JP5142257B2 - 不純物イオン注入層の電気的活性化方法 - Google Patents

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本発明は、不純物イオン注入層の電気的活性化方法に関する。
ダイヤモンド材料は、硬度が極めて高く、耐熱性にも優れている。また、前記ダイヤモンド材料は、電気的特性にも優れている。例えば、絶縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度が大きく、誘電率が小さい。さらに、前記ダイヤモンド材料は、室温付近においては高い熱伝導性を示し、しかも、熱放散性も高い。
よって、ダイヤモンド材料は、次世代の高温・放射線等極限環境用素子や高周波及び高出力素子用の半導体基板としての使用が期待されている。
ダイヤモンド材料は、バンドギャップが5.47eVと大きく、通常は絶縁体であるが、ドープ剤(不純物)をドープすることにより半導体になる。ドープ剤をドープした領域は、電気的に活性化されている(すなわち高い導電性を発揮する)ことが求められる。
例えば、ダイヤモンド材料の適切な部位に外部からアクセプタ型となるホウ素イオンをイオン注入法により導入し、その必要部位にp型の導電性を付与することができる(特許文献1)。イオン注入法による不純物の添加技術は、不純物添加領域を適切に制御でき、特に複雑な半導体素子を形成するためには必要不可欠である。
しかし、イオン注入法により注入されたホウ素イオンのほとんどは、注入後、ダイヤモンド結晶の格子点に存在せず、アクセプタとして働かずに、格子間原子として存在する傾向にある。
従って、イオン注入法により半導体を製造する場合、イオン注入後、通常、熱処理を行う必要がある。熱処理を行うことにより、該イオンをダイヤモンド結晶の格子点に好適に導入することができ、同時に、イオン注入による結晶性の乱れを有効に回復させことができる。その結果、前記ダイヤモンド基板に、正孔の濃度(以下、「正孔濃度」と略記する)が高いホウ素イオン注入層が形成される。すなわち、ホウ素イオン注入層を電気的に活性化させることができる。
しかしながら、次世代の極限環境用素子(耐高温・耐放射線等)や高周波及び高出力素子用の半導体としては、さらに正孔濃度の高い(電気的に活性化された)ホウ素イオン注入層を有する半導体が求められている。
特開平05−235407
本発明は、ダイヤモンド基板に形成したホウ素イオン注入層を電気的に活性化させる方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を経た後、特定のホウ素イオン注入層を形成させる方法が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の電気的活性化方法に関する。
1. ホウ素イオンをイオン注入することにより形成されたホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理することにより、該注入層を電気的に活性化させる方法であって、
(1)前記方法が、ホウ素イオンをイオン注入するのに先だって、ダイヤモンド基板に、水素イオンをイオン注入することにより水素イオン注入層を形成させた後、前記水素イオン注入層を熱処理する工程を含み、
(2)前記水素イオン注入層における水素イオンの濃度が1×1014〜1×1020cm−3であり、
(3)前記ホウ素イオン注入層におけるホウ素イオンの濃度が1×1015〜1×1020cm−3である、
ホウ素イオン注入層の電気的活性化方法。
2. エネルギーが1〜1000keVであるイオンビームにより水素イオン及びホウ素イオンをそれぞれ注入する上記項1に記載の電気的活性化方法。
3. 前記ホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を1400℃以上で熱処理する上記項1又は2に記載の電気的活性化方法。
4. 上記項1〜3のいずれかに記載の方法により得られるダイヤモンド半導体。

本発明のホウ素イオン注入層の電気的活性化方法は、
ホウ素イオンをイオン注入することにより形成されたホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理することにより、該注入層を電気的に活性化させる方法であって、
(1)前記方法が、ホウ素イオンをイオン注入するのに先だって、ダイヤモンド基板に、水素イオンをイオン注入することにより水素イオン注入層を形成させた後、前記水素イオン注入層を熱処理する工程を含み、
(2)前記水素イオン注入層における水素イオンの濃度が1×1014〜1×1020cm−3であり、
(3)前記ホウ素イオン注入層におけるホウ素イオンの濃度が1×1015〜1×1020cm−3である。

水素イオン注入層の形成
本発明の方法では、ホウ素イオンをイオン注入するのに先だって、ダイヤモンド基板に、水素イオンをイオン注入することにより、水素イオン注入層を形成させる。
前記水素イオン注入層における水素イオンの濃度は、1×1014〜1×1020cm−3、好ましくは5×1015〜5×1019cm−3である。水素イオンの濃度が1×1014cm−3未満の場合、十分な正孔濃度を有するホウ素イオン注入層を得ることができない。水素イオンの濃度が1×1020cm−3を超える場合、ホウ素イオンを注入した際、ホウ素イオンのアクセプタとしての機能を阻害するおそれがある。すなわち、形成されるホウ素イオン注入層は十分な電気的活性を有しない。
ダイヤモンド基板としては、特に限定されない。例えばIIa型のダイヤモンド基板を用いることができる。また、ダイヤモンド基板として、すでに、不純物イオンがドープされたものを用いてもよい。
前記水素イオン注入層は、ダイヤモンド基板の表面に露出していてもよいし、ダイヤモンド基板の内部に存在してもよい。
前記水素イオン注入層がダイヤモンド基板の内部に存在する場合としては、例えば、前記水素イオン注入層が前記基板表面から50〜450nm程度の深さの領域に存在する場合が挙げられる。基板表面からの深さがかかる範囲の場合、ダイヤモンド基板に導電性を好適に付与できる。
ダイヤモンド基板における前記水素イオン注入層の面積は、特に限定されず、基板の大
きさ等に合わせて適宜設定すればよい。例えば、10−6〜30cm程度の範囲内で設定すればよい。
ダイヤモンド基板に水素イオンをイオン注入する方法は、特に限定されず、公知の方法に従えばよい。例えば、ダイヤモンド基板をイオン注入用の照射真空槽に設置し、水素のイオンビームをこの照射真空槽に導入し、ダイヤモンド基板の表面に照射する方法が挙げられる。
水素のイオンビームのエネルギーは、目的とする水素イオン注入層の深さ領域に応じて選択すればよく、通常は1〜1000keV、好ましくは10〜1000keVである。特に、前記イオンビームのエネルギーが10〜1000keVの場合、ダイヤモンド基板における水素イオン注入層領域を好適に制御できる。
水素のイオンビームの電流密度は特に制限されないが、通常は0.1〜10000μA/cm程度、好ましくは0.1〜1000μA/cm程度である。
水素イオンの注入量は、水素イオン注入層における水素イオンの濃度が目的の値になるよう適宜設定すればよい。
水素のイオンビームを照射する際、前記照射真空槽内を高真空にしておくことが好ましい。前記真空槽内の圧力は、約10−2Pa以下が好ましく、約10−4Pa以下がより好ましい。
水素のイオンビームを照射する際のダイヤモンド基板の温度は、特に限定されず、−195〜1000℃の範囲内で適宜設定される。
水素イオン注入層の熱処理
本発明の活性化方法では、前記水素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理する。水素イオンをイオン注入した際、同時にダイヤモンドに格子欠陥が生じる傾向がある。すなわち、ダイヤモンドを構成する炭素原子が格子位置から変位する。本発明の方法では、前記水素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理することにより、前記水素イオン注入層内の格子位置からずれた炭素原子を格子位置に戻すことができる。
前記熱処理では、前記ダイヤモンド基板を400〜1000℃程度に加熱することが好ましく、700〜900℃程度に加熱することがより好ましい。特に、700〜900℃程度に加熱することにより、熱処理による水素イオンの拡散を防止しつつ、水素イオン導入に際して生じた格子欠陥を効果的に修復することができる。
熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜設定すればよいが、30分〜1時間程度が好ましい。
熱処理の雰囲気は、特に限定されないが、真空中又は不活性ガス雰囲気中が好ましく、真空中がより好ましい。
真空中の場合、残留気体の圧力が、約10−3Pa以下であることが好ましく、約10
−4Pa以下であることがより好ましく、約10−5Pa以下であることが最も好ましい。
ホウ素イオン注入層の形成
本発明の活性化方法では、前記水素イオン注入層を熱処理した後のダイヤモンド基板に対してホウ素イオンをイオン注入することにより、ホウ素イオン注入層を形成させる。
前記ホウ素イオン注入層におけるホウ素イオンの濃度は、1×1015〜1×1020cm−3、好ましくは5×1015〜5×1019cm−3である。ホウ素イオンの濃度が1×1015cm−3未満の場合、前記ホウ素イオン注入層の導電性が低く、得られるダイヤモンド半導体を半導体素子の構成材料として使用しづらい。ホウ素イオンの濃度が1×1020cm−3を超える場合、得られるダイヤモンド半導体はホッピング伝導を起こしやすいため、該半導体の電気伝導の制御が困難となる。
前記ホウ素イオン注入層は、前記水素イオン注入層を形成させた部分の全部又は一部と重なるようにダイヤモンド基板に形成されればよい。
前記ホウ素イオン注入層は、前記ダイヤモンド基板の表面に露出していてもよいし、ダイヤモンド基板の内部に存在してもよい。
前記ホウ素イオン注入層が前記ダイヤモンド基板の内部に存在する場合としては、例えば、前記注入層が前記基板表面から50〜450nm程度の深さの領域に存在する場合が挙げられる。前記基板表面からの深さがかかる範囲の場合、前記ダイヤモンド基板に導電性を好適に付与できる。
前記ダイヤモンド基板における前記ホウ素イオン注入層の面積は、特に限定されず、基板の大きさ等に合わせて適宜設定すればよい。例えば、10−6〜30cm程度の範囲内で設定すればよい。
ホウ素イオンをイオン注入する方法は、公知の方法に従えばよい。例えば、前記ダイヤモンド基板をイオン注入用の照射真空槽に設置し、ホウ素イオンのイオンビームをこの照射真空槽に導入し、前記ダイヤモンド基板の表面に照射する方法が挙げられる。
ホウ素のイオンビームのエネルギーは、目的とするホウ素イオン注入層の深さ領域に応じて選択すればよく、通常は1〜1000keV、好ましくは10〜1000keVである。特に、前記イオンビームのエネルギーが10〜1000keVの場合、前記ダイヤモンド基板における水素イオン注入層領域を好適に制御できる。
ホウ素のイオンビームの電流密度は特に制限されないが、通常は0.1〜10000μA/cm程度、好ましくは0.1〜1000μA/cm程度である。
ホウ素イオンの注入量は、ホウ素イオン注入層におけるホウ素イオンの濃度が目的の値になるよう適宜設定すればよい。
ホウ素のイオンビームを照射する際、照射真空槽内を高真空にしておくことが好ましい。前記真空槽内の圧力は、約10−2Pa以下が好ましく、約10−4Pa以下がより好ましい。
ホウ素のイオンビームを照射する際の前記ダイヤモンド基板の温度は、特に限定されないが、通常−195℃以上、好ましくは400〜1000℃である。
ホウ素イオン注入層の熱処理
本発明の活性化方法では、前記ホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理する。かかる熱処理を行うことにより、導電性に優れたダイヤモンド半導体を好適に得ることができる。ホウ素イオンをイオン注入した際、通常、注入されたホウ素イオンのほとんどはダイヤモンドの格子点に存在しておらず、前記ダイヤモンドには格子欠陥が生じている。本発明の方法では、前記ホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理することにより、前記ホウ素イオン注入層内のダイヤモンドの格子欠陥部分(格子点)にホウ素イオンを好適に導入することができる。
また、ホウ素イオンをイオン注入した際、同時にダイヤモンドに格子欠陥が生じる傾向がある。すなわち、ダイヤモンドを構成する炭素原子が格子位置から変位する。本発明の方法では、前記熱処理により、前記ホウ素イオン注入層内の格子位置からずれた炭素原子を格子位置に戻すことができる。
前記熱処理では、前記ダイヤモンド基板を1400℃程度以上に加熱することが好ましく、1600℃程度以上に加熱することがより好ましく、1600〜2000℃程度に加熱することがさらに好ましい。1400℃以上に加熱することにより、ダイヤモンドの格子欠陥部分にホウ素イオンや炭素原子を好適に導入できる。すなわち、前記イオン注入によるダイヤモンドの結晶性の乱れを効果的に回復させことができ、結果、正孔濃度の高いホウ素イオン注入層を好適に得ることができる。
熱処理における熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜設定すればよいが、2〜5時間程度が好ましい。
熱処理における雰囲気は、特に限定されないが、真空中又は不活性ガス雰囲気中が好ましく、真空中がより好ましい。
真空中の場合、残留気体の圧力が、約10−3Pa以下であることが好ましく、約10
−4Pa以下であることがより好ましく、約10−5Pa以下であることが最も好ましい。
不活性ガス雰囲気中の場合、不活性ガスは高純度(99.999999%以上、好ましくは99.9999999%以上)であることが望ましい。具体的には、不活性ガス以外の気体の圧力が、約10−3Pa以下、好ましくは約10−4Pa以下である。不活性ガスとしては、例えばアルゴンガス、窒素ガス等が挙げられる。
ダイヤモンド半導体
本発明のダイヤモンド半導体は、上記方法により好適に製造できる。前記半導体は、ダイヤモンド基板に、電気的に活性化された(正孔濃度の高い)ホウ素イオン注入層を有する。しかも、前記半導体は、ホッピング伝導が生じにくいため、電気伝導の制御が容易である。
前記ダイヤモンド半導体は、例えば、極限環境用素子並びに高周波及び高出力素子用の半導体として使用できる。特に、前記ダイヤモンド半導体は、例えば、高出力トランジスタ、高周波トランジスタ、IC、LSI、半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体素子の構成材料として好適に用いることができる。
本発明の電気的活性化方法によれば、電気的に活性化された(正孔濃度の高い)ホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド半導体を得ることができる。
また、本発明の方法によれば、電気伝導を好適に制御できるダイヤモンド半導体を得ることができる。例えば、本発明の方法により得られるダイヤモンド半導体は、ホッピング伝導を起こしにくい。
実施例
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
<水素イオン注入層の形成>
高温高圧で合成されたIIa型のダイヤモンド基板を照射真空槽内に設置し、槽内を高真空にした。このときの槽内の圧力は4×10−4Paであった。
次に、前記ダイヤモンド基板に水素イオンをイオン注入した。具体的には、水素ガスをイオン化させることにより水素イオンビームを発生させ、それをダイヤモンド基板表面に照射することにより行った。このとき、前記イオンビームの電流密度を、1.5〜5.4μA/mmとした。また、イオンビーム照射時の前記基板の温度を室温(25℃)とした。さらに、水素イオン注入層の前記基板表面からの深さが50〜450nm、該注入層の面積が0.04cmで水素イオンの濃度が均一となるよう、エネルギーを30〜100keVの範囲内で変化させて前記イオンビームの照射を行った。
得られた水素イオン注入層における水素イオンの濃度は6×1018cm−3と推定される。
<水素イオン注入層の熱処理>
次いで、水素イオン注入層を形成したダイヤモンド基板を、真空中(約10−4Pa)、800℃で1時間熱処理した。
<ホウ素イオン注入層の形成>
引き続き、前記水素イオン注入層を形成させたダイヤモンド基板にホウ素イオンをイオン注入した。具体的には、ホウ素元素をイオン化させることによりホウ素イオンビームを発生させ、それを前記基板表面に照射することにより行った。このとき、ホウ素イオンのイオンビームの電流密度を、2.4〜33μA/mmとした。また、前記イオンビーム照射時の基板の温度を400℃とした。さらに、ホウ素イオン注入層の基板表面からの深さが50〜450nm、該注入層の面積が0.04cmでホウ素イオンの濃度が均一となるよう、エネルギーを30〜360keVの範囲内で変化させて前記イオンビームの照射を行った。
得られたホウ素イオン注入層におけるホウ素イオンの濃度は3×1019cm−3と推定される。
<ホウ素イオン注入層の熱処理>
次いで、前記ホウ素イオン注入層を形成したダイヤモンド基板を、真空中(約10−4Pa)、1450℃で0.5時間熱処理を行った後、高純度アルゴンガス(純度:99.9999999%以上、不活性ガス以外の気体の圧力:約10−3Pa)雰囲気中において、1600℃で2時間熱処理した。
以上の方法により、ダイヤモンド半導体を作製した。
比較例1
上記水素イオン注入層の形成及び該注入層の熱処理を行わずに、ダイヤモンド基板に対して直接ホウ素イオン注入層を形成させる以外は実施例1と同様の方法によりダイヤモンド半導体を作製した。
試験例1(ホール測定)
実施例1及び比較例1において、ホウ素イオンのイオンビームを照射後、熱処理を行う前に、室温下(25℃)、ホウ素イオン注入層にホウ素イオンのイオンビーム(エネルギー:30keV、電流密度:1μA/cm)を照射することにより、電極部(基板の表
面の四隅に4箇所)を形成した(図2)。
さらに、実施例1及び比較例1においてホウ素イオン注入層の熱処理を行った後、前記電極部に対して、超高真空槽中(基底真空度は2×10−9Pa程度)、チタン(厚さ30nm)、白金(厚さ30nm)及び金(厚さ100nm)の順にチタン、白金及び金を蒸着させることにより金属電極を形成した(図2)。
そして、金属電極を形成した基板に対して、400℃で0.5時間熱処理を行った。
以上の方法により、半導体素子を作製した。
得られた半導体素子に対して、室温(298K)〜1200Kの範囲でホール測定を行うことにより、ホウ素イオン注入層の正孔濃度を確認した。前記正孔濃度の温度依存性を図3に示す。
ホール測定には、試料ホルダーと磁場印加用の磁石から構成される装置を用いた。試料ホルダーに上記半導体素子を設置し、該素子に対して磁束密度0.6テスラの磁場を印加しながら、磁場によって電極間に誘起される起電力(ホール起電力)を測定した。
ホール起電力(V)の値及び下記式から正孔濃度(p)を算出した。
p=IB/edV(p:正孔濃度、I:電流、B:磁場、e:単位電荷量、d:試料幅)図3から、実施例1の半導体は、比較例1の半導体に比べ、ホウ素イオン注入層の正孔濃度が高いことがわかる。例えば、実施例1の半導体の25℃での正孔濃度が、2.0×1015cm−3であるのに対し、比較例1の半導体の正孔濃度は、7.6×1013cm−13である。よって、実施例1で得られた半導体のホウ素イオン注入層は、比較例1で得られた半導体のホウ素イオン注入層に比べ、電気的に活性化されていることがわかる。
図1は、実施例1の概要を示す図である。 図2は、試験例1において金属電極を形成させる様子を示す図である。 図3は、実施例1及び比較例1で得られたダイヤモンド半導体の正孔濃度の温度依存性を示す図である。

Claims (5)

  1. ホウ素イオンをイオン注入することにより形成されたホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を熱処理することにより、該注入層を電気的に活性化させる方法であって、
    (1)前記方法が、ホウ素イオンをイオン注入するのに先だって、ダイヤモンド基板に、水素イオンをイオン注入することにより水素イオン注入層を形成させた後、前記水素イオン注入層を熱処理する工程を含み、
    (2)前記水素イオン注入層における水素イオンの濃度が1×1014〜1×1020cm−3であり、
    (3)前記ホウ素イオン注入層におけるホウ素イオンの濃度が1×1015〜1×1020cm−3である、
    ホウ素イオン注入層の電気的活性化方法。
  2. 前記ホウ素イオン注入層を、前記水素イオン注入層を形成させた部分の全部と重なるようにダイヤモンド基板に形成させる請求項1に記載の電気的活性化方法。
  3. エネルギーが1〜1000keVであるイオンビームにより水素イオン及びホウ素イオンをそれぞれ注入する請求項1又は2に記載の電気的活性化方法。
  4. 前記ホウ素イオン注入層を有するダイヤモンド基板を1400℃以上で熱処理する請求項1〜3のいずれかに記載の電気的活性化方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の方法により得られるダイヤモンド半導体。
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