JP5141625B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の運転状態に応じて潤滑油の油圧を制御する油圧制御装置を備える内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の油圧制御装置では、潤滑油ポンプから吐出される潤滑油の圧力が所定の開弁圧以上となると開弁するリリーフ弁を備え、同リリーフ弁を通じて潤滑油の一部をリリーフ通路に逃がすようにしている。これにより、機関の各部位に供給される潤滑油の圧力が過度に上昇することを抑制するようにしている。
また、こうしたリリーフ弁の開弁圧を例えば2段階に切り替える切替弁を備え、同切替弁を通じて内燃機関の各部位に対して供給される潤滑油の圧力段を高圧段と低圧段とで切り替えるようにした内燃機関の油圧制御装置が提案されるに至っている。こうした油圧制御装置によれば、例えば機関の各部位に対して供給する潤滑油の圧力を高くする必要のない機関低負荷時には潤滑油の圧力段を低圧段に切り替える低圧制御を実行することで、燃費の向上を図るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−101438号公報
ところで、このように油圧が低圧段に維持される機関低負荷運転時に、運転者からの急加速要求があるなどして、内燃機関における出力トルクの要求値が急増することがある。このような場合には、出力トルクが増大することにより、これら摺動部の温度が上昇したり、ピストンをはじめとする機関摺動部に作用する負荷が増大するようになる。
一方、これら各摺動部の温度上昇時や同摺動部における負荷の増大時に、各機関摺動部を潤滑するために必要となる潤滑油量は、低負荷運転時と比較して多くなる。このため、機関低負荷運転時に出力トルクの要求値が増大すると、潤滑油の圧力段は低圧段から高圧段へと切り替えられる。しかし、潤滑油の圧力が高圧段となるまで高められ、機関摺動部が高速摺動可能な程度に十分に潤滑されるようになるまでには応答遅れがある。
このため、このような機関低負荷運転時に内燃機関の出力トルクが急増した場合には、機関摺動部への潤滑油の供給が不十分となるおそれがある。そして、こうした潤滑不足によりフリクションの高い状態が発生して機関摺動部の磨耗が促進されるおそれがある。
本発明は、潤滑油の低圧制御時における急加速要求に迅速に対応できるとともに機関摺動部における潤滑油不足に起因するフリクションの増大を抑制することを目的とする。
(1)第1の手段は「制御部を有する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関は、油圧制御装置を有し、前記油圧制御装置は、前記内燃機関の各部位に潤滑油を供給し、前記内燃機関の運転状態に応じて前記潤滑油の圧力段を変更し、選択可能な前記圧力段として低圧段および高圧段を有し、前記制御部は、前記内燃機関の出力トルクを予め定められた上限値に基づいて制限する制御を実行しているとき、かつ前記油圧制御装置が前記圧力段として前記低圧段を選択しているとき、かつ前記内燃機関の出力トルクの要求値が所定値以上のとき、前記油圧制御装置を制御することにより前記圧力段として前記高圧段を選択し、前記要求値よりも小さい範囲において前記上限値を増大させる内燃機関の制御装置」を含む。
同構成によれば、出力トルクの要求値が所定値以上となったときは、出力トルクの上限値を増大させるようにしている。したがって、出力トルクを増大させることができ、急加速要求に応えることができるようになる。ただし、このように出力トルクの上限値を増大させる際、その上限値が出力トルクの要求値よりも小さい値として設定されるため、内燃機関の出力トルクはその要求値よりも小さいものとなる。従って、機関摺動部の温度上昇及び、これら摺動部における負荷の増大が抑えられるようになるため、潤滑不足によるフリクションの発生といった問題は生じ難い。このため、潤滑油の低圧制御期間における急加速要求に迅速に対応できるとともに機関摺動部における潤滑油不足に起因するフリクションの増大を抑制するができるようになる。
(2)第2の手段は「前記制御部は、前記上限値を漸増させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置」を含む。
同構成によれば、出力トルクの上限値を漸増させることにより、出力トルクの漸増を図ることができる。このため、機関摺動部における潤滑油不足に起因するフリクションの増大を抑制しつつ、好適に急加速要求に応えることができるようになる。
(3)第3の手段は「前記制御部は、潤滑油圧検出手段により検出される潤滑油の圧力に応じて前記上限値を漸増させる請求項2に記載の内燃機関の制御装置」を含む。
同構成によれば、潤滑油の圧力に応じて上限値を徐々に増大させるようにしたため、潤滑能力の増大に合わせるかたちで出力トルクを増大させることができる。したがって、急加速要求に応えるとともに潤滑不足に起因するフリクションの増大を抑制することができるようになる。
(4)第4の手段は「前記制御部は、前記潤滑油圧検出手段により検出される潤滑油の圧力が前記高圧段以上のとき、前記内燃機関の出力トルクを前記上限値に基づいて制限する制御を停止する請求項3に記載の内燃機関の制御装置」を含む。
同構成によれば、急加速要求に応じた出力トルクを発生させることができる。
(5)第5の手段は「前記制御部は、前記上限値を所定の上限値まで増大させた後、前記所定の上限値を漸増させる請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置」を含む。
同構成によれば、出力トルクの要求値が所定値以上になったときに、出力トルクの上限値を一旦所定量だけ増加させるようにしているため、出力トルクの増大を図ることができる。したがって、急加速要求に好適に応えることができるようになる。
本実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の概略図。 本実施の形態にかかるオイルポンプの吐出圧を設定するマップ。 本実施の形態にかかるスロットル開度及び油圧制御処理についてその処理手順を示すフローチャート。 本実施の形態にかかる出力トルクの上限値を設定するためのマップ。 スロットル開度及び油圧制御処理におけるスロットル開度及び油圧の時間変化を示すタイミングチャート。
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施の形態にかかるガソリンエンジンとしての内燃機関20の制御装置は、内燃機関20の他、同内燃機関20の各潤滑油部位に潤滑油を供給する潤滑油供給装置50をその制御対象とし、これらを電子制御装置70によって統括的に制御するようにしている。
内燃機関20のシリンダブロック21に設けられた複数のシリンダ21Aには、燃料噴射弁27により供給される燃料と吸気通路22を通じて供給される空気との混合気を燃焼させる燃焼室28がそれぞれ形成されている。このシリンダ21A内に設けられたピストン23は、その往復運転を回転運動に変換してクランクシャフト25に伝達するコネクティングロッド24が連結されている。
また、吸気通路22には、スロットルバルブ26が設けられており、このスロットルバルブ26の開度(スロットル開度TA)が変更されることにより、吸入空気量GAが調量される。そして、この吸入空気量GA、換言すればスロットル開度TAの変更を通じて内燃機関の出力トルクが調整される。
内燃機関20には、運転者の加減速要求や車両の走行状態等を検出するために、各種センサやスイッチが設けられている。例えば、アクセルセンサ71によってアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPが検出される。なお、クランク角センサ72によって機関回転速度NEが検出され、吸入空気量センサ73によって吸入空気量GAが検出される。また、スロットル開度TAはスロットル開度センサ75によって検出される。
さらに、本実施の形態にかかる内燃機関20においては、運転者がエコスイッチ74をオン操作することにより、出力トルクが自動制御される。すなわち、エコスイッチ74がオン状態になると、スロットル開度TAの上限値Aが設定され、出力トルクの要求値に応じたスロットル開度TAがこの上限値Aを超える場合は、アクセルペダルの操作量に関わらずスロットル開度TAがこの上限値Aとなるよう自動的に制御される。なお、このスロットル開度TAの上限値Aは、予め定められた値である。
これら各種センサやスイッチ等の信号は、電子制御装置70に入力される。そして、電子制御装置70は、入力された各種センサやスイッチからの信号に基づいて、例えば燃料噴射制御、スロットル開度制御、及び潤滑油供給装置50の吐出圧制御といった各種の制御を実行する。
次に、潤滑油供給装置50の構成について説明する。
シリンダブロック21の下部に取り付けられたオイルパン51には潤滑油が貯留されている。このオイルパン51の潤滑油は、クランクシャフト25により駆動されるオイルポンプ53により汲み上げられ、供給通路52を通じて、内燃機関20の各潤滑部位に供給される。例えばシリンダ21Aの内壁面とピストン23との間の摺動部にはオイルジェット56から潤滑油が噴射供給される。また、供給通路52の入口には、オイルパン51内の潤滑油に含まれる異物のうち比較的大きなものを捕捉するオイルストレーナ54が設けられている。また、供給通路52においてオイルポンプ53の下流側の近傍には、潤滑油に含まれる微少な異物を捕捉するオイルフィルタ55が設けられている。
また、潤滑油供給装置50には、オイルポンプ53から供給通路52に吐出された潤滑油を同ポンプ53の上流側に還流することにより供給通路52の潤滑油の圧力段を制御する油圧制御機構60が設けられている。
この油圧制御機構60には、供給通路52におけるオイルポンプ53の上流側部分と下流側部分とを接続するリリーフ通路63が設けられている。このリリーフ通路63には、油圧がリリーフ圧力P1以上となることに基づいて開弁し、オイルポンプ53の下流側から上流側に潤滑油を還流するリリーフバルブ61が設けられている。またリリーフ通路63には、リリーフバルブ61の入口側の潤滑油をリリーフバルブ61の切替室67dに供給する切替バルブ用通路64が接続されている。この切替バルブ用通路64には、その開閉状態を切り替える切替バルブ62が設けられている。
切替バルブ62は、切替室67dへの潤滑油の供給態様を制御してリリーフバルブ61のリリーフ圧力を切り替える。すなわち、切替バルブ62が開弁状態にあることにより切替室67dに潤滑油が供給されるとき、リリーフバルブ61のリリーフ圧力は低圧側の第1リリーフ圧力P1に設定され、切替バルブ62が閉弁状態にあることにより切替室67dへの潤滑油の供給が遮断されるとき、リリーフバルブ61のリリーフ圧力は第1リリーフ圧力P1よりも大きい高圧側の第2リリーフ圧力P2に設定される。
リリーフバルブ61は、リリーフ圧力が第1リリーフ圧力P1に設定されるとき、油圧がこの第1リリーフ圧力P1を超えることに基づいて開弁し、これによりオイルポンプ53から吐出された潤滑油を同ポンプ53の上流側にリリーフする。これにより、供給通路52の油圧、すなわちオイルポンプ53の吐出圧は低圧段P1に制御される。また、リリーフ圧力が第2リリーフ圧力P2に設定されるとき、油圧がこの第2リリーフ圧力P2を超えることに基づいて開弁し、これにより、オイルポンプ53から吐出された潤滑油を同ポンプ53の上流側にリリーフする。これにより、供給通路52の油圧は高圧段P2に制御される。
このような潤滑油の油圧の制御は、電子制御装置70によって行われる。電子制御装置70は、機関回転速度NEおよび吸入空気量GAをはじめとする機関運転状態及び車両走行状態及び運転者の加減速要求を把握したうえで、内燃機関の各潤滑部位に供給する潤滑油の油圧を切り替える。
具体的には、機関運転状態、詳しくは機関回転速度NE及び機関負荷(ここでは吸入空気量GA)に基づいて、リリーフ圧力を切り替えるようにしている。すなわち、図2に示されるように、機関回転速度NEが低回転であるとともに機関負荷が低負荷である領域にあるときには、オイルポンプ53の吐出圧を低圧段P1に設定している。これは、必要以上の潤滑油が内燃機関各部に循環することを停止して、オイルポンプ53の消費エネルギを低減するためである。一方、これ以外の領域では、機関摺動部の温度上昇、及びこれら摺動部における負荷の増大に起因して、内燃機関の各部の磨耗が増加するおそれがあるために、更に油圧駆動式の各種装置やオイルジェット56を十分に駆動できるようにするために、オイルポンプ53の吐出圧を高圧段P2に設定して潤滑油が十分に各部にいきわたるようにしている。特に、機関回転速度NEが増加する高回転領域にあるときに、潤滑油の吐出量が減少しシリンダ21Aの内壁面とピストン23との間の潤滑が不十分となると、これらが直に接することによってピストン23やシリンダ21Aの内壁面が損傷するおそれがある。このため、機関運転状態がこのような領域にあるときは、オイルポンプ53の吐出圧を高圧段P2と設定することにより、潤滑油が十分にいきわたるようにしている。また、供給通路52の油圧は、供給通路52に取付けられた油圧センサ76により検出され、その検出値が電子制御装置70に入力される。
ところで、エコスイッチ74がオン状態となり、出力トルク制限が実行されている期間は、機関運転状態は低負荷状態となるため、オイルポンプ53の吐出圧は低圧段P1となるよう制御される(以下ではこの期間を「低圧制御期間」という)。
このような低圧制御期間に、運転者から急加速要求があると、出力トルクの要求値は急増する。このような場合には上限値Aに基づくスロットル開度TAの制限が解除されるとともに、オイルポンプ53の吐出圧は高圧段P2に切り替えられる。ただしこの場合、オイルポンプ53の吐出圧が低圧段P1から高圧段P2へと変更され機関摺動部が増大する負荷に対して十分に潤滑されるようになるまでに要する時間は、スロットル開度TAが出力トルクの要求値に対応したものとなり機関摺動部において負荷が増大する時間と比較して長い。このため、低圧制御期間に急加速要求があると、機関摺動部において一時的に潤滑不足が発生するおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、低圧制御期間にスロットル開度TAが所定値α以上となるような出力トルクの要求値が設定されたときは、スロットル開度TAの上限値Aをこの上限値Aよりも大きな値である上限値Bに変更するとともに、オイルポンプ53の吐出圧を高圧段P2に設定するようにしている。なお、この上限値Bは、オイルポンプ53の吐出圧が高圧段P2を下回るときであっても、機関摺動部の潤滑が不十分とならない最大の出力トルクに対応するスロットル開度TAであり、所定値αよりも小さい値に設定されている。
以下、本実施の形態において実施されるスロットル開度TA及び油圧制御処理について図3を参照して説明する。なお、本処理は電子制御装置70により周期的な割り込みにより実行される。
この一連の処理が開始されると、まず、エコスイッチ74がオン状態であるか否かが判断される(ステップS100)。エコスイッチ74がオン状態にないと判断されたとき(ステップS100:NO)は、先の図2を参照することにより、オイルポンプ53の吐出圧が機関運転状態に基づいて設定される(ステップS101)。そして、スロットル開度TAは出力トルクの要求値に基づいて設定され(ステップS102)、本処理は一旦終了する。
一方、エコスイッチ74がオン状態であると判断された場合(ステップS100:YES)は、次に出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが所定値α以上であるか否かが判断される(ステップS103)。
出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが所定値α未満である旨判断された場合(ステップS103:NO)は、オイルポンプ53の吐出圧は低圧段P1に設定される(ステップS104)。そして、スロットル開度TAの上限値Aが設定され(ステップS105)、スロットル開度TAは、上限値A及び出力トルクの要求値に基づいて設定される(ステップS106)。すなわち、スロットル開度TAは、まず出力トルクの要求値に基づいて算出され、これが上限値A以上であるときには、上限値Aに設定される。そして、本処理は一旦終了する。
一方、出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが所定値α以上である旨判断されたとき(ステップS103:YES)は、運転者による加速要求があると判断して、まずオイルポンプ53の吐出圧は高圧段P2となるよう設定される(ステップS107)。そして、スロットル開度TAの上限値は上限値Aよりも所定量だけ大きい上限値Bに設定される(ステップS108)。次に、スロットル開度TAがこの上限値B及び出力トルクの要求値に基づいて設定される(ステップS109)。すなわち、まず出力トルクの要求値に基づいてスロットル開度TAが算出され、これが上限値B以上であるときには、スロットル開度TAは上限値Bに設定される。一方、出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが上限値B未満であるときには、スロットル開度TAは、出力トルクの要求値に基づいて設定される(ステップS109)。ちなみに、ステップS103において、出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAは所定値α以上である旨判断されており、この所定値αは上限値Bより大きな値であることから、スロットル開度TAは上限値Bに設定される。
次に、出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが上限値A以上であるか否かが判断される(ステップS110)。出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが上限値A未満である旨判断されたとき(ステップS110:NO)は、オイルポンプ53の吐出圧は再び低圧段P1に設定される(ステップS104)。そして、スロットル開度TAの上限値Aが設定され(ステップS105)、スロットル開度TAは上限値A及び出力トルクの要求値に基づいて設定される(ステップS106)。
一方、出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが上限値A以上である旨判断されたとき(ステップS110:YES)は、次に供給通路52の油圧が油圧センサ76により検出される(ステップS111)。そして、検出される油圧に基づいてスロットル開度TAの増量値Xが算出される(ステップS112)。
すなわち、図4に示されるように、オイルポンプ53の吐出圧が低いときにはスロットル開度TAの上限値が大きく上昇することを抑制するべく、増量値Xは小さい値に設定され、上限値は上限値Bから大きく増加しないように設定される。一方、オイルポンプ53の吐出圧が高くなるにしたがって、増量値Xは大きくなるよう設定されている。オイルポンプ53の吐出圧が高くなるにしたがって、内燃機関の各摺動部に供給される単位時間あたりの潤滑油の量は増加するため、スロットル開度TAを大きくすることによりこれら摺動部の温度が上昇したり、同摺動部における負荷が増大したときであっても、各摺動部における潤滑油不足が発生することはない。このため、オイルポンプ53の吐出圧が高くなるほどこの増量値Xは大きい値に設定され、したがって、上限値が相対的に大きい値に設定されるようになる。
このように、増量値Xがオイルポンプ53の吐出圧に応じて算出されると、次に、上限値Bにこの増量値Xを加算することにより上限値Cが算出される(ステップS113)。
また、低圧段P1に設定されていたオイルポンプ53の目標吐出圧が高圧段P2に変更されているため、供給通路52の油圧は漸増するようになる。このため、スロットル開度TAの増量値Xをこれに伴い漸増させるようにしている(漸増期間)。したがって、スロットル開度の上限値Cも漸増するようになる。そして、この上限値C及び出力トルクの要求値に基づいてスロットル開度TAが設定される(ステップS114)。
このようにスロットル開度TAが設定された後、油圧センサ76から入力される信号に基づいて、オイルポンプ53の吐出圧が高圧段P2以上であるか否かが判断される(ステップS115)。
オイルポンプ53の吐出圧が高圧段P2以上である旨判断されたときには(ステップS115:YES)は、この処理は一旦終了する。一方、オイルポンプ53の吐出圧が高圧段P2未満である旨判断されたとき(ステップS115:NO)は、再び出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが上限値A以上であるか否かが判断される(ステップS110)。
図5は、図3のフローチャートに示されるスロットル開度TA及び油圧制御処理が実行された場合について、(a)出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TA、(b)オイルポンプ53の目標吐出圧、(c)油圧センサ76により検出される供給通路52の油圧、(d)出力トルクの上限値、(e)出力トルクの推移をそれぞれ示している。
図5に示されるように、低圧制御期間中に出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが所定値αより大きい開度βに設定されると、オイルポンプ53の目標吐出圧が高圧段P2に設定される。これに伴い、スロットル開度TAの上限値は、低圧制御期間中に設定される上限値Aより大きく、かつ所定値αより小さい値である上限値Bに設定される(タイミングt1)。このように、オイルポンプ53の目標吐出圧が高圧段P2に設定されることに伴い、油圧センサ76により検出される供給通路52の油圧は漸増する。そして、このような油圧の漸増に伴って、スロットル開度TAの上限値が徐々に増大する。また、スロットル開度TAもその上限値により制限された状態で徐々に増大する(タイミングt1〜t2)。そして、スロットル開度TAが出力トルクの要求値に基づく開度βとなると(タイミングt2)、スロットル開度TAは上限値を下回るようになるため、同スロットル開度TAは出力トルクの要求値に基づく開度βに維持されようになる。(タイミングt2〜t3)。そして、油圧センサ76により検出される油圧が高圧段P2となった後は、スロットル開度TAの制限が解除されるようになる(タイミングt3以降)。
以上説明した実施形態によれば、以下に記載する作用効果を奏することができる。
(1)出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAが所定値α以上となったときは、スロットル開度TAの上限値を増大させるようにしている。したがって、出力トルクを増大させることができ、急加速要求に応えることができるようになる。ただし、このようにスロットル開度TAの上限値を増大させる際、その上限値が出力トルクの要求値に基づくスロットル開度TAよりも小さい値として設定されるため、内燃機関の出力トルクはその要求値よりも小さいものとなる。従って、機関摺動部の温度上昇や、これら摺動部における負荷の増大が抑えられるようになるため、潤滑不足によるフリクションの発生といった問題は生じ難い。このため、潤滑油の低圧制御期間における急加速要求に迅速に対応できるとともに機関摺動部における潤滑油不足に起因するフリクションの増大を抑制することができるようになる。
(2)また、スロットル開度TAの上限値を増大させる際に、同上限値を徐々に増大させるようにしている。このため、オイルポンプ53の吐出圧の上昇に併せて内燃機関20の出力トルクを増大させることができる。このため、機関摺動部における潤滑油不足に起因するフリクションの増大を抑制しつつ、好適に急加速要求に応えることができるようになる。
(3)更に、オイルポンプ53の吐出圧を検出し、その吐出圧に基づいてスロットル開度TAの上限値を増大させるようにしているため、潤滑能力の増大に合わせるかたちで出力トルクを増大させることができる。したがって、急加速要求に応えるとともに潤滑不足に起因するフリクションの増大を抑制することができるようになる。
(4)また、オイルポンプ53の吐出圧が高圧段P2になったときに上限値によるスロットル開度TAの制限を停止するようにしたため、急加速要求に応じた出力トルクを発生させることができるようになる。
(5)その他、出力トルクの要求値が所定値以上となったときは、その時点でスロットル開度TAの上限値を所定量だけ増大させるようにしているため、出力トルクの増大を図ることができる。したがって、急加速要求に好適に応えることができるようになる。
なお、以上説明した実施形態は次のようにその形態を適宜変更した態様にて実施することができる。
・上記実施の形態においては、スロットル開度TAの上限値を所定量Bとした後、この上限値Bに供給通路52の油圧に応じて設定される増量値Xを加算するようにしたが、本実施の形態はこれに限られない。上限値Aに増量値Xを加算させるようにしてもよい。本実施の形態によれば、図5に二点鎖線にて示されるように、スロットル開度TAは出力トルクの要求値が増大した時点から、漸増するようになる(タイミングt1〜t3)。本実施の形態によっても、上記(1)〜(4)に準じた作用効果を奏することができる。
・上記実施の形態においては、スロットル開度TAの上限値に増量値Xを加算させることで、上限値を漸増させるようにしたが、本実施の形態はこれに限られず、上限値AないしBを、オイルポンプ53の吐出圧に応じて漸増させるようにしてもよい。本実施の形態においても、上記作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
・上記実施の形態においては、スロットル開度TAの上限値をオイルポンプ53の吐出圧に応じて漸増させるようにしたが、本実施の形態はこれに限られず、一定の増加度合をもって漸増させるようにしてもよい。本実施の形態においても、上記作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
・上記実施の形態においては、出力トルクをスロットル開度TAにより制御するようにしたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、燃料噴射量や点火時期を変更することによって、出力トルクを制御するようにしてもよい。
・上記実施の形態のおいては、スロットル開度TAの上限値を漸増させるようにしたが、本実施の形態はこれに限られず、スロットル開度TAの上限値を段階的に増加させるようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、運転者がエコスイッチ74をオン操作したことをもって低圧制御期間に移行するようにしたが、本実施の形態はこれに限られず、走行判定により低負荷状態が所定時間継続されたことをもって低圧制御期間に移行するようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、ガソリンエンジンとしての内燃機関20について説明したが、本実施の形態はこれに限られず、ディーゼルエンジン等に適用することもできる。この場合には燃料噴射量を制限することに基づいて、出力トルクの制限を行う。
20…内燃機関、21…シリンダブロック、21A…シリンダ、22…吸気通路、23…ピストン、24…コネクティングロッド、25…クランクシャフト、26…スロットルバルブ、27…燃料噴射弁、28…燃焼室、50…潤滑油供給装置、51…オイルパン、52…供給通路、53…オイルポンプ、54…オイルストレーナ、55…オイルフィルタ、56…オイルジェット、60…油圧制御機構、61…リリーフバルブ、62…切替バルブ、63…リリーフ通路、64…切替バルブ用通路、67d…切替室、70…電子制御装置、71…アクセルセンサ、72…クランク角センサ、73…吸入空気量センサ、74…エコスイッチ、75…スロットル開度センサ、76…油圧センサ。

Claims (5)

  1. 制御部を有する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関は、油圧制御装置を有し、
    前記油圧制御装置は、前記内燃機関の各部位に潤滑油を供給し、前記内燃機関の運転状態に応じて前記潤滑油の圧力段を変更し、選択可能な前記圧力段として低圧段および高圧段を有し、
    前記制御部は、前記内燃機関の出力トルクを予め定められた上限値に基づいて制限する制御を実行しているとき、かつ前記油圧制御装置が前記圧力段として前記低圧段を選択しているとき、かつ前記内燃機関の出力トルクの要求値が所定値以上のとき、前記油圧制御装置を制御することにより前記圧力段として前記高圧段を選択し、前記要求値よりも小さい範囲において前記上限値を増大させる
    内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御部は、前記上限値を漸増させる
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御部は、潤滑油圧検出手段により検出される潤滑油の圧力に応じて前記上限値を漸増させる
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記潤滑油圧検出手段により検出される潤滑油の圧力が前記高圧段以上のとき、前記内燃機関の出力トルクを前記上限値に基づいて制限する制御を停止する
    請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御部は、前記上限値を所定の上限値まで増大させた後、前記所定の上限値を漸増させる
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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