JP5142128B2 - 成膜装置、成膜方法、及び回路基板の製造方法 - Google Patents

成膜装置、成膜方法、及び回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、成膜装置、成膜方法、及び回路基板の製造方法に関する。
LSI等の半導体チップは、回路基板等に実装された後、携帯端末等の電子機器に搭載される。その回路基板には、配線を構成する導電膜や、キャパシタ誘電体膜として機能する誘電体膜が形成される。
このうち、導電膜の成膜方法としては一般的にはめっき法が用いられる。そして、誘電体膜はスパッタ法により成膜されるのが普通である。
しかし、回路基板の製造時間を短縮するには、めっき法やスパッタ法よりも成膜速度が速い新たな成膜方法が望まれる。
そのような要求を満たす成膜方法として、エアロゾルデポジション法がある。
エアロゾルデポジション法は、膜の材料となる粒子とキャリアガスよりなるエアロゾルを基材に高速に吹き付け、基材上に成膜を行う方法である。この方法では、基材との衝突で扁平に変形した粒子が堆積することで膜が得られる。基材と粒子との衝突力が弱いと、粒子の変形が僅かとなり、粒子の圧粉体が基材上に形成されるに過ぎない。従って、エアロゾルデポジション法では、エアロゾル中の粒子と基材との衝突力を高めることが、緻密な膜を得るための一つの因子となる。
しかしながら、従来例に係るエアロゾルデポジション法では、粒子の直径が大きくその質量が重い場合に、その粒子をキャリアガスだけでは十分に加速することができないため、基材上に膜を形成するのが困難である。
また、粒子の直径が小さい場合にも粒子と基材との間の衝突力が不足し、粒子が基材に定着せず、膜を形成するのが難しい。
更に、粒子自身の密度によって膜を形成し易いものとそうでないものとがあり、使用可能な粒子が限定されるという不便さがある。
そして、成膜を続けていくうちに、エアロゾルを供給する配管の内壁に粒子が堆積して配管のコンダクタンスが低下するため、基材に向かうエアロゾルの速度が低下し、基材に膜が形成され難くなるという問題もある。
なお、本発明に関連する技術が、次の特許文献1に開示されている。
特開2005−238154号公報
本発明の目的は、エアロゾルデポジション法により従来よりも膜を形成し易い成膜装置、成膜方法、及び回路基板の製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、基材を保持する基材保持部と、エアロゾルデポジション法用の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを生成するエアロゾル生成部と、前記エアロゾルを前記基材に導く回転可能な配管と、前記配管の一端に固定され、前記配管により導かれた前記エアロゾルよりも下流に位置する羽根とを有する成膜装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、配管をその長手方向を回転軸にして回転させながら、エアロゾルデポジション法用の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを配管で導き、該配管に固定された羽根により前記エアロゾルに回転運動を与えた後、ノズルにより前記エアロゾルを基材に噴射することにより、前記基材上に膜を形成する成膜方法が提供される。
そして、本発明の他の観点によれば、配管をその長手方向を回転軸にして回転させながら、粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを配管で導き、該配管に固定された羽根により前記エアロゾルに回転運動を与えた後、ノズルにより前記エアロゾルを基材に噴射することにより、前記基材上に膜を形成する工程を有することを特徴とする回路基板の製造方法が提供される。
次に、本発明の作用について説明する。
本発明では、エアロゾルに回転運動を与えるので、エアロゾルを構成する粒子と基材との衝突力が増し、その粒子で構成される膜が基材上に簡単に成膜されると供に、その膜が緻密となる。
本発明によれば、エアロゾルに回転運動を与えることにより、緻密な膜を簡単に得ることができる。
次に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成図である。
この成膜装置10は、エアロゾルデポジション法により成膜を行うものであって、チャンバ11及びエアロゾル生成部21を有する。
このうち、エアロゾル生成部21は、導電体又は誘電体よりなる粒子29が収容された容器20と、その容器20に振動を印加して粒子29を舞い上がらせる加振器19とを有する。加振器19は、マントルヒータのような加熱部19aを備えており、粒子29を加熱して脱水する機能も有する。
粒子29は、成膜を行う膜の種類に応じて選択される。例えば、導電膜を成膜するときには、銅等の金属よりなる粒子29が使用される。また、キャパシタ誘電体膜等の誘電体膜を成膜するときには、チタン酸バリウム(BaTiO3)等の誘電体よりなる粒子29が使用される。
容器20にはキャリアガスシリンダ23からキャリアガス配管32を介してキャリアガスが導入され、粒子29とキャリアガスとを含むエアロゾルASが容器20内で生成される。
キャリアガスの種類は、目的とするエアロゾルによって選択される。例えば、粒子29が銅のような金属よりなる場合には、ヘリウム等の不活性ガスをキャリアガスとして使用することで、粒子29が発火するのを防止できる。また、粒子がチタン酸バリウムのような誘電体よりなる場合には、発火の恐れがないため、酸素を含んだガスをキャリアガスとして使用し得る。
そのキャリアガスの流量は、キャリアガス用配管32の途中に設けられたマスフローメータ22により制御される。
一方、チャンバ11には、基材Wをフェイスダウンの状態で保持するステージ(基材保持部)12が設けられる。ステージ12は、基材Wに一様に成膜を行うべく、水平面内で矢印Mの方向に揺動することができる。
そのチャンバ11は、排気配管30を介して真空ポンプ25に接続される。成膜時には、この真空ポンプ25により常にチャンバ11を排気しておくことにより、容器20とチャンバ11との圧力差によってエアロゾルASを基材Wに勢い良く噴射できる。
なお、真空ポンプ25は、バイパス配管33を介して容器20と接続される。成膜を行う前には、バイパス配管33の途中に設けられたバルブ39が開状態となって容器20が真空ポンプ25により減圧され、加熱部19aによって加熱されている粒子29を減圧下で脱水することが可能となる。そして、成膜を行うときには、バルブ39が閉状態となり、容器20と真空ポンプ25との接続が絶たれる。
チャンバ11と容器20は、エアロゾル用配管15により接続される。エアロゾル用配管15はステンレス又はテフロン(デュポン社の登録商標)よりなり、第1、第2エアベアリング16、17によって支持されると供にその長手方向を回転軸にして回転可能となっている。
第1、第2エアベアリング16、17は、それぞれチャンバ11と容器20に固定されていると共に、圧縮ガス供給配管31を介して圧縮ガスシリンダ24に接続される。その圧縮ガスシリンダ24には、例えば圧縮空気等のような圧縮ガスが収容されている。
そして、バルブ42を開いてこれらのエアベアリング16、17に圧縮ガスシリンダ24から圧縮ガスを供給することにより、エアロゾル用配管15が3000rpm〜15000rpm、例えば5000rpm程度の回転速度で回転する。
このように、各エアベアリング16、17、圧縮ガス供給配管31、及び圧縮ガスシリンダ24は、エアロゾル用配管15を回転させる回転駆動部41として機能する。なお、エアロゾル用配管15の回転を停止するには、エアロゾル用配管15の途中に設けられたバルブ42を閉めて、圧縮ガスの供給を停止すればよい。
また、この回転駆動部41とエアロゾル用配管15により駆動部43が構成される。
第1エアベアリング16よりも上側のエアロゾル用配管15は、チャンバ11の内部に位置しており、その先端には配管ジョイント13が固定される。そして、その配管ジョイント13には、基材Wに向けてエアロゾルASを鉛直上向きに噴射するノズル14が固定される。
このように、本実施形態に係る成膜装置10では、エアロゾル用配管15、配管ジョイント13、及びノズル14により、エアロゾルASを基材Wに導く導入経路Pが構成される。
図2は、上記した配管ジョイント13付近の一部切り欠き拡大断面図である。
エアロゾル用配管15の出口側の一端15aの近傍の側壁には、配管15内を通ってきたエアロゾルASが射出する複数の孔15bが設けられる。その孔15bの径は、典型的には1mm程度である。
そして、その一端15aには、ステンレスよりなる複数枚の羽根40が固定される。羽根40の枚数は特に限定されないが、本実施形態では例えば4枚とする。
その羽根40は、エアロゾル用配管15の回転運動と共に回転軸Aを中心にして回転運動を行うことで、孔15bを出たエアロゾルASの速度を増加させ、旋回気流と呼ばれる回転運動ASをエアロゾルに付与する機能を有する。
配管ジョイント13は、図示のように孔15bと羽根40とを内側に含むように配管15に固定され、羽根40の回転運動によって発生した旋回気流を後段のノズル14に効率よく導く。
配管ジョイントとノズル14はいずれもステンレスよりなる。
配管ジョイント13の内径(直径)は特に限定されないが、本実施形態では10mmである。そして、ノズル14は先端部分に向かうにつれて内径が狭くなる構造を有しており、その先端部分では0.5mmの内径を有する。
以上説明したように、本実施形態では、エアロゾル用配管15を高速に回転させることで、配管15に固定された羽根40に回転運動を与え、それによりエアロゾルASに回転運動をあたえつつ、該エアロゾルASの速度を増加させる。
図3は、エアロゾルASによって基材W上に膜が形成される様子を示す断面図である。
ノズル14(図1参照)を出たエアロゾルASは基材Wに衝突して膜45を形成する。その衝突力は、羽根40によるエアロゾルASの速度増加や回転運動によって、羽根40がない場合よりも向上する。そのため、エアロゾルASを構成する粒子29の大きさや密度によらずに、基材Wとの衝突によって粒子29が変形し、基材W上に単なる圧粉体ではない緻密な膜45を形成することができる。
しかも、成膜時間の経過と供に配管15(図1参照)内にエアロゾルASが堆積して配管15のコンダクタンスが低下しても、エアロゾルASの基材Wへの噴射速度を羽根40によって維持することができる。そのため、成膜を開始してからある程度の時間が経過しても、粒子29が基材Wと十分な衝突力で衝突し、図3に示すような扁平な形状となる。したがって、粒子29の形状を反映して膜45の表面に形成される凹凸の大きさが低減され、膜45の膜厚分布を基材Wの面内で均一に近づけることができる。
・実験例
次に、図1に示した成膜装置10を用いて行われた実験について説明する。
この実験では、粒子29として平均粒径(直径)が10μmの銅粉末を使用した。このような銅粉末は、粒径があまりに大きすぎるため、従来例に係るエアロゾルデポジション法では成膜に適さないものである。
そして、この粒子29を容器20に入れ、加振器19のヒータ19aにより粒子29を100℃の温度で加熱しながら、真空ポンプ25により容器20内を30分間減圧し、粒子29を十分に脱水した。
次に、キャリアガスシリンダ23からキャリアガスとしてヘリウムガスを容器20に供給した。シリンダ23内のヘリウムガスの圧力は0.2MPaである。また、そのヘリウムガスの流量は、マスフローメータ22により8リットル/分に設定した。
これと同時に、チャンバ11を真空ポンプ30で真空引きし、チャンバ11内の圧力を5Pa以下になるようにした。
そして、加振器19により容器20を振動させて、ヘリウムガスと粒子29よりなるエアロゾルASを発生させ、それをエアロゾル導入経路Pに沿って基材Wに4分間噴射し、基材W上に銅膜を厚さ2μmに形成した。その基材Wとして、本実験では、石英基板を用いた。なお、成膜時のチャンバ11内の圧力は60Pa程度となった。
このようにして得られた銅膜は、基材Wの面内における膜厚のばらつきが±0.1μm以下となった。従来例に係るエアロゾルデポジション法ではばらつきが±0.5μm以上であったため、本実施形態では膜厚のばらつきが従来よりも向上し、膜厚の面内均一性が良好となることが明らかとなった。
更に、上記の銅膜の成膜速度は0.5μm/分となるが、この値はスパッタ法(0.002μm/分)やめっき法(0.1μm/分)と比較して格段に速く、短時間で成膜を行えることが明らかとなった。
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る成膜装置の構成図である。なお、図4において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
本実施形態に係る成膜装置50が第1実施形態と相違する点は、チャンバ11の内部において、エアロゾル用配管15の途中に屈曲部15aを設けた点である。
このように、屈曲点15aを設けると、ノズル14は、その噴射軸Bから傾いた回転軸Aを中心にして回転しながら基材Wに向けてエアロゾルASを噴射する。回転軸Aと噴射軸Bとの間の角度θは特に限定されないが、本実施形態では5°〜30°とする。
図5は、本実施形態における配管ジョイント13付近の拡大断面図である。
これに示されるように、本実施形態に係る配管15の一端15aには第1実施形態で説明した羽根40(図2参照)が固定されておらず、その一端15aからエアロゾルASがノズル14に向かって射出される。
なお、本実施形態では配管ジョイント13の内径を10mmとする。そして、ノズル14は、その先端部分に向かうにつれて内径が狭くなる構造とし、その先端部分での内径を0.3mmとする。
図6は、エアロゾルASによって基材W上に膜が形成される様子を示す断面図である。
成膜に際しては、エアロゾル用配管15を5000rpm〜20000rpm、例えば10000rpm程度の回転数で回転させながら、ノズル14からエアロゾルASを基材Wに向けて噴射する。上記のようにノズルの噴射軸Bを回転軸Aから傾けたことで、ノズル14が首振り運動を行い、いわゆるパルスエアー状のエアロゾルASが噴射される。
以上説明したように、本実施形態では、ノズル14からパルスエアー状の回転運動が付与されたエアロゾルASが噴射するため、進行方向Cを回転軸とするスピン運動が粒子29に付与される。その結果、スピン運動によって粒子29が膜45に深く食い込むようになり、粒子29の大きさや密度によらずに膜45の緻密性を高めることが可能となる。
更に、成膜時間の経過と供に配管15内にエアロゾルASが堆積して配管15のコンダクタンスが低下した場合であっても、粒子29にスピン運動が付与されることで、膜45に粒子29を食い込ますことができるので、粒子29の形状を反映して膜45の表面に形成される凹凸の大きさが低減され、膜45の膜厚分布を基材Wの面内で均一に近づけることができる。
・実験例
次に、図4に示した成膜装置50を用いて行われた実験について説明する。
この実験では、粒子29として平均粒径が0.5μmのチタン酸バリウム粉末を使用した。そして、その粒子29を真空高温槽(不図示)において200〜300℃の温度で24時間以上加熱し、粒子29を十分に乾燥させた。
次いで、乾燥後の粒子29を容器20に入れ、加振器19のヒータ19aにより粒子29を50℃の温度で加熱しながら、真空ポンプ25により容器20内を20〜30分間減圧し、粒子29を十分に脱水した。
次に、キャリアガスシリンダ23からキャリアガスとして高純度酸素ガスを容器20に供給した。シリンダ23内の酸素ガスの圧力は0.2MPaである。また、その酸素ガスの流量は、マスフローメータ22により10リットル/分に設定した。
これと同時に、チャンバ11を真空ポンプ30で真空引きし、チャンバ11内の圧力を5Pa以下になるようにした。
そして、加振器19により容器20を振動させて、酸素ガスと粒子29よりなるエアロゾルASを発生させ、それを基材Wに5分間噴射し、基材W上にチタン酸バリウムの薄膜を厚さ1.5μmに形成した。その基材Wとして、本実験では、表面に厚さ18μmの銅箔が形成されたFR-4(Flame Retardant Type 4)プリント基板を用いた。
なお、FR-4プリント基板は、米国の標準化団体であるNEMA(National Electrical Manufacturers Association)が規定した銅張り積層板の耐熱グレードのうち、4番目に耐熱性が高い基板であって、耐熱性ガラス基材エポキシ樹脂積層板の一種である。
また、成膜時のチャンバ11内の圧力は100Pa程度となった。
このようにして得られたチタン酸バリウムの薄膜は、基材Wの面内における膜厚のばらつきが±0.1μm以下となった。従来例に係るエアロゾルデポジション法では、チタン酸バリウムの薄膜のばらつきは±1μm以上になるため、本実施形態に係る成膜方法を用いることで膜厚のばらつきが従来よりも向上し、膜厚の面内均一性が良好となることが裏付けられた。
更に、そのチタン酸バリウムの薄膜の吸水率が0.1%程度となったことから、その薄膜が緻密性に優れていることが明らかとなった。なお、吸水率の測定は、煮沸している水の中に薄膜が形成された基材Wを浸漬して行われる。そして、その吸水率は次式により定義される。
(吸水率)=100×{(吸水後の薄膜の重量)−(吸水前の薄膜の重量)}/(吸水前の薄膜の重量)
また、本実験で得られたチタン酸バリウムの薄膜の誘電率は250、誘電損失は0.1となった。誘電率については、従来例に係るエアロゾルデポジション法で得られた薄膜の誘電率(100)よりも格段に向上した。誘電損失についても、従来例で得られる値(0.3)よりも低減している。
しかも、誘電率と誘電損失の基材Wの面内ばらつきは±5%以内となり、ばらつきが±20%程度となる従来例よりも向上した。
これらの結果より、本実験で得られたチタン酸バリウムの薄膜は、緻密で誘電率が高く、基板内に埋め込まれるキャパシタの誘電体膜として使用するのに最適であることが明らかとなった。
(3)第3実施形態
本実施形態では、第1、第2実施形態に係る成膜装置を利用して得られた回路基板について説明する。
図7は、本実施形態に係る回路基板の断面図である。
この回路基板80は、スルーホール70aが形成されたガラス・エポキシ樹脂等よりなるコア基材70を備える。スルーホール70aには、スルーホール内銅めっき膜72が形成されると供に、スルーホール穴埋め樹脂69が埋め込まれる。
そのコア基材70の両面には、導電パターン73、誘電体膜74、及び絶縁膜75が図示のように積層される。
これらのうち、誘電体膜74とその上下の導電パターン73は、スイッチングノイズ等を低減するためのキャパシタQやフィルタF等の受動素子として供せられる。この場合、誘電体膜74はキャパシタQのキャパシタ誘電体膜としての役割を果たす。
一方、これらの受動素子を構成しない部分の導電パターン73は、配線パターンとして供せられ、銅等よりなるビア導電体77により層間の電気的な接続が図られる。
そして、この回路基板80の最上面には、LSI等の半導体素子80やアンテナ81等が搭載される。このうち、半導体素子80は、はんだバンプ83を介して最上層の導電パターン73と電気的且つ機械的に接続される。
一方、回路基板80の最下面には、マザーボード等と回路基板80とを電気的且つ機械的に接続するためのはんだバンプ82が設けられる。
このような回路基板90を構成する導電パターン73は、第1実施形態で説明した成膜装置を用いて銅膜を形成し、その銅膜をパターニングして形成され得る。
また、誘電体膜74は、第2実施形態で説明した成膜装置を用いて形成されたチタン酸バリウムの薄膜よりなる。
このように、回路基板90の製造工程に第1、第2実施形態に係るエアロゾルデポジション法を適用することで、密度が高く膜厚の面内均一性に優れた導電パターン73や誘電体膜74を形成することができると供に、これらの膜を短時間で成膜することができる。これにより、例えばキャパシタQの静電容量を高めることができ、高品位なキャパシタQが埋め込まれた回路基板90を提供することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図1及び図4に示した成膜装置では、基材Wに対して下からエアロゾルASを噴射しているが、基材Wをフェイスアップの状態で保持し、基材Wの上からエアロゾルASを噴射するようにしてもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置が備える配管ジョイント付近の一部切り欠き拡大断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態において、基材上に膜が形成される様子を示す断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る成膜装置の構成図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る成膜装置が備える配管ジョイント付近の拡大断面図である。 図6は、本発明の第2実施形態において、基材上に膜が形成される様子を示す断面図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係る回路基板の断面図である。
符号の説明
10、50…成膜装置、11…チャンバ、12…ステージ、13…配管ジョイント、14…ノズル、15…エアロゾル用配管、15a…一端、15b…孔、16、17…第1、第2エアベアリング、19…加振器、20…容器、21…エアロゾル生成部、22…マスフローメータ、23…キャリアガスシリンダ、24…圧縮ガスシリンダ、29…粒子、30…排気配管、31…圧縮ガス供給配管、32…キャリアガス配管、33…バイパス配管、39…バルブ、40…羽根、41…回転駆動部、42…バルブ、43…駆動部、45…膜、69…スルーホール穴埋め樹脂、70…コア基材、70a…スルーホール、72…スルーホール内銅めっき膜、73…導電パターン、74…誘電体膜、75…絶縁膜、77…ビア導電体、80…回路基板、81…アンテナ、82…はんだバンプ、83…はんだバンプ、90…回路基板。

Claims (7)

  1. 基材を保持する基材保持部と、
    エアロゾルデポジション法用の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを生成するエアロゾル生成部と、
    前記エアロゾルを前記基材に導く回転可能な配管と、
    前記配管の一端に固定され、前記配管により導かれた前記エアロゾルよりも下流に位置する羽根と、
    を有することを特徴とする成膜装置。
  2. 前記配管の側面に、前記エアロゾルが噴出する孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記配管は、該配管の長手方向を中心にして回転可能なことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記配管の途中に屈曲部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 配管をその長手方向を回転軸にして回転させながら、エアロゾルデポジション法用の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを配管で導き、該配管に固定された羽根により前記エアロゾルに回転運動を与えた後、ノズルにより前記エアロゾルを基材に噴射することにより、前記基材上に膜を形成することを特徴とする成膜方法。
  6. 配管をその長手方向を回転軸にして回転させながら、粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを配管で導き、該配管に固定された羽根により前記エアロゾルに回転運動を与えた後、ノズルにより前記エアロゾルを基材に噴射することにより、前記基材上に膜を形成する工程を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  7. 前記粒子として導電体よりなる粒子を用いることにより、前記膜として導電膜を形成すると供に、
    前記導電膜をパターニングして導電パターンを形成する工程を更に有することを特徴とする請求項6に記載の回路基板の製造方法。
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