JP2020101147A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼室の負圧が過度に大きくなることを抑制しつつ、エンジンブレーキが弱くなることを抑制する。【解決手段】内燃機関における吸気通路には、当該吸気通路を流通する吸気量を調整するスロットルバルブが取り付けられている。また、吸気通路に接続された気筒の内部には、当該気筒内を往復運動するピストンが配置されている。また、ピストンの下死点側には、当該ピストンの下死点側の面にオイルを噴射するオイルジェットが配置されている。オイルジェットへオイルを供給するためのオイル供給通路には、当該オイル供給通路の流路を開閉する開閉弁が取り付けられている。この内燃機関に適用された制御装置は、アクセルペダルの操作量がゼロである場合、スロットルバルブを全閉状態よりも大きい開度に制御し、且つピストンが上死点から下死点に移動しているときに、開閉弁を制御してオイルジェットからピストンにオイルを噴射させる。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1の内燃機関の吸気通路には、当該吸気通路を流通する吸気量を調整するスロットルバルブが取り付けられている。吸気通路の下流端には、気筒が接続されている。気筒の内部には、当該気筒内を往復運動するピストンが配置されている。往復運動するピストンの上死点側の面(頂面)と気筒の内面とによって、燃料及び吸気の混合気を燃焼させる燃焼室が区画されている。
特許文献1の内燃機関では、運転者のアクセルペダルの操作量がゼロである場合であって機関回転数が所定回転数(4000rpm)以下である場合に、スロットルバルブが全閉状態に制御される。
特許文献1の内燃機関においては、スロットルバルブが全閉状態に制御されている場合、吸気通路から燃焼室の内部に吸気が導入されにくくなり、燃焼室の負圧が大きくなる。この負圧に抗してピストンが下死点側へと運動しようとするため、ピストンを運動させるのに多くのエネルギーが必要となり、いわゆるエンジンブレーキが効果的に作用する。その一方で、上述のように燃焼室の負圧が大きくなると、ピストンの外周面と気筒の内周面との間のオイルが、ピストンの上死点側に移動して燃焼室内に混入してしまうことがある。例えば、特許文献1の内燃機関において、運転者のアクセルペダルの操作量がゼロ、且つ機関回転数が所定回転数以下である場合であっても、スロットルバルブを全閉状態にせず、ある程度開いた状態にしておけば、燃焼室内における負圧を小さくすることはできる。とはいえ、燃焼室内における負圧が小さくなれば、エンジンブレーキも弱くなってしまう。
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、吸気を導入するための吸気通路と、前記吸気通路に接続された気筒と、前記吸気通路に取り付けられて当該吸気通路を流通する吸気量を調整するスロットルバルブと、前記気筒の内部に配置されて当該気筒内を往復運動するピストンと、前記ピストンの下死点側の面に向かってオイルを噴射するオイルジェットと、前記オイルジェットへのオイル供給通路に設けられ、当該オイル供給通路の流路を開閉する開閉弁とを備えている内燃機関に適用される制御装置であって、アクセルペダルの操作量がゼロである場合には、前記スロットルバルブを全閉状態よりも大きい開度に制御し、且つ前記ピストンが上死点から下死点に運動しているときに、前記開閉弁を制御して前記オイルジェットから前記ピストンにオイルを噴射させる。
上記構成では、スロットルバルブの開度が全閉状態より大きいため、燃焼室の負圧が過度に大きくなることを抑制できる。また、上記構成では、ピストンが上死点から下死点に運動しているときに、オイルジェットから噴射されたオイルがピストンの下死点側の面に衝突する、すなわち下死点側に運動するピストンに抗するように当該ピストンの下死点側の面にオイルが衝突する。これにより、気筒内を往復運動するピストンの負荷が大きくなる。その結果、アクセルペダルの操作量がゼロである場合には、燃焼室の負圧が多少小さくなっても、エンジンブレーキが弱くなることは抑制できる。
以下、本発明の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。まず、図1にしたがって車両に搭載された内燃機関100の概略構成について説明する。
図1に示すように、内燃機関100は、当該内燃機関100の外部から外気を導入するための吸気通路11を備えている。吸気通路11の途中には、スロットルバルブ31が取り付けられている。スロットルバルブ31は、吸気通路11の流路の開度を調整することにより、吸気通路11の流路を流通する吸気量を調整する。
図1に示すように、内燃機関100は、当該内燃機関100の外部から外気を導入するための吸気通路11を備えている。吸気通路11の途中には、スロットルバルブ31が取り付けられている。スロットルバルブ31は、吸気通路11の流路の開度を調整することにより、吸気通路11の流路を流通する吸気量を調整する。
吸気通路11の下流端には、吸気が導入される気筒12が接続されている。気筒12には、気筒12に燃料を噴射するための燃料噴射弁32が取り付けられている。燃料噴射弁32は、その先端が気筒12の内部に位置しており、燃料を気筒12の内部に直接噴射する。また、気筒12の内部には、当該気筒12の内部を往復運動するピストン21が配置されている。このピストン21の上死点側の面(図1における上側の面)と気筒12の内面とによって、燃料及び吸気の混合気を燃焼させる燃焼室15が区画されている。ピストン21は、コネクティングロッド22を介してクランクシャフト23に連結されている。クランクシャフト23は、ピストン21の往復運動によって回転する。また、気筒12には、当該気筒12から排気を排出するための排気通路13が接続されている。なお、図示は省略するが、内燃機関100は、4つの気筒12を備えている。また、内燃機関100は、4つの気筒12に対応して4つのピストン21を備えている。
内燃機関100は、当該内燃機関100の各所にオイルを循環させるためのオイル供給装置50を備えている。オイル供給装置50のオイルパン51の内部には、オイルが貯留されている。また、オイルパン51の内部には、オイル中に含まれる異物を除去するためのストレーナ52が配置されている。ストレーナ52には、オイル供給通路56を介してオイルを噴射するオイルジェット55が接続されている。オイルジェット55は、ピストン21が下死点に位置するときのピストン21の位置よりもクランクシャフト23側(図1における下側)に配置されている。オイルジェット55の先端は、ピストン21の下死点側の面(図1における下側の面)を指向している。
オイル供給通路56の途中には、オイルパン51内のオイルを汲み上げるためのオイルポンプ53が取り付けられている。オイルポンプ53は、オイルパン51内のオイルを汲み上げてオイルジェット55側に供給する。また、オイル供給通路56におけるオイルポンプ53よりもオイルジェット55側には、開閉弁54が取り付けられている。具体的には、オイル供給通路56におけるオイルポンプ53とオイルジェット55との間では、1つの通路が4つの通路に分岐しており、分岐した各通路に開閉弁54が取り付けられている。すなわち、内燃機関100は、4つのピストン21に対応して4つのオイルジェット55及び4つの開閉弁54を備えている。
この開閉弁54は、オイル供給通路56の流路を開閉する。開閉弁54がオイル供給通路56を開状態にすると、オイルジェット55からピストン21の下死点側の面(図1における下側の面)に向かってオイルが噴射される。一方、開閉弁54がオイル供給通路56を閉状態にすると、オイルジェット55へのオイルの供給が停止されてオイルジェット55からオイルが噴射されない。
上記のクランクシャフト23の近傍には、当該クランクシャフト23の回転角度を検出するためのクランク角センサ71が取り付けられている。クランク角センサ71から出力される信号は、制御装置80に入力される。具体的には、制御装置80には、クランクシャフト23の回転角度であるクランク角X1を示す信号がクランク角センサ71から入力される。また、制御装置80には、運転者が操作するアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量X2を示す信号がアクセル開度センサ72から入力される。
制御装置80は、上記の開閉弁54、スロットルバルブ31、及び燃料噴射弁32を制御する。具体的には、制御装置80は、開閉弁54に対して、当該開閉弁54を開閉制御するための制御信号S1を出力する。また、制御装置80は、スロットルバルブ31に対して、当該スロットルバルブ31を開閉制御するための制御信号S2を出力する。制御装置80は、燃料噴射弁32に対して、当該燃料噴射弁32を制御するための制御信号S3を出力する。なお、この実施形態では、制御装置80は、内燃機関100全体を制御する電子制御ユニット(ECU)として構成されている。
次に、制御装置80が行う一連の処理について説明する。制御装置80は、内燃機関100が運転を開始してから、内燃機関100が運転を終了するときまで、所定の制御周期毎に一連の処理を繰り返し実行する。
図2に示すように、制御装置80は、一連の処理を開始すると、ステップS11の処理を実行する。ステップS11において、制御装置80は、アクセル操作量X2に基づいて、クランクシャフト23における所定時間当たりの回転数の要求値である要求回転数Y1、及びクランクシャフト23を回転させるためのトルクの要求値である要求トルクY2を算出する。例えば、制御装置80は、アクセル操作量X2が大きいほど、要求回転数Y1及び要求トルクY2を大きく算出する。その後、制御装置80は、処理をステップS12に進める。
ステップS12において、制御装置80は、アクセル操作量X2がゼロであるか否かを判定する。ここで、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、アクセル操作量X2がゼロになる。また、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいる場合には、アクセル操作量X2がゼロよりも大きい値になる。ステップS12において、アクセル操作量X2がゼロでないと判定した場合(S12:NO)、制御装置80は、処理をステップS31に進める。一方、ステップS12において、アクセル操作量X2がゼロであると判定した場合(S12:YES)、制御装置80は、処理をステップS21に進める。
ステップS21において、制御装置80は、スロットルバルブ31を全閉状態よりも大きい所定開度A3に制御する。このステップS12において、制御装置80は、要求回転数Y1が大きいほど、スロットルバルブ31の所定開度A3を大きくする。
ここで、ピストン21が上死点から下死点に移動するときには、燃焼室15内が負圧になる。そして、ピストン21が上死点から下死点に移動するときに、スロットルバルブ31の開度が小さくなっているほど、吸気通路11から気筒12に導入される吸気量が小さくなるため、燃焼室15内の負圧が大きくなる。そこで、制御装置80は、要求回転数Y1が大きいほど、負圧に抗してピストン21が下死点側へと移動するために必要なエネルギーが小さくなるように、スロットルバルブ31の所定開度A3を大きくする。より具体的には、制御装置80は、ステップS21の処理によってピストン21が下死点側へと移動するために必要なエネルギーと、後述するステップS22の処理によってピストン21が下死点側へと移動するために必要なエネルギーとの和が、要求回転数Y1が変化しても一定になるようにスロットルバルブ31の所定開度A3を大きくする。なお、上記のようにエネルギーの和が一定になるようにするための要求回転数Y1及びスロットルバルブ31の所定開度A3の関係性は、実験等によって予め求められており、制御装置80に記憶されている。その後、制御装置80は、処理をステップS22に進める。
ステップS22において、制御装置80は、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21にオイルを噴射させる。具体的には、制御装置80は、クランク角X1に基づいて、ピストン21が上死点から下死点に移動していることを検出する。そして、制御装置80は、ピストン21が上死点から下死点に移動しているときに、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させる。本実施形態では、ピストン21が上死点から下死点に移動するまでの全ての期間でオイルを噴射させる。一方、制御装置80は、ピストン21が下死点から上死点に移動しているときに、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21へのオイルの噴射を停止する。その後、制御装置80は、今回の一連の処理を終了する。
一方、上述したステップS12において、アクセル操作量X2がゼロでないと判定した場合(S12:NO)、制御装置80は、処理をステップS31に進める。ステップS31において、制御装置80は、要求回転数Y1及び要求トルクY2に応じてスロットルバルブ31を開閉制御する。例えば、制御装置80は、要求回転数Y1及び要求トルクY2が大きいほど、スロットルバルブ31の開度を大きくして吸気通路11の流路を流通する吸気量を大きくする。その後、制御装置80は、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、制御装置80は、要求回転数Y1が所定回転数A1以上であるか否かを判定する。ここで、所定回転数A1は、内燃機関100におけるアイドル運転時の要求回転数Y1よりも高く、内燃機関100が正常に動作する要求回転数Y1の最大値よりも小さい回転数に設定されている。より具体的には、この実施形態では、所定回転数A1は、内燃機関100を搭載する車両が法定速度で走行するときに達する要求回転数Y1の平均値よりも小さい回転数(例えば、数千rpm)に設定されている。ステップS32において、要求回転数Y1が所定回転数A1以上であると判定した場合(S32:YES)、制御装置80は、処理をステップS33に進める。
ステップS33において、制御装置80は、要求トルクY2が所定トルクA2以上であるか否かを判定する。ここで、所定トルクA2は、内燃機関100におけるアイドル運転時の要求トルクY2よりも高く、内燃機関100が正常に動作する要求トルクY2の最大値よりも小さい回転数に設定されている。より具体的には、この実施形態では、所定トルクA2は、内燃機関100を搭載する車両が法定速度で走行するときに達する要求トルクY2の平均値よりも小さいトルクに設定されている。ステップS33において、要求トルクY2が所定トルクA2以上であると判定した場合(S33:YES)、制御装置80は、処理をステップS34に進める。
ステップS34において、制御装置80は、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21にオイルを噴射させる。具体的には、制御装置80は、クランク角X1に基づいて、ピストン21が上死点から下死点に移動していることを検出する。そして、制御装置80は、ピストン21が上死点から下死点に移動しているときに、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させる。本実施形態では、ピストン21が上死点から下死点に移動するまでの全ての期間でオイルを噴射させる。一方、制御装置80は、ピストン21が下死点から上死点に移動しているときに、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21へのオイルの噴射を停止する。なお、ステップS34の処理が実行されるときには、上述したステップS32及びステップS33の判定がすべて肯定である。したがって、ステップS34の処理が実行される状況下では、燃焼室15で比較的に多くの燃料が燃焼され、それに伴ってピストン21の温度も高くなる。そこで、ステップS34では、ピストン21を冷却するために、オイルジェット55からピストン21へのオイルの噴射を実行する。その後、制御装置80は、今回の一連の処理を終了する。
一方、ステップS32において、要求回転数Y1が所定回転数A1未満であると判定した場合(S32:NO)、制御装置80は、処理をステップS35に進める。また、ステップS33において、要求トルクY2が所定トルクA2未満であると判定した場合(S33:NO)、制御装置80は、処理をステップS35に進める。
ステップS35において、制御装置80は、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21へのオイルの噴射を停止する。すなわち、上述したステップS32又はステップS33の判定が否定であった場合、燃焼室15で燃焼される燃料が比較的に少なく、ピストン21の温度がそれほど高くならない。そこで、ステップS35では、オイルジェット55からピストン21へのオイルの噴射を停止する。その後、制御装置80は、今回の一連の処理を終了する。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
仮に、運転者のアクセル操作量X2がゼロである場合にスロットルバルブ31が全閉状態に制御されるものとする。このようにスロットルバルブ31が全閉状態に制御されている場合、吸気通路11から燃焼室15の内部に吸気が導入されにくくなり、燃焼室15の負圧が大きくなる。すると、この負圧に抗してピストン21が下死点側(図1における下側)へと運動するために多くエネルギーが必要となり、いわゆるエンジンブレーキが効果的に作用する。その一方で、上述のように燃焼室15の負圧が大きくなると、オイルジェット55から噴射されて、ピストン21の外周面と気筒12の内周面との間を潤滑するオイルが、ピストン21の上死点側に移動して燃焼室15内に混入してしまうことがある。このように燃焼室15内にオイルが混入すると、燃焼室15内でオイルが燃焼することになるので、内燃機関100を循環するオイル量が減少する。
仮に、運転者のアクセル操作量X2がゼロである場合にスロットルバルブ31が全閉状態に制御されるものとする。このようにスロットルバルブ31が全閉状態に制御されている場合、吸気通路11から燃焼室15の内部に吸気が導入されにくくなり、燃焼室15の負圧が大きくなる。すると、この負圧に抗してピストン21が下死点側(図1における下側)へと運動するために多くエネルギーが必要となり、いわゆるエンジンブレーキが効果的に作用する。その一方で、上述のように燃焼室15の負圧が大きくなると、オイルジェット55から噴射されて、ピストン21の外周面と気筒12の内周面との間を潤滑するオイルが、ピストン21の上死点側に移動して燃焼室15内に混入してしまうことがある。このように燃焼室15内にオイルが混入すると、燃焼室15内でオイルが燃焼することになるので、内燃機関100を循環するオイル量が減少する。
ここで、運転者のアクセル操作量X2がゼロである場合にスロットルバルブ31を全閉状態よりも大きい開度に制御することで、燃焼室15における負圧を小さくすることはできる。しかし、燃焼室15の負圧が小さくなれば、エンジンブレーキが弱くなってしまう。
本実施形態では、運転者のアクセル操作量X2がゼロである場合にスロットルバルブ31を全閉状態よりも大きい所定開度A3に制御する。これにより、スロットルバルブ31が全閉状態になっている場合に比べて、燃焼室15の負圧が過度に大きくなることを抑制できる。また、本実施形態では、ピストン21が上死点から下死点に移動しているときに、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させる。これにより、ピストン21が上死点から下死点に運動しているときに、オイルジェット55から噴射されたオイルがピストン21の下死点側の面に衝突する。すなわち、下死点側に運動するピストン21に抗するように、ピストン21の下死点側の面にオイルが衝突する。すると、気筒12内を往復運動するピストン21の負荷を大きくなる。その結果、アクセル操作量X2がゼロである場合には、燃焼室15の負圧が多少小さくなっても、エンジンブレーキが弱くなることを抑制できる。
また、仮に、ピストン21が下死点から上死点に移動しているときにも、開閉弁54を制御してオイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させるものとする。この場合には、ピストン21が下死点から上死点に移動しているときに、オイルジェット55から噴射されたオイルがピストン21の下死点側の面に衝突したとしても、運動するピストン21に抗するようにピストン21に対してオイルが衝突しない。このように噴射されたオイルはピストン21の負荷を大きくすることに寄与しないため、オイルジェット55からオイルが不要に噴射されることになる。このように不要にオイルが噴射されると、ピストン21が上死点から下死点に移動しているときにピストン21に対して衝突するオイルの圧力が低下し、気筒12内を往復運動するピストン21の負荷を十分に大きくできないことがある。
本実施形態では、ピストン21が上死点から下死点に移動しているときにオイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させる一方、ピストン21が下死点から上死点に移動しているときにオイルジェット55からピストン21へのオイルの噴射を停止する。これにより、オイルジェット55からオイルが不要に噴射されることを抑制できる。その結果、ピストン21が上死点から下死点に移動しているときにピストン21に対して衝突するオイルの圧力が低下することを抑制でき、気筒12内を往復運動するピストン21の負荷を大きくできる。
また、本実施形態では、ステップS21の処理によってピストン21が下死点側へと移動するために必要なエネルギーと、ステップS22の処理によってピストン21が下死点側へと移動するために必要なエネルギーとの和が、要求回転数Y1が変化しても一定になるようにスロットルバルブ31の所定開度A3を制御している。これにより、運転者のアクセル操作量X2がゼロである場合には、要求回転数Y1の変化に拘わらず、一定のエンジンブレーキを作用させることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、ステップS21の処理における所定開度A3は変更できる。例えば、所定開度A3は、要求回転数Y1に拘わらず、全閉状態よりも大きい一定の値であってもよい。この場合にも、スロットルバルブ31が全閉状態である場合に比べて、燃焼室15の負圧を小さくすることはできる。
・上記実施形態において、ステップS21の処理における所定開度A3は変更できる。例えば、所定開度A3は、要求回転数Y1に拘わらず、全閉状態よりも大きい一定の値であってもよい。この場合にも、スロットルバルブ31が全閉状態である場合に比べて、燃焼室15の負圧を小さくすることはできる。
・上記実施形態において、ステップS22の処理における開閉弁54の開閉状態は変更できる。例えば、制御装置80は、ピストン21の移動方向に拘わらず、オイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させてもよい。この場合にも、少なくともピストン21が上死点から下死点に移動しているときには、ピストン21の下死点側の面にオイルジェット55から噴射されたオイルが衝突する。また、例えば、制御装置80は、ピストン21が上死点から下死点に移動するまでの期間のうちの一部で、オイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させてもよい。
・上記実施形態において、ステップS31〜S35の処理は変更できる。例えば、ステップS32及びステップS33の処理を省略して常にステップS34の処理を実行してもよい。この構成においても、アクセル操作量X2がゼロである場合には、燃焼室15の負圧が過度に大きくなることを抑制しつつ、エンジンブレーキが弱くなることを抑制できる。なお、この構成においては、ステップS35の処理も省略できる。
・また、ステップS34の処理における開閉弁54の開閉状態は変更できる。例えば、制御装置80は、ピストン21の移動方向に拘わらず、オイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させてもよい。また、例えば、制御装置80は、ピストン21が上死点から下死点に移動するまでの期間のうちの一部で、オイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させてもよい。
・上記実施形態において、開閉弁54の数は変更できる。例えば、上記のようにステップS22の処理において、ピストン21の移動方向に拘わらず、オイルジェット55からピストン21の下死点側の面に向かってオイルを噴射させる場合には、開閉弁54の数を一つにしてもよい。具体的には、オイル供給通路56におけるオイルポンプ53とオイルジェット55との間で1つの通路が4つに分岐する部分よりもオイルポンプ53側の部分に開閉弁54を取り付けてもよい。
A1…所定回転数、A2…所定トルク、A3…所定開度、S1…制御信号、S2…制御信号、S3…制御信号、X1…クランク角、X2…アクセル操作量、Y1…要求回転数、Y2…要求トルク、11…吸気通路、12…気筒、13…排気通路、15…燃焼室、21…ピストン、22…コネクティングロッド、23…クランクシャフト、31…スロットルバルブ、32…燃料噴射弁、50…オイル供給装置、51…オイルパン、52…ストレーナ、53…オイルポンプ、54…開閉弁、55…オイルジェット、56…オイル供給通路、71…クランク角センサ、72…アクセル開度センサ、80…制御装置、100…内燃機関。
Claims (1)
- 吸気を導入するための吸気通路と、
前記吸気通路に接続された気筒と、
前記吸気通路に取り付けられて当該吸気通路を流通する吸気量を調整するスロットルバルブと、
前記気筒の内部に配置されて当該気筒内を往復運動するピストンと、
前記ピストンの下死点側の面に向かってオイルを噴射するオイルジェットと、
前記オイルジェットへのオイル供給通路に設けられ、当該オイル供給通路の流路を開閉する開閉弁とを備えている内燃機関に適用される制御装置であって、
アクセルペダルの操作量がゼロである場合には、前記スロットルバルブを全閉状態よりも大きい開度に制御し、且つ前記ピストンが上死点から下死点に運動しているときに、前記開閉弁を制御して前記オイルジェットから前記ピストンにオイルを噴射させる
内燃機関の制御装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022109301B3 (de) | 2022-04-14 | 2023-08-17 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Verfahren zum Unterstützen der Bremsung bei einem Kraftfahrzeug sowie entsprechendes Kraftfahrzeug |
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