
伝送される信号に基づいて、演出データメモリ123の記憶データが読み出される場合に
、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立していないと判定した場合には(ステ
ップS272;No)、通常時WDTクリア設定を行う(ステップS273)。ステップ
S273では、演出データメモリ123の記憶データが読み出されない場合に対応して、
ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ13
4をクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えばCPU1
31は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウ
ォッチドッグタイマ134を定期的にクリアすればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立した場合には(ステップS272;Y
es)、演出データの読み出しを、メモリコントローラ122に対して開始させるように
制御する(ステップS274)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122に対
して読出要求信号を供給する。なお、CPU131がメモリコントローラ122に読出要
求信号を供給する場合に限定されず、例えばVDP135がメモリコントローラ122に
読出要求信号を供給してもよい。メモリコントローラ122は、読出要求信号が供給され
たことに基づいて、演出データメモリ123の記憶データを読み出し、RAM133やV
RAM144に転送して格納させればよい。このときには、例えば演出データ読出中フラ
グをセットしてオンにするなど、演出データ読出中に対応する設定を行い(ステップS2
75)、制御中演出データ転送処理を終了する。また、ステップS275では、読出中ク
リア時間として予め定められた一定時間が設定される。
ステップS271にて演出データ読出中であると判定した場合には(ステップS271
;Yes)、演出データの読出完了となったか否かを判定する(ステップS276)。ス
テップS276では、メモリコントローラ122からデータ読出の完了通知を受けた場合
に、演出データの読出完了であると判定すればよい。演出データの読出完了であると判定
した場合には(ステップS276;Yes)、演出データ読出の終了に対応する制御を行
う(ステップS277)。例えばCPU131は、演出データ読出の実行により進行停止
となっていた演出を進行再開させるために、VDP135などに命令やレジスタ値を供給
してもよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをクリアしてオフにするなど
、演出データ読出後に対応する設定を行い(ステップS278)、制御中演出データ転送
処理を終了する。
ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定した場合には(ステップS
276;No)、読出中クリア時間が経過したか否かを判定する(ステップS279)。
このとき、読出中クリア時間が経過していれば(ステップS279;Yes)、読出中ク
リア回数が予め定められたクリア上限判定値に達しているか否かを判定する(ステップS
280)。読出中クリア回数は、ステップS274での制御により演出データが読出開始
となってから、ステップS281の設定によりウォッチドッグタイマ134がクリアされ
た回数を示している。例えばステップS275では、読出中クリアカウンタのカウント初
期値として「0」が設定され、ステップS282の設定により、そのカウント値が1加算
されるように更新すればよい。
ステップS279にて読出中クリア時間が経過していない場合や(ステップS279;
No)、ステップS280にてクリア上限判定値に達している場合には(ステップS28
0;Yes)、制御中演出データ転送処理を終了する。これに対し、ステップS280に
てクリア上限判定値に達していない場合には(ステップS280;No)、読出中WDT
クリア設定を行う(ステップS281)。ステップS281では、演出データメモリ12
3の記憶データが読み出されている場合に対応して、ウォッチドッグタイマ134の監視
時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ134をクリアして、計測時間を初期化
することでリスタートさせればよい。ステップS281にて読出中WDTクリア設定が行
われた場合には、読出中クリア回数を1加算するなどして更新し(ステップS282)、
制御中演出データ転送処理を終了する。
なお、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273にお
ける通常時WDTクリア設定の場合とは異なる周期で、ウォッチドッグタイマ134をク
リアするように設定されてもよい。例えば、ステップS281における読出中WDTクリ
ア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも長い周期で
、ウォッチドッグタイマ134をクリアする。この場合、ステップS273における通常
時WDTクリア設定は、毎回の設定によりウォッチドッグタイマ134をクリアするのに
対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定は、複数回の設定が行われるこ
とでウォッチドッグタイマ134をクリアしてもよい。WDTクリアレジスタに複数のW
DTクリアデータを順番に設定することによりウォッチドッグタイマ134がクリアされ
るものでは、ステップS273における通常時WDTクリア設定が1回行われたときに複
数のWDTクリアデータをすべて順番に設定するのに対し、ステップS281における読
出中WDTクリア設定が1回行われたときには1のWDTクリアデータのみが設定され、
複数回の読出中WDTクリア設定が繰り返されることで、複数のWDTクリアデータが順
番に設定されるようにしてもよい。逆に、ステップS281における読出中WDTクリア
設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも短い周期で、
ウォッチドッグタイマ134をクリアしてもよい。
このように、制御中演出データ転送処理では、ステップS273の通常時WDTクリア
設定が行われる場合に、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウ
ォッチドッグタイマ134による計測時間を初期化する。また、ステップS274での制
御により演出データの読み出しを開始した後、ステップS276にて演出データの読出完
了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定が行われ
ると、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイ
マ134による計測時間を初期化する。これにより、演出データの読出時間が長期化した
場合に、ウォッチドッグタイマ134を適切にクリアしてCPU131の不適切なリセッ
トを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図11に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS271にて演出データ読出中
であるか否かを判定することにより、演出データメモリ123の記憶データを読み出して
いる読出期間中であるか否かを判定する。この読出期間中にて、演出データメモリ123
におけるデータリフレッシュやデータ移転(代替処理)が実行される場合には、読出期間
が長期化して、ステップS273での通常時WDTクリア設定を行うことができなくなる
おそれがある。そこで、ステップS271にて演出データ読出中と判定されるとともに、
ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS
281の読出中WDTクリア設定により、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過
するより前に、ウォッチドッグタイマ134による計測時間を初期化できるようにしてい
る。この場合には、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達して
いないと判定されたときに、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行うことがで
きる。ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定された
場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行わないので、ウォッチドッグ
タイマ134による計測時間の初期化が制限される。このように、読出中クリア回数がク
リア上限判定値に達した後には、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過したとき
に、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させて、CPU131をリセット状態に
して再起動する。なお、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合には、ウォッ
チドッグタイマ134の監視時間が経過するまで待機することなく、直ちにCPU131
をリセット状態にして再起動してもよい。例えばステップS280にて読出中クリア回数
がクリア上限判定値に達したと判定されたときに、CPU131のリセット割込みを発生
させて、CPU131をリセット状態にしてもよい。
図12は、メモリコントローラ122によって実行されるメモリ検査処理の一例を示す
フローチャートである。メモリコントローラ122は、CPU131からの検査要求信号
が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理の実行を開始すればよい。このように、メ
モリコントローラ122は、CPU131からの信号供給を条件に、メモリ検査処理を実
行できればよい。あるいは、メモリコントローラ122は、CPU131からの信号供給
を条件とすることなく、電源投入時の設定や、メモリ検査のインターバルが終了したこと
などに基づいて、メモリ検査処理を実行できるようにしてもよい。
図12に示すメモリ検査処理において、メモリコントローラ122は、演出データメモ
リ123などに記憶されているステータス情報を読み出す(ステップS451)。ステー
タス情報は、消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管
理情報、データリフレッシュの管理情報などを含んでいればよい。エラービット数の管理
情報は、演出データメモリ123からセクタデータが読み出されるごとに作成され、各セ
クタデータのエラー検出で特定されたエラービット数を示す情報であればよい。エラー訂
正の管理情報は、演出データメモリ123から読み出したセクタデータのエラー訂正が行
われた場合に作成され、各セクタデータのエラー訂正ができたか否かを示す情報であれば
よい。データリフレッシュの管理情報は、演出データメモリ123に記憶されたセクタデ
ータのデータリフレッシュが行われた場合などに作成され、データリフレッシュが行われ
た回数や実行日時などを示す情報であればよい。
続いて、ステップS451にて読み出したステータス情報の内容などに基づいて、デー
タリフレッシュ条件が成立したか否かを判定する(ステップS452)。例えば、エラー
ビット数の管理情報に示されるエラービット数が、予め定められたエラーしきい値を超え
ているセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定すればよい
。また、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある
場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立した場合には(ステップS452
;Yes)、データリフレッシュを実行するための制御を行う(ステップS453)。ス
テップS453では、例えばデータリフレッシュの対象となるセクタデータを含む消去単
位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。
そして、記憶データを読み出した消去単位ブロックについて、記憶データを消去してから
、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。あるいは、記憶データを読み出し
た消去単位ブロックとは異なる消去単位ブロックに、復元した正しいデータを書き込むよ
うにしてもよい。復元した正しいデータを書き込んだときには、書き込んだデータを再度
読み出して、書込前のデータと比較することなどにより、正常にデータリフレッシュが終
了したか否かを判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立していない場合や(ステップS4
52;No)、ステップS453の制御を行った後には、データ移転条件が成立したか否
かを判定する(ステップS454)。例えば、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂
正ができなかったセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよ
い。また、データリフレッシュの管理情報に示されるデータリフレッシュが行われた回数
が、予め定められた移転しきい値を超えているセクタデータがある場合に、データ移転条
件が成立したと判定してもよい。ステップS453にて正常にデータリフレッシュが終了
しなかった場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。
ステップS454にてデータ移転条件が成立していない場合には(ステップS454;
No)、メモリ検査処理を終了する。これに対し、データ移転条件が成立した場合には(
ステップS454;Yes)、データ移転を実行するための制御を行ってから(ステップ
S455)、メモリ検査処理を終了する。ステップS455では、例えばデータ移転の対
象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正など
を行って正しいデータを復元する。このとき、記憶データを読み出した消去単位ブロック
を、不良エリアとしての不良ブロックに設定する。そして、復元したデータを、冗長領域
内の代替エリアとなる代替ブロックに書き込むようにすればよい。また、アドレス変換テ
ーブルに含まれる配置情報を更新するなどして、不良ブロックに代えて代替ブロックの記
憶データが読出可能となるように設定する。
図12に示すメモリ検査処理では、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成
立したときに、ステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行可能にする。
これにより、演出データメモリ123において、リードディスターブやデータリテンショ
ンなどの要因で劣化したメモリセルが生じた場合でも、記憶データを正しいデータに復元
して保護することができる。さらに、ステップS454にてデータ移転条件が成立したと
きに、ステップS455での制御によりデータ移転を行う代替処理を実行可能にする。こ
れにより、演出データメモリ123において、メモリセルをリフレッシュしても回復不能
な不良エリアとなる不良ブロックがある場合に、不良エリアの記憶データを代替エリアと
なる代替ブロックに移転して保護することができる。
図6に示す演出制御メイン処理では、ステップS52にて電源投入時メモリ検査設定が
行われ、CPU131からメモリコントローラに検査要求信号が供給される。この検査要
求信号が供給されたことに基づいて、メモリコントローラ122は、図12に示すメモリ
検査処理を、電源投入時に実行する。このときには、ステップS453での制御によりデ
ータリフレッシュが実行される場合や、ステップS455での制御によりデータ移転が実
行される場合がある。例えば前回の電源遮断前といった、パチンコ遊技機1への電力供給
が開始されてから、演出データメモリ123のステータス情報が更新され、データリフレ
ッシュ条件が成立し得る状態や、データ移転条件が成立し得る状態になることがある。し
かしながら、データリフレッシュやデータ移転を行うことなく電源切断により電力供給が
終了すると、メモリセルの劣化が放置された状態さらには進行していく状態になり、演出
データメモリ123の記憶データが多くの誤りを含むものになるおそれがある。そこで、
再び電源投入により電力供給が開始されたときに、図12に示すメモリ検査処理が実行さ
れることで、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立すればステップS45
3での制御によりデータリフレッシュを実行し、ステップS454にてデータ移転条件が
成立すればステップS455での制御によりデータ移転を実行する。また、図6に示す演
出制御メイン処理では、ステップS53にてメモリ検査のインターバルが設定される。
図10に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS252にてメモリ検査のインター
バルが経過している場合に、ステップS253またはステップS256にてデモ表示中で
あると判定されたこと、あるいは、ステップS255にて制御中検査待機時間が経過した
と判定されたことを条件に、ステップS257での制御により制御中のメモリ検査を実行
可能にする。このように、電源投入時だけでなく、演出の進行を制御中であっても、メモ
リ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データリフレッシュやデータ移転を実
行可能なので、電源投入時からの電力供給が停止されずに長時間が経過した場合でも、演
出データメモリ123の記憶データを保護するための処理を実行することができる。特に
、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データ移転する代替処理を実行
できるので、メモリセルをリフレッシュしても回復不能なデータエラーが発生する不良エ
リアとなる不良ブロックの記憶データを、代替エリアとなる代替ブロックに、適切に移転
して記憶させることができる。
図13は、演出データメモリ123における記憶領域の構成例を示している。演出デー
タメモリ123の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を
有している。データ領域と冗長領域には、管理テーブルと各種の演出データを記憶可能で
ある。演出データは、静止画像データおよび動画像データを含む画像データの他に、音声
データ、ランプ駆動データ、モータ駆動データなどであってもよい。データ領域は、演出
データメモリ123の通常アクセスに使用される通常使用領域である。演出の進行を制御
するためのプログラムや演出を実行するために使用される演出データは、アクセスに支障
がない限り、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域のうちで、
書き込みや読み出しに支障のある不良エリアに代替して使用可能な代替使用領域である。
データ領域においてアクセスに支障があると判断された不良ブロックなどの不良エリアは
、使用禁止に設定され、不良エリアの記憶データは冗長領域における代替ブロックなどの
代替エリアに記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリア
との関係を示す対応関係情報などを記憶する制御情報領域である。対応関係情報として、
例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報が記憶さ
れる。データ領域のアドレスや冗長領域のアドレスは、ページ番号やブロック番号で指定
されてもよいし、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよい。データ領域のアドレ
スと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報は、アドレス変換テーブルにまとめ
て記憶されてもよい。アドレス変化テーブルは、CPU131やVDP135から演出デ
ータメモリ123へのアクセスを要求する際に指定される論理ブロックアドレスを、実際
の記憶領域に割り当てられた物理ブロックアドレスに変換可能とする配置情報のテーブル
データにより構成されていればよい。
図13に示すデータ領域には、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。この場合
、冗長エリアには、不良エリアA、B、Dの記憶データが移転された代替エリアA、B、
Dが設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの対応
関係を指定する配置情報A、B、Dが記憶される。冗長領域には、履歴情報が書き込まれ
てもよい。履歴情報は、演出データメモリ123においてデータ移転が行われた履歴を示
す情報であればよく、例えばデータ移転が行われた日付情報を含んでいればよい。図13
に示す冗長領域には、履歴情報Cが記憶されている。制御領域には、履歴情報Cに対応す
る配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアとの対応関係を
示す配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履
歴情報を記憶している冗長領域のアドレス情報とを含んでいればよい。履歴フラグがオン
である配置情報に含まれるアドレス情報を読み取ることにより、冗長領域に記憶された履
歴情報を読み出すことができる。履歴情報に含まれるデータ移転の日付情報などから、演
出データメモリ123においてデータ移転が行われた回数を特定し、演出データメモリ1
23の使用を継続できるか廃棄すべきかを判定してもよい。制御領域には、配置情報の他
にも、例えば消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管
理情報、データリフレッシュの管理情報といった、ステータス情報を構成する様々な管理
情報が記憶されてもよい。
図14(A)は、演出データメモリ123に記憶される演出データのうちで、画像デー
タに含まれる動画像データの構成例を示している。図14(B)は、動画像データを映像
データと音声データとに分離して復号化する動作例を示している。図14(C)は、動画
像データを用いた動画再生の実行例を示している。動画像データは、それぞれが圧縮符号
化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成され
ていればよい。動画像データでは、ヘッダ情報に続けて、パケット化された映像データが
格納される映像データブロックや、パケット化された音声データが格納される音声データ
ブロックが、所定の順番で配置されていればよい。演出データメモリ123から読み出さ
れた動画像データは、VDP135のデマルチプレクサ142に入力されて、映像データ
と音声データとに分離される。デマルチプレクサ142から出力された映像データは、V
DP135の映像デコーダ143に供給される。デマルチプレクサ142から出力された
音声データは、音声処理回路136の音声デコーダ151に供給される。映像デコーダ1
43は、デマルチプレクサ142から供給された映像データを復号化して、ヘッダ情報ま
たは各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。音声デコ
ーダ151は、デマルチプレクサ142から供給された音声データを復号化して、ヘッダ
情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。
このように、映像データと音声データとが多重化されて構成された動画像データを用い
て、映像データと音声データとを分離して復号化した後、タイムスタンプにあわせて出力
される。これにより、映像出力と音声出力とが同期した動画像の再生が可能になる。演出
データメモリ123には、画像表示装置5の表示制御に関する映像データと、スピーカ8
L、8Rにおける演出音の出力制御に関する音声データとが、一連の動画像データとして
記憶されている。VDP135と音声処理回路136は、演出データメモリ123から読
み出された動画像データを用いて動画像を再生することにより、画像表示装置5の表示制
御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行することができ
る。
図15は、ROM132に記憶される演出制御実行データの構成例を示している。演出
制御実行データは、演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値と対応付
けて記憶されてもよい。また、演出制御実行データは、例えば始動入賞の発生、プッシュ
ボタン31Bを押下操作する遊技者の動作検出といった、特定のイベント発生を条件とし
て、読出可能に記憶されてもよい。演出制御実行データは、表示制御データ、音声制御デ
ータ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど、各種の制御デー
タの一部または全部を含んで構成されていればよい。
表示制御データは、画像表示装置5の表示状態を指定するデータとして構成され、表示
制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んでいればよい。表示制御デ
ータによる指定内容は、動画再生を指定する場合と、静止画表示を指定する場合とを含ん
でいればよい。表示制御データにより動画再生を指定した場合には、演出データメモリ1
23から読み出された動画像データを用いて動画像を再生表示するための制御が実行され
る。表示制御データにより静止画表示を指定した場合には、VRAM144に予め記憶さ
れた静止画像データを用いて、または演出データメモリ123から読み出された静止画像
データを用いて、静止画像を画面表示するための制御が実行される。静止画像の画面表示
は、各フレームの表示を短時間で切り替えることにより、各種の演出画像が円滑に変更表
示されるアニメーション表示を実行可能であればよい。音声制御データは、スピーカ8L
、8Rの音声出力状態を指定するデータとして構成され、音声制御用の命令(コマンド)
やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。ランプ制御データは、遊技
効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDといった発光部材の点灯態様(
発光態様)を指定するデータとして構成され、ランプ制御用の命令(コマンド)やレジス
タ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。モータ制御データは、可動部材駆動
モータ33A、33Bの作動状態を指定するデータとして構成され、モータ制御用の命令
(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。操作検出制御
データは、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを操作する遊技者の動
作検出状態を指定するデータとして構成され、検出制御用の命令(コマンド)やレジスタ
値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。
図15に示す演出制御実行データは、表示制御データとともに、音声制御データおよび
ランプ制御データを含んでいる。これに対し、音声制御データとランプ制御データとを含
む演出制御実行データは、表示制御データを含む演出制御実行データとは別個に構成され
ていてもよい。演出制御パターンとして、演出制御プロセスタイマ判定値と、音声制御デ
ータおよびランプ制御データを含む演出制御実行データとが対応付けられた組合せが複数
格納された音声ランプ制御パターンが用意されてもよい。また、演出制御パターンとして
、演出制御プロセスタイマ判定値と、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが
対応付けられた組合せが複数格納された表示制御パターンが用意されてもよい。
CPU131は、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS203にて演出制御パ
ターンを決定し、この演出制御パターンに含まれる演出制御実行データに従って、飾り図
柄の可変表示中における各種演出の制御内容を設定する。例えば,図9に示す可変表示中
演出処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値が演出制御パターンに設定されている
演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときに、ステップS223にて制御
データ読出条件が成立したと判定される。このときには、ステップS224にて読み出さ
れた制御データに従って、ステップS226では音声出力の制御内容が設定され、ステッ
プS228ではランプ出力の制御内容が設定され、ステップS230ではモータ出力の制
御内容が設定され、ステップS234では表示出力の制御内容が設定される。例えばステ
ップS234での設定に従って、表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を可変
表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった静止画像を用いた演出画像、あ
るいは、リーチ演出における動画像を用いた演出画像などを、画像表示装置5の画面上に
表示させる制御を行う。例えばステップS226での設定に従って、音声制御データによ
り指定される音声出力状態でスピーカ8L、8Rから演出音を出力させる制御を行う。例
えばステップS228での設定に従って、ランプ制御データにより指定される点灯態様(
発光態様)で遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDといった発光
部材を点灯または消灯させる制御を行う。ステップS230での設定に従って、モータ制
御データにより指定される作動状態で可動部材駆動モータ33A、33Bを駆動させ、演
出用可動部材32A、32Bを移動または停止させる制御を行う。また、操作検出制御デ
ータにより指定される動作検出状態で、スティックコントローラ31Aのトリガボタンや
操作桿あるいはプッシュボタン31Bなどを操作する遊技者の動作を検出させる制御を行
えばよい。
演出制御実行データにおける表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モ
ータ制御データ、操作検出制御データに含まれる命令(コマンド)やレジスタ値(パラメ
ータ)は、CPU131からVDP135などに供給される。VDP135では、例えば
命令デコーダ141が命令を解読して、解読結果に応じた画像処理などを指示する。例え
ば動画像再生命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定され
る動画像データを演出データメモリ123から読み出してデマルチプレクサ142に供給
する。あるいは静止画像表示命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値な
どから特定される画像データがVRAM144に予め記憶されていれば、フレームバッフ
ァの所定位置に配置するように描画を行い、1画面分の表示用データを作成する。あるい
は音声出力命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される
音声データを音声処理回路136に供給する。
動画像データは、他の演出データに比べて、データ容量が大きくなりやすい。データ容
量が大きな動画像データは、VRAM144などに予め記憶させておくと、VDP135
のワークエリアが圧迫されてしまうおそれがある。そのため、データ容量が大きな動画像
データは、VRAM144などに予め記憶させておくことが困難であり、使用される機会
ごとに、演出データメモリ123から読み出す必要がある。VDP135は、CPU13
1からの動画像再生命令が供給されたときに、メモリコントローラ122に動画像データ
読出要求を送ることで、演出データメモリ123に記憶されている動画像データを読み出
させる。
図16〜図18は、動画像再生命令が供給された場合に対応して、動画像の再生制御例
を示すシーケンス図である。図16は、演出データメモリ123から読み出した動画像デ
ータ(読出データ)の検査結果が正常である検査OKの場合を示している。図17は、演
出データメモリ123においてデータリフレッシュが成功したデータリフレッシュ成功の
場合を示している。図18は、演出データメモリ123において不良ブロックが検出され
た不良ブロック検出の場合を示している。
図16に示すように、VDP135では、CPU131からの動画像再生命令を受ける
と、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データの読み出しを要求する
動画像データ読出要求を、メモリコントローラ122に供給する。メモリコントローラ1
22は、動画像データ読出要求を受けたことに対応して、CPU131に向けて出力する
読出待機信号をオンに設定する。その後、動画像データの読み出しを開始する。動画像デ
ータの読み出しが終了すると、読み出した動画像データのエラー検出およびエラー訂正を
行う。これにより、動画像データが読出完了になると、VDP135では画像表示装置5
の画面上にて動画像の再生表示を開始させる。なお、すべての動画像データが読出完了に
なるまで動画像の再生表示が開始されないものに限定されず、所定単位の動画像データが
読出完了になるごとに、読み出された動画像データを用いて順次に動画像の再生表示が進
行するものであってもよい。また、図14(A)〜(C)に示したように、動画像の再生
表示では、画像表示装置5における映像出力と、スピーカ8L、8Rにおける音声出力と
が、同期して実行され、連携して進行すればよい。
また、メモリコントローラ122では、エラー検出やエラー訂正の実行結果を用いて、
読出データの検査を行う。例えばエラー検出で特定されたエラービット数がエラーしきい
値を超えているか否かや、エラー訂正で訂正できなかったセクタデータがあるか否かに応
じて、読出データの検査結果を判定する。このとき、読出データの検査結果が正常である
と判定すれば、演出データメモリ123の記憶データが正常に読出完了となったので、C
PU131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。その後、VDP135など
の制御による動画像の再生表示が終了したときには、VDP135からCPU131に対
して動画像再生完了を通知すればよい。
図17に示す場合では、メモリコントローラ122にて、読出データの検査結果が異常
であると判定される。この場合には、演出データメモリ123に記憶されたセクタデータ
に対し、データリフレッシュが開始される。その後、データリフレッシュが正常に終了す
ると、演出データメモリ123の記憶データを新たに読出可能となるので、CPU131
に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検査結果に基づく
データリフレッシュは、エラー検出やエラー訂正の実行結果に応じて実行されるので、V
DP135などの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしても
よい。これにより、演出データメモリ123の記憶データに対するデータリフレッシュが
実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の
再生表示による演出を実行できる。その一方で、データリフレッシュが終了するまで、V
DP135などの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、動画像
の再生表示に遅延が生じることになる。
図18に示す場合では、メモリコントローラ122にて、データリフレッシュが開始さ
れた後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたことにより、データリフレッシュが
中断されている。この場合には、不良ブロックの検出に対応して、演出データメモリ12
3に記憶された消去単位ブロックのセクタデータに対し、データ移転が開始される。その
後、演出データメモリ123では、データ領域における不良エリアとなる不良ブロックか
ら、冗長領域における代替エリアとなる代替ブロックへのデータ移転が終了して、演出デ
ータメモリ123の記憶データを新たに読出可能になると、CPU131に向けて出力す
る読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検出結果に基づくデータリフレッ
シュに続いて実行されるデータ移転は、データリフレッシュと同様に、VDP135など
の制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これによ
り、演出データメモリ123の記憶データに対するデータ移転が実行される場合でも、動
画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実
行できる。その一方で、不良エリアから代替エリアへのデータ移転が終了するまで、VD
P135などの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、データリ
フレッシュが正常に終了した場合と比較して、動画像の再生表示にさらなる遅延が生じる
ことになる。
図17および図18に示す場合では、読出データの検査結果が異常であると判定された
ときに、続けてデータリフレッシュが開始される。図18に示す場合では、データリフレ
ッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたときに、続けてデー
タ移転が開始される。このように、演出データメモリ123の読出データに対する検査結
果に応じて、読み出しが行われた直後に、データリフレッシュやデータ移転を実行可能で
あってもよい。これに対し、演出データメモリ123の読出データに対するエラー検出や
エラー訂正の実行結果を、演出データメモリ123に記憶しておき、メモリ検査のインタ
ーバルが経過したときに、データリフレッシュ条件やデータ移転条件が成立したことに対
応して、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。
図16〜図18に示す動画像の再生制御例では、CPU131からVDP135に対し
て動画像再生命令が供給されると、VDP135がメモリコントローラ122に動画像デ
ータ読出要求を供給して、動画像データの読み出しを開始している。これに対し、動画像
データ読出要求に対応する命令は、CPU131からメモリコントローラ122に供給さ
れてもよい。CPU131では、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データなどか
ら動画像の再生開始を決定したときに、図11に示す制御中演出データ転送処理のステッ
プS272にて、演出データ読出条件が成立したと判定する。そこで、ステップS274
の制御により、CPU131からメモリコントローラ122に対して動画像データ読出要
求に対応する命令を供給すればよい。ただし、CPU131からVDP135に対して動
画像再生命令を供給するとともに、CPU131からメモリコントローラ122に対して
動画像データ読出要求に対応する命令を供給する場合には、CPU131の処理負荷が増
大するおそれがある。他方において、図16〜図18に示す動画像の再生制御例のように
、VDP135がCPU131から供給された動画像再生命令を受けたときに、VDP1
35からメモリコントローラ122に動画像データ読出要求を供給することで、動画像デ
ータを読み出すための処理負荷が分散されるので、CPU131の処理負担を軽減するこ
とができる。
動画像の再生表示を開始する場合には、様々な要因により遅延が生じることがある。例
えば図17および図18に示された動画像の再生制御例のように、読出データの検査結果
に基づくデータリフレッシュやデータ移転による遅延が生じることがある。その他にも、
図10に示す制御中メモリ検査処理のステップ257にて制御中メモリ検査を開始させる
制御が行われると、演出データメモリ123の記憶データが読出不可となり、制御中メモ
リ検査が終了するまで、動画像の再生表示に遅延が生じることがある。さらに、NAND
型フラッシュメモリを用いて構成された演出データメモリ123では、ランダムアクセス
による記憶データの読み出しを要因として、動画像の再生表示に遅延が生じることもある
。NAND型フラッシュメモリを用いて構成された演出データメモリ123は、セクタ単
位で記憶データが読み出される。動画像データは、他の演出データに比べてデータ容量が
大きくなりやすいので、演出データメモリ123にて複数のセクタにまたがって記憶され
る場合がある。演出データメモリ123では、動画像データなどの演出データが複数のセ
クタにまたがって記憶されている場合に、それぞれのセクタにアクセスして記憶データを
読み出さなければならない。この場合には、演出データメモリ123に対するランダムア
クセスが頻繁に発生することで、記憶データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示
にも遅延の影響が及んでしまうことになる。
パチンコ遊技機1において実行される演出のうちには、動画像の再生表示が実行される
場合のように、演出データメモリ123の読出許否状態に応じて、遅延が生じやすい演出
がある。その一方で、演出データメモリ123の読出許否状態にかかわらず、遅延なく実
行可能な演出もある。例えばROM132に記憶される演出制御実行データには、始動入
賞報知SH1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。始動入賞報知SH
1は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、スピーカ8L、8Rから
の音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDにおける点灯
態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せに
より、始動入賞の発生を報知する。また、ROM132に記憶される演出制御実行データ
には、リーチ後演出AR1やリーチ後演出AR2を実行するための演出制御実行データが
含まれてもよい。リーチ後演出AR1は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった
ことに対応して、例えば動画像の再生表示が正常に開始される期間に対応して、スピーカ
8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LE
Dにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これらの一部または
全部の組合せにより、リーチ演出の開始を報知する。その他、ROM132に記憶される
演出制御実行データには、エラー報知EH1を実行するための演出制御実行データが含ま
れてもよい。エラー報知EH1は、各種のエラーが発生したエラー発生時に、スピーカ8
L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LED
における点灯態様、これらの一部または全部の組合せにより、異常の発生を報知する。あ
るいは、ROM132に記憶される演出制御実行データには、予告演出YA1を実行する
ための演出制御実行データが含まれてもよい。予告演出YA1は、飾り図柄の可変表示中
にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その
他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これ
らの一部または全部の組合せにより、有利状態としての大当り遊技状態に制御されること
などを示唆する。
図19および図20は、始動入賞報知SH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス
図である。図19は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示
している。図20は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示し
ている。図19および図20に示す制御例では、リーチ演出開始までの制御が共通してい
る。具体的には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける特
別図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して可変表
示開始コマンドが送信される。例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピ
ュータ100のCPU103は、図4に示す遊技制御プロセス処理のステップS112に
て、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行う
。演出制御基板12では、可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、CPU13
1が図7および図8に示すステップS171の可変表示開始設定処理を実行し、ステップ
S205での設定などにより、飾り図柄の可変表示を開始する。こうして、特別図柄の可
変表示開始に対応して、飾り図柄の可変表示開始設定が行われ、飾り図柄の可変表示が開
始される。その後、リーチ前演出BR1が実行されてもよい。リーチ前演出BR1は、例
えば「滑り」や「擬似連」の可変表示演出といった、飾り図柄の可変表示態様により、大
当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ前
演出BR1は、例えば予告演出といった、飾り図柄の可変表示態様によらず、大当り遊技
状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。その後、飾り図柄の可変表示
状態がリーチ状態となるリーチ成立に達したことに対応して、リーチ演出の実行が開始さ
れるリーチ演出開始となる。
図19に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される
。動画像の再生表示が開始された後に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞
時にて、始動入賞報知SH1が実行される。始動入賞報知SH1は、始動入賞の発生に対
応してROM132に記憶された演出制御実行データを読み出すことにより、始動入賞時
に遅延なく実行可能である。始動入賞報知SH1は、普通入賞球装置6Aに形成された第
1始動入賞口、または普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口といった、遊
技球が通過可能な通過領域(始動領域)を、遊技球が通過したことに関する通過補助演出
に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映
像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音
声出力は、画像表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図19に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が
実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイ
ン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。
あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声
出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。
図19に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図
柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり
、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における
表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図20に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用
いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停
止となる期間がある。この表示停止期間にて、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場
合には、表示停止期間であっても始動入賞報知SH1が実行される。例えば始動入賞報知
SH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、
モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成
されていればよい。あるいは、始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行デー
タは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演
出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意さ
れていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読出待機信号がオンであると
きに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声
制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行
データを用いて、始動入賞報知SH1を実行可能にすればよい。例えばCPU131は、
図7に示す演出制御プロセス処理のステップS161にて始動入賞時演出設定を行うとき
に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合に対応して用意された演出制御実行デー
タを、ROM132から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて始動
入賞報知SH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表
示停止期間においても始動入賞報知SH1を実行することができる。
図20に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された
後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画
像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表
示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、R
OM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値
などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「
右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、
微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した
表示状態となる。確定表示の対象となる飾り図柄は、飾り図柄の可変表示における表示結
果として導出される確定飾り図柄であり、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS
201にて決定される最終停止図柄であればよい。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表
示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するま
での期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続し
て実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表
示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。
そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止
期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間に
おいても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表
示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表
示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表
示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画
像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延
が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変
表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行
される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動
画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演
出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止
できる。
なお、図20に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始
されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば
遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定
しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。こ
のように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、
動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制するこ
とができる。
図21は、始動入賞報知SH1の実行例などを示している。例えば図21(A)に示す
ように、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口といった、通過領域に含まれる
始動領域を遊技球が通過したときには、例えば図21(B1)に示す「ピコーン!」の音
声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、始動入賞報知SH1が実行される。
あるいは、始動領域を遊技球が通過したときには、例えば図21(B2)に示すように、
普通可変入賞球装置6Aの内部または周辺に設けられた装飾用LEDを、青色または黄色
といった、所定の発光色(ランプ点灯色)で発光(点灯)させることにより、始動入賞報
知SH1が実行される。
図21(C)に示すように、入賞時判定結果に応じて異なる入賞時実行割合により、複
数の保留表示色のそれぞれに対応して、音声出力の内容やランプ点灯色が異なる始動入賞
報知SH1を実行してもよい。入賞時判定結果は、例えば図4に示す遊技制御プロセス処
理のステップS12にて抽出された乱数値を示す数値データを用いて、有利状態としての
大当り遊技状態に制御されるか否かを判定した結果であればよい。ステップS12におい
て判定を行うことにより、大当り遊技状態に制御するか否かの決定前に、大当り遊技状態
に制御されるか否かを判定できればよい。入賞時判定結果は、大当り遊技状態に制御され
る場合の「大当り」と、大当り遊技状態に制御されない場合の「ハズレ」とを含んでいれ
ばよい。あるいは、入賞時判定結果は、「大当り」と「ハズレ」に代えて、または「大当
り」と「ハズレ」に加えて、例えばスーパーリーチのリーチ演出といった特定の演出が実
行される特定変動パターンに決定される場合の判定結果と、特定変動パターンに決定され
ない場合の判定結果とを含んでいてもよい。保留表示色は、始動入賞記憶表示エリア5H
における保留表示の表示色である。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示に関する
保留記憶情報に基づいて、可変表示の保留数を特定可能な保留表示が行われる。図21(
C)に示すように、保留表示色に対応した音声出力の内容やランプ点灯色が設定されるこ
とにより、保留表示の表示態様に応じて異なる演出態様により始動入賞報知SH1を実行
できる。なお、図21(C)に示す例では、保留表示色に対応して、音声出力の内容およ
びランプ点灯色の両方が設定される。これに対し、保留表示色に対応して、音声出力の内
容またはランプ点灯色の一方のみが設定され、他方は保留表示色にかかわらず一定内容が
設定されてもよい。
図22および図23は、リーチ後演出AR1を実行する場合の制御例を示すシーケンス
図である。図22は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示
している。図23は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示し
ている。図22および図23に示す制御例でも、図19および図20の制御例と同様に、
可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図22に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される
。動画像の再生表示が開始された後に、リーチ後演出AR1が実行される。リーチ後演出
AR1は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンに含まれる演出制
御実行データを用いて、飾り図柄の可変表示中に遅延なく実行可能である。リーチ後演出
AR1は、例えばプッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検
出結果により演出実行条件が成立したときに実行されてもよい。あるいは、リーチ後演出
AR1は、遊技者による動作の検出結果にかかわらず、飾り図柄の可変表示中における演
出実行タイミングに達したときに実行されてもよい。遊技者による動作の検出結果により
演出実行条件が成立するリーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出に関する検出補
助演出に含まれる。遊技者による動作の検出結果にかかわらず、例えば可動部材駆動モー
タ33A、33Bの駆動力により演出用可動部材32A、32Bを動作させるリーチ後演
出AR1は、可動物の動作に関する動作補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリ
ーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8
L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関す
る表示補助演出に含まれる。
図22に示す制御例でリーチ後演出AR1が実行された後には、さらにリーチ後演出A
R2が実行されてもよい。リーチ後演出AR2は、例えば予め用意された演出画像のカッ
トイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよ
い。あるいは、リーチ後演出AR2は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音
声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい
。図22に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り
図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了とな
り、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示におけ
る表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図23に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用
いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停
止となる期間がある。この表示停止期間にて、演出実行条件が成立した場合、または演出
実行タイミングに達した場合には、表示停止期間であってもリーチ後演出AR1が実行さ
れる。例えばリーチ後演出AR1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御デ
ータ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御デ
ータを含まないように構成されていればよい。あるいは、リーチ後演出AR1の実行に用
いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ
の一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行
データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読
出待機信号がオンであるときに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実
行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部また
は全部を含む演出制御実行データを用いて、リーチ後演出AR1を実行可能にすればよい
。例えばCPU131は、図9に示す可変表示中演出処理のステップS222にて更新し
た演出プロセスタイマのタイマ値に基づいて、ステップS223にて制御データ読出条件
が成立したと判定されたときに、図8に示すステップ203にて決定された演出制御パタ
ーンを構成する演出制御実行データを読み出す。このとき読み出した演出制御実行データ
を用いてリーチ後演出AR1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受ける
ことなく、表示停止期間においてもリーチ後演出AR1を実行することができる。
図23に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された
後には、図22の場合と同様に、リーチ後演出AR2が実行されてもよい。この制御例で
は、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始され
る。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか
否かにかかわらず、ROM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御
プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では
、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対
象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示
)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、
例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間で
あればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する
。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する
表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、
動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じ
て、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、
遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、
読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表
示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表
示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画
像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延
が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変
表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行
される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動
画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演
出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止
できる。
なお、図23に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始
されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば
遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定
しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。こ
のように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、
動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制するこ
とができる。
図24は、リーチ後演出AR1の実行例などを示している。例えば図24(A)に示す
ように、プッシュボタン31Bを繰返し押下操作する連打操作といった、遊技者による動
作が検出されたことに基づいて、演出実行条件が成立したときには、例えば図24(B1
)に示す「チャーンス!」の音声をスピーカ8L、8Rから出力させる音声出力により、
リーチ後演出AR1が実行される。あるいは、演出実行条件が成立したときには、例えば
図24(B2)に示すように、演出用点灯役物90を点灯させる点灯態様により、リーチ
後演出AR1が実行される。あるいは、演出実行条件が成立したときには、例えば図24
(B3)に示すように、可動部材駆動モータ33A、33Bの駆動力により演出用可動部
材32A、32Bを動作(進出)させることで、リーチ後演出AR1が実行される。リー
チ後演出AR1は、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これら
の一部または全部の組合せにより、実行可能な演出であればよい。
図24(C)に示すように、可変表示結果に応じて異なる操作時実行割合により、リー
チ後演出AR1を実行可能にしてもよい。可変表示結果は、例えば図4に示す遊技制御プ
ロセス処理のステップS102にて乱数値を用いて決定した結果であればよい。可変表示
結果は、大当り遊技状態に制御される場合に対応した「大当り」と、大当り遊技状態に制
御されない場合に対応した「ハズレ」とを含んでいればよい。あるいは、可変表示結果は
、「大当り」と「ハズレ」に代えて、または「大当り」と「ハズレ」に加えて、大当り遊
技状態の終了後に確変状態となる場合に対応した「確変」と、大当り遊技状態の終了後に
確変状態とならない場合に対応した「非確変」とを含んでいてもよい。図24(C)に示
す操作時実行割合は、可変表示結果が「大当り」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」の
場合よりも高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」の場
合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、リーチ後演出AR1が実行されやすく
なる。なお、可変表示結果に応じて操作時実行割合を異ならせるものに限定されず、可変
表示結果に応じて異なる割合でリーチ後演出AR1の演出態様が決定されてもよい。この
場合には、リーチ後演出AR1の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大
当り遊技状態に制御される期待度を、異ならせることができる。また、変動パターンに応
じて操作時実行割合を異ならせてもよいし、変動パターンに応じて異なる割合でリーチ後
演出AR1の演出態様が決定されてもよい。
リーチ後演出AR1は、遊技者の動作を促す促進報知が実行されていないときに、プッ
シュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により演出実行
条件が成立したときに実行されてもよい。動画像の再生表示が開始されずに表示停止とな
る表示停止期間にて、遊技者の動作を促す促進報知が実行されていないときに、プッシュ
ボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果によりリーチ後演出
AR1を実行可能にしてもよい。
遊技者の動作を促す促進報知として、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示
により、操作有効期間の残り時間が報知されてもよい。操作有効期間は、プッシュボタン
31Bを押下操作する遊技者による動作を、有効に検出する有効検出期間である。動画像
の再生表示が遅延により開始されずに表示停止となる表示停止期間では、操作有効期間の
残り時間が報知されなくなったり、残り時間の表示が更新されなくなったりすることがあ
る。表示停止期間にて促進報知が適切に実行されなくなった場合に、演出の進行を制御す
る上で、操作有効期間の残り時間は、遅延のない通常の場合と同様に減少させ続けてもよ
いし、遅延のない通常の場合とは異なり減少させないように、残り時間の計測を一旦停止
させてもよい。操作有効期間にてプッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作
が検出されるごとに、図24(C)に示すような可変表示結果に応じて操作時実行割合で
、リーチ後演出AR1を実行するか否かを決定すればよい。そして、リーチ後演出AR1
を実行すると決定された場合に、図24(B1)〜(B3)に示された音声出力、点灯態
様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、リ
ーチ後演出AR1を実行すればよい。
図25は、操作有効期間の残り時間を更新する場合の制御例を示すタイミング図などで
ある。図25(A1)および(A2)は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出
遅延なしの場合を示している。図25(B1)〜(B3)は、動画像データの読み出しに
遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図25(A1)に示す動画再生が「なし
」から「あり」に変更されるタイミングは、演出制御パターンを構成する演出制御実行デ
ータに含まれる表示制御データなどにより指定される再生開始設定タイミングであり、設
計の段階で動画像の再生開始として設定されたタイミングである。
例えば図25(A1)に示すように、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅
延なしの場合は、再生開始設定タイミングと対応して、操作有効期間の残り時間に、図2
5(A2)に示すような初期設定時間T0が設定される。操作有効期間の残り時間は、例
えばRAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部)などに設けられた有効期間タイマ
のタイマ値を用いて計測できればよい。図25(A2)に示すように、再生開始設定タイ
ミングと対応して初期設定時間T0が設定された後には、時間の経過に伴い操作有効期間
の残り時間を減少させる。そして、操作有効期間の残り時間が「0」になると、操作有効
期間が終了する。なお、操作有効期間の残り時間が「0」になる前に、プッシュボタン3
1Bを押下操作する遊技者による動作の検出結果に基づいて、操作有効期間の終了条件が
成立した場合には、その時点で操作有効期間を終了させてもよい。操作有効期間の終了条
件は、例えば図24(C)に示された操作時実行割合でリーチ後演出AR1を実行すると
決定されたときなど、動作の検出に基づいて成立可能となるように、予め定められていれ
ばよい。
例えば図25(B1)に示すように、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延
ありの場合にも、再生開始設定タイミングと対応して、操作有効期間の残り時間には、図
25(B2)および(B3)に示すような初期設定時間T0が設定される。その後におけ
る制御の一例として、図25(B2)に示すように、操作有効期間の残り時間は、読出遅
延なしの場合と同様に減少させ、その残り時間が「0」になると、操作有効期間が終了し
てもよい。他の一例として、図25(B3)に示すように、操作有効期間の残り時間は、
動画像の再生開始が遅延することにあわせて、減少させないように一旦停止させてもよい
。この場合には、読出遅延なしの場合とは異なり、動画像の再生開始が遅延して表示停止
となる表示停止期間では、有効期間タイマのタイマ値を更新させずに維持するタイマ停止
の制御を行うようにすればよい。
図25(C)は、促進報知の実行例として、メータ画像MT1の表示例を示している。
この表示例では、画像表示装置5の画面上に、「押せ!」のメッセージを報知する文字を
示す演出画像MS1や、プッシュボタン31Bに対応するキャラクタを示す演出画像BT
1とともに、メータ画像MT1が表示される。メータ画像MT1は、動画像データから分
離された映像データを用いて、更新可能に表示されてもよい。この場合、動画像データの
読み出しに遅延が生じる読出遅延ありによって、表示停止期間ではメータ画像MT1の表
示も更新が停止される。そのため、例えば図25(B2)に示すように、読出遅延ありの
場合でも読出遅延なしの場合と同様に操作有効期間の残り時間を減少させるものでは、メ
ータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマ
のタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間とに、相違が生じてしまう
おそれがある。そこで、例えば図25(B3)に示すように、読出遅延ありの場合に操作
有効期間の残り時間を減少させないように一旦停止させれば、メータ画像MT1の表示状
態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際
に計測される操作有効期間の残り時間との相違がなくなり、違和感のない適切な演出によ
り不具合の発生を防止できる。ただし、タイマ停止の制御を行うことにより、設計段階よ
りも長い操作有効期間が設けられることになるので、設計段階では意図しなかったタイミ
ングでの遊技者による動作を検出して、リーチ後演出AR1が実行されてしまうことによ
る不具合が発生するおそれもある。
図25(C)に示すメータ画像MT1は、動画像データとは別個に用意された静止画像
データを用いて、アニメーション表示などにより更新可能に表示されてもよい。メータ画
像MT1の更新表示に用いられる静止画像データは、予めVRAM144の所定領域など
に記憶されていてもよい。メータ画像MT1の更新表示は、CPU131がROM132
から読み出した演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて制御されてもよ
い。この場合、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありによって、表示停止
期間ではメータ画像MT1の表示も更新が停止されることがある。なお、表示停止期間で
あっても、VRAM144に予め記憶された静止画像データを用いることで、メータ画像
MT1の表示を更新できるようにしてもよい。表示停止期間にてメータ画像MT1の更新
表示が停止される場合でも、表示停止期間が終了したときには、演出制御実行データでの
設定に応じて、読出遅延なしの場合と同様の表示状態となるように、メータ画像MT1の
表示が更新されてもよい。これにより、例えば図25(B2)に示すように、読出遅延あ
りの場合でも読出遅延なしの場合と同様に操作有効期間の残り時間を減少させるものでは
、少なくとも表示停止期間が終了した後に、メータ画像MT1の表示状態により報知され
る操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作
有効期間の残り時間との相違がなくなり、違和感のない適切な演出により不具合の発生を
防止できる。ただし、表示停止期間が終了したときに、メータ画像MT1の表示状態が不
連続に変化する場合があるので、メータ画像MT1の表示に違和感が生じて不具合が発生
するおそれもある。また、例えば図25(B3)に示すように、読出遅延ありの場合に操
作有効期間の残り時間を減少させないように一旦停止させるものでは、少なくとも表示停
止期間が終了した後に、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残
り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間
とに、相違が生じてしまうおそれがある。CPU131やVDP135では、表示停止期
間にて有効期間タイマに対するタイマ停止の制御が行われる場合に、メータ画像MT1の
更新表示も停止させる更新表示停止の制御が行われるようにしてもよい。これにより、違
和感ない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
図24(B3)に示す演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させるリーチ後演
出AR1は、遊技者による動作の検出結果にかかわらず実行される場合があってもよい。
例えば飾り図柄の可変表示を開始するときには、図8に示す可変表示開始設定処理のステ
ップS203にて、変動パターンに対応する演出制御パターンが決定される。そして、特
定の変動パターンに対応して決定された特定の演出制御パターンでは、演出制御プロセス
タイマ判定値と対応付けた演出制御実行データに含まれるモータ制御データとして、演出
実行タイミングに達したときに演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させるリー
チ後演出AR1の実行に用いられるデータが、予め設定されていてもよい。こうした特定
の演出制御パターンは、可変表示結果に応じて異なる割合で決定されてもよい。その決定
割合は、可変表示結果が「大当り」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも高
くなるように設定されていてもよい。この設定により、可変表示結果が「大当り」の場合
には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、リーチ後演出AR1が実行されやすくな
る。なお、可変表示結果に応じて演出用可動部材32A、32Bを動作させるリーチ後演
出AR1の実行割合を異ならせるものに限定されず、可変表示結果に応じて異なる割合で
演出用可動部材32A、32Bの動作態様が決定されてもよい。この場合には、演出用可
動部材32A、32Bの動作態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技
状態に制御される期待度を、異ならせることができる。
図26および図27は、エラー報知EH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図
である。図26は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示し
ている。図27は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示して
いる。図26および図27に示す制御例でも、図19および図20の制御例と同様に、可
変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図26に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される
。動画像の再生表示が開始された後に、エラーの発生が検出されたエラー検出時にて、エ
ラー報知EH1が実行される。エラー報知EH1は、エラー発生の検出に対応してROM
132に記憶された演出制御実行データを読み出すことにより、エラー検出時に遅延なく
実行可能である。エラー報知EH1は、パチンコ遊技機1における異常の発生の報知に関
する異常報知補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置
5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力
を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる
図26に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が
実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイ
ン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。
あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声
出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。
図26に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図
柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり
、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における
表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図27に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用
いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停
止となる期間がある。この表示停止期間にて、パチンコ遊技機1におけるエラーの発生が
検出された場合には、表示停止期間であってもエラー報知EH1が実行される。例えばエ
ラー報知EH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御
データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないよ
うに構成されていればよい。あるいは、エラー報知EH1の実行に用いられる演出制御実
行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を
含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に
用意されていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読出待機信号がオンで
あるときに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず
、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制
御実行データを用いて、エラー報知EH1を実行可能にすればよい。例えばCPU131
は、図6に示す演出制御メイン処理において、ステップS60のエラー報知処理を実行す
るときに、エラーの発生が検出された場合に対応して予め用意された演出制御実行データ
を、ROM132から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いてエラー
報知EH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停
止期間においてもエラー報知EH1を実行することができる。
図27に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された
後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画
像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表
示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、R
OM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値
などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「
右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、
微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した
表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった
、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ
表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示に
よるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、
映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅
延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出とな
る音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出
となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により
遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表
示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表
示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画
像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延
が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変
表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行
される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動
画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演
出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止
できる。
なお、図27に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始
されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば
遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定
しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。こ
のように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、
動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制するこ
とができる。
図28は、エラー報知EH1の実行例を示している。例えばスイッチ電源の短絡異常に
よるエラーといった、電源異常に関するエラー(電源異常エラー)の発生が検出された場
合には、図28(A)に示すように、「電源異常を検出しました」のメッセージを報知す
る音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される
。あるいは、前面扉が開放状態であることによるエラー(ドア開放エラー)の発生が検出
された場合には、図28(B)に示すように、「扉が開いています」のメッセージを報知
する音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行され
る。あるいは、下皿が遊技球で満タン状態であることによるエラー(満タンエラー)の発
生が検出された場合には、図28(C)に示すように、「玉を抜いてください」のメッセ
ージを報知する音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、エラー報知EH1
が実行される。
図6に示す演出制御メイン処理では、ステップS60にてエラー報知処理が実行された
ときに、主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに応じて、複数のエラーのうち
で、いずれのエラーが発生したかを判定する。この判定結果に対応して、ROM132に
記憶されたエラー報知用の演出制御実行データを選択して読み出し、読み出した演出制御
実行データを用いてエラー報知EH1を実行する。これにより、判定された異常に応じて
異なる演出態様により、異常報知補助演出に含まれるエラー報知EH1を実行すればよい
図29および図30は、予告演出AY1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図で
ある。図29は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示して
いる。図30は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示してい
る。図29および図30に示す制御例でも、図19および図20の制御例と同様に、可変
表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図29に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される
。動画像の再生表示が開始された後に、予告演出YA1が実行される。予告演出YA1は
、例えば予告演出パターンに対応して決定された演出制御パターンに含まれる演出制御実
行データを用いて、飾り図柄の可変表示中に遅延なく実行可能である。予告演出YA1は
、飾り図柄の可変表示中において、演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイ
マ判定値などに対応して、予め定められた予告実行タイミングに達したときに実行される
。予告演出YA1は、予告に関する予告補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリ
ーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8
L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関す
る表示補助演出に含まれる。
図29に示す制御例で予告演出YA1が実行された後には、リーチ後演出AR10が実
行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン
表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あ
るいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出
力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図
29に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄
の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、
特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表
示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図30に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用
いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停
止となる期間がある。この表示停止期間にて、予告実行タイミングに達した場合には、表
示停止期間であっても予告演出YA1が実行される。例えば予告演出YA1の実行に用い
られる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの
一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。
あるいは、予告演出YA1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、
ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表
示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリ
コントローラ123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU131は、
表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御
データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、予告演
出YA1を実行可能にすればよい。例えばCPU131は、図9に示す可変表示中演出処
理のステップS222にて更新した演出プロセスタイマのタイマ値に基づいて、ステップ
S223にて制御データ読出条件が成立したと判定されたときに、図8に示すステップ2
03にて決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データを読み出す。このと
き読み出した演出制御実行データを用いて予告演出YA1を実行するので、動画像の再生
表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても予告演出YA1を実行す
ることができる。
図30に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された
後には、図29の場合と同様に、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例
では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始さ
れる。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じた
か否かにかかわらず、ROM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制
御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示で
は、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の
対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表
示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は
、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間
であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行す
る。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関す
る表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため
、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応
じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても
、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は
、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表
示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表
示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画
像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延
が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変
表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行
される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動
画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演
出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止
できる。
なお、図30に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始
されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば
遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定
しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。こ
のように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、
動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制するこ
とができる。
図31は、予告演出YA1の実行例などを示している。予告実行タイミングに達したと
きには、例えば図31(A1)に示す「激熱だ!」の音声をスピーカ8L、8Rから出力
させる音声出力により、予告演出YA1が実行される。あるいは、予告実行タイミングに
達したときには、例えば図31(A2)に示すように、演出用点灯役物90を点灯させる
点灯態様により、予告演出YA1が実行される。あるいは、予告実行タイミングに達した
ときには、例えば図31(A3)に示すように、可動部材駆動モータ33A、33Bの駆
動力により演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させることで、予告演出YA1
が実行される。予告演出YA1は、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あ
るいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行可能な演出であればよい。
図31(B)に示すように、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに応じ
て異なる割合で、予告演出の有無として、予告演出YA1を実行するか否かが決定されて
もよい。この場合、CPU131は、例えば図8に示す可変表示開始設定処理のステップ
S202にて、図31(B)に示すような変動パターンに応じて異なる割合で、予告演出
YA1を実行するか否かを決定する。図31(B)に示す例では、変動パターンPA2−
3の場合と、変動パターンPA3−3の場合に、所定割合で予告演出YA1を実行するこ
とができる。図5に示すように、変動パターンPA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」
となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応して、リーチ
状態となった後に、ノーマルのリーチ演出、スーパーAのリーチ演出、スーパーBのリー
チ演出を、順番に実行可能な変動パターンである。変動パターンPA3−3は、可変表示
結果が「大当り」となる場合に対応して、リーチ状態となった後に、変動パターンPA2
−3と同様のリーチ演出を実行可能な変動パターンである。図31(B)に示す決定割合
は、変動パターンPA3−3の場合に、変動パターンPA2−3の場合よりも予告演出Y
A1が実行される割合が高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「
大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、予告演出YA1が実行さ
れやすくなる。また、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応して実行
されるスーパーBのリーチ演出は、ノーマルのリーチ演出が実行された場合よりも可変表
示結果が「大当り」になる割合が高くなるスーパーリーチのリーチ演出である。予告演出
YA1は、例えば動画像の再生表示によるスーパーAのリーチ演出が開始されることに対
応して、スーパーBのリーチ演出が開始される前に実行可能であってもよい。予告演出Y
A1が実行された場合には、変動パターンPA2−3または変動パターンPA3−3に対
応して、スーパーBのリーチ演出が実行されることを予告できるので、可変表示結果が「
大当り」となることに対する遊技者の期待感を、飛躍的に高めることができる。
変動パターンに応じて異なる割合で予告演出YA1を実行するか否かが決定されるもの
に限定されず、変動パターンに応じて異なる割合で予告演出YA1の演出態様が決定され
てもよい。この場合には、予告演出YA1の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り
」となり大当り遊技状態に制御される期待度や、スーパーBのリーチ演出といった特定演
出が実行される期待度を、異ならせることができる。また、飾り図柄の可変表示態様が「
リーチ」である場合に対応したリーチ変動パターンであれば、その変動パターンにかかわ
らず、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で予告
演出YA1を実行するか否かが決定されてもよいし、可変表示結果が「ハズレ」であるか
「大当り」であるかに応じて異なる割合で予告演出YA1の演出態様が決定されてもよい
予告演出YA1は、リーチ後演出AR1の場合と同様に、操作有効期間にてプッシュボ
タン31Bを押下操作する遊技者による動作の検出結果に基づいて、実行されてもよい。
この場合には、遊技者の動作を促す促進報知が実行されてもよいし、例えば動画像の再生
表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間にて、促進報知が実行されなくてもよい
。促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者によ
る動作を検出して、検出結果により予告演出YA1を実行可能にしてもよい。
予告演出YA1が実行される予告演出期間は、動画像の再生表示が開始されずに表示停
止となる表示停止期間の全部を含んでもよいし、表示停止期間の一部を含んでもよい。あ
るいは、表示停止期間が予告演出期間の全部を含んでもよいし、表示停止期間が予告演出
期間の一部を含んでもよい。このように、予告演出期間と表示停止期間は、少なくとも互
いの一部の期間が重複する場合に、表示停止期間であっても予告演出期間であれば予告演
出YAを実行可能に制御すればよい。
図32は、予告演出YA1を実行する場合の制御例を示すタイミング図である。図32
(A)は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合における動画再
生の制御例を示している。図32(B)は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出
遅延ありの場合における動画再生の制御例を示している。図32(C)は、予告演出YA
1を実行する制御例を示している。図32(A)に示す動画再生が「なし」から「あり」
に変更されるタイミングは、演出制御パターンを構成する演出制御実行データに含まれる
表示制御データなどにより指定される再生開始設定タイミングであり、設計の段階で動画
像の再生開始として設定されたタイミングである。
例えば図32(A)に示すような動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延な
しの場合であるか、図32(B)に示すような動画像データの読み出しに遅延が生じる読
出遅延ありの場合であるかにかかわらず、予告演出YA1は、図32(C)に示すように
、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立より前に、予告実行タイミング
に達することにより、実行が開始される。その後、再生開始設定タイミングをまたがって
予告演出期間が終了するまで、予告演出YA1が実行される。図32(B)に示す読出遅
延ありの場合は、動画像の再生開始に遅延が生じるものの、予告演出期間が終了するより
前に、動画再生が開始される。この場合、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、
動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間の全部を含んでいる。予告
演出YA1は、予告演出パターンに対応して決定された演出制御パターンを構成する演出
制御実行データなどを用いて、表示停止期間であるか否かにかかわらず、音声出力、点灯
態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、
実行される。
例えば表示停止期間が長期化した場合に、予告演出YA1が実行される予告演出期間は
、表示停止期間が終了するより前に、終了することがあってもよい。あるいは、予告演出
YA1が実行される予告演出期間は、再生開始設定タイミングより後に開始されてもよい
。この場合には、表示停止期間が開始されてから、その表示停止期間が終了するより前に
、予告実行期間が開始されることがある。また、表示停止期間が長期化した場合には、表
示停止期間が終了するより前に、予告実行期間が終了することがある。このように、予告
演出YA1が実行される予告演出期間と、表示停止期間との前後関係がどのような関係で
あっても、予告演出YA1は演出制御パターンを構成する演出制御実行データを用いて実
行が制御されることにより、予め定められた予告演出期間において実行できればよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例え
ばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくて
もよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で
説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば上記実施の形態で示した特徴の
うちで、不具合の発生を防止する特徴、記憶データを適切に保護するための特徴、適切な
演出を実行するための特徴のいずれか1つの特徴、あるいは、これらの少なくとも一部を
組み合わせた特徴を、備えたものであればよい。
上記実施の形態では、動画像データとして、図14(A)に示すように、圧縮符号化さ
れた映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されたデ
ータを用いて、映像出力と音声出力とが同期した動画像を再生するように、画像表示装置
5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行する
ものとして説明した。これに対し、例えばROM132に記憶された演出制御パターンを
構成する演出制御実行データの設定により、動画像の再生において、画像表示装置5の表
示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行できるよう
にしてもよい。この場合には、演出データメモリ123に記憶された画像データや音声デ
ータを読み出すときに、いずれか一方の記憶データの読み出しに生じた遅延を検出すると
、他方の記憶データを用いた制御の進行を待機させて、表示制御と演出音の出力制御とを
同期して実行してもよい。
この発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロット
マシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、
その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体
的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することに
よりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を
可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されること
により1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞
、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である
。このようなスロットマシンにおいて、遊技制御を行うための遊技制御用マイクロコンピ
ュータを含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することに
より、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備え
るように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成や各種の動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲
で、任意に変更および修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞の発生に基
づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、
遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することが
できる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設
定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマ
シンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式の
スロットマシンであってもよい。遊技機において実行される遊技は、任意の遊技であれば
よく、少なくとも遊技者にとって有利な有利状態に制御可能なものであってもよいし、遊
技者にとって有利な遊技価値を付与可能なものであってもよい。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1などの遊技機では、図11に示す制
御中演出データ転送処理のステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われること
により、不適切なCPU131のリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる
図10に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS252にてメモリ検査のインター
バルが経過したと判定されたことに基づいて、ステップS257での制御によりメモリ検
査を実行し、データ移転条件が成立すれば不良エリアの記憶データを代替エリアに移転す
る代替処理を実行できるので、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる
図20に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期
間においても、始動入賞報知SH1を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図23に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期
間においても、リーチ後演出AR1を実行できるので、遊技者による動作の検出に関する
演出を、適切に実行できる。
図23に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期
間においても、リーチ後演出AR1を実行できるので、演出用可動部材32A、32Bに
関する演出を、適切に実行できる。
図27に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期
間においても、エラー報知EH1を実行できるので、異常の発生の報知に関する演出を、
適切に実行できる。
図30に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期
間においても、予告演出YA1を実行できるので、予告に関する演出を、適切に実行でき
る。
図13に示すように、演出データメモリ123の記憶領域は、通常使用領域となるデー
タ領域と、代替使用領域となる冗長領域とを含んでいるので、不具合の発生を防止でき、
また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図12に示すメモリ検査処理のステップS455では、データ領域の不良エリアとなる
不良ブロックの記憶データを、冗長領域の代替エリアとなる代替エリアに移転する制御を
行うので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切
に実行できる。
図11に示す制御中演出データ転送処理のステップS271では、演出データメモリ1
23に記憶された演出データを読出中であるか否かを判定するので、不具合の発生を防止
できる。
図14(A)に示すように、動画像データは、表示制御に関する映像データと、演出音
の出力制御に関する音声データとが、一連のデータとして多重化して構成され、表示制御
と演出音の出力制御とを同期して実行できるので、適切に演出を実行できる。
図20、図23、図27および図30に示す制御例では、揺れ表示期間といった、可変
表示の表示結果が導出される前の期間にて、遅延した動画像の再生表示などの制御を実行
できるので、適切に演出を実行できる。
図11に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS280にて読出中クリア回数
がクリア上限判定値に達した場合に、ステップS281での設定によるウォッチドッグタ
イマ134のクリアを制限するので、不具合の発生を防止できる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、
上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変
更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示
した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限
的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内での
すべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊
技機1など)であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えば演出デー
タメモリ123など)と、前記記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な
表示制御手段(例えばCPU131、VDP135など)と、計測時間が監視時間を経過
したときに時間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマ134
など)とを備え、前記表示制御手段は、前記監視時間が経過するより前に前記信号発生手
段による計測時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS
273による制御など)と、前記記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて
前記第1制御が実行されない所定事象が発生した場合に、前記監視時間が経過するより前
に前記信号発生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送
処理のステップS281による制御など)とを実行可能であり、さらに、可変表示を実行
するときの背景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、前記第1背景では、可
変表示が1回実行される毎に第1背景楽曲(例えば楽曲A)を先頭から出力し、前記第2
背景では、複数回の可変表示に亘って第2背景楽曲(例えば楽曲B)を出力し、前記第2
背景では、可変表示を開始するときに所定音を出力可能である(例えば図57(B))遊
技機が挙げられる。
このような構成によれば、不具合の発生を防止できる。また、複数回の可変表示に亘っ
て楽曲を出力する状態であっても可変表示の開始タイミングが認識しやすくなり、遊技の
興趣が向上する。
また、上記遊技機において、表示制御手段によって、第1背景や第2背景の表示制御や
可変表示の表示制御が行われるようにしてもよい。このような構成によれば、背景や可変
表示の表示制御をするにあたって不具合の発生を防止することができる。
さらに、不具合の発生を防止することができ、また、第2制御手段を好適に動作させる
ことができる遊技機の形態の一例として、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状
態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であっ
て、可変表示を実行するときの背景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、前
記第1背景では、可変表示が1回実行される毎に第1背景楽曲(例えば楽曲A)を先頭か
ら出力し、前記第2背景では、複数回の可変表示に亘って第2背景楽曲(例えば楽曲B)
を出力し、前記第2背景では、可変表示を開始するときに所定音を出力可能である(例え
ば図57(B))遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例
として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図33は、他の形態におけるパチンコ
遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)9
01は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支
持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイド
レールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、
遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図33に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図
柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図
柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントや
ドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例と
なる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である
特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特
別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を
示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお
、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特
別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定さ
れず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せ
を異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていれ
ばよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、
「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を
示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示
装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表
示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはともに、例えば方形
状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「
0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なって
いてもよい。また、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそ
れぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するよ
うに構成されていてもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、画像表示装置905が設けられている
。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画
像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の表示領域では、特図ゲーム
における第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装
置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の
可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾
識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲー
ムに含まれる。
一例として、画像表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄
表示エリア905L、905C、905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおい
て第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904
Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中
」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変
動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変
表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置905における「左
」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図
柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにお
ける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2
特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を
行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)す
る。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾
り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を
終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果
となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0
」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表
示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示におけ
る表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図
柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少
な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図
柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可
変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字
や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号
とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、
これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾
り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付さ
れている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図
柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレと
なる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7
種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示され
るまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、90
5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと
流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄
が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。
あるいは、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rのうち少なくともいずれか
1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいも
のから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示さ
れると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置905の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されてい
る。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特
図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(保留表示)が行われる。ここで、特
図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞
口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)
することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表
示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立し
たが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技
機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許
容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が
行われる。始動入賞記憶表示エリア905Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を
遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始
動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものである
かに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。
画像表示装置905の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア905Hの左側方には、
変動中特図表示エリア905Iが設けられている。変動中特図表示エリア905Iには、
現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。現在実行されている可変表示
に対応した表示は、実行中表示、アクティブ表示、可変表示対応表示などともいう。なお
、実行中表示と保留記憶表示を総称して特定表示ともいう。第1始動入賞口に遊技球が進
入したことに基づき第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム
の実行中には、変動中特図表示エリア905Iに丸型で実行中表示が表示される。また、
第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置904Bにおける
第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア905Iに丸型で実行
中表示が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示
エリア905Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア905Iにシフトして表
示されることとなる。変動中特図表示エリア905Iの表示により、遊技者は第1特別図
柄表示装置904Aまたは第2特別図柄表示装置904Bのいずれで特図ゲームが実行さ
れているかを把握することができるようにしてもよい。なお、保留記憶表示と実行中表示
とで大きさや形状を異ならせてもよい。
図33に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装
置904A及び第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表
示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている
。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表
示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、
第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数
は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記
憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数
ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特
図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例
えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)
を指すこともあるものとする。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置90
6Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常
に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成す
る。普通可変入賞球装置906Bは、図34に示す普通電動役物用となるソレノイド90
81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する
一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第
2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081
がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口
を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906B
では、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置
となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態と
なる。なお、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入
賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入す
る可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、
通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞
口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第
2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)
しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例
えば図34に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装
置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図34に示
す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aに
よって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として
払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始
動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基
づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が
所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動
口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個
数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出
される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装
置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図34に示す大入賞口扉用と
なるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によ
って開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオ
フ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(
進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレ
ノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球
が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊
技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)で
きず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入
)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入
)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図34に示すカウントスイッチ9023
によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づ
き、所定個数(例えば15個や10個等)の遊技球が賞球として払い出される。こうして
、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)
したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が
通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装
置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり
、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907におい
て大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ること
が不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図33に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表
示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄
表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリ
クスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(
「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような
普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普
図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041
を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる
風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大
入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保
たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のい
ずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、
所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方
には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられてい
る。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908
L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設
けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装
置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲には、
装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体と
しての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハ
ンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操
作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装
置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タ
ッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊
技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯
留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から
溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿
が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下
皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ90
31Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する
操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差
し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者
がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状
態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の
指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対す
る押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に
対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾
倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の
中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ
(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤90
2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせ
た4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばス
ティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指
示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031B
は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電
磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置
における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の
操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技
球が図34に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表
示器9020にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例
えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普
図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始
される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が
経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。
このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普
図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その
一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当
り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」と
なる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球
装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾
動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図3
4に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件
が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第
1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲーム
が開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(
進入)した遊技球が図34に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたこと
などにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終
了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置9
04Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームでは
、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると
、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このと
き、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結
果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停
止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図
柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウ
ンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態(有利状態、特定状
態)としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」に
なった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御さ
れる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「
7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄
とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装
置904Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図
柄は、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図
柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や
小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果とし
ての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置907の大入
賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるい
は所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態と
する。これにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状
態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤902の表面を落
下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞
球装置907を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウン
ドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限
回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウ
ンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊
技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって
有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)と
なるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置907を第1状
態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウン
ドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7
」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別
図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常
開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態とし
ての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置907の大入賞口
扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるい
は所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とす
ることにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)
に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態と
もいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に
制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態
)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態に変化
させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放
大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短
期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、
それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短
期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウン
ド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにして
もよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば
15個や10個等)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間
(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には
出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特
定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特
定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定され
ず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放
ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞
口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回
数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウン
ド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入
)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間
よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態
における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいず
れか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄とし
て導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊
技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置907において大入賞口を
遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すな
わち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置907を第2期間にわたり第1状
態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905
L、905C、905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた
特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとの
うち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始さ
れる。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図
柄表示エリア905L、905C、905Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変
表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となること
がある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置905の表示領域にて停止表示された飾り図柄
が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リー
チ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一
部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状
態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、
905C、905Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905
L、905Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」
の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾
り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア905Cなど)では飾り図柄が変
動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L
、905C、905Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を
構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像
表示装置905の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画
像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を
再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以
前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景
画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作
を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表
示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L、908Rによる音声出力
動作や、遊技効果ランプ909などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リー
チ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種
類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そし
て、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信
頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに
応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリー
チβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリ
ーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリー
チ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度
)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ
状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなど
を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行され
ることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行
可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板9011の側で変動パター
ンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」
の可変表示演出は、主基板9011の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制
御基板9012の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L
、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示
エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)にて飾
り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例
えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア9
05Lと「右」の飾り図柄表示エリア905Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄
を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表
示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始され
てから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止
表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄
の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構
成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか
一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果
となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エ
リア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後
、全部の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄を再び変動(擬
似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連
変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止
するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、9
05C、905Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905
L、905C、905Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうち
いずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に
、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演
出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件ある
いは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4
回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出に
おける擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多
くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似
連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止
後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の
可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図
柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、9
05C、905Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス
目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とし
て所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮
停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状
態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された
後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにお
ける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄
として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出で
は、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示
結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表
示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ
組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア905
L、905C、905Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出
とは異なり、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの一部にて飾り図柄を再
び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示
演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や
音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により
、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによ
るリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性が
あることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演
出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C
、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態が
リーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rに
て飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、
可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の
可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)となるものが含まれる。
先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる
可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告
演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示
にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演
出は、連続予告演出とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象の可変表示が実行されるよりも
前の複数回の可変表示において、予め定められた飾り図柄の組合せが導出表示される停止
図柄予告が実行されるようになっている。この実施の形態では、予め定められた飾り図柄
の組合せは、リーチハズレの組合せとなっている。遊技者は、リーチハズレの組合せが連
続して導出表示されることで、後の可変表示において大当りとなる可能性が高いことを認
識できる。
先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて特図保留記憶数を特
定可能に表示する保留記憶表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化さ
せることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告す
る保留表示予告が実行されるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア905
Hにおける保留記憶表示を、所定のタイミングにおいて通常の表示態様と異なる特別態様
で表示する保留表示予告が実行されるようにしてもよい。
始動入賞記憶表示エリア905Hに加えて、変動中特図表示エリア905Iにおいても
先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。この実施の形態では、保留が消化された
ことに対応して始動入賞記憶表示エリア905Hから除去された保留記憶表示は、この変
動中特図表示エリア905Iにシフトして表示されることとなるが、始動入賞記憶表示エ
リア905Hにおいて特別態様で保留記憶表示がなされているときに、変動中特図表示エ
リア905Iにシフトする場合には、変動中特図表示エリア905Iにおける実行中表示
も特別態様とするようにしてもよい。このようにすることで、保留記憶数が少ない段階で
先読み予告演出が実行された場合であっても、表示態様が特別態様に変化する機会を増や
すことができ、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行され
るときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が
「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている
。変動中予告演出は、演出画像の表示、音声の出力、ランプの点灯、演出役物の動作、そ
れらの組み合せ等によって、「大当り」となる可能性などを予告するものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出
)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリ
ーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることが
ある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にお
ける「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出
)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリ
ーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出
が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることが
ある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にお
ける「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄
のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には
、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実
行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、
所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止
表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置905におけ
る「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可
変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4
」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り
図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示
されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、
「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリー
チ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確
定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」とな
る場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」
ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったこ
とに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制
御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表
示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状
態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設
定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実
行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数
(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となる
ことのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄
のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には
、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態
様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が
実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り
図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像
表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、90
5C、905Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番
号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「
中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライ
ン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が
奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲー
ムにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変
表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるよう
にしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特
図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、
可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」
ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったこと
に基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変
動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにお
いて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くな
るように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」と
なって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。
なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図
ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後
に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確
変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通
図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲ
ームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上さ
せる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906
Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御
、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞
口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にと
って有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が
進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御と
しては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み
合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないと
きよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置90
4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすく
なり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となる
までの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい
、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態と
もいう。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、通常状態あるいは低ベース
状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともい
う。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態と
も称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高
確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる
遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するた
めに、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開
放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するため
に、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が
行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放
制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の
遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲ
ームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り
」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状
態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態(特別状態)とも称される
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開
放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小
当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、
開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止
表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウン
ド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった
ことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確
定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が
停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して
、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大
当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともい
う)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可
変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その
終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り
図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状
態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」
となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる
特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数
に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となる
ことがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示され
た後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「
突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小
当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の
可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口
が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに
基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を
構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御され
ることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に
制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中に
は、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置905における
「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに通常大当
り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾
り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び
変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾
り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)さ
せる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、
その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せ
となる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種
別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮
停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止
表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることも
ある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始
時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウ
ンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終
のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状
態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、
大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示
ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了して
から実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状
態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇
格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、
画像表示装置905の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいず
れかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異な
る演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識で
きるように報知すればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図34に示すような主基板9011、演出制御基板
9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が
搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板90
12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載さ
れている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例
えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各
種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の
進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲ
ームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力
を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の
一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュ
ータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1
特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えば
セグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御
することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示
器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表
示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検
出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ901
00に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100か
らのソレノイド駆動信号をソレノイド9081、9082に伝送するソレノイド回路90
111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継
基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置
905、スピーカ908L、908R及び遊技効果ランプ909といった演出用の電気部
品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板
9012は、画像表示装置905における表示動作や、スピーカ908L、908Rから
の音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ909などにおける点灯/消灯動作の
全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内
容を決定する機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用
の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、スピー
カ908L、908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路など
が搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けら
れたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ
などに基づき、遊技効果ランプ909などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ
回路などが搭載されている。
図34に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイ
ッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出
信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイ
ッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023は、例えば
センサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を
有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、
第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、
第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令
信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9
015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板
9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制
御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示
動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rから
の音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾
用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている
図35(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説
明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(
コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデー
タの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」と
される。なお、図35(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態
を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることに
なるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であ
ってもよい。
図35(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置904
Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマン
ドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用
いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81
XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置905におけ
る「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変
表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。こ
こで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に
応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動
パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結
果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図35(B)に示すよう
に、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)
や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決
定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的
には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す
第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り
」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する
第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り
」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第
3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」
で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4
可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」と
なる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り
図柄表示エリア905L、905C、905Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する
図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の
遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパ
チンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される
。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない
遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コ
マンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベ
ース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド95
02Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、
時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時
短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対
応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示
を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマ
ンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態とな
っている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2X
XHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に
変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3X
XHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当
り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンド
と同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果
に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当
り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデー
タとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにし
てもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常
開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「1
5」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進
入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入
賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた
特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定
コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始
動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始
動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置904Bにおけ
る第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する
第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア905Hなどにて特図保留記憶数を特
定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドで
ある。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア905Hなどにて特図保留記憶数
を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマン
ドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入
)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信され
るときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶
数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成
立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板901
1から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや
第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき
に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したと
きに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶
数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図
保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいず
れに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマン
ドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記
憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加し
たときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶
数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コ
マンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2
特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算
指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数
を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保
留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられ
てもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制
御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、
入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否
か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは
、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´がいずれの決定値の
範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドで
ある。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図46参照)において、始動入賞の発生
に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否
か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´がいずれの決定値の範囲に
なるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当
り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、
演出制御基板9012に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEX
Tデータに判定結果としての乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定
し、演出制御基板9012に対して送信する制御を行う。演出制御基板9012に搭載さ
れた演出制御用CPU90120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、
可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できると
ともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用
の乱数値MR3´が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」とな
る場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当
り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC
402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3
図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が
「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示
結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマ
ンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータ
とを共通化してもよい。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1
チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶す
るROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRA
M(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作
を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立し
て乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/output p
ort)90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がR
OM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901
における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU9010
3がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU9010
3がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動
作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み
出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイ
クロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU9
0103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部
へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図36は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である
。図36に示すように、この実施の形態では、主基板9011の側において、特図表示結
果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン種別決定
用の乱数値MR3´、変動パターン決定用の乱数値MR4´、普図表示結果決定用の乱数
値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果
を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御す
るために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR5´の一部または全部を示す数
値データをカウントするものであればよい。CPU90103は、例えば図40に示す遊
技制御カウンタ設定部90154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路90
104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを
更新することで、乱数値MR1´〜MR5´の一部を示す数値データをカウントするよう
にしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1´は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示
結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」
として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例
えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2´は、
可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別
を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり
、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における
変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱
数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値
MR4´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複
数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」
の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5´は、普通図柄表示器9020に
よる普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかな
どの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をと
る。
図37は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、
可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」で
ある場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り
」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表
示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動
パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称さ
れ、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応
した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と
称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズ
レ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」で
ある場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行さ
れるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといった
スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表
示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称され
る。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小
当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図37に示す各変動パターンは、予め定められた複数の変動パターン種別のうち、少な
くとも1つの変動パターン種別に含まれていてもよい。各変動パターン種別は、例えば飾
り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)され
た単一または複数の変動パターンを含むように構成されてもよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化
)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パ
ターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スー
パーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる
変動パターン種別とに分けてもよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについて
は、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に
応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変
表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるように
してもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じ
て、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パ
ターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図34に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101に
は、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の
選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、
CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブル
や決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM9
0101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信
号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図
37に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテー
ブルデータなどが、記憶されている。
図38は、ROM90101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示して
いる。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図38(A)に示す第1
特図表示結果決定テーブル90130Aと、図38(B)に示す第2特図表示結果決定テ
ーブル90130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル9013
0Aは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変
表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」と
して大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状
態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために
参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル90130Bは、第2特別図
柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定
特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態
に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否か
を、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブル
である。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aでは、パチンコ遊技機901における遊技
状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに
応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、「大当り
」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決
定テーブル90130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか
、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較
される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている
第1特図表示結果決定テーブル90130Aや第2特図表示結果決定テーブル9013
0Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデ
ータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に
割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル90130A
と第2特図表示結果決定テーブル90130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高
確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決
定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機
901において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態
(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制
御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル9013
0Aと第2特図表示結果決定テーブル90130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機90
1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大
当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技
状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30
000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられてい
る。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル90130Bの設定例では、「小当り」
の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄
表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成
立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置904B
による第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づ
いて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状
態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状
態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変
状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入
賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態
の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表
示結果決定テーブル90130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル90130
Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てら
れるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル90130Bでは、第1
特図表示結果決定テーブル90130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示
結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であ
るときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当
り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開
始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テー
ブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図39は、ROM90101に記憶される大当り種別決定テーブル90131の構成例
を示している。大当り種別決定テーブル90131は、特図表示結果を「大当り」として
大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基
づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大
当り種別決定テーブル90131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた
特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲーム)であるか第2特
図(第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決
定用の乱数値MR2´と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」
といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル90131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特
図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。す
なわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」
の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図であ
る場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような
設定により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始す
るための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定
する場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始す
るための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定
する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に
、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制
御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変
入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において
、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊
技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる
所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば
、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決
定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図
であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別
の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM90101には、特図表示結果や、変動パターン種別決定用の乱数値MR
3´や、変動パターン決定用の乱数値MR4´に基づいて、変動パターンを複数種類のう
ちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルなどが記憶される。
図34に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は
、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバ
ックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機90
1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放
電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または
全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態
に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアッ
プRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、
停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生
前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球
数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制
御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図40に示すような
遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図40に示す遊技制御用デー
タ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部9
0151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊
技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッ
ファ設定部90155とを備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞
口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始され
ていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲー
ム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始
動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進
入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104
等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR
2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとし
て、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特
図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実
行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)
に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動
入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始
されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図
ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第
2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過
(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路901
04等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値
MR2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データ
として、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特
図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実
行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)
に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基
づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによ
る第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保
留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始
動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、
保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッ
チ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始
されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは
、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過
に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果決
定用の乱数値MR5´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値
(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部90152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況
などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フ
ラグ設定部90152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデー
タや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部90153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制
御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部
90153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される
遊技制御カウンタ設定部90154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を
制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられてい
る。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154には、複数種類のカウンタそれぞれにお
けるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部90154
には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能に
カウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタには、乱数値MR2´
〜MR5´を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103
によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値デー
タが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフ
トウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作と
は別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値
データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによ
りランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部90155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を
制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
例えば、遊技制御バッファ設定部90155には、複数種類のバッファそれぞれにおける
バッファ値を示すデータが記憶される。
図34に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は
、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入
力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送する
ための出力ポートとを含んで構成されている。
図34に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う
演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するRO
M90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM9012
2と、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行
する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数
値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM901
21から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品に
よる演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90
120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用
CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変
動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されてい
る各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/
O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信
動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の
外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板
9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、画像表示装置905に対して映像信号を伝送するための配
線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を
伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号とし
ての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板901
2には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを
示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット9035Aから伝送
するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したこと
を示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための
配線も接続されている。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124などにより、演出動作を制御す
るために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうし
た演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図34に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用の
プログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが
格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の
判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成する
テーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されてい
る。
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(
例えば画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909及び装
飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パター
ンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは
、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対
応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブル
には、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パ
ターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにお
いて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示される
までの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演
出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様
々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは
、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出
動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチン
コ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、
その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンご
とに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パ
ターンが含まれてもよい。
図41(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パター
ンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プ
ロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制
御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成さ
れ、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されてい
ればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設け
られた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれ
ていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内
蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制
御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出
時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に
代えて、例えば主基板9011から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御
用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行
されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング
等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示
すデータといった、画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示態様を示すデ
ータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における
演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可
変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータと
いった、スピーカ908L、908Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。
すなわち、音声制御データは、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作を指定す
るデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ909や装飾用LEDと
いった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御デー
タは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作
ボタン9030といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場
合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御
データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これら
の制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演
出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演
出制御パターンがあってもよい。
図41(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明す
るための図である。演出制御用CPU90120は、演出制御パターンに含まれる各種の
制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ
値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセ
スタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示
させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置905の画
面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ9
08L、908Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指
定される態様で遊技効果ランプ909や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い
、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ903
1Aやプッシュボタン9031Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行
う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部
品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい
図41(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの
期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中にお
ける一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するた
めの演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定
期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了
時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制
御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU90120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変
動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図
変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU90120は、例えば
予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パター
ン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パ
ターンを構成するパターンデータを、ROM90121から読み出してRAM90122
の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデ
ータのROM90121における記憶アドレスを、RAM90122の所定領域に一時記
憶させて、ROM90121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。そ
の後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の
いずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データ
に応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU90120は、演出制御
パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容
に従って、演出装置(画像表示装置905、スピーカ908L、908R、遊技効果ラン
プ909や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行さ
せる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタ
イマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声
制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、
操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御
内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#
nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU90120か
ら表示制御部90123や音声制御基板9013などに対して出力される。演出制御用C
PU90120からの指令を受けた表示制御部90123では、例えば所定のVDP等が
その指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRA
Mに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU90120から
の指令を受けた音声制御基板9013では、例えば音声合成用ICがその指令に示される
音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどに
より展開させる。
図34に示す演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制
御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図42(A)に示すよ
うな演出制御用データ保持エリア90190が設けられている。図42(A)に示す演出
制御用データ保持エリア90190は、演出制御フラグ設定部90191と、演出制御タ
イマ設定部90192と、演出制御カウンタ設定部90193と、演出制御バッファ設定
部90194とを備えている。
演出制御フラグ設定部90191には、例えば画像表示装置905の画面上における演
出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から伝送された演出制御コ
マンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制
御フラグ設定部90191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示す
データや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部90192には、例えば画像表示装置905の画面上における演
出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類
のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部90192には、複数種類の
タイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部90193には、各種演出動作の進行を制御するために用いら
れる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部90193
には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部90194には、各種演出動作の進行を制御するために用いら
れるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッ
ファ設定部90194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデー
タが記憶される。
この実施の形態では、図42(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ90
194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部90194の所定領域に記憶され
る。始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aには、合計保留記憶数の最大値(例え
ば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けら
れている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞
指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄
指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数
通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして
、主基板9011から演出制御基板9012へと送信される。始動入賞時受信コマンドバ
ッファ90194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カ
テゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保
されている。
演出制御用CPU90120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受
信コマンドバッファ90194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時
には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数
通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われ
れば、図42(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格
納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記
憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図42(B)では、バッファ
番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図42(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aに格納されているコ
マンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1
」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる
。例えば図42(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場
合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2
」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域に
シフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている
各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図42(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aのうち、バッファ番
号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマ
ンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図42(B)に示す例では、バ
ッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の
記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始
動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知
コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読
み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が
発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)され
るまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出
の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に
、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定
情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限
する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予
告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の
態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図42(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aには、各バッファ番
号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶され
る。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「
2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、予告表
示予告の先読み予告演出が実行されている場合には特別態様となる。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイ
クロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理と
なる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、
割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90
102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵された
CTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(
例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、C
PU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了す
ると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチン
コ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理
を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求
信号を受信して割込み要求を受け付けると、図43のフローチャートに示す遊技制御用タ
イマ割込み処理を実行する。図43に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、C
PU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90
110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口ス
イッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出
信号の状態を判定する(ステップS9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実
行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要
ならば警告を発生可能とする(ステップS9012)。この後、所定の情報出力処理を実
行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピ
ュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステ
ップS9013)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR1´〜MR5´と
いった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新
処理を実行する(ステップS9014)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセ
ス処理を実行する(ステップS9015)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ
設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における
遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置
904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉
動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS90
16)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表
示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して
、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定な
どを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行す
ることにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対し
て制御コマンドを伝送させる(ステップS9017)。一例として、コマンド制御処理で
は、遊技制御バッファ設定部90155に設けられた送信コマンドバッファの値によって
指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる
出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出
力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御デ
ータをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態と
することなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を
可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技
制御用タイマ割込み処理を終了する。
図44は、特別図柄プロセス処理として、図43に示すステップS9015にて実行さ
れる処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CP
U90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。図45
は、始動入賞判定処理として、図44のステップS90101にて実行される処理の一例
を示すフローチャートである。
図45に示す始動入賞判定処理において、CPU90103は、まず、普通入賞球装置
906Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ9022A
からの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであるか否かを判定する
(ステップS90201)。このとき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであれば(
ステップS90201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1
特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否
かを判定する(ステップS90202)。CPU90103は、例えば遊技制御カウンタ
設定部90154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カ
ウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS9
0202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90202;N
o)、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた始動口バッファの格納値を
、「1」に設定する(ステップS90203)。
ステップS90201にて第1始動口スイッチ9022Aがオフであるときや(ステッ
プS90201;No)、ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値に達し
ているときには(ステップS90202;Yes)、普通可変入賞球装置906Bが形成
する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ9022Bからの検出信号
に基づき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであるか否かを判定する(ステップS9
0204)。このとき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであれば(ステップS90
204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数
が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(
ステップS90205)。CPU90103は、例えば遊技制御カウンタ設定部9015
4に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み
取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90205にて第
2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90205;No)、例えば遊
技制御バッファ設定部90155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定
する(ステップS90206)。
ステップS90203、S90206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッ
ファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新す
る(ステップS90207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保
留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2
保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動
入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件
が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、
第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2
始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶
数も1加算するように更新する(ステップS90208)。例えば、遊技制御カウンタ設
定部90154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウ
ント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS90208の処理を実行した後に、CPU90103は、乱数回路9010
4や遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタによって更新されている数値
データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値M
R2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データを、抽出する(ステ
ップS90209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値
に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされるこ
とで記憶される(ステップS90210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であると
きには、第1特図保留記憶部90151Aに乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データ
がセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部9
0151Bに乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´を示す数値
データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否
か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いら
れる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間
を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU90
103は、ステップS90209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可
変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部ま
たは全部を示す数値データを抽出する。
ステップS90210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマ
ンドの送信設定が行われる(ステップS90211)。例えば、始動口バッファ値が「1
」であるときにはROM90101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶
アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッフ
ァ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して第1始動口入賞指定コ
マンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であると
きにはROM90101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを
送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012
に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された
始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図43に示すス
テップS9017のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から
演出制御基板9012に対して伝送される。
ステップS90211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS
90212)。その後、例えばROM90101における保留記憶数通知コマンドテーブ
ルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定さ
れたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して保留記憶数
通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS90213)。こうして設定され
た保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図43に示す
ステップS9017のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011か
ら演出制御基板9012に対して伝送される。
ステップS90213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「
2」であるかを判定する(ステップS90214)。このとき、始動口バッファ値が「1
」であれば(ステップS90214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納
値を「0」に初期化してから(ステップS90215)、ステップS90204の処理に
進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS90214
;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステ
ップS90216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ9
022Aと第2始動口スイッチ9022Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出
した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図46は、入賞時乱数値判定処理として、図45のステップS90212にて実行され
る処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図
柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄
の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制
御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変
表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体
的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球
が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、C
PU90103がステップS90212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、
特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1´
であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様と
なるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小
当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、こ
の先読み結果に基づいて、演出制御基板9012の側で演出制御用CPU90120など
により、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図46に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU90103は、まず、例えば遊技
制御フラグ設定部90152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認する
ことなどにより、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を特定する(ステップS
90401)。CPU90103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であるこ
とを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを
特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定
すればよい。
ステップS90401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル90130Aま
たは第2特図表示結果決定テーブル90130Bを構成するテーブルデータから、始動口
バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用
いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS90402)。その
後、図45のステップS90209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´
を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS904
03)。大当り判定範囲には、ステップS90402の処理により選択された特図表示結
果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定
値が設定され、CPU90103が乱数値MR1´と各決定値とを逐一比較することによ
り、乱数値MR1´と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定
範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、
CPU90103が乱数値MR1´と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較すること
により、乱数値MR1´が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。こ
のとき、乱数値MR1´が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その
乱数値MR1´を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定
(大当り始動判定)できる。
ステップS90403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップ
S90403;No)、その乱数値MR1´を示す数値データが所定の小当り判定範囲内
であるか否かを判定する(ステップS90404)。CPU90103は、ステップS9
0402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」
の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を
実行することにより、乱数値MR1´が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定でき
ればよい。ステップS90404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(
ステップS90404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定
コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90
405)。一例として、CPU90103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを
「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS90405の処理に続いて、ステップS90401の処理により特定された
現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値
を設定する(ステップS90406)。変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別
決定用の乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じ
て予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するため
に設定される判定値となる。この実施の形態では、少なくとも可変表示結果が「ハズレ」
となる場合に、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可
変表示態様となる変動カテゴリ(「非リーチ共通」の変動カテゴリ)、時短制御の有無や
合計保留記憶数にかかわらず共通して「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテ
ゴリ(「スーパーリーチ共通」の変動カテゴリ)、それら以外の「ハズレ」の変動カテゴ
リ(「その他のハズレ」の変動カテゴリ)が設けられる。そして、乱数値MR3´に基づ
いて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
ステップS90404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS
90404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンド
を、演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90407)
。一例として、CPU90103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H
」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS90407の処理に
続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS90408)。例
えば、ステップS90408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定
閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´にお
ける最大値であり、乱数値MR3´は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値
となる。すなわち、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つの
み設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
ステップS90403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS
90403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づいて、大当り種別を判
定する(ステップS90409)。このとき、CPU90103は、始動口バッファ値に
対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「
第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル90131を構成するテーブルデータか
ら大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テー
ブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定
する。こうしたステップS90409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを
、演出制御基板9012に対して送信するための設定が行われる(ステップS90410
)。一例として、ステップS90409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定し
た場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非
確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02
H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにお
けるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ス
テップS90410の処理に続いて、ステップS90409の処理による判定結果に応じ
た変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS90411)。
ステップS90406、S90408、S90411の処理のいずれかを実行した後に
は、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定
用の乱数値MR3´を示す数値データとを用いて、乱数値MR3´が含まれる決定値の範
囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS90412)。
なお、ステップS90406、S90408、S90411の処理により、予め定めら
れた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、変動パターン種別決定テーブル
のいずれかを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの
判定を行うようにしてもよい。その後、ステップS90412の処理による判定結果に応
じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定を行っ
てから(ステップS90413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図46に示す入賞時乱数値判定処理では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」とな
る場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲とな
る変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、可変表示結果が「大当り」
や「小当り」に決定される場合には、変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。
この場合、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマ
ンドを送信するとともに、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動
パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよ
い。
図45に示す始動入賞判定処理や図46に示す入賞時乱数値判定処理では、図45にお
けるステップS90211の処理を実行した後に、ステップS90212にて図46に示
す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図46におけるステップS90405、S
90407、S90410、S90413の処理を実行し、さらに図45におけるステッ
プS90214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図43に示すステッ
プS9017のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞
口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口
入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、
図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通
知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして
、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるも
のに限定されず、タイマ割込毎にステップS9017のコマンド制御処理により1つずつ
コマンドが順次に送信されてもよい。
図44のステップS90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103
は、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ス
テップS90110〜S90120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のとき
に実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図
保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図
柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームを開始するか否か
の判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1´
を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小
当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する
。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応し
て、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームに
おける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図
プロセスフラグの値が“1”に更新される。なお、この実施の形態では、第2特図を用い
た特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようになっている
(特図2優先消化ともいう)。そのため、特別図柄通常処理では、第1特図を用いた特図
ゲームの実行条件、及び、第2特図を用いた特図ゲームの実行条件が成立している場合(
第1特図保留記憶部90151A及び第2特図保留記憶部90151Bに保留データが記
憶されている場合)には、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件を優先的に成立させる
制御が実行される。なお、これに対して、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球
の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入
賞順消化ともいう)。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”の
ときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「
小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値M
R3´を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理
や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4´を示す
数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれてい
る。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図
プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90110の特別図柄通常処理やステップS90111の変動パターン設定
処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可
変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パター
ン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2
´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´、変動パターン決定用の乱数値MR4´を
用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のとき
に実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図
柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図
柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステッ
プS90112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部9015
3に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは
1加算して、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームである
か、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかか
わらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が
変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ス
テップS90112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1
特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置904Bにおける
第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御す
る処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変
動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のとき
に実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図
柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定
特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技
制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定
などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更
新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には
、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグが
ともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のとき
に実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなど
に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とする
ための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変
」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の
上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」
に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラ
ウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより
、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応
して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウン
ドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短
期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値
が“5”に更新される。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のとき
に実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を
計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された
遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなっ
たか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときに
は、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる
処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のとき
に実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回
数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値
に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれて
いる。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、
特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したと
きには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに
実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908
R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知す
る演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するま
で待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するため
の各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プ
ロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のとき
に実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基
づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含
まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が
「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期
間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定す
ることにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセ
スフラグの値が“9”に更新される。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のとき
に実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を
計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状
態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖
状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対する駆動信号の供給を停止
させる処理などが実行されればよい。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のとき
に実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、90
8R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知
する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含
まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状
態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における
遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、
特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用C
PU90120が起動して、図47のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を
実行する。図47に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120
は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のク
リアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タ
イマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか
否かの判定を行う(ステップS9072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジ
スタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされ
る。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9072;No)、ステ
ップS9072の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込
みとは別に、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。
この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることに
より発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発
生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に
割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を
発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状
態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する
。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、
中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力
ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制
御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部90194に設けられた演出制御コマンド
受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合に
は、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド
受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定
してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS9072にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS907
2;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9
073)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9074)。ステップS9074に
て実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピ
ュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種
の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設
定や制御などが行われる。
ステップS9074にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を
実行する(ステップS9075)。ステップS9075の演出制御プロセス処理では、例
えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、9
08Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった装飾発光体
における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出
動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判
定や決定、設定などが行われる。
ステップS9075の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され
(ステップS9076)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定
部90193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを
、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS9072の処理に戻る。
図48は、演出制御プロセス処理として、図47のステップS9075にて実行される
処理の一例を示すフローチャートである。図48に示す演出制御プロセス処理において、
演出制御用CPU90120は、まず、始動入賞記憶表示エリア905Hや変動中特図表
示エリア905Iに保留表示や実行中表示(特定表示)を表示するための特定表示処理を
実行する(ステップS90161)。特定表示処理では、保留表示予告を実行するための
処理が行われてもよい。
ステップS90161の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、先読み予
告演出として、停止図柄予告を実行するための停止図柄予告設定処理を実行する(ステッ
プS90162)。
ステップS90162の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えば演
出制御フラグ設定部90191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下
のようなステップS90170〜S90177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”の
ときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011からの第1
変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表
示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んで
いる。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”の
ときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置90
4Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開
始されることに対応して、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示や、その他の
各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定
飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のと
きに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU901
20は、演出制御タイマ設定部90192に設けられた演出制御プロセスタイマにおける
タイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可
変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動
時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、
あるいは、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応し
て、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示さ
せる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾
り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された
変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御
コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示
して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには
、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のとき
に実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120
は、主基板9011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定す
る。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り
遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に
対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したと
きに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出
プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当
り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには
、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラ
グの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”の
ときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU901
20は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し
、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、
音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、90
8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信
号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることと
いった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理で
は、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出
プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”
のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU9
0120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、
その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音
声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908
Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号
)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることとい
った、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセ
スフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のとき
に実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120
は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、そ
の設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声
制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908R
から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)
の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといっ
た、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、
例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御
プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”の
ときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU9
0120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、
その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音
声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908
Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号
)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることとい
った、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセ
スフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図49は、停止図柄予告設定処理として、図48のステップS90162にて実行され
る処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す停止図柄予告設定処理において
、演出制御用CPU90120は、まず、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球
が進入したことによって始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS90701)
。ステップS90701の処理では、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入
賞指定コマンドといった始動口入賞指定コマンドを受信したか否か判定することにより、
始動入賞が発生したか否かを判定すればよい。
始動入賞が発生したと判定された場合(ステップS90701;Yes)、現在既に停
止図柄予告を実行中であるかを判定する(ステップS90702)。停止図柄予告を実行
中であるかは、例えば、停止図柄予告実行中フラグがオン状態であるか否かにより判定す
ればよい。停止図柄予告実行中フラグは、停止図柄予告を開始するときにオン状態にセッ
トされ、停止図柄予告を終了するときにオフ状態にリセットされる。
停止図柄予告を実行中でなければ(ステップS90702;No)、低ベース状態であ
るか否かを判定する(ステップS90703)。低ベース状態であるか否かは、遊技状態
指定コマンドから特定すればよい。
低ベース状態である場合には(ステップS90703;Yes)、第1特図保留記憶数
が3以上であるか否かを判定する(ステップS90704)。高ベース状態である場合に
は(ステップS90704;No)、第2保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(
ステップS90705)。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留記憶数
通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドから特定すればよい。
新たな始動入賞が発生していないと判定された場合(ステップS90701;No)、
停止図柄予告を既に実行中である場合(ステップS90702;Yes)、低ベース状態
において第1保留記憶数が3未満である場合(ステップS90704;No)、高ベース
状態において第2保留記憶数が3未満である場合(ステップS90705;No)、停止
図柄予告の実行条件が成立していないものとして停止図柄予告設定処理を終了する。なお
、保留記憶数が3未満である場合や遊技状態に問わず停止図柄予告を実行するようにして
もよい。また、始動入賞を契機とせずに、例えば前回の可変表示が終了したときなどに、
停止図柄予告を実行するか否かを決定するようにしてもよい。即ち、停止図柄予告設定処
理の実行条件はこの実施の形態のものに限定されない。
低ベース状態において第1保留記憶数が3以上である場合(ステップS90704;Y
es)、または、高ベース状態において第2保留記憶数が3以上である場合(ステップS
90705;Yes)、今回の始動入賞に対応する保留記憶(予告対象)より前に、可変
表示結果が「大当り」となるかスーパーリーチハズレとなる保留記憶が含まれているか否
かを判定する(ステップS90706)。なお、保留記憶の可変表示結果は図柄指定コマ
ンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、判定すればよい。
可変表示結果が「大当り」となるかスーパーリーチハズレとなる保留記憶が含まれてい
る場合には(ステップS90706;Yes)、停止図柄予告の対象となる可変表示より
も前の可変表示においてスーパーリーチが実行されたり大当りとなることにより、予告対
象が不明確になるため、停止図柄予告しない。そのため、停止図柄予告設定処理を終了す
る。
この実施の形態では、予告対象の保留記憶よりも前に、非リーチハズレとなる保留記憶
の他に、ノーマルリーチハズレとなる保留記憶が含まれている場合でも、停止図柄予告を
実行可能になっている。このようにすることで、停止図柄予告の実行頻度を確保すること
ができる。なお、非リーチハズレとなる保留記憶に対応する可変表示において停止図柄予
告を実行する場合、主基板9011の側に決定された変動パターンに反してリーチハズレ
の組合せが停止図柄として停止表示されることになる。そのため、図37における非リー
チの変動パターンは、厳密には非リーチの変動パターンというわけではなく、主基板90
11側では非リーチにすると決定されたことに対応する変動パターンである。
なお、この実施の形態では、ノーマルリーチハズレとなる変動パターンは複数設けられ
ているが(図37参照)、ノーマルリーチハズレとなる変動パターンのうちの少なくとも
一部の変動パターン(例えば変動時間の長い方のPA2−2)が保留記憶に含まれている
場合には、停止図柄予告を実行しないようにしてもよいし、スーパーリーチハズレとなる
変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンが保留記憶に含まれていても、停止図
柄予告を実行可能にしてもよい。また、この実施の形態のように、予告対象の保留記憶よ
りも前にリーチハズレとなる変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンに対応し
た保留記憶が含まれていても停止図柄予告を実行可能にしてもよいし、予告対象の保留記
憶よりも前にリーチハズレとなる保留記憶が含まれている場合には、停止図柄予告を実行
しないようにしてもよい。さらに、予告対象の保留記憶よりも前の保留記憶内容によらず
、停止図柄予告を実行可能にしてもよい。
可変表示結果が「大当り」となるかスーパーリーチハズレとなる保留記憶が含まれてい
ない場合には(ステップS90706;No)、今回発生した始動入賞を対象として停止
図柄予告を実行するか否かを判定する(ステップS90707)。
ステップS90707の処理では、始動入賞時に始動口入賞指定コマンドとともに受信
する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、可変表示結果や変動カテゴリ
(変動パターン)を先読みして、例えば図50に示す決定割合で、保留表示予告の実行有
無が決定されればよい。
図50に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が
「確変」(確変大当り)である場合に95%の割合で停止図柄予告を実行することが決定
され、スーパーリーチハズレである場合に40%の割合で停止図柄予告を実行することが
決定される。このように、この実施の形態の停止図柄予告は、確変大当りとなることを予
告する予告演出であるともいえる。これに対して、他の大当り種別である場合にも、停止
図柄予告を実行可能にしてもよい。
なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」(非確変大当り)である場
合に停止図柄予告を実行する場合には、停止図柄予告として確変図柄によるリーチハズレ
の組み合わせと停止させると、遊技者に確変図柄によるリーチから非確変大当りに成り下
がったかのように感じさせてしまう。そのため、予告対象の可変表示結果が非確変大当り
となる場合には、停止図柄予告においては非確変図柄によるリーチハズレの組み合わせの
みが停止されるようにすることが望ましい。
ステップS90707にて、停止図柄予告の実行有無が決定されると停止図柄予告を実
行すると決定されたか否かを判定し(ステップS90708)、実行しないと決定された
場合には(ステップS90708;No)、停止図柄予告設定処理を終了する。
停止図柄予告を実行すると決定された場合には(ステップS90708;Yes)、遊
技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS90709)。
確変状態と判定された場合には(ステップS90709;Yes)、停止図柄予告にお
ける停止させる飾り図柄の組み合わせ(停止図柄)として、非確変図柄によるリーチハズ
レの停止図柄(停止図柄予告パターン)を決定する(ステップS90710)。
確変状態でない(非確変状態)であると判定された場合には(ステップS90709;
No)、停止図柄予告における停止図柄として、確変図柄または非確変図柄によるリーチ
ハズレの停止図柄(停止図柄予告パターン)を決定する(ステップS90711)。
続いて、ステップS90707、S90710、S90711における決定結果をRA
Mの所定領域等に保存して(ステップS90712)、停止図柄予告設定処理を終了する
この実施の形態では、停止図柄予告を実行する場合、図51に示すように、リーチハズ
レを形成する停止図柄のいずれかが停止表示されるようになっている。図51に示すよう
、この実施の形態では、停止図柄のパターン(停止図柄予告パターン)として、「左」及
び「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905Rに「1」〜「8」のいずれかの飾り
図柄が揃い、「中」の飾り図柄表示エリア905Cに1つずれた数字となるパターン(停
止図柄パターンA〜H)が用意されている。なお、「中」の飾り図柄表示エリア905C
の停止図柄(中停止図柄)は、任意の図柄(大当り除く)であってもよい。また、中停止
図柄は専用の図柄(例えば数字以外の予告図柄等)であってもよい。停止図柄予告の予告
対象となる可変表示よりも前の可変表示において、リーチハズレの組合せが連続的に停止
表示されることで、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
図51に示すように、遊技状態が確変状態である場合には、非確変図柄によるリーチハ
ズレの停止図柄予告パターンのいずれかとなり、遊技状態が非確変状態である場合には、
非確変図柄または確変図柄によるリーチハズレの停止図柄予告パターンのいずれかとなる
。このように、この実施の形態では、確変状態である場合には、非確変図柄によるリーチ
を表示することで、非確変大当りとなって確変状態が終了しまうのではと遊技者に一旦感
じさせる。その後、リーチハズレとなって、停止図柄予告が開始される。よって、非確変
大当りとなるようにみせかける停止図柄予告を実行でき、より遊技者の期待感を煽ること
ができ、遊技の興趣が向上する。
なお、この実施の形態では、停止図柄予告が実行される場合には、同じ停止図柄(リー
チハズレ)が連続して停止表示される。即ち、図49のステップS90710またはS9
0711の処理で、図51に示す停止図柄予告パターンのいずれかに決定され、その停止
図柄予告パターンに対応した停止図柄が予告対象までの可変表示において連続して停止表
示されるようになっている。このようにすることで、同じ停止図柄が連続することで、停
止図柄予告が実行されていることを遊技者が認識しやすくなる。
これに対して、予告対象となるまでの連続した可変表示において停止させる図柄をそれ
ぞれ決定するようにしてもよい。この場合、図55に示すように、複数回(図55では3
回)の可変表示において停止させる停止図柄(例えば図51の停止図柄予告A〜Hのいず
れかの図柄)を予めパターン化しておき、そのパターンを選択することで、複数回の可変
表示において停止させる図柄を決定するようにしてもよい。
図55における停止図柄予告B→B→Bの停止図柄予告パターンは、3回の可変表示に
おいて、「212」の停止図柄が停止表示される停止図柄予告パターンであることを示し
ている。停止図柄予告B→D→Fの停止図柄予告パターンは、3回の可変表示において、
「212」、「434」、「656」の停止図柄が順次停止表示される停止図柄予告パタ
ーンであることを示している。停止図柄予告D→D→Dの停止図柄予告パターンは、3回
の可変表示において、「434」の停止図柄が停止表示される停止図柄予告パターンであ
ることを示している。停止図柄予告D→F→Hの停止図柄予告パターンは、3回の可変表
示において、「434」、「656」、「878」の停止図柄が順次停止表示される停止
図柄予告パターンであることを示している。なお、ここでは説明のため一部の停止図柄予
告パターンを示しているが、確変図柄のリーチハズレが停止表示されるパターンや2回の
可変表示において停止図柄予告を実行する場合の停止図柄予告パターン等が適宜用意され
ればよい。このように、停止図柄予告を実行する複数の可変表示おいて停止表示させる停
止図柄をパターン化することで、決定処理のおける処理負担が軽減したり、各図柄の出現
率の調整が容易になる。
この場合において、図55に示すように、同じリーチハズレの停止図柄が連続した場合
、連続しない場合よりも大当りとなる信頼度が高くなるようにしてもよい。また、中停止
図柄が異なっていても、左右図柄が同じリーチが連続した場合には信頼度が高くなるよう
にしてもよい。この場合、中停止図柄も同じか否かで信頼度が異なるようにしてもよい。
このようにすることで、停止図柄予告が開始された場合、同じ図柄が停止表示されるかに
遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、予告対象となるまでの連続した可変表示において停止させる図柄をそれぞれ決定
する場合、確変状態において非確変図柄の停止図柄に決定する(あるいは決定しやすくす
る)のは、一連の停止図柄予告における最初の停止図柄だけであってもよい。このように
、停止図柄予告が開始されてから少なくとも最初の停止図柄が非確変図柄によるリーチと
することで、非確変大当りが終了して確変状態が終了してしまうのではと遊技者に認識さ
せることができる。
なお、通常は、リーチハズレを停止表示させるか否かは、主基板9011の側で変動パ
ターンを決定することで決定されるが、この実施の形態では、停止図柄予告を実行すると
決定された場合には、変動パターンによらず、演出制御基板9012の側で、リーチハズ
レの停止図柄が停止表示されるようになっている。
このように、演出制御基板9012の側で、リーチハズレの停止図柄を停止表示させる
場合には、即ち、停止図柄予告を実行している場合には、停止するときの態様によって停
止図柄予告であることを遊技者が認識可能であることが好ましい。例えば、図52(A)
に示すように、変動パターンにより指定されたノーマルリーチハズレである場合と比較し
て、停止図柄予告を実行する場合であって非リーチハズレの変動パターン時にリーチハズ
レの停止図柄を停止表示させる場合には、リーチが成立してから最終停止までの変動期間
(リーチ煽り期間)が短くなるようにしてもよい。また、リーチが成立してから最終停止
までの変動期間が短くすることに加えてまたは代えて、飾り図柄を最終停止させるときに
停止音を出力させる場合、その停止音を異ならせたり、専用のエフェクトを使用しても良
い。例えば、図52(A)に示すように、変動パターンにより指定されたノーマルリーチ
ハズレである場合の停止音を停止音Aとして、停止図柄予告を実行する場合のリーチハズ
レである場合停止音を停止音Bとしてもよい。また、停止図柄予告であるか否かによって
、リーチハズレ時の左右図柄(リーチ図柄)と中停止図柄の図柄差が異なるようにしても
よい。例えば、停止図柄予告を実行しないリーチハズレの場合は、左右図柄と比較して「
−2」〜「+2」の範囲のいずれかの図柄を「中」に停止表示させる一方、停止図柄予告
である場合には、図51に示すような、左右図柄と比較して「−1」の図柄のみを「中」
に停止表示させるようにしてもよい。また、停止図柄予告である場合のみ停止表示される
ものであってもよい(例えば「+3」、「−3」等)。
また、同じノーマルリーチの変動パターンである場合であっても、図52(B)に示す
ように、停止図柄予告を実行する場合には、停止図柄予告を実行しない場合よりもリーチ
が成立してから最終停止までの変動期間(リーチ煽り期間)を、非リーチハズレで停止図
柄予告を実行する場合同様に短くしてもよい。この場合、リーチ煽り期間以外の期間が長
くなるため、その期間において他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、全図柄変
動期間において、停止図柄予告が実行されることを示唆する演出を実行するようにしても
よい。
また、図52(C)に示すように、非リーチハズレの変動パターンにおいて停止図柄予
告を実行する場合、リーチを構成する図柄が確変図柄である場合には、非確変図柄である
場合よりもリーチが成立してから最終停止までの変動期間(リーチ煽り期間)を長くして
もよい。このようにすることで、停止図柄予告である場合でも、遊技者が確変大当りとな
ることを期待できる期間を長くすることができ、遊技の興趣が向上する。なお、確変図柄
である場合も非確変図柄である場合よもリーチ煽り期間は同じであってもよい。
なお、非リーチハズレの変動パターンにおいて停止図柄予告を実行する場合については
図示していないが、全図柄変動期間(左図柄停止までの期間)や右図柄停止までの期間を
確変図柄で停止図柄予告を実行する場合、または、非確変図柄で停止図柄予告を実行する
場合、のいずれかと同じにしてもよいしいずれとも違うようにしてもよい。また、左停止
図柄が確変図柄である場合には、確変図柄で停止図柄予告を実行する場合と同様にし、左
停止図柄が非確変図柄である場合には、非確変図柄で停止図柄予告を実行する場合と同様
にしてもよい。このようにすることで、左図柄停止までの期間や右図柄停止までの期間に
よって、停止図柄予告の有無が遊技者にばれてしまうことを防止できる。
また、図52では、停止図柄予告が実行される場合のほうが実行されない場合よりもリ
ーチ煽り期間が短くなる例を示したが、停止図柄予告が実行される場合のほうが実行され
ない場合よりもリーチ煽り期間が長くなるようにしてもよい。
図53は、図48の演出制御プロセス処理におけるステップS90171内で実行され
る最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定するための停止図柄決定処理の一例を示すフロー
チャートである。停止図柄決定処理において、演出制御用CPU90120は、停止図柄
予告実行中であるか否かを判定する(ステップS90721)。停止図柄予告を実行中で
あるかは、例えば、停止図柄予告実行中フラグがオン状態であるか否かにより判定すれば
よい。
停止図柄予告実行中である場合(ステップS90721;Yes)、停止図柄予告設定
処理のステップS90710またはS90711にて決定された停止図柄予告パターンに
応じた最終停止図柄が停止表示されるための設定を行い(ステップS90722)、停止
図柄決定処理を終了する。
停止図柄予告実行中でない場合(ステップS90721;No)、可変表示結果に対応
した最終停止図柄を決定するための処理を実行する。この実施の形態では、停止図柄予告
実行中でない場合(ステップS90721;No)、停止図柄予告の予告対象の変動であ
るか否かを判定する(ステップS90723)。
停止図柄予告の予告対象の変動である場合(ステップS90723;Yes)、可変表
示結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS90724)。
可変表示結果が大当りである場合(ステップS90724;Yes)、予告対象の停止
図柄予告パターンに基づいて大当り図柄(大当り組合せ)を決定する(ステップS907
25)。その後、停止図柄決定処理を終了する。
この実施の形態では、予告対象の可変表示において、停止図柄予告と同じ数字の飾り図
柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなるようになっている。従って、ス
テップS90725においては、図54に示すように、停止図柄予告のリーチ図柄と同じ
大当り図柄に決定される割合が高くなっている。また、左右のリーチ図柄のみならず、停
止図柄における中図柄と同じ大当り図柄にも決定されやすくなっている。
このようにすることで、停止図柄予告における停止図柄(リーチ図柄)と、予告対象の
可変表示においていずれの図柄でリーチとなるかと、に遊技者を注目させることができ遊
技の興趣が向上する。
なお、図54に示す決定割合は一例であり、予告対象の可変表示において、停止図柄予
告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなっていれば
よい。
この実施の形態では、停止図柄予告を実行する場合、予告対象の可変表示まで同じリー
チハズレの図柄が停止表示されるが、予告対象の可変表示において異なるリーチハズレの
図柄が停止表示される場合は、予告対象の可変表示において、停止図柄予告において停止
表示されたリーチハズレの図柄のうち少なくとも一部と同じ図柄でリーチなった場合、大
当り信頼度が高くなるようにすればよい。また、停止図柄予告において停止表示された回
数が多いリーチハズレの図柄ほど、大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。
停止図柄予告の予告対象の変動でない場合(ステップS90723;No)、可変表示
結果に対応した最終停止図柄を決定する(ステップS90726)。ステップS9072
6では、可変表示結果に対応して、非リーチハズレの組合せ、リーチハズレの組合せ、確
変大当りの組合せ、非確変大当りの組合せが決定されればよい。
また、停止図柄予告の予告対象の変動である場合でも、可変表示結果が大当りでない場
合(ステップS90724;No)、可変表示結果(この場合リーチハズレ)に対応した
最終停止図柄を決定する(ステップS90726)。この場合、所定の割合(例えば均等
割合)で「1」〜「8」の飾り図柄のいずれかに決定すればよいが、停止図柄予告と同じ
数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなるような割合でリー
チ図柄を決定するようにしてもよい。即ち、停止図柄予告と同じ数字のリーチ図柄が選択
されづらくなるようにしてもよい。このように、停止図柄予告の予告対象の変動である場
合には、予告対象の可変表示結果に応じて、停止図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチ
となった場合、大当りとなる信頼度が高くなるように最終停止図柄が決定さればよい。
ステップS90725またはS90726の処理を実行した後には、停止図柄決定処理
を終了する。
なお、この実施の形態では、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各
飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける有効ラインは1ラインであっ
たが、図56(A)に示すように、少なくとも中央ラインSC、斜めラインWA、WBを
含む複数の有効ライン(合計3ライン)があってもよい。また、上段ラインや下段ライン
の有効ライン(合計5ライン)があってもよい。
この場合、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、90
5Rでは、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄と、数字以外のブランク図柄(例えば「
*」等)と、が交互に配置されてスクロール表示される。「左」、「中」、「右」の各飾
り図柄表示エリア905L、905C、905Rは、それぞれ3段の表示エリアで構成さ
れ、数字を示す飾り図柄とブランク図柄が3つずつ表示されるようになっている。そして
、中央ラインSC、斜めラインWA、WBにおいて、同じ数字を示す飾り図柄が揃って停
止表示されると大当りとなる。なお、ブランク図柄は大当り組合せを構成せず、ブランク
図柄が揃ってもハズレとなる。何らかのチャンス目にブランク図柄を含むものがあっても
よい。
このような有効ラインが3つである場合、図56(B)に示すように、斜めラインWA
及びWBにおいて2種の図柄が同時にリーチとなるダブルリーチ(Wリーチ)を発生させ
ることができる。例えば、図56(B)に示す例であれば、「中」の各飾り図柄表示エリ
ア905Cの中段に、「1」または「2」の飾り図柄が停止すれば大当りとなるため、中
央ラインSC等に表示される単独のリーチ(シングルリーチ)よりも、大当りとなりやす
いかのように見せるリーチ演出が実行可能である。
このような有効ラインが複数である場合においても、本願発明を適用できる。このよう
な有効ラインが複数である場合には、停止図柄予告において、図56(C)に示すような
、Wリーチのリーチハズレとなる図柄(停止図柄予告I〜P)が停止表示される場合があ
る。なお、停止図柄予告を実行する場合(図49のステップS90710、S90711
)、上述の実施の形態における停止図柄予告A〜Hを含めていずれかの停止図柄予告パタ
ーンに決定されればよい。
そして、予告対象の可変表示において、停止図柄予告において停止表示されたリーチハ
ズレに少なくとも含まれる飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くな
っていればよい。具体的には、停止図柄予告Wリーチのリーチハズレとなる図柄が停止表
示された場合、予告対象の可変表示において、Wリーチのうちいずれか一方または双方が
一致するリーチとなった場合、大当り信頼度が高くなるようにすればよい。
また、停止図柄予告の実行中に異なるリーチハズレの停止図柄が表示される場合、Wリ
ーチのうちいずれか一方または双方が一致するリーチハズレの停止図柄が続いた場合は、
続かない場合よりも大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。Wリーチの双方が一致す
るリーチハズレの停止図柄が続いた場合は、いずれか一方が一致する場合より大当り信頼
度が高くなるようにしてもよい。
このような有効ラインが3つである場合、大当り図柄は、「1」〜「8」の数字が中央
ラインSCに揃うものの他、図56(D)に示すように、斜めラインWA及びWBに揃う
ものが含まれる。例えば、斜めラインWA及びWBに「1」が揃うものをそれぞれ1WA
、1WB、斜めラインWA及びWBに「3」が揃うものをそれぞれ3WA、3WB等とす
る。
Wリーチの停止図柄予告が実行された予告対象の可変表示において大当り図柄を決定す
る場合、図53のステップS90725では、例えば図56(E)に示すような決定割合
で、最終停止図柄(大当り図柄)が決定さればよい。図56に示す決定割合では、Wリー
チの停止図柄予告に少なくとも含まれるリーチとなった場合には含まれない場合よりも大
当り信頼度が高くなり、同じWリーチとなった場合にはより大当り信頼度が高くなるよう
に設定されている。
このようにすることで、停止図柄予告における停止図柄の組合せと、予告対象の可変表
示においていずれの図柄でリーチとなるかにと、に遊技者を注目させることができ遊技の
興趣が向上する。
なお、図56(E)に示す決定割合は一例であり、予告対象の可変表示において、停止
図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなって
いればよい。
<変動中の音声について>
続いて、この実施の形態のパチンコ遊技機901における変動中(可変表示中)の音声
について説明する。この実施の形態では、変動中の背景画像を遊技者が第1背景と第2背
景とから選択可能になっている。第1背景と第2背景とは、色や描かれるキャラクタ等が
異なっていればよい。そして、選択されている背景画像に応じて、変動中に異なる楽曲が
再生出力されるようになっている。第1背景が選択されている場合は、図57(A)に示
すように、変動が開始されるごと第1背景に対応した楽曲Aが先頭から頭出しで繰り返し
再生出力される。変動の終了時には楽曲Aの再生出力も終了する。これに対して、第2背
景が選択されている場合には、図57(B)に示すように、客待ちデモや大当り遊技状態
終了から遊技が開始される初回変動において、第2背景に対応した楽曲Bの再生出力が開
始される。第2背景では変動が終了しても引き続き楽曲Bの再生出力が継続される。一連
の楽曲Bのデータの再生出力が終了した場合、楽曲Bを最初から再生出力させる。即ち、
第2背景である場合、楽曲Bが停止することなくループ再生される。なお、初回変動は客
待ちデモから遊技が開始されるときだけであってもよい。
そして、この実施の形態では、初回変動を除いて、第2背景において変動が開始される
ときに、変動が開始されることを示す変動開始音が出力される。変動開始音は、変動が開
始されることを示す音であればよい。
このように、この実施の形態では、第1背景と第2背景とで異なる背景画像を表示でき
るとともに、異なる音声の出力制御が実行されるため、演出が多彩になる。そして、複数
回の変動に亘って楽曲Bがループ再生させる第2背景においては、変動が開始されること
を示す変動開始音を出力するので、複数回の変動に亘って楽曲を再生する場合でも、変動
開始タイミングを遊技者が把握しやすくなる。
なお、第2背景であっても、初回変動では、無音状態や楽曲を再生出力していない状態
から楽曲Bの再生出力が開始されることから、遊技者が変動開始を把握しやすいため変動
開始音は出力しないようになっている。このようにすることで、必要に応じた変動開始音
を出力することができる。なお、これに限定されず、初回変動であっても変動開始音は出
力するようにしてもよい。そうした場合、変動開始音の出力制御が容易になる。
図57に示すように、いずれの背景であっても変動の終了時(変動停止時)には、共通
の停止音を出力するようになっている。このようにすることで、背景や再生出力される楽
曲によらず変動の終了タイミングがわかりやすくなる。なお、背景Aでは変動停止時に楽
曲の再生が途切れるため、停止音を出力しないようにしてもよい。また、背景Bでは変動
停止後間もなく次回変動の開始により変動開始音が主力されるので、停止音を出力しない
ようにしてもよい。背景A及びBにおいて停止音を主力しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2背景において複数種類の変動開始音を出力可能になっ
ている。この実施の形態では、変動開始音として開始音Aと開始音Bとが設けられている
。開始音Aと開始音Bとは、異なる音であればよい。そして、開始音Aが出力される頻度
が高くなっており、まれに開始音Bが出力されるようになっている。このように複数種類
の変動開始音を設けることで、演出が単調になることを防止できる。
この実施の形態では、変動中にスティックコントローラ9031A等の操作手段を所定
の操作をすることで、第1背景と第2背景とを相互に切り替え可能になっている。第1背
景で楽曲Aを出力しているときに、背景の切替操作があった場合、第2背景に切り替えら
れるとともに、出力される楽曲が楽曲Bに変更される。逆の場合も同様である。変動が実
行されているときには、第1背景であるか第2背景であるかに関わらず、楽曲A及び楽曲
Bが音声制御基板9013において再生される。そして、いずれの背景であるかに応じて
、対応する楽曲が出力される。よって、変動中に背景が切り替えられたときには、再生途
中の楽曲が出力されることになる。即ち、楽曲Aを出力している場合でも裏で楽曲Bが再
生されており、楽曲Bを出力している場合でも、裏で楽曲Aが再生されていることになる
。このようにすることで、変動中に背景の変更操作があった場合でも、即時対応する楽曲
を出力することができる。なお、ここでの再生とは、楽曲データを出力可能な音声に変換
することをいい、出力する部分までは含まない。
なお、ここで説明した音声は、演出制御基板9012の制御のもと、音声制御基板90
13により再生され、スピーカ908L、908Rから出力される。
音声制御基板9013には、パチンコ遊技機901における音声(演出音)を再生する
ための再生チャンネルが複数設けられている。そして、音声の種類に応じて、再生チャン
ネルが割り当てられている。例えば、同時に出力する音声は、異なる再生チャンネルによ
り再生され、重畳して出力される。また、楽曲Aと楽曲Bとは異なる再生チャンネルで再
生されるが、背景画像に応じて何れか一方が出力される。具体的には、第1背景である場
合には、楽曲Aが所定の音量でスピーカ908L、908Rから出力される。第2背景で
ある場合には、楽曲Bが所定の音量でスピーカ908L、908Rから出力される。そし
て、出力しない(背景に対応していない)方の楽曲は再生チャンネルで再生されるが、音
量をゼロにする等の制御により、スピーカ908L、908Rから出力されないように制
御される。
図58は、図48の演出制御プロセス処理におけるステップS90171内で実行され
る変動開始音を設定するための変動開始音設定処理の一例を示すフローチャートである。
変動開始音設定処理では、演出制御用CPU90120は、まず、現在が第2背景である
か否かを判定する(ステップS90741)。現在の背景が第1背景であるか第2背景で
あるかは、例えばRAMに設けられた背景フラグにより判定すればよい。背景が第1背景
に設定された場合、背景フラグに「1」の値がセットされ、第2背景に設定された場合、
背景フラグに「2」の値がセットされる。
現在の背景が第1背景である場合には(ステップS90741;No)、変動開始音を
出力しないので変動開始音設定処理を終了する。
現在の背景が第2背景である場合には(ステップS90741;Yes)、いずれの変
動開始音を出力させるかの開始音判定を行う(ステップS90742)。ステップS90
742では、表示結果が「大当り」となるか否か、スーパーリーチとなるか否か等に応じ
て、例えば図59に示す判定割合で、変動開始音を開始音Aとするか開始音Bとするかを
判定すればよい。図59に示す判定割合では、概ね開始音Aに判定されるようになってお
り、開始音Bはレアな変動開始音となっている。なお、図59に示す判定割合は一例であ
り、これに限定されない。例えば、表示結果によらず低確率で開始音Bにすると判定され
るようにしてもよい。
ステップS90742にて開始音Aと判定された場合(ステップS90743;Yes
)、開始音Aを変動開始時に出力するための設定を行い(ステップS90744)、変動
開始音設定処理を終了する。
ステップS90742にて開始音Bと判定された場合(ステップS90743;No)
、開始音Bを変動開始時に出力するための設定を行い(ステップS90745)、変動開
始音設定処理を終了する。
なお、変動開始音がいずれであるかに応じて、大当り信頼度やスーパーリーチとなる割
合が異なっていてもよい。例えば、開始音Bが出力された場合に開始音Aが出力された場
合よりも、大当りやスーパーリーチになりやすくしてもよい。このようにすることで、変
動開始音により変動開始タイミングを把握しやくすするとともに、大当りとなるか否かを
遊技者に示唆することができる。そして、遊技者が変動開始音の種類に注目するようにな
るので、遊技の興趣が向上する。
図60は、図48の演出制御プロセス処理におけるステップS90172内で実行され
る変動中の音声を再生するための音声再生処理の一例を示すフローチャートである。なお
、図60に示す音声再生処理は、この発明に係る音声を出力するための部分を抽出したも
のであり、ステップS90172内では他の演出音等を出力するための処理も実行される
。図60に示す音声再生処理では、演出制御用CPU90120は、まず、変動開始タイ
ミングであるか否かを判定する(ステップS90781)。変動中のいずれのタイミング
であるかは、演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値や演出制御パターンから判定すれ
ばよい。
変動開始タイミングであると判定された場合(ステップS90781;Yes)、客待
ちデモや大当り遊技状態終了(無音状態)からの初回変動であるか否かを判定する(ステ
ップS90782)。
初回変動であると判定された場合(ステップS90782;Yes)、第2背景に対応
した楽曲Bの再生を開始させるための制御を実行する(ステップS90783)。
初回変動でないと判定された場合(ステップS90782;No)、またはステップS
90783の処理を実行した後は、第1背景であるか否かを判定する(ステップS907
84)。
第1背景であると判定された場合(ステップS90784;Yes)、第1背景に対応
した楽曲Aの再生を開始させるための制御を実行する(ステップS90785)。その後
、音声再生処理を終了する。
第1背景でない(第2背景である)と判定された場合(ステップS90784;No)
、客待ちデモや大当り遊技状態終了(無音状態)からの初回変動であるか否かを判定する
(ステップS90786)。
初回変動でないと判定された場合(ステップS90786;No)、図58のステップ
S90744またはS90745にて設定された変動開始音を出力するための制御を実行
し(ステップS90787)、音声再生処理を終了する。初回変動であると判定された場
合(ステップS90786;Yes)、音声再生処理を終了する。
変動開始タイミングでないと判定された場合(ステップS90781;No)、変動停
止時であるか否かを判定する(ステップS90788)。なお、ここでの変動停止時とは
停止音の出力タイミングを示しており、厳密に終了タイミングとは一致していなくてもよ
い。変動停止時でなければ(ステップS90788;No)、音声再生処理を終了する。
変動停止時であれば(ステップS90788;Yes)、停止音を出力するための制御
を実行し(ステップS90789)、音声再生処理を終了する。なお、図52に示したよ
うに、複数種類の停止音を出力する場合には、ステップS90789において、停止図柄
予告の有無等に応じて、対応した停止音を出力するための制御が実行されればよい。
この実施の形態では、上述したように、変動中の背景画像を遊技者が第1背景と第2背
景とから選択可能になっている。具体的には、変動中に遊技者がスティックコントローラ
9031A等により、所定の操作を実行することで変動中の任意のタイミングで背景画像
を変更可能である。
図61は、図48の演出制御プロセス処理におけるステップS90172内で実行され
る背景画像を切り替えるための背景切替処理を示すフローチャートである。図61に示す
背景切替処理では、演出制御用CPU90120は、まず、所定の背景切替操作を検出し
たか否かを判定する(ステップS90761)。ステップS90761では、例えば、コ
ントローラセンサユニット9035Aから所定の操作信号が入力されたか否かを判定すれ
ばよい。背景切替操作を検出しなければ(ステップS90761;No)、背景切替処理
を終了する。
背景切替操作を検出した場合(ステップS90761;Yes)、現在が第1背景であ
るか否かを判定する(ステップS90762)。現在の背景画像は、背景フラグから判定
すればよい。
現在の背景が第1背景であると判定された場合には(ステップS90762;Yes)
、第2背景に変更するための制御を行う(ステップS90763)。ステップS9076
3では、背景フラグを切り替える処理も実行する。そして、楽曲を出力する再生チャンネ
ルを楽曲A再生用の再生チャンネルから楽曲B再生用の再生チャンネルに切り替えて(ス
テップS90764)、背景切替処理を終了する。
現在の背景が第2背景であると判定された場合には(ステップS90762;No)、
第1背景に変更するための制御を行う(ステップS90765)。ステップS90765
では、背景フラグを切り替える処理も実行する。そして、楽曲を出力する再生チャンネル
を楽曲B再生用の再生チャンネルから楽曲A再生用の再生チャンネルに切り替えて(ステ
ップS90766)、背景切替処理を終了する。
このように、この実施の形態では、遊技状態に関わらず遊技者が変動中の任意のタイミ
ングで背景画像を変更可能である。即ち、第1背景であっても第2背景でも同じ遊技状態
である場合がある。このようにすることで、各遊技状態における演出が多彩になり、遊技
の興趣が向上する。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実
施の形態では、始動入賞発生時に停止図柄予告を実行すると決定された場合、図49のス
テップS90710、S90711において、停止図柄予告における停止図柄(停止図柄
予告パターン)を決定し、予告対象の最終停止図柄は、図53のステップS90725に
おいて、可変表示を開始するときに予告対象の停止図柄予告パターンに基づいて決定され
ていた。これに限定されず、停止図柄予告を実行すると決定された場合、始動入賞時に予
告対象の最終停止図柄(大当り図柄、リーチ図柄)を決定するようにしてもよい。この場
合、停止図柄予告における停止図柄と予告対象の最終停止図柄が予め定められたパターン
を複数用意しておき、当該パターンを決定することで停止図柄予告における停止図柄と予
告対象の最終停止図柄を決定するようにしてもよい。
また、停止図柄予告を実行しているときに、いずれの図柄でリーチハズレとなったかを
表示しておくようにしてもよい。このようにすることで、予告対象において信頼度の高い
リーチ図柄がわかりやすくなる。
上記実施の形態では、確変状態において非確変大当りとなった場合、非確変状態(低確
高ベース状態)に制御されるが、低確低ベース状態に制御されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、確変状態において停止図柄予告を実行する場合、確変図柄による
リーチハズレの停止図柄となる場合はなかったが、低確率で確変図柄によるリーチハズレ
の停止図柄となるようにしてもよい。非確変状態において停止図柄予告を実行する場合に
おいても、非確変図柄によるリーチハズレの停止図柄となる割合を高くしてもよい。
上記実施の形態では、停止図柄予告においてリーチハズレを停止表示する場合と、停止
図柄予告を実行しない場合においてリーチハズレを停止表示する場合とで、可変表示の実
行態様を異ならせていたが、停止図柄予告であるか否かに関わらず可変表示の実行態様を
同様にしてもよい。また、ノーマルリーチハズレの変動パターンにおいて停止図柄予告を
実行する場合も、停止図柄予告であるか否かに関わらず可変表示の実行態様を同様にして
もよい。
また、停止図柄予告において特定のリーチハズレ(例えば、Wリーチのリーチハズレ)
となる図柄が停止表示された場合には、特定のリーチハズレが停止表示されない場合より
も、予告対象の可変表示の大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。このようにするこ
とで、停止図柄予告の実行過程について遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上
する。
上記実施の形態では、変動中の背景画像を遊技者が第1背景と第2背景とから選択可能
であったが、選択可能な背景画像が3種類以上であってもよい。また、各背景で再生可能
な楽曲が複数種類あってもよい。
上記実施の形態では、第2背景における変動開始音としてそれぞれ音が異なる開始音A
と開始音Bとを設けることで演出を多彩にしていた。変動開始音の出力態様を異ならせる
方法はこれに限定されず、音の種類、音量を異ならせてもよい。また、出力タイミングを
変動開始とわずかにずらして、遊技者に違和感を与えるようにしてもよい。さらに、組み
合わせて異なる変動開始音を設けてもよい。また、変動開始音は3種類以上あってもよい
変動開始音の種類に応じて、大当り信頼度やスーパーリーチとなる期待度が異なるよう
にしてもよい。即ち、変動開始音によって予告演出を実行するようにしてもよい。このよ
うにすることで遊技者が変動開始音に注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、上記実施の形態では、遊技者の操作によって背景画像を切り替え可能となってい
たが、可変表示結果や変動パターンに応じて自動で切り替わるようにしてもよい。また、
遊技状態によらずまたは遊技状態によって切り替わる複数種類の演出モードを設けて、演
出モードに応じた背景画像となるようにしてもよい。
次に、大当り遊技状態中であるラウンド中に、遊技球の入賞によって付与される遊技球
数に関連した報知演出が実行される変形例について説明する。本変形例では、変動表示の
表示結果が大当り表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態
に制御される。そして、大当り遊技状態中であるラウンド中には、遊技球の入賞によって
付与される遊技球数に関連した報知演出が実行される。ここで、遊技球数に関連した報知
演出には、入賞した遊技球に対して払出される獲得遊技球の数を報知する演出が含まれる
。また、遊技球数に関連した報知演出には、オーバー入賞が発生したときに報知の態様を
変化させることでオーバー入賞の発生を報知する演出が含まれる。このように、遊技球数
に関連した演出とは、獲得した遊技球(遊技球数)に対する何らかの報知を行なう演出で
ある。
また、遊技球数に関連した報知演出は、複数の種類が設けられている。たとえば、演出
状態が第1演出状態のときには、第1報知態様により報知演出が実行され、演出状態が第
2演出状態のときには、第2報知態様により報知演出が実行される。つまり、報知演出は
、演出状態により異なる報知演出が実行されることとなる。第1報知態様による報知演出
は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数となったことに基
づいて実行される。また、第2報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態
中)に付与された遊技媒体数が所定数とは異なる特定数となったことに基づいて実行され
る。
ラウンド中(大当り遊技状態中)においては、遊技球が特別可変入賞球装置907に入
賞する毎に、付与された遊技球数が可変表示可能に表示される。また、ラウンド中(大当
り遊技状態中)における演出状態を第1演出状態とするか第2演出状態とするかを選択す
ることが可能である。また、オーバー入賞により獲得する遊技球数についても、遊技球数
に関連した報知演出の遊技球数のカウントに考慮される。
以下に、報知演出の具体例を説明する。図62は、報知演出を説明するための図である
。ここで、本変形例では、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個であ
る。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しが
あり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(1
0×10=100)の遊技球を獲得することができる。また、大当りが継続する場合には
、前回の獲得総数表示の値が引継がれる。図62では、2回目以降の大当りが実行された
場合が示されている。
図62(a)は、大当り表示結果となったときの大当り遊技中の1ラウンド目における
画像表示装置905の表示画面を示す図である。1ラウンド目においては、ラウンド中に
おける演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。画像表示装
置905の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像90211が表示され
る。また、画像表示装置5の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像90
212が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選
択画像90210に従い、いずれか一方のモードを選択する。ラウンド開始時には、初期
値としてAモード画像90211が選択されているとともに、モード選択画像90210
の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知る
ことができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく
、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、1ラウンドの期間中いずれかのモードを選択することが可能である。このよ
うなモード(演出状態)の切替えは、スティックコントローラ9031Aを左右に操作す
ることで変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能とな
るようにしてもよいし、プッシュボタン9031Bの押下げによりモードが切替るように
してもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、大当りの回数毎に
選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期
間は、1ラウンド以外のラウンドでもよく、ラウンド中の所定時間(たとえば、10秒)
に限って選択操作が可能となるようにしてもよい。また、大当り毎に新たな演出モードが
初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図62(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の画像表示装置905の表示画面
を示す説明図である。また、図62(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の画像
表示装置905の表示画面を示す説明図である。図62(b)に示すように、Aモードが
選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲
得総数表示画像90205が表示される。獲得総数表示画像90205は、遊技球が大入
賞口に入賞する毎に増加していく。図62(b)では、大当りにおける遊技球の獲得総数
が2000個であることが示されている。また、大入賞口に入賞することにより獲得した
遊技球数が500個の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像90204が表示される
。図62(b)では、遊技球数が500個の4倍である2000個を超えたときに第1報
知画像90204により、遊技球が2000個獲得されたことが示される。また、画面右
上に女の子画像90203が表示される。なお、獲得総数表示画像90205で表示され
る数字と第1報知画像90204として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表
示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(たとえば、
13個ずつ増加する場合等)には、獲得総数表示画像90205で表示される数字と第1
報知画像90204として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像90205で表
示される数字が2013、第1報知画像90204として表示される数字が2000等)
ことがある。
図62(c)は、図62(b)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が250
0個となった場合の画像表示装置905の表示画面を示している。図62(c)に示すよ
うに、獲得総数表示画像90205により、遊技球の獲得総数が2500個であることが
示される。また、遊技球数が500の5倍である2500個を超えたときに第1報知画像
90204により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。また、女の子画像9
0203が図62(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、4回目の大当りで
は、画像表示装置905の表示画面が図62(d)のようになる。図62(d)では、獲
得総数表示画像90205が5000個であることが示される。また、遊技球数が500
の10倍である5000個を超えたときに第1報知画像90204により、遊技球が50
00個獲得されたことが示される。また、女の子画像90203が図62(b)や図62
(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、遊技球数が500の倍数を超え
たときは、第1報知画像90204とともに女の子画像90203も変化する。ここで、
第1報知画像90204と女の子画像90203とは、次の第1報知画像90204と女
の子画像90203に変化するまで継続して表示される。しかし、第1報知画像9020
4と女の子画像90203とが所定時間経過することにより消去されるようにしてもよい
次に図62(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図62(e)
に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することに
より獲得した遊技球数の獲得総数表示画像90215が表示される。獲得総数表示画像9
0215は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得
総数表示画像90215とAモードでの獲得総数表示画像90205は、文字の表示態様
が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲
得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図62(e)では、大当りにおける
遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、画面右上に男の子画像
90213が表示される。Bモードでは、このような男の子画像90213による演出が
実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、遊技球の獲得総数が2000
個を超えたとしても画面中央に獲得した遊技球の総数を報知する演出は実行されない。な
お、図62(e)では、男の子画像90213を表示せずに、別の演出画像が表示される
ようにしてもよい。
図62(f)は、図62(e)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が250
0個となった場合の画像表示装置905の表示画面を示している。図62(f)に示すよ
うに、獲得総数表示画像90215により遊技球の獲得総数が2500個であることが示
される。また、遊技球数が2500個を超えたときに第2報知画像90214により、遊
技球が2500個獲得されたことが示される。Bモードでは、入賞口に入賞することによ
り獲得した遊技球数が2500個の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像90214
が表示される。図62(f)では、遊技球数が2500個の1倍である2500個を超え
たときに第2報知画像90214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される
。第2報知画像90214は所定時間経過により消去される(たとえば、表示されてから
2秒経過後)。
さらに、4回目の大当りでは、画像表示装置905の表示画面が図62(g)のように
なる。図62(g)では、獲得総数表示画像90215が5000個であることが示され
る。また、遊技球数が2500の2倍である5000個を超えたときに第2報知画像90
214により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおい
て男の子画像90213は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人
物の画像が表示される。
図62に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像90204によ
り、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されてい
るときは、第2報知画像90214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行
される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により
、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図62(b)〜(d)に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える
毎に第1報知画像90204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される
。また、図62(e)〜(g)に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超え
る毎に第2報知画像90214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行され
る。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興
趣を向上させることができる。
また、図62のAモードの獲得総数表示画像90205,Bモードの獲得総数表示画像
90215に示すように、特別可変入賞球装置907の大入賞口に遊技球が入賞する毎に
、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技
球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中
)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード
選択画像90210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択すること
が可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる
図63は、図47のS9074にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチ
ャートである。図63では特に、大入賞口に遊技球の入賞があったときに設定される各種
のフラグについて説明する。図63に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU
90120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等によ
り、主基板9011からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S90511)。演出
制御用CPU90120は、受信コマンドがない場合には(S90511でN)、コマン
ド解析処理を終了する。
一方、演出制御用CPU90120は、受信コマンドがある場合には(S90511で
Y)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマン
ドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(S90512)。演出制御用C
PU90120は、大入賞口入賞通知コマンドである場合には(S90512でY)、演
出制御カウンタ設定部に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞
口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(S90513)。大入賞口入賞回数
カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入
賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。そして、演出制御用CPU90120は
、演出制御フラグ設定部に設けられている大入賞口入賞フラグをセットし(S90514
)、S90515の処理へ移行する。大入賞口入賞フラグは、大入賞口に遊技球が入賞す
るごとにセットされるフラグである。
S90515において、演出制御用CPU90120は、オーバー入賞であるか否かを
判定する。たとえば、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入
賞判定値(入賞上限判定値よりも1大きい値。本変形例では入賞上限判定値は「10」で
あるためオーバー入賞判定値は「11」)となったか否かを判定すればよい。演出制御用
CPU90120は、オーバー入賞でない場合には(S90515でN)、コマンド解析
処理を終了する。一方、演出制御用CPU90120は、オーバー入賞である場合には(
S90515でY)、オーバー入賞フラグをセットし(S90516)、コマンド解析処
理を終了する。オーバー入賞フラグは、大入賞口へ入賞上限判定値を超えて遊技球が入賞
するごとにセットされるフラグである。
S90512おいて、演出制御用CPU90120は、受信コマンドが大入賞口入賞通
知コマンドでない場合には(S90512でN)、受信コマンドに応じた設定を行ない(
S90517)、コマンド解析処理を終了する。
図64および図65は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理を示すフローチ
ャートである。なお、この変形例では、演出制御プロセス処理における大当り中演出処理
(図48のS90176)をより詳細に説明するために、ラウンド中処理(例えば図64
、図65)とラウンド後処理(例えば図66〜図68)とに分けている。ラウンド中処理
とラウンド後処理とを統合して大当り中演出処理としてもよい。
図64に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU90120は、まず、大入賞
口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S90920)
。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM90122に形
成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CP
U90120によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去さ
れる。
演出制御用CPU90120は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされ
ていない場合には(S90920でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S9092
1)。次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスデータnの内容(表示制御実行
データn)にしたがって、演出装置(画像表示装置905、スピーカ908、遊技効果ラ
ンプ909等)の制御を実行する(S90922)。
次いで、演出制御用CPU90120は、第1ラウンドの開始時であるか否かを判定す
る(S90923)。第1ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマ
ンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。演出制御用CPU90120
は、第1ラウンドの開始時であると判定した場合には(S90923でY)、図62(a
)に示すようなモード選択画面を表示し(S90924)、S90925の処理へ移行す
る。一方、演出制御用CPU90120は、第1ラウンドの開始時でないと判定した場合
には(S90923でN)、S90924からS90926の処理を行なわずに、S90
928の処理へ移行する。
S90925において、演出制御用CPU90120は、選択されたモードがAモード
であるか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、選択されたモードがAモード
である場合には(S90925でY)、Aモードフラグをセットし(S90926)、S
90928の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、選択されたモード
がAモードでない場合には(S90925でN)、Bモードフラグをセットし(S909
27)、S90928の処理へ移行する。ここで、遊技者がモード選択画面を表示中にモ
ードを選択しない場合には、初期値として設定されているAモードが選択される。
次いで、S90928において、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグ
がセットされているか否かを判定する。大入賞口入賞フラグは、図63のS90514に
おいて設定されるフラグであり、大入賞口への遊技球の入賞が発生する毎に設定されるフ
ラグである。演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグがセットされている場
合には(S90928でY)、大入賞口入賞フラグをリセットし(S90929)、S9
0932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグ
がセットされていない場合には(S90928でN)、オーバー入賞フラグがセットされ
ているか否かを判定する(S90930)。オーバー入賞フラグは、図63のS9051
6において設定されるフラグであり、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に設定さ
れるフラグである。
演出制御用CPU90120は、オーバー入賞フラグがセットされている場合には(S
90930でY)、オーバー入賞フラグをリセットし(S90931)、S90932の
処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、オーバー入賞フラグがセットさ
れていない場合には(S90930でN)、S90932とS90933の処理を行なわ
ずに、S90940の処理へ移行する。
S90932において、演出制御用CPU90120は、入賞カウンタの値を1加算し
、モードに応じた獲得総数表示(総獲得数表示)を更新し(S90933)、S9094
0の処理へ移行する。S90933においては、たとえば、図62(b)や図62(e)
に示すように、Aモードでの獲得総数表示画像90205やBモードでの獲得総数表示画
像90215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していくことになる。なお
、ラウンド中に大入賞口以外の払出しのある入賞口に遊技球が入賞した場合についても獲
得総数の表示を更新する処理を実行するようにしてもよい。
S90940において、演出制御用CPU90120は、Aモードフラグがセットされ
ているか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、Aモードフラグがセットされ
ている場合には(S90940でY)、S90941の処理へ移行する。一方、演出制御
用CPU90120は、Aモードフラグがセットされていない場合(すなわち、Bモード
フラグがセットされている場合)には(S90940でN)、S90943の処理へ移行
する。
S90941において、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が500の
倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が5
00の倍数を超えた場合には(S90941でY)、Aモードの表示により、遊技球の獲
得数を報知し(S90942)、S90945の処理へ移行する。たとえば、Aモードの
表示とは、図62(b)〜(d)に示すように、第1報知画像90204や女の子画像9
0203を遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたときに表示する(変更する)処理で
ある。Aモードによる表示は、次の表示の更新まで継続して表示される。一方、演出制御
用CPU90120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えていない場合には(S9
0941でN)、S90942の処理を行なわずに、S90945の処理へ移行する。
S90943において、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が2500
の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が
2500の倍数を超えた場合には(S90943でY)、Bモードの表示により、遊技球
の獲得数を報知し(S90944)、S90945の処理へ移行する。たとえば、Bモー
ドの表示とは、図62(f),(g)に示すように、第2報知画像90214を遊技球の
獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示する処理である。ここで、Bモードによる
第2報知画像90214の表示は、所定時間経過後に消去される。たとえば、遊技球の獲
得総数が2500の倍数を超えたときに表示されて後から2秒後に消去される。なお、第
2報知画像90214の表示は、実行されているラウンドが終了したタイミングで消去さ
れるようにしてもよい。一方、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が25
00の倍数を超えていない場合には(S90943でN)、S90944の処理を行なわ
ずに、S90945の処理へ移行する。
S90945において、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイムアウ
トになっているか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタ
イムアウトになっている場合には(S90945でY)、次のプロセスタイマをスタート
させ(S90946)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S9
0947)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、プロセスタ
イマがタイムアウトになっていない場合には(S90945でN)、S90946とS9
0947の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S90920において、演出制御用CPU90120は、大入賞口開放後指定コマンド
受信フラグがセットされている場合には(S90920でY)、大入賞口開放後指定コマ
ンド受信フラグをリセットする(S90934)。次いで、演出制御用CPU90120
は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、
選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S90935)。そして
、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマをスタートさせ(S90936)、演
出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S90806)に対応した値に設定し(S
90937)、ラウンド中処理を終了する。
図64のS90930〜S90932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処
理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像90205やBモードでの獲得総数
表示画像90215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表
示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個よ
り多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が
実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
なお、図64では、S90940においてAモードフラグが設定されているか否かを判
定した後に、遊技球の獲得総数の判定がされる場合を示した。しかし、遊技球の獲得総数
を先に判定し、その判定値が所定の個数を超えている場合に、AモードであるかBモード
であるかを確認することで、表示する画像が決定されるようにしてもよい。
[第2変形例] 第2変形例では、遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したときに実
行される報知演出による遊技の興趣を向上させることができる遊技機について説明する。
たとえば、このような遊技機は、以下のようなものである。
(1) 例えば、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊
技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(
たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、確変大当りとなったこと
に基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する特別
可変入賞球装置(大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは
遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立する
まで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)
を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)
に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100
)とを備え、有利状態制御手段は、有利状態として、少なくとも第1有利状態(たとえば
、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利
状態(たとえば、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)とに制御可能であり、第1有利
状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個
目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特
殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させ
るとともにスピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能
な報知演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御され
るように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU9
0120におけるステップS903923,S903924と同様の処理を実行する部分
)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、第1有利状態における1
の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様
による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることが
できる。
(2) また、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技
球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(た
とえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、第1特別可変入賞球装置9
07a(第1大入賞口)、第2特別可変入賞球装置907b(第2大入賞口))と、所定
期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)
入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させ
ることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)
実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえ
ば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100)と、有利状態において可変入賞手段に
設けられた特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したこと
に基づいて、特別状態(たとえば、確変状態)に制御可能な特別状態制御手段(たとえば
、遊技制御用マイクロコンピュータ90100)と、有利状態において特定領域を遊技媒
体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特
定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生し
たこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED9020
aをレインボー発光させるとともにスピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様
の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU90120に
おけるステップS903923,S903924を実行する部分)とを備えたことを特徴
とする。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態におけ
る1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊
態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させるこ
とができる。
(3) (1)において、報知演出実行手段は、第2有利状態における1の単位遊技に
おいて遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たと
えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機に
おいて報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、通常大当りで
あると判定すると、ステップS903923,S903924を実行しない)ように構成
されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出
を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしま
うことを防止することができる。
(4) (2)において、報知演出実行手段は、特定領域を遊技媒体が通過する前に、
有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様に
よる報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用CPU90120は、ステップS90
3921,S903922でNのとき、ステップS903923,S903924を実行
しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が
通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出
による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(5) (1)または(3)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単
位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出
(たとえば、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光
させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS903920でNのと
きステップS903925を実行する部分)、第2有利状態における1の単位遊技におい
て遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、
確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において
報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、通常大当りであると
判定すると、ステップS903925を実行する)ように構成されていてもよい。そのよ
うな構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報
知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(6) (2)または(4)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単
位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出
(たとえば、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光
させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS903920でNのと
きステップS903925を実行する部分)、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利
状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による
報知演出を実行する(たとえば、演出制御用CPU90120は、ステップS90392
1,S903922でNのとき、ステップS903925を実行する)ように構成されて
いてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様に
よる報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出
効果を向上させることができる。
(7) (1)、(3)、または(5)のうちのいずれかにおいて、有利状態に制御さ
れているときに、所定の遊技価値が付与されること(たとえば、確変状態に制御されるこ
と)を報知する特定演出(たとえば、図69(2)〜(6)と同様または類似の態様で実
行される昇格演出)を実行可能な特定演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったこと
に基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するもの
において、演出制御用CPU90120は、S903928と同様の処理を実行する部分
)を備え、報知演出実行手段は、特定演出を実行する前に第1有利状態における1の単位
遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行せず(
たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技
機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、昇格演出
が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、ステップS903923
,S903924を実行しない)、特定演出を実行した後に第1有利状態における1の単
位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行する(
たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技
機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、昇格演出
が実行された後の第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、ステップS9039
23,S903924を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれ
ば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出
の演出効果を向上させることができる。
(8) (2)、(4)、または(6)のうちのいずれかにおいて、有利状態において
特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて
特別演出(たとえば、確変確定報知)を実行可能な特別演出実行手段(たとえば、演出制
御用CPU90120におけるステップS903908〜S903916を実行する部分
)を備え、報知演出実行手段は、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊
技(たとえば、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様に
よる報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用CPU90120は、第6ラウンドで
ある場合には、ステップS903921でNと判定し、ステップS903923,S90
3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特殊態
様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出
効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
(9) (1)から(8)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、特殊態様
による報知演出として、発光体による発光(たとえば、第1大入賞口LED9020aの
レインボー発光)および音出力(たとえば、スピーカ908からの所定の入賞音の音出力
)を含む演出を実行する(たとえば、演出制御用CPU90120は、ステップS903
923,S903925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によ
れば、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させ
ることができる。
(10) (1)から(9)のうちのいずれかにおいて、所定演出を実行する所定演出
実行手段(たとえば、賞球数報知演出、獲得枚数報知演出、累積賞球数報知演出、累積獲
得枚数報知演出、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知、右打ち報
知、エラー報知、大当り中昇格演出を実行する演出制御用CPU90120等)を備え、
所定演出実行手段は、所定演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知す
る第1所定演出(たとえば、大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞
球数報知演出など)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2所定演出
(たとえば、連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知す
る賞球数報知演出など)とを実行可能であり、第1所定演出と第2所定演出とで優先度合
いが異なる(たとえば、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は
実行されないことなど)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、複数の
所定演出を好適に実行することができる。
(11) (1)から(10)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、所定
数よりも多い第1特定数目(たとえば、11個目)の入賞と該第1特定数目の入賞の次の
入賞である第2特定数目(たとえば、12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用
いて報知演出を実行する(たとえば、演出制御用CPU90120は、11個目(オーバ
ー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバ
ー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ように構成され
ていてもよい。そのような構成によれば、所定数よりも多い第1特定数目の入賞と第1特
定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実
行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で所定数よ
りも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
第2変形例についてさらに詳細に説明する。ここで、第2変形例においては、普通可変
入賞球装置906Bの下方に、第1特別可変入賞球装置907aが設けられているものと
する。第1特別可変入賞球装置907aは開閉板を備え、第1特別図柄表示装置904A
に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置90
4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当
り遊技状態)においてソレノイドによって開閉板が開放状態に制御されることによって、
入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カ
ウントスイッチ9023aで検出される。また、第1特別可変入賞球装置907aの内部
には、第1大入賞口LED9020aが設けられている。なお、この変形例では、第1大
入賞口LED9020aは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、第1特別可変入賞球装置907aの下方には、第2特別可変入賞球装置907b
が設けられているものとする。第2特別可変入賞球装置907bは開閉板を備え、第1特
別図柄表示装置904Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第
2特別図柄表示装置904Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起
する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイドによって開閉板が開放状態に制
御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に
入賞した遊技球は第2カウントスイッチ9023bで検出される。また、この変形例では
、第2特別可変入賞球装置907b内の第2カウントスイッチ9023bが設けられてい
る領域よりも下流側には特定領域が設けられており、特定領域に入賞した遊技球は特定検
出スイッチ9024で検出される。なお、この変形例では、上流側に第2カウントスイッ
チ9023bが設けられ、その下流側に特定検出スイッチ9024が設けられているので
、第2大入賞口に入賞して第2カウントスイッチ9023bで検出された遊技球は、殆ど
全て特定領域に入賞し特定検出スイッチ9024で検出されることになる。そして、この
変形例では、第2カウントスイッチ9023bで遊技球が検出されたことにもとづいて1
0個の賞球払出が行なわれ、特定検出スイッチ9024で検出されたことにもとづいて確
変状態に制御されることが確定する。また、第2特別可変入賞球装置907bの内部には
、第2大入賞口LED9020bが設けられている。なお、この変形例では、第2大入賞
口LED9020bは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、この変形例では、第1特別図柄表示装置904Aに特定表示結果(大当り図柄)
が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置904Bに特定表示結果(大当り図
柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第6ラ
ウンドでは第2大入賞口が開放状態に制御され、第6ラウンド以外のラウンドでは第1大
入賞口が開放状態に制御される。そして、この変形例では、大当り遊技中の第6ラウンド
において第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、大当り遊技終了後に遊技状態
が確変状態に制御されることが確定する。
また、この変形例では、ラウンド中処理として、第1大入賞口または第2大入賞口への
入賞が発生していれば、演出制御用CPU90120は、第1大入賞口LED9020a
または第2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行なう。この場合、大当り
遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されてい
る場合であるので、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる制御を行なう。また
、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第
2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドである
か否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することに
より判定できる。
図66〜図68は、第2変形例の演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S9
0806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU9
0120は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認
する(S903901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないとき
は(S903901のN)、演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中指定コマン
ドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S
903902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S903902の
N)、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマの値を1減算し(S903903
)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(画像表示装置905、スピーカ908、
遊技効果ランプ909等)の制御を実行する(S903904)。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないか
どうかを確認し(S903905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(S90
3905でY)、プロセスデータの切替を行なう(S903906)。すなわち、プロセ
ステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制
御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおける
プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S9
03907)、S903908の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は
、プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S903905でN)、S90390
6とS903907の処理を行なわずに、S903908の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU90120は、確変確定報知フラグがセットされているか否
かを確認する(S903908)。確変確定報知フラグがセットされていれば(すなわち
、第2大入賞口内の特定領域を通過することで送信される確変状態に制御されることが確
定したことを示す確変確定報知指定コマンドを受信していれば)(S903908でY)
、演出制御用CPU90120は、その確変確定報知フラグをリセットする(S9039
09)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において確変確定報
知の実行を開始する(S903910)。また、演出制御用CPU90120は、確変確
定報知実行中フラグをセットするとともに、演出期間計測タイマ1に確変確定報知の実行
期間に相当する値(たとえば、1.0秒に相当する値)をセットし(S903911)、
S903912の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、確変確定報知
フラグがセットされていなければ(S903908でN)、S903909〜S9039
11の処理を行なわずに、S903912の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU90120は、確変確定報知実行中フラグがセットされてい
るか否かを確認する(S903912)。確変確定報知実行中フラグがセットされていれ
ば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)(S903912でY)、演出制御用C
PU90120は、演出期間計測タイマ1の値を1減算し(S903913)、減算後の
演出期間計測タイマ1の値が0となったか否かを確認する(S903914)。減算後の
演出期間計測タイマ1の値が0となっていれば(S903914のY)、演出制御用CP
U90120は、画像表示装置905において確変確定報知の実行を終了する(S903
915)。また、演出制御用CPU90120は、確変確定報知実行中フラグをリセット
し、確変確定報知の実行済みであることを示す確変確定報知済フラグをセットし(S90
3916)、S903917の処理へ移行する。
S903912において、確変確定報知実行中フラグがセットされていなければ(S9
03912でN)、演出制御用CPU90120は、S903913〜S903916の
処理を行なわずに、S903917の処理へ移行する。また、S903914において,
減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていなければ(S903914のN)、S
903915とS903916の処理を行なわずに、S903917の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否
かを確認する(S903917)。大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(S9
03917でN)、演出制御用CPU90120は、ラウンド後処理を終了する。一方、
大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、第1大入賞口または第2大入賞口
への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)(S903917でY
)、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグをリセットする(S90391
8)。また、演出制御用CPU90120は、入賞カウンタの値を1加算し(S9039
19)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(S903
920)。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発
生した場合である。「オーバー入賞」とは、たとえば、この変形例では、大当り遊技中に
おけるラウンドごとの第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数の上限数(本例で
は、10個)が定められているのであるが、その上限数を超えて第1大入賞口や第2大入
賞口に遊技球が入賞することである。たとえば、この変形例では、大当り遊技中の各ラウ
ンドにおいて所定の開放時間(たとえば、29秒間)が経過する前であっても、第1大入
賞口や第2大入賞口への10個目の入賞を検出すれば第1大入賞口や第2大入賞口が閉鎖
状態に制御されるのであるが、その第1大入賞口や第2大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入
賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば(すなわち、オーバー入賞が発生
していれば)(S903920でY)、演出制御用CPU90120は、第7ラウンド以
降のラウンドであるか否かを確認する(S903921)。なお、第7ラウンド以降のラ
ウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確
認することにより判定できる。
第7ラウンド以降のラウンドであれば(S903921でY)、演出制御用CPU90
120は、確変確定報知済フラグがセットされているか否かを確認する(S903922
)。確変確定報知済フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変確定報知の終了後
であれば)(S903922でY)、演出制御用CPU90120は、第1大入賞口LE
D9020aをレインボー発光させる(たとえば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発
光させる)制御を行なう(S903923)。また、演出制御用CPU90120は、ス
ピーカ908から所定の入賞音を音出力させる制御を行ない(S903924)、ラウン
ド後処理を終了する。
なお、この変形例では、第7ラウンド以降のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制
御される場合しかないので、S903923では第1大入賞口LED9020aをレイン
ボー発光させる場合しかない。なお、第2大入賞口LED9020bもレインボー発光さ
せるように制御してもよい。
なお、この変形例では、ラウンド後処理においてのみS903920〜S903924
の処理を実行する場合を示したが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、ラウ
ンド中処理においてもS903920〜S903924と同様の処理を実行するように構
成してもよい。そのように構成すれば、たとえば、第1大入賞口や第2大入賞口に入賞し
た遊技球が全て検出されるまでラウンド中処理を行なうようにプログラムを構成した場合
であっても、オーバー入賞を検出したときに第1大入賞口LED9020aをレインボー
発光させたり所定の入賞音を音出力させたりすることができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合(すなわち、オーバー入賞で
ない場合)(S903920でN)や、第7ラウンド以降のラウンドでない場合(すなわ
ち、第1ラウンド〜第6ラウンドである場合)(S903921でN)、確変確定報知済
フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ確変確定報知が終了していない場合)
(S903922でN)であれば、演出制御用CPU90120は、第1大入賞口LED
9020aまたは第2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行ない(S90
3925)、ラウンド後処理を終了する。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外の
ラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入
賞口LED9020aを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第
2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED9020b
を白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞
口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
この変形例では、ラウンド中処理や、ラウンド後処理のS903917〜S90392
5の処理が実行されることによって、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞した場
合には、少なくとも第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを発
光させる報知演出が実行される。そして、特にS903920〜S903924の処理が
実行されることによって、この変形例では、オーバー入賞が発生した場合に、第2大入賞
口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラ
ウンド以降のラウンドである場合には、第1大入賞口LED9020aがレインボー発光
されるとともにスピーカ908から所定の入賞音が音出力される態様により報知演出が実
行される。そのようにオーバー入賞が発生した場合には、通常態様(本例では、第1大入
賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる)とは異なる特
殊態様による報知演出を実行するので、報知演出による遊技の興趣を向上させることがで
きる。
ただし、この変形例では、S903921,S903922の判定処理が実行されるこ
とによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技
球が入賞する前である場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにしている。
そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出を実行しないよう
にすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止して
いる。また、この変形例では、S903921,S903922でNのときにはS903
925に移行することによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口
内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、通常態様による報知演出を実行する
ようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出
に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上さ
せるようにしている。
さらに、この変形例では、S903921の判定処理が実行されることによって、第2
大入賞口が開放状態に制御され特定領域に遊技球が入賞する可能性がある第6ラウンドに
おいてオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例で
は、通常態様による報知演出を実行)ようにしている。そのような構成により、この変形
例では、確変確定報知が実行される可能性がある第6ラウンドでは特殊態様による報知演
出を実行しないようにすることによって、特殊態様による報知演出により確変確定報知の
実行を妨げてしまうことを防止し、演出効果が却って低下してしまうことを防止するよう
にしている。
なお、この変形例では、S903921,S903922の判定処理を行なうことによ
って、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大
当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合に、第1大入賞口90LED20aが
レインボー発光されるとともにスピーカ908から所定の入賞音が音出力される場合を示
しているが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、オーバー入賞が発生した場
合に、大当り種別が確変状態に制御可能な有利な大当りであるか、実質的に確変状態に制
御されない不利な大当りであるかを判定し、有利な大当りであると判定した場合に、第1
大入賞口LED9020aがレインボー発光されるとともにスピーカ908から所定の入
賞音が音出力されるように構成してもよい。また、この変形例で示した第2大入賞口内の
特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、上記
の有利な大当りであるか否かの判定とのいずれか一方のみを実行して、第1大入賞口LE
D9020aのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよいし、第2大
入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判
定と、有利な大当りであるか否かの判定との両方を実行して、第1大入賞口LED902
0aのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよい。
また、この変形例では、演出制御用CPU90120側で入賞カウンタを用いて受信し
た大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったこ
とに基づいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられな
い。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100側で大入賞口への入賞数が1
1以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしても
よい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送
信するようにし、演出制御用CPU90120側では、いずれの大入賞口入賞指定コマン
ドを受信したかに基づいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい
図66のS903902において、大入賞口開放中フラグがセットされているときは(
S903902でY)、演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中フラグをリセッ
トする(S903926)。
次いで、演出制御用CPU90120は、次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5
ラウンドであるか否かを確認する(S903927)。なお、第2ラウンド〜第5ラウン
ドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認す
ることにより判定できる。次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであれば
(S903927でY)、演出制御用CPU90120は、昇格演出を含むラウンド中演
出に応じたプロセステーブルを選択し(S903928)、S903930の処理へ移行
する。一方、第2ラウンド〜第5ラウンドでなければ(すなわち、次に開始するラウンド
が第6ラウンド以降のラウンドであれば)(S903927でN)、演出制御用CPU9
0120は、通常のラウンド中演出(昇格演出を含まないラウンド中演出)に応じたプロ
セステーブルを選択し(S903929)、S903930の処理へ移行する。
なお、この変形例では、たとえば、昇格演出として画像表示装置905においてルーレ
ット演出を実行する。この場合、第1ラウンド〜第4ラウンドを開始するときには、S9
03928において、昇格演出としてルーレットを球が回転するような態様の演出を含む
プロセステーブルを選択する。また、第5ラウンドを開始するときには、S903928
において、大当り種別がいずれであるかを特定し、第2大入賞口内の特定領域に入賞する
見込みのない(確変状態に制御されることが確定する見込みのない)大当りである場合に
は、昇格演出としてルーレットの結果がはずれとなるような態様の演出を含むプロセステ
ーブルを選択する。一方、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みが高い(確変状態
に制御される見込みが高い)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果が
当りとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。なお、大当り種別がい
ずれであるかは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指
定コマンドを確認することにより判定できる。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマをスタートさせ(S9039
30)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音
番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置905、演出用部品
としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ908)の制御を実行する(S
903931)。また、演出制御用CPU90120は、セットされていれば、演出期間
計測タイマ1の値を1減算する(S903932)。
次いで、演出制御用CPU90120は、入賞カウンタを初期化する(S903933
)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
そして、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理に
対応した値に設定し(S903934)、ラウンド後処理を終了する。
図66のS903901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたと
きは(S903901でY)、演出制御用CPU90120は、大当り終了指定コマンド
受信フラグをリセットする(S903935)。
次いで、演出制御用CPU90120は、エンディング演出に応じたプロセステーブル
を選択する(S903936)。また、演出制御用CPU90120は、大当り遊技終了
時のエンディング期間に対応した値(たとえば、3.0秒間に相当する値)を、大当り遊
技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマ
にセットする(S903937)。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマをスタートさせ(S9039
38)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音
番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置905、演出用部品
としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ908)の制御を実行する(S
903939)。
そして、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値をエンディング
演出処理(S90177)に対応した値に設定し(S903940)、ラウンド後処理を
終了する。
次に、報知演出の演出態様の具体例について説明する。図69および図70は、第2変
形例の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図69および図70にお
いて、(1)(2)(3)・・・の順に演出態様が遷移する。
図69(1)に示すように、左中右の飾り図柄(演出図柄)が同じ図柄で停止表示され
て大当りが発生し、図69(2)に示すように、第1ラウンドが開始されて大当り遊技が
開始されたものとする。また、図69(2)〜(6)に示すように、第1ラウンド〜第5
ラウンドにおいては昇格演出も実行される(S903928参照)。図69(2)に示す
例では、画像表示装置905においてルーレットを球が回転するような態様の画像902
00を表示することにより昇格演出が開始される場合が示されている。
また、図69(3)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生
すると、通常態様により報知演出が実行される。図69(3)に示す例では、第1大入賞
口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる態様で報知演出が
実行される場合が示されている。
また、大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了
した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図69(4)に示す
ように、オーバー入賞が発生した場合であっても、第6ラウンドよりも前のラウンドであ
り第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変確定報知が実行される前である場合
には、通常態様により報知演出が実行される。図69(4)に示す例では、第1大入賞口
へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる態様で報知
演出が実行される場合が示されている(S903925参照)。
次いで、図69(5)に示すように、同様の態様で第2ラウンド以降のラウンドが実行
され、図69(6)に示すように、第5ラウンドとなると、ルーレットの当否結果を報知
するような態様の昇格演出が実行される。図69(6)に示す例では、大当り種別が確変
大当りとなる大当りであることに基づいて、球がルーレット内の「確」と表示された領域
に入球し、ルーレットの結果が当り(確変状態となることを示唆する結果)となるような
態様の画像を表示するとともに、「確変昇格あり!」などの文字列90201を表示する
態様により昇格演出が実行される場合が示されている。なお、大当り種別が確変大当りと
ならない大当り(通常大当り)である場合には、たとえば、球がルーレット内の「確」と
表示された領域以外の領域に入球し、ルーレットの結果がはずれ(確変状態とならないこ
とを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格なし!」な
どの文字列を表示する態様により昇格演出が実行される。
なお、この変形例では、昇格演出として、ルーレット演出を実行する場合を示している
が、そのような態様にかぎられない。たとえば、昇格演出として、敵と味方のキャラクタ
がバトルを行ない、味方のキャラクタが勝利することによって確変状態となることを示唆
したり、味方のキャラクタが敗北することによって確変状態とならないことを示唆したり
する演出を実行してもよい。また、たとえば、昇格演出として、おみくじを表示するよう
な演出を行ない、おみくじの結果が「吉」であれば確変状態となることを示唆したり、お
みくじの結果が「凶」であれば確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行して
もよい。そのように、昇格演出として、何らかの態様で確変状態に制御されるか否かを煽
ることができる演出を実行するものであればよい。
また、この変形例では、第1ラウンド〜第5ラウンドにわたって昇格演出が実行され、
最後の第5ラウンドにおいて昇格演出の結果報知(本例では、ルーレットの結果が報知)
がされる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第5ラウンド
を待たずに、第1ラウンド〜第4ラウンドでも昇格演出の結果報知を可能に構成してもよ
い。この場合、昇格演出の結果報知の後であれば、第5ラウンドや第6ラウンドを待たず
に、オーバー入賞発生時に特殊態様による報知演出を実行可能に構成してもよい。
次いで、図69(7)に示すように、第6ラウンドに移行し第2大入賞口が開放状態に
制御される。そして、図69(7)に示すように、第6ラウンドにおいて第2大入賞口に
遊技球が入賞するとともに第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し、確変状態に制御
されることが確定したものとする。図69(7)に示す例では、第6ラウンド中に第2大
入賞口に遊技球が入賞したことから、第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態
様で報知演出が実行されることも示されている。また、確変状態に制御されることが確定
したことに基づいて、図69(8)に示すように、画像表示装置905において確変確定
報知の実行が開始される。図69(8)に示す例では、確変確定報知として、画像表示装
置905において「確変確定!」などの文字列90202が表示される場合が示されてい
る。
なお、図69(7)において、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したときに(
特に、特定領域に1個目の遊技球が入賞したときに)、第2大入賞口LED9020b(
第1大入賞口LED9020aでもよい)を専用の発光色で発光(たとえば、特殊態様の
報知演出とは異なる赤色で発光)させたり、専用の入賞音(たとえば、特殊態様の報知演
出とは異なる専用の入賞音)を音出力させたりしてもよい。
また、第6ラウンドにおいて第2大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10
個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この
場合、図70(9)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、確変確定報
知が実行される場合がある第6ラウンドである場合には、通常態様により報知演出が実行
される。図70(9)に示す例では、第2大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第2大入
賞口LED20bを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S
903925参照)。
次いで、第7ラウンド以降のラウンドに移行する。第7ラウンド以降のラウンドであっ
ても、図70(10)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生
すると、通常態様により報知演出が実行される。図70(10)に示す例では、第1大入
賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる態様で報知演出
が実行される場合が示されている。
一方、第7ラウンド以降のラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、図70
(11)に示すように、通常態様とは異なる特殊態様により報知演出が実行される。図7
0(11)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED
9020aをレインボー発光させるとともに、スピーカ908から所定の入賞音を音出力
させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S903923,S90392
4参照)。
なお、この変形例では、特殊態様による報知演出の場合にのみスピーカ908から所定
の入賞音を音出力させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、通常態様によ
る報知演出を実行する場合にも何らかの入賞音(特殊態様の場合と同じ音でも異なる音で
もよい)を音出力させるようにしてもよい。
また、この変形例では、特殊態様による報知演出として、第1大入賞口LED9020
aをレインボー発光させるとともに、スピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態
様の演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第
1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるだけで、入賞音の音出力を伴わない
ものであってもよい。また、たとえば、通常態様による報知演出とは異なる発光色で発光
するものであれば、レインボー発光以外の発光色(たとえば、赤色や黄色)で第1大入賞
口LED9020aなどを発光させるものであってもよい。また、たとえば、第1大入賞
口LED9020aをレインボー発光させるのではなく、特殊態様による報知演出として
、所定のキャラクタのボイスを模した音を音出力させる態様の演出を実行してもよい。そ
のように特殊態様による報知演出として、様々な態様の演出が考えられる。
なお、この変形例では、大当り遊技において単位遊技(ラウンド)が実行される所定回
数が15回(15ラウンド)である場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、他
の回数であってもよい。また、所定回数は、1回や2回であってもよく、たとえば、大入
賞口を1回または2回のみ開放する突然確変大当りや小当りが設けられている場合に、そ
の突然確変大当りや小当りにおけるオーバー入賞も検出可能に構成してもよい。
なお、この変形例では、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入
賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行
する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第2大入賞口内の特定
領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、報知演出を全く実行しな
いように構成してもよい。
なお、この変形例では、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による
報知演出のみを実行しないようにし、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口
LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様の報知演出)は
実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば
、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出と通常態様によ
る報知演出との両方を実行しないように構成してもよい。
なお、この変形例では、第2大入賞口内に設けられた特定領域に遊技球が入賞したこと
に基づいて確変状態に制御されるように構成する場合を示しているが、そのような態様に
かぎられない。たとえば、大当り種別として、通常大当り(大当り遊技後に確変状態に制
御されない大当り。なお、大当り遊技後に時短状態や高ベース状態に制御されるようにし
てもよい。)と、確変大当り(大当り遊技後に確変状態に制御される大当り。なお、確変
状態とともに時短状態や高ベース状態にも制御されるようにしてもよい。)とを設け、確
変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において、
この変形例で示した報知演出を実行する構成を適用してもよい。以下、確変大当りとなっ
たことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行す
る変形例について説明する。
なお、本変形例では、大入賞口内に特定領域が設けられている必要はなく、1つの特別
可変入賞球装置(大入賞口)のみ備えるように構成されていてもよい。
確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機におい
て報知演出を実行する場合、有利状態(本例では、大当り遊技状態)として、少なくとも
第1有利状態(本例では、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態より
も有利度が低い第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り
遊技状態)とに制御可能とする。そして、このうちの第1有利状態における1の単位遊技
において遊技媒体が所定数(本例では、10個)より多い特定数(たとえば、11個目や
12個目)入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口
LED9020aをレインボー発光させるとともにスピーカ908から所定の入賞音を音
出力させる態様の報知演出)を実行可能とすればよい。そのように構成すれば、第1有利
状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づ
いて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出に
よる遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機
において報知演出を実行する場合、第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り
)にもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した
場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにすればよい。具体的には、ラウン
ド後処理におけるS903921,S903922の判定処理に代えて、通常大当りであ
るか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S903923,S903924の
処理を実行しないようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様
による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却っ
て低下してしまうことを防止することができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機
において報知演出を実行する場合、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特
定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口L
ED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様の報知演出)を実
行可能とする。そして、第2有利状態(本例では、通常大当りにもとづく大当り遊技状態
)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報
知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS90392
1,S903922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当り
であると判定すると、S903925の処理を実行するようにすればよい。そのように構
成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を
実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機
において報知演出を実行する場合、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が
付与されること(本例では、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(本例では
、図69(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能とす
る。そして、特定演出を実行する前(本例では、昇格演出における結果報知の前)に第1
有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様に
よる報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による
報知演出を実行する)ようにし、特定演出を実行した後(本例では、昇格演出における結
果報知の後)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場
合に、特殊態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処
理におけるS903921の判定処理に代えて、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第
5ラウンドであるか否かを判定し、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドで
あると判定すると、S903923,S903924を実行しないようにすればよい(S
903925を実行するようにしてもよい)。また、第6ラウンド以降のラウンドである
と判定すると、S903923,S903924を実行するようにすればよい。そのよう
に構成すれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって
、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、上記の変形例では、実際には第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したこと
に基づいて確変状態に制御されることが確定することから、第1ラウンド〜第5ラウンド
において昇格演出が実行されて当り結果が報知されても、確変状態に制御される見込みが
高いことを示唆するものであるが、本変形例では、大当り種別によって確変状態に制御さ
れるか否かが決定していることから、昇格演出において当り結果が報知されれば、そのま
ま確変状態に制御されることが認識できることになる。
なお、上記の変形例では、有利度が高い第1有利状態が確変大当りにもとづく大当り遊
技状態であり、有利度が低い第2有利状態が通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当
り遊技状態である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。
たとえば、大当り遊技後に時短状態のみに制御される時短大当りと、通常状態にしか制
御されない通常大当りとが設けられている場合に、第1有利状態を時短大当りにもとづく
大当り遊技状態とし、第2有利状態を通常大当りにもとづく大当り遊技状態としてもよい
。また、たとえば、大当り遊技中にいわゆる先読み判定を行なうように構成した場合に、
保留記憶中に大当りとなるものが存在する場合(すなわち、連続大当りとなる場合)を第
1有利状態とし、大当りとなるものが存在しない場合を第2有利状態としてもよい。
また、たとえば、第1有利状態をラウンド数の多い大当り(たとえば、15ラウンド大
当り)とし、第2有利状態をラウンド数の少ない大当り(たとえば、5ラウンド大当り)
としてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続
回数が定められていない大当り(次回の大当りまで確変状態や時短状態が継続する大当り
)とし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められている大
当りとしてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短
継続回数が多い大当りとし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数
が少ない大当りとしてもよい。
上記のように何らかの形式で、有利度が高い第1有利状態と有利度が低い第2有利状態
とが設けられているものであればよい。
また、1つのケースであっても、複数の観点から有利または不利が区別されうる場合も
ある。たとえば、大当り種別として5R確変大当りと10R通常大当りとがある場合には
、ラウンド数の観点から考えればラウンド数が多い10R通常大当りの方が有利であり、
大当り遊技後の遊技状態の観点から考えれば大当り遊技後に確変状態に制御される5R確
変大当りの方が有利である。この場合に、ラウンド数の観点を優先して、10R通常大当
りを第1有利状態とし、5R確変大当りを第2有利状態としてもよいし、大当り遊技後の
遊技状態の観点を優先して、5R確変大当りを第1有利状態とし、10R通常大当りを第
2有利状態としてもよい。
上記の変形例において、さらに、報知演出として、特定期間において獲得した価値の大
きさを報知する第1報知(大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球
数報知演出)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2報知(連チャン
中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)と
を実行可能としてもよい。そして、第2報知よりも第1報知の優先度合いが高い(賞球数
報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されない)ようにしてもよ
い。このようにすれば、複数の報知演出を好適に実行することができる。すなわち、複数
の報知演出を優先順位に従って重複しないように実行することができ、複数の報知演出を
好適に実行することができる。
また、上記の変形例において、さらに、一の開放遊技(本例では、大当り遊技)におい
て、遊技媒体(本例では、遊技球)が上限入賞数(本例では、10個)よりも多く可変入
賞手段(本例では、特別可変入賞球装置907(大入賞口))に入賞したことに基づいて
、報知演出(オーバー入賞に対する報知演出)を実行可能である。また、上限入賞数より
も多い第1入賞数目(11個目)の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞
数目(12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(11
個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12
個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)よ
うにしてもよい。このようにすれば、上限入賞数よりも多い第1入賞数目の入賞と第1入
賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実
行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で上限入賞
数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
次に、以上に説明した変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した変形例では、報知演出の報知態様を所定条件が成立しているか否かに
より異ならせるようにしてもよい。たとえば、報知演出の態様を複数種類の報知態様とし
て、白色文字での報知演出と虹色文字での報知演出とが実行されるようにする。そして、
大当り遊技中において、保留記憶バッファに大当り表示結果となる保留記憶があることに
基づいて、通常白色文字で実行される報知演出を虹色文字で実行するようにしてもよい。
このようにすれば、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されている
ことを踏まえて報知演出の報知態様を決定することができ、大当り遊技中の遊技の興趣を
向上させることができる。なお、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記
憶されているときは、100%の割合で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよ
いし、所定の抽選割合(たとえば、50%の割合)で報知演出が虹色文字で実行されるよ
うにしてもよい。また、このような場合に、1回の大当りにおいて複数回報知演出が実行
される可能性があるが、その度に、虹色文字にするか否かの抽選が実行されるようにして
もよい。また、一度に虹色文字による報知演出が実行されると、それ以降の報知演出は虹
色文字により実行されるようにすればよい。
(2) 前述した変形例では、大当り遊技中において、通常大当りから確変大当りへの
昇格演出を実行するようにしてもよい。そのような場合には、昇格演出を実行するラウン
ドにおいて報知演出が実行されるときに、報知演出の態様を通常の態様とは異なる態様に
してもよい。
(3) 前述した変形例では、大当りの種類を複数種類設けてもよい。そして、大当り
の種類により報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの種類として
、4R大当り、8R大当り、15ラウンド大当りを設け、各大当りの種類により、報知演
出の報知態様が異なるようにしてもよい。
(4) 前述した変形例では、獲得総数表示の表示に対し上限値を設けるようにしても
よい。そして、当該上限値まで遊技球を獲得した場合には、獲得総数表示の更新を停止す
るようにしてもよい。たとえば、10万個を上限値と設定した場合において、遊技球の獲
得総数が10万個を超えた場合には、Aモードでの獲得総数表示画像90205やBモー
ドでの獲得総数表示画像90215の表示画像の更新が停止されるようにすればよい。こ
のようにすれば、遊技者が大量の遊技球を獲得できたことを更新を停止することで報知す
ることができ、遊技者に優越感を与えることができる。なお、上限値に到達した場合には
、獲得総数表示を通常の表示態様とは異なる態様に変更するようにしてもよい。
(5) 前述した変形例では、報知演出の態様を獲得した遊技球の総数によって変化さ
せるようにしてもよい。たとえば、Bモードが選択されている場合において、遊技球の獲
得総数が2500個となったときは、第2報知画像90214を白色文字の画像で表示し
、遊技球の獲得総数が5000個となったときは、第2報知画像90214を赤色文字の
画像で表示し、遊技球の獲得総数が10000個となったときは、第2報知画像9021
4を虹色文字の画像で表示してもよい。このようにすれば、獲得総数に合わせて報知態様
が変化し、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、Aモードの場合
も遊技球の獲得総数に応じて報知態様が異なるようにしてもよい。このような場合には、
2500個、5000個、10000個などの区切りのよい数字のときにのみ、報知態様
が異なるようにしてもよいし、500個毎に報知態様が異なるようにしてもよい。
(6) 前述した変形例では、遊技球の獲得総数が所定値を超えることにより、報知演
出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、遊技球の獲得総数が所定値を超えると報
知演出を実行しないようにしてもよいし、異なる概念の表示が行なわれるようにしてもよ
い。より具体的には、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、報知画像を表示しないよ
うにしてもよい。また、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、「おめでとう!」のよ
うな、獲得総数の表示と異なる概念の表示(所定値を達成したことを祝うような表示等)
として数字から文字に変化する表示による報知演出が実行されるようにしてもよい。
(7) 前述した変形例では、演出状態により(AモードまたはBモードにより)報知
演出の態様として表示画像が異なる場合を示した。このような表示画像としては、文字の
色が異なるようなものでもよいし、文字のフォントが異なるようにしてもよいし、文字の
見せ方が異なるようにしてもよい。文字の見せ方が異なるとは、たとえば、文字(数字)
の出現方向が画像表示装置905の表示画面の左から出てくるものと右から出てくるもの
とで異なるようにしてもよい。
(8) 前述した変形例では、報知演出を実行するときの画像が別々の素材から構成さ
れるようにしてもよい。たとえば、Aモードが選択された場合において、第1報知画像9
0204と女の子画像90203とが、別素材で構成されていてもよい。このようにすれ
ば、表示させる画像を別々に設定することができる。そして、表示のさせ方として、たと
えば、抽選により、いずれの画像の組合せで表示するかが決定されるようにしてもよい。
このような場合に、同じ所定の画像が連続して表示されないように、制限をかけるように
してもよい。
(9) 前述した変形例では、図62(a)に示すようなモードの選択中は、遊技球の
獲得総数が所定の値を超えたとしても報知演出を実行しないようにしてもよい。また、こ
のような場合には、報知演出が実行されることをRAM90122の記憶領域に記憶し、
モードの選択終了後に遊技球の獲得総数が所定の値を超えたことが報知されるようにして
もよい。また、モードの選択中に遊技球の獲得総数が所定の値を超えた場合には、報知演
出を実行しないようにしてもよい。
(10) 前述した変形例では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が
可能である場合を示した。しかし、大当り遊技中は、常にAモードとBモードとの選択が
できるようにしてもよい。その場合に、2ラウンド目以降においては、選択表示が画像表
示装置905の表示画面の領域を大幅に占めることによりラウンド中の演出の妨げになら
ないように、表示画面の端の領域に選択可能であることを小さく表示するようにしてもよ
い。
(11) 前述した変形例では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が
可能である場合を示した。しかし、特殊条件の成立により、遊技者によるモードの選択が
不可能となるようにしてもよい。たとえば、大当り毎のラウンド中に何らかのストーリー
が継続して表示されるものにおいて、大当りが20回連続したことに基づいて、ストーリ
ーのエンディングが表示されることを特殊条件の成立とする。この場合に、エンディング
が表示される20回目の大当り中は、モードの選択が不可能としてもよい。また、エンデ
ィングが表示される20回目の大当り中は、報知演出を実行しないようにしてもよいし、
報知演出のための小窓画像をエンディングが表示される領域とは異なる領域に表示し当該
領域で報知演出が実行されるようにしてもよい。また、報知演出の態様を遊技者が選択で
きる大当りと遊技者が選択できない大当り(特殊条件での大当り)とで、異ならせるよう
にしてもよい。
(12) 前述した変形例では、遊技者にとって有利な大当りであるか不利な大当りで
あるかにより、報知演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技者に
有利な大当りである確変大当りの場合には、報知演出を実行し、遊技者にとって不利な大
当りである通常大当りの場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(13) 前述した変形例では、報知演出のためにカウントされる遊技球は、遊技球の
入賞に対して払出されるものについて説明した。しかし、遊技領域に打込んでアウト口に
取込まれた遊技球を払出される遊技球から差し引いた差球数を報知演出のためにカウント
される遊技球としてもよい。このようにするには、たとえば、打球の発射位置に発射セン
サを設けるとともに、アウト口に取込まれた遊技球をカウント可能なアウト口センサを設
ければよい。そして、大入賞口を含む各入賞センサ、発射センサ、および、アウト口セン
サを監視することで、差球数のカウントが可能とすればよい。
(14) 前述した変形例では、パチンコ遊技機901と、インターネット網に接続さ
れた管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、パチンコ遊技機901と管理サー
バとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末
を介してデータのやり取りを行ない、パチンコ遊技機901において、携帯端末(たとえ
ば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴や遊技者が選択した
演出モード(登場するキャラクタが異なるモード)等を反映させた遊技モードで遊技を行
なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行できるようにしてもよい。こ
のような場合に、携帯連動モードを実行しているか否かにより大当り中の報知演出の態様
が異なるようにしてもよい。また、遊技者が選択したモードの種類によって、大当り中の
報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(15) 前述した変形例では、異なる抽選の報知により大当り中の報知演出の態様が
異なるようにしてもよい。異なる抽選の報知とは、たとえば、大当り中に通常大当りから
確変大当りとなることを報知する昇格演出において、1回の告知により確変昇格の有無を
告知する完全告知モードと複数回の告知により確変昇格の有無を告知するチャンス告知モ
ードとによる報知のようなものである。このような報知の違いを演出状態の違いとして、
完全告知モードとチャンス告知モードとにより、大当り中の報知演出の態様が異なるよう
にしてもよい。
(16) 前述した変形例では、演出状態(演出モード)を大当り遊技中以外の遊技状
態で変化可能としてもよい。たとえば、大当り遊技状態終了後の時短状態中に、演出状態
を変化させることにより次回の大当り遊技中の報知演出の態様が変化するようにしてもよ
い。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:
30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必
ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果
となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるよう
に設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちい
ずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1
の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割
合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときに
は、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となる
ときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1
の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態
様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するとき
に1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドに
より変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマン
ドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑
り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変
動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定
コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチ
となった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例
えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する
様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて
変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンド
のそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態
様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合
、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを
送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマン
ドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限
定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃
至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマ
ンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生
したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基
づいて発生したものであるかに応じて、先読み予告演出や保留記憶表示の表示態様(色や
形状など)を異ならせてもよい。
また、図46に示すステップS90403の処理では、ステップS90402の処理に
て選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、可変
表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当
り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り
判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数
の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技
状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて可変表示結果を判定する一方、
始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて
可変表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に
基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データを用いて可変
表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR
2´を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終
了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示に
おける表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先
読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず
、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される
旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整
合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1
特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に
基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、
この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過
(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであっ
てもよい。
その他にも、パチンコ遊技機901の装置構成、データ構成、フローチャートで示した
処理、画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動
作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、この発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い
出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であ
ったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大
きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するととも
に、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技
機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にもこの発明
を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識
別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備
え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者に
とって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得
点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球
の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞す
ることに応じて遊技得点を加算する遊技機にもこの発明を適用できる。そのような遊技機
は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技
用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入され
た遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を
備えていてもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記
号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにして
もよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該
図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよ
い)。
上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドを
サブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み
判定をするようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊
技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パ
ターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大
当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに
基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機901に含まれる
コンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定
されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールし
ておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプ
ログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続さ
れたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っ
ても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するもの
だけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモ
リ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネッ
トワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としても
よい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うこ
とによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 … パチンコ遊技機
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
32A、32B … 演出用可動部材
33A、33B … 可動部材駆動モータ
35A … コントローラセンサユニット
35B … プッシュセンサ
90 … 演出用点灯役物
122 … メモリコントローラ
123 … 演出データメモリ
131 … CPU
132 … ROM
133 … RAM
134 … ウォッチドッグタイマ
135 … VDP
136 … 音声処理回路
137 … ランプ制御回路
138 … モータ制御回路
141 … 命令デコーダ
142 … デマルチプレクサ
143 … 映像デコーダ
144 … VRAM
145 … 表示駆動回路
151 … 音声デコーダ
901 … パチンコ遊技機
902 … 遊技盤
903 … 遊技機用枠
904A、904B … 特別図柄表示装置
905 … 画像表示装置
906A … 普通入賞球装置
906B … 普通可変入賞球装置
907 … 特別可変入賞球装置
908L、908R … スピーカ
909 … 遊技効果ランプ
9011 … 主基板
9012 … 演出制御基板
9013 … 音声制御基板
9014 … ランプ制御基板
9015 … 中継基板
9020 … 普通図柄表示器
9021 … ゲートスイッチ
9022A、9022B … 始動口スイッチ
9023 … カウントスイッチ
9031A … スティックコントローラ
9031B … プッシュボタン
90100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
90101、90121 … ROM
90102、90122 … RAM
90103 … CPU
90104、90124 … 乱数回路
90105、90125 … I/O
90120 … 演出制御用CPU
90123 … 表示制御部

Claims (1)

  1. 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    可変表示を実行するときの背景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、
    前記第1背景では、可変表示が1回実行される毎に第1楽曲を先頭から出力し、
    前記第2背景では、複数回の可変表示に亘って第2楽曲を出力し、
    前記第2背景では、可変表示を開始するときに所定音を出力可能であり、
    前記所定音を出力する際の態様が複数種類あり、該複数種類のいずれの態様で前記所定
    音が出力されたかに応じて、前記有利状態に制御される期待度が異なり、
    前記第2背景となってから初回の可変表示を開始するときは前記所定音を出力しないこ
    とが可能であり、
    前記第2背景において可変表示が停止した後においても、前記第2楽曲を継続して出力
    可能である、
    ことを特徴とする遊技機。
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Citations (2)

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JP2010022485A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Sankyo Co Ltd 遊技機
JP2018015127A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 株式会社三共 遊技機

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