以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(図29に示す飾り図柄表示領域91)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。この実施の形態では、図柄の可変表示が開始されてから図柄の表示結果(停止図柄)が導出表示されるまでに、複数回(この例では1回〜3回)図柄の仮停止が行われることがある(図9、図30〜図32参照)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域(飾り図柄表示領域91)に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
図1には示していないが、可変表示装置9の表示画面には、大当り終了後に時短状態または後述する潜伏確変状態(図47参照)に移行されたときから、飾り図柄の停止図柄(表示結果)の導出表示および飾り図柄の仮停止図柄の仮停止表示が行われた回数(実行回数)を表示する領域(以下、回数表示領域92という。図29参照。)が設けられている。
また、図1には示していないが、可変表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示領域93という。図29参照。)が設けられている。保留記憶数を表示する保留記憶表示領域93が設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数を把握しやすくすることができる。なお、保留記憶表示領域93が設けられているので、特別図柄保留記憶表示器18は、設けられていなくてもよい。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、第2始動入賞口14が形成されている。そして、第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
始動入賞口14の下方には、大当り遊技状態または小当り遊技状態においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
また、打球供給皿(上皿)3の上面には、遊技中に遊技者が操作するための操作ボタン120が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当りともいう))に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、停止時の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞球装置20が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞球装置20が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。なお、突然確変大当りでは、特別可変入賞球装置20が開放される期間が短く、特別可変入賞球装置20の開放中に10個の遊技球が入賞しないので、10個の遊技球が大入賞口に入賞するまでを1ラウンドと定義する必要はない。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、可変表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、停止時の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞球装置20が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間(可変表示時間)が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8における表示結果(特別図柄の停止図柄)と可変表示装置9における表示結果(飾り図柄の停止図柄)とは対応している。なお、両図柄の対応関係については後述する。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
確変状態(確率変動状態)とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が通常遊技状態および時短状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。
また、時短状態(時間短縮状態)とは、特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9における飾り図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。
また、通常状態とは、大当りとなる確率が高められておらず、図柄の可変表示時間(変動時間)が短縮されていない通常の遊技状態のことをいう。
なお、この実施の形態では、確変状態において、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長された状態は、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められた状態を意味する。確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数のいずれも高める必要はなく、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
この実施の形態では、確変状態において特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態および時短状態よりも高いことを除いて、確変状態と時短状態とは同じように制御される。すなわち、確変状態および時短状態のいずれの状態においても、特別図柄の可変表示時間が短縮され、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われる。このように、この実施の形態では、確変状態においても特別図柄の可変表示時間が短縮されるので、この実施の形態における確変状態を確変時短状態といってもよい。なお、確変状態と時短状態とで異なる制御を行うようにしてもよい。例えば、時短状態のときにのみ、特別図柄の可変表示時間を短縮するようにしてもよい。
次に、遊技状態の遷移について説明する。
(1)通常状態または時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、可変表示装置9の表示画面の背景(背景画像および背景色のいずれか一方または双方)が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(2)確変状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、可変表示装置9の表示画面の背景が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(3)通常状態または時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、可変表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(4)確変状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、可変表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(5)通常状態または時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常状態であったときは通常状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、可変表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、可変表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(6)確変状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、可変表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、可変表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(7)通常状態、時短状態または確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常状態、時短状態または確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、可変表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
この実施の形態では、確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了したことによって確変状態に移行されたにもかかわらず、所定の割合で、遊技状態が確変状態に移行されたことを隠す制御を実行する。すなわち、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示し(なお、特別図柄の停止図柄は確変図柄を導出表示する)、また、大当り遊技の終了後に、可変表示装置9の表示画面の背景を時短状態中であることを示す背景に変更して、時短状態に移行されたと見せかける演出制御を実行する。このように、確変状態に移行されたにもかかわらず、時短状態に移行されたと見せかける演出制御が実行されている遊技状態を潜伏確変状態(隠れ確変状態)という。確変大当り遊技の終了後に所定の割合で潜伏確変状態に移行されることにより、時短状態中であることを示す背景が表示されているときであっても、遊技者に確変状態に移行されたとの期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、時短状態は通常大当り遊技の終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御されるが、所定の変動回数に達する前に時短状態の終了を報知し、その後に時短状態が残りの変動回数分だけ延長されたように見せかける演出制御を実行する(図30等参照)。このように、時短状態が延長されたように見せかける演出制御が実行されている遊技状態を時短延長状態という。時短状態が延長されたと見せかけることにより、時短状態の終了時に延長されるかどうかの期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、この実施の形態では、潜伏確変状態に移行されたときも、時短状態が延長されたように見せかける演出制御を実行する。潜伏確変状態のときは、大当りまたは小当りが発生するまで時短延長状態が継続されることになる。従って、時短延長状態に移行された後の変動回数が増える程、潜伏確変状態の期待が高まり、より一層、遊技の興趣を向上させることができる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかにRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20(開閉板)を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。図3に示すように、この実施の形態では、遊技機1は、可変表示装置9の表示制御を行うための演出制御基板80と、音出力装置27の音出力制御を行うための音声出力基板70と、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うためのランプドライバ基板35とを含む。なお、この実施の形態では、複数の制御基板(演出制御基板80,音声出力基板70、ランプドライバ基板35)を用いて、可変表示装置9の表示制御や、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う場合を説明するが、1つの制御基板(例えば、1つの演出制御基板)を用いて行ってもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、ROM84、RAM85およびI/Oポート87を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAM85は外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM84に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35に搭載されたランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して装飾ランプ25や天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、球切れランプ51、賞球ランプ52などの各ランプに供給する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声出力基板70に搭載された音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM89から必要なデータを読み出す。キャラクタROM89は、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROM89から読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAM83をマッピングする。VRAM83は、VDP109によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM83内の画像データを可変表示装置9に出力する。
また、この実施の形態では、ランプドライバ基板35には、現在時刻(現日時情報)を出力するリアルタイムクロック(RTC)353が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、リアルタイムクロック353から現在の日付(年、月、日、曜日)を示す日付信号や現在の時刻(時、分、秒)を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。リアルタイムクロック353は、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、ランプドライバ35に搭載されたバックアップ電源回路355(例えば、バッテリ)から供給される電源によって動作する。従って、リアルタイムクロック353は、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、リアルタイムクロック353は、遊技機に電源が供給されているときであったもバックアップ電源回路355から供給される電源によって動作するようにしてもよい。
また、バックアップ電源回路355の電源は、ランプドライバ基板35に搭載されているバックアップRAM356にも供給される。すなわち、バックアップRAM356は、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源が供給され、遊技機の電源が切られているときには、ランプドライバ35に搭載されたバックアップ電源回路355から電源が供給される。なお、バックアップRAM356は、遊技機に電源が供給されているときであったもバックアップ電源回路355から電源が供給されてもよい。
なお、リアルタイムクロック353をランプドライバ基板35ではなく、演出制御基板80や音声出力基板70に搭載してもよい。また、リアルタイムクロック353を主基板31に搭載するようにしてもよい。また、リアルタイムクロック353を設けずに、バックアップRAM356に設けたカウンタをカウントアップする(例えば、遊技機の電源をオンしてからの始動入賞回数をカウントアップする)ことによって計時してもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、バックアップRAM356に設けたカウンタのカウント値にもとづいて各種処理を実行してもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120からの操作信号を入力ポート108を介して入力し、入力した操作信号にもとづいて遊技演出を行う。なお、操作ボタン120からの操作信号にもとづく遊技演出の詳しい内容については、実施の形態3にて説明する。
次に、リアルタイムクロック353の構成について説明する。図4は、リアルタイムクロック353の構成例を示すブロック図である。リアルタイムクロック353は、例えば、水晶発振子を内蔵したシリアルインタフェース方式のリアルタイムクロックモジュールとして実現される。図4に示すように、リアルタイムクロック353は、水晶発振子360、出力制御部361、割込制御部362、バス/インタフェース回路363、クロック出力/カレンダ機能部364、タイマレジスタ365、アラームレジスタ366、コントロールレジスタ367およびシフトレジスタ368を含む。
水晶発振子360は、所定の発振周波数(例えば、32.768kHz)の発振信号を出力する。クロック出力/カレンダ機能部364は、水晶発振子360からの発振信号にもとづいてクロック信号を出力する機能を備える。また、クロック出力/カレンダ機能部364は、水晶発振子360からの発振信号にもとづいて日時や時刻を計時する機能を備える。例えば、クロック出力/カレンダ機能部364は、時計カウンタを備え、水晶発振子360からの発振信号にもとづいて時計カウンタをカウントアップすることによって時刻(時、分、秒)を計時する。また、例えば、クロック出力/カレンダ機能部364は、カレンダカウンタを備え、水晶発振子360からの発振信号にもとづいてカレンダカウンタをカウントアップすることによって日付(年、月、日)を管理する。また、例えば、クロック出力/カレンダ機能部364は、曜日カウンタを備え、水晶発振子360からの発振信号にもとづいて曜日カウンタをカウントアップすることによって曜日を管理する。
シフトレジスタ368は、クロック出力/カレンダ機能部364が計時する日付や時刻をシリアルデータに変換してバス/インタフェース回路363に出力する機能を備える。バス/インタフェース回路363は、シフトレジスタ368からの入力にもとづいて、現在の日付信号や時刻信号(DATA)をシリアルデータとして出力する機能を備える。また、バス/インタフェース回路363は、クロック出力/カレンダ機能部364の出力にもとづいてクロック信号(CLK)を出力する機能を備える。
出力制御部361は、水晶発振子360からの発振信号にもとづいて、あらかじめ設定された周波数のクロック信号(FOUT)を出力する機能を備える。例えば、出力制御部361は、周波数設定レジスタを備え、外部入力(FCON)にもとづいて周波数設定レジスタにあらかじめ周波数を設定する。そして、周波数設定レジスタに設定された設定周波数にもとづいてクロック信号(FOUT)を出力する。
割込制御部362は、タイマレジスタ365に設定された設定値(定周期割込時刻)にもとづいて、所定周期ごとに割込信号(TIRQ)を出力する機能を備える。また、割込制御部362は、アラームレジスタ366に設定された設定値(アラーム時刻)にもとづいて、所定の時刻にアラームとしての割込信号(AIRQ)を出力する機能を備える。
また、この実施の形態では、リアルタイムクロック353は、2つのイネーブル信号(CE0,CE1)の入力がともにハイレベルとなったときに、外部からのアクセスが可能となる。例えば、リアルタイムクロック353の各レジスタの設定値をセットしたり、リアルタイムクロック353が計時する時刻を外部から調整したりする場合には、2つのイネーブル信号(CE0,CE1)の入力がともにハイレベルとされアクセス許可状態とされて、外部からコマンドが入力される。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧に関するコマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。ここで、停電復旧に関するコマンドとしては、停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンド、停電発生時の遊技状態が時短状態であった場合における停電発生時の時短回数を指定する時短回数指定コマンド、停電発生時の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドが設けられている。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り図柄決定用乱数の初期値を決定するためのランダム2初期値用乱数を設けてもよい。そして、ランダム4初期値用乱数に加えてランダム2初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り図柄をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」)や突然確変図柄(例えば、「5」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図8(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図8(B)参照)とがある。図8(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値および小当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。また、CPU56は、ランダムRの値と小当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの小当り判定値と一致すると、小当りとすることに決定する。
なお、ランダムRにもとづいて大当りとすることに決定された場合には、大当り図柄決定用乱数にもとづいて決定した停止図柄に応じて、確変大当り、通常大当りまたは突然確変大当りに決定される。具体的には、決定された特別図柄の停止図柄が「3」のときは、通常大当り(非確変大当り)となる。すなわち、特別図柄「3」が非確変図柄である。また、決定された特別図柄の停止図柄が「5」のときは、突然確変大当りとなる。すなわち、特別図柄「5」が突然確変図柄である。また、決定された特別図柄の停止図柄が「7」のときは、確変大当りとなる。すなわち、特別図柄「7」が確変図柄である。
また、ランダムRにもとづいて小当りとすることに決定された場合には、自動的に(大当り図柄決定用乱数を用いることなく)特別図柄の停止図柄は「1」と決定される。また、ランダムRにもとづいてはずれとすることに決定された場合には、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて特別図柄の停止図柄として「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれかが決定される。
なお、飾り図柄の停止図柄は、2つのLEDのうち、いずれか一方が大当り図柄・小当り図柄(大当り・小当り共通の図柄)であり、他方がはずれ図柄である。また、飾り図柄の停止図柄は、CPU56にて決定された表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、はずれ)を指定する表示結果特定コマンドにもとづいて演出制御用CPU101によって決定される(図46参照)。
このように、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8に示す大当り判定値または小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
図9は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図9において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄および飾り図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄および飾り図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターンのように表現することがある。
図9に示すように、停止図柄を「はずれ」とすることに決定され、かつ遊技状態が通常状態である場合は、変動番号1,6〜11の変動パターンが用いられる。ここで、「通常変動」の変動パターン(変動番号1の変動パターン)は、リーチ演出に発展せずにはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号6の変動パターン)は、通常変動が行われた後、ノーマルリーチ演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号7の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号8の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA演出とは異なるスーパーリーチB演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号9の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA,B演出とは異なるスーパーリーチC演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号10の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA,B,C演出とは異なるスーパーリーチD演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「擬似連続変動+スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号11の変動パターン)は、擬似連続変動が行われた後、スーパーリーチA,B,C,D演出とは異なるスーパーリーチE演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。
「擬似連続変動」とは、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動(変動再開)を連続的に所定回実行することによって複数回の変動が実行されたように見せる変動(つまり擬似的に複数回の変動があるように認識させる変動)である。なお、変動番号11の変動パターンでは、図柄の仮停止と再変動が1回実行されることによって2回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が実行された後に、スーパーリーチE演出に発展する。
また、停止図柄を「はずれ」とすることに決定され、かつ遊技状態が時短状態または確変状態である場合は、変動番号2〜11の変動パターンが用いられる。ここで、「時短時通常変動」の変動パターン(変動番号2の変動パターン)は、リーチ演出に発展せずにはずれ図柄が導出表示される変動パターンであって、「通常変動」の変動パターン(変動番号1の変動パターン)よりも変動時間(可変表示時間)の短い変動パターンである。「擬似連続変動(2回)」の変動パターン(変動番号3の変動パターン)は、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動が1回実行されることによって2回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が行われてからはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。「擬似連続変動(3回)」の変動パターン(変動番号4の変動パターン)は、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動が2回実行されることによって3回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が行われてからはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。「擬似連続変動(4回)」の変動パターン(変動番号5の変動パターン)は、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動が3回実行されることによって4回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が行われてからはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。なお、これらの擬似連続変動の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)では、リーチ演出に発展しない。
変動番号3〜5の「擬似連続変動」の変動パターンでは、変動番号2の「時短時通常変動」の変動パターンが擬似的に2回〜4回実行されているように見せるように工夫されている。具体的には、変動番号2の「時短時通常変動」の変動時間は5秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に停止図柄が導出表示されるが、変動番号3の「擬似連続変動(2回)」の変動時間は11秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間(これは特別図柄の停止表示が行われる図柄停止時間と同じ時間;図25のステップS132A,S132B)行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に停止図柄が導出表示される。同様に、変動番号4の「擬似連続変動(3回)」の変動時間は17秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に停止図柄が導出表示される。また、変動番号5の「擬似連続変動(4回)」の変動時間は23秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、再び図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、再び図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に停止図柄が導出表示される。
この実施の形態では、時短状態が継続可能な変動回数(100回)と擬似連続変動(変動番号3〜5の変動パターン)とを関連付けることにより遊技性の向上を実現させているが、詳しい説明は後述する(図30〜図35参照)。
また、停止図柄を「大当り」とすることに決定された場合は、変動番号12〜17の変動パターンが用いられる。なお、変動番号12〜17の変動パターンは、変動時間が変動番号6〜11の変動パターンと異なるだけで、変動内容(演出内容)としては同じである。
また、停止図柄を「小当り」とすることに決定された場合は、変動番号18の変動パターンが用いられる。「小当り変動」の変動パターン(変動番号18の変動パターン)は、小当りが発生することを報知する特殊な変動が実行される。例えば、突然、特定のキャラクタを登場させたり、「チャンス」などのような文字を表示したりするような演出が実行される。
また、停止図柄を「突然確変大当り」とすることに決定された場合は、変動番号19の変動パターンが用いられる。「突確変動」の変動パターン(変動番号19の変動パターン)は、突然確変大当りが発生することを報知する特殊な変動が実行される。例えば、突然、特定のキャラクタを登場させたり、「チャンス」などのような文字を表示したりするような演出が実行される。なお、この実施の形態では、「小当り変動」の変動パターンと「突確変動」の変動パターンは、同じ変動時間、同じ変動態様の変動パターンとされている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、可変表示装置9で飾り図柄の可変表示を行うとともに、可変表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図10は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図10に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図11に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図11に示された極性と逆極性であってもよい。
図12および図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド8000(H)〜8012(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8012(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類(大当りの種別)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される、初期画面を表示することを指定する演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される、停電復旧画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド93XX(H)は、停電発生時の遊技状態が時短状態であった場合における停電発生時の時短回数を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。XXには、停電発生時の時短回数(例えば1回〜100回)が設定される。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、遊技状態がチャンスモード状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(チャンスモード状態背景指定コマンド)である。なお、コマンド9500(H)〜9503(H)を背景指定コマンドという。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図13に示す例において、コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始4指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当り(非確変大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始3指定コマンドA003(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始4指定コマンドA004(H)は、突然確変大当り(2ラウンド大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、非確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、突然確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドを設けていないが、そのようなコマンドを設けてもよい。
コマンドC2XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。なお、この実施の形態では、保留記憶数指定コマンドコマンドC2XX(H)が遊技制御の実行中のみならず停電復旧時にも送信される(ステップS43参照)。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12および図13に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図14は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図14(A)は、始動入賞が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じると、そのときの保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)を指定する保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図14(B)は、図柄の変動が開始されたときの例を示す。図14(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果特定コマンドおよび保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、これらのコマンドを送信する順序は図14(A)(B)に示す順序に限られるわけではなく、適宜変更することが可能である。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図15に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
図16および図17は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口(特別可変入賞球装置20)を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。ステップS313では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS314)。なお、図16には示していないが、保留記憶数カウンタの値を1増やしたときは、保留記憶数指定コマンド(このときの保留記憶数指定コマンドは始動入賞が発生したことにより保留記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS315)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS316)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS316のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS317)。ステップS317においても、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS318)。なお、このときも、保留記憶数指定コマンド(このときの保留記憶数指定コマンドは始動入賞が発生したことにより保留記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値0〜10)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、タイマ(停止時間タイマ)にによって特別図柄の停止図柄を停止させる時間(図柄停止時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると可変表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、CPU56は、保留記憶数の値(保留記憶数カウンタの値)を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
その後、CPU56は、遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグ、チャンスモードフラグ)の設定状況にもとづいて現在の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS54)。具体的には、確変フラグよび時短フラグがセットされているときは、確変状態背景指定コマンドが送信され、時短状態がセットされているときは、時短状態背景指定コマンドが送信され、チャンスモードフラグがセットされているときは、チャンスモード状態背景指定コマンドが送信され、いずれのフラグもセットされていないときは、通常状態背景指定コマンドが送信される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図8(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態または時短状態(すなわち非確変状態)であるときには、図78A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(「3」「5」「7」のいずれか)を決定する(ステップS73)。この実施の形態では、決定された停止図柄が確変図柄(「7」)である場合には、確変大当りとすることに決定されたことになる。また、決定された停止図柄が非確変図柄(「3」)である場合には、非確変大当り(通常大当り)とすることに決定されたことになる。また、決定された停止図柄が突然確変図柄(「5」)である場合には、突然確変大当りとすることに決定されたことになる。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS74,S75)。また、突然確変大当りに決定された場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS76,S77)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
大当りとしない場合において(ステップS63のN)、小当りとすることに決定された場合には、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS78,S79)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(「1」)に決定する(ステップS80)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
小当りとしない場合には(ステップS78のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS81)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS82)。この場合には、はずれ図柄(「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれか)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(すなわち、非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りの種別)を決定しているが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、変動パターン決定用乱数を乱数バッファ領域から読み出す(ステップS91)。次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS92)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS92のN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターンを小当り・突確共通変動の変動パターン(図9に示す変動番号18の変動パターン)に決定する(ステップS94)。小当りのときの変動パターンは1種類(小当り・突確共通変動の変動パターン)しか設けられていないので、変動パターン決定用乱数を用いることなく自動的に変動パターンが決定される。
小当りフラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。このとき、時短フラグがセットされていないということは、遊技状態が通常状態であることを意味し、逆に、時短フラグがセットされているということは、遊技状態が時短状態または確変状態であることを意味する。時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、変動パターンを選択する変動パターンテーブルとして、通常時はずれ用変動パターンテーブルを選択する(ステップS96)。
具体的には、図22に示す特別図柄の変動パターンテーブルのうち、通常状態でかつはずれのときに用いられる通常時はずれ用変動パターンテーブル(図22(A))が選択される。
通常時はずれ用変動パターンテーブル(図22(A))には、「通常変動」の変動パターン(変動番号1)と、「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号6)と、「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号7)と、「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号8)と、「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号9)と、「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号10)と、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン(変動番号11)とが設定されている。
ステップS95において、時短フラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、変動パターンを選択する変動パターンテーブルとして、時短時はずれ用変動パターンテーブルを選択する(ステップS97)。
具体的には、図22に示す特別図柄の変動パターンテーブルのうち、時短状態でかつはずれのときに用いられる時短時はずれ用変動パターンテーブル(図22(B))が選択される。
時短時はずれ用変動パターンテーブル(図22(B))には、「時短時通常変動」の変動パターン(変動番号2)と、「擬似連続変動(2回)」の変動パターン(変動番号3)と、「擬似連続変動(3回)」の変動パターン(変動番号4)と、「擬似連続変動(4回)」の変動パターン(変動番号5)と、「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号6)と、「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号7)と、「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号8)と、「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号9)と、「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号10)と、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン(変動番号11)とが設定されている。
ステップS92において、大当りフラグがセットされていれば(ステップS92のY)、CPU56は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS98)。突然確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS98のY)、CPU56は、変動パターンを小当り・突確共通変動の変動パターン(図9に示す変動番号18の変動パターン)に決定する(ステップS99)。突然確変大当りのときの変動パターンは1種類(小当り・突確共通変動の変動パターン)しか設けられていないので、変動パターン決定用乱数を用いることなく自動的に変動パターンが決定される。
突然確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS98のN)、CPU56は、変動パターンを選択する変動パターンテーブルとして、大当り用変動パターンテーブルを選択する(ステップS100)。
具体的には、図22に示す特別図柄の変動パターンテーブルのうち、大当りのときに用いられる大当り用変動パターンテーブル(図22(C))が選択される。
大当り用変動パターンテーブル(図22(C))には、「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号12)と、「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号13)と、「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号14)と、「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号15)と、「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号16)と、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン(変動番号17)とが設定されている。
CPU56は、変動パターンテーブルを選択した場合には(ステップS96,S97,S100)、選択した変動パターンテーブルを用いて、ステップS91で読み出した変動パターン決定用乱数の値に従って変動パターンを決定する(ステップS101)。すなわち、変動パターン決定用乱数の値と変動パターンテーブルの各変動パターンに割り当てられた判定値とを比較し、乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンを、変動開始する変動パターンと決定する。
そして、CPU56は、ステップS101で決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図12参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。なお、ステップS101の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
そして、CPU56は、特別図柄の変動を開始する(ステップS103)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図9参照)に応じた値を設定する(ステップS104)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS105)。
図23は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されているはずれ・大当り・小当り、または大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS116)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。また、確変大当りフラグがセットされておらず、突然確変大当りフラグもセットされていないときは、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。突然確変大当りフラグがセットされているときは、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、停止時間タイマに図柄停止時間(特別図柄の停止図柄の停止時間;例えば1秒)をセットしスタートさせる(ステップS123)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS124)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS130)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS131)。
次いで、CPU56は、停止時間タイマの値を1減算し(ステップS132A)、停止時間タイマの値が0になったか(タイムアウトしたか)どうか確認する(ステップS132B)。停止時間タイマの値が0になっていないとき(タイムアウトしていないとき)は、そのまま処理を終了する。停止時間タイマの値が0になったときは、ステップS133A以降の処理を実行する。なお、図柄確定指定コマンドは、停止図柄の導出表示のときに1回だけ送信されるように(ステップS131参照)、図柄確定指定コマンドを送信したときに送信済みフラグをセットし、そのフラグがセットされた後は、ステップS131の処理を実行しないようにする。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS133C)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133D)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り4指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば可変表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。なお、大当り表示時間は、15ラウンドの大当りの場合と2ラウンドの大当りの場合とで異なる時間とされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133DのN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139A)。セットされていれば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動表示の回数をカウントするための時短回数カウンタを1減算し(ステップS139B)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS139C)。時短回数カウンタの値が0であれば、時短フラグをリセットする(ステップS139D)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行されてから100回の特別図柄の変動が終了するまで時短状態が継続される。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には5秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には5秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンド(15ラウンドまたは2ラウンド)が終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了3指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、可変表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図26に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS156)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS157)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS156のN)、突然確変大当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS161)。突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(突然確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS162)、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS163)。また、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
突然確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS161のN)、CPU56は、時短回数カウンタに所定値(この実施の形態では100)をセットする(ステップS164)。また、時短フラグをセットする(ステップS159)。すなわち、この実施の形態では、大当り遊技状態を終了後に、所定回数(例えば100回)の変動表示が終了するまで、遊技状態が時短状態に制御される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図27は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、可変表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図27に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS176)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS177)。
図28は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図5におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態)、CPU56は、入力ポート0のビット0(カウンタスイッチ23からの検出信号の入力ビット)の値が0から1に変化したか否か確認する(ステップS586)。CPU56は、入力ポート0のビット7またはビット6が0から1に変化した場合(すなわち、カウンタスイッチ23がオンした場合)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS586,S587)。なお、図26および図27に示された大当り終了処理および小当り終了処理において、カウントスイッチ検出時間(遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでの時間)が経過してから特別図柄プロセスフラグの値が0に戻される。よって、遊技球が大入賞口に入賞したがカウントスイッチ23で検出されないうちにステップS586,S587の処理が実行されることはない。すなわち、正常にカウントスイッチ23が遊技球を検出したにも関わらず異常入賞報知指定コマンドが送信されてしまうということはない。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウンタスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞を検出して報知する制御が行われるが、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15への異常入賞を検出して報知する制御も行う(可変入賞球装置15が開放している場合にのみ第2始動入賞口14に入賞可能に構成されている場合)ようにしてもよい。その場合、可変入賞球装置15の制御状態は普通図柄プロセスフラグの値によって判定できるので、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が可変入賞球装置15が開放している状態を示していないときに第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態になったことを検出したときにも、異常入賞報知指定コマンドを送信する。その異常入賞報知指定コマンドは、大入賞口への異常入賞が検出されたときに送信される異常入賞報知指定コマンドと区別可能であることが好ましい。
例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、CPU56は、異常入賞報知処理において、普通図柄プロセスフラグが普通電動役物作動処理に対応した値(例えば3)であるか否かを確認し、普通図柄プロセスフラグが普通電動役物作動処理に対応した値以外であるときに、第2始動口スイッチ14aからの検出信号がオン状態となったことを検出したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
次に、可変表示装置9における液晶画面(表示画面)の表示領域について説明する。図29は、可変表示装置9における液晶画面の表示領域を示す説明図である。図29に示すように、可変表示装置9における方形状の液晶画面(表示画面)の中央には、飾り図柄を可変表示するための飾り図柄表示領域91が形成されている。
また、可変表示装置9における方形状の液晶画面の右上には、長円形状の回数表示領域92が形成されている。回数表示領域92には、時短状態(潜伏確変状態の場合もある)において飾り図柄の仮停止の実行回数と飾り図柄の導出表示の実行回数との合計回数を特定可能な情報が表示される。図29(A)に示す例では、合計回数を特定可能な情報として、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が実行される毎に減算される特定回数(時短状態が継続可能な回数:100回)からの残り回数が表示される。具体的には、時短状態に移行した直後(非確変大当りの遊技が終了した直後)は回数表示領域92に「残り99回」が表示され、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が行われる毎に「残り0回」になるまで1ずつ回数を減らしていく。なお、遊技状態が時短状態または潜伏確変状態のときは、図29(A)に示すように、回数表示領域92には飾り図柄の仮停止の実行回数と飾り図柄の導出表示の実行回数との合計回数を特定可能な情報が表示されるが、遊技状態が確変状態のときは、図29(B)に示すように、回数表示領域92には遊技状態が確変状態であることを示す情報(図29(B)に示す例では「確変中」の文字)が表示される。
なお、この実施の形態において、上記のように、回数表示領域92に表示される回数の情報を、飾り図柄の仮停止の実行回数と飾り図柄の導出表示の実行回数との「合計回数を特定可能な情報」と定義したが、後述するように、この実施の形態では、飾り図柄の仮停止や導出表示以外でも、所定の更新条件が成立した(特定のスーパーリーチに発展しまたは特定の予告演出が発生した)ことにもとづいて、回数表示領域92に表示される回数の情報が更新される(図32、図33参照)。この場合、回数表示領域92に表示される回数の情報と合計回数とでずれが生じることになる。従って、厳密には、回数表示領域92に表示される回数の情報は、遊技者にあと何回の変動だけ時短状態が継続すると認識させるか(思わせるか)を示すための情報である。しかし、この実施の形態では、説明の便宜上、回数表示領域92に表示される回数の情報を「合計回数を特定可能な情報」として説明している。
さらに、可変表示装置9における方形状の液晶画面の下方には、保留記憶数(始動入賞記憶数)を表示するための保留記憶表示領域93が形成されている。保留記憶表示領域93には、最大4個の保留記憶数が表示される。
次に、時短状態における可変表示装置9と特別図柄表示器8の表示例について説明する。
図30は、時短状態が継続可能な変動回数と合計回数を特定可能な情報(残り回数)との関係を示す説明図である。図30には、可変表示装置9の表示画面と、その右横の特別図柄表示器8の7セグメントLEDとが表わされている。上述したように、可変表示装置9の表示画面には、飾り図柄表示領域91と、回数表示領域92と、保留記憶表示領域93(図30において図示せず)とが設けられている。なお、可変表示装置9の表示画面(飾り図柄表示領域91)における矢印の記号は、飾り図柄(左図柄91a,中図柄91b,右図柄91c)が変動中であることを示している。また、特別図柄表示器8における矢印の記号は、特別図柄が変動中であることを示している。また、特別図柄表示器8における「−」は「はずれ図柄」である特別図柄の停止図柄を示している。
図30(a)は、時短状態に移行された後に所定回の飾り図柄の仮停止と所定回の飾り図柄の導出表示が実行された結果、回数表示領域92に残り回数として「残り91回」が表示された状態である。このとき、飾り図柄の停止図柄「123」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示されている。
飾り図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り90回」に更新表示(減算更新表示)される(図30(b))。そして、飾り図柄の停止図柄「345」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示され(図30(c))、再び、飾り図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り89回」に更新表示(減算更新表示)される(図30(d))。
新たに開始された飾り図柄および特別図柄の変動が擬似連続変動(例えば図9の変動番号3)であれば、飾り図柄が仮停止図柄「467」で仮停止されるが、特別図柄は仮停止せずに変動が継続される(図30(e))。そして、飾り図柄の仮停止後の再変動が実行されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り88回」に更新表示(減算更新表示)される(図30(f))。すなわち、擬似連続変動中における飾り図柄の仮停止後の再変動によっても回数表示領域93の残り回数が更新表示される。
ここで、時短状態が継続可能な100回の変動回数(時短回数)は、特別図柄の変動回数を基準としてカウントしている(図25のステップS139A〜S139D参照)。これに対し、図30(e)(f)に示すように、回数表示領域92における残り回数の表示は、擬似連続変動における飾り図柄の仮停止後の再変動が行われたときも更新表示される。その結果、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数とで差が生じたことになる。一方、遊技者は、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数とで差が生じたことを認識することができない(認識するのが困難である)。飾り図柄の時短時通常変動(変動番号2)と擬似連続変動の1回分の変動とは、変動時間が同じ(5秒)であり、また飾り図柄の変動態様も同じ(飾り図柄の停止状態から徐々に変動速度が増していき、所定時間高速変動が行われた後に、飾り図柄の変動速度が徐々に低下していって飾り図柄が停止する態様)だからである。なお、上記の例では、飾り図柄の停止時に特別図柄が停止したかどうかで飾り図柄の仮停止か導出表示かを判別することが可能であるが、可変表示装置9と比較して特別図柄表示器8は視認しにくい場所にあり、また遊技者も特別図柄よりも飾り図柄の変動に注目しているので、気が付きにくい。
この実施の形態では、飾り図柄の仮停止状態において、飾り図柄は微小な揺れ変動を行っているものとする。例えば、図30に示すように、飾り図柄が縦にスクロールされる場合には、縦方向(上下方向)にわずかに動いているものとする。このように、飾り図柄の仮停止中に微小な揺れ変動を行ったとしても、揺れ変動が微小である限り、見た目上、完全な停止状態と見分けがつきにくい。したがって、遊技者は、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数とで差が生じたことを認識することができない(認識するのが困難である)。なお、飾り図柄の揺れ変動は、スクロール方向と同じ方向の揺れに限られず、異なる方向の揺れであってもよい。また、飾り図柄の仮停止中に揺れ変動を行わないようにしてもよい。
飾り図柄の仮停止後の再変動が所定時間行われた後、飾り図柄が導出表示される(図30(g))。そして、飾り図柄の変動および特別図柄の変動が開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り87回」に更新表示(減算更新表示)される(図30(h))。このような変動動作および残り回数の更新表示が繰り返し実行されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り1回」となる(図30(i))。さらに、飾り図柄の変動および特別図柄の変動が開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り0回」に更新表示(減算更新表示)される(図30(j))。そして、飾り図柄の停止図柄および特別図柄の停止図柄が導出表示されたときに(図30(k))、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り5回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回)とで差が生じている場合には、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する(図30(l))。このような演出制御は、実際は時短状態が終了していないにもかかわらず時短状態が終了したかのように見せて、その後に時短状態を延長したような演出を実行することに相当する。図30(l)に示す例では、可変表示装置9の表示画面上に「EXTRA夢夢TIME!」を表示するとともに女の子のキャラクタを登場させて、時短状態が延長されたこと(時短延長状態に突入したこと)を報知するようにしている。
このような構成によれば、合計回数を特定可能な情報(残り回数)が所定回数(100回、つまり残り0回)に達した後においても時短状態が継続されることがあり、より一層の遊技の興趣の向上を実現することができる。
図31は、時短状態が継続可能な変動回数と合計回数を特定可能な情報(実行回数)との関係を示す説明図である。図30に示す例では、回数表示領域92に表示する合計回数を特定可能な情報として、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が実行される毎に減算される特定回数(時短状態が継続可能な回数:100回)からの残り回数を表示していたが、図31に示す例では、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が実行される毎に特定回数(時短状態が継続可能な回数:100回)まで加算される、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示の実行回数を表示している。すなわち、飾り図柄の仮停止の実行回数と飾り図柄の導出表示の実行回数との合計回数を実行回数として直接表示している。
図31(a)は、時短状態に移行された後に所定回の飾り図柄の仮停止と所定回の飾り図柄の導出表示が実行された結果、回数表示領域92に実行回数として「49回」が表示された状態である。このとき、飾り図柄の停止図柄「123」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示されている。
飾り図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「50回」に更新表示(加算更新表示)される(図31(b))。そして、飾り図柄の停止図柄「345」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示され(図31(c))、再び、飾り図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「51回」に更新表示(加算更新表示)される(図31(d))。
新たに開始された飾り図柄および特別図柄の変動が擬似連続変動(例えば図9の変動番号3)であれば、飾り図柄が仮停止図柄「467」で仮停止されるが、特別図柄は仮停止せずに変動が継続される(図31(e))。そして、飾り図柄の仮停止後の再変動が実行されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「52回」に更新表示(加算更新表示)される(図31(f))。すなわち、擬似連続変動中における飾り図柄の仮停止後の再変動によっても回数表示領域93の実行回数が更新表示される。このとき、図31で説明した場合と同様に、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の実行回数とで差が生じたことになる。
飾り図柄の仮停止後の再変動が所定時間行われた後、飾り図柄が導出表示される(図31(g))。そして、飾り図柄の変動および特別図柄の変動が開始されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「53回」に更新表示(加算更新表示)される(図31(h))。このような変動動作および実行回数の更新表示が繰り返し実行されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「100回」となる(実行回数1回から更新表示が行われた場合)。その後、飾り図柄の停止図柄および特別図柄の停止図柄が導出表示されたときに、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば95回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の実行回数(100回)とで差が生じている場合には、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する。このような構成によっても、図30に示した場合と同様に、遊技の興趣の向上を実現することができる。
図32は、特定のスーパーリーチにもとづき時短状態が延長される場合の表示例を示す説明図である。図32(a)〜(g)は、上記の図30(a)〜(g)の画面表示例と同一であるので、説明を省略する。
「残り50回」目の飾り図柄の変動および特別図柄の変動が開始されたとき(図32(h))、その変動パターンが特定のスーパーリーチの変動パターン(例えば変動番号10の「スーパーリーチD」の変動パターン)であるとする。スーパーリーチDの変動パターンでは、例えば、通常変動が行われた後にスーパーリーチDの変動(演出)に発展する。このとき、可変表示装置9の表示画面にスーパーリーチDに発展することを報知するとともに、合計回数を特定可能な情報である残り回数に所定回数が加算されること(残り回数が増加すること)を報知する。すなわち、飾り図柄の仮停止または飾り図柄の導出表示が所定回数分だけ延長されることを報知する。図32(h)に示す例では、女の子のキャラクタが登場し、画面に「スーパー発展+2P!」と表示して、残り回数が2回増加することを報知している。
その後、回数表示領域92に表示される残り回数を「残り50回」から「残り52回」に更新表示(加算更新表示)し(図32(i))、飾り図柄の停止図柄「767」および特別図柄の停止図柄「−」を導出表示する(図32(j))。このとき、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)が所定回数分加算されて時短状態が延長されるわけではなく、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が所定回数分加算されて、見た目上、時短状態が延長されたように見せる演出を行っている。例えば、実際の時短状態が継続可能な変動回数が例えば残り55回で、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が残り50回である場合、残り回数にだけ所定回数(2回)を加算して残り52回に更新表示するが、時短状態が継続可能な変動回数は55回のままである。この場合、変動回数と残り回数との差が3回になるだけで、遊技制御上の問題が生じるわけではない。
「残り0回」目の飾り図柄の変動および特別図柄の変動が終了したときに(図32(k))、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り3回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回)とで差が生じている場合には、図30(l)に示した場合と同様に、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する(図32(l))。
上記のような構成によれば、特定のスーパーリーチに発展することによって遊技者に対して大当りを期待させることはできるとともに、特定のスーパーリーチにもとづき大当りが発生しなかったとしても、所定回数分だけ時短状態が延長されたように見せることができ、その結果、遊技の興趣が向上するとともに、遊技者の落胆を軽減させることができる。
なお、特定のスーパーリーチは「スーパーリーチD」に限られず、「スーパーリーチC」や「ノーマルリーチ」などであってもよく、また一つに限らず複数のリーチを特定のリーチとしてもよい。
図33は、特定の予告演出にもとづき時短状態が延長される場合の表示例を示す説明図である。「残り50回」目の飾り図柄の変動および特別図柄の変動が開始されるときに(図33(a))、その変動中に特定の予告演出(例えば予告演出D)を実行すると演出制御用CPU101によって決定されたものとする(図42の予告選択処理を参照)。予告演出Dでは、例えば、通常変動中に女の子のキャラクタが登場し、リーチの発生(大当りとなる可能性があること)を予告する(図33(b))。このとき、可変表示装置9の表示画面に、合計回数を特定可能な情報である残り回数に所定回数が加算されること(残り回数が増加すること)を報知する。すなわち、飾り図柄の仮停止または飾り図柄の導出表示が所定回数分だけ延長されることを報知する。図33(b)に示す例では、女の子のキャラクタが登場し、画面に「予告発生+2P!」と表示して、残り回数が2回増加することを報知している。
その後、回数表示領域92に表示される残り回数を「残り50回」から「残り52回」に更新表示(加算更新表示)し(図33(c))、リーチ状態に発展する(図33(d))。そして、飾り図柄の停止図柄「767」を導出表示する(図33(e))。上記と同様に、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)が所定回数分加算されて時短状態が延長されるわけではなく、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が所定回数分加算されて、見た目上、時短状態が延長されたように見せる演出を行っている。例えば、実際の時短状態が継続可能な変動回数が例えば残り55回で、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が残り50回である場合、残り回数にだけ所定回数(2回)を加算して残り52回に更新表示するが、時短状態が継続可能な変動回数は55回のままである。この場合、変動回数と残り回数との差が3回になるだけで、遊技制御上の問題が生じるわけではない。
なお、図33には示していないが、「残り0回」目の飾り図柄の変動および特別図柄の変動が終了したときに、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り3回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回)とで差が生じている場合には、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する。
上記のような構成によっても、特定の予告演出の発生によって遊技者に対して大当りを期待させることはできるとともに、特定の予告演出にもとづき大当りが発生しなかったとしても、所定回数分だけ時短状態が延長されたように見せることができ、その結果、遊技の興趣が向上するとともに、遊技者の落胆を軽減させることができる。
なお、特定の予告演出は「予告演出D」に限られず、「予告演出B」や「予告演出C」などであってもよく、また一つに限らず複数の予告演出を特定の予告演出としてもよい。
なお、スーパーリーチへの発展や予告演出の発生を契機として時短状態の延長(残り回数の加算)を行う場合に限らず、変動開始時に突然出現させ、そのときに、残り回数に所定回数が加算されること(残り回数が増加すること)を報知するようにしてもよい。
また、図32および図33では、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が行われる毎に減算されていく残り回数を表示する場合を示していたが、図31に示した場合と同じように、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が行われる毎に加算されていく実行回数を表示する場合についても、特定のスーパーリーチや特定の予告演出にもとづき実行回数を所定の回数分だけ減算し、時短状態を延長されたように見せるようにしてもよい。
図34は、回数表示領域における合計回数を特定可能な情報の変形例を示す説明図である。図30および図32では、回数表示領域92における合計回数を特定可能な情報として「残り○○回」を表示し、図31では、回数表示領域92における合計回数を特定可能な情報として「○○回」を表示していたが、図34(a)〜(c)に示すように、「正」の字を用いて表示するようにしてもよい。すなわち、回数表示領域92において、「正」の字1個で回数「5回」を表示することによって、合計回数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。
また、図34(d)〜(f)に示すように、回数表示領域92における「始」と「終」との間の車92Aの位置で合計回数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。すなわち、遊技状態が時短状態に移行されたときに車92Aが「始」の位置にあり、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示がある度に車92Aの位置を「終」に近づけるようにしてもよい。なお、車92Aだけでは合計回数を特定可能な情報(残り回数)が認識されにくい場合もあるので、「始」から「終」に移動する目盛りを車92Aとともに移動させるようにしてもよい。
また、図37(g)〜(i)に示すように、回数表示領域92における大きな花と小さな花の数で合計回数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。すなわち、大きな花1個で回数「10回」を表示し、小さな花1個で回数「1回」を表示するようにしてもよい。その他、適宜、演出やキャラクタの画像に合わせて、合計回数を特定可能な情報を表示することも可能である。
図35は、回数表示領域における合計回数を特定可能な情報の別の変形例を示す説明図である。図35(a)(b)に示すように、回数表示領域92において、時短状態に移行されると女の子のキャラクタが登場し、女の子のキャラクタがビンの中に入っているくじ引きを飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示に合わせて一つずつ引いていく。ビンの中に入っているくじ引きの数(枚数)が残り回数(合計回数を特定可能な情報)である。なお、飾り図柄は画面右下で変動している。
そして、図35(c)に示すように、特定のスーパーリーチが発生したが大当りとならなかった場合には、残念賞として「くじ3枚」をビンの中に追加する。これにより、残り回数が加算されたことになる。その後、飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が繰り返し行われることにより、ビンの中に入っているくじ引きがなくなる。そして、飾り図柄の停止図柄および特別図柄の停止図柄が導出表示されたときに、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り5回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回;残りのくじが0枚)とで差が生じている場合には、図30(l)に示したのと同様に、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する。なお、くじ引きの数だけでは合計回数を特定可能な情報(残り回数)が認識されにくい場合もあるので、合計回数を特定可能な情報の更新とともに移動する目盛りを設けるようにしてもよい。
なお、図9に示す変動パターンには、「擬似連続変動」の変動パターンとして、変動番号3〜5の「擬似連続変動」の変動パターンのほかに、変動番号11の「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターンも設けられている。しかし、この実施の形態では、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン中の「擬似連続変動」における飾り図柄の仮停止にもとづいて合計回数を特定可能な情報の更新表示を行わない。ただし、この場合に合計回数を特定可能な情報の更新表示を行うようにしてもよい。
なお、上記の図30〜図35は、時短状態における演出表示例を示していたが、潜伏確変状態においても同様の演出表示が行われる。ただし、時短延長状態に移行された後、時短状態の場合には実際の時短状態が継続可能な変動回数に達すると時短延長状態が終了することになるが、潜伏確変状態の場合には大当りが発生するまで時短延長状態が継続される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図36は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。
次いで、演出制御用CPU101は、外部装置からの入力コマンドを検出した場合には、リアルタイムクロック353の設定処理を実行する(ステップS701)。例えば、遊技機の製造段階において時刻などの初期設定を行なう場合、作業者は、外部装置として時刻設定装置を中継基板77にコネクタを用いて接続したり入力ポートに接続する。演出制御用CPU101は、外部装置からの入力コマンドを検出すると、検出した入力コマンドにもとづいてリアルタイムクロック353の時刻設定などの処理を行う。
なお、遊技店などにおいて遊技機の電源投入を行う場合には、通常、遊技機には外部装置などに接続されておらず、外部からの入力コマンドが入力されることはない。したがって、演出制御用CPU101は、通常、初期化処理を終了すると、そのままステップS702に移行する。なお、遊技機1を遊技店に導入した後(ホール導入後)に、遊技店の店員などによって外部装置が接続されリアルタイムクロック353の設定操作が行われたときであっても、リアルタイムクロック353の設定処理を行うようにしてもよい。
また、ステップS701では、外部装置が接続されると、外部装置が接続されたことを示す接続信号がコマンドラインを介して演出制御用CPU101に入力される。ステップS701において、演出制御用CPU101は、接続信号を検出すると、リアルタイムクロック353を設定するプロセスに移行する。この場合、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック353を設定するための設定画面を可変表示装置9に表示してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が接続信号を検出する期間は、所定期間(例えば数秒間)設けられていてもよい。また、外部装置として時刻設定装置を用いる場合、時刻設定装置は、時間情報が付加された標準電波信号を受信する機能を備えていてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出装置の制御(可変表示装置9の表示制御)を実行する。
次いで、保留記憶表示領域93の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS706)。また、可変表示装置9に表示する左中右の飾り図柄のはずれ図柄を決定するためのはずれ表示図柄決定用乱数や、可変表示装置9に表示する飾り図柄の大当り図柄を決定するための大当り表示図柄決定用乱数、予告演出の態様を決定するための予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図37は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12および図13参照)であるのか解析する。
図38および図39は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS614のY)、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドの内容に応じた背景表示状態フラグをセットする(ステップS615A)。具体的には、背景指定コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば通常状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば確変状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば時短状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドがチャンスモード状態背景指定コマンドであればチャンスモード状態のときの背景表示状態フラグをセットする。次いで、演出制御用CPU101は、潜伏確変フラグのセット・リセット(ステップS892参照)にもとづいて現在の遊技状態が潜伏確変状態であるかどうかを確認し(ステップS615B)、潜伏確変状態であれば、可変表示装置9の背景(背景画像、背景色など)として時短状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS615C)。潜伏確変状態でなければ、可変表示装置9の背景として背景指定コマンドにもとづいて確認した遊技状態に応じた背景を表示する制御を実行する(ステップS615D)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS630)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS631)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。なお、演出制御用CPU101は、保留記憶表示制御処理(ステップS706)において、保留記憶数保存領域に保存されたデータにもとづいて、保留記憶表示領域93における保留記憶数の表示制御を実行する。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS653)。そして、ステップS611に移行する。
図40は、図36に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):可変表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類(予告演出の態様)を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、遊技状態が時短状態のときは、合計回数を特定可能な情報(残り回数)を更新する処理や、可変表示装置9の背景を変更する処理を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、遊技状態が時短状態のときは、合計回数を特定可能な情報(残り回数)を更新する処理や、可変表示装置9の背景を変更する処理を実行する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、可変表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、可変表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):可変表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図41は、図40に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図42は、図40に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、リーチを伴う変動パターン(変動番号6〜17の変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS1821)。リーチを伴う変動パターンのいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出する(ステップS1822A)とともに、保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば2以上)であるか否かを確認する(ステップS1822B)。保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するか否かを決定するための予告決定用テーブルとして、第1予告決定用テーブル(図43(A)参照)を選択する(ステップS1822C)。保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、演出制御用CPU101は、第2予告決定用テーブル(図43(B)参照)を選択する(ステップS1822D)。
次いで、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数および選択した予告決定用テーブルにもとづいて、予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS1823)。なお、図43に示すように、この実施の形態では、保留記憶数カウンタの値が所定値以上のときは所定値以上でないときよりも予告演出を低い割合で実行すると決定する。なお、ステップS1822B〜S1822Dの処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、保留記憶数が所定値以上であるか否かにかかわらず常に一定の割合で予告演出を実行するかどうかを決定するようにしてもよい。また、変動パターンがリーチを伴う変動パターンの場合にのみ、予告演出を実行するか否かを決定するように構成されているが、変動パターンがリーチを伴う変動パターンでないときも予告演出を実行するか否か決定し、所定の割合で予告演出を実行するようにしてもよい。
予告演出を行うことに決定した場合には、演出制御用CPU101は、予告種類決定用乱数を抽出する(ステップS1825)。そして、演出制御用CPU101は、予告種類決定用乱数および予告種類決定用テーブル(図示せず)にもとづいて、予告演出の種類(態様)として予告演出A〜Dのいずれかを決定する(ステップS1826)。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において可変表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。
なお、変動が開始される変動パターンの内容に応じて、予告演出の選択割合を変化させるようにしてもよい。例えば、ノーマルリーチまたはスーパーリーチAの変動パターンの場合は、予告演出Aが高い割合で選択されるように判定値が設定された予告種類決定用テーブルを用いて予告演出の種類を選択するようにし、スーパーリーチBの変動パターンの場合は、予告演出Bが高い割合で選択されるように判定値が設定された予告種類決定用テーブルを用いて予告演出の種類を選択するようにし、スーパーリーチCの変動パターンの場合は、予告演出Cが高い割合で選択されるように判定値が設定された予告種類決定用テーブルを用いて予告演出の種類を選択するようにし、スーパーリーチD,Eの変動パターンの場合は、予告演出Dが高い割合で選択されるように判定値が設定された予告種類決定用テーブルを用いて予告演出の種類を選択するようにしてもよい。
そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS1827)。
上述した予告選択処理では、リーチを伴う変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信したときに、保留記憶数カウンタの値に応じて予告演出の実行確率や選択される予告演出の種類の選択割合を異ならせていたが、受信した変動パターンコマンドが大当り用の変動パターンコマンドか否かによって、予告演出の実行確率や選択される予告演出の種類の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
図44および図45は、図40に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。次いで、演出制御用CPU101は、モード選択処理(後述する図53)で選択されたモードがモード1であるか否か確認する(ステップS821)。
ここで、モード1は、時短状態または潜伏確変状態において飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示が行われる度に、飾り図柄の仮停止の実行回数と飾り図柄の導出表示の実行回数との合計回数を特定可能な情報を更新表示(減算更新表示または加算更新表示)していく状態である。すなわち、モード1は、時短延長状態に移行され得る状態である。また、モード2は、時短状態または潜伏確変状態において飾り図柄の導出表示が行われる度に、飾り図柄の導出表示の実行回数を特定可能な情報を更新表示(減算更新表示または加算更新表示)していく状態である。すなわち、モード2は、可変表示装置9の回数表示領域92に合計回数を特定可能な情報が表示されずに実際の時短状態が継続可能な時短回数(変動回数)が表示され、飾り図柄の導出表示が行われたときにのみ時短回数が更新表示される(飾り図柄の仮停止が行われたときに時短回数の更新表示が行われない)。したがって、モード2は、潜伏確変状態の場合には時短延長状態に移行され得る(潜伏確変状態の場合、実際は時短状態ではないので時短回数に達した後も時短延長状態に移行される)が、時短状態の場合には時短延長状態に移行されることのない状態である。
このように、時短状態または潜伏確変状態のときのモードとしてモード1,2を設けたことによって、遊技の興趣を向上させることができる。つまり、時短状態または潜伏確変状態に移行された場合に、常に、時短延長状態に移行させるようにすると、遊技者が時短延長状態に移行するか否か(時短状態が延長されるかどうか)についての興味を失ってしまうおそれがあるが、時短状態または潜伏確変状態に移行された場合(特に、時短状態に移行された場合)に、時短延長状態に移行される場合と移行されない場合があれば、そのような事態が生じるのを防止することができる。なお、ステップS821において、モード1であるか否かは、モード1が選択されたときにセットされるモード1選択フラグがセットされているか否かで判断される。
ステップS821において、選択されているモードがモード1であると判断された場合には、ステップS822の処理に移行する。また、選択されているモードがモード2である場合、またはモード1,2のいずれでもない場合(時短状態、潜伏確変状態でない場合)には、ステップS824Aの処理に移行する。
ステップS822において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から読み出した変動パターンコマンドが、擬似連続変動の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS822)。擬似連続変動の変動パターンであれば(ステップS822のY)、飾り図柄の変動開始から飾り図柄の仮停止後の再変動(変動再開)までの時間、または飾り図柄の仮停止後の再変動から飾り図柄の次の仮停止後の再変動までの時間を計測するための仮停止時間タイマをスタートさせる(ステップS823)。
次に、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であるか否か確認する(ステップS825A)。なお、時短状態か否かは、背景表示状態フラグを確認することにより判定可能である。時短状態であれば(ステップS825AのY)、演出制御用CPU101は、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)をカウントするための演出用時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS825C)。なお、演出用時短回数カウンタの値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって更新される時短回数カウンタの値と同期して更新される。そして、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の回数表示領域92に表示される残り回数(合計回数を特定可能な情報)をカウントするための残り回数カウンタの値を1減算する(ステップS825D)。
一方、ステップS825Aにおいて時短状態でなければ(ステップS825AのN)、演出制御用CPU101は、潜伏確変フラグにもとづいて潜伏確変状態であるか否かを確認する(ステップS825B)。潜伏確変状態でなければ(ステップS825BのN)、ステップS828の処理に移行する。潜伏確変状態であれば(ステップS825BのY)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値を1減算する(ステップS825D)。
その後、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値が0であるかどうかを確認する(ステップS825E)。ここで、残り回数カウンタの値が0であるということは、時短状態が見た目上終了した状態、すなわち、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り0回」に更新表示されたときの変動が終了してから次の変動が開始される状態(図30(l)、図32(l))であることを意味する。残り回数カウンタの値が0でなければ(ステップS825EのN)、まだ残り回数が残っているので、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値にもとづいて、回数表示領域92における残り回数を更新表示(減算更新表示)する(ステップS825F)。そして、ステップS828の処理に移行する。なお、図31に示したように、合計回数を特定可能な情報として実行回数を加算していく場合には、実行回数を更新表示(加算更新表示)する。
残り回数カウンタの値が0であれば(ステップS825EのY)、演出制御用CPU101は、遊技状態が潜伏確変状態であるかどうかを確認する(ステップS825G)。潜伏確変状態であれば、遊技者の見た目上は時短状態であるが実際は確変状態であって、時短回数(時短状態が継続可能な変動回数)の制限は設けられていないので、演出制御用CPU101は、可変表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、可変表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS825I)。例えば、時短延長状態のときの背景画像を表示し、背景色として時短延長状態の背景色(例えば黄色など)に変更する。
潜伏確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS825H)。ここで、演出用時短回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が時短状態で、残り回数カウンタの値が0で、演出用時短回数カウンタの値が0であるので、実際の時短状態が継続可能な残り変動回数と回数表示領域92に表示された残り回数との差がなく、時短状態が実際に(本当に)終了することを意味する。この場合、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の背景を通常状態の背景に変更する(ステップS825J)。一方、演出用時短回数カウンタの値が0でなければ、実際の時短状態が継続可能な残り変動回数と回数表示領域92に表示された残り回数との差があり、見た目上の時短状態は終了するが、時短状態は実際には終了しないことを意味する。この場合は、演出制御用CPU101は、可変表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、可変表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS825I)。その後、ステップS828の処理に移行する。
ステップS824Aにおいて、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態または潜伏確変状態であるか否か確認する(ステップS824A)。なお、時短状態か否かは、背景表示状態フラグを確認することにより判定可能である。また、潜伏確変状態であるか否かは、潜伏確変フラグがセットされているかどうかによって判定可能である(ステップS892参照)。
時短状態または潜伏確変状態でなければ(ステップS824AのN)、ステップS828の処理に移行する。時短状態または潜伏確変状態であれば(ステップS824AのY)、演出制御用CPU101は、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)をカウントするための演出用時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS824B)。そして、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値にもとづいて、回数表示領域92における時短回数(時短状態を継続可能な変動回数)を更新表示(減算更新表示または加算更新表示)する(ステップS824C)。
その後、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値が0であるかどうかを確認する(ステップS824D)。演出用時短回数カウンタの値が0でないときは(ステップS824DのN)、ステップS828の処理に移行する。演出用時短回数カウンタの値が0であるときは(ステップS824DのY)、演出制御用CPU101は、潜伏確変状態であるか否か確認する(ステップS824E)。このとき、潜伏確変状態の場合には(ステップS824EのY)、見た目上の時短状態が終了した状態であることを意味する。この場合、演出制御用CPU101は、可変表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、可変表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS824F)。例えば、時短延長状態のときの背景画像を表示し、背景色として時短延長状態の背景色(例えば黄色など)に変更する。一方、時短状態の場合には(ステップS824EのN)、実際に時短状態が終了した状態であることを意味する。この場合、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の背景を通常状態の背景に変更する(ステップS824G)。そして、ステップS828の処理に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。また、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS829)。なお、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
図46は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図46に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右の3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。
受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右の3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せ、または停止図柄として左中右の3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には、飾り図柄の組み合わせとして確変図柄(左中右の3図柄が奇数図柄で揃った飾り図柄の組み合わせ)を決定する必要があるが、確変大当りが発生することを報知せずに潜伏させるようにするために、受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合であっても、一定の割合で飾り図柄の組み合わせとして非確変図柄(左中右の3図柄が偶数図柄で揃った飾り図柄の組み合わせ)を決定するようにしている。このように、実際には確変大当りが発生し、大当り遊技の終了後に確変状態に移行するが、通常大当りの発生を想起させるような停止図柄を停止表示(導出表示)するとともに、確変大当りの報知を行わず、さらに大当り遊技終了後も時短状態に移行されたように見せることによって(ステップS615B,S615C参照)、確変状態を潜伏させることが可能となる。
受信した表示結果特定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の3図柄として「135」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。また、受信した表示結果特定コマンドが突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の3図柄として「531」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左中右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。なお、可変表示装置9に導出表示される左中右の3図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン(予告演出を実行する場合は予告演出の種類)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図47は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って可変表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、可変表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図47に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS837)。
図48および図49は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。そして、モード選択処理で選択されたモードがモード1であるか否かを確認する(ステップS842)。モード1が選択されている場合にはステップS843Aの処理に移行し、モード1が選択されていない場合(モード2が選択されている場合、またはモード1,2のいずれでもない場合(つまり時短状態または潜伏確変状態でない場合))にはステップS845の処理に移行する。
ステップS843Aにおいて、演出制御用CPU101は、仮停止時間タイマがスタートされている場合には、仮停止時間タイマの値を1減算する(ステップS843A)。次に、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であるか否か確認する(ステップS843B)。時短状態であれば(ステップS843BのY)、ステップS843Dの処理に移行する。時短状態でなければ、演出制御用CPU101は、遊技状態が潜伏確変状態であるか否か確認する(ステップS843C)。潜伏確変状態でなければ、ステップS844Aの処理に移行し、潜伏確変状態であれば、ステップS843Dの処理に移行する。
ステップS843Dでは、演出制御用CPU101は、仮停止時間タイマの値が0であるか否か(タイムアウトしているか否か)を確認する(ステップS843D)。ここで、仮停止時間タイマがタイムアウトしているということは、飾り図柄の変動開始から飾り図柄の仮停止後の再変動(変動再開)までの時間が経過したこと、または飾り図柄の仮停止後の再変動から飾り図柄の次の仮停止後の再変動までの時間が経過したことを意味する。従って、仮停止時間タイマがタイムアウトした場合は、残り回数の更新表示を行う必要があるので、ステップS843E以後の処理を実行する。一方、仮停止時間タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS844Aの処理に移行する。
なお、図48には示していないが、擬似連続変動の変動パターンを実行しているときにだけ仮停止時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する必要があるので、演出制御用CPU101は、ステップS843Dの判定を行う前に、擬似連続変動の変動パターンを実行しているかどうかを変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドの内容などにもとづいて判断する。また、図48には示していないが、仮停止時間タイマがタイムアウトしたときは、飾り図柄の次の仮停止後の再変動のタイミングを認識するために、仮停止時間タイマをスタートさせる。
ステップS843Eでは、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値を1減算する(ステップS843F)。
その後、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値が0であるかどうかを確認する(ステップS843F)。残り回数カウンタの値が0でなければ(ステップS821FのN)、まだ残り回数が残っているので、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値にもとづいて、回数表示領域92における残り回数を更新表示(減算更新表示)する(ステップS843G)。そして、ステップS844Aの処理に移行する。なお、図32に示したように、合計回数を特定可能な情報として実行回数を加算していく場合には、実行回数を更新表示(加算更新表示)する。
残り回数カウンタの値が0であれば(ステップS843FのY)、演出制御用CPU101は、遊技状態が潜伏確変状態であるかどうかを確認する(ステップS843H)。潜伏確変状態であれば、遊技者の見た目上は時短状態であるが実際は確変状態であって、時短回数(時短状態が継続可能な変動回数)の制限は設けられていないので、演出制御用CPU101は、可変表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、可変表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS843J)。例えば、時短延長状態のときの背景画像を表示し、背景色として時短延長状態の背景色(例えば黄色など)に変更する。
潜伏確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS843I)。演出用時短回数カウンタの値が0であれば、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の背景を通常状態の背景に変更する(ステップS843K)。一方、演出用時短回数カウンタの値が0でなければ、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、可変表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS843J)。その後、ステップS844Aの処理に移行する。
ステップS844Aでは、演出制御用CPU101は、特定のスーパーリーチ(例えば「スーパーリーチD」)に発展したかどうか、または特定の予告演出が発生したかどうかを判定する(ステップS844A)。
特定のスーパーリーチに発展したかどうかは、例えば、ステップS833で選択されたプロセステーブルが特定のスーパーリーチを伴う変動パターンのプロセステーブルであることを判定するとともに、プロセステーブルを構成するプロセスデータのうち、特定のスーパーリーチに発展するときのプロセスデータの前のプロセスデータまで制御処理が実行されたかどうかを確認することにより判定することができる。なお、特定のスーパーリーチを伴う変動パターンの変動開始時に特定のスーパーリーチに発展するタイミングを認識するためのタイマをスタートさせ、そのタイマで時間を計測することによって特定のスーパーリーチに発展したかどうかを判定するようにしてもよい。
また、特定の予告演出が発生したかどうかは、例えば、ステップS833で選択されたプロセステーブルが特定の予告演出を伴う変動パターンのプロセステーブルであることを判定するとともに、プロセステーブルを構成するプロセスデータのうち、特定の予告演出が発生するときのプロセスデータの前のプロセスデータまで制御処理が実行されたかどうかを確認することにより判定することができる。なお、特定の予告演出を伴う変動パターンの変動開始時に特定の予告演出が発生するタイミングを認識するためのタイマをスタートさせ、そのタイマで時間を計測することによって特定の予告演出が発生したかどうかを判定するようにしてもよい。
特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出が発生したと判定したときは(ステップS844AのY)、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差が所定値(図32や図33に示すように、特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出が発生したことにより残り回数に加算される値;図32や図33に示す例では2回)以上であるか否かを判定する(ステップS844B)。
そして、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差が所定値以上であるときは(ステップS844BのY)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに所定値(例えば2回:なお、2回に限られるわけではなく、例えばスーパーリーチの種類によって所定値の値を変更するようにしてもよい)を加算し、残り回数を更新表示(加算更新表示)する(ステップS844C)。一方、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差が所定値以上でないときは(ステップS844BのN)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差(例えば、所定値が2回であれば、カウンタ値の差は1回または0回)を加算し、残り回数を更新表示(加算更新表示)する(ステップS844D)。
ステップS844B〜S844Dに示すように、カウンタ値の差が所定値以上であるかどうかを判定し、その判定結果に応じて残り回数カウンタに加算する値を変化させているのは、以下の理由による。
すなわち、特定のスーパーリーチまたは特定の予告演出にもとづき時短状態を見た目上延長するような演出を行うようにすると、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が多くなってしまうことが考えられる。この場合、回数表示領域92に表示される残り回数が0回に達していないにもかかわらず時短状態が終了してしまうことになり、遊技者に違和感を与えてしまうおそれがある。このような事態を回避するために、ステップS844B〜S844Dにおいて、カウンタ値の差が所定値以上であるかどうかを判定し、その判定結果に応じて残り回数カウンタに加算する値を変化させている。
なお、この実施の形態では、特定のスーパーリーチの変動パターン(例えばスーパーリーチDの変動パターン)が実行される頻度よりも擬似連続変動の変動パターンが実行される頻度の方が高いので(図22(B)参照)、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が瞬間的に多くなってしまうことがあったとしても、100回の変動が行われる間に、擬似連続変動が数多く発生し、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が少なくなることが想定される。従って、ステップS844B,S844Dの処理を実行しないようにしてもよい。つまり、特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出の発生したときは、カウンタ値の差が所定値以上であるかどうかを判定せずに、残り回数カウンタに所定値を加算し、残り回数を更新表示(加算更新表示)する(ステップS844D)ようにしてもよい。
また、上記のステップS844B〜S844Dの処理では、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差よりも多い値を残り回数カウンタに加算しないようにする制御であったが、このような制御の代わりに、特定のスーパーリーチまたは特定の予告演出が高頻度で発生し、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が多くなった場合には、回数表示領域92に表示される残り回数を強制的に減らす手段をとるようにしてもよい。例えば、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が多くなったときに、特別な演出を実行して強制的に残り回数を減らす(女の子のキャラクタを登場させて残り回数を徐々にまたは一度に減らしていく)演出を実行するようにしてもよい。このような演出を実行することによって、回数表示領域92に表示される残り回数を強制的に調整することが可能となる。
ステップS845では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS845)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS845のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS846)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS847A,S847B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS847A,S847C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS847Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS848)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS849)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS848)、ステップS850に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図50は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄および飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄および飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図51は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を可変表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を可変表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を可変表示装置9に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、小当り遊技の開始を報知する画面と突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは同じ画面であるものとする。
図52は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、可変表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883参照)、可変表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS892参照)。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合であって、大当り終了1指定コマンドを受信している場合(ステップS889のY)、つまり、通常大当りの終了を指定する演出制御コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、所定の条件にもとづいてモード1とするかモード2とするかを選択するモード選択処理を実行する(ステップS890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS895)。
大当り終了1指定コマンドを受信している場合には(ステップS889のN)、演出制御用CPU101は、今回の大当りが潜伏確変大当りであったかどうかを確認する(ステップS891)。潜伏確変大当りであったかどうかは、例えば、ステップS829で決定した飾り図柄の停止図柄が通常大当りの発生を想起させる大当り図柄(非確変図柄)であったかどうかを確認することにより判定することができる。潜伏確変大当りであったときは(ステップS891のY)、演出制御用CPU101は、潜伏確変状態に移行させることを示す潜伏確変フラグをセットする(ステップS892)。また、この実施の形態では、潜伏確変状態のときは自動的にモード1が選択されるように構成されているので、演出制御用CPU101は、モード1が選択されたことを示すモード1選択フラグをセットする(ステップS893)。さらに、残り回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS894)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS895)。
潜伏確変大当りでなかったときは(ステップS891のN)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS895)。
図53は、ステップS890のモード選択処理を示すフローチャートである。モード選択処理において、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック353から現在の日時を示す現日時情報(現在の日付(年、月、日、曜日)を示す日付信号や現在の時刻(時、分、秒)を示す時刻信号)を入力し(ステップS901)、入力した現日時情報で特定される日時が所定期間内であるか否か判定する(ステップS902)。所定期間は任意に設定することが可能である。例えば、月水金や土日のような所定の曜日であってもよいし、午前、午後、10時から12時、1時から3時、5時半から7時半のような時間帯であってもよい。
現在の日時が所定期間内であると判定したときは(ステップS902のY)、演出制御用CPU101は、モード1を選択し、モード1を選択したことを示すモード1選択フラグをセットする(ステップS903)。そして、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに所定値(100回)をセットし、さらに、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットして(ステップS907)、処理を終了する。
現在の日時が所定期間内でないと判定したときは(ステップS902のN)、演出制御用CPU101は、モード2を選択し、モード2を選択したことを示すモード2選択フラグをセットする(ステップS906)。そして、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットして(ステップS907)、処理を終了する。
以上のように、現在の日時が所定期間内である場合にモード1を選択するように構成することにより、所定期間に大当りが発生して時短状態に移行されたときに時短延長状態に移行されやすくすることができる。その結果、時間や日時によって時短状態のときの遊技演出に変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図54は、可変表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図54(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図54(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図54(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図54(C)の右側参照)。
図55は、ステップS708の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS971)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図39におけるステップS631参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS976に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632で設定された期間タイマの値を−1する(ステップS972)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS973,S974)。
さらに、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS975)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS976では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS977)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS978)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図54(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS979)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS980)。
図56は、可変表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図56(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図56(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図56(C)には、可変表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、可変表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。また、この実施の形態では、異常報知は、可変表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化報知が実行されている期間であるか否かに関わらず、異常入賞が生じたことを検出したら異常入賞報知指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化報知が実行されている期間では異常入賞報知指定コマンドを受信しても異常報知の処理を行わずに初期化報知を継続することによって、初期化報知を異常報知よりも優先させるようにしてもよい。その場合、初期化報知が実行されている期間中に異常入賞報知指定コマンドを受信したら、初期化報知が実行されている期間が終了したときに異常報知を行うようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用CPU101が、時短状態において飾り図柄の仮停止の実行回数と飾り図柄の導出表示の実行回数との合計回数を特定可能な情報(残り回数、実行回数)を可変表示装置9の回数表示領域92に表示し、飾り図柄の仮停止が行われたことにもとづいて合計回数を特定可能な情報の更新表示(減算更新表示または加算更新表示)を実行するとともに、飾り図柄の導出表示が行われたことにもとづいて合計回数を特定可能な情報を更新表示(減算更新表示または加算更新表示)し、また、所定の更新条件が成立(特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出の発生)したことにもとづいて合計回数を特定可能な情報を更新表示(加算更新表示または減算更新表示)するように構成されている。このような構成によれば、時短状態が継続可能な飾り図柄の可変表示の回数が復活した(時短状態が延長された)ように遊技者に見せることができ、より一層の遊技の興趣の向上を実現することができる。
また、演出制御用CPU101は、所定の更新条件が成立(特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出の発生)したときに、飾り図柄の仮停止の実行回数にもとづいて(具体的には、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差を上限として)、時短状態が継続可能な回数が復活したように見せる情報の更新表示(図32、図33)を行うように構成されている。このような構成によれば、合計回数を特定可能な情報を飾り図柄の仮停止の実行回数を超える情報に更新しないようにすることができる。その結果、残り回数が0になっていないのに時短状態が終了してしまうといった事態が生じるのを防止することができ、遊技者に不信感を与えなくすることができる。
また、合計回数を特定可能な情報が数値の情報(例えば「残り○○回」という残り回数や「○○回」という実行回数)であれば、時短状態に移行された後の飾り図柄の仮停止および飾り図柄の導出表示の合計回数を認識しやすくすることができる。
また、所定の更新条件が特定のリーチ演出(例えばスーパーリーチ)が実行されたことによって成立するので、特定のリーチ演出が実行された後に特定表示結果にならなかったとしても合計回数を特定可能な情報が復活され、特定のリーチ演出に対する期待を高めることができる。
また、所定の更新条件が特定の予告演出が実行されたことによって成立するので、特定の予告演出が実行された後に特定表示結果にならなかったとしても合計回数を特定可能な情報が復活され、特定の予告演出に対する期待を高めることができる。
また、合計回数を特定可能な情報が特定情報(残り回数が0回、または実行回数が100回)になったときに時短状態に制御されている場合には、時短状態が継続されることを報知する表示態様(図30(l)、図32(l)参照)を表示するように構成されているので、時短状態が延長されたと遊技者に認識させることができ、より一層の遊技の興趣の向上が図られる。
また、確変大当りの遊技が終了し、確変状態に移行される場合であっても、所定の割合で潜伏確変状態に移行させるように構成されているので、確変状態に制御されているのか時短状態に制御されているのかを遊技者に認識できなく(認識しにくく)することができる。従って、見た目上、時短状態に制御されている場合でも確変状態に制御されているとの期待を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、時短状態に移行する際に、時短延長状態に移行されやすいモード1と時短延長状態に移行されないモード2のいずれかを選択するように構成されているので、時短状態における演出内容に変化を持たせることができる。よって、遊技が単調になるのを防止することができるとともに、時短延長状態に移行するかどうかについて遊技者に興味を持たせることができる。
また、モード選択処理において、演出制御用CPU101が、リアルタイムクロック353からの現日時情報にもとづいて、モードを選択するように構成されているので、時間や日付によってモードの選択率を変化させることができ、一層の遊技性の向上が図られる。
実施の形態2.
この実施の形態2では、遊技機に遊技者が操作可能な操作ボタン120を設け、遊技者による操作ボタン120の操作に応じて、回数表示領域92における合計回数を特定可能な情報の更新表示を実行するように構成している。
図57は、操作ボタンの配置位置を示す説明図である。図57に示すように、操作ボタン120(チャンスボタンともいう)は、打球供給皿(上皿)3の上面に設けられている。なお、操作ボタン120の配置位置は、遊技者が操作しやすい位置であれば、打球供給皿(上皿)3の上面に限られない。例えば、打球操作ハンドル5の上方などに設けられてもよい。
遊技者によって操作ボタン120が押されると、検出信号が操作ボタン120から演出制御用CPU101(演出制御用マイクロコンピュータ100)に出力される。
図58は、操作ボタンの操作にもとづき時短状態が延長される場合の表示例を示す説明図である。「残り50回」目の飾り図柄の変動および特別図柄の変動が開始されたとき(図58(a))、その変動パターンが特定のスーパーリーチの変動パターン(例えば変動番号10の「スーパーリーチD」の変動パターン)であるとする。スーパーリーチDの変動パターンでは、例えば、通常変動が行われた後にスーパーリーチDの変動(演出)に発展する。このとき、可変表示装置9の表示画面にスーパーリーチDに発展することを報知するとともに、操作ボタン120の操作の指示を報知する。また、操作ボタン120内のランプ(LED)を点灯させる(操作ボタン120を光らせる)。図58(b)に示す例では、女の子のキャラクタが登場し、可変表示装置9の表示画面に「スーパー発展!」という文字を表示するとともに、「CHANCEボタンを押せ!」という文字を表示し、さらに操作ボタン120内のランプ(LED)を点灯させて、遊技者による操作ボタン120の操作を促している。なお、図2には示さなかったが、操作ボタン120内のランプについても、演出制御用CPU101が制御信号をランプドライバ基板35に出力することにより点灯制御する。
図58(c)に示すように、操作ボタンの操作の指示に応じて、遊技者が操作ボタン120を押すと、可変表示装置9の表示画面に「+2P獲得!!」という文字を表示して、残り回数が2回増加したことを遊技者に報知する。そして、回数表示領域92に表示される残り回数を「残り50回」から「残り52回」に更新表示(加算更新表示)する(図58(c))。このとき、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)が所定回数分加算されて時短状態が延長されるわけではなく、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が所定回数分加算されて、見た目上、時短状態が延長されたように見せる演出を行っている。その後、飾り図柄の停止図柄「767」および特別図柄の停止図柄「−」が導出表示される(図58(d))。
図59は、実施の形態2における飾り図柄変動中処理を示すフローチャートである。なお、図59におけるステップS840〜S843Kの処理については、図48におけるステップS840〜S843Kの処理と同様であるため、重複する説明を省略する。
ステップS844Aにおいて、演出制御用CPU101は、特定のスーパーリーチ(例えば「スーパーリーチD」)に発展したかどうか、または特定の予告演出が発生したかどうかを判定する(ステップS844A)。
特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出が発生したと判定したときは(ステップS844AのY)、演出制御用CPU101は、遊技者によって操作ボタン120が押されたかどうか、つまり、操作ボタン120からの検出信号を入力したかどうかを判定する(ステップS844E)。このとき、図58(b)の画面が表示されている。操作ボタン120からの検出信号を入力したときは(ステップS844EのY)、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差が所定値(図58に示す例では2回)以上であるか否かを判定する(ステップS844B)。
そして、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差が所定値以上であるときは(ステップS844BのY)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに所定値(例えば2回:なお、2回に限られるわけではなく、例えばスーパーリーチの種類によって所定値の値を変更するようにしてもよい)を加算し、残り回数を更新表示(加算更新表示)する(ステップS844C)。このとき、図58(c)の画面が表示される。一方、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差が所定値以上でないときは(ステップS844BのN)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに、演出用時短回数カウンタの値と残り回数カウンタの値との差(例えば、所定値が2回であれば、カウンタ値の差は1回または0回)を加算し、残り回数を更新表示(加算更新表示)する(ステップS844D)。
飾り図柄の変動が終了するまでに操作ボタン120からの検出信号を入力しなかったとき、つまり、遊技者によって操作ボタン120が押されなかったときは(ステップS844E)、残り回数の更新表示の処理(ステップS844B〜S844D)は実行されず、次の変動が開始される。なお、操作ボタン120の操作は、特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出が発生した時点から所定期間(変動終了前の期間)に制限するようにしてもよい。この場合、特定のスーパーリーチに発展または特定の予告演出が発生したタイミングでタイマをスタートさせ、タイマがタイムアウトするまでに操作ボタン120からの検出信号を入力しなければ、残り回数の更新表示の処理(ステップS844B〜S844D)を実行しないようにすればよい。
その後、図49におけるステップS845〜S850の処理と同様の処理が実行される。
以上のように、この実施の形態2によれば、遊技者による操作手段(操作ボタン120)の操作が行われたことを条件に、合計回数を特定可能な情報が復活されるので、遊技者に遊技に積極的に参加させることによる遊技の面白みを高めることができる。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、リアルタイムクロック353からの現日時情報にもとづいてモードを選択するように構成されていたが、この実施の形態3では、それまでに行われた遊技履歴にもとづいてモードを選択する。
図60は、実施の形態3におけるモード選択処理を示すフローチャートである。実施の形態3におけるモード選択処理において、演出制御用CPU101は、まず、モード選択乱数を抽出する(ステップS911)。次いで、演出制御用CPU101は、RAM85に形成されている遊技履歴記憶領域に記憶されている遊技履歴の情報を確認し、前回の通常大当り遊技後に移行されたモードがモード1であったかどうかを判定する(ステップS912)。
前回のモードがモード1であったときは(ステップS912のY)、演出制御用CPU101は、第1モード選択用テーブルを選択する(ステップS913)。そして、ステップS911で抽出したモード選択乱数に従って、第1モード選択用テーブルを用いて今回のモード(モード1またはモード2)を選択する(ステップS915)。すなわち、モード選択乱数の値と第1モード選択用テーブルに設定されている判定値を比較し、乱数の値と一致する判定値に対応するモードを今回のモードに決定する。
前回のモードがモード2であったときは(ステップS912のN)、演出制御用CPU101は、第2モード選択用テーブルを選択する(ステップS914)。そして、ステップS911で抽出したモード選択乱数に従って、第2モード選択用テーブルを用いて今回のモード(モード1またはモード2)を選択する(ステップS915)。すなわち、モード選択乱数の値と第2モード選択用テーブルに設定されている判定値を比較し、乱数の値と一致する判定値に対応するモードを今回のモードに決定する。
ここで、第1モード選択用テーブルを用いてモードを選択する場合、モード1の選択率を例えば20%とし、第2モード選択用テーブルを用いてモードを選択する場合、モード1の選択率を例えば80%としている。すなわち、第1モード選択用テーブルにおいて、モード1に割り振られた判定値の割合は20%で、モード2に割り振られた判定値の割合は80%とされている。また、第2モード選択用テーブルにおいて、モード1に割り振られた判定値の割合は80%で、モード2に割り振られた判定値の割合は20%とされている。このような選択率にすることによって、前回、モード1が選択された場合、今回はモード1が選択されにくくし、前回、モード2が選択された場合、今回はモード1が選択されやすくすることができる。なお、このような選択率は一例であって限定されるわけではない。
演出制御用CPU101は、ステップS915で選択したモードがモード1であるかどうかを確認し(ステップS916)、モード1であれば、モード1選択フラグをセットし(ステップS917)、RAM85における遊技履歴記憶領域にモード1を記憶する(ステップS918)。また、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに所定値(100回)をセットし(ステップS919)、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS922)。
選択したモードがモード2であれば、演出制御用CPU101は、モード2選択フラグをセットし(ステップS920)、RAM85における遊技履歴記憶領域にモード2を記憶する(ステップS921)。また、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS922)。
以上のように、この実施の形態3によれば、遊技履歴によってモードを選択することができ、一層の遊技性の向上が図られる。また、モード選択の偏りをなくすこともできる。
なお、上記の実施の形態3では、遊技履歴の情報として、前回選択されたモードの情報を用いているが、複数回分のモードの情報(複数回前から前回までに選択されたモードの情報)を用いるようにしてもよい。例えば、2回分のモードの情報を用いる場合は、前回と前々回のモードの情報を遊技履歴記憶領域から読み出して、それらのモードの情報にもとづいてモード選択用テーブルを選択する。
また、遊技履歴の情報は、モードの情報とされていたが、モードの情報以外の情報としてもよい。例えば、前回の大当り遊技の終了から図柄の変動回数をカウントし、前回の大当り遊技の終了から何回変動が行われたかによって、モード選択用テーブルを選択するようにしてもよい。例えば、100回以内であればモード1の選択率が低い第1モード選択用テーブルを選択し、100回から200回の間であればモード1の選択率が中程度の第2モード選択用テーブルを選択し、200回以上であればモード1の選択率が高い第3モード選択用テーブルを選択するようにする。
また、確変大当りの連続発生数(連荘数)をカウントし、確変大当りが何回連続(継続)して発生したかによって、モード選択用テーブルを選択するようにしてもよい。例えば、2回未満であればモード1の選択率が高い第1モード選択用テーブルを選択し、3回から5回の間であればモード1の選択率が中程度の第2モード選択用テーブルを選択し、6回以上であればモード1の選択率が低い第3モード選択用テーブルを選択するようにする。
また、本日の図柄の総回転数(朝一から現時点までの図柄の総回転数)をカウントし、総回転数が何回であるかによって、モード選択用テーブルを選択するようにしてもよい。例えば、500回以内であればモード1の選択率が高い第1モード選択用テーブルを選択し、500回から1000回の間であればモード1の選択率が中程度の第2モード選択用テーブルを選択し、1000回以上であればモード1の選択率が低い第3モード選択用テーブルを選択するようにする。
また、前回の大当り図柄がどの図柄であったかによって、モード選択用テーブルを選択するようにしてもよい。例えば、「222」または「444」であればモード1の選択率が低い第1モード選択用テーブルを選択し、「666」であればモード1の選択率が中程度の第2モード選択用テーブルを選択し、「888」であればモード1の選択率が高い第3モード選択用テーブルを選択するようにする。
実施の形態4.
上記の実施の形態1では、リアルタイムクロック353からの現日時情報にもとづいてモードを選択し、上記の実施の形態3では、遊技履歴にもとづいてモードを選択していたが、この実施の形態4では、モードを選択するときの遊技状態にもとづいてモードを選択する。
図61は、実施の形態4におけるモード選択処理を示すフローチャートである。実施の形態4におけるモード選択処理において、演出制御用CPU101は、まず、モード選択乱数を抽出する(ステップS931)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば背景表示状態フラグを確認することによって現在の遊技状態を確認し、遊技状態に応じたモード選択用テーブルを選択する(ステップS932)。具体的には、遊技状態が通常状態のとき(通常状態から時短状態に移行されるとき)は第1モード選択用テーブルを選択し、遊技状態が時短状態のとき(時短状態が継続されるとき)は第2モード選択用テーブルを選択し、遊技状態が確変状態のとき(確変状態から時短状態に移行されるとき)は第3モード選択用テーブルを選択し、遊技状態がチャンスモード状態のとき(チャンスモード状態から時短状態に移行されるとき)は第4モード選択用テーブルを選択する。各々のモード選択用テーブルのモード1の選択率は、それぞれ異なる値であるものとする。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS931で抽出したモード選択乱数に従って、ステップS932で選択したモード選択用テーブルを用いて今回のモード(モード1またはモード2)を選択する(ステップS933)。すなわち、モード選択乱数の値とモード選択用テーブルに設定されている判定値を比較し、乱数の値と一致する判定値に対応するモードを今回のモードに決定する。
演出制御用CPU101は、ステップS933で選択したモードがモード1であるかどうかを確認し(ステップS934)、モード1であれば、モード1選択フラグをセットする(ステップS935)。また、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに所定値(100回)をセットし(ステップS936)、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS938)。
選択したモードがモード2であれば、演出制御用CPU101は、モード2選択フラグをセットする(ステップS937)。また、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS938)。
以上のように、この実施の形態4によれば、遊技状態に応じてモードを選択することができ、一層の遊技性の向上が図られる。また、モード選択の偏りをなくすこともできる。
なお、上記の実施の形態では、可変表示装置9の表示画面の背景を変更して遊技状態を遊技者に認識させるようにしているが、背景だけでなく、スピーカ27からの音出力やランプ・LEDなどの発光体の点灯制御のパターンをも用いて遊技状態を認識させるようにしてもよい。また、スピーカ27からの音出力やランプ・LEDなどの発光体の点灯制御のパターンだけで遊技状態を認識させるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、時短状態のときのみ、擬似連続変動(図9に示す変動番号3〜5の変動パターン)が実行されるように構成されていたが、通常状態にも擬似連続変動が実行されるように構成されていてもよい。
なお、上記の実施の形態では、時短状態に移行されると決定されてから時短状態に移行されるまでに、モード1とするかモード2とするかをモード選択処理にて選択するように構成されていた(なお、上記の各実施の形態では、大当り終了処理におけるモード選択処理にてモードが選択されていたが、時短状態に移行される前であれば、どのようなタイミング(例えば大当り表示処理や大当り遊技中処理など)であってもよい。)。しかし、このような構成に限られず、時短状態に移行された後においても、モードを選択して切り替えるように構成されていてもよい。例えば、特定の変動パターンコマンドの受信にもとづいてモードを選択して切り替えるようにしてもよい。具体例としては、「擬似連(2回)」の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときはモード2を選択し、「擬似連(3回)または擬似連(4回)」の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときはモード1を選択して、モードを切り替える。また、特定の予告演出の発生にもとづいてモードを選択して切り替えるようにしてもよい。具体例としては、予告演出Aが出現すれば、モードを異なるモードに切り替える。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。