JP5142869B2 - 遠隔渦流探傷装置 - Google Patents
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Description
以下、渦流探傷に用いるコイルを「渦流探傷コイル」と呼び、渦流探傷コイルを内蔵し被検査体に密着又は近接させるものを「渦流探傷プローブ」と呼ぶ。
上述した渦流探傷装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
また、CCDカメラで微小部分を拡大して検査するため、検査幅が狭く(例えば5mm未満)かつ検査速度が非常に遅い(例えば10mm/sec未満)という問題点があった。
さらに、廃液が不透明(例えば汚染により濁っている場合)には、全く検査ができなかった。
しかし、渦流探傷装置では、渦流探傷プローブを被検査面に垂直に一定の力で押し付ける必要があり、従来はこれを検査員が人手で行っており、これを遠隔操作で自動で行うことが困難であった。また、被検査面には、溶接線等の凹凸があり、検査中にこの凹凸に追従できずにプローブを損傷するおそれがあった。
また、単一の渦流探傷プローブの検査範囲は被検査面と接触する狭い領域(直径3〜5mm程度)にすぎず、これを単に大きくすると検出精度が低下する。そのため、従来は、検査幅が狭く(5mm未満)かつ検査速度が遅い問題点があった。
渦流探傷コイルを内蔵したプローブセンサをその軸線方向外向きに所定のストロークで付勢する渦流探傷プローブと、
渦流探傷時に前記渦流探傷プローブの軸線方向を被検査面に対して垂直に保持するプローブホルダと、
該プローブホルダを被検査面に沿って進行する進行方向軸まわり、及びこれに直交する幅方向軸まわりに揺動可能に支持する支持フレームと、
該支持フレームを被検査面に対して垂直に昇降させる昇降装置と、を備えたことを特徴とする遠隔渦流探傷装置が提供される。
前記プローブホルダは、前記溶接部用プローブを保持する溶接プローブホルダと平面用プローブを保持する平面プローブホルダとからなり、
前記支持フレームは、前記溶接プローブホルダを支持する溶接プローブフレームと平面プローブホルダを支持する平面プローブフレームとからなり、
前記溶接プローブフレームと平面プローブフレームのいずれか一方は、他方に昇降可能に支持され、かつ渦流探傷時に被検査面に対して所定の付勢力で垂直に付勢する付勢装置を備える、ことが好ましい。
図1〜図3において、本発明の遠隔渦流探傷装置10は、渦流探傷プローブ12、プローブホルダ14、支持フレーム16、及び昇降装置18を備える。
各プローブホルダ14(14A,14B)は、その下端に空転可能な3以上(この例で4輪)の車輪15を有し、車輪15が被検査面1に接触する渦流探傷時に、各車輪15により渦流探傷プローブ12の軸線方向を被検査面1に対して垂直に保持するようになっている。
3以上の車輪15の配置は、この機能を満たす限りで任意である。なお車輪15の回転方向は、移動装置の進行方向と同一に設定する。
各支持フレーム16(16A,16B)は、各プローブホルダ14(14A,14B)を被検査面1に沿って進行する進行方向の軸21のまわり、及びこれに直交する幅方向の軸22のまわりに揺動可能に支持している。以下、進行方向の軸21まわりの揺動をロール、幅方向の軸22まわりの揺動をピッチと呼ぶ。
また、この渦流探傷状態において、渦流探傷プローブ12のプローブセンサは、その軸線方向外向きに所定のストロークで付勢されている。
従って、渦流探傷プローブ12を被検査面1に垂直に一定の力で押し付けることができ、高い検出精度を維持することができる。
なお、この図において、本体前後に2本ずつ設けられた合計4本のピン27は、プローブホルダ14に取り付ける際の位置決めピンである。
各プローブセンサ11Aの検出面26は、拡径部の下端面である。図4Bに示すように、8本のプローブセンサ11Aは、被検査面に沿って進行方向(この図で上下方向)に移動する際に、互いに重複する検査領域を有するように配置(この例では千鳥配置)されている。
この配置により、この例では検出面26の直径が4.5mmであり、幅方向最外側の検出面26の間隔を28mmに設定することにより、検査領域の幅を32.5mmに拡大することができる。
溶接部用プローブ12Aと平面用プローブ12Bのプローブセンサの相違は、溶接部と平面用でプローブセンサ内の最適なコイル配置が異なることによる。
なお、この図において、本体前後に2本ずつ設けられた合計4本のピン27は、プローブホルダ14に取り付ける際の位置決めピンである。
各組を構成する複数(この例では2本)のプローブセンサ11Bの検出面29は、被検査面に沿って進行方向(図で下方)に移動する際に、互いに重複する検査領域を有するように進行方向に対して斜めに配置されている。平面用プローブ12Bの傾斜配置は、プローブアレイを小型化するためである。
この配置により、この例では検出面29の直径が3.5mmであり、幅方向最外側の検出面29の間隔を38mmに設定することにより、検査領域の幅を41.5mmに拡大することができる。
上述したように、溶接部用プローブ12Aは、8本のプローブセンサ11Aにより、同時に32.5mmの検査領域を検査することができ、平面用プローブ12Bは、8組16本のプローブセンサ11Bにより、同時に41.5mmの検査領域を検査することができる。
また、この例では、1台の溶接部用プローブ12Aと2台の平面用プローブ12Bが、互いに重複する検査領域を有するように進行方向に対して配置されている。
従って、この配置により、同時に100mm以上(この例では111mm)の検査領域を検査することができる。
検査対象として、平板突合せ溶接部とその両側の熱影響部を水中で検査した。
検査幅は100mm、長さ1300mmの領域に、直径1mmの平底穴3個、幅0.2mmのスリット3個を模擬きずとして設け、これを検出対象とした。
検査速度は、20、30、40、50mm/秒で行った。
また、40,50mm/秒では、パソコンの処理能力不足が確認されたが、本発明の装置自体には問題はなく、処理能力を高めることで更に高速でも渦流探傷検査が可能であることが確認された。
10 遠隔渦流探傷装置、11A,11B プローブセンサ、
12 渦流探傷プローブ、
12A 溶接部用プローブ、12B 平面用プローブ、
14 プローブホルダ、
14A 溶接プローブホルダ、14B 平面プローブホルダ、
15 車輪、16 支持フレーム、
16A 溶接プローブフレーム、16B 平面プローブフレーム、
18 昇降装置、21 進行方向の軸、22 幅方向の軸、
24 リニアベアリング、25 引張ばね、26 検出面、
27 ピン、28 センサホルダ、29 検出面
Claims (4)
- 被検査面に沿って遠隔操作で移動可能な移動装置に取り付けられる遠隔渦流探傷装置であって、
渦流探傷コイルを内蔵したプローブセンサをその軸線方向外向きに所定のストロークで付勢する渦流探傷プローブと、
渦流探傷時に前記渦流探傷プローブの軸線方向を被検査面に対して垂直に保持するプローブホルダと、
該プローブホルダを被検査面に沿って進行する進行方向軸まわり、及びこれに直交する幅方向軸まわりに揺動可能に支持する支持フレームと、
該支持フレームを被検査面に対して垂直に昇降させる昇降装置と、を備え、
前記渦流探傷プローブは、溶接部用プローブと平面用プローブとからなり、
前記プローブホルダは、前記溶接部用プローブを保持する溶接プローブホルダと平面用プローブを保持する平面プローブホルダとからなり、
前記支持フレームは、前記溶接プローブホルダを支持する溶接プローブフレームと平面プローブホルダを支持する平面プローブフレームとからなり、
前記溶接プローブフレームと平面プローブフレームのいずれか一方は、他方に昇降可能に支持され、かつ渦流探傷時に被検査面に対して所定の付勢力で垂直に付勢されるようになっている、ことを特徴とする遠隔渦流探傷装置。 - 前記プローブホルダは、その下端に空転可能な3以上の車輪を有し、渦流探傷時に各車輪が被検査面と当接して渦流探傷プローブの軸線方向を被検査面に対して垂直に保持する、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔渦流探傷装置。
- 前記溶接部用プローブは、それぞれ独立に同一の軸線方向外向きに付勢された複数のプローブセンサを有し、各プローブセンサの検出面は、被検査面に沿って進行方向に移動する際に、互いに重複する検査領域を有するように配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔渦流探傷装置。
- 前記平面用プローブは、複数ずつ独立に同一の軸線方向外向きに付勢された複数組のプローブセンサを有し、各組を構成する複数のプローブセンサの検出面は、被検査面に沿って進行方向に移動する際に、互いに重複する検査領域を有するように進行方向に対して斜めに配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔渦流探傷装置。
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